説明

ポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤及びこれを利用したポリイソシアネートの重合方法

【課題】 ポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤及びこれを用いて別途の添加剤を使用することなく、解重合抑制、反応時間及び反応効率が改善されたポリイソシアネートの重合方法を提供する。
【解決手段】 化学式1で表示される金属カーボネート化合物を反応開始剤として使用してイソシアネート単量体をアニオン重合で重合する。金属カーボネート開始剤は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などのアルカリ金属塩で製造され、特に好ましくは、ナトリウム塩を使用することが好ましい。
(化1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤及びこれを利用したポリイソシアネートの重合方法に関し、より詳細には、特定の金属カーボネート開始剤を利用したアニオン重合でポリイソシアネートを製造する方法に関する。上記開始剤がクラスターを形成し、開始と一緒に鎖の端部で末端陰イオンの安定性を保護し、制御された重合を進行し、別途の添加剤を使用することなく、解重合抑制、反応時間及び反応効率が向上したポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤及びこれを利用したポリイソシアネートの重合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ポリイソシアネートは、アニオン重合法で合成される[Bur, A. J.; Fetters, L. J. Chem. Rev. 1976, 76, 727.]。その代表的重合条件は、開始剤としてNaCN、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を各々使用し、−60℃の反応温度で重合を行う。しかし、類似な極性単量体であるメチルメタクリレートの重合と同様に、ポリイソシアネートのアニオン重合は、末端の活性陰イオンが主鎖のカルボニル群を攻撃するバックバイティング(backbiting)反応により熱力学的に安定した三量体を形成する傾向がある。したがって、高分子の分子量制御が難しく、単分散の高分子を得ることが難しいだけでなく、イソシアネート単量体の高い反応性によって高真空、極低温のような厳格な反応条件を必要とする。
【0003】
ポリイソシアネートの合成を制御する方法は、多くの研究者にとって非常に難しい課題となってきており、制御された構造を有するポリイソシアネートを陰イオン重合法で合成するための多くの研究が進行されてきた。
【0004】
一例として、Fukuwatari等は、ランタノイドイソプロポキシド(Lanthanoid isopropoxide)を開始剤として使用して、n−ヘキシルイソシアネートをアニオン重合した[Fukuwatari, N .; Sugimoto, H.; Inoue, S. Macromol. Rapid Commun.1996, 17.]。この反応結果によれば、−78℃の重合温度で90%の高い高分子収率を得、一般的重合反応が−40℃以上の反応温度では、三量化反応が優勢なので、高分子がほとんど得られないのに対し、−30℃の条件でも73%の高分子収率を得ることができた。これにより、既存の開始剤であるNaCNよりランタノイドイソプロポキシドがさらに効果的な開始剤であることを立証し、より高い反応温度で重合が可能であることを明らかにした。
【0005】
そして、Tsuyosiとその共同研究者は、イットリウムイソプロポキシド(Ytterium isopropoxide)を開始剤として使用して常温でポリヘキシルイソシアネートの単一重合体を合成したことがある[Ikeda, T.; Sugimoto, H.; Inoue, S. J. M. S.-Pure Appl. Chem. 1997, A(34), 1907.]。しかし、この反応は、改善された高分子の収率にもかかわらず、分子量の制御がなされていないし、単分散の高分子を得ることが難しいため、リビング重合条件を発見することができなかった。
【0006】
一方、ポリイソシアネート重合において、前述した三量化の次に問題になることは、溶媒に対する溶解度の問題である。
【0007】
一般的に提示されてきた溶媒であるジメチルホルムアミド(DMF)では、低温での単量体及び形成される高分子の溶解度が低いため、分子量分布が広く、収率が減少するという短所を有する。このような問題点を克服するために、Okamoto,Y.などは、トルエンとジメチルホルムアミド(DMF)を共溶媒として使用し、その結果、収率が向上する効果を得たが、分子量分布はそれほど大きく改善されなかった。このような低い溶媒度を克服するために、テトラヒドロフラン(THF)溶媒の使用が提示されたが、この場合、二量体及び三量体の形成がさらに深刻化される傾向が観察された。
【0008】
Wang、J.は、ランタン系列であるSmIを使用してポリイソシアネートを合成したが[Wang, J.; Nomura, R.; Endo, T. Chem. Lett. 1996, 10, 909.: Macromolecules 1996, 29, 2707.]、収率が32〜70%と低く、分子量分布が2〜4であって、調節されないという問題がある。
【0009】
Novak、B.M.は、CpTiCL(OR)などを用いて多様なイソシアネートをリビング配位重合したが[Patten, T. E.; Novak, B. M. J. Am. Chem. Soc. 1991, 113, 5065.: Macromolecules 1993, 26, 436.: Macromolecules 1996, 29, 5882.]、この場合、配位重合のためには、複雑な触媒を準備しなければならないだけでなく、触媒の価格が高く、収率も100%にならず、イソシアネートと他の単量体との共重合が不可能であるという短所がある。
【0010】
Okamoto、Y.等は、(S)−(−)−(2−メトキシメチル)ピロリドン、(S)−(+)−(2−ピロリドンイルメチル)ピロリドンのキラルリチウムアミド、1,2,5,6−ジイソプロピリデン−D−グルコース、(−)−メントール、(−)−ボルネオール、(2S,3R)−(+)−4−ジメチルアミノ−1,2−ジフェニル−3−メチル−2−ブタノールのキラルアルコキシドを使用し、テトラヒドロフランを溶媒として、−98℃の重合条件で芳香族ポリイソシアネートを重合したが、これらの研究では、リビング条件及び構造の制御のための様々な変数、例えば、反応時間、対イオンなどの変数を考慮しなかった。
【0011】
一方、本発明者らにより、特許文献1において、多様な官能基を有するイソシアネート単量体と金属イオンが長時間安定化され、二量体及び三量体が生成されないように、金属イオンに対する共通イオン塩を使用することによって、分子量の調節が可能であり、各種物性が顕著に改善され、多様な官能基を有するポリイソシアネートを合成したが、添加剤の使用による工程の困難性が存在した。
【0012】
また、 特許文献2は、多様な官能基を有するポリイソシアネートを合成する新しい開始剤としての金属アミデート(metal amidate)を使用することによって、添加剤を使用することなく、開始剤の使用だけで解重合を効果的に抑制し、制御された高分子を定量的に得たが、アミデート陰イオン(amidate anion)の低い反応性による長い反応時間と低い開始効率などの問題点が存在した。
【0013】
【特許文献1】大韓民国特許登録第10−419845号明細書
【特許文献2】大韓民国特許登録第10−454号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
これより、本発明者らは、従来のポリイソシアネートの製造時、二量体または三量体の形成による分子量の調節が難しく、添加剤の使用による工程上の困難性、低い反応性による反応収率の低下及び広い分子量分布度などの問題を有するところ、上記問題を解決し、分子量とその構造を制御しながら、反応効率が改善された新しいポリイソシアネートの重合方法の開発が切実に要求されている実情である。
【0015】
その結果、アルキル、アリール及び多様な官能基を有するイソシアネート単量体を、添加剤を使用することなく、特定の金属カーボネート化合物を開始剤として使用して、高真空と極低温の下でアニオン重合を行い、上記3つの開始剤分子がクラスターを形成し、開始と同時に解重合を効果的に抑制し、二量体及び三量体の形成を減少し、単分散及び分子量の制御がさらに容易なので、より安定した条件でアルキル、アリル及び多様な官能基を有するポリイソシアネート重合が可能であり、従来、金属アミデートのアミデート陰イオンに比べてカルボ陰イオン(carbanion)の高い反応性により所要の反応時間及び開始効率の改善が可能であることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0016】
したがって、本発明は、ポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤及びこれを用いて、別途の添加剤を使用することなく、解重合抑制、反応時間及び反応効率が改善されたポリイソシアネートの重合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様は、次の化学式1で表示されるポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤を提供する。
【0018】
【化1】

