説明

ポイントの鎖錠制御方法及び電気転てつ機におけるオフセットリンクのストローク調整機構

【課題】 ポイントの反位転換時の対向鎖錠を確保する。
【解決手段】 電気転てつ機に発生させたストロークによって転換鎖錠器のY形クランクを転回させ、ポイントを定位から反位へ転換させるに際し、Y形クランクの転回角のずれによる対向鎖錠不良を補償する。
電気転てつ機4と転換鎖錠器3間をつなぐオフセットリンク9にばね圧を作用させた状態でそのストロークを一定の範囲にわたって可変とし、ポイントを定位から反位に転換させて対向鎖錠させるに必要なストロークの差分をオフセットリンク9のストロークの可変の範囲内で吸収させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転換鎖錠器を使用した側線割出し機能を有する電気転てつ機、例えば、YS形電気転てつ機におけるポイントの鎖錠制御方法及びオフセットリンクのストローク調整機構に関する。
【背景技術】
【0002】
YS形電気転てつ機は、転換鎖錠器(YS形)および回路制御器(YS形)と併用され、本線以外のポイントの転換に使用することを目的した電気転てつ機であり、背向割出しが可能である。図5にYS形電気転てつ機の設置状態を示す。電気転てつ機は、転換装置であり、転換機構、減速機構及び誘導電動機から構成されている。転換機構は、転換歯車に固定された転換ローラとカムによりクランクを動かし、ポイントを転換するものである。また、転換鎖錠器(YS形)は、鎖錠装置であり、回路制御器(YS形)が密着照査装置である。
【0003】
図5において、転換鎖錠器30は、Y形クランク31と絶縁リンク32とで構成され、Y形クランク31は90°回転した位置でばねによって保持されるようになっている。Y形クランク31と、同軸上に取り付けられたアーム33と、電気転てつ機34のクランク35とは、オフセットリンク36で接続されている。
オフセットリンク36は、電気転てつ機34のクランク35の動きを転換鎖錠器のアーム33に伝え、アーム33は、同軸上のY形クランク31を、左又は右方向に回転させて基本レール37a、37bに対してトングレール38a、38bの方向を転換し、ポイントを定位から反位に、あるいは反位から定位に転換する。
【0004】
ここで重要なことは、転換終了後、肘金およびクランクピン孔中心A,B点とクランク軸の中心C点が1直線となってトングレールと直角方向に死点を構成して対向鎖錠を確保することである。
【0005】
ところで、従来の電気転てつ機34のクランク35は、転換時にクランク軸を中心に60°転回してオフセットリンク36に正規のストローク(200mmのストローク)を与え、転換鎖錠器30のY形クランク31は、このストローク(200mm)を受けて90°転回し、ポイントを定位又は反位に鎖錠するように設計されているのであるが、転換鎖錠器30のアーム33の長さの製作誤差及び電気転てつ機34のクランク35の製作誤差などが原因となって、転換鎖錠器30のY形クランク31の転回角にずれが生じることがある。すなわち、Y形クランク31が転換鎖錠器30のストッパ(図4のストッパ20a,20b参照)に完全に押し付けられない状態になることがある。
【0006】
このような場合に、オフセットリンクに200mmの正規のストロークを与えて転換鎖錠器30のY形クランク31を定位から反位に転換させたときに、肘金およびクランクピン孔中心A,B点とクランク軸の中心C点間に死点配列を構成できず、この結果、反位転換時の対向鎖錠を確保できないという問題が生じる。
【0007】
ちなみに、YS形電気転てつ機のオフセットリンク36の長さは調節できるようになっているが、これは電気転てつ機34と転換鎖錠器30間の距離にあわせてオフセットリンク36の長さを調節するためのものであって、電気転てつ機34から受ける正規のストロークに対して転換鎖錠器のY形クランクの回転角度がずれた時にそのずれを調整する機構は設けられていない。
【0008】
このため、電気転てつ機34の正規のストロークでオフセットリンク36を移動させたとしても転換鎖錠器30のY形クランク31を正規の角度で転回させてポイントを定位又は反位に鎖錠できるという保証はない。従来このような問題が生じたときには、オフセットリンク31の長さを微妙に調整することによって、Y形クランク31が定位、反位の中間になるように調整していたが、このような調整では、Y形クランク31がストッパに完全に当たらないことや、回転角度が大きすぎて電機転てつ機に悪影響を与える虞があった。
【0009】
【特許文献1】特願2007−84459号の出願明細書及び図面
