説明

ポリカーボネート組成物、その製造方法およびそれを含む物品

本明細書では、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物が開示されている。本明細書では、ポリカーボネート、白色着色剤をポリカーボネート組成物の全重量基準で約1〜約15重量%含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含む方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリカーボネート組成物、その製造方法およびそれを含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネートは、衝撃強度は高いが、弾性率は低い、光透過性ポリマー樹脂である。弾性率を高めるためには、通常、ガラス繊維がポリカーボネートに添加される。その結果、透過性が失われるだけでなく、衝撃強度も低下する。ガラス繊維充填ポリカーボネート複合材料の色を変えることが所望されるとき、一般に、着色剤が複合材料に添加される。しかし、着色剤を添加することにより、一般に、ガラス繊維強化ポリカーボネートの耐衝撃性が低下する。
【0003】
ガラス繊維充填ポリカーボネートを白色または明色にするために、二酸化チタンおよび硫化亜鉛などの充填剤をポリカーボネート樹脂に添加する場合が多い。しかし、二酸化チタンをポリカーボネートに添加することにより、ガラス繊維の大きさが小さくなるのに対して、硫化亜鉛を添加することにより、ポリカーボネートの分子量が低下し、それに対応して衝撃強度が失われる。この衝撃強度の低下により、衝撃強度の保持が望ましい自動車の車体外板、ならびに電子機器、コンピューターおよび携帯電話などの用途で、白色ガラス繊維充填ポリカーボネートを使用することは難しい。
【0004】
したがって、衝撃強度が高い、白色ガラス繊維充填ポリカーボネートを得ることが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が約0.0001:1〜約1:1であるポリカーボネート組成物が開示されている。
【0006】
本明細書には、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含む方法も開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書には、ポリカーボネート、繊維組成物、着色剤組成物および酸組成物を含む、衝撃強度が約120J/m以上であるポリカーボネート組成物が開示されている。酸組成物を添加することにより、白色組成物の衝撃強度の維持が促される。酸組成物を添加することにより、ポリカーボネートの分子量の低下が防止され、これは、ポリカーボネート組成物の衝撃強度を維持する一助となる。
【0008】
混合前のポリカーボネートの数平均分子量は、一般に、約10000〜約100000、約12000〜約80000、より具体的には約15000〜約50000g/モルである。
【0009】
ポリカーボネートは、ポリカーボネート組成物の全重量基準で、約5〜約90重量%、具体的には約10〜約80重量%、より具体的には約20〜約70重量%の量で、ポリカーボネート組成物中で使用される。
【0010】
繊維組成物は、例えばガラス繊維、ポリマー繊維、ウイスカー、ナノ繊維、ナノチューブなどの黒以外の繊維、またはこれらの繊維の少なくともひとつを含む組合せを含む。模範的な繊維は、ガラス繊維である。
【0011】
有用なガラス繊維は、任意の種類の繊維化できるガラス組成物から製造でき、「Eガラス」、「Aガラス」、「Cガラス」、「Dガラス」、「Rガラス」、「Sガラス」、ならびにフッ素を含まないか、かつ/またはホウ素を含まないEガラス誘導体として公知の繊維化できるガラス組成物から調製したものが挙げられる。大部分の強化マットは、Eガラスから製造されたガラス繊維を含み、ポリカーボネート組成物中に含まれる。
【0012】
公称フィラメント径が約4.0〜約35.0μmである商業的に製造されたガラス繊維、および公称フィラメント径が約5.0〜約30.0μmであるEガラス繊維が、ポリカーボネート組成物に含まれる場合もある。フィラメントは、標準的な方法により、例えば、蒸気吹き付けまたは空気吹き付け、火炎吹き付けおよび機械的引張により製造される。ポリカーボネート強化用の模範的なフィラメントは、機械的引張により製造される。非円形繊維断面も使用できる。ガラス繊維は、サイジングされる場合も、またはサイジングされない場合もある。サイジングされたガラス繊維は、その表面がポリカーボネートに適合するように選択されたサイジング組成物で被覆されている。サイジング組成物は、繊維ストランド上でポリカーボネートのウェットアウトおよびウェットスルーを促進し、ポリカーボネート組成物において望まれる物理的特性を得ることを助ける。
【0013】
ガラス繊維は、サイジングされたガラスストランドであることが好ましい。ガラス繊維の調製において、いくつかのフィラメントを、同時に製造し、被覆剤でサイジングし、次いで束ねてストランドと呼ばれるものにすることができる。あるいは、ストランド自体を、最初にフラメントから製造し、次いでサイジングすることもできる。使用するサイジング剤の量は、一般に、ガラスフィラメントを束ねて連続ストランドにするのに十分な量であって、ガラス繊維の重量基準で約0.1〜約5重量%、約0.1〜約2重量%の範囲の量である。一般に、これは、ガラスフィラメントの重量基準で約1.0重量%とすることができる。切断ストランドの形態のガラス繊維の長さは、約0.3mm〜約10cm、具体的には約0.5mm〜約5cm、より具体的には約1.0mm〜約2.5cmとすることができる。
【0014】
一般に、繊維組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約2〜約60重量%、具体的には約5〜約50重量%、より具体的には約7〜約40重量%の量でポリカーボネート組成物中に存在する。