【0019】
上記化学式1で、Mは、Li、Na、K及びCsの中から選択されたアルカリ金属であり、R1及びR2は、各々炭素数1〜20のアルキル基または芳香族基を示す。
【0020】
また、本発明の別の態様は、イソシアネート単量体と上記化学式1で表示される金属カーボネート開始剤を使用したアニオン重合でポリイソシアネートを重合する方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によって特定の金属カーボネート開始剤を用いてポリイソシアネートの重合を行う場合、重合体の分子量の調節が可能であり、単分散及び高い収得率で重合体を合成することができ、カーボンイルクロライド化合物によるアンドギャッピングを通じてキラルを導入すれば、さらに高いキラリティを示すものと予想される。したがって、液晶材料とキラル認識物質の製造や光スイッチの製作などの光学材料として有用に使用することができ、本発明によってブロック共重合体の成分比を調節し、ブロック共重合体を合成した後、これをゾルゲル反応を通じてナノ多孔性物質を製造し、小さい誘電率定数を有する物質への応用が可能なものと期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、このような本発明をより詳細に説明する。
本発明は、上記化学式1で表示される金属カーボネート化合物を反応開始剤として使用してイソシアネート単量体をアニオン重合で重合する方法に関する。上記金属カーボネート化合物自体は、公知の化合物であるが、本発明のように重合反応の開始剤として使用したことがなく、特にポリイソシアネートの製造のための陰イオンの重合時に、使用したことがない。すなわち本発明は、新規な金属カーボネート化合物でなく、ポリイソシアネートの重合時に、開始剤として使われる金属カーボネート開始剤に技術構成上の特徴がある。
【0023】
上記化学式1で表示される金属カーボネート開始剤は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などのアルカリ金属塩で製造され、特に好ましくは、ナトリウム塩を使用することが好ましい。
【0024】
このような金属カーボネート開始剤は、当分野で一般的に使われる製造方法を簡略に示すと、次の化学式2で示された通りであり、このような方法は、通常の方法によって行われる。
【0025】
【化2】

