説明

ポリカーボネート及びこれを作製する方法

【要訳】
本発明は、多糖から作製可能であるジアンヒドロヘキシトール残基およびポリオール残基を含むポリカーボネートであって、該ポリカーボネートは、ポリマー1gあたり0.2〜5mmolの水酸基を有する、ポリカーボネートに関する。ポリカーボネートは、分岐していてよく、適切な架橋剤と反応することができる官能基を有する。ポリカーボネートは、例えばコーティング組成物に使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能資源の多糖類から誘導されることができる部分(moiety)を含み優れた熱抵抗を有するポリカーボネート、これらを作製する方法及びコーティングアプリケーションにおけるこれらポリカーボネートの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネートは一般に、石油資源から得ることができる原料を用いて生産される。石油資源の枯渇への懸念のため、植物等の再生可能資源から得ることができる原料を用いてポリカーボネートを生産することが望まれている。
【0003】
他方、以下の式(1)によって表される二環式エーテルジオールは、再生可能資源(例えば多糖類、澱粉等)から、容易に作製することができる。エーテルジオールは、3種類の立体異性体を有する。具体的な用語では、これらは、以下の式(2)で表される1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(今後この化合物は、本明細書において「イソソルビド」と称される)、以下の式(3)で表される1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(今後この化合物は、本明細書において「イソマンニド」と称される)及び以下の式(4)で表される1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール(今後この化合物は、本明細書において「イソイジド」と称される)である。
【0004】
【化1】

【0005】
【化2】

【0006】
【化3】

【0007】
【化4】

【0008】
イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドは、それぞれ、D−グルコース、D−マンノース、そして、L−イドーズから生産することができる。例えば、イソソルビドは、D−グルコースを水素化し、続いて酸性触媒による脱水をすることによって生産することができる。
【0009】
これまで、上述のエーテルジオールの中でも特にイソソルビドを主なモノマーとしてポリカーボネートに組み込むことが研究されてきた(例えばドイツ未審査特許公開番号2938464、Journal fuer praktische Chemie, p. 298−310, vol. 334, 1992, Macromolecules, p. 8077−8082, vol. 29,1996及びJournal of Applied Polymer Science, p. 872−880, vol. 86, 2002)。
【0010】
しかし、イソソルビドから誘導されたポリカーボネートは貧弱な成形性という課題を抱えており、これは、それらの剛性な構造に起因する、極めて高いガラス転移温度及び溶融粘性によって引き起こされる。
【0011】
更に、イソソルビド及び種々のジフェノールを含むコポリカーボネートを生産するための方法が報告されている(例えば、特開昭56−110723号公報、Macromolecular Chemistry and Physics, p. 2197−2210, vol. 198, 1997, Journal of Polymer Science: Part A, p. 1611 −1619, vol. 35, 1997及びJournal of Polymer Science: Part A, p. 1125−1133, vol. 37, 1999)。これらのコポリカーボネートは、ビスフェノールが、再生可能資源であるとは考えられていない石油から導かれるものであるという不利な点を有する。
【0012】
他方、脂肪族ジオールから誘導されるポリカーボネートについて言えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等から誘導されるポリカーボネートのガラス転移温度は、それぞれ、0〜5℃、−35℃、−41℃、そして−50℃である(例えば、Journal of Polymer Science: Polymer Letters Edition, p. 599−602, vol. 18, 1980, Macromolecular Chemistry and Physics, p. 97−102, vol. 199, 1998, and Polycarbonate resin handbook, edited by Seiichi Honma, Nikkan Kogyo Shinbun Co. p. 21, 1992)。
【0013】
再生可能資源をこれらの脂肪族ジオールとして使用することは可能であるが、脂肪族ジオールから誘導されたポリカーボネートは、通常、それらの可撓性構造のため、低い融点を有する油状の物質又は固形物であり、貧弱な耐熱性という欠点を有する。脂肪族ジオールから誘導され、より高いガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーは、これまで報告されていない。
【0014】
更に、イソソルビド及び脂肪族ジオールのコポリカーボネートに関する報告はほとんどないが、その1つとして、脂肪族ジオール(例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール又は1,10−デカンジオール)とイソソルビドとのコポリカーボネートに関する報告を見つけることができる(例えば、Okada et al, Abstract of the seventh open symposium on ”Polymers with low environmental loads”: Construction of a sustainable material system based on production of plastics with low environmental loads from renewable resources, Scientific Research on Priority Areas (B) supported by Grant−in−Aid for Scientific Research of Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, p. 26−29, 2002, and Journal of Polymer Science: Part A, p. 2312−2321, vol. 41, 2003)。
【0015】
これらのポリカーボネートはブロックコポリマー又はランダムコポリマーであり、それらのガラス転移温度は脂肪鎖の長さの増加と共に低くなる。これらのガラス転移温度(Tg)は、それぞれ、65℃又は59℃、26℃又は20℃、12℃又は23℃、そして、−1℃又は7℃と決定されており、これらは熱抵抗が貧弱である。
【0016】
US2006/0149024は、イソソルビド、イソマンニド又はイソイジドと脂肪族ジオールとから作製されるポリカーボネートを開示する。これらのポリカーボネートは、90℃〜160℃のTg値、高い分子量、そして、比較的高い含有量の、多糖から誘導されたエーテルジオールを有する。これらのポリカーボネートは、不活性の末端基、例えばフェノキシ末端基を有するように作製される。このことは、これらのポリカーボネートをポリマーとして又は他のポリマーとの混合物として使用することに適しているようにする。これらのポリカーボネートは、これらのポリカーボネートが網状構造の一部を形成する系、又は、末端基の化学反応性が必要である系においては用いることができない。
【0017】
イソソルビド、イソマンニド又はイソイジドと脂肪族化合物ジオールとから作製されるポリカーボネートを開示する他の刊行物が存在する。全ての場合において、これらのポリマーはフェニル末端基を有し、時折、ポリマーは限られた数のOH基、例えばポリマー鎖1つ当たり1つより少ないOH基、を有する。このような刊行物の例は、EP1640400、特開2003−292603号公報、US6156866及びWO2005/066239である。
【0018】
WO2006/089940は、反応性末端基を有する超分岐ポリカーボネートを記載するが、これらの系は再生可能なモノマーから作製されていない。これらのポリカーボネートは更に、非常に低い分子量及び低いTgを有し、このことは、これらを、それなりの機械的特性が必要であるか又は室温より高いTgが必要であるいかなるアプリケーションにも適用不可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、反応性末端基を有するポリカーボネートであって、例えば適切な架橋剤により当該ポリカーボネートを架橋することによって物品を作るのに用いることができる、ポリカーボネートを、少なくとも部分的に再生可能資源から作製することである。物品は、3次元の物体であってもよいが、フィルム及びコーテング等であってもよい。
【0020】
本発明の他の目的は、優れた耐熱性、成形性、色安定性及び/又は透明性を有する新規なポリカーボネート及びポリカーボネート部分を含む材料を提供することである。
【0021】
本発明の更に他の目的は、本発明の新規なポリカーボネートを作るための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、多糖から作製可能であり以下の式(5)により表されるエーテルジオール残基及びポリオール残基を含むポリカーボネートであって、該ポリカーボネートはポリマー1gあたり0.2〜5mmolのヒドロキシル基を有する、ポリカーボネートに関する。
【0023】
【化5】

