ポイント・ツー・マルチポイント・ラベル・スイッチ・パスのバックアップ・イングレスを計算するシステムおよび方法
パス計算クライアント(PCC)と通信し、PCCと関連付けられたネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために構成されたパス計算要素(PCE)を含む装置が開示される。バックアップ・イングレス・ノードは、バックアップ・ツリーを介して、P2MP LSPのイングレス・ノードと、P2MP LSPのイングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードとに連結される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年2月26日付けで出願された「System and Method for Computing a Backup Ingress of a P2MP LSP」と題する米国仮出願第61/308,835号、および、2011年2月23日付けで出願された「System and Method for Computing a Backup Ingress of a Point−to−Multipoint Label Switched Path」と題する米国特許出願第13/033,125号の利益を主張するものであり、これらの出願は、ここで参照によって本明細書に組み込まれる。本発明は、広くは、無線通信に関し、より詳しくは、ビームスイッチングを使用して無線通信する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチプロトコル・ラベル・スイッチング(MPLS)ネットワークおよび汎用MPLS(GMPLS)ネットワーク等の一部のネットワークでは、トラフィック・エンジニアリング(TE)ラベル・スイッチ・パス(LSP)が所定のパスのためリソース・リザベーション・プロトコル−TE(RSVP−TE)を使用して確立され得る。パスは、パス計算クライアント(PCC)および/またはパス計算要素(PCE)によって提供され得る。例えば、PCCは、PCEからのパスまたはルートを要求することがあり、このPCEがパスを計算し、計算されたパス情報を元のPCCへ転送する。パスは、ポイント・ツー・ポイント(P2P)パスになることがあり、このポイント・ツー・ポイント・パスは、複数のノードおよび/またはラベル・スイッチ・ルータ(LRS)を備え、送信元ノードまたはLSRから送信先ノードまたはLSRまで延びる。代替的に、パスは、送信元ノードから複数の送信先ノードまで延びるポイント・ツー・マルチポイント(M2MP)パスになることがある。RSVP−TEは、ネットワークリンク故障または内部ノード故障の間にパケットを再ルーティングし、よって、確実なパケット配信を可能にするためのバックアップP2PおよびP2MP LSPの確立のためにさらに使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、広くは、無線通信に関し、より詳しくは、ビームスイッチングを使用して無線通信する方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、本開示は、装置を含む。この装置は、パス計算クライアント(PCC)と通信し、PCCと関連付けられたネットワーク内でのポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために構成されているパス計算要素(PCE)を含む。バックアップ・イングレス・ノードは、バックアップ・ツリーを介して、P2MP LSPのイングレス・ノードと、P2MP LSPのイングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードとに連結される。
【0005】
別の実施形態では、本開示は、ネットワークコンポーネントを含む。このネットワークコンポーネントは、レシーバ、回路ロジック、およびトランスミッタを含む。レシーバは、ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージを受信するために構成されている。回路ロジックは、ネットワークのトポロジーと、要求メッセージ内の制約の組とに基づいてP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することを試みるために構成されている。トランスミッタは、バックアップ・イングレス・ノードが無事に計算された場合、計算されたバックアップ・イングレス・ノードを備える返答メッセージを送信するために構成されている。
【0006】
第3の態様では、本開示は、方法を含む。この方法は、パス計算要素(PCE)とパス計算クライアント(PCC)との間のセッション確立中にPCEとPCCとの間で能力情報を交換することを含む。能力情報は、ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することに関連している。
【0007】
これらの特色および他の特色は、添付図面および特許請求の範囲と併せて取り込まれた以下の詳細な説明からより明瞭に理解されるであろう。
【0008】
本開示のより完全な理解のため、今度は、類似した符号が類似した部品を表す添付図面および詳細な説明と併せて取り込まれた以下の簡単な説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ラベル・スイッチ・システムの実施形態を示した略図である。
【図2】図2は、ラベル・スイッチ・システムの別の実施形態を示した略図である。
【図3】図3は、PCE能力サブ・タイプ・長さ・値(TLV)のフォーマットを示した図である。
【図4】図4は、PCE能力TLVのフォーマットを示した図である。
【図5】図5は、要求/返答オブジェクトの一実施形態を示した図である。
【図6】図6は、PCEPエラーオブジェクトの一実施形態を示した図である。
【図7】図7は、ノー・パス・オブジェクトの一実施形態を示した図である。
【図8】図8は、到達不能なIPv4・次ホップTLVの一実施形態を示した図である。
【図9】図9は、到達不能なIPv6・次ホップTLVの一実施形態を示した図である。
【図10】図10は、バックアップ・イングレス計算方法の一実施形態を示した図である。
【図11】図11は、トランスミッタ/レシーバユニットの実施形態を示した略図である。
【図12】図12は、汎用コンピュータシステムの実施形態を示した略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ以上の実施形態の例証的な実施が以下に提供されるが、開示されたシステムおよび/または方法は、現時点で既知であるか既存である任意の数の手法を使用して実施されてもよいことが最初に理解されるべきである。開示は、本明細書に例示され記載された典型的な設計および実施を含む以下に例示された例証的な実施、図面および手法に決して限定されるべきでないが、特許請求の範囲内および請求項の均等物の全範囲内で変更されてもよい。
【0011】
「A Path Computation Element−(PCE) Based Architecture」と題する2006年8月付けのインターネット・エンジニアリング・タスク・フォース(IETF)リクエスト・フォー・コメント(RFC)4655刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれ、複数のエリアまたは自立システム(AS)ドメインを越えてP2P TE LSPを計算するコンポーネントについて記載する。これらのコンポーネントは、1台以上のパス計算サーバおよびトラフィック・エンジニアリング・データベース(TED)を備えるか、または、連結されることがあるPCEと、このPCEに連結された1台以上のPCCとを備えることがある。PCCは、P2P TE LSP計算要求をPCEに送信することがあり、このPCEは、パスを計算し、計算されたパスをPCCに返答するためにTEDを使用することがある。TEDは、ネットワーク・ルーティング・プロトコルを使用して交換されることがあるTE情報を使用して構築されることがある。P2P LSPパス計算のためのPCEとPCCとの間の通信は、PCE通信プロトコル(PCEP)に基づくことがある。
【0012】
「Extensions to Resource Reservation Protocol−Traffic Engineering (RSVP−TE) for Point−to−Multipoint TE Label Switched Paths (LSPs)」と題する2007年5月付けのIETF RFC 4875刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれ、P2MP TE LSPをセットアップするメカニズムについて記載する。P2MP LSPは、イングレス・ノードまたはLSRと複数のエグレス・ノードまたはLSRとの間に構成されることがある複数のソース・ツー・リーフ(S2L)サブLSPを備えることがある。S2LサブLSPは、P2MP TE LSPを取得するためにRSVPを使用して複数のブランチ・ノードまたはLSRによって互いに適切に組み合わされることがある。付加的に、「Extensions to the Path Computation Element Communication Protocol (PCEP) for Point−to−Multipoint Traffic Engineering Label Switched Paths」と題する2010年9月付けのIETF RFC 6006刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれ、P2MP TE LSPパス計算のための要求および返答を取り扱うPCEPへの拡張について記載する。
【0013】
しかし、上記文献は、PCCがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求をPCEへ送信することを許可し、かつ、PCEがバックアップ・イングレス・ノードを計算し、バックアップ・イングレス・ノードに関する計算結果をPCCへ返答することを許可するメカニズムを含まない。本明細書に開示されるのは、複数のエリアまたはASドメインを越えてトラフィックを輸送することがあるP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するシステムおよび方法である。このシステムおよび方法は、PCEおよびPCCがP2MP LSPの計算されたバックアップ・イングレス・ノードに関連する情報を交換することを許可することもある。
【0014】
図1は、複数のP2MP LSPが少なくとも一部のコンポーネントの間に確立されることがあるラベル・スイッチ・システム100の一実施形態を示す。P2MP LSPは、データトラフィックを輸送するために使用されることがある。ラベル・スイッチ・システム100は、ラベル・スイッチ・ネットワーク101を含むことがあり、このラベル・スイッチ・ネットワークは、ネットワークパスまたはルートに沿ってパケットまたはフレームを使用してデータトラフィックを輸送するパケット・スイッチ・ネットワークでもよい。これらのパケットは、ネットワークパスに沿ってルーティングまたはスイッチングされることがあり、これらのネットワークパスは、MPLSまたはGMPLS等のラベル・スイッチング・プロトコルによって確立されることがある。
【0015】
ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、第1のイングレス・ノード111と、第2のイングレス・ノード112と、複数の第1のエグレス・ノード161、163、165、167、171、173および175と、複数の第2のエグレス・ノード162、164、166、168、172、174および176とを含む複数のエッジ・ノードを備えることがある。付加的に、ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、複数の内部ノード131、133、135、137、141、143、145、147、149および151を備えることがあり、これらの複数の内部ノードは、互いに通信し、エッジ・ノードと通信することがある。第1のイングレス・ノード111および第2のイングレス・ノード112は、ラベル・スイッチ・ネットワーク101に連結されることがあるインターネット・プロトコル(IP)ネットワーク等の第1の外部ネットワーク180と通信することもある。したがって、第1のイングレス・ノード111および第2のイングレス・ノード112は、ラベル・スイッチ・ネットワーク101と外部ネットワーク180との間でデータ、例えば、データパケットを輸送することがある。さらに、第1のエグレス・ノードおよび第2のエグレス・ノードの一部は、第1のエグレス・ノード161および第2のエグレス・ノード162等のペアにグループ分けされることがあり、個々のペアは、第2の外部ネットワークまたはクライアント(図示せず)に連結されることがある。
【0016】
実施形態では、エッジ・ノードおよび内部ノードは、ラベル・スイッチ・ネットワーク101を通るパケットの輸送をサポートする如何なる機器またはコンポーネントでもよい。例えば、エッジ・ノードおよび内部ノードは、スイッチ、ルータ、またはこのような機器の様々な組み合わせを含むことがある。エッジ・ノードおよび内部ノードは、他のネットワーク・ノードからパケットを受信し、パケットを送信すべきネットワークを決定するロジック回路を備え、パケットを他のネットワーク・ノードに送信することがある。一部の実施形態では、少なくとも一部の内部ノードは、ラベル・スイッチ・ネットワーク101内で輸送されたパケットのラベルを変更または更新するために構成されることがあるLSRでもよい。さらに、少なくとも一部のエッジ・ノードは、ラベル・スイッチ・ネットワーク101と外部ネットワーク180との間で輸送されたパケットのラベルを挿入または除去するために構成されることがあるラベル・エッジ・ルータ(LER)でもよい。
【0017】
ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、第1のP2MP LSPをさらに備えることがあり、この第1のP2MP LSPは、第1の外部ネットワーク180から第2の外部ネットワークまたはクライアントにデータトラフィックを同報通信するために確立されることがある。第1のP2MP LSPは、ルート・ノードと称されることがある第1のイングレス・ノード111と、リーフ・ノードと称されることがある第1のエグレス・ノード161、163、165および167とを備えることがある。第1のP2MP LSPは、内部ノード131、133、135および137をさらに備えることがある。第1のP2MP LSPは、図1では実線矢印を使用して示される。リンク故障またはノード故障から第1のP2MP LSPを保護するために、ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、第2のP2MP LSPをさらに備えることがある。第2のP2MP LSPは、第2のイングレス・ノードまたはルート・ノード112と、第2のエグレス・ノードまたはリーフ・ノード162、164、166および168と、内部ノード141、143、145、147、149および151とを備えることがある。第2のP2MP LSP内の個々の第2のエグレス・ノードは、第1のP2MP LSP内の第1のエグレス・ノードとペア化されることがある。第2のP2MP LSPは、同じ内部ノードおよび/または異なった内部ノードをさらに備えることがある。第2のP2MP LSPは、バックアップパスを第1のP2MP LSPに提供することがあり、第1のP2MP LSP内のイングレス・ノードまたはいずれかのエグレス・ノードが故障したとき、第1の外部ネットワーク180から第2の外部ネットワークまたはクライアントにトラフィックを転送するために使用されることがある。第2のP2MP LSPは、図1では破線矢印を使用して示される。
【0018】
第1のP2MP LSPへのバックアップパスとして第2のP2MP LSPを確保することは、第2のP2MP LSPが第1のP2MP LSPの確保された帯域幅に匹敵することがある付加的なネットワーク帯域幅を必要とすることがあるので、リソース消費になることがある。さらに、第1のP2MP LSPのイングレス・ノードが故障したとき、対応する第2のP2MP LSPを介してトラフィックを再ルーティングすることは、トラフィック配信に遅延を引き起こすことがある。第1のP2MP LSPのイングレス・ノードが故障したとき、第2のP2MP LSPが第1のP2MP LSPと同じトラフィックを搬送する場合でさえ、故障を決定し、トラフィックを受信するため第2のエグレス・ノードへスイッチングするために第2の外部ネットワークまたはクライアントに実質的な遅延が存在することがある。このような遅延は、例えば、IPテレビジョン(IPTV)等のリアル・タイム・サービスのため一部のシステムでは容認できないことがある。
【0019】
図2は、複数のTE LSPが少なくとも一部のコンポーネントの間で確立されることがある別のラベル・スイッチ・システム200の実施形態を示す。ラベル・スイッチ・システム200は、パケット・スイッチ・ネットワークでもよいラベル・スイッチ・ネットワーク201を備えることがある。ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、第1のイングレス・ノード211と、第2のイングレス・ノード212と、複数の第1のエグレス・ノード261、263、265と、複数の第2のエグレス・ノード262、264、266とを備えることがある複数のエッジ・ノードを備えることがある。付加的に、ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、複数の内部ノード230、231、233、235、237、239、241および243を備えることがあり、これらの内部ノードは、互いに通信し、エッジ・ノードと通信することがある。ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、第1のイングレス・ノード211および第2のイングレス・ノード212を介して第1の外部ネットワーク290と通信し、第1のエグレス・ノード261、263、265および第2のエグレス・ノード262、264および266を介して複数の第2の外部ネットワーク291、293および295と通信することがある。付加的に、ラベル・スイッチ・システム200は、ラベル・スイッチ・ネットワーク201にあるPCC 271と、PCC 271またはラベル・スイッチ・ネットワーク201に連結された第1のPCE 275とを備えることがあり、第1のPCE 275および第1の外部ネットワーク290に連結された第2のPCE 277をさらに備えることがある。