【0026】
上記化学式2で、Mは、Li、Na、K及びCsの中から選択されたアルカリ金属であり、R1及びR2は、各々炭素数1〜20のアルキル基または芳香族基を示す。
【0027】
上記化学式2によれば、カルボニル化合物を同一当量のアルカリ金属と反応させて、上記化学式2で表示される金属カーボネートを製造し、水素の除去のために高い真空下で脱気し、反応時間は、略72時間所要される。
【0028】
上記化学式2で表示される金属カーボネートにおいて、好ましくは、Mがナトリウム(Na)であり、R1及びR2が各々C1〜C20のアルキル基、フェニル基、トリフルオロアルキルフェニル基及びナフタレン基である。
【0029】
一方、本発明は、上記化学式2で表示される金属カーボネート開始剤を利用したポリイソシアネートの重合方法に技術構成上の特徴があるところ、上記重合は、アニオン重合であり、当分野で一般的に使われるものであって、特に限定されるものではない。
【0030】
通常、上記重合は、イソシアネート単量体、開始剤及び有機溶媒の重合溶媒を使用して行われる。上記イソシアネート単量体は、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネートなどが使われ、以外にも、その他の官能基が置換されたイソシアネートを適用することができる。また、重合溶媒としては、様々な有機溶媒を使用することができるが、特に、イソシアネート単量体に対する溶解度が高いテトラヒドロフランであることが好ましい。
【0031】
このようなアニオン重合は、当分野で一般的に高真空及び極低温の下で行われ、具体的には10-5〜10-7torr圧力範囲、−30〜−110℃温度範囲及び5〜30分の反応時間の下で行われる。本発明の上記圧力及び温度は、最大限高真空と極低温を維持することが好ましく、好ましくは、10-6torr、−98℃で行うことが好ましい。圧力が10-5torrを超過したり、温度が−30℃を超過する場合には、バックバイティング反応による三量体が形成される問題があるので、上記範囲を維持することが好ましい。
【0032】
本発明に係るポリイソシアネートの重合反応を具体的に例示すれば、次の化学式3で示された通りである。
【0033】
【化3】

