説明

ポリウレタン樹脂およびその応用

【課題】フィルムに対して高い密着性および接着性を有し、熔融粘度が低く低温で無溶剤塗工が可能である接着剤組成物のポリエステルポリオール(主剤)として有用なポリウレタン樹脂の提供。
【解決手段】酸成分の80モル%以上がフタル酸またはイソフタル酸成分であり、アルコール成分の50モル%以上がジエチレングリコール成分であり、分子末端に平均して水酸基を0.55〜5モル/kg有するポリエステルポリオールと炭素骨格に環構造を有しない分子量250以下のジイソシアネートとからなるポリウレタン樹脂。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム箔、フィルム或いはシート(以下これら三者を纏めて「フィルム」と云う場合がある)に対して高い密着性および接着性を有し、塗料、インキ組成物あるいは接着剤組成物の樹脂成分として好適なポリウレタン樹脂、該ウレタン樹脂を用いて得られる薄膜塗工が可能な接着剤組成物、該接着剤組成物を用いるフィルムの積層方法およびフィルム積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムに高い密着性および接着性を有する塗料、インキ組成物および接着剤組成物には、テレフタル酸成分やイソフタル酸成分を含んだ芳香族ポリエステル樹脂或いは該ポリエステル樹脂(以下では「ポリエステルポリオール」を意味する場合がある)からなるウレタン樹脂またはウレタンウレア樹脂が用いられている。
【0003】
上記接着剤組成物などの塗工方式では、接着剤組成物が、無溶媒タイプ(溶剤を含まないタイプ)である場合には、該接着剤組成物を100℃を超える比較的高温の熔融状態でフィルム状、線状或いは点状に押出されてフィルムに塗工される。一方、接着剤組成物が溶剤が含有するタイプでは、接着剤用樹脂が有機溶剤に溶解、若しくは水に分散させた状態で塗工され、その後に溶媒成分が揮発させられている。
【0004】
しかし、接着剤組成物に用いている樹脂が、分子末端に水酸基を平均して0.4〜4モル/kg程度を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂であれば、無溶媒状態でも100℃以下の比較的低温で10Pa・s以下の粘度となる場合がある。この場合には接着剤組成物は広いフィルム面積へ薄膜状に熔融塗工することが可能となる。この無溶媒接着剤組成物を用いる方法は、溶媒を乾燥するためのエネルギーを要しない点や、有機溶剤を使用しないので環境負荷が少ない方法として評価されている。
【0005】
例えば、接着剤組成物を用いてフィルムの積層体を得る目的で、接着剤組成物を、有機溶剤を用いることなく広い面積へ膜厚0.5〜5μm程度の薄膜状に塗工が可能な方式として、スクイズロールコート方式が採用されており、この塗工方式に適合する接着剤組成物が以下の特許文献1〜3および特願2005−189329明細書に開示されている。
【特許文献1】特開平08−60131号公報
【特許文献2】特開2002−249745号公報
【特許文献3】特開2003−321664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィルムに高い接着性を有する、比較的低分子量の芳香族ポリエステル樹脂を、ポリオール成分として製造したウレタン樹脂、上記芳香族ポリエステル樹脂をポリイソシアネートでウレタンウレア樹脂に変性したもの、或は分子末端に水酸基を平均して0.04〜0.4モル/kg程度を有する比較的高分子量の芳香族ポリエステル樹脂を、有機溶剤を用いることなく、広い面積への薄膜状の熔融塗工が可能な接着剤組成物として使用すると、上記の各樹脂は、何れも熔融粘度が高すぎて塗工が困難であった。
【0007】
また、前記スクイズロールコート方式に適した従来の接着剤組成物は、例えば、特許文献1や特許文献3に記載の如く、アルミニウム箔への密着性および接着性を向上させるために、遊離の無機酸、有機酸或いは酸無水物を含有している。上記酸などは、エステル結合の加水分解触媒作用を有していることにより、接着剤組成物の主成分であるポリエステル樹脂の加水分解を促進させて、該樹脂を劣化させるという副作用がある。特許文献2や特許文献3に記載の如く樹脂の熔融粘度を低下させるために、芳香族ポリエステルポリオール以外のポリオール成分を多量に混合したものは、遊離の無機酸、有機酸或いは酸無水物を含有させないと、上記芳香族ポリエステルポリオールからなる接着剤組成物は、フィルムに対する密着性および接着性が充分でないという問題があった。
【0008】
以上のような状況下において、ポリエステル樹脂を構成する酸成分として、フタル酸成分を高濃度に含有するにも拘らず、熔融粘度が低く、広い面積への薄膜状の無溶剤塗工が可能な、特定組成のポリエステル樹脂が特願2005−189329明細書に開示されている。このポリエステル樹脂は、遊離の無機酸、有機酸或いは酸無水物を含有しなくても、フィルムに高い密着性を示す。
【0009】
