説明

ポリアリーレート組成物

本発明は透明なポリマーブレンドを含有するポリマー組成物に関する。ポリマーブレンドは第一の樹脂及び第二の樹脂を含有する。第一の樹脂は式I(式中、Rは各々独立にC−C12アルキル基又はハロゲン原子を示し、pは0〜3である)のポリアリーレート構造単位を含む。第二の樹脂はポリカーボネート、ポリアリーレート及びコポリエステルカーボネートからなる群から選択される。第一の樹脂及び第二の樹脂はポリアリーレート構造単位含量の差で区別される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明なポリマーブレンドを含有するポリマー組成物、その製造方法、及びそれから作製した物品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート及びポリエステル、特にポリ(アルキレンジカルボキシレート)(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)及びポリ(ブチレンテレフタレート))及びこれらのブレンドは、その物性が優れているなどの理由で、広範に使用されている材料群である。しかし、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(アルキレンジカルボキシレート)及びこれらのブレンドにとって、長期色安定性は長年の課題となっている。色不安定性は、このようなポリマーからなる成形物品の黄変や、透明性及び美観の劣化として現れる。光沢の低下も望ましくない長期現象の一つである。さらに、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(アルキレンジカルボキシレート)及びこれらのブレンドは、自動車ボディパネルのような特定の用途に用いる目的で選択した場合、最低でも約80℃までの耐熱性と適切な射出成形性を保ちつつ、衝撃試験で良好な靱性を示すことが必要である。
【0003】
ポリカーボネート及びポリエステルの黄変はほとんど紫外線(UV)の作用によるもので、そのため黄変はしばしば「光黄変」と称される。ポリカーボネート含有材料における光黄変を抑制するのに多数の手段が採用されている。光黄変を抑制するもっとも普通の方法は、紫外線吸収性化合物(UVA)の添加である。大抵の場合、UVAは低分子量の化合物であり、その使用量は、ポリマーの衝撃強さや熱変形温度などの物性の劣化を避けるために、代表的には1重量%未満のような比較的低いレベルとしなければならない。光黄変を抑制する別の方法では、ポリカーボネート及び/又はポリエステルに他のポリマーをブレンドして、紫外線による劣化に対する抵抗性を改良し、光沢の低下を防止する。材料の光劣化及び光沢低下に対する抵抗性は、総合して「耐候性」と称される。「耐候性」ブレンドの例には、ポリカーボネートとコポリエステルのブレンドがあり、ここで、コポリエステルは、「レゾルシノールイソ/テレフタレート」構造単位(下記の構造I参照)を有し、所望に応じて、同構造単位を、例えば米国特許第6143839号に記載されているような、脂肪族もしくは脂環式ジヒドロキシ化合物もしくはジカルボン酸から誘導された「ソフトブロック」エステル単位と組み合わせて、含有する。残念ながら、このような耐候性ブレンドは多くの場合不混和性である。したがって、その使用はしばしば、透明性が必要でない場合に限定される。有機ポリマーに共通な別の問題は、有機液体による攻撃に弱いことで、このようなポリマーを適用しようとする用途を縛る制約となっている。
【特許文献1】米国特許出願公開第2001/006626号明細書
【特許文献2】米国特許第6143839号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0261869号明細書
【特許文献4】特開昭63−183952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した問題や制約があるため、広範な種類の耐候性及び耐候性改良用組成物を製造するのが有利である。したがって、光劣化に対する抵抗性と優れた耐薬品性の両方を示す成形物品又はフィルムを製造するのに使用できる新規なポリマー組成物を開発することが求められている。具体的には、ポリカーボネートと同様の靱性と成形性を有し、同時にある種の薬品による劣化に対する良好な抵抗性と優れた耐候性とをもつ組成物を得ることができれば望ましい。さらに、このような組成物がその望ましい透明性と表面光沢特性とを長期間にわたって維持できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は第1の態様では、透明なポリマーブレンドを含有するポリマー組成物を提供する。透明なポリマーブレンドは、第一の樹脂及び第二の樹脂を含有する。第一の樹脂は次の式Iのポリアリーレート構造単位を含有する。
【0006】
【化1】

式中、Rは各々独立にC−C12アルキル基又はハロゲン原子を示し、pは0〜3である。第二の樹脂はポリカーボネート、ポリアリーレート及びコポリエステルカーボネートからなる群から選択される。第二の樹脂は、所望に応じて、ポリアリーレート構造単位Iを含有してもよい。樹脂1及び所望に応じて樹脂2のポリアリーレート構造単位は、第一の樹脂の全繰返し単位のモル%と第二の樹脂の全繰返し単位のモル%に対応する量で存在する。第一の樹脂及び第二の樹脂はポリアリーレート構造単位含量の差で区別される。ポリアリーレート構造単位含量の差は、第一の樹脂中のポリアリーレート構造単位のモル%から第二の樹脂中のポリアリーレート構造単位のモル%を引くことで求められる。本発明の組成物では、ポリアリーレート構造単位含量の差が約40モル%未満である。透明なポリマーブレンドは追加の樹脂成分を含有してもよい。追加の樹脂成分が存在する場合、ポリアリーレート構造単位含量の差が約40モル%未満であるという条件は、ポリアリーレート構造単位含量の差が最小であるポリマーブレンド中の2つの樹脂(「樹脂1」及び「樹脂2」と表記)に適用される。
【0007】
本発明は、別の態様では、ポリアリーレート構造単位Iを含有する第一の樹脂及び所望に応じてポリアリーレート構造単位を含有してもよい第二の樹脂からなり、第一の樹脂及び第二の樹脂のポリアリーレート構造単位含量の差が約40モル%未満である、新規なポリマーブレンドを製造する方法を提供する。
【0008】
さらに他の態様では、本発明は上記新規なポリマーブレンドを含有する耐候性物品を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を簡単に理解できるように、以下に本発明の好適な実施形態及び本発明の範囲に含まれる実施例について詳細に説明する。以下の明細書及び特許請求の範囲で、多数の用語に言及するが、これらの用語は以下の意味をもつと定義される。
【0010】
単数表現は、文脈上明らかにそうでない場合以外は、複数も含む。
【0011】
「任意の」又は「所望に応じて」は、後述する事象や状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、関連する説明は事象が起こった場合と事象が起こらなかった場合両方を包含する。
【0012】
ここで用いる用語「ポリアリーレート」は、ポリアリーレート構造単位、例えば構造式Iのポリアリーレート構造単位を有するポリマーを包含する。したがってこの用語は、芳香族二酸又は芳香族二酸誘導体から誘導された構造単位を有するコポリエステルカーボネートを包含する。
【0013】
本発明の種々の実施形態で用いる用語「アルキル」は、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、アラルキル、シクロアルキル及びビシクロアルキル基を表示するものである。種々の実施形態において、直鎖状及び分岐状アルキル基は、炭素原子数1〜約12のもので、具体例を挙げると、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルがあるが、これらに限らない。種々の実施形態において、シクロアルキル基は環炭素原子数3〜約12のものである。このようなシクロアルキル基の具体例には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル及びシクロヘプチルがあるが、これらに限らない。種々の実施形態において、アラルキル基は炭素原子数約7〜約14のものであり、その例には、ベンジル、フェニルブチル、フェニルプロピル及びフェニルエチルがあるが、これらに限らない。本発明の種々の実施形態で用いるアリール基は、環炭素原子数6〜約18のものである。これらのアリール基の具体例には、フェニル、ビフェニル及びナフチルがあるが、これらに限らない。
【0014】
ここで用いる用語「芳香族基」は、1以上の芳香環を有する原子価1以上の基である。芳香族基の例には、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン及びビフェニルがある。この用語は、芳香族及び脂肪族成分両方を含有する基、例えばベンジル基、フェネチル基又はナフチルメチル基を包含する。またこの用語は、芳香族及び脂環式基両方を含有する基、例えば4−シクロプロピルフェニル及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルも包含する。
【0015】
ここで用いる用語「脂肪族基」は、環状でない原子の直鎖状もしくは分岐状配列からなる、原子価1以上の基である。脂肪族基を構成する原子の配列は、窒素、硫黄及び酸素などのヘテロ原子を含んでも、或いは炭素及び水素のみから構成されてもよい。脂肪族基の例には、メチル、メチレン、エチル、エチレン、ヘキシル、ヘキサメチレンなどがある。
【0016】
ここで用いる用語「脂環式基」は、環状であるが、芳香族ではない、原子の配列を含む、原子価1以上の基である。この基はさらに芳香環を含有しない。脂環式基を構成する原子の配列は、窒素、硫黄及び酸素などのヘテロ原子を含んでも、或いは炭素と水素のみから構成されてもよい。脂環式基の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−シクロヘキシルエチル−1−イル、テトラヒドロフラニルなどがある。
【0017】
種々の実施形態において、本発明のポリマー組成物は、熱安定性である透明な非ゴースト性材料である。ポリマー組成物は、本発明の文脈では、ASTM D1003により測定した透過率が25%以上であるとき、透明である。ポリマーブレンドは、本発明の文脈では、ASTM D1003により測定した透過率が60%以上であるとき、透明である。本発明の文脈では「非ゴースト性」は、組成物から製造したフィルム又は部品が「ゴースト」を示さない、即ちフィルムをすかし見たとき、フィルムが人の目に見えるヘイズ(曇り)をもたないことを意味する。本発明のポリマー組成物は、代表的には、第一の樹脂及び第二の樹脂からなる2成分ブレンドを含有し、ここで2成分ブレンドは、本発明のポリマー組成物に関して上で定義した通りに「透明」である。代表的には、2成分ポリマーブレンドから製造した部品又はフィルムは、それを様々な観察角度ですかし見たとき、人の目に透明に見える。
【0018】
本発明の文脈において、熱安定性は、ポリマーを加熱してポリマー溶融物としたときの、分子量崩壊に対するポリマーの抵抗性を指す。つまり、熱安定性に乏しいポリマーは、「加熱条件」、例えば押出、成形、熱成形、熱間プレスなどの加工時の条件下で顕著な分子量崩壊を示す。分子量崩壊は、着色及び/又は他の特性の低下、例えば耐候性、光沢、機械的特性及び/又は熱的特性の低下としても現れる。分子量崩壊は、ポリマーブレンドの溶融粘度が変化するので、加工条件に顕著な変動をもたらす原因ともなりうる。
【0019】
前述したように、本発明は式Iの構造単位を有する第一の樹脂及び第二の樹脂を含有するポリマーブレンドを含有するポリマー組成物に関する。第二の樹脂は、ポリカーボネート、ポリアリーレート及びコポリエステルカーボネートからなる群から選択され、第二の樹脂は所望に応じて式Iのポリアリーレート構造単位を含有してもよい。
【0020】
第一の樹脂及び所望に応じて第二の樹脂の「ポリアリーレート構造単位」は、樹脂中に存在する全繰返し単位のモル%に対応する量で存在する。
【0021】
本発明の特徴は、第一の樹脂中のポリアリーレート構造単位のモル%マイナス第二の樹脂中のポリアリーレート構造単位のモル%として表される、「ポリアリーレート構造単位含量の差」が約40モル%未満であるとき、ポリマーブレンドが驚くべき格別な物性を示すことにある。なお、「ポリアリーレート構造単位含量の差」の計算値が負の値である場合、ポリアリーレート構造単位含量の差の絶対値が約40%未満でなければならない。ポリマーブレンドは追加の樹脂成分を含有してもよい。追加の樹脂成分が存在する場合、約40モル%未満であるポリアリーレート構造単位含量の差は、ポリマーブレンド中のもっとも類似した2つの樹脂に適用される。本発明の好適な実施形態では、ポリマーブレンドは、ポリアリーレート構造単位含量の差が約30モル%未満、特に約20モル%未満であることで特徴付けられる。
【0022】
一実施形態では、本発明は透明なポリマーブレンドを含有するポリマー組成物を提供し、ここで第一の樹脂は1以上のカーボネートブロックと1以上のポリエステルブロックとから誘導されたポリアリーレート構造単位を含有し、連鎖成員が1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導される。特定の実施形態では、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分は、下記式IIの構造部分で示される1,3−ジヒドロキシベンゼン部分から誘導される。この構造部分を、本明細書では通常レゾルシノール又はレゾルシノール部分と表記する。
【0023】
【化2】