【非特許文献1】(社)日本鉄道電気技術協会 「転てつ装置」 平成4年5月10日 P39〜P47
【非特許文献2】動力転てつ機の話、社団法人信号保安協会 昭和44年 P95〜100
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、オフセットリンクの長さを変えてみても、対向鎖錠に問題があったときにその問題を解消することができないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による電気転てつ機におけるポイントの鎖錠制御方法及びオフセットリンクのストローク調整機構においては、ポイントの定位鎖錠を確保した上で、ポイント転換の際に、転換鎖錠器の転回角に多少のずれがあったとしてもその誤差を吸収して反位鎖錠を確保できるようにしたことをもっとも主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による電気転てつ機におけるポイントの鎖錠制御方法及びオフセットリンクのストローク調整機構によれば、転換鎖錠器のY形クランクの転回角が正規の転回角60°から多少ずれていたとしてもそのずれを吸収して、確実に反位鎖錠を行うことが可能となり、したがって、電気転てつ機や転換鎖錠器あるいは電気転てつ機のクランク、転換鎖錠器のアームの長さの製作誤差などが原因となって、転換鎖錠器のY形クランクの転回角にずれ生じたとしても、定位、反位の鎖錠を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ポイント転換の際に、転換鎖錠器のY形クランクの転回角に多少のずれがあったとしてもその誤差を吸収して反位鎖錠を確実に行うという目的を、ばねによってオフセットリンクの長さ方向の変化を吸収させることで実現した。
【実施例1】
【0014】
本発明は、電気転てつ機に発生させたストロークによって転換鎖錠器のY形クランクを転回させ、ポイントを定位から反位へ転換させるに際し、Y形クランクの転回のずれによる対向鎖錠不良を補償するポイントの鎖錠制御方法である。本発明においては、電気転てつ機と転換鎖錠器間をつなぐオフセットリンクにばね圧を作用させた状態でそのストロークを一定の範囲にわたって可変とし、ポイントを定位から反位に転換させて対向鎖錠させるに必要なストロークの差分をオフセットリンクのストロークを可変の範囲内で吸収させる。Y形クランクの転回角のずれによる対向鎖錠不良に対しては、ポイントの定位位置において、該オフセットリンクを電気転てつ機側に引っ張り、トングレールを定位位置での対向鎖錠を確保した状態で調整すれば、反位側は調整なしで対向鎖錠を行うことができる。
【0015】
図1は、本発明による背向割出し機能を有する電気転てつ機(以下電気転てつ機という)の設置例を示す図である。電気転てつ機と、転換鎖錠器との関係は、従来例として示した図5における電気転てつ機と、転換鎖錠器との関係と同じであるが、この実施例においては、後述するように電気転てつ機には、一定角度で回転するクランクに替えて直線送りが与えられる動作桿を用いている。
【0016】
図1において、本線以外のヤードの仕分線や側線において、基本レール1a,1b間の枕木2の上には、転換鎖錠器3が据え付けられ、レール1a、1bの一側方に張り出した枕木2の張り出し部分には電気転てつ機4が設置されている。転換鎖錠器3のY形クランク5の第1クランク5aには、第1リンク6aを介して一方のトングレール7aがつながれ、Y形クランク5の第2クランク5bは、第2リンク6bを介して他方のクトングレール7bにつながれている。また、アーム8はオフセットリンク9を介して電気転てつ機4の動作桿10に連結されている。
【0017】
この実施例に用いた電気転てつ機には、電気転てつ機4内に組み込まれた直線送り機構(図示略)によって直線方向に移動送りが与えられる動作桿10を用いている。直線移動する動作桿を備えた電気転てつ機は、例えば特許文献1に記載されている。
【0018】
本発明によるオフセットリンクのストローク調整機構は、図1に示すように直線移動する動作桿を備えたYS形電気転てつ機に適用する場合に限らず、図5に示した60°の転回角で転回するアームを備えたYS形電気転てつ機に適用することができる。直線移動する動作桿を備えたYS形電気転てつ機においては、電気転てつ機内に組み込まれた直線送り機構(図示略)によって動作桿が直線移動してそのストロークをオフセットリンク9に伝えるのに対し、60°の転回角で転回するクランクを備えたYS形電気転てつ機においては、クランクの60°の転回によって直線方向のストロークがオフセットリンク9に伝えられる。いずれの場合にも転換鎖錠器3の第1クランク5a及び第2クランク5bが一体に回転し、第1リンク6a、第2リンク6bを介してトングレール7a、7bを左又は左方向に駆動することによって行われる。