【0024】
本発明の好ましい実施例において、ポリカーボネートは1000〜10000グラム/モルの数平均分子量を有し、このため、該ポリカーボネートは容易に取り扱われることができ、反応性ヒドロキシル末端基の数は化学反応の実行にとって十分に高い。
【0025】
本発明のポリカーボネートは、式(6)に従うエーテルジオール(1)繰り返し単位を含む。
【0026】
【化6】

【0027】
このポリカーボネートは、また、第2の繰り返し単位として、式(7)に従う一般構造を有する分子を含む。
【0028】
【化7】

【0029】
ここでYは、以下で説明されるようにポリオールから誘導されるヒドロカルビル化合物である。Yは、線形であってもよい(ジオールから誘導される場合)し、又は、分岐していてもよい(2つより多いヒドロキシル基を有するポリオールから誘導される場合)。
【0030】
これらの多糖から誘導されたエーテルジオール(エーテルジオール(1))は、バイオマスから得ることができる材料であり、再生可能資源と呼ばれている材料のうちの1つである。イソソルビドは、D‐グルコース(デンプンから得ることができる)を水素化して、水素化された産物を脱水することによって生産することができる。他のエーテルジオール(1)は、異なる原料を使用した類似した反応によって生産されることができる。
【0031】
エーテルジオール(1)の具体例は、イソソルビド、イソマンニド及びイソイジド他を含み、これらはそれぞれ上の式(2)、(3)及び(4)によって表される。
【0032】
特に、エーテルジオール(1)残基としてイソソルビド残基を含むポリカーボネートが好ましい。イソソルビドは、デンプン等から容易に生産されることができるエーテルジオール(1)であり、このため、原料として豊富に入手可能である。イソソルビドをエーテルジオール(1)として作製されたポリカーボネートはアモルファスポリマーであり、生産の容易さ、特性の優秀性及び広い範囲の用途といった利点を示す。イソイジドの使用も、多くの利点を示す。イソイジドの両方のヒドロキシル基の反応性は、それらのエキソ方位性のために高く、このことは、本発明において説明されるように、引き続きの反応において利点を与える。また、イソイジドに基づくポリカーボネートは半結晶性材料であり、これはまた、例えば機械的特性に明瞭な利点を与えることができる。
【0033】
エーテルジオール(1)の量は、ポリカーボネートの10〜99重量%、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%である。
【0034】
ポリカーボネートは、ポリオール化合物を更に含む。ポリオール化合物は、少なくとも2つのヒドロキシル基を有するヒドロカルビル化合物である。ヒドロカルビル化合物は、例えばN、O、Si、B、S、P、F、Cl、Br及びI等の異種原子を含むことができる。形成されたポリカーボネートの色安定性の観点から、1つ又は複数の脂肪族のポリオール化合物を利用することが好ましい。脂肪族のポリオール化合物は、線形、分岐及び/又は飽和した環状構造を有することができる。脂肪族化合物は、例えばO、N、Si、B、S、P又はハロゲン原子等の異種原子を含むことができる。
【0035】
本発明の一実施例において、ポリオールは2〜6のヒドロキシル基を有する脂肪族化合物である。好ましい実施例において、脂肪族のポリオールは、2つのヒドロキシル基を有するポリオール(ジオール化合物)及び3〜6のヒドロキシル基を含むポリオール(ポリオール(3〜6))を含む、少なくとも2つの異なるポリオールの混合物である。ポリオール化合物が少なくとも1つのジオール及び少なくとも1つのトリオール化合物(3つのOH基を有する化合物)を含むことが、最も好ましい。ジオール及びポリオール(3〜6)(例えばトリオール)の混合物の使用は、分岐構造及び複数のヒドロキシル末端基を有するポリカーボネートを得る。本発明のポリカーボネートの複数のヒドロキシル官能基の存在は、多くの利点を与える、例えば、強化された機能性、より高い架橋密度による改善されたコーティング特性(例えばより良い機械特性及び溶剤及びしみに対するより良い化学耐性)、金属へのより良い接着性(多少の遊離ヒドロキシル基が最終的なフィルムに存在する場合)、枝分れの程度を制御することによりTg、溶融粘性、シヤスィニング(shear thinning)挙動を調整する可能性である。枝分れの程度を上昇させると、溶融粘性及び溶融強さは上昇し、これは、吹き込み成形にとって有利でありえる。シヤスィニングの傾向は、枝分れの程度の増加と共に上昇し、これは、プロセシング技術(例えば押出及び射出成形)に好都合でありえる。
【0036】
本発明のポリカーボネートは、好ましくは、一分子あたり1.8のOH基を有し、より好ましくは、一分子あたり少なくとも2のOH基を有する。一分子あたりのOH基の量(molOH/molポリマー)は、OH基の量(ポリマーのmmol/グラム)をポリマーのMn(グラム/mol)で乗じることによって計算される。
【0037】
ポリオールの分子量は、好ましくは50〜250g/molである。適切なジオールの例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(=ネオペンチルグリコール)、ヘキサン−2,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシル−シクロヘキシル)−プロパン(水素化ビスフェノールA)、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシルエトキシ)−フェニル]プロパン、ネオペンチルグリコールのヒドロキシルピバル酸エステル、ブチルエチルプロパンジオール、エチルメチルプロパンジオール、水素化ビスフェノールA、2,2−ビス−(2−ヒドロキシルエトキシ)フェニルプロパン及び2,2−ビス−2−ヒドロキシルプロポキシフェニルプロパンである。
【0038】
好ましいジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,3−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール及びプロパンー1,2−ジオールからなる群から選択される。
【0039】
芳香族のジオールの例は、ジメタノールベンゼン、ビスフェノールA及びジエタノールベンゼンを含む。
【0040】
ポリオール(3〜6)の例は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ソルビトール、ショ糖及びトリス−(2−ヒドロキシルエチル)−イソシアヌレート等並びにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドユニットで延長された3〜6のOH基を有するポリオールを含む。
【0041】
好ましいポリオール(3〜6)は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、グリセリン及びソルビトールからなる群から選択される。
【0042】
本発明のポリカーボネートのジオールの量は、1〜90重量%、好ましくは10〜70重量%である。本発明のポリカーボネートが、Tgが室温より上であることが好ましい粉末コーティング等のアプリケーションで使われる場合、ジオールの量は、好ましくは30〜50重量%である。
【0043】
ポリオール(3〜6)の量は0〜7重量%であり、より好ましくは1〜6重量%である。
【0044】
ジオール対ポリオール(3〜6)の比は、4〜50であり、より好ましくは5〜20、又は6から17である。
【0045】
本発明のポリカーボネートは、好ましくはヒドロキシル基である末端基を有する。好ましくは、ポリカーボネートはポリマー1グラムあたり0.3〜2mmolのヒドロキシル基を有し、より好ましくはポリマー1グラムあたり0.4〜1.5mmolのヒドロキシル基を有する。ヒドロキシル基の数は、実験の節で定義される電位差滴定によって決定される。
【0046】
ポリカーボネートの分子量は、好ましくは500〜25,000のg/mol(数平均分子量)、より好ましくは750〜10,000、最も好ましくは1000〜5000又は1500〜4000g/molである。
【0047】
本発明のポリカーボネートのガラス転移温度は、−10〜180℃、好ましくは0〜150℃、より好ましくは30〜100℃である。
【0048】
本発明のポリカーボネートの重要な利点は、それらが残留の反応性ヒドロキシル官能基を有するということである。ヒドロキシル官能基は、例えばポリイソシアネート(自由であるかブロックされたNCO基を有する)で架橋されることができ、これはポリ(カーボネートウレタン)ネットワークを生じる。
【0049】
あるいは、ヒドロキシル基がポリカーボネートの鎖延長又はブロック共重合のために用いられることができる。例えば、OH官能性ポリカーボネートは、例えばジイソシアネート(HMDI、イソホロンジイソシアネート等に基づいた試薬)でエンドキャッピングされることができ、NCO官能性ポリカーボネートを生じる。これらは、例えばポリウレタンラテックスとして用いられることができる。NCO官能性ポリカーボネートは、例えば(結晶化可能)ジアミンブロックと(ポリカーボネートユリアを形成する)、ポリアミンと(例えばメラミン、架橋したポリカーボネートウレアを形成する)、及び/又はポリオールと、反応されることができる。
【0050】
一般に、この種のNCO官能性オリゴ又はポリカーボネートは、アモルファス樹脂として用いられることができる。本発明の異なる実施例において、本発明の線形の又は枝分かれしたOH官能性ポリカーボネートは、それ自体ジイソシアネートと反応して、枝分かれした又は架橋した、高分子量を有する伸びきり鎖ポリ(カーボネートウレタン)を得ることができる。ヒドロキシル官能性ポリカーボネートを、鎖の端で無水物を形成することができる部分を含むカルボン酸/無水物と反応させることもできる(例えばクエン酸、1,2,3−プロパントリカルボキシ酸、無水トリメリト酸等)。無水物官能性ポリカーボネートは、ジ又はポリアミン、ポリオール及び(ポリ)エポキシによって硬化されることができる。
【0051】