式II中のRは各々独立にC−C12アルキル基又はハロゲン原子を示し、pは0〜3である。本発明の文脈で使用するレゾルシノール又はレゾルシノール部分は、特に明記されていない限り、非置換1,3−ジヒドロキシベンゼン及び置換1,3−ジヒドロキシベンゼンの両方を包含すると理解すべきである。
【0024】
適当なジカルボン酸残部には、イソフタル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸とテレフタル酸の混合物などの単環芳香族二酸部分から、或いは多環芳香族二酸部分から誘導された芳香族ジカルボン酸残部がある。種々の実施形態で、芳香族ジカルボン酸残部は、代表的には下記式IIIの構造部分で示されるように、イソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導される。芳香族ジカルボン酸残部はそれらに対応する酸、酸ハライド及びエステルから誘導することができる。
【0025】
【化3】

便宜上、レゾルシノール部分II及びイソ及びテレフタレート部分IIIを含有するポリアリーレートを「ITRポリマー」又は単にITRと表記する。したがって、特定の一実施形態では、本発明は、第一の樹脂がITRであり、該ITRが式I(R及びpは前記定義の通り)の「ポリアリーレート構造単位」を含有する、ポリマーブレンドを含有するポリマー組成物を提供する。
【0026】
別の実施形態では、第一の樹脂がさらに次の式IVの構造単位を含有する。
【0027】
【化4】

式中、Rは各々独立にC−C12アルキル基又はハロゲン原子を示し、pは0〜3であり、Rは単結合、二価C−C50脂肪族基、C−C50脂環式基又はC−C40芳香族基である。
【0028】
特定の一実施形態では、本発明のポリマー組成物は、第一の樹脂が次の式Vのポリアリーレート構造単位を有し、第二の樹脂がポリカーボネート、ポリアリーレート及びコポリエステルカーボネートからなる群から選択され、第二の樹脂が所望に応じてポリアリーレート構造単位Iを含有してもよい、ポリマーブレンドを含有する。
【0029】
【化5】