【0034】
上記化学式3で、Mは、Li、Na、K及びCsの中から選択されたアルカリ金属であり、R1及びR2は、各々アルキル基または芳香族基を示し、Rは、脂肪族または芳香族基を示す。
【0035】
上記化学式3による重合方法をより詳細に説明すれば、金属カーボネート開始剤を用いてイソシアネート単量体を開始する。初期開始剤は、金属カーボネート状態で存在するようになるが、開始剤分子のM+と隣り合う開始剤分子のカルボニル酸素の弱い相互作用によって、次の化学式4のように3つの開始剤分子がクラスターを形成する。ここにイソシアネート単量体を供給すれば、単量体のO=C=N−部分がカルボ陰イオンにより単量体を攻撃し、開始が生ずる。
【0036】
【化4】

【0037】
上記化学式4で、Mは、Li、Na、K及びCsの中から選択されたアルカリ金属であり、R1及びR2は、各々炭素数1〜20のアルキル基または芳香族基を示す。
【0038】
クラスターを形成する開始剤分子のうち1つの開始剤分子により開始が生じ、同時に、残りの2つの開始剤分子は、鎖の端部で末端陰イオンの安定性を保護する。
【0039】
次に、上記で形成されたカルボ陰イオンは、イソシアネート陰イオン単量体が続いて供給されることによって、鎖成長をする段階である。イソシアネート陰イオンが添加された単量体のO=C=N−を攻撃し、成長することを示す。クラスターを形成する開始剤分子のうち鎖の端部で末端陰イオンの安定性を保護する2つの開始剤分子は、バックバイティング反応による三量体の形成を効果的に抑制する。
【0040】
十分に鎖成長が進行すれば、イソシアネート単量体の代わりに、メタノールを添加し、重合反応を終結させる段階である。
【0041】
上記化学式3による重合を行うに際して、合成するポリイソシアネート分子量は、開始剤及び単量体の使用量で調節が可能である。例えば、初期に導入される開始剤の量が0.3mmolであり、単量体の量が2mmolであるとすれば、3つの開始剤分子により形成された1つのクラスターには、20個の単量体が付着されることを勘案して、全体分子量を調節することができる。
【0042】
本発明に係るポリイソシアネート重合を行うに際して、上記化学式1で表示される金属カーボネート開始剤を用いて分子量と分子量分布が制御されたポリイソシアネートの単一重合体を合成することもでき、または、上記化学式1で表示される開始剤と他のモノイソシアネート単量体のブロック共重合を用いて1次構造が制御されたブロック共重合体を合成することができる。したがって、本発明に係る重合方法によれば、ポリイソシアネートの単一重合体及び共重合体を容易に合成することができる。
【0043】
このような本発明を次の実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されるわけではない。
【0044】
(実施例1)
次の表1に示されたn−ヘキシルイソシアネート(HIC)を使用して次のような方法でポリ(n−ヘキシルイソシアネート)を製造した。反応条件は、−98℃、10-6torrにし、反応時間は、5分から15分に設定した。反応温度の設定のために恒温槽内でメタノールに液体窒素を加えてメタノールを凍らせた後、低温温度計を用いて温度を測定した。また、開始剤としては、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で等モル量のナトリウム金属とジオキシベンゾインとを反応させて得た薄い黄色のナトリウム−ジオキシベンゾイン(Na−DB)を製造して使用した。上記製造された開始剤は、直ちに真空ラインの下でガラスアンプルに保管され、適当な濃度に希釈した。精製されたイソシアネート単量体であるn−ヘキシルイソシアネートと上記方法で製造された開始剤及び反応終結剤が入っているガラスアンプルを含む重合装置(図1)は、真空ラインに連結され、内部が高真空の状態及び窒素雰囲気の状態になった後、シールし、真空ラインから分離した。装置は、その後、洗浄液により内部がもう一回洗浄された後、あらかじめ用意したメタノール恒温槽で開始剤のアンプルを破り、重合装置に導入した。その後、反応器の内部と反応物の温度平衡をなした後、単量体を導入した。反応の終結は、塩酸−メタノールの混合溶液によりなされ、生成された高分子は、過量のメタノールに沈殿した後、真空乾燥した。
【0045】
【表1】

