説明

ポリウレタン反応性組成物

本発明は、イソシアネート、イソシアネート反応性高分子化合物及びイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応のための触媒を含んでなるポリウレタン反応性組成物に関する。そのイソシアネート反応性化合物は、ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネート又はそれらの混合物の、ジオール又はそれより高官能性のポリオールであって、そのポリエステルは、ヒドロキシカルボン酸又は相当するラクトンから誘導されたものであり、且つその触媒は立体的に束縛されたビスマス化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソシアネート、イソシアネート反応性化合物及びイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応のための触媒を含む、請求項1に記載の熱硬化性ポリウレタン反応性組成物、前記組成物を含む請求項18に記載の接着剤、前記組成物を熱硬化させることにより得られる請求項20に記載のポリウレタンと共に、熱硬化性ポリウレタン反応性組成物の請求項21又は22に記載の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱硬化性ポリウレタン反応性組成物は1成分の組成物であり、加熱により硬化することができポリウレタンをもたらす。それらは、イソシアネート及び、イソシアネート反応性化合物としての、ジオール又はそれより高官能性の(2つより多くの官能基を有することを意味する)ポリオールを含む。ポリウレタン反応性組成物は、複合材、例えば、建築用のパネル及び積層体、乗物の安全パッド、並びにボートや航空機の強化構造物などの簡単な製造を可能にする。それらは、接着剤、シーリング用組成物、被覆用組成物、埋封組成物などとして使用することができる。ポリウレタン反応性組成物の接着剤としての使用は、例えば自動車工業において、特に有益である。
【0003】
特許文献1及び2には、表面ポリアダクトの形成により奪活された固体イソシアネートの懸濁液の使用が開示されている。
【0004】
特許文献3には、反応速度を高めるための触媒として、三級アミン又は有機金属化合物を含むポリウレタン反応性組成物が記載されている。
【0005】
ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールを含むポリウレタン反応性組成物は特許文献4から公知である。
【0006】
伝統的には、ポリウレタン反応性組成物に用いられるジオール又はそれより高官能性のポリオールは、ヒドロキシル末端ポリエーテルである。そのようなポリエーテルは、安価であり、取り扱いが容易である。一方、ポリエーテルポリウレタンは機械特性が低いことが知られている。厳しい機械的要求が満足されなければならない過酷な用途には、ポリエステルポリウレタンを生成するポリエステルジオール又はポリオールを含むポリウレタン反応性組成物が用いられる。
【0007】
ポリエステルポリウレタンは、ポリエーテルポリウレタンより高い引張強度を示す。しかしながらポリエステルポリウレタンは、乏しい抗加水分解性を示すことが知られている。生成されたポリウレタンが湿気に曝されるような用途では、ポリエステルポリウレタンは適当ではない。
【0008】
エポキシ樹脂は、通常、慣用のポリエステルポリウレタンより高い抗加水分解性を示す。更にエポキシ樹脂は、慣用のポリエステルポリウレタンの引張強度及び重ね剪断強度よりも、優れた引張強度及び重ね剪断強度を示す。それらの利点により、エポキシ樹脂は、しばしば慣用のポリウレタン反応性組成物よりも好ましい。しかしながら硬化されたエポキシ樹脂は脆い。それらの破断時の伸びは小さい。静的荷重と共に、動的荷重でのその材料の挙動が大切な用途では、硬化エポキシ樹脂の耐衝撃性はしばしば不満足なものである。例えば自動車工業におけるように、電磁被覆された(e-coated)材料の上へのエポキシ樹脂の適用は、その破断時伸びの小ささ及び乏しい耐衝撃性の理由から適当ではない。従って、破断時伸びの大きさと、引張強度及び重ね剪断強度の高さ、並びに良好な抗加水分解性とを結合した製品を得ることは大いに望ましいことである。
【0009】
【特許文献1】欧州特許第0062780号明細書
【特許文献2】欧州特許第0103323号明細書
【特許文献3】欧州特許第0598873号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0431414号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、硬化後、特に高い引張強度及び重ね剪断強度の値、大きい破断伸び及び良好な抗加水分解性を有するポリウレタンを生成するポリウレタン反応性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従えば、この課題は、イソシアネート、イソシアネート反応性化合物及びイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応のための触媒を含む、請求項1に記載の熱硬化性ポリウレタン反応性組成物により解決されるが、そのイソシアネート反応性化合物は、ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネート又はそれらの混合物の、ジオール又はそれより高官能性のポリオールであり、そのポリエステルはヒドロキシカルボン酸もしくはそれに対応するラクトンから誘導されたものであり、且つその触媒は立体的にヒンダードされたビスマス化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