式中、qは2〜400である。他の実施形態の場合と同様、第一の樹脂及び第二の樹脂の「ポリアリーレート構造単位」は、樹脂各々の全繰返し単位のモル%に対応する量で存在する。第一の樹脂及び第二の樹脂は「ポリアリーレート構造単位含量の差」で区別され、その差が約40モル%未満である。前述したように、「ポリアリーレート構造単位含量の差」は、第一の樹脂中に存在するポリアリーレート構造単位のモル%マイナス第二の樹脂中に存在するポリアリーレート構造単位のモル%として表わすことができる。
【0030】
本発明のポリマーブレンド中に存在する「第一の樹脂」は、代表的には、「ITRブロック」及びポリカーボネートブロックを含有するコポリエステルカーボネートである。このようなコポリエステルカーボネートは、「ポリエステルブロック」を有すると表記することもある。用語「ポリエステルブロック」は、用語「ポリアリーレートブロック」と互換できるものとして用いられる。用語「ITRブロック」は構造単位Iを含有するポリアリーレートブロックを指す。コポリエステルカーボネートは、代表的には、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体(例えばヒドロキシ末端ITR中間体)をジヒドロキシ置換芳香族化合物(例えばBPAなどのビスフェノール)及びホスゲンと界面条件下で反応することにより製造する。ヒドロキシ末端ポリエステル中間体は、ここに先行技術として援用する係属中の米国特許出願10/639998(2003年8月12日出願)に開示された方法により製造できる。
【0031】
ヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造するには、レゾルシノールのようなジヒドロキシ芳香族化合物を1種以上の芳香族二酸クロリド(例えばイソフタロイルジクロリド、テレフタロイルジクロリド)と、水及び水と実質的に不混和性の有機溶剤1種以上を含有する反応混合物中で(即ち、界面条件下で)反応させるのが好都合である。ヒドロキシ末端ポリエステルの分子量の制御は、使用するジヒドロキシ置換芳香族化合物対二酸クロリドのモル比を上げることにより、また反応混合物中に存在する水の量を減らすことにより、達成できる。したがって、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の分子量を確実に制御するのに、末端封止剤を用いても用いなくてもよい。第1及び第二の樹脂の少なくとも一方がポリアリーレートブロックを含有するコポリエステルカーボネートであるときには、本発明のブレンドの透明及び非ゴースト性挙動が、第1及び第二の樹脂中に存在するポリアリーレートブロックの「サイズ」又は「長さ」に関係していることが確認されたので、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の分子量の制御は、場合によっては、重要である。ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の分子量がある分子量閾値を超えると、そのヒドロキシ末端ポリエステル中間体から誘導されたコポリエステルカーボネートのポリカーボネート及びポリアリーレートブロックが、このようなコポリエステルカーボネートからなるフィルムや成形品にヘイズ及び/又はゴーストが観察される程度に、相分離する傾向がある。曇りや陰影の発現は、コポリエステルカーボネートのポリカーボネート及びポリアリーレートブロックの相対量にも関係している。
【0032】
本発明のブレンドに使用することのできるコポリエステルカーボネートの製造に用いるヒドロキシ末端ポリエステル中間体の製造中に無水物結合の形成を制御することも特に望ましい。ヒドロキシ末端ITRのようなヒドロキシ末端ポリアリーレートでは、無水物結合は2つのイソフタレート又はテレフタレート部分又はこれらの混合物の化合を通して生起すると考えられる。無水物結合はポリアリーレート連鎖中の弱いリンクを代表し、無水物結合は特に熱加工条件下で開裂を受けやすく、これにより酸末端基で末端した短い鎖を生成する、と考えられる。一方、これらの酸末端基は、ポリマー主鎖に沿った酸感応性基(エステル、カーボネート)の加水分解を加速し、追加のカルボキシル及びヒドロキシル末端基を発生し、さらに分子量崩壊と他の望ましい特性の低下に寄与することがある。
【0033】
コポリエステルカーボネートを含有する組成物(例えばポリマーブレンド及び単一ポリマー)における透明性の低下は、組成物中のポリアリーレート・リッチ相及びポリカーボネート・リッチ相の別個のドメインが形成する結果であると考えられる。透明性の低下は、これらのドメインが可視光を散乱するのに十分なサイズになったときに生じる。(レイリー散乱効果)したがって、本発明のブレンド又はこのようなブレンドを含有するポリマー組成物の透明性を維持するためには、ポリアリーレートブロックにより構成されるコポリエステルカーボネートのモル%並びにポリアリーレートブロックの長さ又は「分子量」を注意深く制御しなければならない。代表的には、本発明の透明なブレンドにおいて、第一の樹脂は式Iの構造単位を含有するコポリエステルカーボネートであり、そのコポリエステルカーボネートは、1種以上のポリカーボネート分子量標準を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した式量約500〜約15000g/モル、好ましくは約500〜約5000g/モルに対応するポリアリーレートブロック長で特徴付けられる。
【0034】
代表的には、前記定義の通りの「ポリアリーレート構造単位」を含有する第一の樹脂は、レゾルシノール部分を反応混合物に供給水溶液として又は少なくとも一部のレゾルシノール部分が未溶解の水との供給混合物として添加することにより得ることができる。別の実施形態では、第一の樹脂形成の1工程として、レゾルシノール部分のようなジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分を反応容器に溶融状態で添加してもよい。水溶液をpH約5以下に維持することにより混合物の変色を抑制する。色は、視覚観察によるか、当業界で知られた分光分析などの他の方法により判定することができる。実施形態によっては、1種以上の無機酸又は1種以上の有機酸又は1種以上の無機酸と1種以上の有機酸の組合せを用いて、pH約5以下を達成することができる。
【0035】
種々の実施形態において、無機酸には、塩酸、リン酸、亜リン酸、硫酸及びこれらの混合物がある。種々の実施形態において、有機酸には、有機スルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルホン酸−官能化イオン交換樹脂、有機カルボン酸、乳酸、リンゴ酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、チオグリコール酸、酒石酸、酢酸、ハロゲン化酢酸、例えばモノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸及びこれらの混合物がある。実施形態によっては、鉄錯形成能をもち、他の酸に比較して腐食性がないので、グルコン酸が特に有益である。種々の実施形態において、酸の存在量は約0.1〜約100000ppmの範囲にある。
【0036】
第一の樹脂は、反応混合物に1種以上の触媒を組み合わせることにより得ることができる。触媒は、二酸基の全モル量に基づいて約0.1〜約10モル%の範囲の合計レベルで存在させればよい。適当な触媒には、三級アミン、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、グアニジニウム塩及びこれらの混合物がある。適当な三級アミンには、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びこれらの混合物がある。想定できる他の三級アミンには、N−C−Cアルキル−ピロリジン、例えばN−エチルピロリジン、N−C−C−ピペリジン、例えばN−エチルピペリジン、N−メチルピペリジン及びN−イソプロピルピペリジン、N−C−C−モルホリン、例えばN−エチルモルホリン及びN−イソプロピルモルホリン、N−C−C−ジヒドロインドール、N−C−C−ジヒドロイソインドール、N−C−C−テトラヒドロキノリン、N−C−C−テトラヒドロイソキノリン、N−C−C−ベンゾモルホリン、1−アザビシクロ−[3.3.0]−オクタン、クイヌクリジン、N−C−Cアルキル−2−アザビシクロ−[2.2.1]−オクタン、N−C−Cアルキル−2−アザビシクロ−[3.3.1]−ノナン、及びN−C−Cアルキル−3−アザビシクロ−[3.3.1]−ノナン、N,N,N’,N’−テトラアルキルアルキレンジアミン、例えばN,N,N’,N’−テトラエチル−1,6−ヘキサンジアミンがある。適当な四級アンモニウム塩及び四級ホスホニウム塩には、四級アンモニウムハライド及び四級ホスホニウムハライドがあり、その具体例を挙げると、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、オクチルトリエチルアンモニウムブロミド、デシルトリエチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリエチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリエチルアンモニウムブロミド、N−ラウリルピリジニウムクロリド、N−ラウリルピリジニウムブロミド、N−ヘプチルピリジニウムブロミド、トリカプリリルメチルアンモニウムクロリド(ALIQUAT336とも言う)、メチルトリ−C−C10アルキル−アンモニウムクロリド(ADOGEN464とも言う)、米国特許第5821322号に開示されたようなN,N,N’,N’,N’−ペンタアルキル−α,ω−アミンアンモニウム塩;テトラブチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、トリフェニルメチルホスホニウムブロミド、トリオクチルエチルホスホニウムブロミド、セチルトリエチルホスホニウムブロミドがあるが、これらに限らない。適当なグアニジニウム塩には、ヘキサアルキルグアニジニウム塩及びα,ω−ビス(ペンタアルキルグアニジニウム)アルカン塩があり、具体的にはヘキサアルキルグアニジニウムハライド、α,ω−ビス(ペンタアルキルグアニジニウム)アルカンハライド、ヘキサエチルグアニジニウムハライド及びヘキサエチルグアニジニウムクロリドがあるが、これらに限らない。
【0037】
ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の合成に用いるのに適当な水と実質的に不混和性の有機溶剤には、一実施形態では、反応条件下で水への溶解度が約5重量%未満である溶剤、別の実施形態では、反応条件下で水への溶解度が約2重量%未満である溶剤がある。適当な有機溶剤には、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロトルエン類及びこれらの混合物があるが、これらに限らない。特定の実施形態では、水不混和性溶剤は、ジクロロメタンのような塩素化脂肪族化合物である。
【0038】
本発明のポリマー組成物及びブレンド中に存在する樹脂を製造するのに用いることができる適当な酸クロリドには、ジカルボン酸ジクロリドがあり、具体的には単環部分を有する芳香族ジカルボン酸ジクロリド、例えばイソフタロイルジクロリド、テレフタロイルジクロリド、又はイソフタロイルジクロリドとテレフタロイルジクロリドの混合物、又は多環部分を有する芳香族ジカルボン酸ジクロリド、例えばジフェニルジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルスルホンジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルケトンジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルスルフィドジカルボン酸ジクロリド、及びナフタレンジカルボン酸ジクロリド、例えばナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、又は単環部分を有する芳香族ジカルボン酸ジクロリドの混合物、又は多環部分を有する芳香族ジカルボン酸ジクロリドの混合物、又は単環部分及び多環部分両方を有する芳香族ジカルボン酸ジクロリドの混合物がある。ある実施形態では、ジカルボン酸ジクロリドは、イソフタロイルジクロリド及び/又はテレフタロイルジクロリドを含有する混合物であり、そのイソフタロイル対テレフタロイルのモル比がある実施形態では約0.25〜4.0:1の範囲にある。
【0039】
本発明で想定されている樹脂の製造に、1種以上の連鎖停止剤(以下、「封止剤」もしくは「末端封止剤」と言うこともあり、これらの用語は互換できる)を用いてもよい。1種以上の連鎖停止剤を添加する一つの目的は、ポリマーの分子量をさらに限定し、こうして分子量の制御されたポリマーを得ることである。適当な連鎖停止剤には、モノフェノール化合物、モノカルボン酸クロリド、モノクロロホルメート及びこれらの組合せがある。反応中のどこかの時点で添加する連鎖停止剤の量は、ポリマー鎖末端基のすべて又は少なくとも一部を封止するような量とすることができる。使用する場合、代表的には、1種以上の連鎖停止剤は、モノフェノール化合物の場合ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分に基づいて、モノカルボン酸クロリド及び/又はモノクロロホルメートの場合酸ジクロリドに基づいて、0.05〜10モル%の量で存在すればよい。
【0040】
適当なモノフェノール化合物には、単環式フェノール化合物、例えば非置換フェノール、C−C22アルキル置換フェノール化合物、p−クミルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、ヒドロキシジフェニル;ジフェノール化合物のモノエーテル、例えばp−メトキシフェノールがある。アルキル置換フェノール化合物には、炭素原子数8〜9の分岐鎖アルキル置換基を有するフェノール化合物、実施形態によっては米国特許第4334053号に記載されているような水素原子の約47〜89%がメチル基の一部である、フェノール化合物がある。実施形態によっては、モノフェノール系UV遮蔽剤を封止剤として使用する。このような化合物には、4−置換−2−ヒドロキシベンゾフェノン及びその誘導体、アリールサリチレート、ジフェノール化合物のモノエステル、例えばレゾルシノールモノベンゾエート、2−(2−ヒドロキシアリール)−ベンゾトリアゾール及びその誘導体、2−(2−ヒドロキシアリール)−1,3,5−トリアジン及びその誘導体、及び類似の化合物がある。種々の実施形態において、モノフェノール系連鎖停止剤は、フェノール、p−クミルフェノール、又はレゾルシノールモノベンゾエートの少なくとも1つである。
【0041】
適当なモノカルボン酸クロリドには、単環モノカルボン酸クロリド、例えばベンゾイルクロリド、C−C22アルキル置換ベンゾイルクロリド、トルオイルクロリド、ハロゲン置換ベンゾイルクロリド、ブロモベンゾイルクロリド、シンナモイルクロリド、4−ナジイミドベンゾイルクロリド、及びこれらの混合物;多環モノカルボン酸クロリド、例えば無水トリメリト酸クロリド及びナフトイルクロリド;並びに単環及び多環モノカルボン酸クロリドの混合物がある。炭素原子数22以下の脂肪族モノカルボン酸のクロリドも適当である。脂肪族モノカルボン酸の官能化クロリド、例えばアクリロイルクロリド及びメタクリロイルクロリドも適当である。適当なモノクロロホルメート類には、単環モノクロロホルメート、例えばフェニルクロロホルメート、アルキル置換フェニルクロロホルメート、p−クミルフェニルクロロホルメート、トルエンクロロホルメート及びこれらの混合物がある。
【0042】
本発明の別の態様によれば、第二の樹脂はポリカーボネート、ポリアリーレート及びコポリエステルカーボネートからなる群から選択される。さらに、第二の樹脂は、所望に応じて、ポリアリーレート構造単位Iを含有してもよい。第二の樹脂は、代表的には、次式のビスフェノール1種以上から誘導された構造単位を含有する。
【0043】
HO−D−OH
ここでDは次の式VIの二価芳香族基である。
【0044】
【化6】

