説明

ボールねじおよびボールねじのナット剛性の制御方法

【課題】ボールねじの駆動条件の変化に合わせてナットの剛性を積極的に制御する。
【解決手段】予圧形式が、圧縮方向予圧ボールねじ、オーバーサイズボール予圧ボールねじ、または無負荷時における前記ナットまたは前記ねじ軸の軸方向に遊びを設けてなる微すきまボールねじに用いるナットの剛性を制御する方法であって、ナットを冷却および加熱可能な温度調節手段によってナットを冷却または加熱することで予圧荷重およびナット剛性を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじに係り、特に、ボールねじの駆動時に発生するナットの熱膨張を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールねじのナットを冷却する先行技術として、例えば特許文献1ないし2に記載の技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術では、ナットの軸方向に沿って貫通穴を設け、この貫通穴に冷却媒体を通してナットを冷却している。
また、特許文献2では、ナットを冷却することにより、予圧方式によっては予圧荷重を高くする方向にナットが収縮することを説明している。そして、ナットの熱収縮によって予圧荷重が高くなると、動摩擦トルクが上昇するという問題を、ナットの予圧方式を引っ張り方向への2点接触予圧を採用することで解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−310258号公報
【特許文献2】特開2010−133556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ナットを単に冷却することを目的とするものなので、駆動条件に合わせてナットの剛性を制御することはできない。
また、特許文献2に記載の技術においても同様であり、ナットの予圧方式として引っ張り方向への2点接触予圧を採用することで、ナットの熱収縮によって予圧荷重はほとんど変化しないため、動摩擦トルクの上昇を抑制可能なものの、積極的にナットの剛性を制御する上で不十分である。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、駆動条件の変化に合わせてナットの剛性を積極的に制御し得るボールねじおよびボールねじのナット剛性の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のうち第一の発明は、螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有するとともに、前記対向するねじ溝同士の間に装填された複数の転動体を介して相対移動可能に外嵌されるナットとを備えるボールねじにおいて、予圧形式が、圧縮方向予圧ボールねじ、オーバーサイズボール予圧ボールねじ、または無負荷時における前記ナットまたは前記ねじ軸の軸方向に遊びを設けてなる微すきまボールねじであって、前記ナットを冷却および加熱可能な温度調節手段と、該温度調節手段によって前記ナットを冷却または加熱させることで予圧荷重およびナット剛性を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
第一の発明に係るボールねじによれば、ナットを冷却および加熱可能な温度調節手段と、この温度調節手段によってナットを冷却または加熱させることで予圧荷重およびナット剛性を制御する制御部とを備えるので、駆動条件の変化に合わせてナットの剛性を積極的に制御することができる。
すなわち、予圧荷重とナット剛性とには、下記の式(1)に示すような関係があり、ナットの剛性は予圧荷重の1/3乗に比例する。また、図1は、圧縮予圧ボールねじのナットを冷却した場合の温度と駆動トルクの変化を示したグラフであるが、同図からわかるように、ナットを冷却することによって、ナットが熱収縮を起こして予圧荷重が高くなり、結果として駆動トルクが高くなっている。以上より、ボールねじのナットの温度を管理することによって予圧を積極的に変化させ、結果としてナットの剛性を制御することができることがわかる。
【0008】
【数1】

【0009】
ここで、第一の発明に係るボールねじにおいて、ナットを温度調節手段によって冷却すると、ナットが軸方向および径方向に収縮するが、このとき、予圧形式が圧縮予圧ボールねじであれば、径方向・軸方向それぞれの収縮によって予圧荷重が増大し、総合的な予圧荷重が大きく増大する。一方、加熱時には、逆に総合的な予圧荷重が大きく減少する。よって、本発明に係るボールねじが圧縮予圧ボールねじであれば、温度の変化に対する予圧荷重およびナット剛性の変化の割合が大きいことが特徴である。
【0010】
また、第一の発明に係るボールねじにおいて、予圧形式がオーバーサイズボール予圧ボールねじであれば、冷却時には、ナットの収縮によって径方向・軸方向ともに予圧が増大する。一方、加熱した場合には、ナットの膨張によって径方向では予圧が小さくなるが、軸方向では膨張によって予圧が増大するため、総合的には予圧が変化しない。つまり、オーバーサイズボール予圧ボールねじにおいては、冷却時には予圧が増加するが、加熱時には予圧が変化しないことが特徴である。
