説明

ポリイソシアヌレートポリウレタン材料の製造プロセス

【課題】高いオキシエチレン含有量を有するポリエーテルポリオールと、高いジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)含有量を有するポリイソシアネートとを使用する、ポリ-イソシアヌレートポリウレタン材料の製造プロセスを提供する。
【解決手段】反応は、イソシアネートインデックス150〜1500で、且つ三量体化触媒の存在下で実施し、ポリイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート少なくとも40重量%、及び/または、25℃で液体であり且つ少なくとも20重量%のNCO価を有するジフェニルメタンジイソシアネートの変異体を含む、ジフェニルメタンジイソシアネート80〜100重量%、イソシアネート-反応性組成物は、平均公称官能基数2〜6、平均当量150〜1000、平均分子量600〜5000、オキシエチレン含有量75〜100重量%を有するポリエーテルポリオール80〜100%、からなるプロセス。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、ポリイソシアヌレートポリウレタン材料の製造プロセスに関する。
【0002】
特に本発明は、高いオキシエチレン含有量を有するポリエーテルポリオールと、高いジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)含有量を有するポリイソシアネートとを使用する
、ポリ-イソシアヌレートポリウレタン材料の製造プロセスに関する。
【0003】
発明の背景
高いオキシエチレン含有量を有するポリオール類、少なくとも85重量%の4,4’-MDIまたはその変異体を含むポリイソシアネート類と水とから、低いハードブロック含有量と高いハードブロック含有量を有するポリウレタン材料を製造することについては、PCT国際公
開第WO02/06370号及び同第WO98/00450号に開示されている。製造された材料は、ポリウレタンエラストマーである。さらに欧州特許第608626号には、高い含有量の4,4’-MDIを含
むポリイソシアネートと、高いオキシエチレン含有量のポリオールとを水と反応させることによって、形状記憶(shape memory)ポリウレタンフォームを製造することを開示して
いる。PCT国際公開第WO02/10249号は、MDIと、高いオキシエチレン含有量を有するポリオールと、架橋剤/連鎖延長剤とを反応させることによって、高いハードブロック含有量を
有するポリウレタン材料の製造プロセスについて開示する。
【0004】
これらの引用例は、高いNCO-インデックスで、且つ三量体化触媒の存在下でポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによってポリイソシアヌレートポリウレタン材料を製造するプロセスについては開示していない。
【0005】
三量体化触媒の存在下、高いインデックスでポリイソシアネート類とポリオール類とを反応させることによる、ポリイソシアヌレートポリウレタン材料の製造プロセスは、それなりに広く記載されてきた。たとえば、欧州特許EP第922063号及びPCT国際公開第WO00/29459号、同第02/00752号、欧州特許EP第1173495号、同EP第745627号、同EP第587317号、米国特許第4247656号、米国特許第4129697号、ドイツ特許第10145458号、米国特許第4661533号、米国特許第4424288号及び英国特許第1433642号を参照されたい。
【0006】
意外にも、本出願人は、特定のMDI-ベースのポリイソシアネート類と、高いオキシエチレン含有量を有する特定のポリオール類とから製造した新規種類のポリイソシアヌレートポリウレタン材料を知見した。
【0007】
本発明により、高い弾性率、高い耐衝撃性、耐熱性及び耐引火性、短い離型時間及び高い未処理強度を有する材料の製造が可能になる。特に、この材料は、反応射出成形(RIM)
プロセスで好都合に製造することができる。
【0008】
さらに、本プロセスは、有機粒子及び無機粒子のような充填剤、たとえばナノクレー粒子、BaSO4及びCaCO3、及び/または繊維、たとえばガラス繊維、天然繊維、たとえば亜麻、大麻、及びサイザル麻繊維、合成繊維、たとえばポリアミド(Kevlar:商標)及びポリエチレン(Spectra:商標)を使用することによって強化材料を製造するのに適している。そ
のような材料は高い熱安定性を示す。
【0009】
さらに、本材料を製造するのに使用する成分は容易に成形可能であり、且つ優れた硬化特性を示すので、離型時間を短くするという効果がある。
【0010】
さらに得られた材料は、同一NCO-インデックスで高レベルのオキシプロピレン基を有する高い含有量のポリオールから製造した材料と比較して、赤外線分析において低レベルの残存NCO基を示す。本発明に従った材料は、より高い衝撃強度を有し、且つ脆性が低い。
