説明

ポリエステルのアルデヒド含有量を減少させる方法

ポリエステルのアルデヒド含有量を減少させる方法が開示される。上記方法は、上記ポリエステル中の有機ドナー分子とアルデヒドとの間のヒドリド移動反応を触媒することができる有効量の添加剤を配合することを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(本発明の背景)
ポリエステル、特にポリ(エチレンテレフタレート)(PET)は、繊維、フィルム、及び3次元構造体として広い適用性を享受する多目的なポリマーである。特に、PETに対する特に重要な用途は、特に食品及び飲料のための容器である。この用途は、過去20年に亘り、巨大な成長をし、更なる人気を享受し続けている。この成長にかかわらず、PETは、これらの市場での用途を制限するいくつかの基本的な限界がある。一つのそのような限界とは、溶融加工される場合、アセトアルデヒド(AA)を生じさせる傾向である。AAは小分子であるので、溶融加工で生じるAAはPET中を移動し得る。PETが、容器に加工されると、AAは、上記容器の内側にゆっくり時間をかけて移動する。AAは、多くの飲料及び食料製品に存在する天然の風味物質(flavorant)であり、多くの場合、AAによって与えられる味は、望ましくないと考えられる。例えば、AAは、水に果実フレーバーを与え、この製品に好ましい清潔感のある風味を失わせる。
包装の用途に対するPETの使用における第二の制限は、更なる又はより厳しい加工を伴って、より黄色になる傾向である。より黄色になるこの傾向は、ポリエステルに存在する種々のアルデヒドの存在に関連している。あるそのようなアルデヒドは、先述のアセトアルデヒドである。ポリエステルの黄変を促進する既知の第二のアルデヒドは、4-カルボキシベンズアルデヒド(4-CBA)である。4-CBAは、テレフタル酸の製造中に形成される不純物であり、テレフタル酸の4-CBAレベルを25-100ppmに減少させる方法が存在するが、これらのレベル以下のテレフタル酸の4-CBA含有量を減少させることは、達成するに困難である。これらの低濃度でさえ、4-CBAは、PETの色に悪影響を及ぼし得、再利用の間又はポリアミドとの溶融混合後、PETの増加する黄変の一因と考えられる。
PETは、伝統的にテレフタレート先駆物質(それぞれ、ジメチルテレフタレート又はテレフタル酸)とエチレングリコールとのエステル交換又はエステル化、次いで溶融重縮合によって製造される。溶融重合したPETに対する最終用途が、食品包装に対する場合、次いで、PETは、固相重合(SSP)として既知の追加の操作に付され、ここで分子量は、増加し、溶融重合中に生じるAAは、除去される。SSP PETを容器に変える広く使用される方法は、PETの乾燥及び再溶融、容器先駆体(プレフォーム)への溶融ポリマーの射出成形、及び最終容器形状へのプレフォームの延伸(stretch)吹込成形の工程からなる。
【0002】
歴史的に、製品の風味に対するAAの影響力は、射出成形の間、低活性重合触媒の使用によってAAの再生を最小化し、長い固相重合時間の使用によって、射出成形の前にAAを完全に除去することを保証すること、及び低剪断スクリュー及び平衡状態のホットランナー系を使用して、射出成形の間のAAの再生を最小化することによって最小化されていた。これらの方法を使用して製造されたPETプレフォームに対する典型的なAAレベルは、6-8ug/g(ppm)であり、AAのための風味閾値が、十分に高く、又は容器の耐用年数は、十分に短い多くの用途に対して許容できる。望ましい容器の有効期限が、より長く、上記製品が、AAからの不十分な風味に(off-taste)により敏感であり、又は有力な環境条件が、より暖かい他の用途においては、これらの方法を使用することによってAAレベルを風味閾値以下に保つことは不可能である。例えば、水中において、風味閾値は、約40ug/L(ppb)未満と考えられ、しばしば2年までの賞味期限が望ましい。600mlの飲料を含むPET瓶に対して、8ppmのプレフォームAA含有量は、1ヶ月未満あたり40ppbより多い飲料のAAレベルとなり得る。
しかし、許容されるAAのレベルが、上記方法を使用して達成され得る場合であっても、これらのAAレベルを達成させるには、大きなコストがかかる。このコストは、PETの溶融重合の後、固相重合工程を実施する必要性、特別に設計された射出成形装置の必要性、及び低活性重合触媒の必要性を含む。さらに、AAは、射出成形工程の間、再生されるので、生じる量は、射出成形工程条件によって大きく決まり、プレフォーム製造業者は、容器製造の間、連続的にAA含有量を観測しなくてはならない。
【0003】
上述の加工関連方法に加えて、ポリエステルのAA含有量を最小化する他の方法は、低固有粘度(IV)樹脂の使用又は低溶融樹脂の使用を通してポリマー自体の変更を含む。しかし、低IV樹脂では、応力亀裂故障のような環境因子に耐性を有しない容器が製造される。低溶融樹脂では、コポリマー含有量を増加させることによってPET樹脂が得られるが、コポリマー含有量の増加によって、さらに上記ポリマーの天然伸張比が増加し、これは、射出成形及び吹込成形において生産性が減少することになる。
