説明

ポリエステルの連続製造の方法および装置

本発明は、ジカルボン酸またはジカルボン酸ジオールエステルのエステル化またはエステル交換反応が少なくとも1つの反応段階で行われ、このエステル化またはエステル交換反応の生成物の予備重縮合が垂直チューブから成る反応段階で真空下で行われ、そして、予備重縮合生成物の重縮合が少なくとも1つの反応段階で行われる、ポリエステルの連続製造に関している。本発明によれば、予備重縮合は、予備重縮合生成物の粘度を上げると同時にプロセス温度を下げて、反応段階で行われることができ、これによって、予備重縮合反応器に入るエステル化/エステル交換反応の生成物は、加熱を制限された自由な動きで、まず、環状チャンネルから形成された少なくとも1つの第1の反応ゾーンを貫流し、ついで、幾つかの同心状の環状ダクトに分かれた環状チャンネルから形成された少なくとも1つの第2の反応ゾーンの径方向外側の環状ダクトに導入され、ついで、上記環状ダクトを出口まで順次通過し、ついで、上記垂直チューブの底部にある第3の攪拌反応ゾーンに供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジカルボン酸またはジカルボン酸ジオールエステル(特に、テレフタル酸(PTA)またはジメチルテレフタラート(DMT)とエチレングリコール(EG)とから出発してのポリエチレンテレフタラート(PET))のエステル化/エステル交換反応が少なくとも1つの反応段階で行われ、このエステル化/エステル交換反応の生成物の予備重縮合が垂直の反応器から成る反応段階で真空下で行われ、予備重縮合生成物の重縮合が少なくとも1つの重縮合段階で行われる、ポリエステル(PES)の連続製造の方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PETの連続製造では、PTAまたはジメチルテレフタラート(DMT)とEGとが出発材料として用いられる。PTAは、EGと触媒溶液とでペーストに混合され、そして、エステル化の最初の反応段階に導かれる。そこでは、エステル化は、大気圧または大気圧よりも大きい圧力のもとで、水を分離させつつ行われる。DMTを使うときには、DMT融解物と触媒とは、EGと一緒にエステル交換反応を行うために、最初の反応段階に移される。そこでは、反応は、大気圧のもとで、メタノール(MeOH)を分離させつつ行われる。エステル化/エステル交換反応の生成物の流れは、通常は真空で行われる予備重縮合の反応段階に移される。予備重縮合の生成物の流れは、つぎの反応段階に移されて重縮合される。得られたポリエステル融解物は、ファイバまたはチップに直接に加工される。
【0003】
PES製造の従来の方法は、エステル化と予備重縮合とのためのそれぞれ2つの攪拌段階と、重縮合のための横形カスケード反応器とを用いて行われている。この反応器は、液溜り側のチャンバと、定位の表面を形成のための、穴明き形状またはリング形状の垂直のプーリを有する水平波形の攪拌装置とを備えている。この方法の欠点は、特に、装入量が十分であればカスケード反応器中に284〜288℃の比較的高い温度が生じ、これが品質に悪影響をおよぼすことである。予備重縮合の第1の攪拌段階での発泡と小滴飛散(エントレインメントまたは飛沫同伴)とを防ぐために施された真空は、p≧50ミリバールに限定されている。同様に、予備重縮合生成物の粘性は、0.20〜0.24IVの範囲に限定されている。さらに、予備重縮合段階を形成するカスケード反応器におけるガス発生も、欠点である。予備重縮合の第2の攪拌段階の代りに横形カスケード反応器を使えば、重縮合のためのカスケード反応器内での277〜283℃の比較的低い温度と予備重縮合の高い粘性0.27〜0.31IVとでPES製造の高いフレキシビリティ、それに、設備能力を高める最上の可能性が得られる(Schumann,Heinz−Dieter: Polyester producing plants; principles and technology. Landsberg/Lech:verl. Moderne Industrie,1996,27〜33頁)。しかし、設備と建物とに対する高いコストは、欠点である。
【非特許文献1】Schumann,Heinz−Dieter: Polyester producing plants; principles and technology. Landsberg/Lech:verl. Moderne Industrie,1996,27〜33頁
【0004】
エステル化のための2つの攪拌容器、予備重縮合のための段階反応器、重縮合のための横形カスケード反応器から成る設備では、比較的低い費用で同様に安定したフレキシブルなポリエステルの製造が可能である。しかし、予備重縮合および重縮合の反応段階の反応器の大きさは、漏れ蒸気量が上がるために大きくなり、許容搬送寸法は、中位の設備能力ですでに到達されるという欠点がある。
【0005】