【0011】
また、第一の発明に係るボールねじにおいて、予圧形式が微すきまボールねじであれば、冷却時には、径方向・軸方向のそれぞれに収縮することで予圧ボールねじとなる。よって、剛性が必要な時(例えば加工時)には、ナットを冷却することで予圧ボールねじとして予圧荷重高めてナット剛性を上げることができる。一方、搬送等の高速移動時には、ナットを加熱することによって微すきまボールねじとし、これにより、駆動時の動摩擦トルクの低減や、予圧荷重の低下による寿命の向上を図ることができる。
【0012】
ここで、第一の発明に係るボールねじにおいて、前記温度調節手段が、前記ナットの外周を螺旋状に囲繞する管を有し、該管内に液体を循環させることによって前記ナットを冷却または加熱するようになっていることは好ましい。また、前記温度調節手段は、前記ナットの内周に且つ前記対向するねじ溝同士の間に沿って配置された管を有し、該管内に液体を循環させることによって前記ナットを冷却または加熱するようになっていることは好ましい。このような構成であれば、ナットの全周を均一に温度管理する上で好適であり、これにより、一層の安定した予圧管理および剛性管理を行うことができる。
【0013】
また、本発明のうち第二の発明は、螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有するとともに、前記対向するねじ溝同士の間に装填された複数の転動体を介して相対移動可能に外嵌されるナットとを備え、予圧形式が、圧縮方向予圧ボールねじ、オーバーサイズボール予圧ボールねじ、または無負荷時における前記ナットまたは前記ねじ軸の軸方向に遊びを設けてなる微すきまボールねじに用いられる前記ナットの剛性を制御する方法であって、前記ナットを冷却および加熱可能な温度調節手段によって前記ナットを冷却または加熱することで予圧荷重およびナット剛性を制御することを特徴とする。
【0014】
第二の発明に係るボールねじのナット剛性の制御方法によれば、ナットを冷却および加熱可能な温度調節手段によってナットを冷却または加熱することで予圧荷重およびナット剛性を制御するので、上記第一の発明同様に、駆動条件の変化に合わせてナットの剛性を積極的に制御することができる。
【発明の効果】
【0015】
上述のように、本発明によれば、駆動条件の変化に合わせてナットの剛性を積極的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ボールねじにおけるトルクと温度変化との関係の一例を示すグラフである。
【図2】本発明に係るボールねじの第一実施形態(外周螺旋型の温度調整手段+圧縮方向予圧ボールねじ)を説明する図である。
【図3】本発明に係るボールねじの第一実施形態(圧縮方向予圧ボールねじ)の軸線方向に沿った断面図である。なお、同図では、外周螺旋型の温度調整手段については、軸方向の貫通穴(32)の簡略したイメージで図示している(以下、図7を除く他の図において同じ)。
【図4】本発明に係るボールねじの第一実施形態の作用効果(冷却時)を説明する図である。
【図5】本発明に係るボールねじの第一実施形態の作用効果(加熱時)を説明する図である。
【図6】本発明に係るボールねじの第二実施形態(内周螺旋型の温度調整手段)を説明する図である。
【図7】本発明に係るボールねじの第三実施形態の冷却構造を説明する図であり、同図(a)は軸方向から見た正面図、(b)はナットを軸線に沿って破断して示す側面図である。
【図8】本発明に係るボールねじの第四実施形態(オーバーサイズボール予圧ボールねじ)の軸線方向に沿った断面図である。
【図9】本発明に係るボールねじの第五実施形態(微すきまボールねじ)の軸線方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図2に示すように、この第一実施形態のボールねじ1は、螺旋状のねじ溝10aを外周面に有するねじ軸10と、このねじ軸10のねじ溝10aに対向するねじ溝20aを内周面に有するナット20とを有する。ナット20は、ねじ軸10の外径よりも大きい内径を有する筒状に形成されている。そして、対向するねじ溝10a,20a同士の間に転動自在に装填された複数の転動体15を介して螺合することで、ねじ軸10に相対移動可能に外嵌されている。ここで、この例では、図3に示すように、ねじ軸10のねじ溝10aと、ナット20のねじ溝20aとの間には、予圧方向を圧縮方向とし、これにより予圧荷重Fa0が付加されてオフセットリード予圧(圧縮方向予圧ボールねじ)とされた状態で複数の転動体15が組み込まれている。
【0018】