4-CBAからの黄変の影響力を減らす方法としては、テレフタル酸供給原料の上述浄化があげられる。他の方法としては、トナー(特にコバルト塩、又は青色及び赤色染料)の添加が挙げられ、黄色をマスクする。しかし、これらのやり方は、増加し又はより厳しい加工、特に再利用されたPETのために、さらに固有のコストを有し、ポリエステルの黄色変色を増加させる問題を完全に対処しない。
ポリエステルのAA含有量を最小化させる別の方法は、ポリエステルに添加剤を配合することであり、存在するアルデヒドと選択的に反応し、又は除去する。従って、イガラシ(米国特許第4,837,115号明細書)は、AAスカベンジャーとしてアミノ基末端となるポリアミド及びアミノ基含有小分子の使用を開示する。イガラシは、アミノ基が、AAと反応してイミンを形成し、ここで上記アミン窒素が、AA部分とともに二重結合を形成し得るので有効であることを教示する。Mill(米国特許第5,258,233号明細書、同5,650,469号明細書、及び同5,340,884号明細書)及びLong(米国特許第5,266,416号明細書)は、AAスカベンジャー、特に低分子量ポリアミドとして種々のポリアミドの使用を開示する。Turner及びNicely(WO 97/28218)は、ポリエステルアミドの使用を開示する。これらのポリアミド及びポリエステルアミドは、イガラシによって開示された方法でAAと反応することが信じられている。Ruleら(米国特許6,274,212号明細書)は、ヘテロ原子含有有機添加剤の使用を開示し、上記添加剤は、アセトアルデヒドと反応し、架橋されていない5-又は6-員環を形成し、アントラニルアミドは好適な有機添加剤である。
【0004】
これらのAAスカベンジャーは、ポリエステルのAA含有量の減少に有効であるが、それら自体の難点を被る。例えば、ポリアミド又はポリエステルアミドの相対的に高い添加量が、顕著にAAを減少させるために必要とされ、非常に有意なPETの黄変は、これらアミン含有添加剤を配合すると生じ得る。また、アントラニルアミドを使用すると、さらにいくらかの程度のPETの変色を生じる。この色形成は、固有に、上記PETが色をマスクするために染められ得る包装に対してこれらの添加剤の使用を制限する。しかし、今日使用されているほとんどのPET包装は、透明かつ地色である。
PETのAA含有量を制御するためのこれらの方法の別の難点は、これらの方法が、アセトアルデヒドと化学量論的に反応する添加剤の配合によって決まる点で、作用のメカニズムに関連することである。従って、これら添加剤によってポリエステルに隔離され得るAAの量は、配合された添加剤の量に本質的に制限される。さらに、これらの添加剤とAAの間の反応は、熱力学的に可逆的であるので、配合される添加剤の量は、隔離されたAAの量より実質的に多くなくてはならない。この制限は、相対的に大量のAAが、ポリエステル、例えば非常に厳しい加工に付されるポリエステル、又は固相重合を経由して溶融相AA含有量が減少されてないポリエステルから除去されることを必要とする場合に、特に重要である。
上記参考文献で開示される添加剤の最後の難点は、多かれ少なかれ、上記添加剤すべては抽出可能であり、従って、これらの添加剤を配合するポリエステルから作られた容器に包装された食品又は飲料の味に作用し得ることである。
ポリエステルのAA含有量を減少させる異なる方法は、Rule(米国特許第6,569,479号明細書)によって開示され、ここで、溶融加工されたPETに存在するアセトアルデヒドは活性酸化触媒及び分子酸素の作用により酸化されて酢酸となる。この方法は触媒的であり、化学量論的な量のアセトアルデヒドより多くを除去することができるが、この発明に有用な活性な酸化触媒が相対的に選択的でなく、また溶融加工条件下でアセトアルデヒドを生じさせるために活性であり、その有効性を制限するという難点を被る。従って、この発明に開示される飲料AA含有量の減少の最大量は、わずか32%である。
【0005】
(本発明の概要)
本発明は、有機ドナー分子とアルデヒドとの間のヒドリド移動反応を触媒することができる有効量の添加剤をポリエステルに配合することによりポリエステルのアルデヒド含有量を減少させる方法を提供する。本発明で企図されるヒドリド移動反応は、Meerwein-Ponndorf-Verley、Oppenauer、Cannizzaro、又はTishchenko反応であり得る。典型的に、有機ドナー分子は、同一又は別のアルデヒドであり、又はそれはアルコール又はグリコールでよい。典型的な添加剤は、含水酸化ジルコニウムのような含水金属酸化物である。上記添加剤は、ポリ(エチレンテレフタレート)ホモポリマー又はコポリマーのような溶融ポリエステルに配合され得る。好ましい態様において、上記添加剤は、ポリエステル中に約1〜2000ppm、より好ましくは約10〜500ppmの濃度で存在する。典型的な添加剤は、約30μ未満の粒径を有し、また約200-500m2/gの表面積を有する。処理されたポリエステルは、固体製品、例えば食品又は飲料のための容器に有利に成形され得る。本発明は、本発明の方法から製造された製品に同様に企図する。
【0006】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、ポリエステル、特にエチレングリコール及び芳香族二酸又はジエステルから作られるポリエステルのアルデヒド含有量を実質的に減少させる方法に関する。これらのポリエステルは、エチレン結合の熱分解物又は芳香族二酸の不純物から由来するアルデヒドを特に含む傾向にある。本発明は特にPETに企図するが、さらに不純物として又は反応副生物としてアルデヒドを含む他のポリエステルに適用できる。本発明によって企図される他のポリエステルの例としては、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンイソフタレート)、及びこれらのポリエステルのコポリマーが挙げられるが限定されない。