【0011】
従って、本発明は、ポリイソシアネートとイソシアネート-反応性組成物とを反応させ
ることを含む、ポリイソシアヌレートポリウレタン材料の製造プロセスであって、ここで前記反応は、イソシアネートインデックス150〜1500で実施し、ここで前記ポリイソシア
ネートは、
a)4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート及び/または、25℃で液体であり且つ少なくとも20重量%のNCO価を有する前記ジフェニルメタンジイソシアネートの変異体を少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも60重量%、最も好ましくは少なくとも85重量%含む、ジフェニルメタンジイソシアネート(ポリイソシアネートa)80〜100重量%、及び
b)もう一種のポリイソシアネート(ポリイソシアネートb)20〜0重量%からなり、ここで前記イソシアネート-反応性組成物は、
a)平均公称官能基数2〜6、平均当量150〜1000、平均分子量600〜5000、オキシエチレン(EO)含有量75〜100重量%を有するポリエーテルポリオール80〜100%、及び
b)水を除く一種以上の他のイソシアネート-反応性化合物20〜0重量%からなり、ポリオールa)と化合物b)の量は、このポリオールa)と化合物b)との総量に対して計算される、前記プロセスに関する。
【0012】
本発明との関係において、以下の用語は以下の意味を有する:
1.イソシアネートインデックスまたはNCOインデックスまたはインデックス:
百分率で表したNCO-基対配合物中に存在するイソシアネート-反応性水素原子の比。
【0013】
([NCO]x100)/[活性水素]
言い換えれば、このNCO-インデックスは、配合物中の実際に使用されるイソシアネート対配合物中の使用されるイソシアネート-反応性組成物と反応させるのに理論的に必要な
イソシアネートの量の割合を表す。
【0014】
本明細書中で使用するこのイソシアネートインデックスは、イソシアネート成分とイソシアネート-反応性成分とを含む材料を製造する実際の重合プロセスの見地から判断され
ることに注意すべきである。(プレポリマーとして当業界で参照されるそのようなイソシ
アネート-誘導体を含む)変性ポリイソシアネートを製造するために予備段階で消費されるイソシアネート基も(たとえば変性ポリオール類またはポリアミン類を製造するためにイ
ソシアネートと反応した)予備段階で消費された活性水素も、このイソシアネートインデ
ックスの計算には入れない。実際の重合段階に存在する遊離イソシアネート基と遊離イソシアネート-反応性水素(水の遊離イソシアネート-反応性水素を含む)だけを考慮に入れる。
【0015】
2.イソシアネートインデックスを計算する目的に関して、本明細書中で使用する「イソシアネート-反応性水素原子」なる表現は、反応組成物中に存在する水酸基とアミン基
の活性水素原子の総量を指す。これは、実際の重合プロセスでイソシアネートインデックスを計算する目的に関して、一つの水酸基は、一つの反応性水素を含むものとみなされ、一つの一級アミン基は、一つの活性水素を含むものとみなされ、及び一つの水分子は、二つの活性水素を含むものとみなされることを意味する。
【0016】
3.反応系:ポリイソシアネートが、イソシアネート-反応性成分とは分離された一つ
以上の容器に保持される成分の組み合わせ。
【0017】
4.本明細書中で使用する「ポリイソシアヌレートポリウレタン材料」なる表現は、場合により発泡剤を使用する、高いインデックスで、三量体化触媒の存在下、上記ポリイソシアネート類とイソシアネート-反応性組成物とを反応させることによって得られた発泡(cellular)または非発泡(non-cellular)製品を指し、特に(水と、イソシアネート基生成尿素結合と二酸化炭素との反応を含み、ポリ尿素-ポリイソシアヌレートポリウレタンフォ
ームを生成する)反応性発泡剤として水で得た発泡製品が挙げられる。
【0018】
5.本明細書中で使用する「平均公称水酸基官能基数」なる用語は、これがその製造で使用される(単数または複数種類の)開始剤の数平均官能基数(1分子当たりの活性水素原
子の数)であるという前提のもとに、ポリオールまたはポリオール組成物の数平均官能基
数(number average functionality)(1分子当たりの水酸基の数)を示すために使用されるが、実際には、幾つかの末端不飽和のため、いくらか下回ることが多い。
【0019】
6.「平均」なる用語は、他に記載しない限り、数平均を指す。
【0020】
好ましくは、このポリイソシアネートa)は、
1)少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも60重量%、最も好ましくは少なくとも85重量%の4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと、そのようなジフェニルメタンジイソ
