説明

ポリウレタンフォーム製造用プレミックス

【課題】ポリウレタンフォームの製造用発泡剤として使用することができ、ポリオール及び/又は該製造の間に通常使用される触媒の存在下において安定であり、かつ環境規制を満足させるヒドロフルオロアルカンを確立する。
【解決手段】a)少なくとも1種のポリオール、
b)発泡剤としての1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、並びに
c)ポリオール/イソシアネート反応を触媒する少なくとも1種の化合物、及び任意にアルカリ金属カルボキシレート又はヒドロキシアルキルアンモニウムカルボキシレート以外の、イソシアネートの三量体化を触媒する化合物を含む触媒
を含むことを特徴とするポリウレタン又は改質ポリウレタンフォーム製造用プレミックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロフルオロ化発泡剤を含み、安定剤を必要としない、ポリウレタンフォームの製造が意図されたプレミックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、イソシアネートを、適量のポリオール又はポリオール混合物と、揮発性液体ヒドロフルオロアルカンの存在下において、反応させることにより製造することができることは周知である(該ヒドロフルオロアルカンは、イソシアネートとポリオール間の反応により生じた熱により蒸発する)。
ポリウレタンフォームの分野においては、フォームを製造するために連続的に使用される数種の成分のプレミックスを調製することは、慣例のことである。一般には、適量のポリオール、発泡剤、触媒及び他の任意の添加剤を混合して、プレミックスを形成する。このプレミックス及び適量のイソシアネートは、一般に、2つの別のタンク中に入れられ、最終的なユーザーは、その後、フォームを製造するためには、2つのタンクの成分を混合物するだけでよい。更に、大きなスケールのフォーム製造ユニットにおいては、ポリオールと発泡剤を混合物として貯蔵する場合もある。この液体混合物は、純粋ポリオールより粘度が低く、従って、フォーム製造域にポンプ輸送及び計量するのが容易である。しかしながら、ハロゲン化発泡剤は、一般的には、あるポリオールと接触すると、部分的に崩壊し易いものであり、原則、安定剤の使用を必要とすることは周知である。
【0003】
米国特許第4,986,930 号は、1,1-ジクロロ-1- フルオロエタン(HCFC-141b) が、発泡剤として使用可能であること、及び安定化剤を用いずに、ポリオールと接触させて貯蔵可能なことを開示している。しかしながら、1,1-ジクロロ-1- フルオロエタンは、あるケースにおいては、有意に崩壊し、特には、1-クロロ-1- フルオロエタン、ビニリデンクロリド及びビニリデンクロロフルオリドとなることが分かった。また、水素酸が、この崩壊により発生する。
また、現在では、1,1-ジクロロ-1- フルオロエタンは、環境保護規制を満足させるために、最終的には、塩素を全く含まない発泡剤(この場合にはオゾン層破壊の可能性は零である)により置き換えられるべきだと考えられている。欧州特許出願第381,986 号は、特に、この目的のために、数種のC3 〜C5 のヒドロフルオロアルカンの使用を提供している。Knopeck G.M.、Parker, R.C.、Richard R. G. 及びStankland I. R. (35th Annual Polyurethane Technical / Marketing Conference, October 9-12, 1994, p. 115-122) 及びMurphy J. A.、Bolmer M. 、Elsheikh M. 、Roux J. D.、Meynard C.及びVolkert O. (CFC and Halon Alternatives Conference, Washington DC, 1993, p 346-355)は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa) 又は1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)の使用についての更なる研究をしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、ポリウレタンフォームの製造用発泡剤として使用することができ、ポリオール及び/又は該製造の間に通常使用される触媒の存在下において安定であり、かつ環境規制を満足させるヒドロフルオロアルカンを確立することである。
本発明の他の目的は、プレミックスの他の成分により生じる崩壊についての改良された安定性を有する発泡剤を含む、ポリウレタンフォームの製造が意図されたプレミックスを提供することである。
本発明の他の目的は、ポリオール及び発泡剤を、混合物として、特定の予防手段なく、貯蔵することを可能にするポリウレタンフォームの製造法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、以下のa)〜c)を含む、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォーム製造用プレミックスに関するものである:
a)少なくとも1種のポリオール
b)発泡剤としての1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、並びに
c)ポリオール/イソシアネート反応を触媒する少なくとも1種の化合物、及び任意に、イソシアネートの三量体化を触媒する化合物(アルカリ金属カルボキシレート又はヒドロキシアルキルアンモニウムカルボキシレート以外のもの)を含む触媒。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ポリウレタンは、ポリオールとイソシアネートとの反応から本質的に得られるポリマーを意味する。これらのポリマーは、典型的には、100 〜130 のイソシアネート数を示す配合物から得られる。
改質ポリウレタンは、ポリオールとイソシアネートの反応から得られ、かつウレタン官能基の他に、他のタイプの官能基(特には、イソシアネートの三量体化により形成されたトリイソシアヌル酸の環)を含むポリマーを意味する。これらの改質ポリウレタンは、通常、ポリイソシアヌレートとして知られる。これらのポリマーは、典型的には、130 〜450 のイソシアネート数を示す配合物から得られる。