本発明において、これらのポリエステルに存在するアルデヒドは、有機ドナー分子からアルデヒドへのヒドリド(H-)移動を触媒することができる添加剤に接触してアルコールに変換される。この型の反応は、Meerwein-Ponndorf-Verley、Oppenauer、Cannizzaro、又はTishchenko反応として集合的に既知である。Meerwein-Ponndorf-Verley及びOppenauer反応において、ヒドリドドナー分子は、アルコールであるのに対し、Cannizzaro及びTishchenko反応において、ヒドリドドナー分子は、同一又は別のアルデヒドである。従って、Meerwein-Ponndorf-Verley及びOppenauer反応において、上記反応の正味の効果は、異なるアルコールのアルデヒド又はケトンへの同時酸化を伴うアルデヒド又はケトンのアルコールへの還元反応であり、一方でCannizzaro及びTishchenko反応において、正味の効果は、2つのアルデヒド(又はケトン)分子のアルコール及び酸への不均化であり、アルコールと酸の可能な濃縮を伴ってエステルを形成する。好ましくは、ヒドリドドナー分子は、自然にポリエステル中に存在するが、意図的に添加され得るヒドリドドナー分子に対する本発明の範囲内にある。
【0007】
これらのヒドリド-移動反応は、液体媒体及び気相中の両方で生じることは公知である。これらの反応が、液体媒体中で生じる場合、典型的に使用される反応条件は、高添加量の触媒、高温での長い反応時間、及び高濃度の反応体の使用を含む。しばしば、ヒドリドドナー又はヒドリドアクセプターもまた、反応溶媒である。これらの反応に対する選択性は高いが、転化率は多くの場合、定量的でなく、30-90%の転化率が典型的である。十分な転化率に作用する必要とされる反応時間は、2〜200時間の範囲である。反応温度は、通常80〜300℃の範囲である。液体媒体において、多くの触媒が文献に開示されるが、好ましい触媒は、しばしばアルミニウムアルコキシドである。従って、ミズサキ(米国特許第4,877,909号明細書)が、Meerwein-Ponndorf-Verley反応の触媒として含水酸化ジルコニウムの使用を開示する。マツシタ(米国特許第4,910,177号明細書)は、チタン、錫、鉄、アルミニウム、セリウム、及びニオブからなる群から選択される部分脱水した金属酸化物の使用を開示する。Heveling(米国特許第6,075,145号明細書)は、銅又はニッケル塩の添加によって修飾される部分脱水した含水酸化ジルコニウムの使用を開示する。
これらの反応が気相で実施される場合、反応体を、蒸発させ、また高温で固体触媒上を通す。気相反応の場合において、触媒の添加量は、いかなる所定の時間で存在する反応体の量に対して非常に高い。使用される温度は100℃〜300℃の範囲に渡り、転化率は必ず定量的未満である。気相反応で開示される好適な触媒は、液相反応において有効として上記に開示されたものに類似である。気相反応に有効であると開示された更なる触媒としては、含水酸化ハフニウム、含水五酸化バナジウム、含水二酸化チタン、含水酸化ニオブ、及び含水酸化タンタルが挙げられる(Reichleの米国特許第5,354,915号明細書を参照されたい)。
【0008】
これらの反応は、アルデヒドの低下に有効であるが、これらのヒドリド-移動(transfer)反応がポリエステルからのアルデヒドの除去に有効であろうことは驚くべきである。例えば、液相又は気相での適当な転化率を達成するのに必要な高濃度の反応体に比較して、アルデヒドは、典型的に1-100ppmのレベルで非常に低濃度でポリエステルに存在する。液相又は気相で妥当な反応速度を達成するために必要とされる触媒の高添加量と対比して、約0.25質量%より上回る触媒添加量が、ポリエステルの他の特徴に透明さのような悪影響を及ぼし得るので、低濃度のヒドリド-移動触媒のみが、ポリエステルに許容でき得る。さらに、ポリエステルの容器の側壁に存在するほとんどのアセトアルデヒドが、ビニルエステルとメチルジオキサンの室温加水分解を経て形成されるので、この触媒は、室温で活性でなくてはならない。さらに、これらの反応に使用される触媒の多くは、湿気の存在によって失活するが、湿気は、通常の使用条件下ポリエステルの避けられない成分である。最後に室温で活性な触媒は、反応体に対する拡散速度が、液相又は固相より多くの倍数で次元の大きさで低い上記ポリエステルが固体状態の場合には、活性でなくてはならない。
しかし、以下に示される例に見られるように、本明細書に開示されるヒドリド-移動反応は、非常に少ない添加量の触媒及び非常に低い濃度のアルデヒドでさえも、室温でポリエステル中に生じる。この反応が、これらの条件下で非常に有用であることは、ポリエステルのアルデヒド含有量を触媒的に減少させる有効な方法を提供するので、驚くべきかつ非常に有用である。
【0009】