式中、Aは各々独立に芳香族基であり、Eは各々独立にアルキレン、アルキリデンもしくは脂環式基、硫黄含有連結基、リン含有連結基、酸素含有エーテル連結基、カルボニル基、三級窒素基又はケイ素含有連結基であり、Rは各々独立に一価炭化水素基であり、Yは各々独立に一価炭化水素基、ハロゲン(臭素、塩素)、ニトロ及び−OR(Rは一価炭化水素基である)からなる群から選択され、mは0からA上の置換可能な位置の数までの整数であり、nは0からE上の置換可能な位置の数までの整数であり、tは1以上の整数であり、sは0又は1であり、uは0を含む整数である。
【0045】
ある実施形態では、前記ビスフェノールHO−D−OHが、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、
1,3−ビス[4−ヒドロキシフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
1,4−ビス[4−ヒドロキシフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
1,3−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
1,4−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
4,4’−ビフェノール、
2,2’,6,8−テトラメチル−3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ビフェノール、
2,2’,6,6’−テトラメチル−3,3’,5−トリブロモ−4,4’−ビフェノール、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジシアノメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノ−1−フェニルメタン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロペノン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
4,4’−オキシジフェノール、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、
4,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、
2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、
2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4’−[1−メチル−4−(1−メチル−エチル)−1,3−シクロヘキサンジイル]ビスフェノール(即ち、1,3−BHPM)、
4−[1−[3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチル−エチル]−フェノール(即ち、2,8−BHPM)、
3,8−ジヒドロキシ−5a,10b−ジフェニルクマラノ−2’,3’,2,3−クマラン(DCBP)、
2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、
4,4’−ジヒドロキシ−1,1−ビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル−1,1−ビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジオクチル−1,1−ビフェニル、
4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、
4,4’−ビス(3,5−ジメチル)ジフェノール、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、
1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(BPS)、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,6−ジヒドロキシナフタレン、
ヒドロキノン、
レゾルシノール、
1−3アルキル置換レゾルシノール、
3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール、
4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル、
4,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4−チオジフェノール、
2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インデン]−6,6’−ジオール、
及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0046】
第二の樹脂として用いるのに適当なポリカーボネートは、次の式VIIの構造単位を含有するポリカーボネートを含む。
【0047】
【化7】

式中、RはC−C50脂肪族、C−C50脂環式又はC−C40芳香族基である。
【0048】
基は好ましくは芳香族有機基、特に好ましくは次の式VIIIの基である。
【0049】
【化8】

式中、A及びAは各々二価C−C10単環芳香族基、YはAとAとの間に介在する原子を1つ又は2つ有するC−C10脂肪族基又はAとAとの間に介在する原子を1つ又は2つ有するC−C10脂環式基である。ビスフェノールAポリカーボネートは、第二の樹脂として用いるのに特に適当であり、構造式VII及びVIIIの範囲に入る。構造式VII及びVIIIの範囲に入る他のポリカーボネートの例には、ビスフェノールZポリカーボネート、2,2’−ジメチルビスフェノールAポリカーボネート、ビスフェノールMポリカーボネート、及び構造式VII又はVIIIを組み込んだコポリカーボネートがある。
【0050】
多数の適当なポリカーボネートが市販されており、また他の多数のポリカーボネートを当業界で周知の方法、例えばホスゲンを用いる界面重合、ビスフェノールAビスクロロホルメートを用いるビスクロロホルメート重合法、及びビスフェノールA及びジアリールカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)を用いる溶融重合法により製造できる。
【0051】
第二の樹脂として用いるのに適当なコポリエステルカーボネートは、次の式IXの構造単位を含有するコポリエステルカーボネートを含む。
【0052】
【化9】

式中、AはC−C40脂肪族基である。式IXの構造単位は次の式Xの二酸及び二酸誘導体から誘導することができる。
【0053】
【化10】

式中、AはC−C40脂肪族基であり、Rは各々独立にヒドロキシル、ハロゲン、又はC−C12アリールオキシ基又はC−C12アルカリールオキシ基である。
【0054】
式Xに包含される適当な二酸及び二酸誘導体は、例えば二酸、二酸ハライド、ジエステル、酸エステルであり、その具体例には、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸、アジピン酸、スベリン酸、オレイン酸、アゼライン酸、エルカ酸、ブラシル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ビフェニル−3,4’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルジクロロメタン−4,4’−ジカルボン酸、これらに対応する二酸ハライド、ジエステル、酸エステル及びこれらの混合物がある。
【0055】
第二の樹脂として用いるのに適当なコポリエステルカーボネートは、本明細書で第一の樹脂として用いるのに適当として開示したコポリエステルカーボネート(即ち、構造Iを含むコポリカーボネート)、並びに脂肪族二酸又は脂肪族二酸の誘導体から誘導された構造単位を組み込んだコポリエステルカーボネートを含む。LEXAN SP、ビスフェノールA及びドデカン二酸から誘導された構造単位を組み込んだコポリカーボネート。LEXAN SPはGE Advanced Materials(米国マサチューセッツ州ピッツバーグ)から市販されている。第二の樹脂として用いるのに適当なポリエステルカーボネート及び本発明に用いるのに適当なコポリエステルカーボネートを製造するのに用いることのできる方法の例が、例えば米国特許第4238596号及び同第4238597号及び米国特許出願10/639998(2003年8月12日出願)に記載されている(すべて本発明の先行技術としてここに援用する)。
【0056】
別の実施形態では、第一の樹脂及び第二の樹脂の少なくとも片方がさらに次の式XIの構造単位を含有する。
【0057】
【化11】

