説明

ポリエステル組成物の製造方法

【課題】耐加水分解性に優れたフィルム用途として好適なポリエステル組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】リン酸アルカリ金属塩と3官能以上の共重合成分を含むポリエステル組成物の製造方法において、リン酸アルカリ金属塩の添加後から重合反応開始までの間に3官能以上の共重合成分を添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法により達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐加水分解性の良好なポリエステル組成物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性および成形性に優れており、様々な用途に用いられている。
【0003】
しかしながら、ポリエステルは、加水分解により機械物性が低下するため、長期にわたって使用する場合、あるいは湿気のある状態で使用する場合においては、加水分解を抑制すべく、様々な検討がなされてきた。特に、太陽電池用フィルムにおいては、屋外において20年以上の耐用年数が要求されることから、高い耐加水分解性が要求される。そのため、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、ポリエステルに、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のリン酸塩を含有させるポリエステルの製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、この提案のように、リン酸金属塩のみを含有させる方法では、初期のCOOH末端基は抑制できるが、加水分解によるCOOH末端基増加量を抑制することは難しく、太陽電池用途のように長期間の耐久性を必要とする用途では十分な耐加水分解性が得られない。
【0005】
また、ポリエステルに、無機リン酸塩を含有させるポリエステルの製造方法が提案されており、その実施例では無機リン酸塩がリン酸と併用されている(特許文献2参照。)。しかしながら、リン酸と無機リン酸塩の比率とその適用量が必ずしも十分でないため、無機リン酸塩が異物化しやすく、短期間の耐加水分解性には優れるものの、太陽電池用途などに必要とされる長期にわたる耐加水分解性が不十分であり、異物によるフィルムの機械物性の低下があった。
【0006】
さらに、緩衝リンを含有するポリエチレンテレフタレートが提案されており、架橋成分を共重合させることにより、伸度保持率、重合性および成形性を向上させている(特許文献3参照。)。しかしながら、この提案では、リン化合物の析出や触媒残査および架橋成分起因の内部析出粒子の生成により、フィルターが詰まりやすく、フィルターライフが短いなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−114881号公報
【特許文献2】特開2007−277548号公報
【特許文献3】WO2010/103945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明の目的は、上記した従来の課題を解決し、耐加水分解性に優れたフィルム用途として好適なポリエステル組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、上記目的を達成せんとするものであり、本発明のポリエステル組成物の製造方法は、リン酸アルカリ金属塩と3官能以上の共重合成分を含むポリエステル組成物の製造方法において、前記リン酸アルカリ金属塩の添加後からポリエステルの重合反応開始までの間に、前記3官能以上の共重合成分を添加することにより達成される。
【0010】
本発明のポリエステル組成物の製造方法の好ましい態様によれば、添加する前記のリン酸アルカリ金属塩は0.1mol/t以上7.0mol/t以下である。
【0011】
本発明のポリエステル組成物の製造方法の好ましい態様によれば、前記のリン酸アルカリ金属塩をリン化合物およびジオール成分と混合し、溶液またはスラリーとして添加することである。
【0012】
本発明のポリエステル組成物の製造方法の好ましい態様によれば、前記のリン化合物をリン酸アルカリ金属塩に対し、0.1倍モル以上7.5倍モル以下混合することである。
【0013】
本発明のポリエステ前記の3官能以上の共重合成分を添加した後に、フィルターでポリエステル低量体のろ過を行い、重縮合反応を実施することである。
【0014】
本発明のポリエステル組成物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の3官能以上の共重合成分が全酸成分に対して、0.01mol%以上1.00mol%以下であることである。
【0015】