図2に戻り、ナット20には、ナット20の外周面20bを螺旋状に囲繞する管32が巻き付けられている。この管32は、冷却媒体の通路として用いられ、管32の両端は、管32内で冷却媒体を循環させるための循環装置34に接続されている。この循環装置34は熱交換機36を有し、この循環装置34及び管32によって温度調節手段30が構成されている。これにより、循環装置34内の熱交換機36によって冷却ないし加熱された管32内の冷却媒体は、循環装置34によって管32を循環することによってナット20を冷却または加熱可能になっている。この例では、冷却媒体の通路として用いられる管32が、ナット20の外周面20bを螺旋状に囲繞する外周螺旋型の温度調整手段の構成としたので、図2(a)に符号Hで冷却範囲(破線とハッチングで示す範囲)を示すように、ナット20を全体的に均一に冷却または加熱する上で好適である。
【0019】
さらに、この例では、ナット20の表面には温度測定手段として温度計40が付設されており、この温度計40によって取得された温度測定の情報が制御部50に入力される。制御部50は、マイクロコンピュータを有して構成されており、温度測定の情報のほか、このボールねじ1が組み込まれる設備を制御するコンピュータから駆動条件に係る情報(例えば、低速高精度を要する加工時の駆動情報や、高速移動が要求されるものの停止精度要求がそれほど高くない高速移動時の駆動情報など)が入力されるようになっている。そして、この制御部50は、上記取得した温度測定情報および駆動条件の変化情報に基づいて、上記熱交換機36および循環装置34を制御し、ナット20の温度を、駆動条件に応じた所定の温度にコントロールするようになっている。
【0020】
以下、図4および5を参照して、制御部50による、駆動条件に応じた所定の温度へのコントロールの作用機序および効果について説明する。なお、図4および5は、圧縮方向を予圧方向とした上記第一実施形態のボールねじ1(圧縮方向予圧ボールねじ)において、ナットが上記制御部50による熱交換機36および循環装置34の制御運転によって、冷却ないし加熱された際のナット収縮との関係を示した図である。
【0021】
図4に示すように、圧縮方向への2点接触予圧をナット20に与えた状態の圧縮方向予圧ボールねじにおいて、ナット20を冷却したときには、径方向への熱収縮f1が、上記予圧荷重Fa0を高める方向に作用(同図(a)参照)するとともに、軸方向への熱収縮f2についても予圧荷重Fa0を高める方向に作用(同図(b)参照)する。そのため、総合的な予圧が大きく増加する(同図(c)参照)。
【0022】
一方、図5に示すように、この圧縮方向予圧ボールねじにおいて、ナット20を加熱したときには、径方向への熱膨張f1が予圧荷重Fa0を減少させる方向に作用(同図(a)参照)するとともに、軸方向への熱膨張f2についても予圧荷重Fa0を減少させる方向に作用(同図(b)参照)する。そのため、総合的な予圧が大きく減少することになる(同図(c)参照)。
【0023】
よって、この第一実施形態のボールねじ1(圧縮方向の2点接触予圧をナット20に与えたボールねじ)では、ナット20を冷却または加熱することにより、総合的な予圧を大きく増加または減少させることができる。そのため、駆動条件の変化に合わせて、効率的にボールねじ1のナット20の剛性を積極的に制御することができる。
なお、本発明に係るボールねじおよびボールねじのナット剛性の制御方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
【0024】
例えば、上記第一実施形態では、冷却媒体の通路として用いられる管32が、ナット20の外周面20bを螺旋状に囲繞する外周螺旋型の温度調整手段となっている例を説明したが、これに限らず、図6に示す、本発明に係るボールねじの第二実施形態のように、管32をナット20の内周面20cに設けた内周螺旋型の温度調整手段として構成してもよい。なお、図6では、循環装置34、温度計40および制御部50の図示を省略した。
【0025】
同図に示す第二実施形態においては、ナット20内の転動体15の循環路を複数条とした多条構成とし、そのうち、転動体15を循環させない条を設けてこの条に管32を配置する構成としている。このような構成であれば、第一実施形態同様、図6(a)に符号Hで冷却範囲を示すように、ナット20を全体的に均一に冷却または加熱する上で好適である。そして、この効果に加え、第一実施形態のような外周螺旋型の温度調整手段に比べ、ナット20の内部に冷却用の流路があるので、冷却ないし加熱に対するナット20の熱膨張による変形の応答性が高い。
【0026】
ここで、第一ないし第二実施形態のような内外周螺旋型の温度調整手段であれば、ナット20を全体的に均一に冷却または加熱する上で好適であるが、本発明はこれに限らず、例えば図7に示す第三実施形態のように、軸方向の貫通穴32(この例では、同図(a)に示すように、周方向等間隔に4カ所設けている)を、冷却媒体の通路として用いられる管32として採用してもよい。しかし、この場合には、図7(a)に符号Hで冷却範囲を示すように、ナット20を全体的に均一に冷却または加熱する上では不十分なものの、構成を簡単にする上では好ましい。
また、上記実施形態では、ボールねじ1の予圧形式が、圧縮方向予圧ボールねじである例で説明したが、ボールねじ1の予圧形式もこれに限定されず、オーバーサイズボール予圧ボールねじや、微すきまボールねじとすることができる。
【0027】