【0019】
この実施例において、オフセットリンク9の一端には、スクルジョー11を有している。電気転てつ機4の動作桿10は、スクルジョー11を介してオフセットリンク9の一端に連結され、転換鎖錠器3のアーム8は、オフセットリンク9の他端にピンで連結されている。スクルジョー11は、オフセットリンク9のストロークの有効長を一定の範囲にわたって可変とし、後述するように電気転てつ機4の動作桿10又はクランクのストロークの可動範囲内で、転換鎖錠器3のアーム8と一体回転するY形クランクの第2クランクをストッパに当接させ、電気転てつ機4の動作桿10又はクランクのストローク限度の範囲内でばね力を作用させ、鎖錠に必要な押し付け力を確保するものである。
【0020】
図2にスクルジョー11の構造を示す。図2において、スクルジョー11は、ジョー本体12と、スリーブ13と、コイルばね14と、ロックナット15との組合せからなっている。ジョー本体12は、一端が開口された円筒状の鞘であり、他端には、動作桿10を連結する二股部16を有している。
【0021】
コイルばね14は、ジョー本体12の軸孔12aに内装され、ジョー本体12の軸孔内端と、スリーブ13の先端の間で支えられる。スリーブ13は、オフセットリンク9のストロークの有効長を調節するものであり、外端に鍔13aを有し、オフセットリンク9の一端に形成されたねじ部9aにねじ込んだ状態でジョー本体12の軸孔12aの開口側に差し込まれている。スリーブ13の周上には、一定の長さの環状溝13bが形成され、環状溝13b内にはジョー本体12の軸孔内に支持させたころ17を係合させ、これによって、スリーブ13は、ジョー本体12の軸孔内を回転可能且つ、環状溝13bの隙間δによって規定される長さの範囲内でジョー本体12の軸孔内を進退動可能に支えられ、隙間δの長さの範囲内でオフセットリンク9のストロークの有効長が可変となる。
【0022】
スリーブ13は、環状溝13bとは別に円形溝13cを有し、この円形溝溝13c内に、前記軸方向の隙間δを確保してジョー本体12の外周から差し込んだ抜け止め18を差し込んでジョー本体12からスリーブ13の脱出を阻止している。前記スリーブ13は、コイルばね14の反発力を受け、鍔13aと、ジョー本体12の開口縁との間は、前記隙間δによって規制された間隔δに保たれる。前記ロックナット15は、オフセットリンク9の一端のねじ部9aにねじ込まれ、さらにスリーブ13の外端の斜面13dに楔作用で緊締することによってスリーブ13をオフセットリンク9に一体的に結合させている。
【0023】
また、二股部16には、電気転てつ機の動作桿10が差し込まれ、ピン19によってジョー本体12に連結されている。これによって、ポイントの定位鎖錠時には、オフセットリンク9は、動作桿10に牽引されて図3の拡大図に示すように肘金及びクランクピン孔中心A、B点と、クランク軸の中心Cが一直線となってトングレール7aと直角方向に死点を構成して対向鎖錠を確保している。また、スリーブ13は、コイルばね14の押圧力を受けて転換鎖錠器側に押され、スクルジョー本体12と、スリーブ13の鍔13aとの間、或いはころ17を係合させて環状溝13b内には一定長さの隙間δが形成され、鍔13aと、ジョー本体12の開口縁との間は、隙間δと同じ長さの一定間隔δに保たれる。
【0024】
本発明による電気転てつ機におけるオフセットリンクのストローク調整機構の動作を以下に説明する。図4(a)〜(d)では、スクルジョーの構造を略示的に図示し、転換鎖錠器3のY形クランク5の第1クランク5a、第2クランク5bとトングレール間をつなぐ第1、第2リンクの図示を省略している。電気転てつ機4の動作桿10に予め定められた正規のストロークSL(200mm)、ころ17を係合させた環状溝13b内の隙間δ(鍔13aと、ジョー本体12の開口縁との間隔δ)を(3mm)とする。
図4(a)において、電気転てつ機4の動作桿10が定位の位置に保たれた状態でオフセットリンク9に連結された転換鎖錠器3のアーム8を電気転てつ機4側に牽引し、Y形クランク5の第1のクランク5aを定位側のストッパ20aに圧着させる。Y形クランク5の第1のクランク5aを定位側のストッパ20aに圧着させた状態では、前述のようにポイントは定位に対向鎖錠されている。