【0015】
ポリカーボネート組成物中で使用される着色剤組成物は、一般に白色着色剤を含む。着色剤組成物は、平均粒径が約0.1〜約25μm、具体的には約0.2〜約20μm、より具体的には約0.3〜約15μmである着色剤粒子を有することができる。適切な着色剤の例としては、二酸化チタン、硫化亜鉛、リトポン、酸化亜鉛など、またはこれらの着色剤の少なくともひとつを含む組合せがある。
【0016】
着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.5〜約20重量%、具体的には約1〜約15重量%、具体的には約2〜約12重量%、より具体的には約3〜約10重量%の量でポリカーボネート組成物に添加できる。
【0017】
酸組成物は、一般に、ポリカーボネートの分子量の低下を防止するためにポリカーボネート組成物に添加される。ポリカーボネート組成物への酸組成物の添加は、一般に「酸失活」と称される。酸組成物を、ポリカーボネート、ガラス繊維および着色剤を含むポリマー組成物に添加すると、ポリマー組成物の耐衝撃性が、白色着色剤を含有しないポリマー組成物の耐衝撃性にまで高められるか、または他の白色以外の着色剤を含有するポリマー組成物の耐衝撃性にまで高められることが思いがけず発見された。白色着色剤は、ポリカーボネートの分子量を低下させることが判明しており、酸の添加により、この影響が軽減される。これは、ポリカーボネート組成物の衝撃強度の改善を促す。理論に拘るつもりはないが、酸の添加は、ポリカーボネートの分子量の低下を促進する反応を失活させると考えられる。
【0018】
酸組成物は、酸、および任意成分として水を含む。酸が、酸組成物の全重量基準で、約1〜約100重量%、具体的には約5〜約60重量%、具体的には約10〜約55重量%、より具体的には約15〜約50重量%の量で存在することが一般に望ましい。酸としては、有機酸、無機酸、酸性塩、脂肪酸、ポリマー酸など、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せを挙げることができる。適切な酸は、亜リン酸、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、酸ナトリウムピロリン酸など、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せである。脂肪酸は、飽和酸または不飽和酸であってよい。脂肪酸の例としては、オレイン酸、リノール酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、アラキドン酸など、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せがある。ポリマー酸の例としては、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(3−チオフェン酢酸)、ポリグリコール酸など、またはこれらのポリマー酸の少なくともひとつを含む組合せがある。模範的な酸は、亜リン酸である。
【0019】
酸組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.0001〜約5重量%、具体的には約0.001〜約3重量%、より具体的には約0.01〜約2重量%の量でポリカーボネート組成物に添加される。
【0020】
酸組成物と着色剤組成物との重量比については、約0.0001:1〜約1:1、具体的には約0.0005:1〜約0.5:1、具体的には約0.005:1〜約0.3:1、具体的には約0.002:1〜約0.2:1、より具体的には約0.001:1〜約0.1:1であることが一般に望ましい。
【0021】
一実施形態において、ポリカーボネート組成物を製造する一方法では、ポリカーボネートは、繊維組成物、着色剤組成物および酸組成物とともに、衝撃強度が約120J/m以上である均一な組成物を製造するのに有効なせん断条件下および温度条件下で混合される。混合の例示的形態としては、ポリカーボネートを溶融するステップと、繊維組成物、着色剤組成物および酸組成物を溶融したポリカーボネートに分散させるステップとを含む、溶融混合を含む。前記成分の乾式混合は、溶融混合の前に行うことができる。溶融混合により、その後物品に製造できる例えばペレットまたはブリケットなどの中間体製品が製造され得るか、または物品が成形プロセスを介して直接製造され得る。
【0022】
ポリカーボネート組成物の溶融混合は、せん断力、伸張力、圧縮力、超音波エネルギー、電磁エネルギー、熱エネルギー、またはこれらの力またはエネルギーの形態の少なくともひとつを含む組合せの使用を伴い、これらの力またはエネルギーの形態が、一軸スクリュー、多軸スクリュー、噛合式同方向回転もしくは異方向回転スクリュー、非噛合式同方向回転もしくは異方向回転スクリュー、往復スクリュー、ピン付きスクリュー、スクリーン付きスクリュー、ピン付きバレル、ロール、ラム、らせん状ローター、またはこれらの少なくともひとつを含む組合せにより与えられる処理装置内で行われる。
【0023】
前記の力が関わる溶融混合は、例えば一軸もしくは多軸スクリュー押出機、バスニーダー、ヘンシェルミキサー、ヘリコーン、ロスミキサー、バンバリー、ロールミル、成形機、例えば射出成形機、真空成形機、ブロー成形機などの機械、またはこれら機械の少なくともひとつを含む組合せで行うことができる。
【0024】
一実施形態において、ポリカーボネート組成物は、溶融混合機内に供給される前に、ポリカーボネート、ガラス繊維、着色剤および酸組成物を予備結合(乾式混合)することにより調製できるが、このような予備結合が必ずしも所望されるとは限らない。予備結合は、例えばドラムミキサー、リボンミキサー、垂直スパイラルミキサー、ミュラーミキサー、シグマミキサー、カオスミキサー、静的ミキサーなどのミキサー内で行うことができる。予備結合は、一般に室温で行われる。
【0025】