しかしながら、特願2005−189329明細書に記載のポリエステル樹脂を接着剤組成物のポリエステルポリオール(主剤)として使用した場合には、他の従来の接着剤組成物と同様に、その硬化に長時間を要するという問題があった。該ポリエステル樹脂の硬化反応を促進させる触媒を用いれば、該ポリエステル樹脂の硬化に要する時間の短縮は容易である。しかし、この場合は、接着剤組成物の可使時間(ポットライフ)が短くなって、実用性の点で問題であった。
【0010】
そのため、無溶媒接着剤組成物を用いる方法は、溶媒の乾燥エネルギーを要しないことや、有機溶剤を使用しないことから、環境負荷の少ない方法として評価されているが、無溶媒接着剤組成物を熔融して、より広い面積へ塗工する方式は、特に高い密着性を要求されるフィルムの分野への応用はあまり進んでいなかった。
【0011】
従って本発明の目的は、フィルムに対して高い密着性および接着性を有し、熔融粘度が低く低温で無溶剤塗工が可能である接着剤組成物のポリエステルポリオール(主剤)として有用なポリウレタン樹脂を提供することである。また、本発明の別の目的は、上記ポリウレタン樹脂からなり、可使時間の短縮を伴わずに硬化時間が短縮される接着剤組成物、該接着剤組成物を用いるフィルムの積層方法およびフィルムの積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂において、
上記ポリオールが、全ポリオールを100モル%としたとき、その少なくとも80モル%がポリエステルポリオール(a)(以下単に「ポリオール(a)」と云う場合がある)であり、該ポリオール(a)の全酸成分を100モル%としたとき、その少なくとも80モル%がベンゼン−o−ジカルボン酸(フタル酸)成分および/またはベンゼン−m−ジカルボン酸(イソフタル酸)成分であり、
上記ポリオール(a)の全アルコール成分を100モル%としたとき、その少なくとも50モル%が、炭素数8以下のアルキレン基がエーテル結合を介して2乃至3個結合したジアルコール成分であり、
上記ポリオール(a)が、分子末端に水酸基を平均して0.55〜5モル/kg有し、
上記ポリイソシアネートが、全ポリイソシアネートを100質量%としたとき、その構造中に環構造を有していない分子量250以下のジイソシアネート(b)を少なくとも70質量%含むポリイソシアネートである
ことを特徴とするポリウレタン樹脂(c)を提供する。
【0013】
本発明者らは、前記従来技術の要望に応えるべく鋭意検討を重ねた結果、前記本発明のポリウレタン樹脂(c)が、フィルムに対する高い密着性を有し、同時に低い熔融粘度を有することを見出した。すなわち、本発明のポリウレタン樹脂は、その80℃における熔融粘度を10Pa・s以下とすることができる。
【0014】
さらに特筆すべきは、本発明のポリウレタン樹脂(c)は、その80℃における熔融粘度が、ポリウレタン樹脂(c)の製造に用いたポリオール(a)と同一組成(すなわち、使用した酸成分とポリオール成分とが同一)であり、かつポリウレタン樹脂(c)と同一分子量であるポリエステルポリオール(a’)の熔融粘度よりも低くすることができる。
【0015】
本発明のポリウレタン樹脂(c)と上記ポリオール(a’)とを比較すると、従来の常識ではポリウレタン樹脂(c)の方の熔融粘度が大幅に高いと考えられていたものが、本発明では、ポリウレタン樹脂(c)は、殆ど熔融粘度の上昇がみられないばかりか、驚くべきことにむしろ上記ポリオール(a’)よりも熔融粘度が低下するものまでが存在することを見出した。
【0016】
さらに上記ポリウレタン樹脂(c)を、主剤(I)とポリイソシアネートを主成分とする硬化剤(II)とからなる接着剤組成物の主剤(I)の主成分(すなわち、主剤の50〜100質量%)として使用したところ、該接着剤組成物は、硬化触媒を用いなくても、硬化に要する時間が短縮されることを見出した。
さらに上記の接着剤組成物は、フィルムの広い面積に膜厚0.5〜5μm程度に薄膜塗工し、フィルム積層体を製造するスクイズロールコート方式に適した接着剤組成物であることを見いだした。
【0017】
さらに上記本発明の接着剤組成物において、前記主剤(I)の50〜100質量%を、前記80℃における熔融粘度が10Pa・s以下のポリウレタン樹脂(c)とし、硬化剤(II)のイソシアネート基含有量を少なくとも10質量%とし、上記主剤(I)と上記硬化剤(II)との末端基の化学量論比(イソシアネート基/水酸基)が1.0〜5.0とし、不揮発分を少なくとも98質量%とし、実質的に有機溶剤を含有していない組成物とすると、該接着剤組成物は、フィルムの積層加工性および積層体の接着物性が特に好適であることを見出した。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、フィルムに対して高い密着性および接着性を有し、熔融粘度が低く、低温で無溶剤塗工が可能であるポリウレタン樹脂が提供される。