シアネートの以下の好ましい変異体とを含むジフェニルメタンジイソシアネート;
2)ポリイソシアネート1)のカルボジイミド及び/またはウレトニミン変性変異体、前記変異体は20重量%以上のNCO価を有する;
3)ポリイソシアネート1)のウレタン変性変異体、前記変異体は20重量%以上のNCO価を有し、過剰量のポリイソシアネート1)と、平均公称官能基数2〜4と、せいぜい1000の平均
分子量とを有するポリオールとの反応生成物である;
4)20重量%以上のNCO価を有するプレポリマー、ここでこれは上記ポリイソシアネート1〜3)のいずれかの過剰量と、平均公称官能基数2〜6、平均分子量2000〜12000、好ましくは水酸基価15〜60mgKOH/gを有するポリオールとの反応生成物である;及び
5)上記ポリイソシアネートのいずれかの混合物である。ポリイソシアネート1)及び2)並びにその混合物は、ポリイソシアネートa)として好ましい。
【0021】
ポリイソシアネート1)は、4,4’-MDIを少なくとも40重量%含む。そのようなポリイソシアネートは当該技術分野で公知であり、ピュア4,4’-MDIと、4,4’-MDIの異性体混合物と、60重量%以下の2,4’-MDIと2,2’-MDIとを含む。
【0022】
この異性体混合物中の2,2’-MDIの量は、多少不純物レベルであり、通常2重量%を越えず、残余は4,4’-MDIと2,4’-MDIである。このようなポリイソシアネートは当該技術分野で公知であり、市販されており、たとえばSuprasec(商標)MPR(Huntsman Polyurethanes
製)がある。Huntsman Polyurethanesは、Huntsman International LLC(商標Suprasec
を所有する)の法人である。
【0023】
上記ポリイソシアネート1)のカルボジイミド及び/またはウレトニミン変性変異体も当該技術分野で公知であり、市販されている。たとえば、Suprasec 2020(Huntsman Polyurethanes製)である。
【0024】
上記ポリイソシアネート1)のウレタン変性変異体も当該技術分野で公知である。たとえばG.WoodsによるThe ICI Polyurethanes、1990年、第2版、32〜35頁を参照されたい。20重量%以上のNCO価を有するポリイソシアネート1)の上記プレポリマーも当該技術分野で公知である。好ましくは、これらのプレポリマーを製造するのに使用したポリオールは、ポリエステルポリオール類及びポリエーテルポリオール類から、特に平均公称官能基数2〜4、平均分子量2500〜8000、好ましくは15〜60mmKOH/gの水酸基価及び、好ましくはポ
リマー鎖の末端にある、5〜25重量%のオキシエチレン含有量、または好ましくはポリマ
ー鎖にランダムに分散されている、50〜90重量%のオキシエチレン含有量を有するポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンポリオール類から選択される。
【0025】
上記ポリイソシアネート類の混合物も同様に使用することができる。たとえば、G.WoodsのThe ICI Polyurethanes Book、1990年、第2版、32〜35頁を参照されたい。そのような市販のポリイソシアネートの例としては、Huntsman Polyurethanes製のSuprasec 2021がある。
【0026】
他のポリイソシアネートb)は、脂肪族、脂環式、芳香族脂肪族(araliphatic)、好まし
くは芳香族ポリイソシアネート類、たとえば2,4-及び2,6-異性体の形状のトルエンジイソシアネート及びその混合物並びにジフェニルメタンジイソシアネート類(MDI)の混合物、
並びに「クルード」即ちポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート類)として当該技術分野で公知の2を超えるイソシアネート官能基数を有するそのオリ
ゴマーから選択することができる。トルエンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートとの混合物も同様に使用することができる。
【0027】
2を越えるNCO官能基数を有するポリイソシアネート類を使用するとき、本発明で使用
する総ポリイソシアネートの平均NCO官能基数が好ましくは2.0〜2.2であるようなポリイ
ソシアネート量を使用する。
【0028】
高EO含有量を有するポリエーテルポリオールa)は、ポリエーテルポリオールの重量に対して計算した75〜100重量%のEO含有量を有するものから選択される。これらのポリエーテルポリオール類は、オキシプロピレン及び/またはオキシブチレン基などの他のオキシアルキレン基を含んでいてもよい。これらのポリオール類は、平均公称官能基数2〜6、好
ましくは2〜4、平均当量150〜1000及び、600〜5000、好ましくは600〜3000の分子量を有