溶融混合は、ポリカーボネートの少なくとも一部が、ほぼその流動点(例えば、ガラス転位温度)以上の温度に達している混合である。乾式混合は、ポリカーボネートの全質量が、ほぼその流動点以下の温度であり、ポリカーボネートが、乾式混合プロセス中に任意の液体様流体を実質的に含まない混合である。
【0026】
一実施形態において、ポリカーボネート、繊維組成物、着色剤組成物および酸組成物は、押出機に添加され、押出機内で溶融混合される。押出物は、集められ、成形される。前記成分は、押出機のスロートに添加される場合もあり、またはそれらの一部が、下流に添加される場合もある。
【0027】
一実施形態において、繊維組成物および/または着色剤組成物は、マスターバッチの形態で押出機に添加できる。所望により、各マスターバッチは、スロートまたは下流において押出機に添加できる。模範的実施形態において、繊維組成物は、スロートの下流、具体的には押出機のダイの直前に添加できる。
【0028】
押出物は、一般に、ペレットの形態で押出機から収集される。次いで、ペレットは、射出成形機、ブロー成形機、真空成形機などで成形されて、所望の物品が製造される。
【0029】
着色剤組成物および酸組成物と共に繊維組成物を使用することは、ポリカーボネート組成物が、他の白色以外の着色剤を含有する組成物と同様の衝撃強度を示すか、または着色剤を含有しない組成物と同様の衝撃強度を示すという点で有益である。
【0030】
ポリカーボネート組成物の衝撃強度は、一般に、約120J/m以上、具体的には約130J/m以上、より具体的には約140J/m以上である。
【0031】
別の実施形態において、ポリカーボネート組成物の熱変形温度は、約132℃以上、具体的には約133℃以上、より具体的には約134℃以上である。
【実施例】
【0032】
本発明を、以下の非限定的な例によりさらに説明する。
【0033】

例1
この例は、繊維組成物および白色着色剤組成物を含有するポリカーボネートに酸組成物が添加されたときの耐衝撃性の改善を証明するために行われた。また、この例は、試料の熱的特性および機械的特性に及ぼす亜リン酸の量の変化の影響を証明するために行われた。
【0034】
特性とともに組成物を表1に示す。成分を二軸スクリュー押出機内で混合した。100等級のPCPおよびPCP1300は、サビックイノベーティブプラスチックス社から入手したポリカーボネートである。アクリルポリマー耐衝撃性改質ペレットは、ロームアンドハース社から入手した。表1に示されているすべての成分を押出機のスロートから二軸スクリュー押出機内に添加した。押出機は、スロートからダイまで、各々、50℃、100℃、280℃、280℃、280℃、280℃、280℃、280℃、280℃、280℃および280℃の温度に設定された11個のバレルを有する二軸スクリュー押出機である。ダイを280℃の温度に設定した。スクリュー速度は、300回転/分(rpm)とした。
【0035】
次いで押し出された試料を射出成形して、試料を製造し、様々な特性を試験した。曲げ弾性率試験は、ASTM D790に従って行われた。ノッチ付きアイゾッド衝撃試験は、ASTM D256に従って行われた。引張試験は、ASTM D638に従って行われた。熱変形温度試験は、ASTM D648に従って行われた。
【0036】
以下の表1に示されているように、試料#1および2は、比較試料であるのに対して、試料#3〜8は、本明細書に開示された組成物を代表するものである。試料#1は、任意の白色着色剤(硫化亜鉛)を含有していないのに対して、試料#2は、白色着色剤を含有している。特性データから、白色着色剤を試料#2に添加することにより、ポリカーボネート組成物の耐衝撃性がほぼ50%低下することが理解できる(試料#1と試料#2の耐衝撃性の比較)。45重量%(酸組成物の重量基準で)の量の亜リン酸をポリカーボネート組成物に添加すると、試料#3〜8に示されているように耐衝撃性が著しく改善される。硫化亜鉛の量は、5重量%に維持された。
【0037】
試料#3〜8から、酸を添加することにより、白色着色剤を組成物に添加できるようになると同時に、試料の耐衝撃性が改善されることが理解できる。
【0038】
以下のデータから分かるように、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001〜約1であるとき、酸を含有しない比較組成物と比較したとき、ポリカーボネート組成物の耐衝撃性が著しく改善される。
【表1】

【0039】
表1から、硫化亜鉛5重量%を、ポリカーボネート組成物に添加して白色に合わせると、亜リン酸水溶液の量が0.03重量%相当で、最善の耐衝撃性の結果が得られることが理解できる。この結果を試料#4により示す。
【0040】
例2
この例は、硫化亜鉛と亜リン酸との比を最適化すると、ポリカーボネート組成物の耐衝撃性を、充填剤を含まない(unfilled)ポリカーボネートの耐衝撃性以上に改善できることを示すために行われた。組成物および特性を表2に示す。
【表2】

【0041】
この例は、ポリカーボネート組成物の全重量基準でガラス45重量%を、該組成物に添加したときのポリカーボネート組成物の特性を示すために行われた。この試料は、例1に開示されたものと同様の方法で調製された。表3は、組成物および特性を示す。
【表3】

【0042】
表3から、ガラス繊維を45重量%およびZnSを10重量%含有するポリカーボネート組成物について、酸組成物を添加したときに耐衝撃性が改善されることが理解できる。
【0043】
例4
この例は、ポリカーボネート組成物の耐衝撃性を改善するための酸失活剤として、別の酸、とりわけ酸ナトリウムピロリン酸がどのように使用できるかを示している。この例の試料は、例1の試料と同様の方法で製造された。表4は、ポリカーボネート組成物ならびにこの試料の特性の両方を示している。
【表4】

【0044】
表4から、酸ナトリウムピロリン酸は、亜リン酸と同様の方法で作用して、表1の試料#2および表3の試料#11より衝撃強度が高く、かつ熱変性温度が高いポリカーボネート組成物を製造することが理解できる。試料#2および試料#11はいずれも、酸を全く含有していなかった。したがって、亜リン酸の代わりに他の酸を使用して、ポリカーボネート組成物に白色顔料を添加することにより生じる分子量の低下の影響を最小限にすることができる。