本発明のポリエステル組成物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の3官能以上の共重合成分を、0.5重量%以上5重量%以下のエチレングリコール溶液として添加することである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のポリエステル組成物の製造方法によれば、耐加水分解性に優れたポリエステル組成物を提供すると共に、ポリエステル生成過程において生成する粒子成分を抑制することで、ポリエステル製造工程に用いるフィルターの長寿命化を達成することができ、効率的かつ低コストで生産可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明のポリエステル組成物の製造方法について詳細に説明する。
【0018】
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、リン酸アルカリ金属塩と3官能以上の共重合成分を含むポリエステル組成物の製造方法である。
【0019】
本発明のポリエステル組成物の製造方法で得られるポリエステル組成物は、耐加水分解性の点から、酸成分として95mol%以上が芳香族ジカルボン酸成分であることが好ましい。中でも、芳香族ジカルボン酸成分は、機械特性の点から、テレフタル酸成分であることが好ましい。
【0020】
また、グリコール成分として、機械特性と熱特性の点から、95mol%以上が炭素数2〜4の直鎖アルキレングリコールであることが好ましく、特に成形性と結晶性の点からエチレングリコールであることが好ましい。
【0021】
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体と、炭素数2〜4の直鎖アルキレングリコールとからエステル交換反応またはエステル化反応を経て重縮合反応を実施するポリエステル組成物の製造方法であって、エステル交換反応またはエステル化反応を実施する第一工程、リン酸アルカリ金属塩やリン化合物および3官能以上の共重合成分などを添加する第二工程、および重合反応を実施する第三工程を有する。また、必要に応じて固相重合を行う第四工程を追加してもよい。
【0022】
上記の第一工程をエステル交換反応で実施する場合、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カルシウム、酢酸コバルト、酢酸リチウムおよび酢酸亜鉛など種々のエステル交換触媒を用いることが可能であるが、耐加水分解性の点から酢酸マンガン、酢酸マグネシウムおよび酢酸カルシウムを用いることが好ましく、より好ましくは、酢酸マンガンが好ましく用いられる。また、エステル化反応で第一工程を実施する場合には、触媒としてアルカリ金属、チタン化合物およびアンモニウム塩などを用いても構わない。しかしながら、重縮合反応段階で熱分解や異物発生などが問題となる可能性があるため、エステル化反応は無触媒で実施することが好ましい。エステル化反応は、無触媒においても、COOH末端基の自己触媒作用によって反応は十分に進行する。
【0023】
本発明のポリエステル組成物の製造方法において、第二工程では、第一成分としてリン酸アルカリ金属塩を添加する必要がある。リン酸アルカリ金属塩としては、例えば、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウムおよびリン酸三リチウムが挙げられる。それらの中でも、耐加水分解性の点から、リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムが好ましく用いられる。
【0024】
リン酸アルカリ金属塩の添加時期は、第一工程であるエステル交換反応もしくはエステル化反応終了後から、第三工程である重合反応開始までの間である第二工程において添加することが好ましい。具体的には、第一工程として実施するエステル交換反応およびエステル化反応が終了した後、固有粘度が約0.3に到達するまでの間にリン酸アルカリ金属塩を添加することが好ましい。エステル交換反応中にリン酸アルカリ金属塩の添加を実施すると、エステル交換触媒が失活し、エステル交換反応が停止する可能性がある。また、固有粘度が0.3以上の段階でリン酸アルカリ金属塩を添加すると、ポリエステルの粘度が高いために均一に分散せず異物化する可能性がある。
【0025】
リン酸アルカリ金属塩の添加量の下限は、耐加水分解性の点から得られるポリエステル組成物に対する濃度として0.1mol/t以上であることが好ましく、より好ましくは0.4mol/t以上である。また、添加量の上限は、異物抑制と耐加水分解性の点から、7.0mol/t以下であることが好ましく、より好ましく4.0mol/t以下であり、さらに好ましくは2.0mol/t以下である。添加量が0.1mol/t未満では、十分な耐加水分解効果が得られない場合がある。また、添加量が7.0mol/tを超えると、ポリエステル組成物の加水分解速度を高めてしまい、耐加水分解性が低下し、さらにリン酸アルカリ金属塩の異物化により、フィルターの閉塞やフィッシュアイによる成型品の外観不良が起こる可能性がある。
【0026】