「その(又はそれらの)混合物」なる用語は、ここで使用されるとき、所定の成分の1種又はそれ以上の混合物を意味する。
【0013】
更に、本発明の組成物の好ましい態様は、請求項2〜17に定義されている。
【0014】
本発明に従ったポリウレタン反応性組成物は、並外れた、17MPaより大きい引張強度及び、電磁被覆された材料上で14MPaより大きい重ね剪断強度を有するポリウレタンを生成する。前記ポリウレタンは300%より大きい破断伸びを示す。
【0015】
驚くべきことに、本発明に従ったポリウレタン反応性組成物から生成されるポリウレタンは、抗加水分解性が著しく改良されることが見出された。従って本発明の組成物は、湿気に曝されるような用途で使用するとき、卓越した結果をもたらす。70℃、相対湿度95%に7日間曝露し、次いで−40℃に16時間曝露し、そして室温で2時間放置した後でさえも、上記の引張特性、即ち17MPaより大きい引張強度、電磁塗装された材料上での14MPaより大きい重ね剪断強度、300%より大きい破断時伸びが達成される。電磁塗装された材料上では、本発明の組成物から生成されたポリウレタンの耐衝撃性は、エポキシ樹脂の耐衝撃性を凌駕している。電磁鋼板上でのそのポリウレタンの重ね剪断破壊の様式は、70℃、相対湿度95%に7日間曝露し、次いで−40℃に16時間曝露し、そして室温で2時間放置した後でさえも、例外なくポリウレタン、電磁塗装又は鋼基材での破壊を示している。
【0016】
本発明に従ったポリウレタン反応性組成物は、慣用のポリウレタンの望ましい特性及び、エポキシ樹脂の高引張強度及び抗加水分解性と共に、破断時の高い伸びをも組み合された硬化生成物をもたらす。本発明に従うその組成物は、湿気に曝され、静的荷重と動的荷重とが共に働く用途、例えば自動車工業での用途における接着剤として特に有用である。
【0017】
加えて、本発明に従ったポリウレタン反応性組成物は、示差走査型熱量計により加熱速度10℃/分で測定したとき、硬化ピークの上端と下端の温度差が30℃より小さい、比較的狭い硬化のピークを示す。狭い硬化領域は、硬化反応が早く且つよく制御されたものとなることを可能にする。
【0018】
本発明の1つの側面において、熱硬化性ポリウレタン反応性組成物は、固体の表面奪活(deactivated)イソシアネート、イソシアネート反応性高分子化合物及びイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応のための触媒を含み、そのイソシアネート反応性化合物は、ポリエステル、ポリカーボネート又はそれらの混合物のジオール又はそれより高官能性のポリオールであり、そのポリエステルはヒドロキシカルボン酸もしくはそれに対応するラクトンから誘導されたものであり、且つその触媒は立体的にヒンダードされたビスマス化合物である。
【0019】
このような組成物は、通常、熱可塑性であり、室温では固体である。それは室温で安定であり、従って容易に貯蔵できる。
【0020】
固体のポリエステルポリオールに加えて、ポリカーボネートの液体のジオール又はそれより高官能性のポリオールを含む熱可塑性ポリウレタン反応性組成物において、「滲み出し効果(pop-off-effect)」−即ち未硬化組成物が適用後冷却されたとき物質をはじき出す、一般に観察される問題−は大いに減少する。
【0021】
好ましい態様において、ポリウレタン反応性組成物は、固体の熱可塑性ポリエステルポリオールに加えて、ポリカーボネートのジオール又はそれより高官能性のポリオールを、合計のポリオールの少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量含んでいる。
【0022】
本発明に従ったイソシアネート反応性化合物の実例には、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜4000、最も好ましくは2000を有するポリカプロラクトンジオール、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜9000を有するポリカプロラクトントリオール、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜4000、最も好ましくは2000を有するγ−ポリブチロラクトンジオール、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜9000を有するγ−ポリブチロラクトントリオール、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜4000、最も好ましくは2000を有するδ−ポリバレロラクトンジオール、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜9000を有するδ−ポリバレロラクトントリオール、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜4000、最も好ましくは2000を有するポリカーボネートジオール、平均分子量200〜20000、好ましくは1000〜9000を有するポリカーボネートトリオールがある。
【0023】
適しているイソシアネートは当業者には公知である。その実例は、トルエンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートである。イソシアネートが固体の表面奪活イソシアネートである態様では、そのイソシアネートは、好ましくはトルエンジイソシアネートの尿素又はウレトジオン(uretdion)である。
【0024】