本発明のポリカーボネートのイソシアネート官能性ポリマーとの反応は、新しいブロックコポリマーを与える。ポリカーボネートのポリイソシアネート等の架橋剤との反応は、高い衝撃耐性(丈夫な材料)、硬さ、優れた透明性、化学抵抗性及び色及び光沢に関して良好な外観を有する、3次元の物体、コーティング又はフィルムを与える。また、脂肪族のポリカーボネートコーテングは、良いUV安定性を有する。
【0052】
ヒドロキシル官能基は、また、他の官能基に転換されることができる。例えば、これらは、アクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドと反応して、UV硬化可能な不飽和末端基を有するポリカーボネート樹脂を形成することができる。酸/無水物官能性ポリカーボネートは、OH官能性ポリカーボネート樹脂(Tg=35〜100℃を有する)を、150〜160℃で例えばクエン酸(バイオベースの多官能性モノマー)又はコハク無水物との溶融物内で反応させることによって得られることができる。これらは、例えば、エポキシ硬化剤(例えばTGIC、トリグリシジルトリメリテート及びジグリシジルテレフタレート)と更に反応されることができる。高いTgのポリカーボネート樹脂(Tg>90℃)と組み合わせて、エポキシ化された亜麻仁油(ELO)が、系を硬化させるために用いられることができる。また、活性化されたOH基を有するβ−ヒドロキシルアルキルアミドが、酸又は無水物官能性ポリカーボネートを架橋するのに用いられることができる。これらの反応は、ポリカーボネートエステルネットワークを生じる。
【0053】
本発明のポリカーボネートは、通常の芳香族ポリカーボネート又は脂肪族ポリエステル樹脂に勝る多くの利点を有する。ポリカーボネートは(主に)脂肪族系であり、良いUV安定性を有し、バイオベースの材料であり、コモノマーの適当な選択、モノマーの比率及びポリカーボネートの分子量の選択により、調整可能なTg、調整可能な溶融粘性、調整可能な架橋度合いを有する。これらは、向上した加水分解安定性(ポリエステル樹脂においてしばしば使用されるエステル結合の代わりの炭酸塩結合による)、向上した耐久性及び透明性を示す。
【0054】
本発明は、本発明のポリカーボネートを作る方法にも関する。本発明のポリカーボネートを作る多くの異なった方法が利用できる。よく知られた技術は、溶融重縮合、溶液重合(ホスゲン等の高い反応性の物質と組み合わせる)である。
【0055】
溶融重縮合は、例えば、カルボニル供与源としてジフェニル炭酸塩又は式(1)に従うジアンヒドロヘキシトールの別個に合成されたジフェニル炭酸塩を用いることによって実行されることができる。前者は、Kricheldorf及びYokoeによって説明されたように(実験例を参照のこと)、エーテルジオールをフェニルクロロ炭酸塩と反応させることによって合成される。こうすることによって、ジアンヒドロヘキシトール(式1)のやや反応性のOH基は、炭酸塩部分に急速に変換される。この方法の利点は、ジオール又はポリオール(3〜6)を有するジアンヒドロヘキシトールビスフェニルカーボネートのエステル転移反応を通じて進行する引き続きの重縮合反応がより急速に進行し、コポリカーボネートへのジアンヒドロヘキシトール(式1)の組み込みがより効率的であるということである。他方、ジフェニル炭酸塩を使用する利点は、その入手可能性、及び、独立した合成ステップが必要でないという事実である。
【0056】
溶融重縮合反応は、好ましくは重合触媒の存在下で大気圧でジフェニル炭酸塩を有するエーテルジオール(1)及びポリオールを加熱して、引き続いて、反応物を、減圧下で230℃以下で加熱しながら(形成されたフェノールを蒸留して除く)攪拌することによって実行されることができる。反応系は、好ましくは、原材料、反応混合物及び反応産物に対して不活性である気体(窒素等)の雰囲気内に保たれる。窒素の他には、アルゴン等の他の不活性ガスが利用できる。エーテルジオール(1)及びポリオールの量は、反応液内にカルボニル供与源の量に対して化学量論の過剰量のヒドロキシル基が存在し、反応後にヒドロキシル官能性ポリカーボネートが得られるような量である。過剰量は、好ましくは、カルボニル供与源の量に対して1〜30%であり、より好ましくは10〜20%である(モル基準で)。
【0057】
あるいは、別に合成されたジアンヒドロヘキシトールビス(フェニルカーボネート)がポリオールとともに加熱されることができる。その場合、また、モル過剰量のポリオールが、ジアンヒドロヘキシトールビス(フェニルカーボネート)に加えられる。また、比較的高い含有量の式(1)に従うエーテルジオール残基を有し比較的高いTgを有するポリカーボネートを得るために、エーテルジオール(1)がジアンヒドロヘキシトール(ビスフェニルカーボネート)に加えられることができる。
【0058】
反応の初期には、大気圧で加熱反応を実行することが好ましい。これは、オリゴマー形成反応を進行させるので、フェノール等の芳香族のアルコール又は脂肪族のアルコールが反応の後期段階で圧力を減じることによって蒸留除去されるとき、未反応のモノマーが早く蒸留し過ぎてモル比率を変え、重合度を低下させることが防止される。
【0059】
好ましくは、反応温度は、エーテルジオール(1)の分解を予防して、着色度がより低く高い粘性を有する樹脂を得るために、できるだけ低く保たれる。しかし、適切に重合反応を促進するためには、重合温度は、好ましくは180℃〜280℃であり、より好ましくは190℃〜230℃である。
【0060】
溶融重縮合において、触媒の使用は、重縮合反応を加速することができる。使用可能な触媒は、(i)窒素を含有する塩基性化合物、(ii)アルカリ金属化合物、(iii)アルカリ土類金属化合物等である。これらは、単独で又は2種類以上の組合わせで用いられることができ、(i)及び(ii)、(i)及び(iii)、並びに、(i)、(ii)及び(iii)の組み合わせた使用はしばしば好ましい。アルカリ金属化合物の例は、酢酸亜鉛、チタンブトキシド、水酸化リチウム及び2,2−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)プロパンジナトリウム塩である。適切な触媒は、当業者に知られている。
【0061】
OH官能性ポリカーボネートへの第2のルートは、塩基及び/又はHCIスカベンジャー(例えばピリジン又はトリエチルアミン)の存在下でのポリオールの溶液内におけるトリホスゲンとの反応である。トリホスゲンは、固体物質であり、従って、扱うのに便利である。重合触媒の影響下で、ホスゲンはin situで形成され、反応液に存在するポリオール及びエーテルジオール(1)の利用可能なOH基と速やかに反応する。あるいは、ジホスゲン又はホスゲンが用いられることができる。乾燥ジクロロメタン及びジオキサン等の溶剤が用いられることができる。反応は、一般的に−10〜25℃の温度で実行される。ホスゲン部分の高い反応性のため、重合はこれらの比較的低い温度で実行されることができ、そして実行されるべきである。ここでも、末端基の種類は、適当な反応化学量論を選択することによって定めることができる。他の重要な反応変数は、モノマー、(トリ)ホスゲン及び塩基の濃度である。望ましくない副産物は環状鎖であり、これは、(トリ)ホスゲン濃度に対して低いモノマー濃度でより容易に形成される。水又はメタノールといった極性溶媒中でのポリマーの(繰り返された)沈殿によって、ポリマーは濾過によって分離され、真空乾燥される。これらの材料は通常、そのTgに応じて粉末として得られる。
【0062】
更に、ポリカーボネートの用途に応じて、種々の機能付与剤が本発明のポリカーボネートに任意に加えられる。この種の物質は、例えば、熱安定剤、安定化補助剤、可塑剤、抗酸化剤、光安定剤、核形成剤、重金属不活性化剤、難燃剤、潤滑油、静電気防止剤、紫外線吸収剤等である。
【0063】
更に、用途に応じて、本発明のポリカーボネートは、種々の有機又は無機色素、充填剤、繊維等と任意に組み合わせられることができる。充填剤の例は、カーボン、タルク、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト等であり、繊維の例は、種々の合成繊維、ガラス繊維、石英繊維、炭素繊維等であり、加えて、ケナフ等の自然繊維である。
【0064】
上記したように、我々は、再生可能資源から誘導されることができる部分を含んでおり、優れた耐熱性を有している、ポリカーボネートを得ることができる。
【0065】
優れた耐熱性によって、本発明のポリカーボネートは、種々の用途に広く用いられることができ、これらの用途は、光学部品、例えば光学シート、光ディスク、情報ディスク並びに光学レンズ及びプリズム、種々の機械部品、建築材料、自動車部品、並びに種々の樹脂トレイ及び皿を含む。ポリカーボネートは、これらの用途の中でも、特にフィルム成型製品、例えば光学シートとして特に好ましく用いられることができる。
【0066】
生物分解性によって、本発明のポリカーボネートは、グリーンハウスフィルム、マルチングフィルムその他を含む農業材料のためのフィルム及びシート、食品包装、一般パッケージング、コンポストバッグその他を含む用途のためのパッケージングフィルム及びシート、テープ等を含む工業材料、種々のパッケージング容器等、そして、環境汚染の防止が必要である種々の用途のための成型品として用いられることができる。
【0067】
更に、本発明のポリカーボネートは、種々のバイオベースのポリマー、合成樹脂、ゴム等と、例えば、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル酸樹脂、ABS、ポリウレタン等、加えて、ポリ乳酸及び脂肪族ポリエステルと、混合され合成されて用いられることができる。
【0068】
本発明のポリカーボネートは、種々の異なるアプリケーションで用いられることができ、例えば、コーティング製剤(粉体コーテング及び溶媒性又は水性の系)、共重合体合成のためのポリオール、構造樹脂、接着剤、インク、複合材料、成型コンパウンド、シート及びつや出し剤、フィルム、エラストマー、流動剤として又はポリマー系の充填剤として用いられることができる。
【0069】
本発明は、本発明のポリカーボネートで作られる物品にも関する。この種の物品は、例えば構造樹脂、吹き込み成形物及び押出成形された物でありえる。
【0070】