DE−C−4415200に記載されている4つの反応段階によるPET製造の方法では、2次エステル化と予備重縮合とのために、それぞれ1つの縦形反応器が使われる。これらの反応器は、その初めの部分の上部に上に向って開いた(壁側の生成物放出口付きの)螺旋形ダクトを有している。このダクトは、外側から内側に通り中央オーバフローを通して底部側の攪拌される生成物液溜りにつながっている。ここで、チャンネルの底部は、流れ方向に絶えず上昇し、このために、生成物の流れの深さは、絶えず減少する。生成物の流れの加熱は、最初に時間をおいて繰返されるヒータで、オプションでチャンネル壁でそれぞれ行われる。流れ方向に上昇するダクト底部によって流れ方向での独立のシステム排出が防止され、この結果、残滓形成、品質低下、生成物損失が、特に、トラブルが起きたときや生産設備の停止が起きたときに生じる。それぞれのダクト底部で限定された蒸発面のために、作動真空が限定され、作動温度が上がり、生成された生成物の色質が悪化するか、あるいは真空度を上げれば過剰な蒸気速度の危険と、トラブルのない凝縮にとっては危険な小滴形成とが生じる。この結果は、流れダクトの中の局所的に集中しているヒータによって、さらに強められる。
【特許文献1】DE−C−4415200
【0006】
US−A−5464590には、幾つかの垂直に重ねられた底部を有する垂直の重縮合反応器が開示されている。この底部は、それぞれ2つの上方に開いた流れダクトと、それぞれのダクト端の溢れ堰とを有している。この溢れ堰には、後続の底部に自由に落ちるフィルムの形での垂直の生成物引渡しのための底部切欠き部が続く。ダクトは、ほぼ環状の2重ループの形をなし、最初のループは、反対に向いた第2のループに半円形に方向転換される。液体ポリマは、自由な動きでダクトを上から下へ貫流する。蒸気は、底部間で反応器の中心に流れ、中央の底部開口部を通して反応器カバーの漏れ蒸気出口に逃れる。底部上の低い充満度と、底部の部分に限定されたヒータとは、4.5〜7.5の限定されたポリマー度のエステル化生成物の予備重縮合にとっては、滞留時間の不足を意味し、この結果として、底部の数または反応器の大きさを大きくしなければならない。別の欠点として、ガイド体と、自由な落下フィルムゾーンとの取付けによって、反応空間が失われる。ダクト底部の水平配置と、溢れ堰とのために、反応器の残滓のない連続稼動および/またはその完全な排出性は、保証されない。
【特許文献2】US−A−5464590
【0007】
US−A−5466419に開示された重縮合反応器でも、同様の欠点がある。ここでは、第1の環状ダクトに放出された生成物は、2つの部分流に分れて、流れ反転点および溢れ堰または生成物排出口まで2つの半円ループと半分の距離とをそれぞれ貫流する。つまり、同じダクト断面で流れの速さは同じく半分となり、流体静力学上の圧力差は低下する。
【特許文献3】US−A−5466419
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、冒頭に述べたPES製造方法において予備重縮合を1つの反応段階で実施し、同時に予備重縮合段階で268〜275℃、重縮合段階で276〜282℃の低いプロセス温度と7〜18ミリバールの低い真空度とで、予備重縮合生成物の粘性を0.24〜0.26IVに高めることである。さらに発泡と小滴飛散(すなわち、エントレインメント)とを簡単に防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、反応器を去る予備重縮合生成物のジオール平衡圧の10〜40%の圧力が存在する反応器に入るエステル化/エステル交換反応の生成物が、自由な動きで、まず、チャンネルから形成された少なくとも1つの第1の反応ゾーンを加熱を限定されてコンスタントな生成物高でもって貫流し、ついで、幾つかの同心状の環状ダクトに分かれた環状チャンネルから形成された少なくとも1つの第2の反応ゾーンの半径方向外側または半径方向内側の環状ダクトに導入され、ついで、コンスタントな生成物高で上記環状ダクトを通って出口に導かれ、ついで、上記反応器の底部にある第3の攪拌反応ゾーンに導かれることによって、解決される。第1および第2の反応ゾーンの設置によって十分な蒸発面が得られ、これによって蒸気負荷の制限も達成される。
【0010】
第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンのチャンネルの底部での流体静力学上の圧力および操業時の圧力から生じる反応生成物の全圧は、重縮合段階の局所的なジオール平衡圧よりも小さく、ジオール平衡圧の5〜80%(特に、10〜70%)である。これによって、比較的簡単に再生可能な重縮合条件が得られる。EG平衡圧には、以下が成り立つ:PGL=4PS,T[(DP)−1]−1、ここで、PS,TはEG蒸気圧、DPは重縮合度を表わす。
【0011】
同じような相対的全圧では、第2の反応ゾーンの環状ダクトでの生成物高は、第1の反応ゾーンのチャンネルでのそれに較べて2〜3.5ファクタ(すなわち、ポイントまたは率)だけ低い。
【0012】
通常は、3つの反応ゾーンで形成された漏れ蒸気は、反応器から一緒に排出される。本発明の特に好ましい形態では、第1の反応ゾーンの漏れ蒸気が、別の2つの反応ゾーンの漏れ蒸気と合体される前に、巻き添えで分離された生成物小滴の分離装置に導かれる。この手段によって、泡および小滴の形成が阻止される。