【0045】
例5
この例は、他の着色剤がポリカーボネート組成物に添加できることを証明するために行われた。この例では、硫化亜鉛に加えて、カーボンブラック、顔料ブルーおよび顔料ブラウンを組成物に添加した。組成物および特性を表5に示す。この試料は、例1に記載されているのと同様の方法で製造された。
【表5】

【0046】
表5から、ポリカーボネート組成物に他の着色剤を添加することにより、物理的特性が悪影響を受けることはないことが理解できる。衝撃強度は、依然として150J/m超に維持できる。
【0047】
例6
この例は、組成物の全重量基準で12重量%の硫化亜鉛の使用を証明するために行われた。酸組成物と着色剤組成物との重量比は、0.004:1である。この例の試料は、例1の試料と同様の方法で製造された。表6は、ポリカーボネート組成物ならびにこの試料の特性の両方を示している。
【表6】

【0048】
表6の結果から、酸組成物を導入することにより、ポリカーボネート組成物の衝撃強度が95.9J/mから119J/mに増加することが理解できる。したがって、硫化亜鉛の量が12重量%であっても、酸組成物を含有する組成物は、酸組成物を含有しない比較組成物を超える衝撃強度の増加を示す。この衝撃強度の増加は、酸組成物と着色剤組成物との重量比が0.004:1であるポリカーボネート組成物に見ることができる。
【0049】
上記の例から、白色顔料がポリカーボネート組成物に添加されると、酸失活により、ポリカーボネート組成物の機械的特性および熱的特性の維持、さらには改善が助けられることが理解できる。
【0050】
一実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1である。
【0051】
別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在する。
【0052】
さらに別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、二酸化チタン、硫化亜鉛、リトポン、酸化亜鉛、または二酸化チタン、硫化亜鉛、リトポンもしくは酸化亜鉛の少なくともひとつを含む組合せを含む。
【0053】
さらに別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物は、亜リン酸、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、酸ナトリウムピロリン酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せを含み、ポリカーボネート組成物は、酸組成物をポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.0001〜約5重量%含む。
【0054】
さらに別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物は酸を含み、酸は、無機酸、有機酸、酸性塩、ポリマー酸、脂肪酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せであり、ポリカーボネート組成物は、酸組成物をポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.0001〜約5重量%を含む。
【0055】
さらに別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物、ならびに酸および水を含む酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物は、亜リン酸、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、酸ナトリウムピロリン酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せを含み、ポリカーボネート組成物は、酸組成物をポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.0001〜約5重量%を含む。
【0056】
さらに別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物、ならびに酸および水を含む酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物は酸を含み、酸は、無機酸、有機酸、酸性塩、ポリマー酸、脂肪酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せであり、ポリカーボネート組成物は、酸組成物をポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.0001〜約5重量%を含む。
【0057】
さらに別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、白色着色剤をポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物は酸を含み、酸は、無機酸、有機酸、酸性塩、ポリマー酸、脂肪酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せであり、脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、アラキドン酸、またはこれらの脂肪酸の少なくともひとつを含む組合せであり、あるいは、ポリマー酸は、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(3−チオフェン酢酸)、ポリグリコール酸、または前記ポリマー酸の少なくともひとつを含む組合せであり、ポリカーボネート組成物は、酸組成物をポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.0001〜約5重量%を含む。