【0020】
ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、第1のエグレス・ノード261および第2のエグレス・ノード262等の対応するエグレス・ノードのペアを介して、個々の第2の外部ネットワーク291、293および295と通信することがある。付加的または代替的に、エグレス・ノードのペアは、対応するクライアントと通信することがある。ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、P2MP LSPを備えることがあり、このP2MP LSPは、第1の外部ネットワーク290から第2の外部ネットワーク291、293および295に、または、代替的にラベル・スイッチ・ネットワーク201に連結されたクライアントにデータトラフィックを同報通信するために確立されることがある。
【0021】
P2MP LSPは、第1のイングレス・ノード211と少なくとも一部の第1のエグレス・ノードとを備えることがある。P2MP LSPは、複数の内部ノードをさらに備えることがある。第2のイングレス・ノード212は、例えば、イングレス・ノード故障からP2MP LSPを保護するために第1のイングレス・ノード211のためのバックアップ・ノードとして指定されることがある。その結果、第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211と通信し、第1のイングレス・ノード211を保護するバックアップP2MPサブ・ツリーを確立するために構成されることがある。したがって、第1のイングレス・ノード211が故障したとき、第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211へ送信され、バックアップP2MPサブ・ツリーを介してP2MP LSPによって輸送されるべきパケットをルーティングすることがあり、このバックアップP2MPサブ・ツリーは、その後、これらのパケットをP2MP LSPに併合することがある。このP2MP LSPバックアップスキームは、完全な第2のバックアップP2MP LSPを確立することを必要としないことがあり、よって、第1のイングレス・ノードが故障したとき、ラベル・スイッチ・システム100のP2MP LSPバックアップスキームより少ないリソース/帯域幅を必要とし、より小さい遅延を導入することがある。
【0022】
具体的には、第2のイングレス・ノード212は、例えば、ネットワーク・トポロジー情報に基づいて、第1のPCE 275を使用して選択または計算されることがある。PCC 271は、ラベル・スイッチ・ネットワーク201から第1のPCE 275に、バックアップ・イングレスを計算する要求を送信することがあり、この第1のPCEは、バックアップ・イングレスとして第2のイングレス・ノード212を計算し、PCC 271に返答を送信することがある。PCC 271は、パス計算要求を第1のPCE 275に転送するラベル・スイッチ・ネットワーク201に位置するいずれのエンティティまたはコンポーネントでもよい。PCC 271は、イングレス・ノード211に位置するか、もしくは、対応してもよく、または、イングレス・ノード211に連結されたラベル・スイッチ・ネットワーク201内のいずれの他のノードでもよい。第1のPCE 275は、バックアップ・イングレス・ノードを計算するために第2のPCE 277とさらに通信することがある。要求を受信し、バックアップ・イングレス・ノードを計算した後、第1のPCE 275は、第1のイングレス・ノード211に選択された第2のイングレス・ノード212を通知することがある。第1のイングレス・ノード211は、その後、例えば、第2のイングレス・ノード212との通信チャネルを確立することにより第2のイングレス・ノード212と通信することがある。
【0023】
第1のイングレス・ノード211は、第2のイングレス・ノード212への通信チャネルを介してP2MP LSPに関する情報を送信することがある。第2のイングレス・ノード212に送信された情報は、P2MP LSPと、明示的ルート・オブジェクト(ERO)と、S2LサブLSP記述子リストと、レコード・ルート・オブジェクト(RRO)と、S2LサブLSPフロー記述子リストと、または、これらの組み合わせとに関する制約を備えることがある。この情報は、この情報を備えるTLVを含むオープン・ショーテスト・パス・ファースト(OSPF)タイプ9・リンク・ステート・アドバタイズメント(LSA)内で送信されることがある。代替的に、この情報は、メッセージ内の情報が第1のイングレス・ノード211を保護することを目的とすることを指示するフラグを含むRSVP−TE PATHメッセージ内で送信されることがある。
【0024】
第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211からこの情報を受信し、バックアップP2MPサブ・ツリーを確立するためにこの情報を使用することがある。第2のイングレス・ノード212は、P2MP LSPの第2のイングレス・ノード212および第1のイングレス・ノード211の複数の次ホップ・ノードを備えるバックアップP2MPサブ・ツリーを開始することがある。例えば、バックアップ・サブ・ツリーは、第2のイングレス・ノード212と、内部ノード230、231および233(破線矢印によって示されるように)とを備えることがある。第2のイングレス・ノード212は、RROからの次ホップ・ノードと、第1のイングレス・ノード211から送信されることがあるS2LサブLSPフロー記述子リストとを認識することがある。バックアップP2MPサブ・ツリーは、第2のイングレス・ノード212から次ホップ・ノードまでのパスを計算し、PATHメッセージを計算されたパスに沿って送信し、返答として予約(RESV)メッセージを受信し、バックアップP2MPサブ・ツリーのための転送状態(例えば、テーブル)を作成することによって作成されることがある。PATHメッセージおよびRESVメッセージは、IETFによって定義されたPATHメッセージおよびRESVメッセージに類似することがある。
【0025】
第1のイングレス・ノード211のためのバックアップ・ノードとして第2のイングレス・ノード212を構成した後、第2のイングレス・ノード212は、故障検出メカニズムを使用して第1のイングレス・ノード211内の何らかの故障を検出し始めることがある。例えば、故障検出メカニズムは、第1のイングレス・ノード211と第2のイングレス・ノード212との間に確立されることがあるインターフェイス281またはP2P LSPを越える双方向フォワーディング検出(BFD)でもよい。第2のイングレス・ノード212が第1のイングレス・ノード211内の故障を検出したとき、第2のイングレス・ノード212は、例えば、第1の外部ネットワーク290から第1のイングレス・ノード211と関連付けられたトラフィックを受信し、その後、第1のイングレス・ノード211の次ホップ・ノードでP2MP LSPに併合されたバックアップP2MPサブ・ツリーを介してこのトラフィックを次ホップ・ノードに転送することがある。実施形態では、トラフィックが第1のイングレス・ノード211および第2のイングレス・ノード212の両方によって最初に受信された場合、第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211内の故障の検出時に、バックアップP2MPサブ・ツリーを介して第1のイングレス・ノード211の次ホップ・ノードにトラフィックをさらに転送することがある。
【0026】
付加的に、対応する第1のエグレス・ノードとペア化されることがある少なくとも一部の第2のエグレス・ノードは、例えば、第2のエグレス・ノード262および第1のエグレス・ノード261をエグレス・ノード故障から保護するために第1のエグレス・ノードのためのバックアップ・ノードとして指定されることがある。その結果、P2MP LSPに沿って第1のエグレス・ノードより先行することがある前ホップ・ノードは、第1のイングレス・ノードとペア化された第2のエグレス・ノードに関する情報を受信し、第1のエグレス・ノードのためのバックアップLSPを確立し、第1のエグレス・ノード内の故障が検出されたとき、バックアップLSPを介して第1のエグレス・ノードへ送信されるべきパケットを第2のエグレス・ノードへルーティングすることがある。
【0027】
第2のエグレス・ノードは、例えば、ネットワーク・トポロジー情報に基づいて、第1のPCE 275、または、ラベル・スイッチ・ネットワーク201(図示せず)に連結された別のPCEを使用して、第1のエグレス・ノードのためのバックアップとして選択または計算されることがある。第2のエグレス・ノードは、第1のエグレス・ノード(図示せず)と関連付けられたPCCを介してPCEに要求を送信することにより計算されることがある。PCEは、その後、第1のエグレス・ノードに、選択された第2のエグレス・ノードを通知することがある。付加的または代替的に、PCEは、第1のイングレス・ノード211に、選択された第2のエグレス・ノードを通知することがある。第2のエグレス・ノードに関するこの情報は、その後、第1のエグレス・ノードおよび/または第1のエグレス・ノードの前ホップ・ノードに送信されることがある。第2のエグレス・ノードに関する情報は、メッセージ内で前ホップ・ノードに送信されることがある。例えば、第1のエグレス・ノード261が、選択された第2のエグレス・ノード262に関する情報を受信したとき、第1のエグレス・ノード261は、例えば、RESVメッセージ内で、この情報を内部ノード235に送信することがある。
【0028】
第1のエグレス・ノードは、P2MP LSPから受信されたデータを第2の外部ネットワークまたはクライアントに転送することに関する情報をこの情報を備えるTLVを含むOSPF・タイプ9・LSA内の第2のエグレス・ノードに送信することがある。第2のエグレス・ノードは、受信された情報に応じて、データをクライアントに転送するための転送エントリを作成することがある。代替的に、第1のエグレス・ノードは、P2MP LSPから受信されたデータをRSVP−TE RESVメッセージ内のエグレス・ノードの前ホップ・ノードを介して第2の外部ネットワークまたはクライアントに転送することに関する情報を第2のエグレス・ノードに送信することがある。前ホップ・ノードは、その後、RSVP−TE PATHメッセージ内の情報を第2のエグレス・ノードに送信することがある。第1のイングレス・ノードが選択された第2のエグレス・ノードに関する情報を取得した場合、第1のイングレス・ノードは、例えば、PATHメッセージ内でこの情報を前ホップ・ノードに送信することがある。
【0029】
メッセージまたは情報を受信した後、前ホップ・ノードは、前ホップ・ノードから第2のエグレス・ノード(破線矢印によって示される)へのバックアップLSPを確立することがある。バックアップLSPは、前ホップ・ノードから第2のエグレス・ノードへのパスを計算し、計算されたパスに沿ってPATHメッセージを送信し、返答としてRESVメッセージを受信し、バックアップLSPのための転送状態(例えば、テーブル)を作成することにより作成されることがある。バックアップLSPは、P2PバイパストンネルまたはP2P迂回トンネルでもよい。前ホップ・ノードが第1のエグレス・ノード内の故障を検出したとき、前ホップ・ノードは、バックアップLSPを介して、第1のエグレス・ノードではなく、第2のエグレス・ノードにトラフィックを転送することがある。第2のエグレス・ノードは、その後、トラフィックをこのトラフィックの送信先、例えば、第2の外部ネットワークまたはクライアントに配信することがある。
【0030】
第1のイングレス・ノード211のためのバックアップ・イングレス・ノードと第1のエグレス・ノードのためのバックアップ・エグレス・ノードを選択することは、P2MP LSP内にエンド・ツー・エンド保護をもたらすことがある。バックアップ・イングレス・ノードおよびバックアップ・エグレス・ノードを使用することにより、エンド・ツー・エンドP2MP LSP保護がP2MP LSPの初期的に構成された(または予備)イングレス・ノードおよびエグレス・ノードにローカライズされることがある。このローカライズされた保護は、イングレス・ノードまたはエグレス・ノードが故障したとき、第2のイングレス・ノードからすべての第2のエグレス・ノードへの第2のバックアップP2MP LSPを使用するより効率的な保護をエッジ・ノードにもたらすことがある。例えば、P2MP LSPの第1のイングレス・ノードのバックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードまでのバックアップP2MPサブ・ツリーと、第1のエグレス・ノードの前ホップ・ノードから第2のバックアップ・エグレス・ノードまでのバックアップLSPとを作成することは、例えば、確保された帯域幅の観点で、第2のイングレス・ノードからすべての第2のエグレス・ノードまでの第2のバックアップP2MP LSPを作成するより少ないネットワーク・リソースを必要とすることがある。付加的に、ノード故障の場合に、バックアップ・ノードおよびバックアップP2MPサブ・ツリーまたはLSPを介してローカルにトラフィックをルーティングすることは、第2のバックアップP2MP LSPに沿ってトラフィックをルーティングするより高速かつ簡単に実施できることがある。
【0031】
実施形態では、PCC 271、第1のPCE 275、および/または、第2のPCE 227は、例えば、PCC 271と第1のPCE 275との間の確立セッション中にP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードの計算に関連した能力を宣言することがある。例えば、PCC 271は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードの計算に関連したサポート機能を指示するためにセットされることがある少なくとも1つのフラグを含むことがある第1のセッション確立メッセージを第1のPCE 275に送信することがある。第1のPCE 275は、その後、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレスの計算等のサポート関連機能を指示するためにセットされることがある少なくとも1つのフラグを含むことがある第2のセッション確立メッセージをPCC 271に送信することがある。第2のセッション確立メッセージは、第1のPCE 275の能力を指示する値を備えることがあるTLVを備えることがある。代替的に、第2のセッション確立メッセージは、TLVを備えることがあるPCEディスカバリ・プロトコル中に記載されるようなオープン・オブジェクトを備えることがある。したがって、PCC 271は、PCEの異なった能力に関する情報を取得するために、第1のPCE 271および第2のPCE 275の両方を含んでもよい複数のPCEと通信することがある。第1のPCE 271は、それぞれの能力情報を交換するために第2のPCE 275とさらに通信することがある。PCC 271は、その後、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードを要求するように、具体的な機能をこの機能をサポートすることになるPCEから要求することがある。
【0032】
実施形態では、PCC 271は、例えば、第1のPCE 275と能力情報を交換した後、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために要求メッセージを第1のPCE 275に送信することがある。要求メッセージは、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードの計算を要求するためにセットされることがある第1のフラグを備えることがある。この要求メッセージは、P2MP LSPのためのパスが圧縮フォーマットで表現されているかどうかを指示するために使用されることがある第2のフラグをさらに備えることがある。一部の実施形態では、要求メッセージは、詳細に後述されるように第1のフラグおよび第2のフラグを備えることがある要求/返答(RP)オブジェクトを備えることがある。
【0033】
要求メッセージは、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードを計算するため使用されることがある情報をさらに備えることがある。例えば、要求メッセージは、P2MP LSPがトラバースするパスを備えることがある。付加的に、要求メッセージは、帯域幅制限等のパス制約と、(例えば、第1の外部ネットワーク290内の)外部ノードに関する情報とを備えることがあり、この外部ノードからデータトラフィックがP2MP LSPのイングレス・ノードに配信され、したがって、P2MP LSPを介してエグレス・ノードへ輸送される。一部の実施形態では、PCCは、指定されたP2MP LSPのための少なくとも1つのバックアップ・イングレス・ノードを取得するために複数の要求メッセージを複数のPCEに送信することがある。
【0034】
実施形態では、PCC 271から第1のPCE 275に送信された、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージは、第1のPCE 275で記憶されることもあるP2MP LSPのためのパスの識別子を備えることがある。したがって、第1のPCE 275は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するためにパスの識別子を使用して、例えば、ローカルテーブルまたはデータベースから、P2MP LSPのためのパスに関する情報を取得することがある。一部の実施形態では、要求メッセージは、計算されるべきバックアップ・イングレス・ノードがP2MP LSP上のノードでないかもしれないことを指示する制約をさらに備えることがある。付加的に、要求メッセージは、ノードのリストを備えることがあり、これらのノードは、個々にバックアップ・イングレス・ノードの候補でもよい。付加的または代替的に、要求メッセージは、P2MP LSPの計算されたバックアップ・イングレス・ノードからイングレス・ノードの次ホップ・ノードまでのパスが存在しなければならない旨と、バックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードまでのパス上の内部ノードは、P2MP LSPの一部でなくてもよい旨とを指示する制約を備えることがある。実施形態では、要求メッセージは、計算されたバックアップ・イングレス・ノードからP2MP LSPのイングレス・ノードまでのパスが存在しなければならない旨と、パスの長さは、1ホップ等の所定のホップ限界の範囲内に入ることがある旨とを指示する制約を備えることがある。