【0013】
第1の反応ゾーンを構成するチャンネルでの流れは、激しいガス形成のために、流れ道程の中ほどまで乱れている。ガス形成の衰えと、生成物の流れの粘性の上昇とによって、流れ道程の遅くとも最後の3分の1で、層流が生じる。開いた水路の流れの類似性の定理によって、第2の反応ゾーンの環状ダクトでの生成物の流れは、層流となる。層流で、中心部の早い流れと、底部、第1の反応ゾーンのチャンネル壁および第2の反応ゾーンの環状ダクトでの遅い端部の流れとを避けるために、別の形態では、中心部の流れの速度を弱めるか、端部のそれを速めることが必要である。
【0014】
本発明の別の形態では、生成物の流れは、第2の反応段階の環状ダクトによって並行に同方向か、あるいは並行に逆方向かである。
【0015】
この方法を実施する装置では、第1の反応ゾーンのチャンネル内の生成物の流れの温度上昇を制限しコントロールするために、流れ方向に延びている熱レジスタを取付け、そのチューブは、流れ方向に直角に取付けられたチャンバ板の中を底部および/または壁から離れて通っている。このチャンバ板によって、生成物の流れの軸方向速度は、自由な端ゾーンで弱められ、熱レジスタの領域と底部とで相対的に速められる。逆に、流れの囲みによって、続く層状の細流で端側と底部側との遅い速度は速められ、中心部の早い流れには、ブレーキがかかる。
【0016】
本発明の特別の形態では、第1の反応ゾーンのチャンネル上に閉じられた蒸気収集チャンバが配置され、その出口開口は、巻き添えで分離される生成物小滴のための分離装置(特にサイクロン形のガス通路)と結びついている。
【0017】
第1の反応ゾーンのチャンネルおよび第2の反応ゾーンの環状ダクトにおける生成物のレベルを一定に保つために、別の形態では、チャンネルのまたは環状ダクトの端に溢れ堰板または溢れチューブが配置されている。ここで、分離または残滓をさけるために、それぞれの溢れ堰板または溢れ堰板の前にスタンドパイプが設けられるのがよい。
【0018】
PES製造装置を停止するとき、反応器の第1の反応ゾーンのチャンネルと第2の反応ゾーンの環状ダクトとの自動的で完全な排出(つまり、残滓のない排出)を可能にするためには、或る形態では、これらの端に、幾つかの方法で、それぞれの底部のもっとも低い点にS字管出口が配置される。
【0019】
別の形態では、さらに、底部の最も低い点における最後尾の死角の隅にあるチャンネル端または環状ダクト端にドレンチューブを設けるか、またはドレン開ロを中間に置いて、残滓の集積を避ける。
【0020】
第1の反応ゾーンのチャンネルの底部および/または第2の反応ゾーンの環状ダクトの底部が、水平面に対し、0.5〜6°(1〜4°)の角度を成しているのが好ましい。
【0021】
本発明の別の形態では、第3の反応ゾーンの攪拌器が、それぞれ垂直の駆動軸を有し底部を移動する、羽根車、もしくはフィンガー形、指形、枠形または円筒形の攪拌器から成っている。
【0022】
第3の反応ゾーンの攪拌器は、それぞれ垂直の駆動軸を有する回転プーリカスケード形、またはかご形の反応器の一部とすることもできる。上記回転プーリカスケード形は、穴明き形状、リング形状または完全なプーリを備え、反応生成物の入口は、軸端の途中に、共通の出口は中央にそれぞれ設けられていてよい。上記穴明き形状のプーリを備えた回転プーリ形カスケードでは、反応生成物の入口は一方の端、出口はそれに対向する他方の端に設けられることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、図面に例を図示して、以下に説明される。
縦断面で図示されているように、エステル化生成物は、予備重縮合のために、垂直の反応容器2の、その中に配置され、半径方向に通っている、第1の反応ゾーンを形成するチャンネル3にライン1を通して導かれる。チャンネル3には、熱レジスタ4が設けられ、そのパイプ5は、同心状に並んでいる。ここで、蒸気収集チャンバ6の形成のために、このチャンネルは、上方に向かって半径方向のチャンネル外壁と反応容器2との間において同心状で回っている壁7で閉じられている。蒸気収集チャンバ6からの巻き添えで分離された生成物小滴は、サイクロン状の分離装置8で分離される。チャンネル3を出る生成物は、外側にある環状ダクト10の最初の部分にある溢れチューブ9を通して、その後の2つの環状ダクト11、12を含み、第2の反応ゾーンの最初の部分13をなすチャンネルを通して放出される。環状ダクト10、11、12の貫流後に、生成物は、内側にある環状ダクト12の端で溢れチューブ14によって放出され、2つの別の環状ダクト16、17を含み、第2の反応ゾーンの第2の部分18をなすチャンネルの外側にある環状ダクト15に入る。生成物は、内側にある環状ダクト17の端で溢れチューブ19を通して導かれ、第3の反応ゾーンを形成し垂直の駆動軸21を備える羽根車20によって攪拌される液溜り22に入る。3つの反応ゾーンで発生する蒸気は、ライン23で外に導かれる。予備重縮合生成物は、ライン24で液溜り22から排出され、図示されていない重縮合段階に導かれる。