本発明のポリカーボネートは、粉体コーティング、溶媒性又は水性コーティング組成物等のコーティングアプリケーションに用いられることができる。粉体コーテングにおける使用は、十分に高いTg及び機能性、良好な流動性、良いUV及び加水分解安定性のため有利である。また、溶媒内で又は水性系内でも優れた結果が達成されることができる(例えば1,6−ヘキサンジイソシアネート(HMDI)に基づく従来のポリイソシアネートとともにOH官能化ポリカーボネートを硬化することにより)。
【0071】
粉体コーティング組成物は、少なくとも1つの樹脂及び少なくとも1つの架橋剤を含む。粉体コーティング組成物とは、ここでは、基板への粉体としての適用に適している固体の組成物を意味する。固体とは、ここでは、大気圧で室温で固体である化合物を意味する。粉体コーティング組成物のガラス温度(Tg)は、20℃以上である。好ましくは、Tgは35℃より高く、より好ましくは45℃より高い。Tgは、加熱速度毎分10℃の示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
【0072】
粉体コーティング組成物に存在する架橋剤は、特に重要ではない。架橋剤の性質は、樹脂の官能基の性質によって決定される。架橋剤上の官能基は、樹脂の官能基と反応させることが可能でなければならない。架橋剤の例は、エポキシ樹脂、ポリアミン、イソシアネート、アミノ樹脂、ポリカルボン酸、酸無水物、ポリフェノール、Primid(R)のような化合物及びこれらの組み合わせである。樹脂の官能基の性質に応じて、架橋剤は樹脂の官能基と反応するように選択される。樹脂及び架橋剤を少なくとも含む組成物は、硬化する。この硬化方法は、コーティングを作る分野の当業者によく知られている。硬化方法の例は、熱硬化、電磁放射線による硬化、例えば紫外線又は電子線硬化である。官能基の性質に応じて、2種(二重硬化)又はより多くの種類の硬化方法を使用することも可能である。
【0073】
顔料が粉体コーティング組成物内に存在してもよい。顔料は、無機又は有機であってよい。顔料とは、ここでは、粒子からなる物質であって、バインダに実質的に不溶性であり、着色剤として用いられる物質(DIN 55943)を意味する。着色剤は、色を与える物質である。バインダとは、樹脂及び架橋剤の組合せを意味する。本発明によるコーティング組成物及び粉体コーティング組成物における使用に適した顔料は、例えば、白色顔料、有色顔料、黒色顔料、特殊効果顔料及び蛍光顔料である。通常、顔料は、コーティング組成物中に、より詳細には粉体コーティング組成物中に、1〜50w/w%の量で存在してよい。
【0074】
加えて、他の成分、例えば、流れ制御剤、触媒、充填剤、光安定剤、生物致死剤及び脱気剤が、粉体コーティング組成物に加えられることができる。
【0075】
特性は、例えば135℃〜250℃の温度における1〜15分の硬化時間の後に達成されることができる。
【0076】
好ましくは、ヒドロキシル基と反応することができる架橋剤の基は、イソシアネート基である。
【0077】
架橋剤のイソシアネート官能性は、好ましくは2以上であり、より好ましくは、2〜6である。
【0078】
イソシアネート単位を有し、6つ以上の原子を有する脂肪鎖を有する架橋剤の原子は、例えば、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子及び/又はリン原子である。
【0079】
好ましくは、これら原子は炭素原子である。
【0080】
架橋剤のイソシアネート基間の脂肪鎖の炭素原子の量は、好ましくは6より多く、例えば30の炭素原子よりも少ない。好ましくは、炭素原子の量は、8以上であり、より好ましくは9以上である。
【0081】
好ましくは、架橋剤はブロックされた架橋剤である。なぜなら、架橋剤のイソシアネートは、室温での架橋反応を避け、コーティングの良い貯蔵安定性を提供するために、保護されていなければならないからである。例えば、適切なブロッキング剤は、カプロラクタム、イミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾール、オキシム(例えばアセトキシオキシム)、アセト酢酸エチル、ヒドロキシアミン、イミド、N−ヒドロキシイミド、フェノール、シクロヘキサノール及びマロン酸エステルからなる群から選択されてよい。
【0082】
適切な架橋剤は、例えばカプロラクタムでブロックされたジイソシアナート及びトリイソシアネート、例えば、1,12−ジイソシアネートドデカン、1,8−ジイソシアネートドデカン、1,8−ジイソシアネート(4−イソシアネートメチル)オクタン、1,9−ジイソシアネートノナン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,11−ジイソシアネートウンデカントリイソシアネート、1,11−ジイソシアネート(3,6,9−トリオキシ)ウンデカン及び/又はトリイソシアネートである。
【0083】
前記したように、本発明のポリカーボネートは、水性系においても利用されることができる。この種の系は、例えば本発明のOH官能性ポリカーボネート、ポリアクリレート及び架橋剤としての有機ポリイソシアネートを含むことができる。ポリアクリレートは、例えば部分不飽和ヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂に不飽和モノマーの組成をグラフトすることによって得られうる樹脂であってよい。
【0084】
有機ポリイソシアネートは、疎水性多官能性、好ましくは自由なポリイソシアネートであって、平均NCO官能性を2より多く、好ましくは2.5〜5つ持つものであり、(環状)脂肪族、脂環族又は芳香族の性質を持っていてよい。好ましくは、ポリイソシアネートは、22℃において0.1〜5Pa.sの粘性を有してよい。ポリイソシアネートは、ビウレット、ウレタン、ウレトジオン及びイソシアヌレート誘導体を含んでよい。ポリイソシアネートの例は、1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−ジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートブタン、1,5−ジイソシアネート−2,2−ジメチルペンタン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,10−ジイソシアネートデカン、4,4−ジイソシアネート−シクロヘキサン、2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1−イソシアネート−3−(イソシアネートメチル)−1−メチルシクロヘキサン、m−α,α−α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−(イソシアネートメチル)オクタン、イソフォロンジイソシアネート又はビス(イソシアネートシクロヘキシル)メタン及びこれらの誘導体並びにこれらの混合物を含む。通常、これらの物は、周囲温度で液体であり、広範囲に市販されている。好ましいのは、1,6−ヘキサンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートの環状トリマー(イソシアヌレート)である。通常、これらの化合物は、これらのより高い相同物を少量含む。また、イソシアナート付加物が、用いられることができる。その例は、3モルのトルエンジイソシアネートに対して1モルのトリメチロールプロパンの付加生成物、3モルのm−α,α−α’,α’−テトラメチルキシレンジイソシアネートに対して1モルのトリメチロールプロパンの付加生成物である。任意に、親水性ポリイソシアネートは、部分的に疎水性ポリイソシアネートと置換されることができる。この種の親水性ポリイソシアネートは、非イオン基、例えば上記のC1〜C4アルコキシポリアルキレン酸化物基で置換されたポリイソシアネート化合物であってよい。好ましくは、固体ポリイソシアネート化合物全体(すなわち、有機、疎水性及び親水性ポリイソシアネート)に対して1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%、最も好ましくは5〜15重量%の非イオン基が存在する。好ましいのは、1,6−ヘキサンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートのメトキシポリエチレングリコールで置換されたものである。
【0085】
水性組成物は、また、反応性希釈剤、例えば水溶性の一価又は(好ましくは)ポリオールを有してもよい。一価アルコールの例は、ヘキシルグリコール、ブトキシエタノール、1−メトキシ−プロパノール、2,1−エトキシ−プロパノール、2,1−プロポキシプロパノール、2,1−ブトキシ−プロパノール、2,2−メトキシブタノール、1−イソブトキシ−プロパノール−2、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール及びこれらの混合物を含む。ポリオールの例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ポリエチレン酸化物グリコール又はポリプロピレン酸化物グリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール及びこれらの混合物を含む。
【0086】
本発明のポリカーボネートを含む水性系組成物は、水性組成物であるため、本質的に水からなる溶媒/分散媒を含む。しかし、組成の液体含有物の約20重量%が有機溶媒であってもよい。適切な有機溶媒としては、ジメチルジプロピレングリコール、ジアセトンアルコールのメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチルグリコール、酢酸ブチルグリコール、1−メトキシ−2−プロピル酢酸塩、ブチルプロピオン酸塩、エトキシエチルプロピオン酸塩、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、ジオキソラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル炭酸塩、プロピレン炭酸塩、ブチロラクトン、カプロラクトン及びこれらの混合物を挙げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0087】
実験方法
実験材料