式中、RはC−C1000脂肪族基又はC−C1000脂環式基であり、R及びRは各々独立に次の基である。
【0058】
【化12】

式XIに対応する構造単位は、当業者に「ソフトブロック」或いは「ソフトブロックセグメント」として知られている。ソフトブロックもしくはソフトブロックセグメントを含有するポリマーは、本出願人に譲渡された米国特許第5916997号(本発明の先行技術としてここに援用する)に開示されている。特定の実施形態では、式XIの構造単位は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラヒドロフランジオール、及びポリカプロラクトンジオールの1種以上から誘導される。
【0059】
当業者に明らかなように、第一の樹脂及び第二の樹脂は同じ樹脂でなくてよいが、組成が極めて類似していてよい。
【0060】
本発明のポリマー組成物は、第一の樹脂及び第二の樹脂からなる透明ブレンドに加えて、さらに1種以上の樹脂を含有してもよい。例えば、透明ブレンドを含有するポリマー組成物は、さらに、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート;オレフィンポリマー、例えばABS、ポリスチレン及びポリエチレン;ポリシロキサン、ポリシラン、ポリスルホン及びポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される1種以上の追加の樹脂を含有してもよい。特定の実施形態では、第3樹脂は、ポリマーブレンドの全重量に基づいて、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下、特に好ましくは約30重量%以下の量で存在することができる。
【0061】
本発明のポリマー組成物は、種々の添加剤を含有することでき、かかる添加剤は単独で用いても組み合わせて用いてもよい。このような添加剤には、熱安定剤、酸化防止剤、UV安定剤、可塑剤、視覚効果改良剤、増量剤、帯電防止剤、触媒クエンチャ、離型剤、難燃剤、発泡剤、耐衝撃性改良剤及び加工助剤のような材料がある。本発明のポリマー組成物に配合できる種々の添加剤は、代表的には、当業界でよく用いられ、また当業者によく知られている。
【0062】
視覚効果改良剤は、視覚効果添加剤もしくは顔料と言うこともあり、カプセル封入形態もしくは非カプセル封入形態で存在しても、又はポリマー樹脂からなる粒子に積層してもよい。視覚効果添加剤の例には、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、ニッケル硫化物、コバルト硫化物、マンガン硫化物、金属酸化物、白雲母、黒雲母、真珠雲母、合成雲母、二酸化チタンで被覆した雲母、金属被覆ガラスフレーク、そして着色剤、例えばPerylene Redなどがあるが、これらに限らない。視覚効果添加剤は、アスペクト比が高くても低くてもよく、1より多いファセット(結晶面)をもってもよい。染料、例えばSolvent Blue35、Solvent Blue36、Disperse Violet26、Solvent Green3、Anaplast Orange LFP、Perylene Red及びMorplas Red36を用いてもよい。蛍光染料、例えばPermanent Pink R(Color Index Pigment Red 181、Clariant社製)、Hostasol Red 5B(Color Index #73300、CAS#522−75−8、Clariant社製)、Macrolex Fluorescent Yellow 10GN(Color Index Solvent Yellow 160:1、Bayer社製)(これらに限らない)を用いることもできる。二酸化チタン、硫化亜鉛、カーボンブラック、クロム酸コバルト、チタン酸コバルト、硫化カドミウム、酸化鉄、スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、スルホケイ酸ナトリウム、クロムアンチモンチタンルチル、ニッケルアンチモンチタンルチル、及び酸化亜鉛などの顔料を用いてもよい。カプセル封入形態の視覚効果添加剤は通常、視覚効果材料、例えば高アスペクト比材料、具体的にはアルミニウムフレークをポリマーでカプセル封入してなる。カプセル封入視覚効果添加剤はビーズの形状である。
【0063】
本発明のポリマー組成物に使用できる酸化防止剤の例には、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ジ(2,4−ジクミルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチル−トリス[3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2’−ジイル]ホスファイト]、3,9−ジステアリルオキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ジラウリルホスファイト、3,9−ジ[2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビス(ジフェニレン)ホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、トリイソデシルホスファイト、及びこれらの1以上を含有するホスファイト混合物がある。トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、並びにこれらのホスファイトの1以上を含有するホスファイト混合物が特に好適である。
【0064】
熱可塑性組成物は所望に応じて耐衝撃性改良剤を含有してもよい。耐衝撃性改良剤は熱可塑性組成物に、組成物の全重量に基づいて約1重量%〜約30重量%に相当する量添加する。適当な耐衝撃性改良剤には、様々なゴム変性剤、例えばグラフト又はコア・シェルゴム又はこれらの変性剤の2種以上の組合せなどがある。耐衝撃性改良剤の具体例には、アクリルゴム、ASAゴム、ジエンゴム、オルガノシロキサンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ゴム、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ゴム、メタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)ゴム、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びグリシジルエステル耐衝撃性改良剤がある。
【0065】
用語「アクリルゴム変性剤」は、架橋もしくは部分架橋した(メタ)アクリレートゴムコア相、好ましくはブチルアクリレートを有する多段コア・シェルインターポリマー変性剤を指してもよい。この架橋アクリルエステルコアと関連する外側シェルは、アクリル又はスチレン樹脂、好ましくはメチルメタクリレート又はスチレンからなり、これがゴムコア相に相互侵入している。少量の他のモノマー、例えばアクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルを樹脂シェル中に導入することにより適当な耐衝撃性改良剤とする。予め重合し、架橋した(メタ)アクリレートゴム相の存在下で樹脂相を形成するモノマーを重合し、架橋すると、相互侵入網目構造が得られる。
【0066】
適当な耐衝撃性改良剤は、ポリアルキルアクリレート又はポリオレフィンにポリメチルメタクリレート(PMMA)又はスチレン−アクリロニトリル(SAN)をグラフトしてなる、Tgが0℃未満、好ましくは約−40℃〜−80℃である、ゴム成分を有するグラフト又はコア・シェル構造である。ゴム含量が好ましくは10重量%以上、より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは約40〜75重量%である。
【0067】
特に適当な耐衝撃性改良剤は、例えばRohm&Haas社からParaloid(登録商標)EXL2600にて市販されているタイプのブタジエンコア・シェルポリマーである。もっとも適当な耐衝撃性改良剤は、ブタジエン系ゴムコアと、メチルメタクリレート単独もしくはスチレンとの組合せから重合した第2段を有する2段ポリマーを含む。他の適当なゴムには、GE Specialty Chemicals社から入手できるABS型Blendex(登録商標)336及び415がある。両ゴムともSBRゴムの耐衝撃性改良剤樹脂に基づく。ゴムの数例を記載したが、ほかにも多数が市販されている。耐衝撃性改良剤が熱可塑性組成物の物性や美観に悪影響しないならば、耐衝撃性改良剤としてどのゴムを使用してもよい。
【0068】
使用できる加工助剤の例には、Doverlube(登録商標)FL−599(Dover Chemical社から市販)、Polyoxyter(登録商標)(Polychem Alloy社から市販)、Glycolube P(Lonza Chemical社から市販)、ペンタエリスリトールテトラステアレート、Metablen A−3000(三菱レーヨンから市販)、ネオペンチルグリコールジベンゾエートなどがあるが、これらに限らない。
【0069】
使用できるUV安定剤の例には、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール類、例えば5’−メチル−、3’,5’−ジ−tert−ブチル−、5’−tert−ブチル−、5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−、5−クロロ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−、5−クロロ−3’−tert−ブチル−5’−メチル−、3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−、3’−α−メチルベンジル−5’−メチル、3’−α−メチルベンジル−5’−メチル−5−クロロ−、4’−ヒドロキシ−、4’−メトキシ−、4’−オクトキシ−、3’,5’−ジ−tert−アミル−、3’−メチル−5’−カルボメトキシエチル−、5−クロロ−3’,5’−ジ−tert−アミル−誘導体;並びにTinuvin(登録商標)234(Ciba Specialty Chemicals社から市販)があるが、これらに限らない。ほかに適当なものとして、2,4−ビス(2’−ヒドロキシフェニル)−6−アルキル−s−トリアジン類、例えば6−エチル−、6−ヘプタデシル−又は6−ウンデシル−誘導体;2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−又は2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−誘導体があり;1,3−ビス(2’−ヒドロキシベンゾイル)−ベンゼン類、例えば1,3−ビス(2’−ヒドロキシ−4’−ヘキシルオキシ−ベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシ−ベンゾイル)ベンゼン、又は1,3−ビス(2’−ヒドロキシ−4’−ドデシルオキシ−ベンゾイル)ベンゼンも使用できる。所望に応じて置換されていてもよい安息香酸のエステル、例えばフェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシン、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)−レゾルシン、ベンゾイルレゾルシン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル又は−オクタデシルエステル又は−2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルエステルも同様に使用できる。アクリレート類、例えばα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸−エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−カルボメトキシ−桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−桂皮酸メチルエステル又は−ブチルエステル又はN−(β−カルボメトキシビニル)−2−メチル−インドリンも同様に使用できる。シュウ酸ジアミド類、例えば4,4’−ジオクチルオキシ−オキサアニリド、4,4’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブチル−オキサアニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブチル−オキサアニリド、2−エトキシ−2’−エチル−オキサアニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−オキサアニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキサアニリド及びこれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブチル−オキサアニリドとの混合物、又はo−及びp−メトキシ−並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサアニリドの混合物もUV安定剤として適当である。本発明の組成物に用いるUV吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、ニッケルビス(O−エチル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−チオビス(4−tert−ブチルフェノール)とのニッケルブチルアミン錯体、2−エトキシ−2’−エチルオキシアニリド、2−エトキシ−2’−エチル−5,5’−ジ−tert−ブチルオキシアニリド又はこれらの混合物が好適である。
【0070】
使用できる難燃剤の例には、ノナフルオロブチルスルホン酸カリウム、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム、及びレゾルシノール及びビスフェノールAなどの多価フェノールの亜リン酸エステルがあるが、これらに限らない。
【0071】
離型剤の例には、長鎖脂肪酸とペンタエリスリトールなどのアルコールとのエステル、ゲルベアルコール、長鎖ケトン類、シロキサン、α−オレフィンポリマー、長鎖アルカン類、及び炭素原子数15〜600の炭化水素があるが、これらに限らない。
【0072】
上述したように、コポリエステルカーボネートのブロック長を変える方法は当業界で多数知られている。本発明の文脈内で、驚くべきことには、第一の樹脂がポリアリーレートブロックを含有し、第二の樹脂がビスフェノールAポリカーボネートである場合、第一の樹脂のポリアリーレートブロックの分子量が第一の樹脂の第二の樹脂との混和性に影響することを見出した。本発明の一部として行った実験での知見を表1にまとめて示す。表1を参照すると、ブレンドがポリアリーレートブロックを比較的高い濃度(「ITRのモル%」)で含有する場合、ポリアリーレートブロック(ITRブロック)の分子量が小さいほど、ブレンドが高い透明性を示すことが分かる。したがって、第一の樹脂及び所望に応じて第二の樹脂中に存在するポリアリーレートブロックの分子量を適切に選択することにより、本発明のポリマーブレンド(及びそのブレンドを含有する組成物)の性能特性を最適化することができる。
【0073】
【表1】