【0035】
一部の実施形態では、第1のPCE 275に供給されたパス情報は、単一の要求メッセージに収まらないことがある。したがって、複数の要求メッセージは、第1のPCE 275に送信されることがある。すべての転送された要求メッセージ内の情報は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために第1のPCE 275で組み合わされることがある。複数の要求メッセージを単一のバックアップ・イングレス・ノード要求と関連付けるために、要求メッセージは、同じ要求識別子を備えることがある。
【0036】
第1のPCE 275は、バックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージへの返答として返答メッセージをPCC 271に送信することがある。返答メッセージは、計算されたバックアップ・イングレス・ノードに関する情報を備えることがある。代替的に、返答メッセージは、P2MP LSPの計算されたバックアップ・イングレス・ノードからイングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードまでのパスを備えることがある。一部の実施形態では、第1のPCE 275は、例えば、制約の組に基づいて、要求通りにバックアップ・イングレス計算を完了しないことがある。したがって、第1のPCE 275は、失敗したバックアップ・イングレス計算の試みを指示する返答メッセージをPCC 271に送信することがある。返答メッセージは、後述されるように、エラータイプ、エラー値、および、ある種のエラー詳細を備えることがあるPCEPエラーオブジェクトを備えることがある。
【0037】
図3は、PCEディスカバリ(PCED)TLV内のサブTLVでもよいPCE能力サブTLV 300の一実施形態を示す。PCE能力サブTLV 300は、PCEの能力を記述するために内部ゲートウェイ・プロトコル(IGP)PCEディスカバリで使用されることがある。PCE能力サブTLV 300は、PCEの能力をPCCまたはネットワークに宣伝するためにPCE(例えば、第1のPCE 275)によって送信されることがある。PCE能力サブTLV 300は、タイプフィールド320と、長さフィールド340と、値フィールド360とを備えることがある。
【0038】
タイプフィールド320の値は、PCE能力サブTLV 300のタイプを指示するために約5にセットされることがあり、または、インターネット番号割当機関(IANA)によって割り当てられることがある。長さフィールド340は、例えば、バイト単位で、およそ8バイト等の値フィールド360のサイズを指示することがある。値フィールド360は、第1のフラグ361および第2のフラグ363を含む能力フラグの系列を備えることがある。値フィールド360内の第1のフラグ361は、PCEがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレスを計算する能力をもつ旨を指示するために、例えば、およそ1にセットされることがある。第1のフラグ361は、値フィールド360のビットの系列中のビット10でもよく、または、IANAによって割り当てられたその他のビットでもよい。第2のフラグ363は、PCEがP2P LSPのためのバックアップ・イングレスを計算する能力をもつ旨を指示するために、例えば、およそ1にセットされることがある。第2のフラグ363は、値フィールド360のビットの系列中のビット11でもよく、または、IANAによって割り当てられたその他のビットでもよい。
【0039】
図4は、バックアップ・イングレス計算のためのPCE能力TLV400の一実施形態を示す。PCE能力TLV 400は、例えば、第1のPCE 275とPCC 271との間のPCEセッション確立中に交換されることがあるオープン・オブジェクト・メッセージ内のオプションTLVでもよい。PCE能力TLV 400は、タイプフィールド410と、長さフィールド420と、値フィールド430とを備えることがある。タイプフィールド410の値は、PCE能力TLV 400のタイプを指示するために、およそ1にセットされることがあり、または、IANAによって割り当てられることがある。長さフィールド420は、例えば、バイト単位で、値フィールド430のサイズを指示することがある。値フィールド430は、PCEのための能力フラグの系列を備えることがある。値フィールド430内のフラグは、PCE能力サブTLV 300の値フィールド360内のフラグと同様に構成され、セットされることがある。
【0040】
一実施形態では、PCEが発見中にP2MP LSPのためのバックアップ・イングレスを計算するこのPCEの能力を宣伝しない場合、PCCは、拡張されたオープン・オブジェクトを使用してP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス計算をサポートする能力をもつPCEを発見することがあり、この拡張オープン・オブジェクトは、オプションフィールドまたはTLV内にPCE能力TLV 400を備えることがある。PCE能力TLV 400は、PCEがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレスを計算するこのPCEの能力を宣伝することを許可することがある。
【0041】
図5は、PCCからPCEに送信された要求メッセージの一部分、または、PCEからPCCに送信された返答メッセージの一部分でもよいRPオブジェクト500の一実施形態を示す。例えば、RPオブジェクトは、P2MP LSP関連要求メッセージのバックアップ・イングレスを指示することがある。RPオブジェクト500は、予約フィールド510と、フラグフィールド520と、要求識別(ID)番号550とを備えることがある。フラグフィールドは、フラグ521、523、525、527、529、531、533および535を備えることがある。付加的に、RPオブジェクト500は、存在の有無を問わずに、1つ以上のオプションTLV 560を備えることがある。予約フィールド510は、予約されるか、または、使用されないことがある。予約フィールド510は、およそ8ビットの長さを有することがある。フラグフィールド520は、バックアップ・イングレス・ビット(I)フラグ521と、フラグメンテーション・ビット(F)フラグ523と、P2MPビット(N)フラグ525と、ERO圧縮ビット(E)フラグ527と、ストリクト/ルーズ・ビット(O)フラグ529と、双方向ビット(B)フラグ531と、再最適化(R)フラグ533と、複数の優先度ビット(P)フラグ535とを備えることがある。フラグ520は、未割当、または、未使用の付加ビットをさらに備えることがある。例えば、フラグフィールド520内の残りのビットは、およそ0にセットされ、かつ、無視されることがある。Iフラグ521は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス計算を指示するために、例えば、およそ1にセットされることがある。Iフラグ521は、要求メッセージまたは返答メッセージがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス計算に関係しているかどうかを指示するためにセットされることがある。
【0042】
Oフラグ529は、ルーズパスが容認できることを指示するために要求メッセージ内で、例えば、およそ1にセットされるか、または、ストリクトなホップのみを備えるパスが必要とされることを指示するためにクリアされることがある。このパスは、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードからイングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードまで延びることがある。Oフラグ529は、計算されたパスがルーズであることを指示するために、返答メッセージ内で、例えば、およそ1にセットされることがあり、または、計算されたパスがストリクトなホップを備えることを指示するためにクリアされることがある。Pフラグ535は、推奨された要求優先度を指定するために使用されることがある。例えば、Pフラグ535は、PCCでローカルにセットされることがあるおよそ1からおよそ7までの値を有することがある。代替的に、Pフラグ535は、要求優先度が指定されていないとき、およそゼロにセットされることがある。要求ID番号550は、バックアップ・イングレス計算要求コンテキストを識別するためにPCCの送信元IPアドレスまたはPCEネットワークアドレスと組み合わされることがある。要求ID番号550は、新しい要求がPCEに送信されるたびに、変更されるか、または、インクリメントされることがある。要求ID番号550は、およそ32ビットの長さを有することがある。(複数の)オプションTLV 560は、パス計算能力、パス制約、および/または、他のパス情報を指示することがある。R/Pオブジェクト500内の残りのフラグまたはフィールドは、PCEPに基づいて構成されることがある。
【0043】
図6は、バックアップ・イングレス計算に関連したエラーを指定するために使用されることがあるPCEPエラーオブジェクト600の一実施形態を示す。PCEPエラーオブジェクト600は、予約フィールド610と、フラグフィールド620と、エラータイプ・フィールド630と、エラー値フィールド640と、1つ以上のオプションTLV 660とを備えることがある。予約フィールド610は、予約されるか、または、使用されないことがある。フラグフィールド620は、前述のビットフラグに類似することがある複数のビットフラグを備えることがある。エラータイプ・フィールド630は、PCEPエラーのタイプを指示するために、およそ17にセットされるか、または、IANAによって割り当てられることがある。エラー値フィールド640は、バックアップ・イングレス計算要求と関連付けられたエラーを示す、複数の値のうちの1つを備えることがある。
【0044】
PCEがバックアップ・イングレス計算要求を受信し、PCEがメモリ不足のためこの要求を満たす能力をもたない場合、PCEは、およそ17であるエラータイプ値とおよそ1であるエラー値とを含むPCEPエラーオブジェクト600を備えるPCEエラー(PCErr)メッセージを返送することがある。対応するバックアップ・イングレス計算要求は、その後、取り消されることがある。代替的に、PCEがバックアップ・イングレスを計算する能力をもたない場合、PCEは、およそ17であるエラータイプ値とおよそ2であるエラー値とを含むPCEPエラーオブジェクト600を備えるPCErrメッセージを返送することがある。対応するバックアップ・イングレス計算要求は、その後、取り消されることがある。
【0045】
代替的に、複数のエラー値が、例えば、およそ2であって、能力がサポートされていないことを指定する既存のエラータイプ値の下で定義されることがある。定義されたエラー値は、バックアップ・イングレス計算要求と関連付けられたエラーを指定することがある。一実施形態では、およそ3であるエラー値がPCEPエラーオブジェクト600内でおよそ2である既存のエラータイプ値と共に使用されることがある。およそ3であるエラー値は、PCEがバックアップ・イングレス計算要求を受信し、バックアップ・イングレスを計算する能力をもたないことを指定することがある。代替的に、およそ4であるエラー値は、PCEがバックアップ・イングレス計算要求を受信し、メモリ不足等のいくつかの理由のためこの要求を満たすことができないことを指示するために、およそ2である既存のエラータイプ値と共に使用されることがある。一部の実施形態では、エラー値は、およそ5であって、ポリシー違反を指示する既存のエラータイプ値の下で定義されることがある。定義されたエラー値は、バックアップ・イングレス計算ポリシー違反と関連付けられたエラーを指示することがある。例えば、およそ6であるエラー値は、PCEが管理者特権と適合しないバックアップ・イングレス計算要求を受信したこと(例えば、「PCEポリシーがバックアップ・イングレス計算をサポートしない」)を指示するために、PCEPエラーオブジェクト600内でおよそ5である既存のエラータイプ値と共に使用されることがある。
【0046】
図7は、バックアップ・イングレス計算のためのノー・パス・オブジェクト700の一実施形態を示す。ノー・パス・オブジェクト700は、PCCからのバックアップ・イングレス計算要求に応答してバックアップ・イングレスを見つけることができない理由をPCCと通信するためにPCEによってパス計算返答(PCRep)メッセージ内で使用されることがある。ノー・パス・オブジェクト700は、問題の性質フィールド710と、フラグフィールド720と、予約フィールド730と、第1のオプションTLV 740と、1つ以上の第2のオプションTLV 760とを備えることがある。問題の性質フィールド710は、バックアップ・イングレス・ノードを計算するために故障の理由を指示する値を備えることがある。フラグフィールド720は、能力オブジェクトまたはTLVを指示する能力(C)フラグ721を含むフラグビットの系列を備えることがある。予約フィールド730は、予約されるか、または、使用されないことがある。
【0047】
第1のオプションTLV 740は、タイプフィールド741と、長さフィールド743と、第2のフラグフィールド745とを備えることがある。タイプフィールド741および長さフィールド743は、それぞれ、タイプフィールド320および長さフィールド340と同様に構成されることがある。第2のフラグフィールド745は、到達可能性(R)フラグ747を含むビットフラグの系列を備えることがある。PCEは、バックアップ・イングレス・ノード候補からのP2MP LSPのイングレス・ノードの次ホップの全部または一部を用いる到達可能性問題が存在することを指示するためにRフラグ747をセットすることがある。この場合、複数の到達不能IPバージョン4(IPv4)次ホップTLVまたはIPバージョン6(IPv6)次ホップTLVは、ノー・パス・オブジェクト700内に含まれることがあり、このノー・パス・オブジェクトは、個々に、バックアップ・イングレス・ノード候補から到達不能であることがあるP2MP LSPのイングレス・ノードの次ホップの1つ以上のIPアドレスをリストにすることがある。(複数の)第2のオプションTLV 760は、(複数の)オプションTLV 560と同様に構成されることがある。
【0048】
図8は、ノー・パス・オブジェクト700の一部でもよい到達不能IPv4次ホップTLV 800の一実施形態を示す。到達不能IPv4次ホップTLV 800は、タイプフィールド810と、長さフィールド820と、値フィールド830とを備えることがある。タイプフィールド810の値は、到達不能IPv4次ホップTLV 800のタイプを指示することがある。例えば、タイプフィールド810の値は、およそ2に等しいことがあり、または、IANAによって割り当てられることがある。長さフィールド820は、例えば、バイト単位で値フィールド830のサイズを指示することがある。値フィールド830は、バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス・フィールド831と、到達不能IPv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837とのリストとを備えることがある。バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス・フィールド831は、到達不能Ipv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837によって識別された次ホップ・ノードのいずれにも到達しないバックアップ・イングレス・ノードを識別することがある。バックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードへの到達は、PCEがバックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードまでの制約の組を満たすパスを見つけることができない場合、可能ではないことがある。具体的には、バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス831と、到達不能IPv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837とは、Ipv4ネットワークアドレスを備えることがある。
【0049】
図9は、ノー・パス・オブジェクト700の一部でもよい到達不能IPv6次ホップTLV 900の一実施形態を示す。到達不能IPv6次ホップTLV 900は、タイプフィールド910と、長さフィールド920と、値フィールド930とを備えることがある。値フィールド930は、バックアップ・イングレス候補IPv6アドレス・フィールド931と、到達不能IPv6次ホップ・アドレス・フィールド933、935および937のリストとを備えることがある。タイプフィールド910と、長さフィールド920と、バックアップ・イングレス候補IPv6アドレス・フィールド931と、到達不能IPv6次ホップ・アドレス・フィールド933、935および937とは、それぞれ、タイプフィールド810と、長さフィールド820と、バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス・フィールド941と、到達不能IPv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837と同様に構成されることがある。しかし、バックアップ・イングレス候補IPv6アドレス・フィールド931と、到達不能IPv6次ホップ・アドレス・フィールド933、935および937とは、IPv6ネットワークアドレスを備えることがある。