する。このポリオールが、オキシエチレン基とオキシプロピレンのようなもう一種のオキシアルキレン基とを含む場合、このポリオールは、ランダム分布、ブロックコポリマー分布またはその組み合わせのタイプであってもよい。ポリオール類の混合物を使用することができる。そのようなポリオール類を製造する方法は公知であり、そのようなポリオール類は市販されている。例えばCaradol(商標:Shell製)、Lupranol(商標)9205(BASF製)、Daltocel F526(Huntsman Polyurethanes製)(Daltocelは、Huntsman International LLCの商標である)及びG2005(Uniqema製)が挙げられる。これらは90〜100重量%の量で使用す
るのが好ましい。
【0029】
0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%の量で使用し得る他のイソシアネート-反応性化
合物b)は、連鎖延長剤、架橋剤、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリオール類及び、500を超える分子量を有するポリエーテルポリオール類(上述のものとは異なる)か
ら、特にそのような他のポリエーテルポリオール類から選択することができ、これらはポリオキシプロピレンポリオール類、75重量%未満のオキシエチレン含有量を有するポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンポリオール類及び、70%未満の一級水酸基含有量を有
するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール類から選択することができる。好ましいポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール類は、全てのオキシエチレン基がポリマー鎖の末端にある(いわゆるEOキャップ化ポリオール類)、5〜30重量%、好
ましくは10〜25重量%のオキシエチレン含有量を有するようなもの並びに、60〜90重量%のオキシエチレン含有量を有し、全てのオキシエチレン基とオキシプロピレン基とがランダム分散しており、ポリオール中の一級水酸基と二級水酸基の数に対して計算して20〜60%
の一級水酸基含有量を有するものである。これらの他のポリエーテルポリオール類は、2〜6、好ましくは2〜4の平均公称官能基数と、2000〜10000、より好ましくは2500〜8000の平均分子量を有するのが好ましい。
【0030】
官能基数2を有するこのイソシアネート-反応性連鎖延長剤は、アミン類、アミノ-アルコール類及びポリオール類から選択することができ、ポリオール類を使用するのが好ましい。さらにこの連鎖延長剤は、芳香族、脂環式、芳香族脂肪族及び脂肪族であってもよく、脂肪族を使用するのが好ましい。この連鎖延長剤は、500未満の分子量を有する。最も
好ましいものは、62〜500の分子量を有する脂肪族ジオール類であり、例えばエチレング
リコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオー
ル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、3-メチルペンタン-1,5-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール、並びに芳香族ジオール、そのプロポキシル化及び/またはエトキシル化生成物がある。架橋剤は、500以下の平均分子
量と、官能基数3〜8を有するイソシアネート-反応性化合物である。そのような架橋剤
の例としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、蔗糖、ソルビトール、モノ-、ジ-及びトリエタノールアミン、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、エトキシル化グリセロールのような平均公称官能基数3〜8と、平均分子量500以下とを有するポリオキシエチレンポリオール類、前記分子量
を有するトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、蔗糖及びソルビトール、並びに500以下の平均分子量を有するポリエーテルジアミン類及びトリアミン類が挙げられ、
最も好ましい架橋剤は、ポリオール架橋剤である。
【0031】
さらに、他のイソシアネート-反応性化合物は、ポリエステル類、ポリエステルアミド
類、ポリチオエーテル類、ポリカーボネート類、ポリアセタール類、ポリオレフィン類及びポリシロキサン類から選択することができる。使用し得るポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール若しくはシクロヘキサンジメタノールまたはそのような二価アルコール類の混合物、及びコハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸またはそのジメチルエステル類、セバシン酸、無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸若しくはジメチルテレフタレートまたはその混合物などのジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の水酸基末端化反応生成物が挙げられる。使用し得るポリチオエーテルポリオール類としては、チオジグリコールを単独で、または他のグリコール類、アルキレンオキシド類、ジカルボン酸、ホルムアルデヒド、アミノ-アルコール類若し