本発明のポリマー組成物を製造するには、ブレンド成分(第1及び第二の樹脂)を任意の追加のポリマー組成物成分と配合、混合する、例えば、一軸もしくは二軸スクリュウ押出機で溶融混合するか、ブレンド及び組成物の成分を粉末として二本ロールミル、バンバリーミキサもしくは塗料シェーカーで混合すればよく、そして所望に応じてこうして形成した組成物を粒子形態に微細化する(例えば、組成物をペレット化又は粉砕することにより)。例えば、ローラミキサで粉末形態の透明ブレンド(第一の樹脂及び第二の樹脂からなる)を粉末状のビスフェノールAポリカーボネートと混合し、得られた混合物を次に押出して、ポリカーボネートと第一の樹脂及び第二の樹脂からなる透明ブレンドとを含有する本発明のポリマー組成物を得る。
【0074】
ある実施形態では、1以上の成分をポリマー組成物に水溶液もしくは水性混合物として添加し、その後押出機などの適当な加工装置で揮発分を除去することができる。別の実施形態では、成分のいくつかを水溶液にて混合し、次いで蒸発させてもよく、こうして得られた材料を残りの成分に添加することができる。
【0075】
好適な実施形態では、ポリマー組成物は、厚さ1/8インチの試験片への成形後に、ASTM D1003試験法に準じて測定した光透過率が約70%〜90%であり、またASTM D1003試験法に準じて測定したヘイズ値(同じく厚さ1/8インチの試験片で測定)が約20%未満、好ましくは約10%未満である。
【0076】
本発明のポリマー組成物は、種々の手段で有用な形状物品に成形することができ、例えば射出成形、押出、回転成形、吹込成形、熱成形により、物品、例えばコンピュータ及びOAハウジング、携帯電子装置ハウジング、そして照明器具、装飾品、家庭器具、屋根、温室、サンルーム、水泳プールエンクロージャなどの部品を形成することができる。
【0077】
上述したポリマー組成物は、半透明プラスチックシート材料の作製にも使用できる。充実シート、多層シート、中空体を含む多層シートなどの半透明シートの押出方法は当業界で知られ、例えば米国特許第3476627号(Squires)、同第3565985号(Schrenkら)、同第3668288号(高橋)、同第3918865号(Nissel)、同第3933964号(Brooks)、同第4477521号(Lehmannら)、同第4707393号(Vetter)に記載されている。同時押出シートを形成するのに用いる追加の層の組成は特に限定されない。多層シートの構造や幾何形状も特に限定されない。追加の層は、例えば、製造を容易にする蛍光剤及び/又は耐候性を改良する紫外線吸収剤を含有してもよい。多層シートの厚さは約4mm〜約40mmが好ましく、一方中実シートの厚さは約1mm〜約12mmが好ましい。
【0078】
本発明のポリマー組成物は多層材料に使用することができる。多層材料の1例に、基板上のキャップ層がある。基板としては、熱可塑性組成物と適合性で、加工条件もしくは平常使用条件下で層剥離をほとんど又は全く生じない基板が有用である。多層材料は、同時押出、圧縮成形、積層など多数の方法により形成できる。
【0079】
以上、本発明を例示の実施形態について説明したが、本発明の要旨から逸脱することなく、種々の変更を加えたり、その構成要素を均等物に置き換えたりできることが、当業者には明らかである。さらに、本発明の要旨から逸脱することなく、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるべく種々の改変を加えることができる。したがって、本発明は発明を実施するための最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されず、本発明の範囲内に入るあらゆる実施形態を包含する。以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【実施例】
【0080】
ポリマー分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。表示したGPC分子量の値はポリカーボネート標準についての測定値に対する値である。延性はASTM D256法により測定した。以下の実施例及び先の説明で、用語ITRはイソフタロイル−テレフタロイル−レゾルシノール構造単位を指し、RSCOはレゾルシノールカーボネート構造単位を指し、BPACOはビスフェノールAカーボネート構造単位を指す。存在する種々の構造単位は、ブロック形態の配置でもランダム形態の配置でもよいが、便宜上「ブロック」と表記する。例えば、ビスフェノールAポリカーボネート(BPACO)構造単位とレゾルシノールカーボネート(RSCO)構造単位との本質的にランダムな分布を有するコポリカーボネートであっても、「BPACOブロック」と「RSCOブロック」を含有すると表記する。
【0081】
実施例1
本例では、16モル%のITRポリアリーレートブロック、7モル%のレゾルシノールカーボネート(RSCO)ブロック、及び77モル%のBPAカーボネート(BPACO)ブロックからなる(16/7/77 ITR/RSCO/BPACOと表示する)ITR−BPAブロック共重合体(第一の樹脂)を製造し、次いでこのITR−BPAブロック共重合体をBPAポリカーボネート単独重合体と50:50粉末混合物に配合した。
【0082】
1581gのレゾルシノール及び28mLのトリエチルアミンを9.2Lの塩化メチレン及び1.3Lの水に含有する混合物に、撹拌しながら、イソフタロイルクロリドとテレフタロイルクロリドの50/50混合物2030gを3.8kgの塩化メチレンに溶解した溶液を約292mL/minで添加した。同時に、50%水酸化ナトリウム溶液を約62mL/minで添加してpHを約4〜7に維持した。酸クロリドの添加終了後、pHが7.5〜8.5で安定するまで、苛性アルカリをゆっくり添加した。次に混合物を約10分間かきまぜた。得られるヒドロキシ末端ポリアリーレート、即ちITRブロック前駆物質の分子量(Mw)は約4200g/モルであった。このヒドロキシ末端ポリアリーレートに、10,994gのBPA、440gのp−クミルフェノール、112mLのトリエチルアミン、、33Lの水及び27Lの塩化メチレンを添加した。次に6537gのホスゲンを液中チューブから添加し、この間50%苛性アルカリ溶液でpHを約8.5〜10.5に維持した。有機相をブライン層から分離し、液−液遠心分離器にて希塩酸で洗い、そして水で3回洗った。ポリマーをスチーム沈殿により単離し、流動床ドライヤで乾燥した。コポリエステルカーボネート生成物は分子量(Mw)27,330g/モル(PC標準で検量したGPC)であり、そのH−NMRスペクトルは3つの基本構造タイプ、即ちITR(16%)、RSCO(7.0%)及びBPACO(77%)からなるコポリエステルカーボネートと一致するスペクトルであった。モル%比は以下のように計算した。
ITRモル%=100×[二酸クロリドのモル数]/[二酸クロリドのモル数+BPAのモル数+(レゾルシノールのモル数−二酸クロリドのモル数)]
RSCOモル%=100×[レゾルシノールのモル数−二酸クロリドのモル数]/[二酸クロリドのモル数+BPAのモル数+(レゾルシノールのモル数−二酸クロリドのモル数)]
BPACOモル%=100×[BPAのモル数]/[二酸クロリドのモル数+BPAのモル数+(レゾルシノールのモル数−二酸クロリドのモル数)]
ブレンドの製造
塗料シェーカーで、上述した通りに製造したコポリエステルカーボネート生成物(ITR−BPAブロック共重合体とも言う)をBPAポリカーボネート単独重合体と粉末形態にて(50:50重量%)、ブレンド組成物の0.03重量%に相当する量のDoverphos S9228と共に、混合した。粉末状ブレンドを85トン成形機で、バレル温度600°F及び金型温度180°Fにて、成形して2×3×0.125インチカラーチップとした。ブレンドの特性を評価し、結果を表2に示す。
【0083】
実施例2〜21及び比較例1〜2
これらの例では、種々の量のITRポリアリーレートブロック、レゾルシノールカーボネート(RSCO)ブロック、及びBPAカーボネート(BPACO)ブロックを含有するITR−BPAブロック共重合体を製造し、次いでBPAホモポリカーボネートと50:50にて配合した。ブレンドを実施例1で説明した通りに製造した。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】