本発明においては、プレミックスは、少なくとも1種のポリオール、少なくとも1種の発泡剤及び少なくとも1種の触媒を含む組成物を意味すると理解される。
【0007】
本発明においては、ポリオールは、イソシアネートと反応する官能基を少なくとも2つ含む化合物を意味すると理解される。これらの官能基は、ツェレウィチノフ反応により定義されるような活性水素原子を少なくとも1つ含む。活性水素原子は、一般に、酸素、窒素又は硫黄原子に結合している水素原子である。ポリウレタンフォームを製造するために通常使用される任意のポリオールを、本発明のプレミックス中に使用してもよい。特に、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールが挙げられる。
本発明のプレミックスの触媒は、ポリオールとイソシアネートの反応による−NH−CO−O−ウレタン結合の形成を触媒し、又はイソシアネートと水の反応を活性化させる化合物、例えば、第三アミン、有機錫、鉄、水銀又は鉛化合物等を含む。特に、第三アミンとしては、トリエチルアミン、N,N,- ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA) 、N-メチルモルホリン(NMM) 、N-エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、ジアザ[2.2.2] ビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)及びN,N-ジメチルベンジルアミン(DB)等の置換ベンジルアミンが挙げられる。特に、有機錫又は鉛化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、オクタン酸第一錫及びオクタン酸鉛が挙げられる。
【0008】
本発明のプレミックスの触媒は、特に、プレミックスが、改質ポリウレタン(ポリイソシアネート)フォームの製造用に使用される場合には、イソシアネートのイソシアヌレートへの三量体化を触媒する化合物(アルカリ金属カルボキシレート又はヒドロキシアルキルアンモニウムカルボキシレート以外のもの)を含んでいてもよい。実際、例えば、酢酸カリウム等といった後者により、プレミックス中の1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの有意な崩壊が生じることが観察されている。本発明のプレミックスにおいて使用可能なイソシアネートの三量体化を触媒する化合物は、特には、トリアジンである。本発明のプレミックスの触媒におけるアルカリ金属カルボキシレート及び/又はヒドロキシアルキルアンモニウムカルボキシレートは、存在するとしても、イソシアネートの三量体化を触媒する化合物の全重量の50%を越えない量である。
本発明のプレミックスの好ましい実施態様においては、触媒は、実質的にイソシアネートの三量体化を触媒する化合物を含まない。これらの好ましいプレミックスは、少なくとも1種のポリオール、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、及び触媒として、ポリオール/イソシアネート反応を促進させる化合物のみを1種又は数種含む。
【0009】
ポリオール、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン及び触媒の他に、本発明のプレミックスは、更に、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォームを製造するために通常使用される種々の添加剤、例えば、特に、水、界面活性剤、酸化防止剤、難燃剤及び/又は顔料を含んでいてもよい。本発明のより特に好ましいプレミックスは、本質的に、少なくとも1種のポリオール、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、ポリオール/イソシアネート反応を促進する少なくとも1種の触媒、及び少なくとも1種の上述の通常の添加剤からなる。
本発明のプレミックスにおけるポリオール、触媒、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン及び任意の添加剤の割合は、特に、用途、製造されるフォームのタイプ、ポリオールの性質及び触媒の性質により変動する。それらは、それぞれの具体的なケースにおいて、容易に決定することができる。実際には、通常使用される触媒の量は、ポリオール100 重量部あたり約0.05〜10重量%の範囲で変動する。一般には、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの量は、ポリオール100 重量部あたり1〜80重量部、好ましくは10〜60重量部である。水、界面活性剤、可塑剤及び/又は難燃剤の量は、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォームを製造するために使用される従来のものである。
【0010】
本発明のプレミックスは、ポリウレタンフォーム又は改質ポリウレタン(ポリイソシアヌレート)フォームの製造を意図されたものである。特に、優秀な結果は、硬質ポリウレタンフォームの製造に適する本発明のプレミックスにより得られた。これらのプレミックスは、非常に過酷な貯蔵条件下においてでさえ、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの崩壊が事実上生じない、特に安定なものであることが確認された。
本発明は、また、少なくとも1種のイソシアネートを、本発明のプレミックスと反応させる、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォームの製造法に関するものである。そのようなフォームを製造するために通常使用される任意のイソシアネートを、本発明の方法において使用してもよい。例として、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、及びトリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートが挙げられる。
【0011】