【0050】
図10は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するためにPCEで実施されることがあるバックアップ・イングレス計算方法1000の一実施形態を示す。選択されたバックアップ・イングレス・ノードは、PCCから要求メッセージの中で受信された制約の組を満たすことがある。この方法1000は、P2MP LSPのバックアップ・イングレスを計算する1つ以上の要求メッセージが受信されることがあるブロック1010で始まることがある。要求メッセージは、PCCから送信されることがあり、P2MP LSPに関する情報と、バックアップ・イングレスに関する制約の組とを備えることがある。例えば、1つ以上の要求メッセージは、PCE能力TLV 400またはR/Pオブジェクト500を備えることがある。
【0051】
ブロック1020で、(複数の)要求メッセージ内の制約の組を満たすバックアップ・イングレス・ノードが計算されることがある。ブロック1030で、方法1000は、バックアップ・イングレス・ノードが無事に計算されたかどうかを決定することがある。要求メッセージ内の制約を満たすバックアップ・イングレス・ノードが計算または選択された場合、この方法1000は、ブロック1050に進むことがある。そうでなければ、この方法1000は、ブロック1060に進むことがある。ブロック1050で、P2MP LSPのための計算されたバックアップ・イングレス・ノードを備える返答メッセージが送信されることがある。例えば、選択されたイングレス・ノードは、返答メッセージ内でPCCに送信されることがある。この方法1000は、その後、終了することがある。ブロック1060で、バックアップ・イングレス・ノードを選択できない理由を備える返答メッセージが送信されることがある。例えば、バックアップ・イングレス・ノードを選択できない理由は、PCEPエラーオブジェクト600またはノー・パス・オブジェクト700内でPCCに送信されることがある。この方法1000は、その後、終了することがある。
【0052】
図11は、ネットワークを介してパケットを輸送するどんな機器でもよいトランスミッタ/レシーバユニット1100の実施形態を示す。例えば、トランスミッタ/レシーバユニット1100は、前述のネットワークコンポーネントのいずれかに位置することがある。トランスミッタ/レシーバユニット1100は、パケットを送信すべきネットワークコンポーネントを決定するために他のネットワークコンポーネント、すなわち、ロジック回路1120からパケット、オブジェクト、または、TLVを受信する1つ以上のイングレス・ポートまたはユニット1110と、フレームを他のネットワークコンポーネントに送信する1つ以上のエグレス・ポートまたはユニット1130とを備えることがある。ロジック回路1120は、ダウンストリームまたはエグレスリンクを介してパケットを送信するため適切なデータレートをさらに決定することがある。
【0053】
前述のネットワークコンポーネントは、課された必要な作業負荷を取り扱うために十分な処理パワー、メモリリソース、および、ネットワークスループット能力を伴うコンピュータまたはネットワークコンポーネント等のいずれかの汎用ネットワークコンポーネント上で実施されることがある。図12は、本明細書に開示されたコンポーネントの1つ以上の実施形態を実施するため適した典型的な汎用ネットワークコンポーネント1200を示す。ネットワークコンポーネント1200は、2次ストレージ1204、リード・オンリー・メモリ(ROM)1206、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)1208、入力/出力(I/O)機器1210、および、ネットワーク接続機器1212を含むメモリ機器と通信しているプロセッサ1202(中央プロセッサユニットすなわちCPUと称されることがある)を含む。プロセッサ1202は、1台以上のCPUチップとして実施されることがあり、または、1台以上の特定用途向け集積回路(ASIC)の一部でもよい。
【0054】
2次ストレージ1204は、典型的に、1台1以上のディスクドライバまたはテープドライバにより構成され、データの不揮発性記憶のため使用され、かつ、RAM 1028がすべての作業テーブルを保持するほど十分に大きくない場合、オーバーフローデータ記憶機器として使用される。2次ストレージ1204は、プログラムが実行のため選択されたとき、RAM 1208の中にロードされたこのようなプログラムを記憶するために使用されることがある。ROM 1206は、命令と、おそらくは、プログラム実行中に読まれるデータとを記憶するために使用される。ROM 1206は、典型的に、2次ストレージ1204の大記憶容量と相対的に小さい記憶容量を有している不揮発性記憶機器である。RAM 1208は、揮発性データを記憶するために、そして、おそらくは、命令を記憶するために使用される。ROM 1206およびRAM 1208の両方へのアクセスは、典型的に、2次ストレージ1204へのアクセスより高速である。
【0055】
少なくとも一実施形態が開示され、当業者によって行われた(複数の)実施形態および/または(複数の)実施形態の特色の変形、組み合わせ、および/または、変更は、この開示の範囲内に入る。(複数の)実施形態の特色の組み合わせ、統合、および/または、省略によって生じる代替的な実施形態は、同様に開示の範囲内に入る。数値範囲または限定が明示された場合、このような表現範囲または限定は、明示された範囲または限定の範囲(例えば、2、3、4などを含むおよそ1からおよそ10まで、0.11、0.12、0.13などを含む0.10より大きい。)に入る類似した大きさの反復範囲または反復限定を含むことが理解されるべきである。例えば、下限R1および上限Ruをもつ数値範囲が開示されるときはいつでも、この範囲に入る数が具体的に開示される。詳しくは、範囲内にある以下の数が具体的に開示され、すなわち、R=Rl+k*(Ru−Rl)であり、式中、kは、1パーセントから100パーセントまで1パーセント刻みで変化する変数であり、すなわち、kは、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、7パーセント、...、70パーセント、71パーセント、72パーセント、...、97パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、または、100パーセントである。その上、上で定義されたように2個のR数によって定義された数値範囲が同様に具体的に開示される。請求項のいずれかの要素に関する用語「存在の有無を問わずに」の使用は、この要素が必要とされるか、または、代替的に、この要素が必要とされず、両方の選択肢が特許請求の範囲に含まれることを意味する。「〜を備える」、「〜を含む」、および、「〜を有する」等のより広義の用語は、「〜で構成される」、「本質的に〜で構成される」、および、「実質的に〜からなる」等のより狭い用語のサポートを提供することが理解されるべきである。その結果、請求項の主題のあらゆる均等物を含む保護の範囲は、前述された説明によって限定されることはないが、請求項によって定められる。ありとあらゆる請求項は、さらなる開示として明細書に組み込まれ、請求項は、本開示の(複数の)実施形態である。開示中の参考文献についての検討は、参考文献、特に、本願の優先日より後の刊行日を有している参考文献が先行技術である旨の承認ではない。本開示中で引用されたすべての特許、特許出願、および、刊行物は、本開示に例示的、手続的、または、他の詳細な補充をもたらす程度で、参照によってここに組み込まれる。
【0056】
複数の実施形態が本開示中に提示されているが、開示されたシステムおよび方法は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、多くの他の特定の形式で具現化されてもよいことが理解されるべきである。本実施例は、例示的であり、限定的ではないとして考慮されるべきであり、本発明は、本明細書に与えられた詳説に限定されるべきではない。例えば、様々な要素またはコンポーネントは、組み合わされるか、または、別のシステム内で統合されることがあり、または、ある種の特色は、省略されるか、または、実施されないことがある。
【0057】
さらに、別々に、または、個々に様々な実施形態に記載され、例示された手法、システム、サブシステム、および、方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、手法、または、方法と組み合わされるか、または、統合されることがある。相互に連結され、もしくは、相互に直接的に連結され、または、相互に通信するように示された、または、検討された他の項目は、電気的、機械的、または、別のやり方を問わずに、一部のインターフェイス、機器、または、中間コンポーネントを介して間接的に連結されるか、または、通信することがある。変更、置換および代替の他の実施例は、当業者によって確かめることが可能であり、本明細書に開示された趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年2月26日付けで出願された「System and Method for Computing a Backup Ingress of a P2MP LSP」と題する米国仮出願第61/308,835号、および、2011年2月23日付けで出願された「System and Method for Computing a Backup Ingress of a Point−to−Multipoint Label Switched Path」と題する米国特許出願第13/033,125号の利益を主張するものであり、これらの出願は、ここで参照によって本明細書に組み込まれる。本発明は、広くは、無線通信に関し、より詳しくは、ビームスイッチングを使用して無線通信する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチプロトコル・ラベル・スイッチング(MPLS)ネットワークおよび汎用MPLS(GMPLS)ネットワーク等の一部のネットワークでは、トラフィック・エンジニアリング(TE)ラベル・スイッチ・パス(LSP)が所定のパスのためリソース・リザベーション・プロトコル−TE(RSVP−TE)を使用して確立され得る。パスは、パス計算クライアント(PCC)および/またはパス計算要素(PCE)によって提供され得る。例えば、PCCは、PCEからのパスまたはルートを要求することがあり、このPCEがパスを計算し、計算されたパス情報を元のPCCへ転送する。パスは、ポイント・ツー・ポイント(P2P)パスになることがあり、このポイント・ツー・ポイント・パスは、複数のノードおよび/またはラベル・スイッチ・ルータ(LRS)を備え、送信元ノードまたはLSRから送信先ノードまたはLSRまで延びる。代替的に、パスは、送信元ノードから複数の送信先ノードまで延びるポイント・ツー・マルチポイント(M2MP)パスになることがある。RSVP−TEは、ネットワークリンク故障または内部ノード故障の間にパケットを再ルーティングし、よって、確実なパケット配信を可能にするためのバックアップP2PおよびP2MP LSPの確立のためにさらに使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、広くは、無線通信に関し、より詳しくは、ビームスイッチングを使用して無線通信する方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、本開示は、装置を含む。この装置は、パス計算クライアント(PCC)と通信し、PCCと関連付けられたネットワーク内でのポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために構成されているパス計算要素(PCE)を含む。バックアップ・イングレス・ノードは、バックアップ・ツリーを介して、P2MP LSPのイングレス・ノードと、P2MP LSPのイングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードとに連結される。
【0005】
別の実施形態では、本開示は、ネットワークコンポーネントを含む。このネットワークコンポーネントは、レシーバ、回路ロジック、およびトランスミッタを含む。レシーバは、ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージを受信するために構成されている。回路ロジックは、ネットワークのトポロジーと、要求メッセージ内の制約の組とに基づいてP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することを試みるために構成されている。トランスミッタは、バックアップ・イングレス・ノードが無事に計算された場合、計算されたバックアップ・イングレス・ノードを備える返答メッセージを送信するために構成されている。
【0006】
第3の態様では、本開示は、方法を含む。この方法は、パス計算要素(PCE)とパス計算クライアント(PCC)との間のセッション確立中にPCEとPCCとの間で能力情報を交換することを含む。能力情報は、ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することに関連している。
【0007】
これらの特色および他の特色は、添付図面および特許請求の範囲と併せて取り込まれた以下の詳細な説明からより明瞭に理解されるであろう。
【0008】
本開示のより完全な理解のため、今度は、類似した符号が類似した部品を表す添付図面および詳細な説明と併せて取り込まれた以下の簡単な説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ラベル・スイッチ・システムの実施形態を示した略図である。
【図2】図2は、ラベル・スイッチ・システムの別の実施形態を示した略図である。
【図3】図3は、PCE能力サブ・タイプ・長さ・値(TLV)のフォーマットを示した図である。
【図4】図4は、PCE能力TLVのフォーマットを示した図である。
【図5】図5は、要求/返答オブジェクトの一実施形態を示した図である。
【図6】図6は、PCEPエラーオブジェクトの一実施形態を示した図である。
【図7】図7は、ノー・パス・オブジェクトの一実施形態を示した図である。
【図8】図8は、到達不能なIPv4・次ホップTLVの一実施形態を示した図である。
【図9】図9は、到達不能なIPv6・次ホップTLVの一実施形態を示した図である。
【図10】図10は、バックアップ・イングレス計算方法の一実施形態を示した図である。
【図11】図11は、トランスミッタ/レシーバユニットの実施形態を示した略図である。
【図12】図12は、汎用コンピュータシステムの実施形態を示した略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ以上の実施形態の例証的な実施が以下に提供されるが、開示されたシステムおよび/または方法は、現時点で既知であるか既存である任意の数の手法を使用して実施されてもよいことが最初に理解されるべきである。開示は、本明細書に例示され記載された典型的な設計および実施を含む以下に例示された例証的な実施、図面および手法に決して限定されるべきでないが、特許請求の範囲内および請求項の均等物の全範囲内で変更されてもよい。
【0011】
「A Path Computation Element−(PCE) Based Architecture」と題する2006年8月付けのインターネット・エンジニアリング・タスク・フォース(IETF)リクエスト・フォー・コメント(RFC)4655刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれ、複数のエリアまたは自立システム(AS)ドメインを越えてP2P TE LSPを計算するコンポーネントについて記載する。これらのコンポーネントは、1台以上のパス計算サーバおよびトラフィック・エンジニアリング・データベース(TED)を備えるか、または、連結されることがあるPCEと、このPCEに連結された1台以上のPCCとを備えることがある。PCCは、P2P TE LSP計算要求をPCEに送信することがあり、このPCEは、パスを計算し、計算されたパスをPCCに返答するためにTEDを使用することがある。TEDは、ネットワーク・ルーティング・プロトコルを使用して交換されることがあるTE情報を使用して構築されることがある。P2P LSPパス計算のためのPCEとPCCとの間の通信は、PCE通信プロトコル(PCEP)に基づくことがある。
【0012】
「Extensions to Resource Reservation Protocol−Traffic Engineering (RSVP−TE) for Point−to−Multipoint TE Label Switched Paths (LSPs)」と題する2007年5月付けのIETF RFC 4875刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれ、P2MP TE LSPをセットアップするメカニズムについて記載する。P2MP LSPは、イングレス・ノードまたはLSRと複数のエグレス・ノードまたはLSRとの間に構成されることがある複数のソース・ツー・リーフ(S2L)サブLSPを備えることがある。S2LサブLSPは、P2MP TE LSPを取得するためにRSVPを使用して複数のブランチ・ノードまたはLSRによって互いに適切に組み合わされることがある。付加的に、「Extensions to the Path Computation Element Communication Protocol (PCEP) for Point−to−Multipoint Traffic Engineering Label Switched Paths」と題する2010年9月付けのIETF RFC 6006刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれ、P2MP TE LSPパス計算のための要求および返答を取り扱うPCEPへの拡張について記載する。
【0013】