【0025】
ポイントの定位位置において、前述のようにオフセットリンク9を電気転てつ機4側に引っ張る。これによって、ころ17は、環状溝13bの図2の図上右端(電気転てつ機)の側に押し付けられる。Y形クランク5の第1クランク5aは、動作桿10の正規のストローク200mmの送り終端において、転換鎖錠器3のY形クランク5の第1クランク5aは、定位側ストッパ20aに押し付けられてトングレールは定位位置で対向鎖錠されている。
【0026】
ポイントの転換指令に基づいて、電気転てつ機4の動作桿10を反位側に移動させると、スクルジョー11は、動作桿10の押圧力を受けてオフセットリンク9を押しながら反位方向に移動し、アーム8は、転換鎖錠器3のクランク軸の中心Cを中心として反位側に転回する。
【0027】
図4(b)は、電気転てつ機の動作桿10の正規のストロークSL(200mm)から最大δだけ小さいとき、すなわち197mmになったときに、Y形クランク5は90°転回し、第2クランク5bは、コイルばね14に加圧されて反位側ストッパ20bに接触した状態を示している。
【0028】
図4(c)は、電気転てつ機の動作桿10のストロークがSL−δ(197mm)からが正規のストロークSL(200mm)近づいた途中の状態を示している。電気転てつ機の動作桿10のストロークが正規のストローク200mmに近づくにしたがって、第2クランク5bは、ストッパ20bから抵抗を受け、スクルジョー11のコイルばね14が圧縮され、第2クランク5bは、その圧縮力を受けてさらに強くストッパ20bに押し付けられる。第2クランク5bが完全に第2ストッパ20bに圧接さっることでトングレールは反位側に対向鎖錠される。
【0029】
図4(d)は、トングレールが定位から反位に転換を終了した状態を示している。トングレールの転換が完了すると、電気転てつ機4の動作桿10を駆動するローラがカム板(いずれも図示略)がら外れて動作桿10拘束が解除されるため、動作桿10は、コイルばね14の復元力を受けて押し戻される。
【0030】
現実の問題として、電気転てつ機や転換鎖錠器の取付位置のずれ、あるいは電気転てつ機のクランクの製作誤差、転換鎖錠器のY形クランクあるいはアームの長さの製作誤差などが原因となって生じるポイント転換の際に転換鎖錠器3のY形クランク5の転回角のずれ、すなわち、オフセットリンク9のストロークのずれは、経験によれば3mmの範囲に収まる程度である。したがって、スクルジョーの環状溝13bと、ころ17との間に設定される隙間(鍔13aとジョー本体12との隙間)δを最大3mmに設定することによって、オフセットリンク9のストロークにずれがあったとしてもそのずれを吸収し、図4(c)〜(d)に示すように最終的に動作桿10をコイルばね14のばね圧(実施例においては110kg)をY形クランク5の第2クランク5bに作用させて反位鎖錠を確保することができ、Y形クランク5の製作誤差などが起因するY形クランク5の転回角の誤差を隙間δのストロークの範囲内に収めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、YS形電気転てつ機を始め、転換鎖錠器を使用した側線割出し機能を有する電気転てつ機の直線方向を進退動する動作桿によって駆動されるオフセットリンクあるいは、揺動運動に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用した電気転てつ機と転換鎖錠器との関係を示すもので、(a)は平面図、(b)は、正面図である。
【図2】スクルジョーの構造を示すもので、(a)は断面側面図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
【図3】Y形クランクとリンクとの死点配列の構成を示す図である。
【図4】(a)〜(d)はポイント転換時の動作を示す図である。
【図5】通常の電気転てつ機と転換鎖錠器との関係を示すもので、(a)は平面図、(b)は、正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1a,1b 基本レール
2 枕木
3 転換鎖錠器
4 電気転てつ機
5 Y形クランク
5a 第1クランク
5b 第2クランク
6a 第1リンク
6b 第2リンク
7a,7b トングレール
8 アーム
9 オフセットリンク
9a ねじ部
10 動作桿
11 スクルジョー
12 ジョー本体
12a 軸孔
13 スリーブ
13a 鍔
13b 環状溝
13c 円形溝
13d 斜面
14 コイルばね
15 ロックナット
16 二股部
17 ころ