【誤訳訂正書】
【提出日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項1
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項1】
ジカルボン酸(特にテレフタル酸)またはジカルボン酸エステルのジオール(特にエチレングリコール(EG))とのエステル化/エステル交換反応が少なくとも1つの反応段階で行われ、このエステル化/エステル交換反応の生成物の予備重縮合が垂直の反応器から成る反応段階で真空下で行われ、予備重縮合生成物の重縮合が少なくとも1つの重縮合段階で行われる、ポリエステル(PES)の連続製造方法において、
上記反応器を去る予備重縮合生成物のジオール平衡圧の10〜40%の圧力が存在する上記垂直の反応器に入るエステル化/エステル交換反応の生成物は、自由な動きで、まず、環状チャンネルから形成された少なくとも1つの第1の反応ゾーンを加熱を制限されて貫流し、ついで、幾つかの同心状の環状ダクトに分かれた環状チャンネルから形成された少なくとも1つの第2の反応ゾーンの半径方向外側または半径方向内側の環状ダクトに導入され、ついで、上記環状ダクトを通して出口に導かれ、ついで、上記反応器の底部にある第3の攪拌反応ゾーンに導かれることを特徴とする方法。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0001
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0001】
本発明は、ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルのジオールと(特に、テレフタル酸(PTA)またはジメチルテレフタラート(DMT)とエチレングリコール(EG)とから出発してのポリエチレンテレフタラート(PET))のエステル化/エステル交換反応が少なくとも1つの反応段階で行われ、このエステル化/エステル交換反応の生成物の予備重縮合が垂直の反応器から成る反応段階で真空下で行われ、予備重縮合生成物の重縮合が少なくとも1つの重縮合段階で行われる、ポリエステル(PES)の連続製造の方法および装置に関するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸(特にテレフタル酸)またはジカルボン酸ジオールエステル(特にエチレングリコール(EG))のエステル化/エステル交換反応が少なくとも1つの反応段階で行われ、このエステル化/エステル交換反応の生成物の予備重縮合が垂直の反応器から成る反応段階で真空下で行われ、予備重縮合生成物の重縮合が少なくとも1つの重縮合段階で行われる、ポリエステル(PES)の連続製造方法において、
上記反応器を去る予備重縮合生成物のジオール平衡圧の10〜40%の圧力が存在する上記垂直の反応器に入るエステル化/エステル交換反応の生成物は、自由な動きで、まず、環状チャンネルから形成された少なくとも1つの第1の反応ゾーンを加熱を制限されて貫流し、ついで、幾つかの同心状の環状ダクトに分かれた環状チャンネルから形成された少なくとも1つの第2の反応ゾーンの半径方向外側または半径方向内側の環状ダクトに導入され、ついで、上記環状ダクトを通して出口に導かれ、ついで、上記反応器の底部にある第3の攪拌反応ゾーンに導かれることを特徴とする方法。
【請求項2】
上記第1の反応ゾーンおよび上記第2の反応ゾーンのチャンネルの底部での反応生成物の全圧は、重縮合生成物の局所的なジオール平衡圧よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記第1の反応ゾーンおよび上記第2の反応ゾーンのチャンネルの底部での反応生成物の全圧は、重縮合生成物の局所的なジオール平衡圧の5〜80%(特に10〜70%)であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
上記3つの反応ゾーンで形成された蒸気は、上記反応器から一緒に排出されることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
上記第1の反応ゾーンの蒸気は、上記別の2つの反応段階の蒸気と合体される前に、巻き添えで分離された生成物小滴の分離装置に導かれることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
上記反応生成物は、上記第2の反応ゾーンの隣接する環状ダクトによって並行に同方向に導かれることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
上記反応生成物は、上記第2の反応ゾーンの上記環状ダクトによって並行に逆方向に導かれることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
上記第3の攪拌反応ゾーンの生成物のレベルは、制御されることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