しかし、上記文献は、PCCがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求をPCEへ送信することを許可し、かつ、PCEがバックアップ・イングレス・ノードを計算し、バックアップ・イングレス・ノードに関する計算結果をPCCへ返答することを許可するメカニズムを含まない。本明細書に開示されるのは、複数のエリアまたはASドメインを越えてトラフィックを輸送することがあるP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するシステムおよび方法である。このシステムおよび方法は、PCEおよびPCCがP2MP LSPの計算されたバックアップ・イングレス・ノードに関連する情報を交換することを許可することもある。
【0014】
図1は、複数のP2MP LSPが少なくとも一部のコンポーネントの間に確立されることがあるラベル・スイッチ・システム100の一実施形態を示す。P2MP LSPは、データトラフィックを輸送するために使用されることがある。ラベル・スイッチ・システム100は、ラベル・スイッチ・ネットワーク101を含むことがあり、このラベル・スイッチ・ネットワークは、ネットワークパスまたはルートに沿ってパケットまたはフレームを使用してデータトラフィックを輸送するパケット・スイッチ・ネットワークでもよい。これらのパケットは、ネットワークパスに沿ってルーティングまたはスイッチングされることがあり、これらのネットワークパスは、MPLSまたはGMPLS等のラベル・スイッチング・プロトコルによって確立されることがある。
【0015】
ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、第1のイングレス・ノード111と、第2のイングレス・ノード112と、複数の第1のエグレス・ノード161、163、165、167、171、173および175と、複数の第2のエグレス・ノード162、164、166、168、172、174および176とを含む複数のエッジ・ノードを備えることがある。付加的に、ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、複数の内部ノード131、133、135、137、141、143、145、147、149および151を備えることがあり、これらの複数の内部ノードは、互いに通信し、エッジ・ノードと通信することがある。第1のイングレス・ノード111および第2のイングレス・ノード112は、ラベル・スイッチ・ネットワーク101に連結されることがあるインターネット・プロトコル(IP)ネットワーク等の第1の外部ネットワーク180と通信することもある。したがって、第1のイングレス・ノード111および第2のイングレス・ノード112は、ラベル・スイッチ・ネットワーク101と外部ネットワーク180との間でデータ、例えば、データパケットを輸送することがある。さらに、第1のエグレス・ノードおよび第2のエグレス・ノードの一部は、第1のエグレス・ノード161および第2のエグレス・ノード162等のペアにグループ分けされることがあり、個々のペアは、第2の外部ネットワークまたはクライアント(図示せず)に連結されることがある。
【0016】
実施形態では、エッジ・ノードおよび内部ノードは、ラベル・スイッチ・ネットワーク101を通るパケットの輸送をサポートする如何なる機器またはコンポーネントでもよい。例えば、エッジ・ノードおよび内部ノードは、スイッチ、ルータ、またはこのような機器の様々な組み合わせを含むことがある。エッジ・ノードおよび内部ノードは、他のネットワーク・ノードからパケットを受信し、パケットを送信すべきネットワークを決定するロジック回路を備え、パケットを他のネットワーク・ノードに送信することがある。一部の実施形態では、少なくとも一部の内部ノードは、ラベル・スイッチ・ネットワーク101内で輸送されたパケットのラベルを変更または更新するために構成されることがあるLSRでもよい。さらに、少なくとも一部のエッジ・ノードは、ラベル・スイッチ・ネットワーク101と外部ネットワーク180との間で輸送されたパケットのラベルを挿入または除去するために構成されることがあるラベル・エッジ・ルータ(LER)でもよい。
【0017】
ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、第1のP2MP LSPをさらに備えることがあり、この第1のP2MP LSPは、第1の外部ネットワーク180から第2の外部ネットワークまたはクライアントにデータトラフィックを同報通信するために確立されることがある。第1のP2MP LSPは、ルート・ノードと称されることがある第1のイングレス・ノード111と、リーフ・ノードと称されることがある第1のエグレス・ノード161、163、165および167とを備えることがある。第1のP2MP LSPは、内部ノード131、133、135および137をさらに備えることがある。第1のP2MP LSPは、図1では実線矢印を使用して示される。リンク故障またはノード故障から第1のP2MP LSPを保護するために、ラベル・スイッチ・ネットワーク101は、第2のP2MP LSPをさらに備えることがある。第2のP2MP LSPは、第2のイングレス・ノードまたはルート・ノード112と、第2のエグレス・ノードまたはリーフ・ノード162、164、166および168と、内部ノード141、143、145、147、149および151とを備えることがある。第2のP2MP LSP内の個々の第2のエグレス・ノードは、第1のP2MP LSP内の第1のエグレス・ノードとペア化されることがある。第2のP2MP LSPは、同じ内部ノードおよび/または異なった内部ノードをさらに備えることがある。第2のP2MP LSPは、バックアップパスを第1のP2MP LSPに提供することがあり、第1のP2MP LSP内のイングレス・ノードまたはいずれかのエグレス・ノードが故障したとき、第1の外部ネットワーク180から第2の外部ネットワークまたはクライアントにトラフィックを転送するために使用されることがある。第2のP2MP LSPは、図1では破線矢印を使用して示される。
【0018】
第1のP2MP LSPへのバックアップパスとして第2のP2MP LSPを確保することは、第2のP2MP LSPが第1のP2MP LSPの確保された帯域幅に匹敵することがある付加的なネットワーク帯域幅を必要とすることがあるので、リソース消費になることがある。さらに、第1のP2MP LSPのイングレス・ノードが故障したとき、対応する第2のP2MP LSPを介してトラフィックを再ルーティングすることは、トラフィック配信に遅延を引き起こすことがある。第1のP2MP LSPのイングレス・ノードが故障したとき、第2のP2MP LSPが第1のP2MP LSPと同じトラフィックを搬送する場合でさえ、故障を決定し、トラフィックを受信するため第2のエグレス・ノードへスイッチングするために第2の外部ネットワークまたはクライアントに実質的な遅延が存在することがある。このような遅延は、例えば、IPテレビジョン(IPTV)等のリアル・タイム・サービスのため一部のシステムでは容認できないことがある。
【0019】
図2は、複数のTE LSPが少なくとも一部のコンポーネントの間で確立されることがある別のラベル・スイッチ・システム200の実施形態を示す。ラベル・スイッチ・システム200は、パケット・スイッチ・ネットワークでもよいラベル・スイッチ・ネットワーク201を備えることがある。ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、第1のイングレス・ノード211と、第2のイングレス・ノード212と、複数の第1のエグレス・ノード261、263、265と、複数の第2のエグレス・ノード262、264、266とを備えることがある複数のエッジ・ノードを備えることがある。付加的に、ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、複数の内部ノード230、231、233、235、237、239、241および243を備えることがあり、これらの内部ノードは、互いに通信し、エッジ・ノードと通信することがある。ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、第1のイングレス・ノード211および第2のイングレス・ノード212を介して第1の外部ネットワーク290と通信し、第1のエグレス・ノード261、263、265および第2のエグレス・ノード262、264および266を介して複数の第2の外部ネットワーク291、293および295と通信することがある。付加的に、ラベル・スイッチ・システム200は、ラベル・スイッチ・ネットワーク201にあるPCC 271と、PCC 271またはラベル・スイッチ・ネットワーク201に連結された第1のPCE 275とを備えることがあり、第1のPCE 275および第1の外部ネットワーク290に連結された第2のPCE 277をさらに備えることがある。
【0020】
ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、第1のエグレス・ノード261および第2のエグレス・ノード262等の対応するエグレス・ノードのペアを介して、個々の第2の外部ネットワーク291、293および295と通信することがある。付加的または代替的に、エグレス・ノードのペアは、対応するクライアントと通信することがある。ラベル・スイッチ・ネットワーク201は、P2MP LSPを備えることがあり、このP2MP LSPは、第1の外部ネットワーク290から第2の外部ネットワーク291、293および295に、または、代替的にラベル・スイッチ・ネットワーク201に連結されたクライアントにデータトラフィックを同報通信するために確立されることがある。
【0021】
P2MP LSPは、第1のイングレス・ノード211と少なくとも一部の第1のエグレス・ノードとを備えることがある。P2MP LSPは、複数の内部ノードをさらに備えることがある。第2のイングレス・ノード212は、例えば、イングレス・ノード故障からP2MP LSPを保護するために第1のイングレス・ノード211のためのバックアップ・ノードとして指定されることがある。その結果、第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211と通信し、第1のイングレス・ノード211を保護するバックアップP2MPサブ・ツリーを確立するために構成されることがある。したがって、第1のイングレス・ノード211が故障したとき、第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211へ送信され、バックアップP2MPサブ・ツリーを介してP2MP LSPによって輸送されるべきパケットをルーティングすることがあり、このバックアップP2MPサブ・ツリーは、その後、これらのパケットをP2MP LSPに併合することがある。このP2MP LSPバックアップスキームは、完全な第2のバックアップP2MP LSPを確立することを必要としないことがあり、よって、第1のイングレス・ノードが故障したとき、ラベル・スイッチ・システム100のP2MP LSPバックアップスキームより少ないリソース/帯域幅を必要とし、より小さい遅延を導入することがある。
【0022】
具体的には、第2のイングレス・ノード212は、例えば、ネットワーク・トポロジー情報に基づいて、第1のPCE 275を使用して選択または計算されることがある。PCC 271は、ラベル・スイッチ・ネットワーク201から第1のPCE 275に、バックアップ・イングレスを計算する要求を送信することがあり、この第1のPCEは、バックアップ・イングレスとして第2のイングレス・ノード212を計算し、PCC 271に返答を送信することがある。PCC 271は、パス計算要求を第1のPCE 275に転送するラベル・スイッチ・ネットワーク201に位置するいずれのエンティティまたはコンポーネントでもよい。PCC 271は、イングレス・ノード211に位置するか、もしくは、対応してもよく、または、イングレス・ノード211に連結されたラベル・スイッチ・ネットワーク201内のいずれの他のノードでもよい。第1のPCE 275は、バックアップ・イングレス・ノードを計算するために第2のPCE 277とさらに通信することがある。要求を受信し、バックアップ・イングレス・ノードを計算した後、第1のPCE 275は、第1のイングレス・ノード211に選択された第2のイングレス・ノード212を通知することがある。第1のイングレス・ノード211は、その後、例えば、第2のイングレス・ノード212との通信チャネルを確立することにより第2のイングレス・ノード212と通信することがある。
【0023】
第1のイングレス・ノード211は、第2のイングレス・ノード212への通信チャネルを介してP2MP LSPに関する情報を送信することがある。第2のイングレス・ノード212に送信された情報は、P2MP LSPと、明示的ルート・オブジェクト(ERO)と、S2LサブLSP記述子リストと、レコード・ルート・オブジェクト(RRO)と、S2LサブLSPフロー記述子リストと、または、これらの組み合わせとに関する制約を備えることがある。この情報は、この情報を備えるTLVを含むオープン・ショーテスト・パス・ファースト(OSPF)タイプ9・リンク・ステート・アドバタイズメント(LSA)内で送信されることがある。代替的に、この情報は、メッセージ内の情報が第1のイングレス・ノード211を保護することを目的とすることを指示するフラグを含むRSVP−TE PATHメッセージ内で送信されることがある。
【0024】
第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211からこの情報を受信し、バックアップP2MPサブ・ツリーを確立するためにこの情報を使用することがある。第2のイングレス・ノード212は、P2MP LSPの第2のイングレス・ノード212および第1のイングレス・ノード211の複数の次ホップ・ノードを備えるバックアップP2MPサブ・ツリーを開始することがある。例えば、バックアップ・サブ・ツリーは、第2のイングレス・ノード212と、内部ノード230、231および233(破線矢印によって示されるように)とを備えることがある。第2のイングレス・ノード212は、RROからの次ホップ・ノードと、第1のイングレス・ノード211から送信されることがあるS2LサブLSPフロー記述子リストとを認識することがある。バックアップP2MPサブ・ツリーは、第2のイングレス・ノード212から次ホップ・ノードまでのパスを計算し、PATHメッセージを計算されたパスに沿って送信し、返答として予約(RESV)メッセージを受信し、バックアップP2MPサブ・ツリーのための転送状態(例えば、テーブル)を作成することによって作成されることがある。PATHメッセージおよびRESVメッセージは、IETFによって定義されたPATHメッセージおよびRESVメッセージに類似することがある。
【0025】
第1のイングレス・ノード211のためのバックアップ・ノードとして第2のイングレス・ノード212を構成した後、第2のイングレス・ノード212は、故障検出メカニズムを使用して第1のイングレス・ノード211内の何らかの故障を検出し始めることがある。例えば、故障検出メカニズムは、第1のイングレス・ノード211と第2のイングレス・ノード212との間に確立されることがあるインターフェイス281またはP2P LSPを越える双方向フォワーディング検出(BFD)でもよい。第2のイングレス・ノード212が第1のイングレス・ノード211内の故障を検出したとき、第2のイングレス・ノード212は、例えば、第1の外部ネットワーク290から第1のイングレス・ノード211と関連付けられたトラフィックを受信し、その後、第1のイングレス・ノード211の次ホップ・ノードでP2MP LSPに併合されたバックアップP2MPサブ・ツリーを介してこのトラフィックを次ホップ・ノードに転送することがある。実施形態では、トラフィックが第1のイングレス・ノード211および第2のイングレス・ノード212の両方によって最初に受信された場合、第2のイングレス・ノード212は、第1のイングレス・ノード211内の故障の検出時に、バックアップP2MPサブ・ツリーを介して第1のイングレス・ノード211の次ホップ・ノードにトラフィックをさらに転送することがある。
【0026】
付加的に、対応する第1のエグレス・ノードとペア化されることがある少なくとも一部の第2のエグレス・ノードは、例えば、第2のエグレス・ノード262および第1のエグレス・ノード261をエグレス・ノード故障から保護するために第1のエグレス・ノードのためのバックアップ・ノードとして指定されることがある。その結果、P2MP LSPに沿って第1のエグレス・ノードより先行することがある前ホップ・ノードは、第1のイングレス・ノードとペア化された第2のエグレス・ノードに関する情報を受信し、第1のエグレス・ノードのためのバックアップLSPを確立し、第1のエグレス・ノード内の故障が検出されたとき、バックアップLSPを介して第1のエグレス・ノードへ送信されるべきパケットを第2のエグレス・ノードへルーティングすることがある。
【0027】
第2のエグレス・ノードは、例えば、ネットワーク・トポロジー情報に基づいて、第1のPCE 275、または、ラベル・スイッチ・ネットワーク201(図示せず)に連結された別のPCEを使用して、第1のエグレス・ノードのためのバックアップとして選択または計算されることがある。第2のエグレス・ノードは、第1のエグレス・ノード(図示せず)と関連付けられたPCCを介してPCEに要求を送信することにより計算されることがある。PCEは、その後、第1のエグレス・ノードに、選択された第2のエグレス・ノードを通知することがある。付加的または代替的に、PCEは、第1のイングレス・ノード211に、選択された第2のエグレス・ノードを通知することがある。第2のエグレス・ノードに関するこの情報は、その後、第1のエグレス・ノードおよび/または第1のエグレス・ノードの前ホップ・ノードに送信されることがある。第2のエグレス・ノードに関する情報は、メッセージ内で前ホップ・ノードに送信されることがある。例えば、第1のエグレス・ノード261が、選択された第2のエグレス・ノード262に関する情報を受信したとき、第1のエグレス・ノード261は、例えば、RESVメッセージ内で、この情報を内部ノード235に送信することがある。
【0028】