表2に示す共重合体樹脂は各々実施例1に記載した通りに製造した。塗料シェーカーで、各樹脂バッチからの粉末をBPAポリカーボネート単独重合体粉末と50/50重量%にて、0.03%のDoverphos−S9228と共に、混合した。配合及び乾燥後、粉末を85トン成形機で580°Fで射出成形した。成型後、サンプルを透明性について目で観察した。いくつかの例では、相分離の増大の結果としてのヘイズ発生を誘起するために、サンプルを170℃で1時間アニールした(アニールに先だってサンプルを120℃で一晩乾燥した)。以下に比較結果を示す。
−実施例1〜21と比較例1〜2とを比較すると、ITRモル%の差が約40%未満であるブレンドは低いヘイズで特徴付けられる、ことが分かる。
−実施例1〜3、5〜10、13及び15と実施例4、11、12及び14とを比較すると、ITR含量26モル%未満の共重合体とBPAポリカーボネートとのブレンドにおいては、成形後ヘイズ値から、より低分子量のITRブロックが好ましく、分子量約7800g/モル未満のITRブロックがもっとも好ましい、ことが分かる。
−実施例4、11及び14と実施例12とを比較すると、ITR含量26モル%未満の共重合体とBPAポリカーボネートとのブレンドにおいては、成形後ヘイズ値から、ITRブロックの分子量約8500g/モル未満が好ましい、ことが分かる。
−実施例16と実施例17とを比較すると、ITR含量約26モル%の共重合体とBPAポリカーボネートとのブレンドにおいては、成形後ヘイズ値から、ITRブロックの分子量約4900g/モル未満が好ましい、ことが分かる。
【0085】
実施例22
本例では、81%ITRの樹脂を51%ITRの樹脂とブレンドした。
【0086】
4360gのレゾルシノール、310gのp−クミルフェノール及び100mLのトリエチルアミンを29Lの塩化メチレン及び4.6Lの水に含有する混合物に、撹拌しながら、イソフタロイルクロリドとテレフタロイルクロリドの50/50混合物7309gを13.6kgの塩化メチレンに溶解した溶液を約525mL/minで添加した。同時に、50%水酸化ナトリウム溶液を約112mL/minで添加してpHを約4〜7に維持した。酸クロリドの添加終了後、pHが7.5〜8.5で安定するまで、苛性アルカリをゆっくり添加した。次に混合物を約10分間かきまぜた。(ヒドロキシ末端ポリアリーレートITRの分子量はPC標準で検量したGPCで約12000g/モルであった。)ヒドロキシ末端ポリアリーレートITRオリゴマーの溶液に、1068gのBPA、24Lの水及び4Lの塩化メチレンを添加した。次に1350gのホスゲンを液中チューブから添加し、この間50%苛性アルカリ溶液でpHを約8.5〜10.5に維持した。ホスゲンのほぼすべてが消費され終わったところで、有機相をブライン層から分離し、液−液遠心分離器にて希塩酸で洗い、そして水で洗った。ポリマーをスチーム沈殿により単離し、流動床ドライヤで乾燥した。得られたITR−BPAブロック共重合体はH−NMRにより、ITR、RSCO及びBPACO構造単位からなることが確認された。NMRの結果は計算モル比ITR/RSCO/BPACO=82/8/10と一致した。ITR−BPAブロック共重合体の分子量は26000g/モルであった。
【0087】
ブレンドの製造
塗料シェーカーで、上で製造したITR/RSCO/BPACO=82/8/10のITR−BPAブロック共重合体をITR/RSCO/BPACO=51/15/34の組成のITR−BPAブロック共重合体と、0.03重量%のDoverphos S9228と共に、混合した。粉末混合物を85トン成形機で、バレル温度600°F及び金型温度180°Fにて、成形して2×3×0.125インチカラーチップとした。結果を表3に示す。
【0088】
実施例23〜33
これらの実施例では、樹脂1としてのITR樹脂を樹脂2としての別のITR樹脂とブレンドした。結果を表3に示す。
【0089】
【表3】

表3の結果から分かるように、ポリアリーレート構造単位含量(「樹脂1の組成」及び「樹脂2の組成」の欄内のITRの項目の数値参照)の差が約40モル%未満である(「ITRの差」の欄に示す)とき、最適な透明性が得られる。ブレンドのクラリティ(明澄性)の変動は、樹脂1と樹脂2のITR含量の差に依存することが示され、またクラリティは、樹脂1及び樹脂2を構成するコポリエステルカーボネートの製造に用いたヒドロキシ末端ポリアリーレート中間体のブロック長に依存することも示されている。
【0090】
実施例34
本例は、透明なポリマーブレンドの光学特性を最適にするために、ITRブロック長(ブロック分子量)をどのように変えるかを説明する。
【0091】
2つのITR共重合体の50/50重量%ブレンドを製造した。第1共重合体はITR含量51%で、第2共重合体はITR含量81%であった。2つのITR共重合体のITR含量の差は約30%であった。ITR含量51%の第1共重合体はITRブロックの分子量約5000g/モルであった。第二の樹脂はITR共重合体含量約81%で、ITRブロックの分子量約12000g/モルであった。粉末を0.03%のDoverphos−S9228と共に、ドライブレンドし、上記と同様に成形して2×3×0.125インチチップとした。チップはアニール前後に透明であった。
【0092】
実施例35〜39
これらの実施例では、本発明にしたがって追加の組成物を製造した。表4に組成物に使用した成分を示し、表5にその組成物の機械的特性を示す。
【0093】
【表4】

【0094】
【表5】

実施例40〜49及び比較例6〜7
これらの実施例では、本発明にしたがって着色組成物を製造した。組成物に使用した成分及び光沢(グロス)保持データを表6に示す。光沢は、ポリマー組成物から成形した試験部品について、BYK−GARDNER MICRO TRI GLOSSMETERを用いて測定した。
【0095】
【表6】