固体の表面奪活イソシアネートを含む組成物を製造するとき、固体のイソシアネートは、少なくとも2つの一級アミノ基を有する化合物により、好ましくは高分子一級ジアミンにより奪活される。適している高分子一級ジアミンは、“Jeffamin D−400”(Huntsmann製、ポリオキシアルキレンジアミン、Mw400)、“Jeffamin D−230”(Huntsmann製、ポリオキシアルキレンジアミン、Mw230)、“Jeffamin ED−600”(Huntsmann製、ポリオキシアルキレンジアミン、Mw600)である。適しているジアミンには、更に、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−エチレンジアミン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、ネオペンチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3−ジメチル−4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノ−m−キシレン、ジアミノ−p−キシレン、イソホロンジアミン、1,2−ジアミノヘキサン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノトルエンがある。更に、トリアミン類、例えばジエチルトリアミン、1,5,11−トリアミノウンデカン、“Jeffamin T−403”(ポリオキシアルキレントリアミン、Mw400)、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、トリプロピレントリアミン、4−アミノエチル−1,8−ジアミノオクタンなど、テトラアミン類、例えばトリエチレンテトラミンなど及びヘキサミン類、例えばペンタエチレンヘキサミンなどが、カプセル化により固体イソシアネートを奪活するために使用することができる。
【0025】
好ましい態様において、触媒は、ビスマス含量に関して0.05%〜0.5%の濃度での立体的にヒンダードされたビスマス化合物である。立体的にヒンダードされたビスマス触媒は、好ましくはネオデカン酸ビスマスである。その組成物が、立体的にヒンダードされたアンチモン化合物を含むことが更に好ましい。別の適当な触媒には、ネオデカン酸ジルコニウムなどの立体的にヒンダードされたジルコニウム化合物がある。
【0026】
適した添加剤は当業者には公知である。それらには、高分子一級トリアミンなどの安定剤、カーボンブラック、炭酸カルシウム及びクレイなどの充填剤、モレキュラシーブなどの乾燥剤、アミノシラン又はエポキシシランなどの接着促進剤、ヒュームドシリカなどの流動学的添加剤、低分子量イソシアネート反応性連鎖延長剤、可塑剤等が含まれる。
【0027】
更に特に好ましい本発明の態様において、その組成物は分散液の形体の液体であって、そのイソシアネートは固体の表面奪活イソシアネートであり、且つイソシアネート反応性化合物は、ポリエステルポリウレタンのジオール又はそれより高官能性のポリオールである。
【0028】
「液体」なる用語には、ここで用いられるとき、室温でポンプ輸送できるような粘度の液体、即ちペーストもまた含まれる。
【0029】
本発明に従う液体組成物は、示差走査型熱量計によって、−40℃から10℃/分の速度の加熱により分析された時、溶融吸熱量を示さないか、又は室温より低い温度でそれを示す。
【0030】
前記安定な液体組成物は、溶融することなしに、室温で容易に基材の上に適用されることができ、その基材上に固定しなくても留まる。その組成物が室温で液体であるという事実によって、「滲み出し効果」は観察されない。
【0031】
そのような液体組成物において、ポリエステルポリウレタンの数平均分子量は、好ましくは1500Da〜3000Daである。そのポリエステルポリウレタンは、好ましくは、ポリラクトンジオール又はポリオールと、非対称ジイソシアネートとの反応により得ることができる。そのような態様において、ポリラクトンジオール又はポリオールの数平均分子量は、好ましくは500Da〜1500Daである。非対称ジイソシアネートは、好ましくはトルエンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネート、又はそれらの混合物である。ポリラクトンジオール又はポリオールのヒドロキシル基の、非対称ジイソシアネートのイソシアネート基に対する比率は1.2〜3であることが更に好ましく、もっと好ましくは1.5〜2.5である。
【0032】
上記の望ましい特徴、即ち室温での容易な適用性、「滲み出し効果」のなさによって、このような液体組成物を含む接着剤は好ましいものである。
【0033】
更に、熱可塑性組成物及び液体組成物を含む接着剤が好ましい。そのような接着剤は、「速固定組成物(quick fix composition)」とも呼ばれるが、非常に小さい収縮特性及び「滲み出し」特性を有している。
【0034】
上記の接着剤は、金属のガラスへの接合、例えばヒンジ及び取付け間柱において、又は乗物本体への屋根モジュールの接合に特に有用であるが、それは接着剤の適用後ガラス基材に掛かる応力がないためである。上記の接着剤はまた、エンジニアリングポリマー、より詳しくはポリカーボネート配合物の接合に特に有用である。
【実施例】
【0035】
以下の方法により、安定なポリウレタン反応性組成物が得られる。
ポリエステルもしくはポリカーボネート又はそれらの混合物の、ジオール又はそれより高官能性のポリオールが、イソシアネート反応性化合物として供給され、そのポリエステルはヒドロキシカルボン酸又はその相当するラクトンから誘導されたもので、且つ液体の形体であるが、それに対して少なくとも2つの一級アミノ基を有する化合物が加えられる。次いで固体のイソシアネートが添加される。最後に、イソシアネート反応性化合物と、立体的に束縛されたビスマス触媒とを含む混合物が加えられる。もしイソシアネート反応性化合物と、2つ又はそれ以上の一級アミノ基を有する化合物とを含む混合物が、固体イソシアネートを添加した後に加えられるならば、特に安定なポリウレタン反応性組成物が得られる。好ましい態様においては、イソシアネート反応性化合物と、立体的にヒンダードされたビスマス触媒とを含む混合物を添加する前に、高分子一級トリアミンが加えられる。