第1のエグレス・ノードは、P2MP LSPから受信されたデータを第2の外部ネットワークまたはクライアントに転送することに関する情報をこの情報を備えるTLVを含むOSPF・タイプ9・LSA内の第2のエグレス・ノードに送信することがある。第2のエグレス・ノードは、受信された情報に応じて、データをクライアントに転送するための転送エントリを作成することがある。代替的に、第1のエグレス・ノードは、P2MP LSPから受信されたデータをRSVP−TE RESVメッセージ内のエグレス・ノードの前ホップ・ノードを介して第2の外部ネットワークまたはクライアントに転送することに関する情報を第2のエグレス・ノードに送信することがある。前ホップ・ノードは、その後、RSVP−TE PATHメッセージ内の情報を第2のエグレス・ノードに送信することがある。第1のイングレス・ノードが選択された第2のエグレス・ノードに関する情報を取得した場合、第1のイングレス・ノードは、例えば、PATHメッセージ内でこの情報を前ホップ・ノードに送信することがある。
【0029】
メッセージまたは情報を受信した後、前ホップ・ノードは、前ホップ・ノードから第2のエグレス・ノード(破線矢印によって示される)へのバックアップLSPを確立することがある。バックアップLSPは、前ホップ・ノードから第2のエグレス・ノードへのパスを計算し、計算されたパスに沿ってPATHメッセージを送信し、返答としてRESVメッセージを受信し、バックアップLSPのための転送状態(例えば、テーブル)を作成することにより作成されることがある。バックアップLSPは、P2PバイパストンネルまたはP2P迂回トンネルでもよい。前ホップ・ノードが第1のエグレス・ノード内の故障を検出したとき、前ホップ・ノードは、バックアップLSPを介して、第1のエグレス・ノードではなく、第2のエグレス・ノードにトラフィックを転送することがある。第2のエグレス・ノードは、その後、トラフィックをこのトラフィックの送信先、例えば、第2の外部ネットワークまたはクライアントに配信することがある。
【0030】
第1のイングレス・ノード211のためのバックアップ・イングレス・ノードと第1のエグレス・ノードのためのバックアップ・エグレス・ノードを選択することは、P2MP LSP内にエンド・ツー・エンド保護をもたらすことがある。バックアップ・イングレス・ノードおよびバックアップ・エグレス・ノードを使用することにより、エンド・ツー・エンドP2MP LSP保護がP2MP LSPの初期的に構成された(または予備)イングレス・ノードおよびエグレス・ノードにローカライズされることがある。このローカライズされた保護は、イングレス・ノードまたはエグレス・ノードが故障したとき、第2のイングレス・ノードからすべての第2のエグレス・ノードへの第2のバックアップP2MP LSPを使用するより効率的な保護をエッジ・ノードにもたらすことがある。例えば、P2MP LSPの第1のイングレス・ノードのバックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードまでのバックアップP2MPサブ・ツリーと、第1のエグレス・ノードの前ホップ・ノードから第2のバックアップ・エグレス・ノードまでのバックアップLSPとを作成することは、例えば、確保された帯域幅の観点で、第2のイングレス・ノードからすべての第2のエグレス・ノードまでの第2のバックアップP2MP LSPを作成するより少ないネットワーク・リソースを必要とすることがある。付加的に、ノード故障の場合に、バックアップ・ノードおよびバックアップP2MPサブ・ツリーまたはLSPを介してローカルにトラフィックをルーティングすることは、第2のバックアップP2MP LSPに沿ってトラフィックをルーティングするより高速かつ簡単に実施できることがある。
【0031】
実施形態では、PCC 271、第1のPCE 275、および/または、第2のPCE 227は、例えば、PCC 271と第1のPCE 275との間の確立セッション中にP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードの計算に関連した能力を宣言することがある。例えば、PCC 271は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードの計算に関連したサポート機能を指示するためにセットされることがある少なくとも1つのフラグを含むことがある第1のセッション確立メッセージを第1のPCE 275に送信することがある。第1のPCE 275は、その後、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレスの計算等のサポート関連機能を指示するためにセットされることがある少なくとも1つのフラグを含むことがある第2のセッション確立メッセージをPCC 271に送信することがある。第2のセッション確立メッセージは、第1のPCE 275の能力を指示する値を備えることがあるTLVを備えることがある。代替的に、第2のセッション確立メッセージは、TLVを備えることがあるPCEディスカバリ・プロトコル中に記載されるようなオープン・オブジェクトを備えることがある。したがって、PCC 271は、PCEの異なった能力に関する情報を取得するために、第1のPCE 271および第2のPCE 275の両方を含んでもよい複数のPCEと通信することがある。第1のPCE 271は、それぞれの能力情報を交換するために第2のPCE 275とさらに通信することがある。PCC 271は、その後、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードを要求するように、具体的な機能をこの機能をサポートすることになるPCEから要求することがある。
【0032】
実施形態では、PCC 271は、例えば、第1のPCE 275と能力情報を交換した後、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために要求メッセージを第1のPCE 275に送信することがある。要求メッセージは、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードの計算を要求するためにセットされることがある第1のフラグを備えることがある。この要求メッセージは、P2MP LSPのためのパスが圧縮フォーマットで表現されているかどうかを指示するために使用されることがある第2のフラグをさらに備えることがある。一部の実施形態では、要求メッセージは、詳細に後述されるように第1のフラグおよび第2のフラグを備えることがある要求/返答(RP)オブジェクトを備えることがある。
【0033】
要求メッセージは、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードを計算するため使用されることがある情報をさらに備えることがある。例えば、要求メッセージは、P2MP LSPがトラバースするパスを備えることがある。付加的に、要求メッセージは、帯域幅制限等のパス制約と、(例えば、第1の外部ネットワーク290内の)外部ノードに関する情報とを備えることがあり、この外部ノードからデータトラフィックがP2MP LSPのイングレス・ノードに配信され、したがって、P2MP LSPを介してエグレス・ノードへ輸送される。一部の実施形態では、PCCは、指定されたP2MP LSPのための少なくとも1つのバックアップ・イングレス・ノードを取得するために複数の要求メッセージを複数のPCEに送信することがある。
【0034】
実施形態では、PCC 271から第1のPCE 275に送信された、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージは、第1のPCE 275で記憶されることもあるP2MP LSPのためのパスの識別子を備えることがある。したがって、第1のPCE 275は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するためにパスの識別子を使用して、例えば、ローカルテーブルまたはデータベースから、P2MP LSPのためのパスに関する情報を取得することがある。一部の実施形態では、要求メッセージは、計算されるべきバックアップ・イングレス・ノードがP2MP LSP上のノードでないかもしれないことを指示する制約をさらに備えることがある。付加的に、要求メッセージは、ノードのリストを備えることがあり、これらのノードは、個々にバックアップ・イングレス・ノードの候補でもよい。付加的または代替的に、要求メッセージは、P2MP LSPの計算されたバックアップ・イングレス・ノードからイングレス・ノードの次ホップ・ノードまでのパスが存在しなければならない旨と、バックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードまでのパス上の内部ノードは、P2MP LSPの一部でなくてもよい旨とを指示する制約を備えることがある。実施形態では、要求メッセージは、計算されたバックアップ・イングレス・ノードからP2MP LSPのイングレス・ノードまでのパスが存在しなければならない旨と、パスの長さは、1ホップ等の所定のホップ限界の範囲内に入ることがある旨とを指示する制約を備えることがある。
【0035】
一部の実施形態では、第1のPCE 275に供給されたパス情報は、単一の要求メッセージに収まらないことがある。したがって、複数の要求メッセージは、第1のPCE 275に送信されることがある。すべての転送された要求メッセージ内の情報は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために第1のPCE 275で組み合わされることがある。複数の要求メッセージを単一のバックアップ・イングレス・ノード要求と関連付けるために、要求メッセージは、同じ要求識別子を備えることがある。
【0036】
第1のPCE 275は、バックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージへの返答として返答メッセージをPCC 271に送信することがある。返答メッセージは、計算されたバックアップ・イングレス・ノードに関する情報を備えることがある。代替的に、返答メッセージは、P2MP LSPの計算されたバックアップ・イングレス・ノードからイングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードまでのパスを備えることがある。一部の実施形態では、第1のPCE 275は、例えば、制約の組に基づいて、要求通りにバックアップ・イングレス計算を完了しないことがある。したがって、第1のPCE 275は、失敗したバックアップ・イングレス計算の試みを指示する返答メッセージをPCC 271に送信することがある。返答メッセージは、後述されるように、エラータイプ、エラー値、および、ある種のエラー詳細を備えることがあるPCEPエラーオブジェクトを備えることがある。
【0037】
図3は、PCEディスカバリ(PCED)TLV内のサブTLVでもよいPCE能力サブTLV 300の一実施形態を示す。PCE能力サブTLV 300は、PCEの能力を記述するために内部ゲートウェイ・プロトコル(IGP)PCEディスカバリで使用されることがある。PCE能力サブTLV 300は、PCEの能力をPCCまたはネットワークに宣伝するためにPCE(例えば、第1のPCE 275)によって送信されることがある。PCE能力サブTLV 300は、タイプフィールド320と、長さフィールド340と、値フィールド360とを備えることがある。
【0038】
タイプフィールド320の値は、PCE能力サブTLV 300のタイプを指示するために約5にセットされることがあり、または、インターネット番号割当機関(IANA)によって割り当てられることがある。長さフィールド340は、例えば、バイト単位で、およそ8バイト等の値フィールド360のサイズを指示することがある。値フィールド360は、第1のフラグ361および第2のフラグ363を含む能力フラグの系列を備えることがある。値フィールド360内の第1のフラグ361は、PCEがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレスを計算する能力をもつ旨を指示するために、例えば、およそ1にセットされることがある。第1のフラグ361は、値フィールド360のビットの系列中のビット10でもよく、または、IANAによって割り当てられたその他のビットでもよい。第2のフラグ363は、PCEがP2P LSPのためのバックアップ・イングレスを計算する能力をもつ旨を指示するために、例えば、およそ1にセットされることがある。第2のフラグ363は、値フィールド360のビットの系列中のビット11でもよく、または、IANAによって割り当てられたその他のビットでもよい。
【0039】
図4は、バックアップ・イングレス計算のためのPCE能力TLV400の一実施形態を示す。PCE能力TLV 400は、例えば、第1のPCE 275とPCC 271との間のPCEセッション確立中に交換されることがあるオープン・オブジェクト・メッセージ内のオプションTLVでもよい。PCE能力TLV 400は、タイプフィールド410と、長さフィールド420と、値フィールド430とを備えることがある。タイプフィールド410の値は、PCE能力TLV 400のタイプを指示するために、およそ1にセットされることがあり、または、IANAによって割り当てられることがある。長さフィールド420は、例えば、バイト単位で、値フィールド430のサイズを指示することがある。値フィールド430は、PCEのための能力フラグの系列を備えることがある。値フィールド430内のフラグは、PCE能力サブTLV 300の値フィールド360内のフラグと同様に構成され、セットされることがある。
【0040】
一実施形態では、PCEが発見中にP2MP LSPのためのバックアップ・イングレスを計算するこのPCEの能力を宣伝しない場合、PCCは、拡張されたオープン・オブジェクトを使用してP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス計算をサポートする能力をもつPCEを発見することがあり、この拡張オープン・オブジェクトは、オプションフィールドまたはTLV内にPCE能力TLV 400を備えることがある。PCE能力TLV 400は、PCEがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレスを計算するこのPCEの能力を宣伝することを許可することがある。
【0041】
図5は、PCCからPCEに送信された要求メッセージの一部分、または、PCEからPCCに送信された返答メッセージの一部分でもよいRPオブジェクト500の一実施形態を示す。例えば、RPオブジェクトは、P2MP LSP関連要求メッセージのバックアップ・イングレスを指示することがある。RPオブジェクト500は、予約フィールド510と、フラグフィールド520と、要求識別(ID)番号550とを備えることがある。フラグフィールドは、フラグ521、523、525、527、529、531、533および535を備えることがある。付加的に、RPオブジェクト500は、存在の有無を問わずに、1つ以上のオプションTLV 560を備えることがある。予約フィールド510は、予約されるか、または、使用されないことがある。予約フィールド510は、およそ8ビットの長さを有することがある。フラグフィールド520は、バックアップ・イングレス・ビット(I)フラグ521と、フラグメンテーション・ビット(F)フラグ523と、P2MPビット(N)フラグ525と、ERO圧縮ビット(E)フラグ527と、ストリクト/ルーズ・ビット(O)フラグ529と、双方向ビット(B)フラグ531と、再最適化(R)フラグ533と、複数の優先度ビット(P)フラグ535とを備えることがある。フラグ520は、未割当、または、未使用の付加ビットをさらに備えることがある。例えば、フラグフィールド520内の残りのビットは、およそ0にセットされ、かつ、無視されることがある。Iフラグ521は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス計算を指示するために、例えば、およそ1にセットされることがある。Iフラグ521は、要求メッセージまたは返答メッセージがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス計算に関係しているかどうかを指示するためにセットされることがある。
【0042】
Oフラグ529は、ルーズパスが容認できることを指示するために要求メッセージ内で、例えば、およそ1にセットされるか、または、ストリクトなホップのみを備えるパスが必要とされることを指示するためにクリアされることがある。このパスは、P2MP LSPのバックアップ・イングレス・ノードからイングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードまで延びることがある。Oフラグ529は、計算されたパスがルーズであることを指示するために、返答メッセージ内で、例えば、およそ1にセットされることがあり、または、計算されたパスがストリクトなホップを備えることを指示するためにクリアされることがある。Pフラグ535は、推奨された要求優先度を指定するために使用されることがある。例えば、Pフラグ535は、PCCでローカルにセットされることがあるおよそ1からおよそ7までの値を有することがある。代替的に、Pフラグ535は、要求優先度が指定されていないとき、およそゼロにセットされることがある。要求ID番号550は、バックアップ・イングレス計算要求コンテキストを識別するためにPCCの送信元IPアドレスまたはPCEネットワークアドレスと組み合わされることがある。要求ID番号550は、新しい要求がPCEに送信されるたびに、変更されるか、または、インクリメントされることがある。要求ID番号550は、およそ32ビットの長さを有することがある。(複数の)オプションTLV 560は、パス計算能力、パス制約、および/または、他のパス情報を指示することがある。R/Pオブジェクト500内の残りのフラグまたはフィールドは、PCEPに基づいて構成されることがある。
【0043】