くはアミノカルボン酸と縮合することによって得られた生成物が挙げられる。使用し得るポリカーボネートポリオール類としては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール若しくはテラエチレングリコール(teraethylene glycol)などのジオール類と、ジアリルカーボネート類、例えばジフェニルカーボネート、またはホスゲンとを反応させることによって得られた生成物が挙げられる。使用し得るポリアセタールポリオール類としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはヘキサンジオールなどのグリコール類と、ホルムアルデヒドとを反応させることによって製造したものが挙げられる。好適なポリアセタール類は、環状アセタール類を重合することによっても製造することができる。好適なポリオレフィンポリオール類としては、ヒドロキシ-末端化ブタジエンホモ-及びコポリマーが挙げられ、好適なポリシロキサンポリオール類としては、ポリジメチルシロキサンジオール類が挙げられる。
【0032】
上記他のイソシアネート-反応性化合物の混合物も同様に使用することができる。好ま
しくは、この他のイソシアネート-反応性化合物は、上記の好ましいものから選択される
ポリオール類である。
【0033】
ポリオール類は、上記タイプのポリオール中の、付加または縮合ポリマーの分散液または溶液を含むことができる。「ポリマーポリオール類」とも称されることが多い、そのよ
うな変性ポリオール類は、当該技術分野で十分に記載されており、この例としては、上記ポリエーテルポリオール中の、一種以上のビニルモノマー類、例えばスチレン及び/またはアクリロニトリルのin-situ重合によって、または上記ポリオール中の、ポリイソシア
ネートとアミノ-及び/またはヒドロキシ-官能性化合物、例えばトリエタノールアミンとの間のin-situ反応によって得られた生成物が挙げられる。分散ポリマー1〜50%を含有するポリオキシアルキレンポリオール類が特に有用である。50ミクロン未満の分散ポリマーの粒径が好ましい。
【0034】
さらに以下の任意選択成分:オクタン酸錫及びジブチル錫ラウレートなどの錫触媒、トリエチレンジアミンなどの三級アミン触媒及びジメチルイミダゾールなどのイミダゾール類のようにウレタン結合の形成を促進する触媒並びに、マレイン酸エステル及び酢酸エステルなどの他の触媒;界面活性剤;シロキサン-オキシアルキレンコポリマーなどの整泡
剤;難燃剤;発煙抑制剤;UV安定剤;着色剤;微生物阻害剤;有機及び無機充填剤;耐衝撃改良剤;可塑剤並びに内部離型剤を使用することができる。さらに本発明に従って、本プロセスでは外部離型剤を使用することができる。
【0035】
イソシアネート三量体化反応(イソシアヌレート-形成)に触媒作用を与える任意の化合
物、例えば三級アミン類、トリアジン類及び、最も好ましくは金属塩三量体化触媒を本発明に従ったプロセスで三量体化触媒として使用することができる。
【0036】
好適な金属塩三量体化触媒の例としては、有機カルボン酸のアルカリ金属塩がある。好ましいアルカリ金属はカリウム及びナトリウムであり、好ましいカルボン酸は酢酸及び2-エチルヘキサン酸である。
【0037】
最も好ましい金属塩三量体化触媒は、酢酸カリウム(Air ProductsよりPolycat 46と
して、及びHuntsman PolyurethanesよりCatalyst LBとして市販)及びカリウム2-エチルヘキサノエート(Air ProductsよりDabco L15として市販)である。二種以上の異なる金
属塩三量体化触媒を本発明のプロセスで使用することができる。
【0038】
この金属塩三量体化触媒は、通常、イソシアネート-反応性組成物をベースとして5重
量%以下、好ましくは0.1〜3重量%の量で使用する。本発明に従ったプロセスで使用した
ポリオールは、その製造法由来の金属塩をまだ含んでいることがあり、そこでこれは三量体化触媒として、または三量体化触媒の一部として使用することができる。
【0039】
ポリウレタン材料は、中実または吹込み成形(微孔質)材料であってもよい。微孔質材料は、炭化水素、ヒドロフルオロカーボン類、ヒドロクロロフルオロ-カーボン類、N2及びCO2などの気体、並びに水などの発泡剤の存在下で、この反応を実施することにより得られる。発泡剤として水を使用するのが最も好ましい。発泡剤の量は、所望の密度に依存する。水の量は、イソシアネート-反応性組成物の重量に対して5重量%未満、好ましくは3重量%未満、最も好ましくは1重量%未満である。Expancelまたは中空ガラスミクロビーズ(glass microbeads)などの発泡または発泡可能なミクロスフィアを組み込むことによって