さらに上記ポリウレタン樹脂は、可使時間の短縮を伴わずに硬化時間が短縮される接着剤組成物の主剤として有用であり、該接着剤組成物を用いることで、環境負荷が低いフィルムの積層方法およびフィルム積層体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造に用いるポリオール(a)は、その酸成分全量を100モル%としたときに、その酸成分の少なくとも80モル%がフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分である必要がある。上記フタル酸成分および/またはイソフタル酸成分が、全酸成分の80モル%未満では、得られるポリウレタン樹脂(c)のフィルムに対する密着性が低下する。ポリウレタン樹脂(c)のフィルムに対する密着性に関しては、全酸成分中のフタル酸成分の割合が高いほど好ましく、好ましくは上記フタル酸成分の割合が全酸成分の少なくとも90モル%、特に好ましくは100モル%である。
【0020】
さらに、得られるポリウレタン樹脂(c)の熔融粘度を下げ、有機溶剤に対するポリウレタン樹脂(c)の溶解性を高めるためには、ポリオール(a)を構成する酸成分としてイソフタル酸成分よりもフタル酸成分が多いことが好ましく、最も好ましくは酸成分中のフタル酸成分を100モル%とする。フタル酸成分として有効な酸成分としては、フタル酸、無水フタル酸および/またはそのアルキルエステル類が挙げられる。また、イソフタル酸成分として有効な酸成分としては、イソフタル酸および/またはそのアルキルエステル類が挙げられる。それ以外に共重合可能な酸成分としては、従来既知の酸、好ましくは2塩基酸が使用可能である。
【0021】
本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造に用いるポリオール(a)は、前記酸成分とアルコール成分とからなるポリエステルポリオールであるが、その全アルコール成分を100モル%としたとき、その少なくとも50モル%が、炭素数8以下のアルキレン基がエーテル結合を介して2乃至3個結合したジアルコール成分である必要がある。上記アルコール成分が50モル%未満であったり、炭素数8以下のアルキレン基がエーテル結合を介して結合していない場合は、ポリオール(a)の熔融粘度が高くなる。従って、好ましくは、上記ジアルコール成分の含有量は全アルコール成分の少なくとも70モル%であり、特に好ましくは100モル%である。
【0022】
また、上記ジアルコール成分が3個を超えた炭素数8以下のアルキレン基がエーテル結合で結合しているアルコール成分である場合は、ポリオール(a)を経て得られるポリウレタン樹脂(c)の耐熱性が低下し、熔融塗工の際のポリウレタン樹脂(c)の熱による劣化が顕著になる。従って、本発明のポリウレタン樹脂(c)を構成するポリオール(a)の前記ジアルコール成分は、得られるポリウレタン樹脂の耐熱性の点で、前記ジアルコール成分を構成する炭素数8以下のアルキレン基を結合しているエーテル結合数は1であることが好ましい。
【0023】
また、前記ジアルコール成分が、炭素数8を超えたアルキレン基からなる場合は、その分子量が高い分、酸成分であるフタル酸成分のポリオール(a)中の含有量を実質的に低下するで、ポリオール(a)を経て得られるポリウレタン樹脂(c)のフィルムに対する密着性が低下する。従って、フィルムに対する密着性において、前記アルコール成分を構成するアルキレン基の炭素数は8以下であることが好ましい。
【0024】
前記アルコール成分の全成分を100モル%とした時の、少なくとも50モル%を構成する炭素数8以下のアルキレン基がエーテル結合を介して2乃至3個結合したジアルコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールの他、炭素数8以下のアルキレングリコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを1或いは2個開環付加したものが使用可能である。それ以外に共重合可能なアルコール成分としては、従来既知のアルコール成分が使用可能であるが、好ましくは水酸基を2個有するグリコールである。
【0025】
また、本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造に用いるポリオール(a)は、分子末端に水酸基を平均して0.55〜5モル/kg有するポリエステルポリオールであることが好ましい。水酸基含有量が5モル/kgを超える場合は、得られるポリウレタン樹脂(c)のフィルムに対する密着性が低下する。一方、ポリオール(a)の水酸基含有量が0.55モル/kg未満では、得られるポリウレタン樹脂(c)の熔融粘度が高くなり、接着剤組成物としたときに、無溶剤で広い面積への薄膜塗工が難しくなる。
【0026】
本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造に用いるポリオール(a)の製造方法は、従来既知のポリエステル樹脂の製造方法が適用できる。すなわち、前記の多塩基酸および/またはそのアルキルエステルと前記の多価アルコールとを、必要に応じてエステル化触媒共存の下、さらに必要に応じて酸化防止剤の共存の下、140〜250℃で重縮合反応させることによって得られる。エステル化触媒としては従来既知のものが使用できるが、アルコキシチタン系のものが好ましい。酸化防止剤としては従来既知のものが使用できるが、亜燐酸エステル系のものが好ましい。
