説明

ポリウレタンの製造方法

【課題】 分子量分布が狭く有機ポリイソシアネートの残存量が少ないポリウレタンを安全に効率良く製造できる製造方法を提供すること。
【解決手段】 内部に微小管流路が形成された反応容器の該微小管内に、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体を、該流路を液密の加圧状態で流通させて、特に好ましくは、レイノルズ数5〜1000で連続的にコントロールすることで、イソシアネート基またはヒドロキシル基の反応選択性をコントロールしながら反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンの製造方法及びそれを使用した樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、本発明はマイクロリアクターを用いたポリウレタンを短時間で効率よく円滑に製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来用いられているポリウレタンの製造方法は常温で混合、ないしは80℃以下において混合し、昇温、反応温度は140℃以下であり、必要に応じて触媒、不活性溶剤や可塑剤の存在下で、また、不活性の窒素気流下で常圧において反応させている。しかしながら、従来の製造方法では反応生成物にフリーの有機ポリイソシアネートの残存があるために、物性的にもプロセス的にも好ましいものとは言えず、大きな課題となっている。上述の課題を解決するために有機ポリイソシアネートとポリエステルポリオールとを反応させて、イソシアネートプレポリマーを製造する際に、加圧下で反応させることを特徴とするイソシアネートプレポリマーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、残留する有機ポリイソシアネートの残存量を減少させるための蒸留方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの技術は耐圧釜等大掛かりな装置の導入が必要であった。また、プレポリマーの連続的製造方法も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら有機ポリイソシアネートの残存量を減少させる方法については何ら記載がなかった。
【0003】
近年、石油エネルギーの高騰から化学製品の製造方法の抜本的な見直しが迫られてきている。その中で、マイクロリアクターに対する関心が高まってきている。マイクロリアクターは狭い空間で反応を行う装置であり大掛かりな装置の導入も不必要で、投資コスト、製造コストの削減も期待される。また、マイクロリアクターは狭い空間で反応を行うため単位体積あたりの比表面積が大きく、このため反応温度の制御が容易であるという特長を有することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−179548号公報
【特許文献2】特開平03−128917号公報
【特許文献3】特開平04−283215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、分子量分布が狭く有機ポリイソシアネートの残存量が少ないポリウレタンを安全に効率良く製造できる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、内部に微小管流路が形成された反応容器の該微小管内に、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体を、該流路を液密の加圧状態で流通させて反応させることにより反応の選択性が向上し分子量分布が狭く有機ポリイソシアナートの残存量が少ないポリウレタンを安全に効率良く製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、内部に微小管流路が形成された反応容器の該微小管内に、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体を、該流路を液密の加圧状態で流通させて反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の製造方法に用いる化学反応デバイスの継手部を含めた概略図全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の製造方法に用いる化学反応デバイスの継手部を含めた概略図全体構成を示す水平断面図である。
【図3】図2における2種類のプレート構造を示す分解斜視図である。
【図4】実施例及び比較例で用いた製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【図5】本発明の好ましい形態として例示される出口混合のマイクロミキサーのプレート構造を模式的に示す概略構成図である。
【図6】本発明の製造方法に用いる出口混合のマイクロミキサーの継手部を含めた概略図全体構成を示す水平断面図である。
【図7】本発明の好ましい形態として例示される流路断面積が縮小された流路を含むプレート構造を模式的に示す概略構成図である。
【図8】本発明の製造方法に用いる流路断面積が縮小された流路を含むマイクロミキサーの継手部を含めた概略図全体構成を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次いで、本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に述べる。
【0010】
本発明におけるポリウレタンは、イソシアネート基を2個以上有する有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物をイソシアネート過剰のもとで調製されるポリウレタンが好ましい。
【0011】
有機ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、一部をカルボジイミド化されたジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、その他、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。これらの有機ポリイソシアネートは、有機ポリヒドロキシル化合物と反応させる場合、及び、そのままプレポリマー成分として使用する場合、何れにおいても1種又は2種以上の混合物として使用できる。
【0012】
本発明における活性水素含有化合物としては、例えばポリオールを使用することができる。前記ポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、および、低分子量ポリオール等を使用することができる。前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子中に活性水素含有基を2個以上有する開始剤と、アルキレンオキサイドとを反応させて得られるものを使用することができる。前記開始剤としては、例えば、水、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、サッカロース、エチレンジアミン、N−エチルジエチレントリアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、ジエチレントリアミン、燐酸、酸性リン酸エステル等を単独または2種以上を併用して使用することができる。なかでも、前記開始剤としては、水酸基含有化合物を使用することが好ましく、プロピレングリコールやグリセリン、ソルビトールを使用することがより好ましい。