リン酸アルカリ金属塩の添加方法としては、耐加水分解性の点から、予めリン化合物と混合し、添加することが好ましい。このときの混合割合は、リン化合物を、リン酸アルカリ金属塩に対して0.1倍モル以上7.5倍モル以下混合することが好ましく、より好ましくは0.3倍モル以上5.0倍モル以下であり、さらに好ましくは1.0倍モル以上2.0倍モル以下である。リン化合物をリン酸アルカリ金属塩に対して0.1倍モル以上7.5倍モル以下混合することにより、得られるポリエステル組成物の加水分解時の反応活性を制御することが可能であり、高い耐加水分解性を得ることが出来る。リン化合物の混合割合が0.1倍モル未満では、耐加水分解性が低下することがあり、7.5倍モルを超えると過剰なリン化合物により重合触媒が失活することによる重合反応の遅延や、COOH末端基が増加により、耐加水分解性が低下することがある。また、あらかじめリン酸アルカリ金属塩とリン化合物を混合せず、別々に添加すると、耐加水分解性が低下する場合がある。リン酸アルカリ金属塩と混合するリン化合物としては、例えば、リン酸、トリメチルホスフェート、トリメチルホスホノアセテートおよびフェニルホスホン酸ジメチルなどが挙げられる。それらの中でも、耐加水分解性の観点から、リン酸が好ましく用いられる。また、リン酸アルカリ金属塩並びにリン化合物は、ジオールで溶解し添加することが好ましく、異物抑制の点から、0.1質量%以上20質量%以下の濃度で溶解し添加することが好ましい。ジオールは、炭素数2〜4の直鎖アルキレングリコールが好ましく、特に好ましくはエチレングリコールである。
【0027】
さらに、本発明におけるポリエステル組成物の製造方法では、第二工程において、リン酸アルカリ金属塩の添加後、第二成分として3官能以上の共重合成分を添加する必要がある。3官能以上の共重合成分としては、例えば、トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、長鎖脂肪族カルボン酸を3量体化したトリマー酸などの多価カルボン酸およびその無水物やエステル、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリヒドロキシベンゼンカルボン酸、トリヒドロキシヘキサンなどの多価アルコール、クエン酸ジヒドロキシベンゼンカルボン酸およびジヒドロキシナフタレンカルボン酸などの多価ヒドロキシカルボン酸およびその無水物やエステルなどを挙げることが出来る。特に、フィルムの成形性の点から、3官能の共重合成分であることが好ましい。
【0028】
3官能以上の共重合成分の添加時期は、リン酸アルカリ金属塩の添加後からポリエステルの重合反応開始までの間に添加することが必要である。具体的には、第一工程として実施するエステル交換反応およびエステル化反応が終了した後、第二工程として第一成分のリン酸アルカリ金属塩を添加し、固有粘度が約0.3に到達するまでの間に、第二成分である3官能以上の共重合成分を添加する。このとき、第一成分と第二成分の添加は、5分以上間隔を空けることが好ましい。リン酸アルカリ金属塩より先に3官能以上の共重合成分を添加すると、ポリエステル低量体および触媒金属との粒子成分を形成しやすくなり、フィルターの閉塞や粗大異物の形成が起こる可能性がある。固有粘度が約0.3以上の段階で3官能以上の共重合成分を添加すると、ポリエステル低量体の粘度が高いために共重合成分が均一に反応せず、ゲル化や成形不良の原因となることがある。また、エステル交換反応が終了する前に添加すると、エステル交換触媒が失活し反応が進行しなくなる可能性があるため、エステル交換反応が終了した後に3官能以上の共重合成分を添加することが好ましい。
【0029】
本発明のポリエステル組成物の製造方法では、リン酸アルカリ金属塩および3官能以上の共重合成分の添加後、フィルターでポリエステル低量体のろ過を行い、次いで重合反応を実施することが好ましい。具体的には、エステル交換反応もしくはエステル化反応終了後、リン酸アルカリ金属塩および3官能以上の共重合成分の添加し、フィルターを有した移送装置によって、エステル交換反応装置またはエステル化反応装置から重合反応装置に移送することが好ましい。フィルターとしては、例えば、金属メッシュフィルター、金属不織布フィルターおよび金属焼結フィルターなどが挙げられる。好ましくは、目開き5μm以上150μm以下のフィルターであり、さらに好ましくは5μm以上20μm以下のフィルターが好ましく用いられる。
【0030】
ポリエステル低量体を重合装置へ移送する際にフィルターを用いると、粗大粒子や異物などを除去することができ、得られるポリエステル組成物への異物混入が抑制できる。ポリエステル組成物に異物が混入していると、成型時フィッシュアイなどが問題となるため好ましくない。また、ろ圧が、初期ろ圧より0.05MPa以上上昇した際に、フィルターの交換を実施することが好ましい。このとき、粒子成分が多く生成するポリエステルではフィルターの交換頻度が増してしまい、生産効率が低下することがある。本発明のポリエステル組成物の製造方法では、リン酸アルカリ金属塩を添加した後に3官能以上の共重合成分を添加することにより、粒子成分の生成が抑えられるため、フィルターの交換頻度を低減させることが可能となる。
【0031】
3官能以上の共重合成分の添加量の下限値は、フィルム成形後の耐加水分解性の点から得られる全酸成分に対して0.01mol%以上であることが好ましく、より好ましくは0.10mol%以上である。また、添加量の上限は、ゲル化抑制の点から1.00mol%以下であることが好ましく、より好ましく0.50mol%以下である。添加量が0.01mol%未満では、十分な耐加水分解効果が得られない場合がある。また、添加量が1.00mol%を超えると、ゲル化進行し、成形性が悪化する可能性がある。