本発明は、また、少なくとも1種のイソシアネートを、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、少なくとも1種の触媒及び他の通常の添加剤の存在下において、少なくとも1種のポリオールと反応させる、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォームの製造法であって、ポリオール及び1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンを、ポリオールにより生じる1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの可能性のある崩壊について安定化させていない混合物として使用することを特徴とする製造法に関するものである。
実際、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンが、ポリオールの存在下における顕著な安定性を示し、それにより、任意の特定の予防手段なしに、それらの混合物としての貯蔵が可能となることが分かった。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであって、制限を意図するものではない。
【実施例】
【0012】
例1〜3
ポリウレタンフォーム製造用の3種のプレミックスを、以下の重量比で調製した:
50部のArcoが販売する芳香族ポリエーテルタイプのアミノ化ポリオールArcol(登録商標) 3770、
50重量部のDow が販売するアミノ化ポリエーテルポリオールVoranol(登録商標) RA 640、
1部の水、
2部のGoldschmidt が販売するシリコーン界面活性剤Tegostab (登録商標) B1048 、
2部のN-メチルモルホリン、
1.5 部のN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン。
【0013】
本発明による例1のプレミックスは、28重量部の1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)を含んでいた。
比較のために提供された例2及び3のプレミックスは、それぞれ、24重量部の1,1-ジクロロ-1- フルオロエタン(HCFC-141b) 、及び28重量部の1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa) を含んでいた。
これらのプレミックスを、一定温度(70℃)で貯蔵した。発泡剤の脱ハロゲン化水素により形成された不飽和生成物の量を測定するために、サンプルを、異なる貯蔵時間後に取り出し、気相クロマトグラフィーにより分析した。
結果を、以下の表Iに記載する。本発明による例1を、例2(C) 及び3(C) と比較することにより、同一条件下において、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの受けた崩壊が、1,1-ジクロロ-1- フルオロエタン及び1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパンの受けた崩壊と比べて、極僅かなものであることが分かった。
【0014】
[表1]
表I
例1 例2(C) 例3(C)
発泡剤 HFC-365mfc HCFC-141b HFC-245fa
脱ハロゲン化水素
発泡剤のモル%
14日後 0.02% 0.25% 0.33%
2ヵ月後 0.08% 0.78% 0.33%
【0015】
例4〜9
ポリウレタンフォームの製造に適するプレミックスを、表IIに示した重量比で調製した。本発明による例4及び7のプレミックスは、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンを含んでいた。比較のために提供された例5(C) 及び9(C) のプレミックスは、発泡剤として1,1-ジクロロ-1- フルオロエタンのみを含んでいた。比較例6(C) 及び8(C) のプレミックスは、発泡剤として1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパンのみを含んでいた。これらの異なるプレミックスを、一定温度(70℃)で貯蔵した。発泡剤の脱ハロゲン化水素により形成された不飽和生成物の量を測定するために、サンプルを、異なる貯蔵時間後に取り出し、気相クロマトグラフィーにより分析した。結果を、以下の表IIに記載する。本発明による例4及び7を、例5(C) 及び6(C) 、並びに例8(C) 及び9(C) のそれぞれと比較することにより、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの受けた崩壊が、1,1-ジクロロ-1- フルオロエタン及び1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパンの受けたものと比べて、極僅かなものであったことが分かった。











【0016】
[表2]
表II
例 例 例 例 例 例
4 5(C) 6(C) 7 8(C) 9(C)
組成(重量部)
Tercarol (登録商標) RF55(1) 100 100 100 − − −
Tercarol (登録商標) RF33(2) − − − 50 50 50
Terate (登録商標) 203(3) − − − 50 50 50
水 1 1 1 1 1 1
Tegostab (登録商標) B1048(4) 2 2 2 − − 2
Tegostab (登録商標) B8404(4) − − − 2 2 −
N-メチルモルホリン 2 2 2 − − 2
N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン 3 3 3 − − 1.2
N,N-ジメチルベンジルアミン − − − 4.5 4.5 −
HFC-365mfc 28 − − 28 − −
HCFC-141b − 24 − − − 24
HFC-245fa − − 28 − 28 −
脱ハロゲン化水素発泡剤のモル%
14日後 0.02 0.34 0.11 0.02 0.09 0.28
1ヵ月後 0.03 0.56 0.12 0.02 0.08 0.33
2ヵ月後 0.03 1.17 0.13 0.03 0.08 n.m.