【0013】
前記開始剤と反応しうるアルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を単独または2種以上併用して使用することができる。
【0014】
また、ポリエーテルポリオールとしては、前記開始剤と前記アルキレンオキサイドとの反応物のほかに、ポリマーポリオール、PHD(polyharnsstoff)ポリエーテルポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール等を使用することができる。尚、前記ポリマーポリオールは、ポリオール中で、アクリロニトリル、スチレンモノマー等のビニル基を有するモノマーをグラフト重合させたポリエーテル系ポリオールを指す。また、PHDポリエーテルポリオールは、ポリエーテル中でジアミンとジイソシアネートを反応させ、生成するポリウレアを安定分散させたポリオールを指す。
【0015】
また、本発明における活性水素含有化合物に使用可能なポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とを縮合反応させて得られるポリエステルポリオールや、環状エステルを開環重合して得られるポリエステルポリオールを使用することができる。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能なポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物等を単独または2種以上を併用して使用することができる。
また、前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸の脂肪族ポリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸やシクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族ポリカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸、及びそれらの無水物またはエステル誘導体を単独または2種以上併用して使用することができる。
【0016】
また、前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な環状エステルとしては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等を使用することができる。
【0017】
また、活性水素含有化合物に使用可能なポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるものや、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものを使用することができる。
【0018】
前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネ−ト等を使用することできる。
前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用することができる。
【0019】
また、活性水素含有化合物に使用可能な低分子量ポリオールとしては、前記ポリエステルポリオールを製造する際に使用可能なポリオールとして例示したものと同様のものを使用することができる。また、前記低分子量ポリオールとしては、更にエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン等を使用することもできる。
【0020】
また、活性水素含有化合物としては、前記したポリオール以外に、必要に応じて各種水酸基含有化合物を使用することができる。例えばアクリル共重合体に水酸基を導入したアクリルポリオール、分子内に水酸基を含有するブタジエンの共重合体であるポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物等を使用することができる。
【0021】
次に、本発明においては、反応条件としては、特に制限されるものではないが、活性水素とイソシアネート基との当量比として0.5〜2であることが、硬化性並びに貯蔵安定性の点から好ましい。
【0022】
本発明のポリウレタンの製造に際しては、加工時の粘度を低くする等の目的で少量の溶剤を使用することもできる。それらの溶剤として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、シクロヘキサノン、ジメチルフォルムアミド(DMF)、エチレングリコールモノエチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのような、公知慣用の種々の有機溶剤が使用できる。
本発明のポリウレタンの製造に際しては、必要に応じ触媒を用いることができる。触媒としては、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができ、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレートのような金属触媒などが挙げられる。
又、本発明のイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーには必要に応じて反応の任意の時点で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤その他の添加剤を加えることができる。
【0023】
本発明においてポリウレタンは内部に微小管流路が形成された反応容器の該微小管内に、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体を、該流路を液密の加圧状態で流通させて反応させることにより、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体の混合性が一般的なバッチ反応よりも著しく高められる。混合性が高められることにより有機ポリイソシアナート中のイソシアネート基、もしくは活性水素含有化合物中の活性水素含有基の反応選択性が高められ、本来反応すべき官能基同士の反応の選択性が高まり、副反応が抑えられることにより、分子量分布が狭く有機ポリイソシアナートの残存量が少ないポリウレタンを効率良く製造することができる。
ここで、内部に微小管流路が形成された反応容器は伝熱性反応容器であることが好ましい。流路比表面積がバッチ反応釜よりも大きいため伝導伝熱速度が速く上記ポリウレタンの製造を安全に執り行うことが可能になる。
【0024】
さらに、本発明においてポリウレタンは前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体をレイノルズ数0.25〜300で連続的にコントロールすることにより前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体の混合性がさらに高められることにより、さらに分子量分布が狭く有機ポリイソシアナートの残存量が少ないポリウレタンを安全に効率良く製造することができる。