【0032】
3官能以上の共重合成分の添加方法としては、反応性および異物抑制の点から、0.5質量%以上5質量%以下のエチレングリコール溶液として添加することが好ましい。添加濃度が0.5質量%未満では、系内に添加するエチレングリコール量が多く、副生成物であるジエチレングリコール量が増加し、耐熱性ならびに耐加水分解性が低下する可能性がある。また、添加濃度が5質量%を超える濃度であると局所的な反応となり、粗大異物が生成する場合がある。また、3官能以上の共重合成分を、エチレングリコール溶液ではなく、粉体やスラリーとして添加すると、粗大異物や未反応物によるフィルターの閉塞が起こる場合がある。
【0033】
次に、本発明におけるポリエステル組成物の製造方法について具体的に説明するが、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。ここでは、エステル交換反応法について記載する。
【0034】
第一工程:テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応容器へ仕込む。この際、エチレングリコールの仕込み量を、テレフタル酸ジメチルに対して好ましくは1.7〜2.3倍モル添加することにより、反応性が良好になる。これらを150℃程度の温度で溶融後、触媒として酢酸マンガンと三酸化二アンチモンを添加し撹拌する。次いで、230℃の温度まで徐々に昇温しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を実施する。
【0035】
第二工程:エステル交換反応が終了した反応物に、第一成分としてリン酸二水素ナトリウム二水和物およびリン酸とエチレングリコールの混合物を添加する。その後第二成分として、無水トリメリット酸のエチレングリコール溶液を添加し、フィルターを有した移送装置を用い重合装置に移送する。このとき、異物抑制の点から、第一成分と第二成分の添加間隔と、第二成分の添加から移送までの間隔は5分以上あけることが好ましい。添加の間隔が短いと、エステル交換触媒がリン化合物により十分に失活しておらず、共重合成分と反応し粒子成分を生成しやすくなる場合がある。粒子成分が多量に生成すると、フィルター閉塞の原因となる。
【0036】
本発明においては、その他の添加物として、静電印加特性を付与する目的で酢酸マグネシウムを、助触媒として酢酸カルシウムを、酸化防止剤などの添加物やフィルムの滑り性を付与するために各種粒子などを、本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。
【0037】
また、エステル化反応を経ている場合は、全グリコール成分が全酸成分に対して好適には1.4倍モル以上2.0倍モル以下になるようにグリコール成分を追加することにより、COOH末端基量を低減させることが出来るので、耐加水分解性が向上する。
【0038】
第三工程:重合装置内温度を徐々に290℃の温度まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から133Pa以下まで、徐々に減圧してエチレングリコールを留出させる。このとき、ポリエステル組成物のCOOH末端基量をより低くしたい場合は、重合温度を低く設定すると良い。所定の撹拌トルクに到達した段階で反応を終了とし、反応系内を窒素にて常圧にし、冷水にストランド状に吐出し、カッティングし、ペレット状のポリエステル組成物を得る。
【0039】
第四工程:第三工程で得られたペレット状のポリエステル組成物を固相重合装置に仕込み、ポリエステル組成物の融点−30℃以下融点−60℃以上の温度で、真空度0.3Torr以下の条件で固相重合を実施する。
【0040】
このように製造されたポリエステル組成物、またこのポリエステル組成物からなる成型品は、COOH末端基量が低く、短期での耐加水分解性が良好であるばかりではなく、リン酸アルカリ金属塩とリン化合物との緩衝作用により、太陽電池用フィルムなどの用途で必要な長期耐加水分解性も良好となる。
【実施例】
【0041】
次に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明における物性の測定方法は、次の方法に従って行った。
【0042】
(1)固有粘度(IV)
オルトクロロフェノールを溶媒として、25℃の温度で測定した。
【0043】
(2)COOH末端基量
Mauriceの方法により測定した。文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))参照。
【0044】
(3)耐加水分解性評価(ΔCOOH)
ペレット状のポリエステル組成物を、温度155℃、湿度100%RHで4時間加熱処理し、処理前後のCOOH末端基量の差(処理後COOH末端基量−処理前COOH末端基量)を比較した。このときのCOOH末端基量の差(ΔCOOH)が、50eq/t以下であるとき、良好な耐加水分解性を有していると判断した。また、処理装置には、次の加熱処理装置を使用した。加熱処理装置:PRESSER COOKER 306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)。