【0036】
例1〜10
本発明に従ったポリウレタン反応性組成物を、次のように製造した。
予備混合物:実験室用遊星型ミキサー中、60℃で、ポリカプロラクトンジオール(Mw2000、“TONE 1241”、DOW製)173.25gを溶融し、乾燥カーボンブラック(“Printex 30”、Degussa製)72.19g、乾燥モレキュラシーブ3A(“Purmol 3A”、Chemische Fabrik Uetikon製)22.79g及び触媒(下記参照)5.25gを添加混合することにより、予備混合物を製造した。
【0037】
熱硬化性ポリウレタン反応性組成物の製造:ポリカプロラクトンジオール(Mw2000、“TONE 1241”、DOW製)83.62gを、実験室用遊星型ミキサー中、60℃で溶融し、“Jeffamine D−400”(ポリオキシアルキレンジアミン)3.50gを、60℃、1013ミリバールで、5分間で添加混合した。次に、二官能の2,4−トルエンジイソシアネート(“Metalink U”、Acima製)47.92gを、60℃、1013ミリバールで、10分間で添加混合し、その後、溶融ポリカプロラクトンジオール(Mw2000)中に、ポリオキシアルキレンジアミン4.82%を含む混合物25.74gを、60℃、1013ミリバールで5分間、窒素流下で添加混合した。ポリオキシアルキレントリアミン(Mw5000、“Jeffamine T−5000”、Huntsman製)6.90gを、60℃、20ミリバールで、10分間で添加した。最後に、その予備混合物182.32gを60℃、20ミリバールで、20分間混合した。
【0038】
触媒(予備混合物参照)
本発明に従った触媒:
1.ネオデカン酸ビスマス(“Neobi 200”、Shepherd製)
【0039】
標準対照例:
2.オクタン酸ビスマス(Chem.Fabrik Uetikon製)
3.カルボン酸ビスマス−混合物(“BiCat VM”、Shepherd製)
4.二ラウリン酸ジブチル錫(Fluka製)
5.二酢酸ジブチル錫(Fluka製)
6.二カルボン酸ジブチル錫(“UL−8”、Witco製)
7.ネオデカン酸亜鉛(“BiCat ZM”、Shepherd製)
8.ネオデカン酸コバルト(“NeoCo 205PR”、9%トルオール溶液、Shepherd製)
9.オクタン酸コバルト(“OctCo 120XL”、Shepherd製)
10.ジモルホリノジエチルエーテル(“DMDEE”、Chem.Fabrik Schweizerhalle製)
試験のために、これらの組成物はカートリッジに充填し、その熱可塑性組成物の軟化温度より高い温度で加熱し、表I、II及びIIIに示すように基材上に押出した。
【0040】
硬化後、異なる条件下で引張強度、重ね剪断強度及び破断伸びを測定した。破断時のモジュラス及び伸びの測定については、DIN法53 504に従って、ダンベル試料を作製した。2mm厚さの試料の重ね剪断強度は、EN 1465法に従い、速度10mm/分で測定した。結果を表Iに示す。
【0041】
【表1】

【0042】
例11〜19
予備混合物1:予備混合物1は、成分A(x)g及び成分B(x)gを、実験室用遊星ミキサー中で、窒素流下、高混合速度で5分間混合することにより調製した{成分の定義及び(x)の値:下記リスト参照。}
【0043】
予備混合物2:予備混合物2は、成分A(x)g{及び例15として成分A1(x)g}、成分E(x)g、成分F(x)g及び成分G(x)gを、実験室用遊星ミキサー中、20ミリバールで30分間混合することにより調製した{成分の定義及び(x)の値:下記リスト参照。}
【0044】
熱硬化性ポリウレタン反応性組成物の調製:成分A(x)g及び成分B(x)gは、実験室用遊星型ミキサー中、窒素流下、1013ミリバールで5分間均質化した。次いで成分C(x)gが、窒素流下、1013ミリバールで10分間均質化し、予備混合物1(x)gが5分の間に添加混合した。それに成分D(x)gが、20ミリバール、10分間で添加混合した。最後に予備混合物2を、20ミリバール、20分間で添加混合した。
【0045】
成分B:“Jeffamine D−400”(ポリオキシアルキレンジアミン Mw400)
成分C:“Metalink U”(二官能性2,4−トルエンジイソシアネート)
成分D:“Jeffamine T−5000”(ポリオキシアルキレントリアミン Mw5000)
成分E:“Printex 30”(カーボンブラック)
成分F:“Purmol 3A”(モレキュラシーブ3A)
成分G:“Neobi 200”(ネオデカン酸ビスマス)
【0046】
本発明に従った実施例
例11
成分A:“Tone 1241”{DOW製、ポリカプロラクトンジオール(1,4−ブタンジオールより開始)、Mw2000}
【0047】
例12
成分A:“Tone 0240”{DOW製、ポリカプロラクトンジオール(ジエチレングリコールより開始)、Mw2000}
【0048】
例13
成分A:“Ravecarb 107”{Enichem製、ポリカーボネートジオール(ジメチルカーボネートに基づく)、Mw1850}
【0049】
参考例
例14
成分A:“Dynacoll 7360”{Degussa Huels製、ポリエステルジオール(1,6−ジヒドロキシヘキサン、アジピン酸に基づく)、Mw3500}
【0050】
例15
成分A:“TONE 2241”{DOW製、ポリカプロラクトンジオール(ネオペンチルグリコールより開始)、Mw2000}