ここで、該流体の流路内の移動をレイノルズ数0.25より大きい値でポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体の混合性が著しく低下せず、その結果、短時間に反応が起こらずに生産効率が悪くなるといった不具合が防止でき、滞留時間が長くならないで反応が終了するのでも尿素結合の生成やアロファネート結合の生成等の副反応、ゲル化がおこりにくいことから好ましい。また、レイノルズ数300以上にコントロールすることは装置上困難である。本発明においては前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体をレイノルズ数0.25〜300で連続的にコントロールすることにより前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体の混合性がさらに高められることにより、さらに分子量分布が狭く有機ポリイソシアナートの残存量が少ないポリウレタンを安全に効率良く製造することができ、3〜300となる状態で流路内を移動させるのがさらに好ましい。
【0025】
尚、本発明でいうレイノルズ数とは下記の式(1)に従って計算されるものである。
【0026】
レイノルズ数=(D×u×ρ)/μ・・・式(1)
ここで、D(流路の内径)、u(平均流速)、ρ(流体密度)、μ(流体粘度)である。
【0027】
本発明の製造方法における流体温度は、有機ポリイソシアナート中のイソシアネート基、もしくは活性水素含有化合物中の活性水素含有基の反応選択性を高め、本来反応すべき官能基同士の反応の選択性を高め、副反応が抑える目的で温度50℃〜200℃の範囲に反応制御することが好ましい。さらに好ましくは温度70℃〜180℃の範囲に反応制御することが好ましい。
反応温度50℃以下では反応速度が遅くなり、また200℃以上ではバッチの反応釜に対する反応選択性の優位性が保てなくなるため好ましくない。
ただし、一般的にバッチ反応釜での反応の場合100℃〜200℃の反応温度においては有機ポリイソシアナートと活性水素含有化合物の反応において尿素結合やアロファネート結合といった副反応がおこり最終的にはゲル化に至ることが知られている。
一方、本発明における内部に微小管流路が形成された反応容器の該微小管内における反応の場合、伝熱性反応容器の該微小管内における滞留時間を厳密に制御可能なため100℃〜200℃の反応温度であっても副反応が生じることなく反応を進めることができる。また、流路比表面積が大きいため伝導伝熱速度が速く上記温度に反応温度を保ったまま執り行うことが可能になる。
【0028】
本発明の製造方法で用いる反応容器としては熱交換機能を有し、且つ、微小管状流路内を液密状に流通する流体断面積が0.1〜4.0mmとなる空隙サイズを有する微小管状流路を有するものが好ましく、その他の要件については特に制限はない。このような反応容器としては、例えば、化学反応用デバイスとして用いられる部材中に前記流路(以下、単に「微小流路」ということがある)が設けられた反応容器等が挙げられる。
【0029】
微小管状流路の、断面形状は、正方形、長方形を含む矩形、台形や平行四辺形、三角形、五角形などを含む多角形状(これらの角が丸められた形状、アスペクト比の高い、すなわちスリット形状を含む)、星形状、半円、楕円状を含む円状などであってもよい。流路の断面形状は一定である必要はない。
【0030】
前記反応流路の形成方法は特に限定されるものではないが、一般的には、表面に溝を有する部材(X)の、溝を有する面に他の部材(Y)が積層、接合等により固着され、部材(X)と部材(Y)との間に空間として形成される。
【0031】
前記流路には、さらに熱交換機能が設けられても良い。その場合には、例えば、部材(X)表面に温調流体が流れるための溝を設け、該温調流体が流れる為の溝を設けた面に他の部材を接着ないし積層するなどの方法により固着すればよい。一般的には、表面に溝を有する部材(X)と温調流体が流れるための溝を設けた部材(Y)とが、溝を設けた面と、他の部材の溝を設けた面と逆側の面とを固着することによって流路を形成し、これら部材(X)と部材(Y)とを複数交互に固着すればよい。
【0032】
この際、部材表面に形成された溝は、その周辺部より低い、いわゆる溝として形成されていても良いし、部材表面に立つ壁の間として形成されていても良い。部材の表面に溝を設ける方法は任意であり、例えば、射出成型、溶剤キャスト法、溶融レプリカ法、切削、エッチング、フォトリソグラフィー(エネルギー線リソグラフィーを含む)、レーザーアブレーションなどの方法を利用できる。
【0033】
部材中の流路のレイアウトは、用途目的に応じて直線、分岐、櫛型、曲線、渦巻き、ジグザグ、その他任意の配置の形をしていてもよい。
【0034】
流路は、その他、例えば、混合場、抽出場、分離場、流量測定部、検出部、貯液槽、膜分離機構、デバイス内外への接続口、絡路、クロマトグラフィーや電気泳動の展開路、バルブ構造の一部(弁の周囲部分)、加圧機構、減圧機構などと接続していてもよい。
【0035】
部材の外形は、特に限定する必要はなく、用途目的に応じた形状を採りうる。部材の形状としては、例えば、プレート状、シート状(フィルム状、リボン状などを含む。)、塗膜状、棒状、チューブ状、その他複雑な形状の成型物などであってよい。厚みなどの外形的寸法は一定であることが好ましい。部材の素材は任意であり、例えば、重合体、ガラス、セラミック、金属、半導体などであって良い。
上記の形成方法で説明した流路は、少なくとも2つの部材を組み合わせて、部材間に形成された空間を流路とするものであるが、それ以外にも単なる管やパイプ形状のものを反応流路として用いても構わない。流路の長さとしては、所望の反応率が得られるよう適宜設定すればよいが、通常0.5〜100m、好ましくは3〜70mである。
【0036】
本発明の製造方法で用いる反応容器としては、例えば、微小管状流路を配設した伝熱性プレート状構造体と、混合液との間で熱交換が行われる流体を流す流路を配設した伝熱性プレート状構造体が交互に積層してなる装置等が挙げられる。この伝熱性反応容器の前方又はこの装置内に、別々に供給した化合物(A)と化合物(B)とを混合する混合空間を設けることもできる。本発明では、化合物(A)と、化合物(B)とを、これらを予め混合した混合液として連続的に前記反応容器に導入するのが好ましい。
【0037】
以下、本発明で用いる内部に微小管状流路が形成された反応容器について、具体的に説明する。図1は、混合液を流す微小管状流路を配設したプレートと、混合液との間で熱交換が行われる流体を流す流路を配設したプレートが交互に積層してなる反応容器で、微小管状流路内を液密状に流通する流体断面積が0.1〜4.0mmとなる空隙サイズを有する微小管状流路を有する反応容器(化学反応用デバイス1)の概略構成例である。
【0038】
前記化学反応用デバイス1は、例えば前記図1において同一の長方形板状からなる第1プレート(前記図1中の2)と第2プレート(前記図1中の3)とが複数交互に積層されて構成されている。各1枚の第1プレートには流路(以下、反応流路という)が設けられている(以下、反応流路が設けられたプレートをプロセスプレートという)。また第2プレートには温調流体用の流路(以下、温調流路という)が設けられている(以下、温調流路が設けられたプレートを温調プレートという)。
【0039】