、密度を減少させることもできる。
【0040】
本材料を製造するための反応は、NCOインデックス150〜1500で実施する。
【0041】
本材料の密度は、100kg/m3を超える。
【0042】
本材料は金型内で製造するのが好ましい。本プロセスは、当該技術分野で公知の任意のタイプの金型で実施することができる。そのような金型の例としては、サッカーシューズ並びにスキー-及びスケートブーツのような靴の部品、アームレスト、ドアパネル及びバ
ックシェルフのような自動車部品を製造するのに商業的に利用される金型がある。この反応は閉鎖金型内で実施するのが好ましい。本材料を製造するのに使用する成分を、周囲温度から80℃以下の温度で金型内に供給し、この金型を本プロセスの間、周囲温度から150
℃以下の温度に保持する。好ましくは、反応性アミン基を含有するイソシアネート-反応
性化合物を使用しないという事実にもかかわらず、離型時間は比較的短い。触媒量に依存して、離型時間は、10分未満、好ましくは5分未満、より好ましくは3分未満、最も好ましくは1分未満である。
【0043】
本成形プロセスは、反応射出成形(RIM)プロセス及びキャスト成形プロセスに従って実
施することができる。本プロセスは、RRIM(強化RIM)及びSRIM(構造RIM)プロセスに従っても実施することができる。
【0044】
通常、イソシアネート-反応性成分と触媒とを、場合により任意成分と一緒に予備混合
してから、ポリイソシアネートと接触させる。
【0045】
本発明に従った材料は、サッカーシューズの靴底及びスキーブーツのような、並びにアームレスト、ドアパネル、バックシェルフ及びサンバイザーのような自動車部品のような、高剛性で、非脆性、高耐衝撃性及び低密度材料が望ましい用途で使用するのに特に適している。
【0046】
本発明を以下の実施例により説明する。
【0047】
実施例1〜4
Suprasec 2020*及びDaltocel F526**を金型に分配した(分配機、Krauss Maffei Comet 2020高圧ピストン機、出力は300g/秒であった)。この金型は、寸法30×60×0.3cmを有するスチール製金型であり、Battenfeldプレスに据え付けた。
【0048】
薬品と金型の温度は、それぞれ35℃と85℃であった。使用前に、この金型をAcmos 35-5015離型剤で処理した。離型時間は60秒であった。使用量(重量部)及びポリイソシアヌレートポリウレタン部品の物理的特性を以下の表に示す。
【0049】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネートとイソシアネート-反応性組成物とを反応させることを含む、ポリイ
ソシアヌレートポリウレタン材料の製造プロセスであって、ここで前記反応は、イソシアネートインデックス150〜1500で、且つ三量体化触媒の存在下で実施し、ここで前記ポリ
イソシアネートは、
a)4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート少なくとも40重量%及び/または、25℃で
液体であり且つ少なくとも20重量%のNCO価を有する前記ジフェニルメタンジイソシアネートの変異体を含む、ジフェニルメタンジイソシアネート(ポリイソシアネートa)80〜100重量%、及び
b)もう一種のポリイソシアネート(ポリイソシアネートb)20〜0重量%からなり、ここで前記イソシアネート-反応性組成物は、
a)平均公称官能基数2〜6、平均当量150〜1000、平均分子量600〜5000、オキシエチレン(EO)含有量75〜100重量%を有するポリエーテルポリオール80〜100%、及び
b)水を含まない一種以上の他のイソシアネート-反応性化合物20〜0重量%からなり、ポリオールa)と化合物b)の量は、このポリオールa)と化合物b)との総量に対して計算される、前記プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスに従って製造した材料。

【公開番号】特開2011−190457(P2011−190457A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122014(P2011−122014)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【分割の表示】特願2006−516118(P2006−516118)の分割
【原出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【出願人】(500030150)ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】