(1):Enichem が販売するソルビトールベースのポリエーテルポリオール
(2):Enichem が販売するスクロースベースのポリエーテルポリオール
(3):Cape Industries が販売する芳香族ポリエステルポリオール
(4):Goldschmidt が販売するシリコーン
n.m.: 測定されず
【0017】
例10〜14
改質ポリウレタンフォームの製造に適するプレミックスを、表III に示した重量比で調製した。例10のプレミックスは、本発明によるものである。比較例11(C) 、12(C) 及び13(C) のプレミックスは、アルカリ金属カルボキシレートタイプの触媒、又はヒドロキシアルキル第四アンモニウムカルボキシレートタイプの触媒を含んでいた。発泡剤として1,1-ジクロロ-1- フルオロエタンのみを含む、例14(C) のプレミックスは、また、比較のために提供されたものである。これらの異なるプレミックスを、一定温度(70℃)で貯蔵した。発泡剤の脱ハロゲン化水素により形成された不飽和生成物の量を測定するために、サンプルを、異なる貯蔵時間後に取り出し、気相クロマトグラフィーにより分析した。結果を、表III に示す。本発明による例10を、例11(C) 〜13(C) と比較することにより、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンを含むプレミックスの安定性についてのアルキル金属カルボキシレートの悪影響又はヒドロキシアルキル第四アンモニウムカルボキシレートの悪影響が説明されるが、トリアジンタイプの三量体化触媒では、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの受ける崩壊は、非常に低減されたものであり、かつ受入れ可能なものである。本発明による例10を例14(C) と比較することにより、トリアジンの存在下において、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの崩壊は、1,1-ジクロロ-1- フルオロエタンの崩壊より、非常に低減されたことが説明される。




【0018】
[表3]
表III
例 例 例 例 例
10 11(C) 12(C) 13(C) 14(C)
組成(重量部)
Tercarol (登録商標) RF33(1) 100 100 100 100 100
水 1 1 1 1 1
Tegostab (登録商標) B8404(2) 1 1 1 1 1
N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン 3 3 3 3 3
Polycat(登録商標) 41(3) 7 − − − 7
Kacekat(登録商標) KCA(4) − 7 − − −
Dabco(登録商標) TMR(5) − − 7 − −
Dabco(登録商標) TMR2(6) − − − 7 −
HFC-365mfc 20 20 20 20 −
HCFC-141b − − − − 40
脱ハロゲン化水素発泡剤のモル%
14日後 0.25 0.63 1.07 0.82 0.47
1ヵ月後 0.37 n.m. 1.64 1.20 1.22
2ヵ月後 n.m. 1.42 2.57 1.95 2.63
3ヶ月後 0.62 n.m. 2.99 2.53 n.m.
(1):Enichem が販売するスクロースベースのポリエーテルポリオール
(2):Goldschmidt が販売するシリコーン
(3):Air Products and Chemicalsが販売するヘキサヒドロ-1,3,5- トリス[3-(N,N-ジメチルアミノ) プロピル]-1,3,5-トリアジン
(4):Solvay Fluor und Derivate GmbHが販売する酢酸カリウム
(5):Air Products and Chemicalsが販売するN-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2-エチルヘキサノエート
(6):Air Products and Chemicalsが販売するN-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムホルメート
【0019】
例15〜16
例15においては、ポリイソシアヌレートフォームを、Bayer が販売する高分子ジフェニルメタンジイソシアネートDesmodur(登録商標)44V20 と、以下の組成のプレミックスとを出発物質として、手で混合することにより調製した:
100 部のEnichem が販売するソルビトールベースのポリエーテルポリオールTercarol (登録商標) RF55、
1部の水、
3部のGoldschmidt が販売するシリコーン界面活性剤Tegostab (登録商標) B 8404、
3部のN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、
7部のAir Products and Chemicalsが販売するヘキサヒドロ-1,3,5- トリス[3-(N,N-ジメチルアミノ) プロピル]-1,3,5-トリアジンPolycat(登録商標) 41、
60重量部の1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)。
【0020】
ポリオール、界面活性剤、水及び発泡剤を、連続して混合ボウルに導入し、その後、第一の攪拌期間の後触媒を導入した。イソシアネートを、その後、ポリオール100 部あたり404.3 部の割合で添加した。この割合は、イソシアネート数(反応混合物中のヒドロキシル官能基の数に対するイソシアネート官能基の数の割合の100 倍)の値が300 に相当する。得られた組成物を、その後ただちに、1600回転/分の速度で回転するマルチブレードタイプの攪拌器により25秒間均質混合し、その後、発泡及びフォームの熟成が起こる自由発泡金型にデカントした。
例16(C) においては、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa) を、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの代わりに使用した。
各フォームについて、フォーム内におけるヒドロフルオロアルカンの脱ハロゲン化水素より得られる生成物の量を、製造直後及び50℃で1ヵ月間の貯蔵後に、クロマトグラフィー分析により測定した。結果を、表IVに示す。