図2に示すようにそれらの供給口および排出口が、化学反応用デバイス1の端面1b、1c、側面1d、1eの各領域に分散して配置され、それら領域に、有機ポリイソシアネート、活性水素化合物、さらに必要に応じて、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤その他の添加剤等を含む流体と、温調流体を流すためのコネクタ30とジョイント部31とからなる継手部32がそれぞれ連結されている。
【0040】
これらの継手部を介して、有機ポリイソシアネート、活性水素含有化合物、さらに必要に応じて、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤その他の添加剤等を含む流体が端面1bから供給されて、端面1cに排出され、温調流体が側面1eから供給されて側面1dに排出されるようになっている。
【0041】
化学反応用デバイス1の平面視形状は図示のような長方形とは限定されず、正方形状、または端面1b、1c間よりも側面1d、1e間が長い長方形状としてもよいが、以下では簡単のために図示形状に即して、端面1bから端面1cに向かう方向を、化学反応用デバイス1のプロセスプレートと温調プレートの長手方向と称し、側面1dから側面1eに向かう方向を化学反応用デバイス1のプロセスプレートと温調プレートの短手方向と称することにする。
【0042】
プロセスプレートは、図3に示すように、一方の面2aに断面凹溝形状の流路4をプロセスプレートの長手方向に貫通して延し、短手方向に所定間隔pで複数本配列したものである。流路4の長さをLとする。断面形状は、幅w、深さdとする。
【0043】
流路4の断面形状は、有機ポリイソシアネート、活性水素含有化合物、さらに必要に応じて、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤その他の添加剤等を含む流体の種類、流量や流路長さLに応じて適宜設定することができるが、断面内の温度分布の均一性を確保するために、幅w、深さdは、それぞれ0.1〜500〔mm〕、0.1〜5〔mm〕の範囲に設定している。なお、幅、深さの記載は図面を参照した場合であって、この値は熱伝面に対して広い値となる様に適宜解釈しうる。特に限定されるものではないが、プレート当たり、例えば1〜1000本、好ましくは10〜100本である。
【0044】
前記、有機ポリイソシアネート、活性水素含有化合物、さらに必要に応じて、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤その他の添加剤等を含む流体は各流路4内に流され、図1ないし図3に矢印で示すように、一方の端面2b側から供給されて他方の端面2c側へ排出される。
【0045】
温調プレートは、図1に示すように、一方の面3aに断面凹溝形状の温調流路6が所定の間隔だけ離れて設けられている。温調流路6の断面積は、反応流路に対して熱を伝えることができれば特に限定されるものではないが概ね1×10-2〜2.5×10(mm)の範囲である。更に好ましくは0.32〜4.0(mm)である。温調流路6の本数は、熱交換効率を考慮して適宜の本数を採用することができ、特に限定されるものではないが、プレート当たり、例えば1〜1000本、好ましくは10〜100本である。
【0046】
温調流路6は、図1及び図3に示す様に、温調プレートの長手方向に沿って複数本配列された主流路6aと、主流路6aの上流側及び下流側端部でそれぞれ流路4と略直交に配置されて各主流路6aに連通する供給側流路6bおよび排出側流路6cとを備えていてもよい。図1及び図3では供給側流路6bと排出側流路6cは2回直角に屈曲して温調プレートの側面3d、3eからそれぞれ外部に開口している。温調流路6の各流路の本数は、温調流路6の主流路6a部分のみが複数本配列され、供給側流路6bおよび排出側流路6cはそれぞれ1本で構成されている。
【0047】
なお、温調流路6の各主流路6aは、流路4に対して、温調プレートの短手方向において、流路4が分布する範囲を積層方向に重なる範囲に設けられ、好ましくは各主流路6aが、隣り合う2本の流路4、4間に位置するように積層方向に配列し、さらに好ましくは、各主流路6aが各流路4に積層方向に重なるように配列する。
【0048】
各複数のプロセスプレート、温調プレートは、プロセスプレート、温調プレートを同一方向に交互に重ねて積層され、互いに固着、積層されている。
【0049】
そのため、化学反応用デバイス1の形態において、各流路4、温調流路6は、凹溝の開口面が上に積層されるプレートの下面により覆われ、両端が開口する長方形断面のトンネル形状とされる。
【0050】
このような各プロセスプレート、温調プレートは、適宜の金属材料を用いることができるが、例えばステンレス鋼板にエッチング加工を施すことにより流路4、温調流路6などを形成し、流路面を電解研磨仕上げするなどして製作することができる。
【0051】
本発明の製造方法で用いる流路が設けられてなる化学反応用デバイスを有する装置としては、例えば、図4に記載のある製造装置を例示できる。具体的には、例えば、以下の化学反応デバイスを有する製造装置を例示できる。
【0052】
<反応装置を構成する化学反応デバイス>
化学反応デバイスは図1に示す構造であり、構造としては、プロセスプレートと温調プレートと交互に積層している。プロセスプレートには流路4が形成されおり、また、温調プレートには温調流路6が形成されている。
【0053】
図4に記載のある製造装置に用いられる化学反応デバイス40はドライエッチング加工により反応流路4が5本形成されたプロセスプレート2枚と同じくエッチング加工により温調流路6が5本形成された温調プレート3枚が交互に積層されている。プロセスプレート2と温調プレート3の材質はSUS304であり、板厚は1mmである。反応流路4と温調流路6の断面寸法はともに幅1.2mm×深さ0.5mmである。
【0054】
図4において、活性水素含有化合物等を含む流体(61)を入れるタンク62(第1のタンク)の流出口とプランジャーポンプ65の流入口とが、活性水素含有化合物等を含む流体が通る配管を介して接続されており、また、有機ポリイソシアネート等を含む流体を入れるタンク64(第1のタンク)の流出口とプランジャーポンプ66の流入口とが、有機ポリイソシアネート等を含む流体(63)が通る配管を介して接続されている。プランジャーポンプ65の流出口及びプランジャーポンプ66の流出口からは、それぞれプランジャーポンプ65またはプランジャーポンプ66を通して活性水素含有化合物等を含む流体又は有機ポリイソシアネート等を含む流体が通る配管が伸びており、これらの配管はミキサー67の流入口に接続されている。
【0055】
このミキサー67で活性水素含有化合物等を含む流体(61)と有機ポリイソシアネート等を含む流体(63)とが混合され、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体となる。この流体はミキサー67の流出口に接続された配管を通して、化学反応用デバイス40の流入口1bへと移動する。化学反応用デバイス40には温調装置68が接続されている。前記化学反応用デバイス40中の微小流路を移動していくことによりラジカル重合性単量体が重合反応する。化学反応用デバイス40中の微小流路を移動し化学反応用デバイス40の流出口1cと到達する。その後、流出口に接続された配管を通して冷却用熱交換器69の流入口へと移動する。
【0056】