ITR含量の差が40モル%未満である実施例40〜49では、光沢保持率が高い(優れた光沢保持性能)。ITR含量の差が40モル%超である比較例6及び7では、光沢保持率が低い(劣った光沢保持性能)。
【0096】
以上、本発明をその好適な実施形態について説明したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変更や改変が可能であることが当業者には明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の第一の樹脂と第二の樹脂とを含む透明ポリマーブレンドを含んでなるポリマー組成物。
(a)第一の樹脂は次の式Iのポリアリーレート構造単位を含んでなるものであり、
【化1】

(式中、Rは各々独立にC−C12アルキル基又はハロゲン原子を示し、pは0〜3である。)
(b)第二の樹脂はポリカーボネート、ポリアリーレート及びコポリエステルカーボネートからなる群から選択され、第二の樹脂は所望に応じてポリアリーレート構造単位Iを含んでいてもよく、
前記ポリアリーレート構造単位は、第一の樹脂の全繰返し単位のモル%と第二の樹脂の全繰返し単位のモル%に対応する量で存在し、
第一の樹脂と第二の樹脂はポリアリーレート構造単位含量の差で区別され、その差は約40モル%未満である。
【請求項2】
前記ポリアリーレート構造単位含量の差が30モル%以下である、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項3】
前記ポリアリーレート構造単位含量の差が20モル%以下である、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項4】
第一の樹脂がさらに次の式IVの構造単位を含む、請求項1記載のポリマー組成物。
【化2】

式中、Rは各々独立にC−C12アルキル基又はハロゲン原子を示し、pは0〜3であり、Rは単結合、二価C−C50脂肪族基、C−C50脂環式基又はC−C40芳香族基である。
【請求項5】
第二の樹脂が式:HO−D−OHの1種以上のビスフェノールから誘導された構造単位を含有し、Dが次の式VIの二価芳香族基である、請求項1記載のポリマー組成物。
【化3】

式中、Aは各々独立に芳香族基であり、Eは各々独立にアルキレン、アルキリデンもしくは脂環式基、硫黄含有連結基、リン含有連結基、酸素含有エーテル連結基、カルボニル基、三級窒素基又はケイ素含有連結基であり、Rは各々独立に一価炭化水素基であり、Yは各々独立に一価炭化水素基、ハロゲン、ニトロ及び−OR(Rは一価炭化水素基である)からなる群から選択され、mは0からA上の置換可能な位置の数までの整数であり、nは0からE上の置換可能な位置の数までの整数であり、tは1以上の整数であり、sは0又は1であり、uは0を含む整数である。
【請求項6】
前記ビスフェノールHO−D−OHが、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、
1,3−ビス[4−ヒドロキシフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
1,4−ビス[4−ヒドロキシフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
1,3−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
1,4−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン、
4,4’−ビフェノール、
2,2’,6,8−テトラメチル−3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ビフェノール、
2,2’,6,6’−テトラメチル−3,3’,5−トリブロモ−4,4’−ビフェノール、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジシアノメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノ−1−フェニルメタン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロペノン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
4,4’−オキシジフェノール、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、
4,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、
2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、
2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4’−[1−メチル−4−(1−メチル−エチル)−1,3−シクロヘキサンジイル]ビスフェノール(即ち、1,3−BHPM)、
4−[1−[3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチル−エチル]−フェノール(即ち、2,8−BHPM)、
3,8−ジヒドロキシ−5a,10b−ジフェニルクマラノ−2’,3’,2,3−クマラン(DCBP)、
2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、
4,4’−ジヒドロキシ−1,1−ビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル−1,1−ビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジオクチル−1,1−ビフェニル、
4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、
4,4’−ビス(3,5−ジメチル)ジフェノール、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、
1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、
2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(BPS)、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,6−ジヒドロキシナフタレン、
ヒドロキノン、
レゾルシノール、
1−3アルキル置換レゾルシノール、
3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール、
4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル、
4,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4−チオジフェノール、
2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インデン]−6,6’−ジオール、
及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5記載のポリマーブレンド。
【請求項7】
第二の樹脂が次の式VIIの構造単位を含有するポリカーボネートである、請求項1記載のポリマー組成物。
【化4】

式中、RはC−C50脂肪族、C−C50脂環式又はC−C40芳香族基であり、R基の総数の約60%以上が芳香族基である。
【請求項8】
が次の式VIIIの芳香族有機基である、請求項8記載のポリマー組成物。
【化5】

式中、A及びAは各々二価C−C10単環芳香族基、YはAとAとの間に介在する原子を1つ又は2つ有するC−C10脂肪族基又はAとAとの間に介在する原子を1つ又は2つ有するC−C10脂環式基である。
【請求項9】
前記コポリエステルカーボネートがさらに次の式IXの構造単位を含有する、請求項1記載のポリマー組成物。
【化6】

式中、AはC−C40脂肪族基である。
【請求項10】
前記コポリエステルカーボネートが次の式Xの化合物から誘導された式IXの構造単位を含有する、請求項1記載のポリマー組成物。
【化7】

式中、AはC−C40脂肪族基であり、Rは各々独立にヒドロキシル、ハロゲン、C−C12アリールオキシ基又はC−C12アルカリールオキシ基である。
【請求項11】
式Xの化合物が、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸、アジピン酸、スベリン酸、オレイン酸、アゼライン酸、エルカ酸、ブラシル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、ナフタレン2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ビフェニル−3,4’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルジクロロメタン−4,4’−ジカルボン酸、これらに対応する二酸ハライド、ジエステル、酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10記載のコポリエステルカーボネート。
【請求項12】
第一の樹脂及び第二の樹脂の少なくとも一方がさらに次の式XIの構造単位を含有する、請求項1記載のポリマー組成物。
【化8】

式中、RはC−C1000脂肪族基又はC−C1000脂環式基であり、R及びRは各々独立に次の基である。
【化9】

【請求項13】
式XIの構造単位が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラヒドロフランジオール、及びポリカプロラクトンジオールの1種以上から誘導された、請求項12記載のポリマー組成物。
【請求項14】
式Iの構造単位を含有する第一の樹脂が、1種以上のポリカーボネート分子量標準を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した式量約500〜約15000g/モルに対応するポリアリーレートブロック長で特徴付けられる、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項15】
さらに第3樹脂を含有する、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項16】
第3樹脂が、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、オレフィンポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリシラン、ポリスルホン及びポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される、請求項15記載のポリマー組成物。
【請求項17】
以下の第一の樹脂と第二の樹脂とを含む透明ポリマーブレンドを含んでなるポリマー組成物。
(a)第一の樹脂は次の式Vのポリアリーレート構造単位を含有し、
【化10】

(式中、qは2〜400である。)
(b)第二の樹脂はポリカーボネート、ポリアリーレート及びコポリエステルカーボネートからなる群から選択され、第二の樹脂は所望に応じてポリアリーレート構造単位Vを含有してもよく、
前記ポリアリーレート構造単位は、第一の樹脂の繰返し単位の総モル数のモル%と第二の樹脂の繰返し単位の総モル数のモル%に対応する量で存在し、
第一の樹脂と第二の樹脂はポリアリーレート構造単位含量の差で区別され、その差が約40モル%未満である、
ポリマー組成物。
【請求項18】
第二の樹脂がポリカーボネートである、請求項17記載のポリマー組成物。
【請求項19】
第二の樹脂がビスフェノールAポリカーボネートである、請求項18記載のポリマー組成物。
【請求項20】
前記ブレンドの光透過率がASTM D1003に準じて測定して60%以上である、請求項17記載のポリマー組成物。
【請求項21】
前記ブレンドのヘイズ値がASTM D1003に準じて測定して40%以下である、請求項20記載のポリマー組成物。
【請求項22】
さらに1種以上の着色剤、1種以上の充填剤、1種以上の難燃剤、1種以上のUV安定剤、1種以上の帯電防止剤、1種以上の酸掃去剤又は1種以上の視覚効果改良剤を含有する、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項23】
請求項1記載のポリマー組成物を含有する物品。
【請求項24】
請求項17記載のポリマー組成物を含有する物品。

【公表番号】特表2008−504401(P2008−504401A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518250(P2007−518250)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/022138
【国際公開番号】WO2006/012161
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【復代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
【Fターム(参考)】