成分A1:“Tegomere H5002”{Goldschmidt製、ポリアクリレートポリオール(数種の異種アクリレート)、Mw467}
【0051】
例16
成分A:“Desmophen 1800”{Bayer製、少分岐ポリエステルポリオール、Mw944}
【0052】
例17
成分A:“Desmophen 1652”{Bayer製、線状ポリエステルポリオール、Mw1063}
【0053】
例18
成分A:“Desmophen 1700”{Bayer製、線状ポリエステルポリオール、Mw1308}
【0054】
例19
成分A:“Acclaim 2200”{Lyondell製、PO−ポリエステルジオール、Mw2000}
混合温度:固体(熱可塑性)ポリオール:60℃、液体ポリオール:40℃。
【0055】
【表2】

【0056】
次の方法によって、安定な液体ポリウレタン反応性組成物を得る。
液体ポリエステルポリウレタンのジオール又はそれより高官能性のポリオールを、イソシアネート反応性化合物として供給する。2つ又はそれ以上の官能性ヒドロキシル基を有する前記ポリエステルポリウレタンは、ポリエステルジオール又はポリオールと、非対称ジイソシアネートとの反応により得られる。ポリエステルポリウレタンの素となるポリエステルジオール又はポリオールは、好ましくはポリカプロラクトンジオール又はポリオールである。より好ましくは、ポリカプロラクトンジオール又はポリオールは、数平均分子量500Da〜1500Daを有する。
【0057】
次に、固体イソシアネートを添加する。最後に、イソシアネート反応性化合物及び立体的にヒンダードされたビスマス触媒を含む混合物を加える。
【0058】
次の例20及び21は、両方とも、本発明に従う液体ポリウレタン反応性組成物の調製に関するものである。
【0059】
例20及び21
次の液体プレポリマーA及びBを次のように調製した。
a)プレポリマーAの調製(ポリカプロラクトンジオールのイソホロンジイソシアネートに対する化学的量論比: 2:1)
“TONE 32C8”(1,6−ヘキサンジオールより開始されたポリカプロラクトンジオール、Mw750、DOW製)435.01g、ネオデカン酸ビスマス(“NeoBi200”、Shepherd製)0.5g及びイソホロンジイソシアネート64.49gを、実験室反応器に供給し、窒素流下に120分間、80℃で攪拌・加熱して、NCO基遊離ポリカプロラクトン−ポリウレタンを得る。得られたプレポリマーは次の特性を有している。室温で液体、数平均分子量=1720(OHの滴定から算出)。
【0060】
b)プレポリマーBの調製(ポリカプロラクトンジオールのトルエンジイソシアネートに対する化学的量論比: 3:2)
“TONE 32C8”(1,6−ヘキサンジオールにより開始されたポリカプロラクトンジオール、Mw750、DOW製)432.45g、ネオデカン酸ビスマス(“NeoBi 200”、Shepherd製)0.66g及びトルエンジイソシアネート66.89gが、実験室反応器に供給され、窒素流下に120分間、80℃で攪拌・加熱して、NCO基遊離ポリカプロラクトン−ポリウレタンを得る。得られたプレポリマーは次の特性を有している。室温で液体、数平均分子量=2600(OHの滴定から算出)。
【0061】
比較例として、固体プレポリマーCを対称イソシアネートを用いて調製した。
c)プレポリマーCの調製(ポリカプロラクトンジオールのヘキシレンジイソシアネートに対する化学的量論比: 2:1)
“TONE 32C8”(1,6−ヘキサンジオールにより開始されたポリカプロラクトンジオール、Mw750、DOW製)449.00g、ネオデカン酸ビスマス(“NeoBi 200”、Shepherd製)0.65g及び1,6−ヘキシレンジイソシアネート50.35gを、実験室反応器に供給し、窒素流下に120分間、80℃で攪拌・加熱して、NCO基遊離ポリカプロラクトン−ポリウレタンを得る。得られたプレポリマーは次の特性を有している。固体、室温で結晶、数平均分子量=1670(OHの滴定から算出)。
【0062】
例20
予備混合物を、a)で得られたプレポリマーA 169.05g、カーボンブラック(“Printex 30”、Degussa製)70.40g、モレキュラシーブ3A 22.21g及びネオデカン酸ビスマス(“NeoBi 200”、Shepherd製)5.25gを、遊星ミキサー中、減圧下(20ミリバール)で、60℃、30分間混合することにより作製する。次に、ポリウレタン反応性組成物を、遊星ミキサー中で次のようにして作製する。a)で得られたプレポリマー81.59g及び“Jeffamine D−400”(ポリオキシアルキレンジアミン、Mw400、Huntsman製)4.10gを、50℃で5分間混合する。次いで“Metalink U”(2,4−トルエンジイソシアネートのウレチオン(urethion)、Acima製)54.30gを、50℃のままで窒素流下、10分で高速添加混合する。次に、a)で得たプレポリマーA中の“Jeffamine D−400”の6.15%溶液25.37gを、窒素流下、高速で添加する。その後、その混合物の圧力を、周囲圧から20ミリバールに減圧し、“Jeffamine T−5000”(ポリオキシアルキレントリアミン、Mw5000、Huntsman製)6.72gを、穏やかな攪拌下に、50℃、10分で添加混合する。最後に、上記の予備混合物177.92gを添加し、20分間混合する。圧力は周囲圧に戻し、液体の高粘稠ポリウレタン反応性組成物を得る。
【0063】
例21