【0045】
(4)フィルター寿命
エステル交換反応およびエステル化反応終了後のポリエステル低量体を重合装置へ移送する際に使用するフィルターのろ過限界量でフィルター寿命を判断した。ろ圧が初期ろ圧より0.05MPa上昇するまでにろ過したポリエステル低量体量を、ろ過限界量とした。
・フィルター:SUS316L製円筒型金属メッシュフィルター
・(ろ過面積0.79平方メートル、目開き10μm)
○:ろ過限界量 6トン以上、
△:ろ過限界量 2.5トン以上6トン未満、
×:ろ過限界量 2.5トン未満
生産効率やコストの点から、○と△を好適なろ過限界量と判断した。
【0046】
(5)フィッシュアイ
2軸延伸フィルムを偏光下で顕微鏡観察し、偏光のかかる箇所に異物の粒子が存在するものをフィッシュアイとして観測した。
【0047】
(実施例1)
第一工程:テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール58質量部(ジカルボン酸成分の1.9倍モル)、酢酸マンガン四水和物0.07質量部、および三酸化二アンチモン0.03質量部をエステル交換反応装置に仕込み150℃の温度で溶解した。この溶解物を、230℃の温度まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定量のメタノールが留出したところで、エステル交換反応を終了した。
【0048】
第二工程:エステル交換反応が終了した反応物に、第一成分として、リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026質量部(1.7mol/t相当)/リン酸0.019質量部(2.0mol/t相当、リン酸アルカリ金属塩対比1.1倍モル)/エチレングリコール1.6質量部の混合物を添加した。5分後、第二成分として無水トリメリット酸0.1質量部(1質量%のエチレングリコール溶液)を添加し、SUS316L製円筒型金属メッシュフィルターを有する移送装置を用いて重合装置に移送した。フィルターは繰り返し使用し、ポリエステル低量体6トン以上のろ過を行ってもろ圧は上昇しなかった。
【0049】
第三工程:重合装置内温度を、90分かけて235℃から290℃の温度まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧しエチレングリコールを留出させた。固有粘度0.65相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部から溶融ポリマーをストランド状に吐出した。吐出されたポリエステル樹脂は、水槽にて急冷後、カッターを用いてカッティングしペレットのポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の特性を、表1に示す。
【0050】
得られたペレット状のポリエステル組成物を160℃の温度で4時間真空乾燥した後、窒素雰囲気下で押出機に供給し、280℃の押出温度でTダイから吐出し、キャスティングドラムを用いて急冷し、静電印加法によってシート化した。このシートを、縦延伸温度90℃で3.6倍に縦延伸したのち、横延伸温度110℃で3.6倍に横延伸し、210℃の温度で熱処理することにより2軸延伸フィルムを得た。得られた2軸延伸フィルムのフィッシュアイ個数を、表1に示す。
【0051】
(実施例2〜7)
リン酸アルカリ金属塩の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル組成物を得た。
【0052】
実施例2は、実施例1と比べてリン酸アルカリ金属塩の添加量を減らし、リン化合物の混合比を大きくした。その結果、十分な耐加水分解性は有しているが、実施例1に比べ耐加水分解性が低下した。
【0053】
実施例3は、実施例1と比べてリン酸アルカリ金属塩の添加量を減らし、リン化合物の混合比を大きくした。その結果、実施例1同様の十分な耐加水分解性は有していた。
【0054】
実施例4は、実施例1と比べてリン酸アルカリ金属塩の添加量を増やし、リン化合物の混合比を小さくした。その結果、実施例1同様の十分な耐加水分解性は有していた。
【0055】
実施例5,6は、実施例1と比べてリン酸アルカリ金属塩の添加量を増やし、リン化合物の混合比を小さくした。その結果、十分な耐加水分解性は有しているが、実施例1に比べ耐加水分解性が低下した。
【0056】
実施例7においては、リン酸アルカリ金属塩の添加量が多く、重合時間が伸長したため、ポリエステル組成物のCOOH末端基量が多く、耐加水分解性が低下する傾向であったが、十分な耐加水分解性を有していた。また、添加量が多いために、リン酸アルカリ金属塩が析出し、フィルター詰まりが発生したため、ろ過限界量は5.5トンであった。結果を表1と表2に示す。
【0057】
(実施例8)