いかなる特別な理論に拘束されないが、本発明のヒドリド-移動反応は、触媒の性質のために予測されるよりも、効果的であると信じられる。本発明のヒドリド-移動反応のために有効な触媒は、不均一触媒であり、すなわち、これらの材料の触媒反応は、材料の内部表面での原子の組織は、触媒活性に決定的である固体表面によって提供される。例えば、液相又は気相ヒドリド-移動反応に有効であると開示された殆どの触媒は、不溶性含水金属酸化物である。可溶性触媒と考えられるアルミニウムアルコキシドでも、使用される液相反応条件の下では、ポリマー錯体として存在するので、機能すると信じられる(例えば、Whittaker, J., J. Am. Chem. Soc. 1969, 91, 394を参照されたい)。不均一触媒の分野において、表面の触媒活性は、多すぎる反応体又は反応生成物の存在によって悪影響を与えられ得ることは既知であり、即ち、触媒の活性は、実質的に大量の触媒表面上の占有されていない部位の存在によって決まる。本発明の方法において、存在するアルデヒドの量は、不均一触媒表面が、反応体又は反応生成物によって十分に占有されないように十分低く、またその結果、これらの材料によって示される触媒活性は、本環境下で先に開示されたものよりはるかに大きく、高レベルの反応体が使用される。
本発明に用いられるヒドリド移動剤として好適な有機ドナー分子は、ポリエステルに意図的に添加されても、又はポリエステル中に自然に存在してもよい。食品接触の用途に対して、有機ドナー分子がポリエステルに自然に存在することは好ましい。特に、アセトアルデヒドの除去に対して、有機ドナー分子が、アセトアルデヒドであることが好ましく、また生じる反応は、アセトアルデヒドのエタノール、酢酸、及び酢酸エチルへの不均化である。以下の例に示されるように、これは、本発明の触媒を含むPET内に生じる主な反応であることを示す。
【0010】
従って、本発明において、大きい分子に結合させることによってアセトアルデヒドの移動を阻止することによるアセトアルデヒドを隔離する先述の方法と異なり、アセトアルデヒドは、触媒的にエタノール、酢酸、及び酢酸エチルに変換される。これらの分子は、アセトアルデヒドと同様の分子量であり、従って、ポリエステルから包装内部に移動できる。しかし、これらのすべての分子は、アセトアルデヒドよりも1000倍大きい味覚閾値を有し、従って、これらの反応生成物の容器内部への移動は、風味又は香りの問題をもたらさない。さらに、これらの化合物は、すべて一般的に安全(GRAS)として認識され、直接的な食品添加物として頻繁に使用され、従って、食品の安全性を評価する問題を引き起こさない。最後に、本発明の触媒は、固体、不溶性材料なので、これらの添加剤は、ポリマーマトリクスから抽出されることが非常に困難であり、従って、製品の風味を直接影響する可能性を有しない。
ポリエステル中のアルデヒドの減少に具体的な特別な触媒は、液相又は気相におけるMeerwein-Ponndorf-Verley、Oppenauer、Cannizzaro又はTishchenko反応を触媒する場合に有効なこれらの触媒から選択され得る。これらの触媒は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、カドミウム、ニオブ、ジルコニウム、イットリウム、ハフニウム、タンタル、ランタン、及び希土類が挙げられる。これらの触媒のポリエステルへの配合の最も有効な方法は、上記触媒を溶融ポリマー又はポリマー先駆体に添加することを必要とするので、好ましい触媒は、曝されるであろう温度で加水分解減成に実質的に安定であるものである。従って、アルミニウムアルコキシドは、高分子量のポリエステルを加工するために必要とされる条件下、実質的に単量体のアルミネートに分解されるので、本発明の反応の触媒として好ましくない。同様に、溶解したモノマー種に対する反応条件下、容易に分解するので、他の金属のカルボキシレート、カルボネート、及びアルコキシドは好ましくない。
ポリエステル中のアルデヒドの減少に有効な触媒はさらに熱分解に対して十分な安定性を示すことを必要とする。従って、含水酸化アルミニウムは、ポリエステル溶融体に見出される条件下、酸化アルミニウムに脱水しがちであるので、触媒としてはさほど好ましくない。対照的に、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、及びタンタルの含水酸化物は、脱水に対して同様の傾向を示し、従って、溶融ポリエステル中での高温に曝された後でさえ、実質的な活性を有する。従って、これらの含水酸化物は、本発明の好ましい触媒である。もちろん、含水酸化ジルコニウムは、その低コスト、素早い有用性及び高活性のために、特別に好ましい。
【0011】
本発明の触媒は、単一材料として又は2種以上の触媒的に活性な材料の物理的混合物として使用され得る。さらに、使用される触媒は、純粋な物質でよく、又は他の材料に付着されてもよい。例えば、含水酸化ジルコニウムは、そのままで使用され又はシリカ又はアルミナ支持体上に付着され得る。任意に、触媒の活性は、他の材料をそれらの表面に吸収することによってさらに高められ得る。従って、含水酸化ジルコニウムの活性は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、銅、鉄又はニッケルの酸化物をその表面に吸収することによって高められ得る。さらに、含水金属酸化物は、部分的に脱水されてその触媒活性を改良し及び/又は溶融ポリエステルに添加される場合、さらなる脱水に対してそれらを安定化させ得る。本発明の開示の目的に対して、上記含水金属酸化物が、部分的に脱水含水金属酸化物を含むことが理解される。