予備混合物を、b)で得たプレポリマーB 180.02g、カーボンブラック(“Printex 30”、Degussa製)74.97g、モレキュラシーブ3A 22.00g及びネオデカン酸ビスマス(“NeoBi 200”、Shepherd製)5.25gを、遊星ミキサー中、減圧下(20ミリバール)に、60℃、30分間混合することにより作製する。次に、ポリウレタン反応性組成物を、遊星ミキサー中で次のようにして作製する。a)で得たプレポリマー86.89g及び“Jeffamine D−400”(ポリオキシアルキレンジアミン、Mw400、Huntsman製)3.15gを、50℃で5分間混合する。次いで“Metalink U”(2,4−トルエンジイソシアネートのウレチオン、Acima製)38.50gを、50℃のまま、窒素流下、10分で高速添加混合する。次に、b)で得たプレポリマーB中の“Jeffamine D−400”の2.75%溶液26.15gを、窒素流下、高速で添加する。その後、その混合物の圧力を、周囲圧から20ミリバールに減圧し、“Jeffamine T−5000”(ポリオキシアルキレントリアミン、Mw5000、Huntsman製)7.14gを、穏やかな攪拌下に、50℃、10分で添加混合する。最後に、上記の予備混合物188.17gを添加し、20分間混合する。圧力は周囲圧に戻し、液体の高粘稠ポリウレタン反応性組成物を得る。
【0064】
硬化後、異なる条件で引張強度、重ね剪断強度及び破断伸びを測定した。その結果は表IIに示す。
【0065】
例22
例11により得られる接着剤を、自動車の直交ガラス(a quarter glass)にクレビス、即ち取付け用間柱(mounting stud)を接合するために使用する。その間柱は掛け金要素(a latching element)のサポートとして用いる。ガラスは、先ず“Betaprime 435.26”(DOW Automotive製ガラス用プライマー)で、その接合面上に下塗りし、標準条件で4時間自然乾燥する。クレビスは鋼製であり、その40mm径の円形基板は、その上に接合するため、フェノール樹脂で被覆する。その接合面は、接着剤を適用する前にアセトンで洗浄する。60℃に暖められた接着剤を、その基板上に押出し、その接着剤層が1mmの厚さをもつように、そのクレビスがガラスの下塗り箇所に迅速に合わし固定する。
【0066】
接着剤は、クレビスの寸法に象られたコイルを用いて、電磁誘導により硬化する。硬化のサイクルにおいて、その接着剤は、10秒で80℃まで加熱し、その温度に30秒間保持され、20秒で150℃まで加熱し、その温度で2分間保持し、そして放冷する。
【0067】
この材料は、周囲温度で1日後、荷重下で接着試験する。ばね試験固定治具を、ねじ切りされた間柱の頂部(the threaded top of the stud)に繋き、引張荷重100kgをかける。この組立体(the assembly)は95℃の循環空気炉中に置き、試験期間2日の前に破壊が起きたときは破壊時間を記録する。この接着剤は、95℃で48時間破壊されなかった。
【0068】
【表3】

【0069】
表IIIには、例11〜19の重ね剪断試験における破壊の様式を示す。
【0070】
【表4】

【0071】
衝撃試験の実施
例1〜13の組成物は、その破壊抵抗(crash resistance)について試験した。亜鉛電磁被覆された鋼板を、接着剤として対応する組成物を用いて、いわゆるボックスビームに接合した。このボックスビームは「自由落下衝撃」破壊試験に供した。所定の衝撃荷重が所定の速度でボックスビームに打撃を与えた後、衝撃後の変形が測定した。図1は、いわゆるボックスビーム(1)、即ち接着剤(3)により接合された2枚の鋼板(2)を示す。鋼板(2)の寸法は、次のとおり:A=22.5mm、B=46mm、C=200mm、D=15mm。鋼板(2)の厚さは0.62mmであり、接着剤(3)の厚さは1mmである。図2は、ボックスビーム(1)及び衝撃用荷重(4)の試験配置を示す。自由落下の高さ(H)は、それぞれ5m又は8mである。結果は表IVに示す。
【0072】
【表5】

【0073】
例1、11及び13の破断伸び及び引張強度はグラフにプロットし、慣用のエポキシ樹脂及び慣用のポリウレタンの破断伸び及び引張強度と比較した。図3は、本発明に従う組成物の硬化の後生成するポリウレタン(PU)が、エポキシ樹脂(EP)の引張強度の範囲における引張強度で、高い破断時伸びを示すことを図示している。図3における略語は次の意味を持つ:
【0074】
PU−DG:高弾性率を有する窓ガラス直接取り付け用ポリウレタン。
PU−SS:準構造用ポリウレタン。
PU−S:構造用ポリウレタン。
EP−S:構造用エポキシ樹脂。
E.1/11:例1/11。
E.13:例13。
【0075】
更に、本発明に従った組成物の硬化により生成するポリウレタンの、高い破断伸びと高い引張強度との組合せを、図4に図示す。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】いわゆるボックスビーム(1)、即ち接着剤(3)により接合された2枚の鋼板(2)を示す斜視図である。
【図2】ボックスビーム(1)及び衝撃用荷重(4)の試験配置を示す模式図である。
【図3】本発明に従った組成物の硬化の後生成するポリウレタン(PU)の、破断伸びと引張強度との関係並びに慣用のエポキシ樹脂及び慣用のポリウレタンの破断伸び及び引張強度との比較を示すグラフである。
【図4】本発明に従った組成物の硬化後に生成するポリウレタン(PU)の、破断伸びと引張強度との組合せを、慣用のエポキシ樹脂及び慣用のポリウレタンの破断時の伸び及び引張強度と比較して示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート、イソシアネート反応性化合物及びイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応のための触媒を含んでなり、前記イソシアネート反応性化合物がポリエステル、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネート又はそれらの混合物のジオール又はそれより高官能性のポリオールであり、前記ポリエステルがヒドロキシカルボン酸もしくはそれに対応するラクトンから誘導されたものであり、且つ前記触媒が立体的にヒンダードされたビスマス化合物である熱硬化性ポリウレタン反応性組成物。