図6は、バックアップ・イングレス計算に関連したエラーを指定するために使用されることがあるPCEPエラーオブジェクト600の一実施形態を示す。PCEPエラーオブジェクト600は、予約フィールド610と、フラグフィールド620と、エラータイプ・フィールド630と、エラー値フィールド640と、1つ以上のオプションTLV 660とを備えることがある。予約フィールド610は、予約されるか、または、使用されないことがある。フラグフィールド620は、前述のビットフラグに類似することがある複数のビットフラグを備えることがある。エラータイプ・フィールド630は、PCEPエラーのタイプを指示するために、およそ17にセットされるか、または、IANAによって割り当てられることがある。エラー値フィールド640は、バックアップ・イングレス計算要求と関連付けられたエラーを示す、複数の値のうちの1つを備えることがある。
【0044】
PCEがバックアップ・イングレス計算要求を受信し、PCEがメモリ不足のためこの要求を満たす能力をもたない場合、PCEは、およそ17であるエラータイプ値とおよそ1であるエラー値とを含むPCEPエラーオブジェクト600を備えるPCEエラー(PCErr)メッセージを返送することがある。対応するバックアップ・イングレス計算要求は、その後、取り消されることがある。代替的に、PCEがバックアップ・イングレスを計算する能力をもたない場合、PCEは、およそ17であるエラータイプ値とおよそ2であるエラー値とを含むPCEPエラーオブジェクト600を備えるPCErrメッセージを返送することがある。対応するバックアップ・イングレス計算要求は、その後、取り消されることがある。
【0045】
代替的に、複数のエラー値が、例えば、およそ2であって、能力がサポートされていないことを指定する既存のエラータイプ値の下で定義されることがある。定義されたエラー値は、バックアップ・イングレス計算要求と関連付けられたエラーを指定することがある。一実施形態では、およそ3であるエラー値がPCEPエラーオブジェクト600内でおよそ2である既存のエラータイプ値と共に使用されることがある。およそ3であるエラー値は、PCEがバックアップ・イングレス計算要求を受信し、バックアップ・イングレスを計算する能力をもたないことを指定することがある。代替的に、およそ4であるエラー値は、PCEがバックアップ・イングレス計算要求を受信し、メモリ不足等のいくつかの理由のためこの要求を満たすことができないことを指示するために、およそ2である既存のエラータイプ値と共に使用されることがある。一部の実施形態では、エラー値は、およそ5であって、ポリシー違反を指示する既存のエラータイプ値の下で定義されることがある。定義されたエラー値は、バックアップ・イングレス計算ポリシー違反と関連付けられたエラーを指示することがある。例えば、およそ6であるエラー値は、PCEが管理者特権と適合しないバックアップ・イングレス計算要求を受信したこと(例えば、「PCEポリシーがバックアップ・イングレス計算をサポートしない」)を指示するために、PCEPエラーオブジェクト600内でおよそ5である既存のエラータイプ値と共に使用されることがある。
【0046】
図7は、バックアップ・イングレス計算のためのノー・パス・オブジェクト700の一実施形態を示す。ノー・パス・オブジェクト700は、PCCからのバックアップ・イングレス計算要求に応答してバックアップ・イングレスを見つけることができない理由をPCCと通信するためにPCEによってパス計算返答(PCRep)メッセージ内で使用されることがある。ノー・パス・オブジェクト700は、問題の性質フィールド710と、フラグフィールド720と、予約フィールド730と、第1のオプションTLV 740と、1つ以上の第2のオプションTLV 760とを備えることがある。問題の性質フィールド710は、バックアップ・イングレス・ノードを計算するために故障の理由を指示する値を備えることがある。フラグフィールド720は、能力オブジェクトまたはTLVを指示する能力(C)フラグ721を含むフラグビットの系列を備えることがある。予約フィールド730は、予約されるか、または、使用されないことがある。
【0047】
第1のオプションTLV 740は、タイプフィールド741と、長さフィールド743と、第2のフラグフィールド745とを備えることがある。タイプフィールド741および長さフィールド743は、それぞれ、タイプフィールド320および長さフィールド340と同様に構成されることがある。第2のフラグフィールド745は、到達可能性(R)フラグ747を含むビットフラグの系列を備えることがある。PCEは、バックアップ・イングレス・ノード候補からのP2MP LSPのイングレス・ノードの次ホップの全部または一部を用いる到達可能性問題が存在することを指示するためにRフラグ747をセットすることがある。この場合、複数の到達不能IPバージョン4(IPv4)次ホップTLVまたはIPバージョン6(IPv6)次ホップTLVは、ノー・パス・オブジェクト700内に含まれることがあり、このノー・パス・オブジェクトは、個々に、バックアップ・イングレス・ノード候補から到達不能であることがあるP2MP LSPのイングレス・ノードの次ホップの1つ以上のIPアドレスをリストにすることがある。(複数の)第2のオプションTLV 760は、(複数の)オプションTLV 560と同様に構成されることがある。
【0048】
図8は、ノー・パス・オブジェクト700の一部でもよい到達不能IPv4次ホップTLV 800の一実施形態を示す。到達不能IPv4次ホップTLV 800は、タイプフィールド810と、長さフィールド820と、値フィールド830とを備えることがある。タイプフィールド810の値は、到達不能IPv4次ホップTLV 800のタイプを指示することがある。例えば、タイプフィールド810の値は、およそ2に等しいことがあり、または、IANAによって割り当てられることがある。長さフィールド820は、例えば、バイト単位で値フィールド830のサイズを指示することがある。値フィールド830は、バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス・フィールド831と、到達不能IPv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837とのリストとを備えることがある。バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス・フィールド831は、到達不能Ipv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837によって識別された次ホップ・ノードのいずれにも到達しないバックアップ・イングレス・ノードを識別することがある。バックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードへの到達は、PCEがバックアップ・イングレス・ノードから次ホップ・ノードまでの制約の組を満たすパスを見つけることができない場合、可能ではないことがある。具体的には、バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス831と、到達不能IPv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837とは、Ipv4ネットワークアドレスを備えることがある。
【0049】
図9は、ノー・パス・オブジェクト700の一部でもよい到達不能IPv6次ホップTLV 900の一実施形態を示す。到達不能IPv6次ホップTLV 900は、タイプフィールド910と、長さフィールド920と、値フィールド930とを備えることがある。値フィールド930は、バックアップ・イングレス候補IPv6アドレス・フィールド931と、到達不能IPv6次ホップ・アドレス・フィールド933、935および937のリストとを備えることがある。タイプフィールド910と、長さフィールド920と、バックアップ・イングレス候補IPv6アドレス・フィールド931と、到達不能IPv6次ホップ・アドレス・フィールド933、935および937とは、それぞれ、タイプフィールド810と、長さフィールド820と、バックアップ・イングレス候補IPv4アドレス・フィールド941と、到達不能IPv4次ホップ・アドレス・フィールド833、835および837と同様に構成されることがある。しかし、バックアップ・イングレス候補IPv6アドレス・フィールド931と、到達不能IPv6次ホップ・アドレス・フィールド933、935および937とは、IPv6ネットワークアドレスを備えることがある。
【0050】
図10は、P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するためにPCEで実施されることがあるバックアップ・イングレス計算方法1000の一実施形態を示す。選択されたバックアップ・イングレス・ノードは、PCCから要求メッセージの中で受信された制約の組を満たすことがある。この方法1000は、P2MP LSPのバックアップ・イングレスを計算する1つ以上の要求メッセージが受信されることがあるブロック1010で始まることがある。要求メッセージは、PCCから送信されることがあり、P2MP LSPに関する情報と、バックアップ・イングレスに関する制約の組とを備えることがある。例えば、1つ以上の要求メッセージは、PCE能力TLV 400またはR/Pオブジェクト500を備えることがある。
【0051】
ブロック1020で、(複数の)要求メッセージ内の制約の組を満たすバックアップ・イングレス・ノードが計算されることがある。ブロック1030で、方法1000は、バックアップ・イングレス・ノードが無事に計算されたかどうかを決定することがある。要求メッセージ内の制約を満たすバックアップ・イングレス・ノードが計算または選択された場合、この方法1000は、ブロック1050に進むことがある。そうでなければ、この方法1000は、ブロック1060に進むことがある。ブロック1050で、P2MP LSPのための計算されたバックアップ・イングレス・ノードを備える返答メッセージが送信されることがある。例えば、選択されたイングレス・ノードは、返答メッセージ内でPCCに送信されることがある。この方法1000は、その後、終了することがある。ブロック1060で、バックアップ・イングレス・ノードを選択できない理由を備える返答メッセージが送信されることがある。例えば、バックアップ・イングレス・ノードを選択できない理由は、PCEPエラーオブジェクト600またはノー・パス・オブジェクト700内でPCCに送信されることがある。この方法1000は、その後、終了することがある。
【0052】
図11は、ネットワークを介してパケットを輸送するどんな機器でもよいトランスミッタ/レシーバユニット1100の実施形態を示す。例えば、トランスミッタ/レシーバユニット1100は、前述のネットワークコンポーネントのいずれかに位置することがある。トランスミッタ/レシーバユニット1100は、パケットを送信すべきネットワークコンポーネントを決定するために他のネットワークコンポーネント、すなわち、ロジック回路1120からパケット、オブジェクト、または、TLVを受信する1つ以上のイングレス・ポートまたはユニット1110と、フレームを他のネットワークコンポーネントに送信する1つ以上のエグレス・ポートまたはユニット1130とを備えることがある。ロジック回路1120は、ダウンストリームまたはエグレスリンクを介してパケットを送信するため適切なデータレートをさらに決定することがある。
【0053】
前述のネットワークコンポーネントは、課された必要な作業負荷を取り扱うために十分な処理パワー、メモリリソース、および、ネットワークスループット能力を伴うコンピュータまたはネットワークコンポーネント等のいずれかの汎用ネットワークコンポーネント上で実施されることがある。図12は、本明細書に開示されたコンポーネントの1つ以上の実施形態を実施するため適した典型的な汎用ネットワークコンポーネント1200を示す。ネットワークコンポーネント1200は、2次ストレージ1204、リード・オンリー・メモリ(ROM)1206、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)1208、入力/出力(I/O)機器1210、および、ネットワーク接続機器1212を含むメモリ機器と通信しているプロセッサ1202(中央プロセッサユニットすなわちCPUと称されることがある)を含む。プロセッサ1202は、1台以上のCPUチップとして実施されることがあり、または、1台以上の特定用途向け集積回路(ASIC)の一部でもよい。
【0054】
2次ストレージ1204は、典型的に、1台1以上のディスクドライバまたはテープドライバにより構成され、データの不揮発性記憶のため使用され、かつ、RAM 1028がすべての作業テーブルを保持するほど十分に大きくない場合、オーバーフローデータ記憶機器として使用される。2次ストレージ1204は、プログラムが実行のため選択されたとき、RAM 1208の中にロードされたこのようなプログラムを記憶するために使用されることがある。ROM 1206は、命令と、おそらくは、プログラム実行中に読まれるデータとを記憶するために使用される。ROM 1206は、典型的に、2次ストレージ1204の大記憶容量と相対的に小さい記憶容量を有している不揮発性記憶機器である。RAM 1208は、揮発性データを記憶するために、そして、おそらくは、命令を記憶するために使用される。ROM 1206およびRAM 1208の両方へのアクセスは、典型的に、2次ストレージ1204へのアクセスより高速である。
【0055】
少なくとも一実施形態が開示され、当業者によって行われた(複数の)実施形態および/または(複数の)実施形態の特色の変形、組み合わせ、および/または、変更は、この開示の範囲内に入る。(複数の)実施形態の特色の組み合わせ、統合、および/または、省略によって生じる代替的な実施形態は、同様に開示の範囲内に入る。数値範囲または限定が明示された場合、このような表現範囲または限定は、明示された範囲または限定の範囲(例えば、2、3、4などを含むおよそ1からおよそ10まで、0.11、0.12、0.13などを含む0.10より大きい。)に入る類似した大きさの反復範囲または反復限定を含むことが理解されるべきである。例えば、下限R1および上限Ruをもつ数値範囲が開示されるときはいつでも、この範囲に入る数が具体的に開示される。詳しくは、範囲内にある以下の数が具体的に開示され、すなわち、R=Rl+k*(Ru−Rl)であり、式中、kは、1パーセントから100パーセントまで1パーセント刻みで変化する変数であり、すなわち、kは、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、7パーセント、...、70パーセント、71パーセント、72パーセント、...、97パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、または、100パーセントである。その上、上で定義されたように2個のR数によって定義された数値範囲が同様に具体的に開示される。請求項のいずれかの要素に関する用語「存在の有無を問わずに」の使用は、この要素が必要とされるか、または、代替的に、この要素が必要とされず、両方の選択肢が特許請求の範囲に含まれることを意味する。「〜を備える」、「〜を含む」、および、「〜を有する」等のより広義の用語は、「〜で構成される」、「本質的に〜で構成される」、および、「実質的に〜からなる」等のより狭い用語のサポートを提供することが理解されるべきである。その結果、請求項の主題のあらゆる均等物を含む保護の範囲は、前述された説明によって限定されることはないが、請求項によって定められる。ありとあらゆる請求項は、さらなる開示として明細書に組み込まれ、請求項は、本開示の(複数の)実施形態である。開示中の参考文献についての検討は、参考文献、特に、本願の優先日より後の刊行日を有している参考文献が先行技術である旨の承認ではない。本開示中で引用されたすべての特許、特許出願、および、刊行物は、本開示に例示的、手続的、または、他の詳細な補充をもたらす程度で、参照によってここに組み込まれる。
【0056】
複数の実施形態が本開示中に提示されているが、開示されたシステムおよび方法は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、多くの他の特定の形式で具現化されてもよいことが理解されるべきである。本実施例は、例示的であり、限定的ではないとして考慮されるべきであり、本発明は、本明細書に与えられた詳説に限定されるべきではない。例えば、様々な要素またはコンポーネントは、組み合わされるか、または、別のシステム内で統合されることがあり、または、ある種の特色は、省略されるか、または、実施されないことがある。
【0057】
さらに、別々に、または、個々に様々な実施形態に記載され、例示された手法、システム、サブシステム、および、方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、手法、または、方法と組み合わされるか、または、統合されることがある。相互に連結され、もしくは、相互に直接的に連結され、または、相互に通信するように示された、または、検討された他の項目は、電気的、機械的、または、別のやり方を問わずに、一部のインターフェイス、機器、または、中間コンポーネントを介して間接的に連結されるか、または、通信することがある。変更、置換および代替の他の実施例は、当業者によって確かめることが可能であり、本明細書に開示された趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パス計算クライアント(PCC)と通信し、前記PCCと関連付けられたネットワーク内でのポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために構成されているパス計算要素(PCE)を備え、
前記バックアップ・イングレス・ノードは、バックアップ・ツリーを介して、前記P2MP LSPのイングレス・ノードと、前記P2MP LSPの前記イングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードとに連結されている、装置。
【請求項2】
前記バックアップ・イングレス・ノードおよび前記イングレス・ノードは、両方共に外部ノードに連結され、前記バックアップ・ノードは、前記イングレス・ノードが故障したとき、前記P2MP LSP内でのデータ配信を確実にするために構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記PCEは、バックアップ・イングレス・ノード候補のリストを取得するために前記外部ノードのネットワークと関連付けられた第2のPCEと通信するためにさらに構成され、個々の前記バックアップ・イングレス・ノード候補は、前記外部ノードから前記バックアップ・ノード候補までの1つ以上の制約を満たす、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