活性水素含有化合物等を含む流体(61)と有機ポリイソシアネート等を含む流体(63)とが混合された流体を混合するためのミキサーとしてはマイクロミキサーを用いることができる。
【0057】
このためのマイクロミキサーとしては市販されているマイクロミキサーを用いることが可能であり、例えばインターディジタルチャンネル構造体を備えるマイクロリアクター、インスティチュート・フュール・マイクロテクニック・マインツ(IMM)社製シングルミキサーおよびキャタピラーミキサー;ミクログラス社製ミクログラスリアクター;CPCシステムス社製サイトス;山武社製YM−1、YM−2型ミキサー;島津GLC社製ミキシングティーおよびティー(T字コネクタ);マイクロ化学技研社製IMTチップリアクター;東レエンジニアリング開発品マイクロ・ハイ・ミキサー等が挙げられ、いずれも本発明で使用することができる。
【0058】
さらに、好ましい形態のマイクロミキサーシステムとして、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とをそれぞれ別々の流路に流通させ、前記両方の流路の出口に設けられた合流部で混合するものであるマイクロミキサーを用いることが好ましい。
【0059】
ここで、流路の出口とは空間の周囲に、複数の微細流路からなる一群の流路が、複数群配設され、各一群の流路からは液が供給され、複数群の流路から複数の液が供給され、空間内において複数群の流路から供給された流体が混合する部分をいう。
【0060】
本発明に用いる有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物のうち有機ポリイソシアネートは液粘度が室温において数十mPa・s以下の低いものが多く、一方活性水素含有化合物は液粘度が室温において数十mPa・s〜数百Pa・sを超える高いものが多くある。活性水素含有化合物等を含む流体と有機ポリイソシアネート等を含む流体とをマイクロミキサーを用い混合する場合、混合性に対し粘度の低い有機ポリイソシアネートと粘度の高い活性水素含有化合物の粘度差が充分な混合を妨げる場合がある。前記両方の流路の出口に設けられた合流部で混合するものであるマイクロミキサーを用いることにより粘度差のある有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物であっても有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体の混合性がより高められ、分子量分布が狭く有機ポリイソシアナートの残存量が少ないポリウレタンを効率良く製造することができる。
【0061】
前記両方の流路の出口に設けられた合流部で混合するものであるマイクロミキサーを用いることにより粘度差のある有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物であっても有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体の混合性がより高められる理由としては、比較的粘度の高い活性水素含有化合物等を含む流体に比較的粘度の低い有機ポリイソシアネートを含む流体が混合される場合、比較的粘度の低い有機ポリイソシアネートが混合部において偏流や間欠送り等になり充分な混合が妨げられる可能性がある。例えば一般的に非常によく用いられるT字コネクタはこの危険性が高いが、前記両方の流路の出口に設けられた合流部で混合するものであるマイクロミキサーを用いた場合は各微小管流路出口で、この出口に設置した混合室で混合した場合、混合室の断面積は微小管流路と比較して大きくなる。このため粘度差があっても低粘度流体が流れる断面積が大きくなる。また、各微小管流路出口部では混合室に向かう流体の流れが同方向であるため、粘度差があっても偏流がなく混合することが可能になる。
【0062】
上記の形成方法で説明した反応流路は、少なくとも2つの部材を組み合わせて、部材間に形成された空間を反応流路とするものであるが、それ以外にも単なる管やパイプ形状のものを反応流路として用いても構わない。
【0063】
この他前記両方の流路の出口に設けられた合流部で混合するものであるマイクロミキサーとして好ましい形態としては例えば図5に示されるマイクロミキサーが例示される。
【0064】
図5は、同一の長方形板状からなる第5プレート(前記図5中の5)と第8プレート(前記図5中の8)とが複数交互に積層されて構成されている。図5において活性水素含有化合物等を含む流体(61)および有機ポリイソシアネート等を含む流体(63)がそれぞれ継手部を介してプレート上の断面凹溝形状の流路5aもしくは8aを通じ供給され継手部に排出されることにより活性水素含有化合物等を含む流体(61)および有機ポリイソシアネート等を含む流体(63)がプレート出口で混合されることになる。図5のマイクロミキサーは温調流路が設けられたプレートを温調プレート3と積層することによりミキシングプレート上の反応溶液に対し熱を伝えることが可能になる。
【0065】
図6では、流体の供給口および排出口が、マイクロミキサーの端面1b、1c、側面1d、1eの各領域に分散して配置され、それら領域に、有機ポリイソシアネートを含む流体(63)(図6においてδが有機ポリイソシアネートを含む流体(63)の液流れを示す)、および活性水素化合物を含む流体(61)(図6においてεが活性水素化合物を含む流体(61)の液流れを示す)、温調流体(図6においてγが温調流体の流れを示す)それぞれを流すためのコネクタ30とジョイント部31とからなる継手部32がそれぞれ連結されている。図6において、有機ポリイソシアネートを含む流体(63)、および活性水素化合物を含む流体(61)は流路出口における空間33において混合される。
【0066】
さらに、好ましい形態のマイクロミキサーシステムとして、前記有機ポリイソシアネート(63)と活性水素含有化合物(61)とをそれぞれ2液が流路出口で混合可能な構造を有する内部に微小管状流路が形成されたマイクロミキサーを用い混合した後、さらに流れ方向で流路断面積が縮小された流路に供給しながら流通させることにより混合を促進するものであるマイクロミキサー(図4におけるマイクロミキサー75)を用いることが好ましい。
【0067】
さらに流れ方向で流路断面積が縮小された流路としては例えば図7に示される流路が例示される。図7において継手部を介しマイクロミキサーで混合された活性水素含有化合物等を含む流体(61)と有機ポリイソシアネート等を含む流体(63)の混合液が供給され、プレート上の断面凹溝形状の流路13aの縮小された流路において流速が高められることにより拡散混合が進められる。
【0068】
前記有機ポリイソシアネート(63)と活性水素含有化合物(61)とをそれぞれ2液が流路出口で混合可能な構造を有する内部に微小管状流路が形成されたマイクロミキサーを用い混合した後、さらに流れ方向で流路断面積が縮小された流路に供給しながら流通させることにより、2液が流路出口で混合可能な構造を有する内部に微小管状流路が形成されたマイクロミキサーにおいて前記有機ポリイソシアネートを含む流体(63)と活性水素含有化合物を含む流体(61)が偏流なく均一に混合された後、流路断面積が縮小された流路内においてさらに拡散混合が進められる。
【0069】
図7のマイクロミキサーは温調流路が設けられたプレートを温調プレート3と積層することによりミキシングプレート上の反応溶液に対し熱を伝えることが可能になる。
【0070】