【0046】
上記実施例1−1で合成したポリ(n−ヘキシルイソシアネート)の構造は、次の図3に示す1H−NMRスペクトルと、図4のポリ(n−ヘキシルイソシアネート)のFT−IRスペクトルで確認した。また、図5のゲル透過クロマトグラフィー分析スペクトルを通じて分子量が調節されたポリ(n−ヘキシルイソシアネート)が合成されたことを確認することができた。
【0047】
(実施例2)
上記実施例1と同様に実施するが、重合時の分子量の変化による影響を把握するために、次の表2に示すように、反応モル比を異にした。この時、最適の反応条件である反応時間は、10分に設定した。
【0048】
【表2】

【0049】
(実施例3)
上記実施例1と同様に実施するが、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートを使用してポリ(3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート)重合体を合成した。この時、反応時間は、5分〜12分に設定し、反応の終結は、メタノールによりなされ、生成された高分子は、過量のメタノールに沈殿した後、真空乾燥した。
【0050】
【表3】

【0051】
(実施例4)
リビング特性を確認するために、n−ヘキシルイソシアネートと3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのブロック共重合(Block copolymerization)を行った。
【0052】
上記実施例1と同様に実施するが、図2の重合装置を使用してn−ヘキシルイソシアネートを10分間重合した後、第二の単量体で3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートを8分間重合した。または、第一の単量体で3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートを8分間重合した後、第二の単量体でn−ヘキシルイソシアネートを10分間重合した。反応の終結は、メタノールによりなされ、生成された高分子は、過量のメタノールに沈殿した後、真空乾燥した。
【0053】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の単一重合体(homopolymer)合成に利用されたアニオン重合装置に対する概略図である。
【図2】本発明のブロック共重合体(block copolymer)の合成に利用されたアニオン重合装置に対する概略図である。
【図3】本発明の実施例1−1により合成されたポリ(n−ヘキシルイソシアネート)の1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図4】本発明の実施例1−1により合成されたポリ(n−ヘキシルイソシアネート)のFT−IRスペクトルを示す図である。
【図5】本発明の実施例1−1により合成されたポリ(n−ヘキシルイソシアネート)と、実施例4−1により合成されたポリ(n−ヘキシルイソシアネート)−b−ポリ(3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート)のゲル透過クロマトグラフィー分析スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
【0055】
10:主反応器、11:洗浄液含有アンプル、12:開始剤含有アンプル、13:反応終結剤含有アンプル、14、15:単量体含有アンプル、20:洗浄液回収管、10A、20A:切断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の化学式1で表示され、Mは、Li、Na、K及びCsの中から選択されたアルカリ金属であり、R1及びR2は、各々炭素数1〜20のアルキル基または芳香族基であることを特徴とするポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤。
【化1】

【請求項2】
次の化学式4で表示されるクラスターを形成したものでMは、Li、Na、K及びCsの中から選択されたアルカリ金属であり、R1及びR2は、各々炭素数1〜20のアルキル基または芳香族基であることを特徴とする請求項1に記載のポリイソシアネート重合用金属カーボネート開始剤。
【化4】

【請求項3】
イソシアネート単量体と開始剤を使用して陰イオン重合し、ポリイソシアネートを重合する方法において、
上記開始剤は、次の化学式1で表示される金属カーボネート開始剤でMは、Li、Na、K及びCsの中から選択されたアルカリ金属であり、R1及びR2は、各々炭素数1〜20のアルキル基または芳香族基であることを特徴とするポリイソシアネートの重合方法。
【化1】

【請求項4】
上記陰イオン重合は、10-5〜10-7torr範囲の圧力、−30〜−110℃範囲の反応温度及び5分〜30分範囲の反応時間の下で行われることを特徴とする請求項3に記載のポリイソシアネートの重合方法。
【請求項5】
上記ポリイソシアネートが単一重合体(homopolymer)または共重合体(copolymer)であることを特徴とする請求項3に記載のポリイソシアネートの重合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−31473(P2008−31473A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178254(P2007−178254)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(507012700)グァンジュ インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (9)
【Fターム(参考)】