イソソルビド(IS、ポリマー等級Polysorb(登録商標)P、98.5+%)及びイソイジド(II、99.8%)は、Roquette Freresから贈られた。イソマンニド(IM(97+%))及びイソソルビド(98+%)は、Agrotechnology and Food Innovationsから贈られた。炭酸ジエチル(1,3−プロパンジオール(PD(99+%)))クロロ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、フェニルクロロ炭酸塩、ピリジン(99.8%、無水)、トリエチルアミン(99.5%)、酢酸亜鉛、クエン酸(無水、99+%)、ジホスゲン(トリクロロメチルクロロ炭酸塩、97+%)、tert−ブチルグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC))、ジブチルスズジラウレート及びメタノール中のKOHの標準化溶液はAldrichから購入した。Titanium(IV)n−ブトキシド、ジフェニル炭酸塩、ジメチル炭酸塩、トリメチロールプロパン、4−ジメチルアミノピリジン及び無水酢酸はAcros Organicsから購入した。トリホスゲン(ビス(トリクロロメチル炭酸塩)はFlukaから得た。1,4−ブタンジオールは、Merckから得た。全ての溶媒は、Biosolveから供給された。DMSO−d6は、Campro Scientificから購入した。Vestagon B1530は、Degussaから贈られた。Desmodur N3600及びDesmodur BL3272から贈られた。Irganox HP2921はCiba Specialty Chemicalsから贈られた。全ての化学物質は、得られたままの状態で用いた。
【0088】
イソソルビド、イソイジド及びイソマンニドのジフェニル炭酸塩誘導体の合成。
【0089】
ジアンヒドロヘキシトールビスフェニルカーボネートは異なる三つのジアンヒドロヘキシトールに基づいて合成された:イソソルビド、イソイジド及びイソマンニド。合成方法は、3つの異性体について同じであったが、ここではイソイジドについて記載する:
【0090】
イソイジド(15.05g、0.103モル)及びピリジン(17.96g、0.227モル)を200mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した。フェニルクロロ炭酸塩(35.47g、0.227モル)を撹拌しながら5〜10℃で約2時間かけて液滴で加えた。反応は、室温で4時間続けた。その後、反応液を脱塩水に注入し、白い沈降物が産出した。この固体をガラスフィルタ(細孔径4)に集め、NaHCOの5重量%水溶液で洗浄し、水で数回洗浄した。粗産物を酢酸エチルから再結晶し、ガラスフィルタ(細孔径4)上に濾過によって集め、40℃で真空乾燥させた(Kricheldorf et al. Macromolecules 29, p. 8077, 1996 and Yokoe et al., J. Pol. Sci. part A, 41, p. 2312, 2003lと同じ手順である)。収率は、65.7%であった。純度は、1H NMRによって98+%と測定された。
【0091】
ジアンヒドロヘキシトールビス(アリール炭酸塩)からの直鎖及び分岐ポリカルボネート(共)重合体の合成。
【0092】
例1
イソイジドビスフェニルカーボネート(12.46g、32.0mmol)、1,3−プロパンジオール(2.94g、39.0mmol)、酢酸亜鉛(ジオールの量に対して0.05mol%)及びIrganox HP 2921(ジオールの量に対して0.5重量%)を250ミリリットルの丸底ガラスフランジ反応器に計り入れた。反応器には、縮合生成物を集めるためにディーンスターク型凝縮器を付けた。合成の最初の間、機構には、酸化を制限してフェノールの輸送を容易にするために不活性ガスを連続的に流した。撹拌しながら、混合物を加熱マントルを使用して185℃まで加熱した。その後、形成されたフェノールの蒸留を維持するために、反応温度を段階的に上げた。最大反応温度は、210℃であった。3時間後、典型的な圧力を1〜5mbarとして真空処理を205〜210℃で開始した。フェノールが蒸留されなくなるまで真空をかけ、その後、ポリマーを反応器から出し、冷えて固化するようにした。収率:7.19g(76.2%)。Mn=3100g/mol、PDI=2.1、Tg=35.6℃、OH値=76.4mgKOH/g。これは、1.36mmol OH/gポリマー又は計算値4.2OH基/分子に等しい。
【0093】
例2
イソソルビドビス(フェニルカーボネート)(15.19g、39.3mmol)、イソソルビド(2.09g、27.5mmol)、トリメチロールプロパン(0.42g、3.1mmol)、酢酸亜鉛(ジオールの量に対して0.05mol%)及びIrganox HP 2921(ジオールの量に対して0.5重量%)を250ミリリットルの丸底ガラスフランジ反応器に計り入れた。反応器には、縮合生成物を集めるためにディーンスターク型凝縮器を付けた。合成の最初の間、機構には、酸化を制限してフェノールの輸送を容易にするために不活性ガスを連続的に流した。その後、反応温度を段階的に上昇させて形成したフェノールの蒸留を維持した。最大反応温度は、210℃であった。3時間後、典型的な圧力を1〜5mbarとして真空処理を205〜210℃で開始した。フェノールが蒸留されなくなるまで真空をかけ、その後、ポリマーを反応器から出し、冷えて固化するようにした。収率:9.31g(72.8%)。Mn=3600g/mol、PDI=3.2、Tg=78.8℃、OH値=50.4mgKOH/g。これは、0.90mmol OH/gポリマー又は計算値3.2OH基/分子に等しい。
【0094】
ジフェニル炭酸塩を用いたポリカルボネート(共)重合体の合成。
【0095】
ポリカルボネート(共)重合体を、種々のジアンヒドロヘキシトールの重縮合によって合成した(おそらくジフェニル炭酸塩によるエステル転移反応により、他のジオール部分と共に)。
【0096】
実験3
イソイジド(15.31g、105mmol)、ジフェニル炭酸塩(20.40g、95mmol)、酢酸亜鉛((1.6mg、2×10−5mol))及びIrganox HP 2921(0.20g)を250ミリリットルの丸底ガラスフランジ反応器に計り入れた。反応器には、縮合生成物(この場合はフェノール)を集めるためにビグリューカラム及びディーンスターク型凝縮器を付けた。合成の最初の間、機構には、酸化を制限して反応混合物からのフェノールの除去を容易にするために不活性ガスを連続的に流した。撹拌しながら、混合物を加熱マントルを使用して160℃まで加熱した。透明な溶融物が得られた。その後、フェノールの蒸留を維持するために反応温度を段階的に230℃まで上げた。4時間後、典型的な圧力を1〜3mbarとして真空処理を230〜245℃で開始した。真空処理を2時間実行し、これは溶融粘度の急速な上昇を生じた。ポリマーを反応器から出し、冷えて固化するようにした。生成物は、クロロホルム、ジクロロメタン及びヘキサフルオロイソプロパノールに溶解するが、THFには溶解しない。収率:17.9g(99%)。Mn=4600g/mol、PDI=2.3、Tg=148.2℃、OH値=34.0mgKOH/g。これは、0.60mmol OH/gポリマーに等しい。
【0097】
トリホスゲンをカルボニル源として用いたポリカルボネート(共)重合体の合成
【0098】
ポリカルボネート(共)重合体を、ジアンヒドロヘキシトールの重縮合によって合成した(おそらくホスゲン化により、他のジオール部分と共に)。ホスゲンの代わりに、その誘導体トリホスゲンが用いられた。工程は、イソソルビドについて説明されている。
【0099】
例4
イソイジド(3.35g、22.9mmol)、トリホスゲン(2.52g、8.5mmol)及びグリセロール(0.37g、2.3mmol)を250ミリリットルの丸底ガラスフランジ反応器に計り入れ、続いて、1,4−ジオキサン(20ml)及びジクロロメタン(80ml)の混合物に溶解した。ジクロロメタン(20ml)で希釈されたピリジン(8.37g、105.8mmol)を撹拌しながら液滴で加えた。7時間後に、反応混合物はその最初の量の4分の1に(減圧を加えることにより)濃縮されて、冷たいメタノール(500ml)に注がれた。沈殿したポリカーボネートを、濾過によって分離して、ジクロロメタン/メタノールからの2回目の洗浄を溶解/沈殿によって行った。分離の際に、ポリカーボネートは一晩真空中で40℃で乾燥させた。収率:2.23g(52%)。Mn=3900g/mol、PDI=3.3、Tg=109.8℃、OH値=33.3mgKOH/g。これは、0.59mmol OH/gポリマー又は計算値2.3OH基/分子に等しい。
【0100】
従来型の架橋剤を使用したバイオベースのポリカーボネート(共)重合体の硬化。
【0101】
ヒドロキシル官能性ポリカーボネート(共)重合体を以下を用いて硬化した:I)ヘキサメチレンジイソシアネートのトリマー(NCO当量=183g/モル(商品名:Desmodur N3600))及びII)イソホロンジイソシアネートのε−カプロラクタムブロックトリマー(NCO当量=275g/モル(商品名:Vestagon B1530))。Ad1)0.3〜0.5gのポリカーボネートが入った0.8mLのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を調製した。別に、Desmodur N3600(1.05モル当量、滴定データから計算した)が入った0.2mLのNMP溶液を調製した。2つの溶液を混合し、ドクターブレードを使用して、250μmの厚みを有する湿式フィルムとしてアルミニウム基板に直接適用した。室温で乾燥させた後、フィルムを20分間N下で180℃で硬化させた。Ad2)0.3〜0.5gのポリカーボネート、1.05モル当量の架橋剤及び0.5重量%(用いられたポリカーボネートの量に対して)のジブチリン10ジラウレートが入った1mLのNMPを調製した。その後、約250μmの厚みを有するフィルムをアルミニウム基板に適用した。フィルムを室温で放置して乾燥させ、これに、窒素下で30分間、200℃での硬化が続いた。両方の種類の硬化剤がポリ(カーボネートウレタン)を生じた。
【0102】
【表1】