【0058】
一実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、白色着色剤をポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.005:1〜約0.3:1である。
【0059】
別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、白色着色剤をポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.005:1〜約0.3:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在する。
【0060】
一実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、白色着色剤をポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、繊維組成物は、ガラス繊維を含む。
【0061】
別の実施形態において、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比は、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、繊維組成物は、ガラス繊維を含む。
【0062】
一実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を含む。
【0063】
別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在する、ポリカーボネート組成物を含む。
【0064】
さらに別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、二酸化チタン、硫化亜鉛、リトポン、酸化亜鉛、または二酸化チタン、硫化亜鉛、リトポンもしくは酸化亜鉛の少なくともひとつを含む組合せを含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0065】
さらに別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物が、亜リン酸、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、酸ナトリウムピロリン酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せを含み、ポリカーボネート組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で酸組成物約0.0001〜約5重量%を含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0066】
さらに別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物が酸を含み、酸は、無機酸、有機酸、酸性塩、ポリマー酸、脂肪酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せであり、ポリカーボネート組成物は、ポリカーボネート組成物の全重量基準で酸組成物約0.0001〜約5重量%を含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0067】
さらに別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物、ならびに酸および水を含む酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物が、亜リン酸、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、酸ナトリウムピロリン酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せを含み、ポリカーボネート組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で酸組成物約0.0001〜約5重量%を含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0068】
さらに別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物、ならびに酸および水を含む酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物が酸を含み、酸は、無機酸、有機酸、酸性塩、ポリマー酸、脂肪酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せであり、ポリカーボネート組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で酸組成物約0.0001〜約5重量%を含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0069】
さらに別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、酸組成物が酸を含み、酸は、無機酸、有機酸、酸性塩、ポリマー酸、脂肪酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せであり、脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、アラキドン酸、またはこれらの脂肪酸の少なくともひとつを含む組合せであり、またはポリマー酸は、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(3−チオフェン酢酸)、ポリグリコール酸、またはこれらのポリマー酸の少なくともひとつを含む組合せであり、ポリカーボネート組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で酸組成物約0.0001〜約5重量を%含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0070】