【0027】
本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造に用いるポリイソシアネート(b)は、炭素骨格に環構造を有していない分子量250以下のジイソシアネートである。好ましいジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0028】
本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造においては、前記以外のその他のポリオールなどの活性水素含有化合物も用いることができる、しかしその使用量は、全ポリオール中で20モル%未満である。その他の活性水素含有化合物の割合が多くなると、得られるポリウレタン樹脂(c)のフィルムに対する密着性および接着性が低下したり、熔融粘度が上昇したりする。従って、好ましくはその他の活性水素含有化合物の割合は全ポリオール成分の10モル%以下であり、さらに好ましくは0モル%である。その他の活性水素含有化合物としては、ポリウレタン樹脂原料として従来公知のポリオール、ポリアミンなどが使用できる。
【0029】
本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造において前記以外のポリイソシアネートも使用できるが、該その他のポリイソシアネートは、全ポリイソシアネートの30質量%未満である。その他のポリイソシアネートの割合が多くなると、得られるポリウレタン樹脂(c)の熔融粘度が上昇する。従って、その他のポリイソシアネートの使用量は、好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは0質量%である。その他のポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂原料として従来公知のポリイソシアネート、ポリイソシアネートの多量体、ポリイソシアネートのアダクト体、末端イソシアネート型プレポリマーなどが使用できる。
【0030】
本発明のポリウレタン樹脂(c)の製造方法には、従来既知のポリウレタン樹脂の製造方法が適用できる。すなわち、前記のポリオール(a)および必要に応じて従来既知のその他の多価アルコール化合物や多価アミン化合物などの活性水素含有化合物、および前記のポリイソシアネート(b)と必要に応じて従来既知のポリイソシアネート化合物を、必要に応じてウレタン化触媒共存の下、さらに必要に応じて有機溶剤共存の下、常温〜250℃で重付加反応させることによって得られる。ウレタン化触媒としては従来既知のものが使用できるが、第一錫塩系のものが好ましい。
【0031】
上記ポリウレタン樹脂(c)の製造において、実質的に無溶剤の接着剤組成物を得るのであれば、有機溶剤は使用しないことが好ましいが、必要に応じて有機溶剤を使用することもできるし、その後従来既知の方法で有機溶剤を除去することもできる。有機溶剤としては従来既知のものが使用できるが、ケトン系および/またはエステル系のものが好ましい。
【0032】
本発明の接着剤組成物に用いる主剤(ポリオール)(I)は、その全ポリオールを100質量%としたとき、その50〜100質量%が、前記本発明のポリウレタン樹脂(c)である。本発明の接着剤組成物に用いる主剤(I)は、その全ポリオールを100質量%としたとき、その0〜50質量%未満を他のポリオール成分とすることができるが、上記他の成分の割合が増えると、接着剤組成物のフィルムに対する密着性および接着性が低下する。従って、上記他の成分の割合は好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは0質量%である。
【0033】
本発明の接着剤組成物に用いる硬化剤(ポリイソシアネート)(II)は、イソシアネート基含有量が少なくとも10質量%のポリイソシアネートである。イソシアネート基含有量が10質量%未満の場合、硬化に必要な硬化剤の配合量が多くなり、結果的にポリウレタン樹脂(c)の含有量を低下させ、接着剤組成物のフィルムに対する密着性および接着性が低下する。硬化剤(II)のポリイソシアネートとしては、イソシアネート基含有量が少なくとも10質量%の従来公知のポリイソシアネート化合物が使用できる。
【0034】
本発明の接着剤組成物に用いる主剤(I)と硬化剤(II)は、末端基(水酸基、イソシアネート基)の化学量論比(イソシアネート基/水酸基)が1.0〜5.0であり、好ましく1.5〜3.0である。上記末端基の化学量論比が、1.0未満では接着剤組成物の硬化が不十分になり、一方、上記末端基の化学量論比が、5.0を超えると硬化のために多量の水分の供給が必要になり硬化に長い時間を要する。さらにポリウレタン樹脂(c)の含有量を低下させるのでフィルムに対する接着剤組成物の密着性および接着性が低下する。