第一工程:テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール58質量部(ジカルボン酸成分の1.9倍モル)、酢酸マンガン四水和物0.07質量部および三酸化二アンチモン0.03質量部をエステル交換反応装置に仕込み、150℃の温度で溶解した。この溶解物を230℃の温度まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定量のメタノールが留出したところで、エステル交換反応を終了した。
【0058】
第二工程:エステル交換反応が終了した反応物に、第一成分として、リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026質量部(1.7mol/t相当)/エチレングリコール1.4質量部とリン酸0.019質量部(2.0mol/t相当)/エチレングリコール0.2質量部の溶液を混合せずにそれぞれ添加した。5分後、第二成分として、無水トリメリット酸0.1質量部(1質量%のエチレングリコール溶液)を添加し、SUS316L製円筒型金属メッシュフィルターを有する移送装置を用い重合装置に移送した。
【0059】
第三工程:重合装置内温度を90分かけて235℃から290℃の温度まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧しエチレングリコールを留出させた。固有粘度0.65相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部から溶融ポリマーをストランド状に吐出した。吐出されたポリエステル樹脂は水槽にて急冷後、カッターを用いてカッティングし、ペレット状のポリエステル組成物を得た。
【0060】
この実施例8では、リン酸アルカリ金属塩とリン酸を予め混合し添加しなかったため、実施例1に比べポリエステル組成物のCOOH末端基量が増加し、耐加水分解性が低下する傾向であったが、十分な耐加水分解性を有していた。結果を表2に示す。
【0061】
(実施例9)
フィルターを用いてろ過を実施しないこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル組成物と2軸延伸フィルムを得た。
【0062】
得られたポリエステル組成物は、実施例1同等の十分な耐加水分解性を有していたが、フィルターでろ過を行わなかったため、埃などの異物が混入し2軸延伸フィルムではフィッシュアイが増加した。結果を表2に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
(実施例10〜16)
リン酸アルカリ金属塩、リン化合物およびエステル交換触媒を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル組成物を得た。
【0066】
実施例10、11では、リン酸アルカリ金属塩をリン酸二水素カリウムとリン酸水素二ナトリウムへ変更した。その結果、十分な耐加水分解性は有していたが、実施例1と比べ、耐加水分解性が低下した。
【0067】
実施例12〜14においては、リン酸アルカリ金属塩と混合するリン化合物を変更したことにより、リン酸アルカリ金属塩のCOOH末端基量の増加抑制効果が弱くなり、実施例1と比べ耐加水分解性が低下する傾向であったが、十分な耐加水分解性を有していた。
【0068】
実施例15、16では、エステル交換触媒を酢酸マグネシウムと酢酸カルシウムへ変更した。その結果、十分な耐加水分解性を有していたが、実施例1に比べ、耐加水分解性が低下した。結果を表3と表4に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
(実施例17〜24)
第二成分として、添加する共重合成分の添加量や濃度を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル組成物を得た。
【0072】
実施例17では、無水トリメリット酸の添加量を少なくした。その結果、実施例1同様の十分な耐加水分解性を有していた。
【0073】
実施例18、19では、無水トリメリット酸の添加量を多くした。その結果、十分な耐加水分解性を有していたが、実施例1に比べ、耐加水分解性が低下した。
【0074】
実施例20においては、無水トリメリット酸の添加量を多くした。その結果、無水トリメリット酸の添加量が多いため、ゲル化が進行し溶融ポリマーの吐出が安定しなかったが、得られたポリエステル組成物は十分な耐加水分解性を有していた。
【0075】
実施例21、22においては、無水トリメリット酸の濃度を希釈し添加した。その結果、無水トリメリット酸と共に添加したエチレングリコールの量が多いために、ジエチレングリコール含有量が増加し、耐加水分解性が低下する傾向であったが、十分な耐加水分解性を有していた。
【0076】
実施例23では、無水トリメリット酸の濃度を高くし添加した。その結果、十分な耐加水分解性を有していたが、実施例1に比べ、耐加水分解性が低下した。
【0077】
実施例24においては、無水トリメリット酸の濃度を高くし添加した。その結果、無水トリメリット酸の濃度が高いため、局所的に反応が進行し、フィルター詰まりが発生、ろ過限界量は5トンであった。結果を表5と表6に示す。
【0078】
(実施例25)