[1] I=Desmodur N3600、II=Vestagon B1530
[2] 溶媒中に浸した布でラビングすることにより測定、
+=良、+/−=中位、−=劣
[3] リバース衝撃試験により測定、
+=良、+/−=中位、−=劣
【0103】
全てのコーティングは、良好な溶媒及び衝撃耐性を有する。これらのケーニッヒ硬さは、約200〜220sである。これらの平均膜厚は、30〜50μmである。コーティングは、無色から薄黄色で、透明で光沢がある。
【0104】
測定法
SEC分析は、Shimadzu LC−10ADポンプ及びWATERS 2414示差屈折率検出器を備えた構成を使用して行われた(35℃で)。注入は、MIDAS自動注入器によって注入量50μLでなされた。PSS(2*PFG−lin−XL、7μm、8*300mm、40℃)カラムを使用した。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)を1.0mL/分の流速で溶出剤として使用した。較正曲線は、PMMA標準を用いて得られた。データ収集及びプロセシングは、Viscotek OmniSec 4.0及びWaters Empower 2.0ソフトウェアを使用して実行された。
【0105】
Varian Mercury Vx(400MHz)分光計を使用して、H NMR及び13C NMRスペクトルが得られた。重水素化クロロホルムが溶剤として用いられた(別段の指定のない限り)。
【0106】
ポリマーサンプルの熱安定性は、Perkin−Elmer Pyris 6 TGA装置を使用して測定された。約10mgのポリマーを20mL/分のN流れの下で、加熱速度10℃/分で40℃から700℃まで加熱した。結果は、Pyris 4.01ソフトウェアを使用して分析された。
【0107】
DSC測定は、TA InstrumentsのDSC Q100によって実行された。MALDI−ToF MS測定は、Applied BiosystemsのVoyager DE−STRによって実行された。較正は、低い側の質量範囲についてはポリ(エチレンオキサイド)標準で、高い側の質量範囲についてはポリスチレン標準によって実行された。質量精度は、0.2Daltonより良く、質量解像度はおよそm/z 12,000であった。DCTB(トランス−2−[3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチル−2−プロペニリデン]マロノニトリル)が、マトリックスとして使われた。カリウムトリフルオロアセテート(Aldrich、>99%)をカチオン化剤として用いた。マトリックス(40のmg/mL)、カリウムトリフルオロアセテート(5mg/mL)及びポリエステルサンプル(1mg/mL)が入ったTHFの溶液を5:1:5の比率で前もって混合した。混合物を、その後ターゲットに手で適用し、放置して乾燥させた。スペクトルは、正極性でリフレクタモードで記録された。
【0108】
電位差滴定は、Agタイトロードを取り付けたMetrohm Titrino 785DMP自動滴定装置を使用して実行された。全ての滴定は、二重で実行された。ポリエステルヒドロキシル末端基は、室温で、無水酢酸で溶液(NMP)中でアセチル化され(4−ジメチルアミノピリジンを触媒として使用した)、生じた酢酸の標準化された0.5N メタノールKOH溶液による滴定が続いた。ブランク測定は、水酸値を得るのに必要であった。水酸値(OHV)は、1gの物質中のヒドロキシル基に対する、水酸化カリウム当量のミリグラム数(下の式を参照のこと)である。全ての滴定は、二重で実行された。
【数1】