【0035】
本発明の接着剤組成物は、必要に応じて従来既知の顔料や染料などの着色剤、分散剤、界面活性剤、整泡剤、消泡剤、粘性調整剤、レベリング剤、安定剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、ブロッキング防止剤、触媒、可使時間延長剤、可塑剤、充填剤などを配合して得られる。特に触媒については、従来は硬化時間の短縮の目的で加えられる場合があったが、可使時間の短縮という欠点を伴っていた。本発明の接着剤組成物は、触媒を使用する場合においても従来よりもその使用量を減らすことが可能となるものであり、可使時間の延長に有用である。
【0036】
本発明の接着剤組成物は、不揮発分が少なくとも98質量%であり、実質的に有機溶剤を含有していないことが好ましい。ここで「実質的に」に不揮発分が100質量%とならないのは、微量の混入水分や、ポリイソシアネートが水分と反応して生成する炭酸ガス、カップリング剤を添加した場合に分解生成するアルコール分などが揮発分となる場合を考慮したためである。
【0037】
本発明の接着剤組成物を用いてフィルムを積層する方法としては、従来既存の積層方法が適用できる。基本的には、主剤(I)と硬化剤(II)とを加熱熔融混合して接着剤組成物を調製した後、フィルムに接着剤組成物を塗工し、その後他方のフィルム或いはシート或いは板状およびその他の形態の基材と貼り合せ、さらにその後に常温或いは加温条件下で硬化熟成させる方法となるが、必要に応じて接着剤組成物はフィルムの両面に塗工してもよいし、また、貼り合せ前に塗工された接着剤組成物のレベリングを促進するために加熱工程や放置工程を設けてもよい。
【0038】
本発明の接着剤組成物の調製方法としては、主剤(I)と硬化剤(II)とを、各々別々のポンプでミキサーで自動的に計量供給し混合吐出する装置を用いて、使用する分だけその都度接着剤組成物を混合調製することが好ましい。主剤(I)と硬化剤(II)とを混合調製した接着剤組成物は、混合調製直後から硬化反応を開始し徐々に粘度が高くなるために、多量に作り置くことは好ましくない。
【0039】
本発明の接着剤組成物の塗工方式としては、従来公知の塗工方式が適用できる。具体的には、スクイズロールコート方式、リバースロールコート方式、カーテンフローコート方式、ナイフコート方式などが挙げられる。接着剤組成物の塗工膜厚や塗工方式は、フィルム基材(被塗工フィルム)の特性や必要な接着性能によって異なる。例えば、フィルム基材が薄く接着面の平滑性が高く比較的高い接着強度を要求しない用途であれば、接着剤組成物の塗工膜厚は概ね1〜5μmが好ましく、この場合の塗工方式にはスクイズロールコート方式が好ましい。また、フィルム基材が厚く接着面の平滑性が悪く比較的高い接着強度を要求される用途であれば、接着剤組成物の塗工膜厚は概ね5〜100μmが好ましく、スクイズロールコート方式以外の方式も好ましい。
【0040】
本発明の接着剤組成物を用いて積層するフィルム基材としては、必要に応じて従来公知の表面処理が為されたポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールおよびそのエチレン共重合体、6ナイロンに代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステルなどの各種プラスチックフィルム、およびそれらの発泡体、およびそれらの表面にポリ塩化ビニリデンに代表される従来公知の各種ポリマーコート剤が塗布された物、金属蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着に代表される無機質層などが形成されたフィルム基材、さらにアルミニウム箔、銅箔などに代表される金属素材、その他に織布、不織布、紙などが、単体或いは予め積層されている基材である。
【0041】
その中でもアルミニウム箔とPETは、本発明の接着剤組成物が優れた接着性を示すフィルム基材であり、これらのフィルム基材を用いた積層体は、本発明を特徴付ける積層体となる。
【実施例】
【0042】
以下合成例、実施例、比較例および参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
[合成例a−1〜a−10]
<ポリオール(a1:合成例a−1)の製造方法>
フラスコに、無水フタル酸538g、ジエチレングリコール462gおよびトリフェニルフォスファイト1gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら5時間で230℃まで加熱し、水を留出させながらエステル化反応を行う。水の留出が止まった時点でテトラ−n−ブトキシチタン重合体0.1gを仕込み、250℃に昇温し10トールの減圧下で縮合させ、水酸基濃度1.9モル/kgのポリオール(a1)を得た。当該ポリオール(a1)の80℃における熔融粘度は、0.9Pa・sであった。
【0043】