【請求項2】
固体の表面奪活イソシアネート、イソシアネート反応性化合物及びイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応のための触媒を含んでなり、前記イソシアネート反応性化合物がポリエステル、ポリカーボネート又はそれらの混合物のジオール又はそれより高官能性のポリオールであり、前記ポリエステルがヒドロキシカルボン酸もしくはそれに対応するラクトンから誘導されたものであり、且つその触媒が立体的にヒンダードされたビスマス化合物である熱硬化性ポリウレタン反応性組成物。
【請求項3】
固体の表面奪活イソシアネートが、トルエンジイソシアネートの尿素又はウレトジオンである請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
一級の、立体的にヒンダードされていないジアミン、トリアミン又はそれらの混合物により表面奪活されている、固体の表面奪活イソシアネートを含む請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
ポリエステルがポリカプロラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレロラクトン又はそれらの混合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が熱可塑性であり、且つ室温では固体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物が熱可塑性で室温では固体であり、且つ熱可塑性ポリエステルに加えて、液体のポリカーボネートのジオール又はそれより高官能性のポリオールを、合計のポリオールの少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が室温で液体であって、イソシアネートが固体の表面奪活イソシアネートであり、イソシアネート反応性化合物がポリエステルポリウレタンのジオール又はそれより高官能性のポリオールである請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
ポリエステルポリウレタンの数平均分子量が1500Da〜3000Daである請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
イソシアネート反応性化合物がポリエステルポリウレタンのジオール又はそれより高官能性のポリオールであり、それがポリカプロラクトンジオール又はポリオールと、非対称ジイソシアネートとの反応により得られるものである請求項8又は9に記載の組成物。
【請求項11】
ポリカプロラクトンジオール又はポリオールの数平均分子量が500Da〜1500Daである請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
非対称ジイソシアネートがトルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート又はそれらの混合物である請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
ポリカプロラクトンジオール又はポリオールのヒドロキシ基の、非対称ジイソシアネートのイソシアネート基に対する比率が1.2〜3である請求項10〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
ポリカプロラクトンジオール又はポリオールのヒドロキシ基の、非対称ジイソシアネートのイソシアネート基に対する比率が1.5〜2.5である請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
触媒がネオデカン酸ビスマスである請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
立体的にヒンダードされたアンチモン化合物を含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
充填剤、安定剤、乾燥剤、定着剤、低分子量イソシアネート反応性連鎖延長剤、流動学的添加剤及び可塑剤よりなる群から選ばれる1種又はそれ以上の成分を含む請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物を含む接着剤。
【請求項19】
請求項6に記載の固体熱可塑性組成物及び請求項8に記載の液体組成物を含む請求項18に記載の接着剤。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物を熱硬化させることにより得られるポリウレタン。
【請求項21】
a)イソシアネート反応性化合物として、ポリエステル、ポリカーボネート又はそれらの混合物のジオールもしくはそれより高官能性のポリオールであって、そのポリエステルがヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたものであり、且つ液状のジオール又はそれより高官能性のポリオールを供給し、そしてそれに、少なくとも2つの一級アミノ基を有する化合物を加え、
b)固体のイソシアネートを加え、そして
c)前記イソシアネート反応性化合物及び立体的にヒンダードされたビスマス触媒を含む混合物を加える、
工程を含んでなる請求項2に記載の熱硬化性ポリウレタン反応性組成物の製造方法。