本発明の添加剤は不溶性なので、不均一触媒、比表面積、孔半径、及び粒径が、触媒の有効性に影響を与え得る。一般的に、より高い表面積及びより大きい孔半径は、より高い特別な活性に対応し、従って、高い比表面積及び所定の孔径を有する材料は、低い比表面積及び同一孔径を有する同一の表示化学組成物を有する材料よりも好ましい。含水酸化ジルコニウムに対して、更なる焼成温度は、高い孔径でなく、低い比表面積と関連があるが、従って、約300℃で焼成され、部分的に脱水された含水酸化ジルコニウムは、それより低い又は高い温度で焼成された含水酸化ジルコニウムより高い活性を有する。活性な含水酸化ジルコニウムの典型的な表面積は、200-500m2/gの範囲であるが、相対的に不活性酸化ジルコニウムの表面積は、2-5m2/gの範囲である。同様に、より小さい粒径は、触媒に対する拡散経路がほとんどないので、より高い活性と相関する。これは、約80℃以下の温度で特に適用され、ここでアセトアルデヒドの拡散は、反応の律速工程であり得る。さらに、粒径が小さいほど、触媒は、ポリエステルのプロセス可能性及び透明性に影響を与えなく、従って、より小さい平均粒径材料は、好ましくは、同一の化学組成物のより大きい粒径材料及び比表面積に比例する。本発明において、高活性が、平均粒径が約15μm(ミクロン)である添加剤によって得られ、一方で、相対的により低い有効性が、平均粒径が>30μm(ミクロン)の添加剤によって得られる。好適な粒径には、材料の費用、有効性、及びプロセス可能性によって決定されることを除いて、特別に下限はない。
【0012】
本発明の添加剤は、その作用において触媒作用的なので、ポリエステルから除去され得るアルデヒドの量は、配合される添加剤の量によっては決まらない。しかし、所定の添加剤に対して、高い添加量によって、アルデヒドの高い反応速度となるだろう。従って、高い添加量は、より低い添加量よりも相対的に好ましい。配合されるべき添加剤の量の上限は、所望のアルデヒド除去率、及び粒子ヘイズの度合い、プロセス可能性及び費用のような他の因子におけるより高添加量の影響力によって決定される。実施例で見られるように、100-1000ppmの添加量は、通常、ほとんどの用途に所望な技術効果を達成するのに十分である。
本発明に開示されるポリエステルの組成物は、決定的でなく、また本質的に、いかなるモノマー又はコモノマーは、アルデヒド含有量の減少において添加剤の性能に悪影響を与えずに利用され得る。その経済的な重要性のために、テレフタル酸及びエチレングリコールに基づくポリエステルは、特に重要である。
本発明の添加剤の添加点は、最終製品の形成の前に添加される限り、相対的に重要でない。しかし、ポリエステルマトリックス内で添加剤の分散度を最大限にすることが重要である。従って、十分な溶融混合が生じ得るこれらの触媒を添加することが好ましい。ほとんどの用途に対して、射出成形工程の直前に粉末として又は分散体として触媒を添加することが十分である。しかし、溶融重合工程の前又は間に触媒を添加することが可能である。重合工程の初期の本発明の触媒の添加は、原料(例えば4-CBA)中の不純物として存在するアルデヒドの除去が望まれる場合に、好ましい。溶融重合の最後におけるこれらの触媒の添加は、目的が、固体状態重合工程においてAA又は他のアルデヒドを除去するために必要な時間の減少である場合、又は目的が、固体状態重合工程に対する必要性の除去である場合に、好ましい。
【0013】
ポリエステルに上記開示された添加剤を配合する方法は、重要でない。上記添加剤は、固体又は液体担体中に分散され得、また射出成形の直前にポリエステルペレットと混合され得る。それらは、乾燥前にポリマーペレット上に添加剤のスラリーを噴霧することによってさらに配合され得る。それらは、上記添加剤の分散体の注入によって、予め溶融されたポリマーに配合され得る。それらはさらに、ポリエステルと添加剤とのマスターバッチを作ることによって配合され得、次いで、上記マスターバッチペレットとポリマーペレットとを、乾燥及び射出成形又は押出の前に所望のレベルで混合する。スラリー又は分散体の使用に加えて、本発明の添加剤は乾燥粉末として配合され得る。
本発明の添加剤は、ポリエステルのアセトアルデヒド含有量を大いに減少させる点で有用であるので、低いAAレベルは、重要であり、ポリエステル容器中、極小プレフォーム及び飲料AAレベルを達成するために有用である。しかし、本発明の添加剤は、アセトアルデヒドの問題のためにいまや不可能にされるポリエステル容器製造の形態の実施を可能にするためにも有用である。従って、本発明の添加剤は、AAの問題のために従来避けられてきた高活性溶融重合触媒の使用を可能にし得る。それらは、所望の物理特性を有するが必要とされる高溶融加工温度のために付随する高いAA含有量の高溶融ポリエステルの使用をさらに可能にする。AAの注意深い制御は今やさほど設計要素として重要ではないので、射出成形装置の設計の改定をさらに可能にし得る。そして、最後に、それらは、ポリエステル溶融物のプレフォームへの直接変換のようなポリエステル容器の製造方法を、先の固化及びAA除去なしに可能にし得る。
【実施例】
【0014】