【0021】
[表4]
表IV
例15 例16(C)
発泡剤 365mfc 245fa
脱ハロゲン化水素発泡剤のモル%
最初 0.04% 0.86%
50℃:1ヵ月 0.08% 1.16%
【0022】
例17〜19
例17においては、ポリウレタンフォームを、Bayer が販売する高分子ジフェニルメタンジイソシアネートDesmodur(登録商標)44V20 と、以下の組成のプレミックスとを出発物質として、手で混合することにより調製した:
100 部のEnichem が販売するソルビトールベースのポリエーテルポリオールTercarol (登録商標) RF55、
1部の水、
2部のGoldschmidt が販売するシリコーン界面活性剤Tegostab (登録商標) B 8404、
3部のN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、
2部のN-メチルモルホリン、
30重量部の1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)。
【0023】
ポリオール、界面活性剤、水及び発泡剤を、連続して混合ボウルに導入し、その後、第一の攪拌期間の後触媒を導入した。イソシアネートを、その後、ポリオール100 部あたり148.3 部の割合で添加した。この割合は、イソシアネート数の値が110 に相当する。得られた組成物を、その後ただちに、1600回転/分の速度で回転するマルチブレードタイプの攪拌器により25秒間均質混合し、その後、発泡及びフォームの熟成が起こる自由発泡金型にデカントした。
例18(C) 及び19(C) においては、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa) 及び1,1-ジクロロ-1- フルオロエタンを、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの代わりに使用した。
各フォームについて、フォーム内におけるヒドロフルオロアルカンの脱ハロゲン化水素より得られる生成物の量を、製造直後及び100 ℃で1ヵ月間の貯蔵後に、クロマトグラフィー分析により測定した。結果を、表Vに示す。
これらの例の比較により、試験したポリウレタンフォームにおける、HFC-365mfcの受ける崩壊は、HFC-245fa 及びHCFC-141b の受ける崩壊よりかなり低減されたものであることが説明される。
【0024】
[表5]
表V
例17 例18 例19
発泡剤 365mfc 245fa 141b
脱ハロゲン化水素発泡剤のモル%
最初 0.03% 0.05% 0.18%
100 ℃;1ヶ月 0.03% 0.14% 1.76%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種のポリオール、
b)発泡剤としての1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、並びに
c)ポリオール/イソシアネート反応を触媒する少なくとも1種の化合物、及び任意にアルカリ金属カルボキシレート又はヒドロキシアルキルアンモニウムカルボキシレート以外の、イソシアネートの三量体化を触媒する化合物を含む触媒
を含むことを特徴とするポリウレタン又は改質ポリウレタンフォーム製造用プレミックス。
【請求項2】
触媒が、ポリオール/イソシアネート反応を触媒する1種以上の化合物のみからなる請求項1に記載のプレミックス。
【請求項3】
更に、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォームを製造するために通常使用される種々の添加剤を含む請求項1又は2に記載のプレミックス。
【請求項4】
1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの量が、ポリオール100 重量部あたり1〜80重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレミックス。
【請求項5】
硬質ポリウレタンフォームの製造に適する請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレミックス。
【請求項6】
触媒が、実質的に、イソシアネートの三量体化を触媒する化合物を含まない請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレミックス。
【請求項7】
少なくとも1種のイソシアネートを、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレミックスと反応させる、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォームの製造法。
【請求項8】
少なくとも1種のイソシアネートを、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン及び少なくとも1種の触媒の存在下において、少なくとも1種のポリオールと反応させる、ポリウレタン又は改質ポリウレタンフォームの製造法であって、ポリオール及び1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンを、該ポリオールにより生じる1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンの可能性のある崩壊について安定化させていない混合物として使用することを特徴とする製造法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の方法の使用により得られたポリウレタン又は改質ポリウレタンフォーム。
【請求項10】
硬質のものである請求項9に記載のポリウレタンフォーム。

【公開番号】特開2007−23301(P2007−23301A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298054(P2006−298054)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【分割の表示】特願平8−254337の分割
【原出願日】平成8年9月26日(1996.9.26)
【出願人】(591001248)ソルヴェイ (252)
【Fターム(参考)】