<ポリオール(a2:合成例a−2)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、無水フタル酸554gおよびジエチレングリコール446gから、水酸基濃度1モル/kgのポリオール(a2)を得た。当該ポリオール(a2)の80℃における熔融粘度は、5Pa・sであった。
【0044】
<ポリオール(a3:合成例a−3)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、イソフタル酸603gおよびジエチレングリコール462gから、水酸基濃度1.8モル/kgのポリオール(a3)を得た。当該ポリオール(a3)の80℃における熔融粘度は、12Pa・sであった。
【0045】
<ポリオール(a4:合成例a−4)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、無水フタル酸429gおよびジエチレングリコール571gから、水酸基濃度5.3モル/kgのポリオール(a4)を得た。当該ポリオール(a4)の80℃における熔融粘度は、0.2Pa・sであった。
【0046】
<ポリオール(a5:合成例a−5)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、無水フタル酸568gおよびジエチレングリコール432gから、水酸基濃度0.50モル/kgのポリオール(a5)を得た。当該ポリオール(a5)の80℃における熔融粘度は、12Pa・sであった。
【0047】
<ポリオール(a6:合成例a−6)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、テレフタル酸603gおよびジエチレングリコール462gから、水酸基濃度2.1モル/kgのポリオール(a6)を得た。当該ポリオール(a6)の80℃における熔融粘度は、60Pa・sであった。なお、当該樹脂の80℃における熔融状態は、一部結晶成分が分散した不均一系であった。
【0048】
<ポリオール(a7:合成例a−7)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、無水フタル酸538gおよびネオペンチルグリコール463gから、水酸基濃度2.1モル/kgのポリオール(a7)を得た。当該ポリオール(a7)の80℃における熔融粘度は、430Pa・sであった。
【0049】
<ポリオール(a8:合成例a−8)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、アジピン酸559gおよび1,4−ブタンジオール441gから、水酸基濃度2モル/kgのポリオール(a8)を得た。当該ポリオール(a8)の80℃における熔融粘度は、0.2Pa・sであった。
【0050】
<ポリオール(a9:合成例a−9)の製造方法>
ポリオール(a1)と同様に、アジピン酸583gおよび1,4−ブタンジオール417gから、水酸基濃度1モル/kgのポリオール(a9)を得た。当該ポリオール(a9)の80℃における熔融粘度は、0.5Pa・sであった。
以上のポリオールa1〜a9を以下の表1に示す。
【0051】

【0052】
実施例c1〜c4、比較例c1〜c6<ポリウレタン樹脂(c)>
実施例c1(ポリウレタン樹脂c1)
フラスコに、ポリオール(a1)1,053gおよびヘキサメチレンジイソシアネート73.4gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら75℃で8時間重付加反応させ、水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c1)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、4Pa・sであった。
【0053】
実施例c2(ポリウレタン樹脂c2)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a1)1,053gおよびリジンジイソシアネート90.8gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c2)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、5.7Pa・sであった。
【0054】
比較例c1(ポリウレタン樹脂c3)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a1)1,053gおよびイソホロンジイソシアネート94.6gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c3)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、15Pa・sであった。
【0055】