【0109】
ここで、OHV=水酸値(mg KOH/g)、V=ブランクを適定するのに必要なメタノールKOH溶液の体積(mL)、V=サンプルを適定するのに必要なメタノールKOH溶液の体積(mL)、N KOH溶液(モル/L)の規定度、56.1=KOHのモル質量(g/mol)、W=サンプル重量(g)。
【0110】
動的機械分析(DMA)は、平行板形状を有するTA Instruments AR1000−N Rheolystレオメータを使用して実行された。データ収集は、Rheology Advantage Instrument Control Arソフトウェアによってなされ、データ分析はRheology Advantage Data Analysisソフトウェアでなされた。
【0111】
架橋及びコーティング特性は、幾つかの特性評価法を使用して、室温で、評価された:アセトン摩擦試験(溶媒耐性試験:サンプルをアセトンに浸した布でこする。150−200回の摩擦の後に損傷が見られなければ、コーティングは良好なアセトン耐性を有する)、急速変形試験(リバースインパクト試験(ASTM D 2794))及び振り子減衰値試験(pendulum damping test)(ASTM D 4366、ケーニッヒ硬さの測定用)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖から作製可能であり以下の式(5)により表される二環式エーテルジオール残基およびポリオール残基を含むポリカーボネートであって、前記ポリカーボネートは、ポリマー1gあたり0.2〜5mmolのヒドロキシル基を有する、ポリカーボネート。
【化1】