【請求項22】
a)イソシアネート反応性化合物として、ポリエステルポリウレタンの液体のジオール又はそれより高官能性のポリオールを供給し、
b)固体のイソシアネートを加え、そして
c)前記イソシアネート反応性化合物及び立体的にヒンダードされたビスマス触媒を含む混合物を加える、
工程を含んでなる請求項8に記載の熱硬化性ポリウレタン反応性組成物の製造方法。
【請求項23】
ポリエステルポリウレタンの数平均分子量が1500Da〜3000Daである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
イソシアネート反応性化合物が、ポリカプロラクトンポリウレタンのジオール又はそれより高官能性のポリオールである請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
工程b)において固体イソシアネートを添加した後、イソシアネート反応性化合物及び2つ又はそれ以上のアミノ基を有する化合物を含む混合物を添加する請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
イソシアネート反応性化合物及び立体的にヒンダードされたビスマス触媒を含む混合物を添加する前に、高分子一級トリアミンを添加する請求項25に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体の表面奪活イソシアネート、イソシアネート反応性化合物及びイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応のための触媒を含んでなり、前記イソシアネート反応性化合物がポリエステル、ポリカーボネート又はそれらの混合物のジオール又はそれより高官能性のポリオールであり、前記ポリエステルがヒドロキシカルボン酸もしくはそれに対応するラクトンから誘導されたものであり、且つその触媒が立体的にヒンダードされたビスマス化合物である熱硬化性ポリウレタン反応性組成物。
【請求項2】
固体の表面奪活イソシアネートが、トルエンジイソシアネートの尿素又はウレトジオンである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
一級の、立体的にヒンダードされていないジアミン、トリアミン又はそれらの混合物により表面奪活されている、固体の表面奪活イソシアネートを含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ポリエステルがポリカプロラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレロラクトン又はそれらの混合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物が熱可塑性であり、且つ室温では固体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が熱可塑性で室温では固体であり、且つ熱可塑性ポリエステルに加えて、液体のポリカーボネートのジオール又はそれより高官能性のポリオールを、合計のポリオールの少なくとも30重量%含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
触媒がネオデカン酸ビスマスである請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
立体的にヒンダードされたアンチモン化合物を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
充填剤、安定剤、乾燥剤、定着剤、低分子量イソシアネート反応性連鎖延長剤、流動学的添加剤及び可塑剤よりなる群から選ばれる1種又はそれ以上の成分を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物を含む接着剤。
【請求項11】
a)イソシアネート反応性化合物として、ポリエステル、ポリカーボネート又はそれらの混合物のジオールもしくはそれより高官能性のポリオールであって、そのポリエステルがヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたものであり、且つ液状のジオール又はそれより高官能性のポリオールを供給し、そしてそれに、少なくとも2つの一級アミノ基を有する化合物を加え、
b)固体のイソシアネートを加え、そして
c)前記イソシアネート反応性化合物及び立体的にヒンダードされたビスマス触媒を含む混合物を加える、
工程を含んでなる請求項1に記載の熱硬化性ポリウレタン反応性組成物の製造方法。
【請求項12】
工程b)において固体イソシアネートを添加した後、イソシアネート反応性化合物及び2つ又はそれ以上のアミノ基を有する化合物を含む混合物を添加する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
イソシアネート反応性化合物及び立体的にヒンダードされたビスマス触媒を含む混合物を添加する前に、高分子一級トリアミンを添加する請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−511639(P2006−511639A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561296(P2004−561296)
【出願日】平成15年12月13日(2003.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014221
【国際公開番号】WO2004/056903
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】