図8に示すようにそれらの供給口および排出口が、マイクロミキサーの端面1b、1c、側面1d、1eの各領域に分散して配置され、それら領域に、有機ポリイソシアネートを含む流体(63)、および活性水素化合物を含む流体(61)(図7においてαが液流れを示す)、温調流体(図7においてγが温調流体の流れを示す)それぞれを流すためのコネクタ30とジョイント部31とからなる継手部32がそれぞれ連結されている。
【0071】
前記前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とをそれぞれ2液が流路出口で混合可能な構造を有する内部に微小管状流路が形成されたマイクロミキサーを用い混合した後、さらに流れ方向で流路断面積が縮小された流路に供給しながら流通させることにより混合を促進するものであるマイクロミキサーを用いることにより有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体の混合性がより高められ、分子量分布が狭く有機ポリイソシアナートの残存量が少ないポリウレタンを効率良く製造することができる。
【0072】
冷却用熱交換器69の流入口へと移動した重合反応物を含有する流体は冷却用熱交換器69中を移動しながら冷却され、冷却用熱交換器69の流出口へと到達する。流出口に接続された配管を通して冷却用熱交換器69から流体βは排出され、排圧弁71を通して受け容器72へと排出される。
【実施例】
【0073】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に述べる。例中、%、重量は特に断りがない限り重量基準である。
【0074】
<本実施例及び比較例で使用した化学反応用デバイス>
本実施例では図1に示す構造の化学反応デバイス40を用いた。構造としては、プロセスプレート2と温調プレート3とを交互に積層した構造である。プロセスプレートには流路4が形成されており、また、温調プレートには温調流路6が形成されている。
化学反応デバイス40はドライエッチング加工により反応流路4が5本形成されたプロセスプレート2枚と同じくエッチング加工により温調流路6が5本形成された温調プレート3枚が交互に積層されている。プロセスプレート2と温調プレート3の材質はSUS304であり、板厚は1mmである。反応流路4と温調流路6の断面寸法はともに幅1.2mm×深さ0.5mmである。
【0075】
<本実施例で使用した出口混合マイクロミキサー>
本実施例では図6に示す構造のミキシングプロセスプレート5、8を用いた。マイクロミキサーの構造としては、ドライエッチング加工により流路5a、8aが形成されたミキシングプレート5,8を上下に積層し、さらにその上下に図1で用いられている温調プレート3を積層した構造を用いた。具体的には、本実施例では、有機ポリイソシアネートをプレート8の流路8aに、活性水素含有化合物をプレート5の流路5aに導入し、流路出口にて二つの流体を合一混合させた。プロセスプレート5、8の材質はSUS304であり、板厚は0.4mmである。流路5aの出口断面積は幅6mm×深さ0.2mm、流路8aの出口断面積は幅7.4mm×深さ0.5mmである。
<本実施例で使用した流路断面積が縮小された流路>
本実施例では図7に示す構造の流路断面積が縮小された流路プレート13を用いた。流路径が縮小された流路の構造としては、ドライエッチング加工により流路13aが形成されたプレート13の上下に図1で用いられている温調プレート3を積層した構造を用いた。具体的には、先の出口混合マイクロミキサーで混合された有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物の混合液をプレート13の流路13aに導入し、混合を促進させた。プレート13の材質はSUS304であり、板厚は0.4mmである。反応流路13aの断面寸法は幅4mm×深さ0.2mmの流路が断面積幅0.4mm×深さ0.2mmに縮小されている。
【0076】
<重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の測定>
分子量分布の測定には、検出器として屈折率検出器(RI)、測定用カラムとしてTSKgel G1000HXL+G2000HXL+G3000HXL+G4000HXLを具備した東ソー株式会社製HLC-8120GPCを用いた。測定条件は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、0.2〜0.3%の濃度に試料を調整し、カラム温度40℃、流速1.0ml/minの条件で測定を行った。
<残存イソシアネートの測定>
残存イソシアネートの測定には、検出器として屈折率検出器(RI)、測定用カラムとしてTSKgel G1000HXL+G2000HXL+G3000HXLを具備した東ソー株式会社製HLC-8120GPCを用いた。測定条件は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、0.4%の濃度に試料を調整し、カラム温度40℃、流速1.0ml/minの条件で測定を行った。
<尿素結合、アロファネート結合等の副反応の有無の測定>
13C−NMR(JOEL製JNM−ECA500)により本発明の実施例により得られたポリウレタン溶液中に尿素結合、アロファネート結合等の副反応由来の結合が存在するか測定を行った。
【0077】
実施例1
図4に示す製造装置において化学反応デバイスを10個直列に繋いだ装置を用いてポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG1000)(OH当量=506.3)と2,4-トリレンジイソシアネートTDI(イソシアネート当量=86)を混合して反応を行った。プランジャーポンプ65及び66を用いて、第一のタンク62中のPTMG1000と第二のタンク63中のTDIをイソシアネート/OH=2.0になる比率(PTMG1000=18.61g/min、TDI=6.39g/min)で流速25g/min、レイノルズ数が50になるように図5に示すマイクロミキサー、図7に示す流路断面積が縮小された流路、化学反応デバイス、冷却用熱交換器、背圧弁へと連続的に流し、吐出された反応混合物を受け容器にて受け取ることによりポリウレタンの製造を行った。なお、マイクロミキサー内では、温調装置にて、40℃の温調流体(オイル)を温調プレートの温調流路6に連続して流し、PTMG1000とTDIの混合を行い、流路断面積が縮小された流路において、同じく40℃で混合を促進し、化学反応用デバイスでは、温調装置にて、100℃の温調流体(オイル)を温調プレートの温調流路6に連続して流した。冷却用熱交換器69では温調装置70にて、70℃の温水を連続して流した。排圧弁71にて管内圧を2MPaにて行った。レイノルズ数の計算として反応混合液の密度を1000kg/m、粘度1mPa・sとして計算を行った。
【0078】
反応生成物中の未反応のイソシアネート基の定量結果から、反応時間45秒で反応率が90.8%であることがわかった。その後60℃で反応を進めることにより本発明のポリウレタンを得た。残存TDIの測定を行ったところ1.50%であった。また、重量平均分子量(Mw)3,650、数平均分子量(Mn)2282であり、Mw/Mnは1.60であった。
分子量分布が狭く、残存TDI量の少ないポリウレタンを安全に効率よく製造することができた。また、13C−NMRにより尿素結合、アロファネート結合等の副反応が無いことを確認した。
【0079】