バックアップ・イングレス・ノード候補は、前記P2MP LSPの前記イングレス・ノードと同じネットワーク内のノードである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記制約は、前記外部ノードからバックアップ・イングレス・ノード候補までのパス上のホップ限界と、帯域幅と、距離的制約とを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記PCEは、前記第2のPCEから前記バックアップ・イングレス・ノード候補の前記リストを受信し、制約の組を満たす前記リストからバックアップ・イングレス・ノードを選択するために構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記制約は、前記P2MP LSPの前記バックアップ・イングレス・ノードから前記イングレス・ノードの次ホップ・ノードまでのサブ・ツリー上の排他的な制約と、ホップ限界と、帯域幅および距離制約とを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記制約は、前記P2MP LSPの前記バックアップ・イングレス・ノードと前記イングレス・ノードとの間のパス上のホップ限界制約を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記PCEは、前記P2MP LSPの前記バックアップ・イングレス・ノードと、前記バックアップ・イングレス・ノードから前記イングレス・ノードの前記次ホップ・ノードまでのサブ・ツリー・パスとを前記PCCに送信するために構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記イングレス・ノードは、前記バックアップ・イングレス・ノードと、前記PCCからの前記サブ・ツリー・パスとを受信し、前記バックアップ・イングレス・ノードと通信するために構成され、前記バックアップ・イングレス・ノードは、前記バックアップ・イングレス・ノードから前記次ホップ・ノードに達し、前記イングレス・ノードの前記次ホップ・ノードで前記P2MP LSPに併合するバックアップP2MPサブ・ツリーを確立する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージを受信するために構成されているレシーバと、
前記ネットワークのトポロジーと前記要求メッセージ内の制約の組とに基づいて、前記P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することを試みるために構成されている回路ロジックと、
前記バックアップ・イングレス・ノードが無事に計算された場合、前記計算されたバックアップ・イングレス・ノードを備える返答メッセージを送信するために構成されているトランスミッタと、
を備えるネットワークコンポーネント。
【請求項12】
前記要求メッセージ、前記返答メッセージ、または、両方共に、予約フィールドと、複数のフラグと、要求識別(ID)番号と、1つ以上のオプション・タイプ・長さ・値(TLV)とを備える(RP)オブジェクトを備え、前記フラグは、バックアップ・イングレス・ビット(I)フラグと、フラグメンテーション・ビット(F)フラグと、P2MPビット(N)フラグと、明示的ルート・オブジェクト(ERO)圧縮ビット(E)フラグと、ストリクト/ルーズ・ビット(O)フラグと、双方向ビット(B)フラグと、再最適化(R)フラグと、複数の優先度ビット(P)フラグとを備える、請求項11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項13】
前記制約は、帯域幅制限と、トラフィックを前記P2MP LSPのイングレス・ノードに送信する外部ノードに関する情報とを備える、請求項11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項14】
前記バックアップ・イングレス・ノードを計算する試みが失敗した場合、前記バックアップ・イングレス・ノードを計算できなかった理由を指示するために返答メッセージが送信される、請求項11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項15】
前記返答メッセージは、前記バックアップ・イングレス・ノード計算に関連するエラーを指示するPCEプロトコル(PCEP)エラーオブジェクトを備え、前記PCEPエラーオブジェクトは、フラグフィールドと、エラータイプ・フィールドと、エラー値フィールドと、1つ以上のオプション・タイプ・長さ・値(TLV)とを備える、請求項14に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項16】
前記返送メッセージは、前記バックアップ・イングレス・ノードを計算できなかった理由を指示するノー・パス・オブジェクトを備え、前記ノー・パス・オブジェクトは、問題の性質フィールドと、能力(C)フラグを備えるフラグフィールドと、第1のオプション・タイプ・長さ・値(TLV)と、1つ以上の第2のオプションTLVとを備え、前記第1のオプションTLVは、タイプフィールドと、長さフィールドと、到達可能性(R)フラグを備える第2のフラグフィールドとを備える、請求項14に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項17】
前記Rフラグは、バックアップ・イングレス・ノード候補からの前記P2MP LSPのイングレス・ノードの1つ以上の次ホップを用いる到達可能性問題を指示するためにセットされ、前記ノー・パス・オブジェクトは、前記バックアップ・イングレス・ノード候補から到達できない前記P2MP LSPの前記イングレス・ノードの前記次ホップのIPアドレスをリストにする複数の到達不能なインターネット・プロトコル(IP)バージョン4(IPv4)またはIPバージョン6(IPv6)次ホップTLVを備える、請求項16に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項18】
パス計算要素(PCE)とパス計算クライアント(PCC)との間のセッション確立中に前記PCEと前記PCCとの間で能力情報を交換することを備え、
前記能力情報は、ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することに関連している、方法。
【請求項19】
前記能力情報は、PCEディスカバリ(PCED)TLV内のPCE能力サブ・タイプ・長さ・値(TLV)の中で前記PCEによって送信され、前記PCE能力サブTLVは、タイプフィールドと、長さフィールドと、第1のフラグおよび第2のフラグを備える値フィールドとを備え、前記第1のフラグは、前記PCEがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する能力をもつ旨を指示するためにセットされ、前記第2のフラグは、前記PCEがポイント・ツー・ポイント(P2P)LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する能力をもつ旨を指示するためにセットされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記能力情報は、前記能力情報を発見するためにオープン・オブジェクト・メッセージ内のPCE能力TLVの中で前記PCCによって送信され、前記PCE能力TLVは、タイプフィールドと、長さフィールドと、前記P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する能力を指示する値フィールドとを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項1】
パス計算クライアント(PCC)と通信し、前記PCCと関連付けられたネットワーク内でのポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算するために構成されているパス計算要素(PCE)を備え、
前記バックアップ・イングレス・ノードは、バックアップ・ツリーを介して、前記P2MP LSPのイングレス・ノードと、前記P2MP LSPの前記イングレス・ノードの複数の次ホップ・ノードとに連結されている、装置。
【請求項2】
前記バックアップ・イングレス・ノードおよび前記イングレス・ノードは、両方共に外部ノードに連結され、前記バックアップ・ノードは、前記イングレス・ノードが故障したとき、前記P2MP LSP内でのデータ配信を確実にするために構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記PCEは、バックアップ・イングレス・ノード候補のリストを取得するために前記外部ノードのネットワークと関連付けられた第2のPCEと通信するためにさらに構成され、個々の前記バックアップ・イングレス・ノード候補は、前記外部ノードから前記バックアップ・ノード候補までの1つ以上の制約を満たす、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
バックアップ・イングレス・ノード候補は、前記P2MP LSPの前記イングレス・ノードと同じネットワーク内のノードである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記制約は、前記外部ノードからバックアップ・イングレス・ノード候補までのパス上のホップ限界と、帯域幅と、距離的制約とを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記PCEは、前記第2のPCEから前記バックアップ・イングレス・ノード候補の前記リストを受信し、制約の組を満たす前記リストからバックアップ・イングレス・ノードを選択するために構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記制約は、前記P2MP LSPの前記バックアップ・イングレス・ノードから前記イングレス・ノードの次ホップ・ノードまでのサブ・ツリー上の排他的な制約と、ホップ限界と、帯域幅および距離制約とを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記制約は、前記P2MP LSPの前記バックアップ・イングレス・ノードと前記イングレス・ノードとの間のパス上のホップ限界制約を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記PCEは、前記P2MP LSPの前記バックアップ・イングレス・ノードと、前記バックアップ・イングレス・ノードから前記イングレス・ノードの前記次ホップ・ノードまでのサブ・ツリー・パスとを前記PCCに送信するために構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記イングレス・ノードは、前記バックアップ・イングレス・ノードと、前記PCCからの前記サブ・ツリー・パスとを受信し、前記バックアップ・イングレス・ノードと通信するために構成され、前記バックアップ・イングレス・ノードは、前記バックアップ・イングレス・ノードから前記次ホップ・ノードに達し、前記イングレス・ノードの前記次ホップ・ノードで前記P2MP LSPに併合するバックアップP2MPサブ・ツリーを確立する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のバックアップ・イングレス・ノードを計算する要求メッセージを受信するために構成されているレシーバと、
前記ネットワークのトポロジーと前記要求メッセージ内の制約の組とに基づいて、前記P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することを試みるために構成されている回路ロジックと、
前記バックアップ・イングレス・ノードが無事に計算された場合、前記計算されたバックアップ・イングレス・ノードを備える返答メッセージを送信するために構成されているトランスミッタと、
を備えるネットワークコンポーネント。
【請求項12】
前記要求メッセージ、前記返答メッセージ、または、両方共に、予約フィールドと、複数のフラグと、要求識別(ID)番号と、1つ以上のオプション・タイプ・長さ・値(TLV)とを備える(RP)オブジェクトを備え、前記フラグは、バックアップ・イングレス・ビット(I)フラグと、フラグメンテーション・ビット(F)フラグと、P2MPビット(N)フラグと、明示的ルート・オブジェクト(ERO)圧縮ビット(E)フラグと、ストリクト/ルーズ・ビット(O)フラグと、双方向ビット(B)フラグと、再最適化(R)フラグと、複数の優先度ビット(P)フラグとを備える、請求項11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項13】
前記制約は、帯域幅制限と、トラフィックを前記P2MP LSPのイングレス・ノードに送信する外部ノードに関する情報とを備える、請求項11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項14】
前記バックアップ・イングレス・ノードを計算する試みが失敗した場合、前記バックアップ・イングレス・ノードを計算できなかった理由を指示するために返答メッセージが送信される、請求項11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項15】
前記返答メッセージは、前記バックアップ・イングレス・ノード計算に関連するエラーを指示するPCEプロトコル(PCEP)エラーオブジェクトを備え、前記PCEPエラーオブジェクトは、フラグフィールドと、エラータイプ・フィールドと、エラー値フィールドと、1つ以上のオプション・タイプ・長さ・値(TLV)とを備える、請求項14に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項16】
前記返送メッセージは、前記バックアップ・イングレス・ノードを計算できなかった理由を指示するノー・パス・オブジェクトを備え、前記ノー・パス・オブジェクトは、問題の性質フィールドと、能力(C)フラグを備えるフラグフィールドと、第1のオプション・タイプ・長さ・値(TLV)と、1つ以上の第2のオプションTLVとを備え、前記第1のオプションTLVは、タイプフィールドと、長さフィールドと、到達可能性(R)フラグを備える第2のフラグフィールドとを備える、請求項14に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項17】
前記Rフラグは、バックアップ・イングレス・ノード候補からの前記P2MP LSPのイングレス・ノードの1つ以上の次ホップを用いる到達可能性問題を指示するためにセットされ、前記ノー・パス・オブジェクトは、前記バックアップ・イングレス・ノード候補から到達できない前記P2MP LSPの前記イングレス・ノードの前記次ホップのIPアドレスをリストにする複数の到達不能なインターネット・プロトコル(IP)バージョン4(IPv4)またはIPバージョン6(IPv6)次ホップTLVを備える、請求項16に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項18】
パス計算要素(PCE)とパス計算クライアント(PCC)との間のセッション確立中に前記PCEと前記PCCとの間で能力情報を交換することを備え、
前記能力情報は、ネットワーク内のポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ラベル・スイッチ・パス(LSP)のためのバックアップ・イングレス・ノードを計算することに関連している、方法。
【請求項19】
前記能力情報は、PCEディスカバリ(PCED)TLV内のPCE能力サブ・タイプ・長さ・値(TLV)の中で前記PCEによって送信され、前記PCE能力サブTLVは、タイプフィールドと、長さフィールドと、第1のフラグおよび第2のフラグを備える値フィールドとを備え、前記第1のフラグは、前記PCEがP2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する能力をもつ旨を指示するためにセットされ、前記第2のフラグは、前記PCEがポイント・ツー・ポイント(P2P)LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する能力をもつ旨を指示するためにセットされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記能力情報は、前記能力情報を発見するためにオープン・オブジェクト・メッセージ内のPCE能力TLVの中で前記PCCによって送信され、前記PCE能力TLVは、タイプフィールドと、長さフィールドと、前記P2MP LSPのためのバックアップ・イングレス・ノードを計算する能力を指示する値フィールドとを備える、請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−520889(P2013−520889A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554211(P2012−554211)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/CN2011/071358
【国際公開番号】WO2011/103817
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509105455)ファーウェイ テクノロジーズ カンパニー リミテッド (16)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/CN2011/071358
【国際公開番号】WO2011/103817
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509105455)ファーウェイ テクノロジーズ カンパニー リミテッド (16)
【Fターム(参考)】
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