第二成分として、添加する共重合成分をエチレングリコールスラリーとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル組成物を得た。無水トリメリット酸をスラリーとして添加したため、局所的に反応が進行し、フィルター詰まりが発生、ろ過限界量は4.3トンであった。結果を表6に示す。
【0079】
(実施例26〜28)
第二成分として、添加する共重合成分を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル組成物を得た。
【0080】
実施例26〜28では、共重合成分をトリメリット酸、無水ピロメリット酸およびピロメリット酸に変更した。その結果、十分な耐加水分解性を有していたが、実施例1に比べ、耐加水分解性が低下した。結果を表6に示す。
【0081】
【表5】

【0082】
【表6】

【0083】
(実施例29)
第一工程:予めエステル化反応装置に、ビスヒドロキシエチルテレフタレート52.4質量部(PET50質量部相当)を仕込んだ反応系内の温度を245〜255℃に保ちつつ、テレフタル酸43.2質量部とエチレングリコール18.6質量部からなるスラリーをスネークポンプによって反応系内に供給し、水を留出させながらエステル化反応を実施した。エステル化反応率が95%に到達した段階で、エステル化反応を終了した。
【0084】
第二工程:エステル化反応が終了した反応物に、酢酸マンガン0.07質量部、三酸化二アンチモン0.03質量部を添加し、5分後、第一成分としてリン酸二水素ナトリウム二水和物0.026質量部(1.7mol/t相当)/リン酸0.019質量部(2.0mol/t相当、リン酸アルカリ金属塩対比1.1倍モル)/エチレングリコール1.6質量部の混合物を添加した。さらに5分後、第二成分として、無水トリメリット酸0.1質量部(1質量%のエチレングリコール溶液)を添加し、SUS316L製円筒型金属メッシュフィルターを有する移送装置を用いて重合装置に移送した。
【0085】
第三工程:重合装置内温度を90分かけて255℃から290℃の温度まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧しエチレングリコールを留出させた。固有粘度0.65相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部から溶融ポリマーをストランド状に吐出した。吐出されたポリエステル樹脂は水槽にて急冷後、カッターを用いてカッティングしペレット状のポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の特性を、表7に示す。
【0086】
【表7】

【0087】
(比較例1)
第一工程:テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール58質量部(ジカルボン酸成分の1.9倍モル)、酢酸マンガン四水和物0.07質量部、三酸化二アンチモン0.03質量部、リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026質量部(1.7mol/t相当)/リン酸0.019質量部(2.0mol/t相当、リン酸アルカリ金属塩対比1.1倍モル)/エチレングリコール1.6質量部の混合物、および無水トリメリット酸0.1質量部(1質量%のエチレングリコール溶液)を、エステル交換反応装置に仕込み150℃の温度で溶解した。この溶解物を230℃の温度まで3時間かけて昇温したが、メタノールは留出せず、ポリエステル組成物が得られなかった。結果を表8に示す。
【0088】
(比較例2)
第一工程:テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール58質量部(ジカルボン酸成分の1.9倍モル)、酢酸マンガン四水和物0.07質量部、三酸化二アンチモン0.03質量部をエステル交換反応装置に仕込み150℃の温度で溶解した。この溶解物を230℃の温度まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定量のメタノールが留出したところでエステル交換反応を終了した。
【0089】
第二工程:エステル交換反応が終了した反応物に、第一成分としてリン酸二水素ナトリウム二水和物0.026質量部(1.7mol/t相当)/リン酸0.019質量部(2.0mol/t相当、リン酸アルカリ金属塩対比1.1倍モル)/エチレングリコール1.6質量部の混合物を添加し、SUS316L製円筒型金属メッシュフィルターを有する移送装置を用い重合装置に移送した。
【0090】
第三工程:重合装置内温度を90分かけて235℃から290℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧しエチレングリコールを留出させた。固有粘度が0.50に到達した時点で、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、第二成分として無水トリメリット酸0.1質量部(1質量%のエチレングリコール溶液)を添加した。その後5分撹拌し、再度真空へ減圧し重合反応を継続した。固有粘度0.65相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスによって常圧にし、重合装置下部から溶融ポリマーをストランド状に吐出した。吐出されたポリエステル樹脂は水槽を用いて急冷後、カッターを用いてカッティングしてペレット状のポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の特性を、表5に示す。