例えば、図8に示す第四実施形態は、ボールねじ1の予圧形式を、オーバーサイズボール予圧ボールねじとした例である。なお、上記説明した第一ないし第三実施形態と予圧方式以外は同様な構成とすることができるので、予圧方式以外の構成については説明を省略する。
このボールねじ1は、対向するねじ溝10a,20a同士の間に転動自在に装填された複数の転動体15の直径が、ねじ溝10a,20a同士の対向距離よりも僅かに大きいものを組み込んで予圧を掛けたオーバーサイズボール予圧ボールねじである。
【0028】
予圧形式がオーバーサイズボール予圧ボールねじであれば、冷却時には、ナットの収縮によって径方向・軸方向ともに予圧が増大する。一方、加熱した場合には、ナットの膨張によって径方向では予圧が小さくなるが、軸方向では膨張によって予圧が増大するため、総合的には予圧が変化しない。つまり、オーバーサイズボール予圧ボールねじにおいては、冷却時には予圧が増加するが、加熱時には予圧が変化しないことが特徴である。このような特徴があるため、オーバーサイズボール予圧ボールねじにて上記制御部50による熱交換機36および循環装置34の制御運転によって、加熱ナット20を冷却または加熱することにより、所期の予圧を付与した通常時からは予圧が低下しないため、最低限の剛性を確保し、重切削等を行う場合には冷却により剛性を高めることができる。
【0029】
また、図9に示す第五実施形態は、ボールねじ1の予圧形式を、微すきまボールねじとした例である。なお、上記説明した第一ないし第三実施形態と予圧方式以外は同様な構成であるので、予圧方式以外の構成については説明を省略する。
このボールねじ1は、対向するねじ溝10a,20a同士の間に転動自在に装填された複数の転動体15の直径が、ねじ溝10a,20a同士の対向距離よりも僅かに小さいものを組み込んで隙間をつくり、ナットまたはねじ軸の軸方向に遊びを設けてなる微すきまボールねじである。微すきまボールねじは、隙間を設けた分のバックラッシュがあるものの、予圧ボールねじと比べて駆動時の温度上昇が低く、また、駆動時の動摩擦トルクも低いので、位置決め精度が要求されない高速駆動に適している。
【0030】
予圧形式が微すきまボールねじであれば、冷却時には、径方向・軸方向のそれぞれに収縮することで予圧ボールねじとなる。よって、剛性が必要な時(例えば加工時)には、ナットを冷却することで予圧ボールねじとして予圧荷重高めてナット剛性を上げることができる。一方、搬送等の高速移動時には、ナットを加熱することによって微すきまボールねじとし、これにより、駆動時の動摩擦トルクの低減や、予圧荷重の低下による寿命の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 ボールねじ
10 ねじ軸
15 転動体
20 ナット
30 温度調節手段
32 管(冷却媒体の通路)
34 循環装置
36 熱交換機
40 温度計(温度測定手段)
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有するとともに、前記対向するねじ溝同士の間に装填された複数の転動体を介して相対移動可能に外嵌されるナットとを備えるボールねじにおいて、
予圧形式が、圧縮方向予圧ボールねじ、オーバーサイズボール予圧ボールねじ、または無負荷時における前記ナットまたは前記ねじ軸の軸方向に遊びを設けてなる微すきまボールねじであって、
前記ナットを冷却および加熱可能な温度調節手段と、該温度調節手段によって前記ナットを冷却または加熱させることで予圧荷重およびナット剛性を制御する制御部とを備えることを特徴とするボールねじ。
【請求項2】
前記温度調節手段は、前記ナットの外周を螺旋状に囲繞する管を有し、該管内に液体を循環させることによって前記ナットを冷却または加熱するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
【請求項3】
前記温度調節手段は、前記ナットの内周に且つ前記対向するねじ溝同士の間に沿って配置された管を有し、該管内に液体を循環させることによって前記ナットを冷却または加熱するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
【請求項4】
螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有するとともに、前記対向するねじ溝同士の間に装填された複数の転動体を介して相対移動可能に外嵌されるナットとを備え、予圧形式が、圧縮方向予圧ボールねじ、オーバーサイズボール予圧ボールねじ、または無負荷時における前記ナットまたは前記ねじ軸の軸方向に遊びを設けてなる微すきまボールねじに用いられる前記ナットの剛性を制御する方法であって、
前記ナットを冷却および加熱可能な温度調節手段によって前記ナットを冷却または加熱することで予圧荷重およびナット剛性を制御することを特徴とするボールねじのナット剛性の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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