以下の実施例は、ポリエステルのアルデヒド含有量を減少するために開示された添加剤の使用を説明する。これらの例は、より完全に本発明を記載するために提供されるが、その範囲についていかなる限定を示すことは企図されていない。これらの例において、アルデヒド含有量を減少させる場合の添加剤の有効性は、添加剤なしで、同様に処理されたPETのAA含有量に対して、添加剤の存在下PETのAA含有量を測定することによって決定された。AA含有量は、溶融加工されたポリエステルの代表的な一部をとり、粉砕研磨して20メッシュ(850μm(ミクロン))スクリーンを通すように、0.1グラムの粉砕されたポリエステルを密封された20mLバイアル中特定の時間及び温度で加熱することによって含有されるAAを脱着することによって決定した。上記バイアルのヘッドスペース中に脱着されたAAは、その後、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィーを使用して分析した。飲料のAAレベルは、上記飲料の5グラムアリコートを取り、20mLバイアルに上記アリコートを入れ、2.5グラムの塩化ナトリウムを添加し、また80℃で30分間含有されるAAを脱着し、その後、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィーを使用して、上記バイアルのヘッドスペースに脱着されたAAを分析することによって決定された。
【0015】
(実施例1−4)
以下の例において、アモルファス溶融-重合した0.80IV PETペレットを80℃で3日間、真空乾燥器で乾燥した。乾燥後、上記ペレットは、<50ppmの残留含水量を有し、また24ppmの残留AA含有量を有する。3kgの乾燥した樹脂に対して3gの鉱油及び指示された量の含水酸化ジルコニウムを添加した。(実施例2-4に使用される含水酸化ジルコニウムは、約15-20μm(ミクロン)の平均粒径を有した。)上記添加剤をタンブリングすることによってペレット上に分散し、またその後上記ペレットをArburg単位キャビティープレス(Arburg unit cavity press)を使用して27グラムのプレフォームに射出成形した。使用されたバレル温度は、280℃であり、またサイクル時間は、30秒であった。成形されたプレフォームのAA含有量を、150℃から30分で粉砕されたプレフォームを加熱した後に測定した。以下に作表した結果は、PETが最初に非常に高いAA含有量を有する場合でさえ、PETのAA含有量の減少における含水酸化ジルコニウムの有効性を示した。

実施例1-4のガスクロマトグラフィーの痕跡を試験した。
実施例1に対して、観測されたGCピークのみが、アセトアルデヒドと2-メチル-1,3-ジオキサンと同一の滞留時間を有した。実施例2-4に対して、コントロールでは存在しなかった新しいピークを観測し、また新しいピークのGC積分領域は、添加された含水酸化ジルコニウムの量に比例して増加した。バイアルのヘッドスペースへ脱着されたガスのGC-MS解析によって、エタノール、酢酸、及び酢酸エチルが、コントロールでなく、含水酸化ジルコニウムを含むポリエステルサンプルに形成されたことが確認された。この結果によって、含水酸化ジルコニウムが、ポリエステルのアセトアルデヒドの含有量を、単にアセトアルデヒドを隔離することによってでなく、触媒的にアセトアルデヒドをエタノール、酢酸、及び酢酸エチルに変換することによって減少させたことを示す。
【0016】
(実施例5−8)
実施例1−4におけるポリエステルの色彩への含水酸化の影響は、微細粉末にプレフォームを粉砕し、次いで、そのL*、a*、及びb*色値をHunter色度計を使用して評価した。

これらの結果は、含水酸化ジルコニウムの存在が、常に色彩の量を増加させる先に開示されたアセトアルデヒド減少添加剤と対比して、実際に、ポリエステルの色彩を改良する(特に、黄色さは、先に開示された添加剤を含むポリエステルに対して増加したb*値に反映される。)。
【0017】
(実施例9−12)
上記実施例1−4に由来する粉砕されたプレフォームを使用するAA含有量試験を、上記粉砕されたプレフォームを示された日数で室温(22-24℃)で実施したことを除いて、繰り返した。バイアルのヘッドスペースを加熱せずにサンプル化し、従って、測定されたAA含有量は、室温で粉砕されたポリマーから拡散された量であった。以下に作表された結果は、コントロールに対して、AAの量は、粉砕されたポリマーのメチルジオキサン及びビニルエステルの連続的な加水分解に一致して、時間とともに増加し続けることを示す。対照的に、含水酸化ジルコニウムを含む粉砕された樹脂に対して、放出されたAAの初期量は、添加された含水酸化ジルコニウムの量に比例して減少し、また経時的な放出率は無視し得るものある。これらの結果は、室温で触媒的にアセトアルデヒドを消費する含水酸化ジルコニウムと一致する。

実施例9-12に対して、3、10、及び17日に由来するガスクロマトグラフィーの痕跡を試験した。実施例9に対して、すべて3日間で観測されたGCピークのみが、アセトアルデヒド及び2-メチル-1,3-ジオキソランと同一の滞留時間を有した。実施例10−12に対して、新たなピークがエタノールと同一の滞留時間に観測された。新たなピークの積分領域が、添加された含水酸化ジルコニウムに比例して時間とともに増加した。この結果は、PETに配合された含水酸化ジルコニウムが、室温でアセトアルデヒドをエタノールに変換するために触媒的に活性であることを示す。
【0018】
(実施例13−16)