実施例2
図4に示す製造装置において化学反応デバイスを10個直列に繋いだ装置を用いてPTMG1000とTDIを混合して反応を行った。プランジャーポンプ65及び66を用いて、第一のタンク62中のPTMG1000と第二のタンク63中のTDIがイソシアネート/OH=2.0になる比率(PTMG1000=1.86g/min、TDI=0.64g/min)で流速が2.5g/min、レイノルズ数が5.0になるようにミキサー、化学反応デバイス、冷却用熱交換器、背圧弁へと連続的に流し、吐出された反応混合物を受け容器にて受け取ることによりウレタンプレポリマーの製造を行った。なお、ミキサー内ではPTMG1000とTDIの混合を行い、化学反応用デバイスでは、温調装置にて、80℃の温調流体(オイル)を温調プレートの温調流路6に連続して流した。冷却用熱交換器69では温調装置70にて、70℃の温水を連続して流した。排圧弁71にて管内圧を2MPaにて行った。
【0080】
反応生成物中の未反応のイソシアネート基の定量結果から、反応時間450秒で反応率が68.2%であることがわかった。その後60℃で反応を進めることにより本発明のポリウレタンを得た。残存TDIの測定を行ったところ0.30%であった。また、重量平均分子量(Mw)3,580、数平均分子量(Mn)2260であり、Mw/Mnは1.58であった。分子量分布が狭く、残存TDI量の少ないポリウレタンを安全に効率よく製造することができた。また、13C−NMRにより尿素結合、アロファネート結合等の副反応が無いことを確認した。
【0081】
実施例3
図4に示す製造装置において化学反応デバイスを10個直列に繋いだ装置を用いてPTMG1000とTDIを混合して反応を行った。プランジャーポンプ65及び66を用いて、第一のタンク62中のPTMG1000と第二のタンク63中のTDIをイソシアネート/OH=2.0になる比率(PTMG1000=18.61g/min、TDI=6.39g/min)で流速が25g/min、レイノルズ数が50になるようにミキサー、化学反応デバイス、冷却用熱交換器、背圧弁へと連続的に流し、吐出された反応混合物を受け容器にて受け取ることによりウレタンプレポリマーの製造を行った。なお、ミキサー内ではPTMG1000とTDIの混合を行い、化学反応用デバイスでは、温調装置にて、160℃の温調流体(オイル)を温調プレートの温調流路6に連続して流した。冷却用熱交換器69では温調装置70にて、70℃の温水を連続して流した。排圧弁71にて管内圧を2MPaにて行った。
【0082】
反応生成物中の未反応のイソシアネート基の定量結果から、反応時間45秒で反応率が68.2%であることがわかった。その後60℃で反応を進めることにより本発明のポリウレタンを得た。残存TDIの測定を行ったところ2.0%であった。また、重量平均分子量(Mw)3,790、数平均分子量(Mn)2,340であり、Mw/Mnは1.62であった。
【0083】
分子量分布が狭く、残存TDI量の少ないポリウレタンを安全に効率よく製造することができた。また、13C−NMRにより尿素結合、アロファネート結合等の副反応が無いことを確認した。
【0084】
実施例4
図4に示す製造装置において化学反応デバイスを10個直列に繋いだ装置を用いてPTMG1000とTDIを混合して反応を行った。プランジャーポンプ65及び66を用いて、第一のタンク62中のPTMG1000と第二のタンク63中のTDIをイソシアネート/OH=2.0になる比率(PTMG1000=74.4g/min、TDI=25.6g/min)で流速100g/min、レイノルズ数が200になるようにミキサー、化学反応デバイス、冷却用熱交換器、背圧弁へと連続的に流し、吐出された反応混合物を受け容器にて受け取ることによりウレタンプレポリマーの製造を行った。なお、ミキサー内ではPTMG1000とTDIの混合を行い、化学反応用デバイスでは、温調装置にて180℃の温調流体(オイル)を温調プレートの温調流路6に連続して流した。冷却用熱交換器69では温調装置70にて、70℃の温水を連続して流した。排圧弁71にて管内圧を2MPaにて行った。
【0085】
反応生成物中の未反応のイソシアネート基の定量結果から、反応時間12秒で反応率が91.0%であることがわかった。その後60℃で反応を進めることにより本発明のポリウレタンを得た。残存TDIの測定を行ったところ2.0%であった。また、重量平均分子量(Mw)3,800、数平均分子量(Mn)2,340であり、Mw/Mnは1.64であった。
分子量分布が狭く、残存TDI量の少ないポリウレタンを安全に効率よく製造することができた。また、13C−NMRにより尿素結合、アロファネート結合等の副反応が無いことを確認した。
【0086】
実施例5
図4に示す製造装置において化学反応デバイスを10個直列に繋いだ装置を用いてPTMG1000とTDIを混合して反応を行った。プランジャーポンプ65及び66を用いて、第一のタンク62中のPTMG1000と第二のタンク63中のTDIをイソシアネート/OH=2.0になる比率(PTMG1000=0.112g/min、TDI=0.0383g/min)のモル比の比率で流速0.15g/min、レイノルズ数が0.3になるようにミキサー、化学反応デバイス、冷却用熱交換器、背圧弁へと連続的に流し、吐出された反応混合物を受け容器にて受け取ることによりウレタンプレポリマーの製造を行った。なお、ミキサー内ではPTMG1000とTDIの混合を行い、化学反応用デバイスでは、温調装置にて、80℃の温調流体(オイル)を温調プレートの温調流路6に連続して流した。冷却用熱交換器69では温調装置70にて、70℃の温水を連続して流した。排圧弁71にて管内圧を2MPaにて行った。
【0087】
反応生成物中の未反応のイソシアネート基の定量結果から、反応時間23秒で反応率が78.3%であることがわかった。その後60℃で反応を進めることにより本発明のポリウレタンを得た。残存TDIの測定を行ったところ0.5%であった。また、重量平均分子量(Mw)4,070、数平均分子量(Mn)2,440であり、Mw/Mnは1.67であった。
分子量分布が狭く、残存TDI量の少ないポリウレタンを安全に効率よく製造することができた。また、13C−NMRにより尿素結合、アロファネート結合等の副反応が無いことを確認した。
【0088】
実施例6
図4に示す製造装置において化学反応デバイスを10個直列に繋いだ装置を用いてPTMG1000とTDIを混合して反応を行った。プランジャーポンプ65及び66を用いて、第一のタンク62中のPTMG1000と第二のタンク63中のTDIをイソシアネート/OH=2.0になる比率(PTMG1000=37.2g/min、TDI=12.8g/min)のモル比の比率で流速50g/min、レイノルズ数が100になるようにミキサー、化学反応デバイス、冷却用熱交換器、背圧弁へと連続的に流し、吐出された反応混合物を受け容器にて受け取ることによりウレタンプレポリマーの製造を行った。なお、ミキサー内ではPTMG1000とTDIの混合を行い、化学反応用デバイスでは、温調装置にて、160℃の温調流体(オイル)を温調プレートの温調流路6に連続して流した。冷却用熱交換器69では温調装置70にて、70℃の温水を連続して流した。排圧弁71にて管内圧を2MPaにて行った。
【0089】