比較例c2(ポリウレタン樹脂c4)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a1)1,053gおよび4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート105.2gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c4)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、18Pa・sであった。
【0056】
実施例c3(ポリウレタン樹脂c5)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a2)1,053gおよびヘキサメチレンジイソシアネート42.4gから水酸基濃度0.50モル/kgのポリウレタン樹脂(c5)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、9Pa・sであった。
【0057】
実施例c4(ポリウレタン樹脂c6)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a3)1,053gおよびヘキサメチレンジイソシアネート65.3gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c6)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、9.5Pa・sであった。
【0058】
比較例c3(ポリウレタン樹脂c7)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a4)1,053gおよびヘキサメチレンジイソシアネート347.8gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c7)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、6.5Pa・sであった。
【0059】
比較例c4(ポリウレタン樹脂c8)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a6)1,053gおよびヘキサメチレンジイソシアネート89.2gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c8)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、51Pa・sであった。なお、当該樹脂の80℃における熔融状態は、一部結晶性成分が分散した不均一系であった。
【0060】
比較例c5(ポリウレタン樹脂c9)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ただし75℃では攪拌不能のため温度を120℃として、ポリオール(a7)1,053gおよびヘキサメチレンジイソシアネート89.2gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c9)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、測定不能(500Pa・s超)であった。
【0061】
比較例c6(ポリウレタン樹脂c10)
ポリウレタン樹脂(c1)と同様に、ポリオール(a8)1,053gおよびヘキサメチレンジイソシアネート81.6gから水酸基濃度1モル/kgのポリウレタン樹脂(c10)を得た。当該樹脂の80℃における熔融粘度は、1Pa・sであった。
参考として、これらのポリウレタン樹脂と水酸基濃度の近いポリエステルポリオール(a2、a5、a9)の80℃における熔融粘度を表2−2に記載した。
【0062】

【0063】

【0064】
<配合主剤(a2−9)の製造方法>
ポリオール(a2)750gとポリオール(a9)250gとを混合し、配合主剤(a2−9)を得た。該配合主剤の水酸基濃度は、1モル/kgであった。
【0065】
<硬化剤(IIa)の製造方法>
武田薬品工業タケネートD−165N 500gと日本ポリウレタンコロネートHX 500gを混合し、硬化剤(IIa)を得た。該硬化剤のイソシアネート基濃度は、5.3モル/kg(イソシアネート基含有量22質量%)であった。
【0066】
<硬化剤(IIb)の製造方法>
フラスコに、旭化成デュラネートTPA−100 865gとポリオール(a1)135gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら75℃で8時間重付加反応させ、硬化剤(IIb)を得た。該硬化剤のイソシアネート基濃度は、4.5モル/kg(イソシアネート基含有量19質量%)であった。
【0067】
実施例1〜5、比較例1〜12<接着剤組成物>
主剤として、前記合成例で得られたポリオール(a2、a5、a9)、配合ポリオール(a2−9)、ポリウレタン樹脂(c1〜c10)、および硬化剤(IIa、IIb)を、表3に示す配合で混合し、本発明および比較例の接着剤組成物を得た。