実施例1−4に由来するプレフォームを、標準的な中空成形条件を使用して0.57kg(20オンス)の容器に中空成形した。中空成形後すぐに、上記瓶を炭酸水(4体積のCO2を含む)で充填し、蓋をし、また室温で保存した。以下の表で特定された時間間隔でアリコートを取り出し、また飲料AA含有量に対して分析した。

本発明の触媒の使用は、顕著に低飲料AAレベルにあることを示す。この観察は、この結果が、本発明の触媒が、室温で、二酸化炭素及び水の存在下でさえ活性であることを示すので特に重要である。
【0019】
(実施例17−22)
以下の例において、結晶化し、固体状態で重合した0.84IV PETペレットを150℃で終夜乾燥した。乾燥後、<50ppmの残留含水量、及び<1ppmの残留AA含有量を有した。3キログラムの乾燥した樹脂に、3グラムの鉱油及び指示量の含水金属酸化物を添加した。実施例18-22で利用されたすべての含水金属酸化物は、約1-2μm(ミクロン)の平均粒径を有した。上記添加剤をタンブリングによって上記ペレットに分散し、次いで、上記ペレットをHusky単位キャビティープレス(Husky unit cavity press)を使用して27グラムのプレフォームに射出成形した。使用したバレル温度は、270℃であり、サイクル時間は、30秒であった。成形されたプレフォームのAA含有量を、150℃で30分間粉砕したプレフォームを加熱した後、測定した。以下に作表された結果は、ヒドリド移動反応を経由してPET中のアセトアルデヒドの還元を触媒するための他の金属の含水酸化物の活性を示す。

【0020】
(実施例23)
以下の実施例において、結晶化された、固体状態重合された0.84IVPETペレットを終夜150℃で乾燥した。乾燥後、上記ペレットは、<50ppmの残留含水量、及び<1ppmの残留AA含有量を有した。3キログラムの乾燥した樹脂に、3グラムの鉱油及び指示された量の含水酸化ジルコニウムを添加した。その後、上記ペレットを280℃で溶融押出し、上記押出物を水浴中で急冷し、刻んでペレットを形成した。非晶質のペレットを160℃で2時間で結晶化し、その後、200℃で固体状態重合に付した。上記ペレットのAA含有量を結晶化前、結晶化後に、固体状態重合の間、一時間に一度測定した。含水酸化ジルコニウムを添加され及び添加されないペレットのAA含有量を以下に作表した。

この例から分かるように、本発明の触媒の溶融PETへの添加によって溶融加工されたポリマーの初期AA含有量を大きく減少させた。さらに、ポリマーのAA含有量の0.4ppm未満のレベルまでのさらなる減少が、より急速になされ、また添加した触媒の不存在下で可能であったよりもより緩和な条件下で起こり得た。
【0021】
(比較例)
ヒドリド-移動触媒の構造的性質の重要性を、溶融加工されたPETのAA含有量を減少させるための異なる化合物の有効性を評価するために試験された。
(比較例1−13)
以下の比較例において、結晶質の、固体状態重合された0.84IVPETペレットを150℃で真空乾燥器で終夜乾燥した。乾燥後、上記ペレットは<50ppmの残留含水量、及び<1ppmの残留AA含有量を有した。3キログラムの乾燥樹脂に、3グラムの鉱油及び指示量の特定のジルコニウム化合物を添加した。上記添加剤をタンブリングによってペレットに分散し、次いで、Husky単位キャビティープレスを使用して、上記ペレットを27グラムのプレフォームに射出成形した。使用されたバレル温度は、270℃であり、またサイクル時間は、30秒であった。成形されたプレフォームのAA含有量を、150℃で30分間、上記粉砕したプレフォームを加熱した後、測定した。以下に作表された結果は、可溶性ジルコニウム化合物、例えばジルコニウム2-エチルヘキサノエート、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムベンゾエート、炭酸ジルコニウム、及び酒石酸ジルコニウムが、本発明で開示されるヒドリド-移動反応のための有効な触媒でないことを示す。

比較例1-13に対するGC痕跡をエタノール、酢酸、又は酢酸エチルに対応する滞留時間でのピークの存在を試験した。これらのピークが観測された場合はない。
【0022】
(比較例14−16)
以下の比較例において、結晶の、固体状態重合された0.84IVPETペレットを真空乾燥器で150℃で終夜乾燥した。乾燥後、上記ペレットは、<50ppmの残留含水量を、また<1ppmの残留AA含有量を有した。3キログラムの乾燥樹脂に3グラムの鉱油及び指示量のアルミニウムイソプロポキシドを添加し、液相中低温での、Meerwein-Pondorf-Verley反応に活性な触媒は、モノマーアルミニウム種に分解すると予測されるが、溶融加工条件下、ポリエステルを使用した。上記添加剤をタンブリングによってペレットに分散し、その後、上記ペレットを溶融して押し出した。使用されたバレル温度は、90秒の滞留時間で270℃であった。上記押出物のAA含有量を、150℃で30分間上記粉砕された押出物を加熱した後測定した。以下に作表された結果は、ポリエステルに使用される溶融-加工条件の下で溶解可能な化合物は、本発明で開示されるヒドリド-移動反応のために有効な触媒でないことを示した。