【請求項2】
請求項1に記載のポリカーボネートであって、前記ポリカーボネートは、ポリマー1gあたり0.4〜1.5mmolのヒドロキシル基を有する、ポリカーボネート。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリカーボネートであって、前記ポリカーボネートは、数平均分子量1000〜10000g/molを有する、ポリカーボネート。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載のポリカーボネートであって、前記エーテルジオール残基は以下の何れかの分子から誘導される、ポリカーボネート。
【化2】

【化3】

【化4】

【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載のポリカーボネートであって、エーテルジオール残基の量は当該ポリカーボネートの30〜95重量%である、ポリカーボネート。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のポリカーボネートであって、前記ポリオール残基は、ジオールおよび3〜6のOH基を有するポリオールの混合物を含む脂肪族ポリオールから誘導される、ポリカーボネート。
【請求項7】
請求項6に記載のポリカーボネートであって、ジオールと3〜6のOH基を有するポリオールとの間の比は4〜50である、ポリカーボネート。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のポリカーボネートであって、前記ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(=ネオペンチルグリコール)ヘキサン−2,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−プロパン(水素化ビスフェノールA)、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]プロパン、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバル酸エステル、ブチルエチルプロパンジオール、エチルメチルプロパンジオール、水素化ビスフェノールA、2,2−ビス−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルプロパン及び2,2−ビス−2−ヒドロキシプロポキシフェニルプロパンからなる群から選択される、ポリカーボネート。
【請求項9】
請求項6ないし8の何れか一項に記載のポリカーボネートであって、3〜6のOH基を有する前記ポリオールは、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、グリセロール及びソルビトールからなる群から選択される、ポリカーボネート。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載のポリカーボネートのフィラー又はブロック共重合体の構成ブロックとしての使用。
【請求項11】
請求項1ないし9の何れか一項に記載のポリカーボネートおよび少なくとも1つの架橋剤を含むコーティング組成物。
【請求項12】
粉末コーティング組成物である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
水性塗料組成物である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
請求項1ないし9の何れか一項に記載のポリカーボネートおよび分散剤を含むラテックス組成物であって、前記ポリカーボネートは、ジイソシアネート化合物と反応されたものである、ラテックス組成物。

【公表番号】特表2010−539264(P2010−539264A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524443(P2010−524443)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061041
【国際公開番号】WO2009/033934
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(510071633)スティヒティング ダッチ ポリマー インスティテュート (3)
【氏名又は名称原語表記】STICHTING DUTCH POLYMER INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】John F. Kennedylaan 2, NL−5612AB Eindhoven NL.
【Fターム(参考)】