反応生成物中の未反応のイソシアネート基の定量結果から、反応時間23秒で反応率が90.0%であることがわかった。その後60℃で反応を進めることにより本発明のポリウレタンを得た。残存TDIの測定を行ったところ1.8%であった。また、重量平均分子量(Mw)3,770、数平均分子量(Mn)2,330であり、Mw/Mnは1.62であった。
分子量分布が狭く、残存TDI量の少ないポリウレタンを安全に効率よく製造することができた。また、13C−NMRにより尿素結合、アロファネート結合等の副反応が無いことを確認した。
【0090】
比較例1
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素吹き込み口、エアー吹き込み口を備えた4つ口フラスコにTDI343.6gを仕込み、フラスコ内を70℃に昇温し、PTMG1000 1000gを2時間かけて滴下し、滴下終了後、70℃に昇温し、70℃で5時間反応を継続した。残存イソシアネート基(NCO%)がサチュレーションした時点で反応を終了し、比較対照用ウレタンプレポリマーを得た。
【0091】
バッチ反応により得られた反応生成物中の未反応のイソシアネート基の定量結果から、反応時間8時間で反応率が100%となり、残存NCO%は、2.3%であった。
【0092】
バッチ反応により得られた反応生成物の重量平均分子量(Mw)は3810、数平均分子量(Mn)は2310であり、Mw/Mnは1.65であった。
分子量分布がやや広く、残存TDI量が多いものであった。
【0093】
比較例2
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素吹き込み口、エアー吹き込み口を備えた4つ口フラスコにTDI343.6gを仕込み、フラスコ内を160℃に昇温し、PTMG1000 1000gの滴下を2時間かけて滴下する速度で開始した。滴下開始30分後フラスコ内がゲル化して黄色に着色したゲルが得られた。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【符号の説明】
【0096】
α・・・・・有機ポリイソシアネート化合物等を含む流体と活性水素含有化合物を含む流体の混合流体
β・・・・・有機ポリイソシアネート化合物等を含む流体と活性水素含有化合物を含む
流体の反応流体
γ・・・・・温調流体
δ・・・・・活性水素含有化合物を含む流体
ε・・・・・有機ポリイソシアネートを含む流体
1・・・・・化学反応用デバイス
1b・・・・化学反応用デバイスの端面
1c・・・・化学反応用デバイスの端面
1d・・・・化学反応用デバイスの側面
1e・・・・化学反応用デバイスの側面
2・・・・・第1プレート(プロセスプレート)
2a・・・・第1プレートの面
2b・・・・第1プレートの端面
2c・・・・第1プレートの端面
2d・・・・第1プレートの側面
2e・・・・第1プレートの側面
3・・・・・第2プレート(温調プレート)
3a・・・・第2プレートの面
3b・・・・第2プレートの端面
3c・・・・第2プレートの端面
3d・・・・第2プレートの側面
3e・・・・第2プレートの側面
4・・・・・断面凹溝形状の流路
6・・・・・断面凹溝形状の温調流路
6a・・・・断面凹溝形状の主流路
6b・・・・断面凹溝形状の供給側流路
6c・・・・断面凹溝形状の排出側流路
p0・・・・所定間隔
w0・・・・・幅
d0・・・・・深さ
L・・・・・・流路長さ
5・・・・・ミキシングプレート
8・・・・・ミキシングプレート
5a・・・・ミキシングプレートの断面凹溝形状の流路
8a・・・・ミキシングプレートの断面凹溝形状の流路
13・・・・・ミキシングプレート
13a・・・・ミキシングプレートの断面凹溝形状の流路
30・・・・・コネクタ
31・・・・・ジョイント部
32・・・・・継手部
33・・・・・流路出口の空間部分
40・・・・・化学反応デバイス
80・・・・・製造装置
61・・・・・活性水素含有化合物を含む流体
62・・・・・第1のタンク
63・・・・・有機ポリイソシアネートを含む流体
64・・・・・第2のタンク
65・・・・・プランジャーポンプ
66・・・・・プランジャーポンプ
67・・・・・ミキサー
68・・・・・温調装置
69・・・・・冷却用熱交換器
70・・・・・温調装置
71・・・・・排圧弁
72・・・・・受け容器
73・・・・・ミキサー
74・・・・・温調装置
75・・・・・温調装置
80・・・・・実施例及び比較例で用いた樹脂の製造装置を模式的に示す概略構成図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に微小管流路が形成された反応容器の該微小管内に、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体を、該流路を液密の加圧状態で流通させて反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【請求項2】
内部に微小管流路が形成された反応容器が内部に微小管流路が形成された伝熱性反応容器である請求項1記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項3】
前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体をレイノルズ数0.25〜300で連続的にコントロールする請求項1または2記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項4】
前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体が、温度50℃〜200℃の範囲に反応制御する請求項1または2記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項5】
有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを含有する流体が、前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とをマイクロミキサーに導き混合したものである請求項1、2、3または4に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項6】
有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とをそれぞれ別々の流路に流通させ、前記両方の流路の出口に設けられた合流部で混合するものである請求項5記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項7】
前記有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とをそれぞれ2液が流路出口で混合可能な構造を有する内部に微小管状流路が形成されたマイクロミキサーを用い混合した後、さらに流れ方向で流路断面積が縮小された流路に供給しながら流通させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のポリウレタンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−46863(P2011−46863A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198065(P2009−198065)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】