本発明は好適な態様に関連して、記載される。変更及び代替物は、先述の詳細な記載を読み、理解する場合、当業者に明らかであろう。本発明は、添付のクレーム又はその等価物の範囲内にあるすべてのそのような変更及び代替物を含むように解釈されることが企図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルのアルデヒド含有量を減少させる方法であって、前記ポリエステルに、有機ドナー分子と前記アルデヒドとの間のヒドリド移動反応を触媒することができる有効量の添加剤を配合することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ヒドリド移動反応が、アルコールと前記アルデヒドとの間で生じる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒドリド移動反応が、アルデヒド又はケトンと、前記アルデヒドとの間で生じる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記添加剤が、含水金属酸化物である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記添加剤が、含水酸化ジルコニウムである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記添加物が、溶融ポリエステルに配合される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)ホモポリマー又はコポリマーである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記添加剤が、前記ポリエステル中に約1〜2000ppmの濃度で存在する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記添加剤が、前記ポリエステル中に約10〜500ppmの濃度で存在する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記添加剤が、約30μm(ミクロン)未満の粒径を有する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記添加剤が、約5μm(ミクロン)未満の粒径を有する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリエステルが、固体製品に成形される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記固体製品が、容器である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記添加剤が、約200〜500m2/gの表面積を有する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記有機ドナー分子が、前記ポリエステル中に自然に存在する請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記添加剤が、さらに、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、ニッケル、銅、又は鉄イオンを含む含水金属酸化物である請求項1に記載の方法。
【請求項17】
食品又は飲料を貯蔵するためのポリエステル容器を形成する方法であって、含水金属酸化物から選択される添加剤と、溶融ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーとを混合して、処理された材料を形成し、次いで前記処理された材料を成形して前記容器を形成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記添加剤が、含水酸化ジルコニウムである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記添加剤が、ポリ(エチレンテレフタレート)に約10〜2000ppmの濃度で存在する請求項17に記載の方法。
【請求項20】
改良された風味保持特性を有するポリエステル組成物であって、ジカルボン酸単位及びジオール単位を含み、また含水酸化ジルコニウム、含水酸化ニオブ、含水酸化タンタル、含水酸化スズ、含水酸化アルミニウム、及び含水酸化チタンから選択される添加剤を含み、前記添加剤が、約10〜2000ppmの濃度で存在することを特徴とする組成物。
【請求項21】
食品又は飲料製品用の容器であって、前記容器が、添加剤を含むポリエステルからなり、前記添加剤が、含水酸化ジルコニウム、含水酸化ニオブ、及び含水酸化タンタルから選択され、約10〜2000ppmの濃度で存在することを特徴とする容器。

【公表番号】特表2007−525561(P2007−525561A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520316(P2006−520316)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/022680
【国際公開番号】WO2005/010088
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506014756)カラーマトリックス コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】