【0068】
[評価結果]

【0069】

【0070】

【0071】
以上の表における評価の評価方法は以下の通りである。
(水酸基濃度)
評価対象をJIS K 0070に準拠して測定した。
(イソシアネート基濃度)
評価対象をJIS K 1603に準拠して測定した。
(熔融粘度)
評価対象をBM型回転粘度計にて80℃における熔融粘度を測定した。
(塗工性)
スクイズロールコーターにて2μmの厚みで薄膜塗工する際の塗工適性を評価した。
○:外観良好、△:外観異常(塗工平滑性不良)、×:塗工不能
【0072】
(アルミニウム箔接着性)
厚さ25μmのアルミニウム箔に対して、接着剤組成物を2μmの厚みで薄膜塗工し、厚さ60μmのコロナ表面処理済み直鎖低密度ポリエチレン樹脂と貼合せ、40℃で7日経過後、25℃において塗膜を直鎖低密度ポリエチレン樹脂ごとアルミニウム箔から引き剥がしたときの剥離状態を評価した。
○:基材破断、×:容易に剥離、ND:塗工不能のためデータなし
【0073】
(PET接着性)
厚さ25μmのPETに対して、接着剤組成物を2μmの厚みで薄膜塗工し、塗膜の補強のための厚さ60μmのコロナ表面処理済み直鎖低密度ポリエチレン樹脂と貼合せ、40℃で7日経過後、25℃において塗膜を直鎖低密度ポリエチレン樹脂ごとPETから引き剥がしたときの剥離強度を評価した。
○:基材破断、×:容易に剥離、ND:塗工不能のためデータなし
(硬化性)
PET接着性の評価に際して、40℃で3日経過の時点で剥離し、接着剤組成物の硬化の状態を評価した。
○:硬化良好(粘着なし)、×:未硬化(粘着あり)、ND:塗工不能のためデータなし
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上の如き、本発明によれば、特にフィルムに高い接着性を有し、熔融粘度が低く、薄膜塗工適性に優れるとともに、ポリイソシアネートとの組成物とした場合の硬化時間の短いポリウレタン樹脂が提供される。これらの樹脂は、各種用途に有用であるとともに、特にフィルムに高い接着性を与える接着剤用の樹脂として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂において、
上記ポリオールが、全ポリオールを100モル%としたとき、その少なくとも80モル%がポリエステルポリオール(a)であり、該ポリエステルポリオール(a)の全酸成分を100モル%としたとき、その少なくとも80モル%がベンゼン−o−ジカルボン酸成分および/またはベンゼン−m−ジカルボン酸成分であり、
上記ポリエステルポリオール(a)の全アルコール成分を100モル%としたとき、その少なくとも50モル%が、炭素数8以下のアルキレン基がエーテル結合を介して2乃至3個結合したジアルコール成分であり、
上記ポリエステルポリオール(a)が、分子末端に水酸基を平均して0.55〜5モル/kg有し、
上記ポリイソシアネートが、全ポリイソシアネートを100質量%としたとき、その構造中に環構造を有していない分子量250以下のジイソシアネート(b)を少なくとも70質量%含むポリイソシアネートである
ことを特徴とするポリウレタン樹脂(c)。
【請求項2】
80℃における熔融粘度が、10Pa・s以下である請求項1に記載のポリウレタン樹脂(c)。
【請求項3】
ポリウレタン樹脂(c)の80℃における熔融粘度が、ポリウレタン樹脂(c)の製造に用いたポリエステルポリオール(a)と同一組成であり、かつポリウレタン樹脂(c)と同一分子量であるポリエステルポリオールの溶融粘度よりも低い請求項1に記載のポリウレタン樹脂(c)。
【請求項4】
ポリオールを主成分とする主剤(I)とポリイソシアネートを主成分とする硬化剤(II)とからなる接着剤組成物において、
上記主剤(I)の全量を100質量%としたとき、その50〜100質量%が請求項1〜3の何れか1項に記載のポリウレタン樹脂(c)であり、上記硬化剤(II)のイソシアネート基含有量が少なくとも10質量%であり、
上記主剤(I)と上記硬化剤(II)との末端基の化学量論比(イソシアネート基/水酸基)が1.0〜5.0であり、不揮発分が少なくとも98質量%であり、実質的に有機溶剤を含有していないことを特徴とする接着剤組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の接着剤組成物を用いて複数のフィルムまたはシートを積層させることを特徴とする積層方法。
【請求項6】
請求項4の接着剤組成物を用いて複数のフィルムまたはシートが積層されていることを特徴とする積層体。

【公開番号】特開2008−45101(P2008−45101A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354941(P2006−354941)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【出願人】(000238256)浮間合成株式会社 (99)
【Fターム(参考)】