18 抜け止め
19 ピン
20a 定位側のストッパ
20b 反位側のストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気転てつ機に発生させたストロークによって転換鎖錠器のY形クランクを転回させ、ポイントを定位から反位へ転換させるに際し、Y形クランクの転回角のずれによる対向鎖錠不良を補償するポイントの鎖錠制御方法であって、
電気転てつ機と転換鎖錠器間をつなぐオフセットリンクにばね圧を作用させた状態でそのストロークを一定の範囲にわたって可変とし、ポイントを定位から反位に転換させて対向鎖錠させるに必要なストロークの差分をオフセットリンクのストロークの可変の範囲内で吸収させることを特徴とするポイントの鎖錠制御方法。
【請求項2】
Y形クランクの転回角のずれによる対向鎖錠不良の補償は、ポイントの定位位置において、該オフセットリンクを電気転てつ機側に引っ張り、トングレールを定位位置での対向鎖錠を確保した状態で、予め定められた最小のストロークから正規のストロークの範囲内で行うことを特徴とする請求項1に記載のポイントの鎖錠制御方法。
【請求項3】
ポイント転換のストロークを発生させる電気転てつ機の動作桿又はクランクと、転換鎖錠器のアームとをつなぐオフセットリンクの一部にスクルジョーを有するオフセットリンクのストローク調整機構であって、
スクルジョーは、オフセットリンクのストロークの有効長を一定の範囲にわたって可変とし、電気転てつ機の動作桿又はクランクの正規のストロークに対し、反位位置においてポイントを対向鎖錠するに必要な転換鎖錠器のアームの回転角の不足を補償するものであることを特徴とするオフセットリンクのストローク調整機構。
【請求項4】
前記電気転てつ機の動作桿又はクランクはオフセットリンクの一端に連結され、
転換鎖錠器のアームは、オフセットリンクの他端に連結されているものであり、
前記スクルジョーは、オフセットリンクに取り付けられてその一端または他端を形成するものであることを特徴とする請求項3に記載のオフセットリンクのストローク調整機構。
【請求項5】
前記スクルジョーは、ジョー本体と、スリーブと、ばねと、ロックナットとの組合せを有し、
前記ジョー本体は、一端が開口された円筒状の鞘であり、他端は、前記電気転てつ機の動作桿又はクランクに連結され、
前記スリーブは、前記オフセットリンクの一端に形成されたねじ部にねじ込んだ状態で前記ジョー本体の軸孔に差し込まれたものであり、一定長さの範囲内でジョー本体に対して進退動可能に結合され、
前記ばねは、前記ジョー本体の軸孔に内装され、オフセットリンクをジョー本体から遠ざける方向に付勢するものであり、
前記ロックナットは、オフセットリンクの一端のねじ部にねじ込まれ、さらにスリーブの外端に緊締することによって前記スリーブを前記オフセットリンクに一体的に結合させるものであることを特徴とする請求項4に記載のオフセットリンクのストローク調整機構。
【請求項6】
前記ジョー本体と、スリーブとの間には、一定長さの範囲にわたって、スリーブを進退動可能とする隙間が形成され、
前記隙間は、前記オフセットリンクのストロークの有効長を一定の範囲にわたって可変とするものであることを特徴とする請求項4に記載のオフセットリンクのストローク調整機構。
【請求項7】
前記スリーブの周上には、一定の長さの環状溝が形成され、該環状溝内にはジョー本体の軸孔内に支持させたころを係合させ、これによって、スリーブは、ジョー本体の軸孔内を回転可能であり且つ、環状溝の長さの範囲内でジョー本体の軸孔内を進退動可能に支えられるものであることを特徴とする請求項6に記載のオフセットリンクのストローク調整機構。
【請求項8】
前記スリーブは、外端に鍔を有し、前記コイルばねに付勢され、
前記鍔と、ジョー本体の開口縁とは、前記環状溝の長さの範囲によって規制された間隔に保たれているものであることを特徴とする請求項7に記載のオフセットリンクのストローク調整機構。


【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−296812(P2008−296812A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146852(P2007−146852)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000144348)株式会社三工社 (48)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】