【0091】
この比較例2では、ポリエステルの粘度が上昇してから共重合成分を添加したため、均一に反応せず溶融ポリマーの吐出が安定せず、乱れたストランドによりカッターに負荷がかかり停止、正常なポリマーペレットが得られなかった。結果を表8に示す。
【0092】
【表8】

【0093】
(比較例3)
第一工程:テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール58質量部(ジカルボン酸成分の1.9倍モル)、酢酸マンガン四水和物0.07質量部、三酸化二アンチモン0.03質量部をエステル交換反応装置に仕込み150℃の温度で溶解した。この溶解物を230℃の温度まで3時間かけて昇温しながら、メタノールを留出させた。所定量のメタノールが留出したところでエステル交換反応を終了した。
【0094】
第二工程:エステル交換反応が終了した反応物に、第一成分として無水トリメリット酸0.1質量部(1質量%のエチレングリコール溶液)を添加した。5分後、第二成分として、リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026質量部(1.7mol/t相当)/リン酸0.019質量部(2.0mol/t相当、リン酸アルカリ金属塩対比1.1倍モル)/エチレングリコール1.6質量部の混合物を添加し、SUS316L製円筒型金属メッシュフィルターを有する移送装置を用い重合装置に移送した。フィルターは繰り返し使用し、ポリエステル低量体2.2トンろ過したところでろ圧が上昇した。
【0095】
第三工程:重合装置内温度を90分かけて235℃から290℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧しエチレングリコールを留出させた。固有粘度0.65相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスで常圧にし、重合装置下部から溶融ポリマーをストランド状に吐出した。吐出されたポリエステル樹脂は水槽で急冷後、カッターを用いてカッティングしペレット状のポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の特性を、表6に示す。
【0096】
この比較例3では、リン酸アルカリ金属塩の添加前に共重合成分を添加したため、粒子成分の生成量や粗大粒子成分が増加し、2.2トンろ過したところで、フィルター交換が必要となった。結果を表9に示す。
【0097】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸アルカリ金属塩と3官能以上の共重合成分を含むポリエステル組成物の製造方法において、前記リン酸アルカリ金属塩の添加後からポリエステルの重合反応開始までの間に、前記3官能以上の共重合成分を添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
【請求項2】
添加するリン酸アルカリ金属塩が、0.1mol/t以上7.0mol/t以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項3】
リン酸アルカリ金属塩をリン化合物およびジオール成分と混合し、溶液またはスラリーとして添加することを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項4】
リン化合物をリン酸アルカリ金属塩に対し、0.1倍モル以上7.5倍モル以下混合することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項5】
リン酸アルカリ金属塩および3官能以上の共重合成分を添加した後に、フィルターでポリエステル低量体のろ過を行い、重縮合反応を実施することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項6】
3官能以上の共重合成分が全酸成分に対して、0.01mol%以上1.00mol%以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項7】
3官能以上の共重合成分を、0.5重量%以上5重量%以下のエチレングリコール溶液として添加することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のポリエステル組成物の製造方法。

【公開番号】特開2012−197362(P2012−197362A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62511(P2011−62511)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】