説明

ボール発射機

【課題】 特にボール投入口下部付近に渦巻きを発生させることにより、ちょうど台風の目と同じような状態となり、低気圧となるため軽いボール1つでも簡単に落下するもので、落下したボールは渦巻きに巻き込まれ、仕切り板に沿ってボールが移動し、確実にダクトホースより外へ発射(排出・吹き飛ばされる)されるもので、投入口より連続してボールを入れても詰まることなく排出できるボール発射機を提供する。
【解決手段】 ボールを投入するボール投入口を設けてなるボール回転BOXに送風機及びダクトホースを設けると共に、ボール回転BOX内に送風機から送られる風を渦巻き状に回転させるための仕切り板を設けてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば室内遊具としてのボールプールに付設して使用するボール発射機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、適当なものがないが、例えば、一端開口が圧力空気取入口となり、他端開口がボール発射口となる直線状の円筒管からなる発射管と、発射管の内部に移動自在に内嵌され、発射口側が開口していると共に圧力空気取入口側が閉鎖した有底円筒形状で、その内部にボールが装入されるカップと、発射管の少なくとも発射口の位置でカップの移動を停止して、発射口からはボールのみを飛び出し可能としているストッパーとを備え、発射管内でボールをカップに装入して移動させ、発射口でカップをストッパーで停止してボールを飛び出させているものがある。(特許文献1参照)
【0003】
また、他の従来技術として、図4にあるような送風機aより送り出される風Kにより投入口TよりボールBを投入し、ダクト管Dより発射する形態のものが一般的に使用されている。
【特許文献1】 特開2000−342737号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記前者において、特に硬式テニスボール等の比較的重いボールを発射させるもので、軽いボールを連続的に発射するには不向きであり、本発明とは構造・目的を達成するための機能・効果が異なるものである。
【0005】
また、上記後者においては、比較的重いボールであれば、自動的に落下し、発射することができるが、軽いボール(樹脂製クッションボール等)の場合、風の道Mに入り込めず、いつまでも浮かんでおり、落下しないものである。
【0006】
本発明は、上記のような従来の構成が有していた問題を解決しようとするもので、特にボール投入口下部付近に渦巻きを発生させることにより、ちょうど台風の目と同じような状態となり、低気圧となるため軽いボール1つでも簡単に落下するもので、落下したボールは渦巻きに巻き込まれ、仕切り板に沿ってボールが移動し、確実にダクトホースより外へ発射(排出・吹き飛ばされる)されるもので、投入口より連続してボールを入れても詰まることなく排出できるボール発射機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明は上記目的を達成するために、ボールを投入するボール投入口を設けてなるボール回転BOXに送風機及びダクトホースを設けると共に、ボール回転BOX内に送風機から送られる風を渦巻き状に回転させるための仕切り板を設けてなること。また、ボール投入口をボール回転BOXの上面ほぼ中央に設けると共に、送風機及びダクトホースを側面に設けてなること。さらに、仕切り板が、第1仕切り板と第2仕切り板とから構成され、第1仕切り板にて風をダクト内に送り込みボールを外へ発射させると共に、第2仕切り板にてボール投入口下部周囲に渦巻きを発生させてなること。その上、ボール投入口下部付近の気圧を低くし、空気を吸引することによりボールを落下させやすくしてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上述したように、本発明のボール発射機によれば、以下の効果を有するものである。
1)、ボール回転BOX内に送風機から送られる風を渦巻き状に回転させるための仕切り板を設けることにより、台風の原理を応用し、中心付近に台風の目を作ることができる。
2)、ボール投入口をボール回転BOXの上面ほぼ中央に設けると共に、送風機及びダクトホースを側面に設けることにより効率よく風の流れ(入口と出口)を作ることができる。
3)、第1仕切り板と第2仕切り板との組み合せにより、効率よく渦巻き状の風を作り出すことができる。
4)、第1仕切り板に沿ってボールを勢いよく排出できる。
5)、ボール投入口下部付近の気圧を低くすることができることにより、空気を吸引することができ、必然的に軽いボールでも簡単に落下し、渦巻き状の風に沿って、ボールが次から次へ発射(吹き飛ばされる)できるものである。
6)、特に、ボールが複数個、ボール回転BOX内に入っても詰まることなく、整列して、発射されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
1は、ボール発射機である。
2は、ボールを投入する円筒状のボール投入口2aを上面ほぼ中央に突設してなる平面四角形状のボール回転BOXである。
3は、上記ボール回転BOX2の側面奥側に設けてなる送風機である。
4は、上記ボール回転BOX2の側面手前に設けてなるダクトホースである。
5は、上記送風機3から送られた風K1を一部渦巻き状に形成すると共に、上記ダクトホース4内に送り込むため、略半円弧状に形成してなる第1仕切り板である。
6は、上記送風機3から送られた風K2を上記ボール投入口2a下部周囲に渦巻き状に形成するR状に形成した第2仕切り板で、ちょうど台風の目をボール投入口下部周囲に作るもので、ボールを連続的に落下(吸引)させることができる。
【0010】
つぎに、上記ボール発射機1の使用例について、下記に述べる。
まず、送風機3を作動させ風K3をボール回転BOX2内に送り込むことにより、渦巻き状の風を(台風と同様な)を発生させる。
第2仕切り板6にて発生させた風K4にてボール投入口2aから吸引落下したボールB1−−−(連続してボールを落下させることも可能)は左回転しながら風K1等により第1仕切り板5に沿ってボールB1−−−が移動し、勢いよくダクトホース4内に入り、外へ吹き飛ばされる。
【0011】
上記ボール発射機1は、例えばデパートやショッピングセンター等々に設置されている室内遊園地の中でよく見かけるボールプールの中に設置し、使用するものである。
実験の結果、一度にたくさんのボールを入れても詰まることなく、全て飛び出し、良好な結果を得ることができた。
【0012】
なお、ボール回転BOXの大きさ及び材質等は特に限定するものではない。
また、送風機の能力等も吹き飛ばすボールの種類・大きさや重さによって設定すればよい。
さらに、使用場所も特に限定することなく、色々考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 本発明の実施形態を示すボール発射機の一部縦断正面図。
【図2】 本発明の実施形態を示すボール発射機の平面図。
【図3】 本発明の実施形態を示すボール発射機の一部横断平面図。
【図4】 従来例を示す一部縦断正面図。
【符号の説明】
【0014】
1−−−ボール発射機
2−−−ボール回転BOX
3−−−送風機
4−−−ダクトホース
5−−−第1仕切り板
6−−−第2仕切り板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールを投入するボール投入口を設けてなるボール回転BOXに送風機及びダクトホースを設けると共に、ボール回転BOX内に送風機から送られる風を渦巻き状に回転させるための仕切り板を設けてなることを特徴とするボール発射機。
【請求項2】
ボール投入口をボール回転BOXの上面ほぼ中央に設けると共に、送風機及びダクトホースを側面に設けてなることを特徴とする請求項1記載のボール発射機。
【請求項3】
仕切り板が、第1仕切り板と第2仕切り板とから構成され、第1仕切り板にて風をダクト内に送り込みボールを外へ発射させると共に、第2仕切り板にてボール投入口下部周囲に渦巻きを発生させてなることを特徴とする請求項1又は2記載のボール発射機。
【請求項4】
ボール投入口下部付近の気圧を低くし、空気を吸引することによりボールを落下させやすくしてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載のボール発射機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−61643(P2006−61643A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276143(P2004−276143)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(599051890)株式会社風船工房匠 (13)
【出願人】(504359020)