上記第1の反応ゾーンの上記チャンネルおよび上記第2の反応ゾーンの上記環状ダクトにおける生成物のレベルは、一定に保持されることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
上記第2の反応ゾーンの上記環状ダクトにおける生成物のレベルは、上記第1の反応ゾーンの上記チャンネルにおけるよりも、2〜3.5ファクタだけ低いことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
上記第1の反応ゾーンの上記チャンネルに配置され流れ方向に延びている熱パイプレジスタのパイプは、流れ方向に直角に取り付けられたチャンバ板の中に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか1つに記載の方法を実施する装置。
【請求項12】
上記第1の反応ゾーンの上記チャンネル上に配置され閉じられた蒸気収集チャンバの出口開口は、巻き添えで分離される生成物小滴のための分離装置と結びついていることを特徴とする請求項11項に記載の装置。
【請求項13】
上記第1の反応ゾーンの上記チャンネルの端に溢れ堰板または溢れチューブが配置されていることを特徴とする請求項10または12に記載の装置。
【請求項14】
上記第2の反応ゾーンのそれぞれの環状ダクトの端に溢れ堰板または溢れチューブが配置されていることを特徴とする請求項10〜13のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項15】
それぞれの溢れ堰板または溢れチューブの前に、下方流堰板またはスタンドパイプが設けられていることを特徴とする請求項10〜14のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項16】
上記第1の反応ゾーンの上記チャンネルの端、あるいは上記第2の反応ゾーンの最後の環状ダクトの端には、ドレインバイパスとガス抜きパイプとが付いたS字管出口がそれぞれの底部の最も低い点に配置されていることを特徴とする請求項10または12に記載の装置。
【請求項17】
上記第1の反応ゾーンのチャンネルの端、あるいは第2の反応ゾーンのそれぞれの環状ダクトの端には、ドレン開口がそれぞれの底部の最も低い点に配置されていることを特徴とする請求項10〜16のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項18】
上記第2の反応ゾーンの上記環状ダクトにガイド板(バッフル板)が配置されていることを特徴とする請求項10〜17のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項19】
上記第1の反応ゾーンおよび/または上記第2の反応ゾーンの上記チャンネルの底部は、水平面に対し、0.5〜6°(特に1〜4°)の角度を成していることを特徴とする請求項10〜18のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項20】
上記第3の反応ゾーンの攪拌器は、それぞれ垂直の駆動軸を有し底部を移動する、羽根車、もしくはフィンガー形、指形、枠形または円筒形の攪拌器であることを特徴とする請求項10〜19のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項21】
上記第3の反応ゾーンの攪拌器は、それぞれ水平の駆動軸を有する、回転プーリ形攪拌器またはかご形反応器を含むことを特徴とする請求項10〜20のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項22】
上記回転プーリ形攪拌器には、穴明き形状、リング形状または完全な形状のプーリを備えていることを特徴とする請求項21項に記載の装置。
【請求項23】
回転プーリ形カスケードの場合には、反応生成物の入口は軸端の途中に、共通の出口は中央にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項22項に記載の装置。
【請求項24】
上記穴明き形状のプーリを備えた回転プーリ形カスケードの場合には、反応生成物の入口は一方の端に、出口は他方の端に設けられていることを特徴とする請求項22項に記載の装置。
【請求項25】
底部側の部分流ドレン抜きが上記チャンネルの端および上記環状ダクトの端に設けられていることを特徴とする請求項10〜22のうちのいずれか1つに記載の装置。

【公表番号】特表2006−507377(P2006−507377A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542361(P2004−542361)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010444
【国際公開番号】WO2004/033526
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(500471386)ツィマー アーゲー (1)
【Fターム(参考)】