一実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.005:1〜約0.3:1である、ポリカーボネート組成物を含む。
【0071】
別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.005:1〜約0.3:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在する、ポリカーボネート組成物を含む。
【0072】
一実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、繊維組成物が、ガラス繊維を含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0073】
別の実施形態において、物品は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1であり、着色剤組成物が、ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%の量で存在し、繊維組成物が、ガラス繊維を含む、ポリカーボネート組成物を含む。
【0074】
一実施形態において、方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含む。
【0075】
別の実施形態において、方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含み、その混合は、溶融混合を含む。
【0076】
一実施形態において、方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含み、更にポリカーボネート組成物を射出成形することを含む。
【0077】
別の実施形態において、方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含み、その混合は、溶融混合を含み、更にポリカーボネート組成物を射出成形することを含む。
【0078】
一実施形態において、物品を製造する方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含む。
【0079】
別の実施形態において、物品を製造する方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含み、その混合は、溶融混合を含む。
【0080】
一実施形態において、物品を製造する方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含み、更にポリカーボネート組成物を射出成形することを含む。
【0081】
別の実施形態において、物品を製造する方法は、ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物および酸組成物を含み、酸組成物と着色剤組成物との重量比が、約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物を混合することを含み、その混合は、溶融混合を含み、更にポリカーボネート組成物を射出成形することを含む。
【0082】
本発明を、例示的実施形態を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、その要素を等価物で置き換えることができることが当業者に理解される。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるため、多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図された最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されるものではないことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物、および酸組成物を含み、該酸組成物と該着色剤組成物との重量比が約0.0001:1〜約1:1である、ポリカーボネート組成物。
【請求項2】
前記着色剤組成物が、前記ポリカーボネート組成物の全重量基準で約3〜約12重量%存在する、請求項1に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項3】
前記着色剤組成物が、二酸化チタン、硫化亜鉛、リトポン、酸化亜鉛、または二酸化チタン、硫化亜鉛、リトポンもしくは酸化亜鉛の少なくともひとつを含む組合せを含む、請求項1または2に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項4】
前記酸組成物が、亜リン酸、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、酸ナトリウムピロリン酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せを含む、請求項1に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項5】
前記酸組成物が、酸を含み、この酸は、無機酸、有機酸、酸性塩、ポリマー酸、脂肪酸、またはこれらの酸の少なくともひとつを含む組合せである、請求項1に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項6】
前記酸組成物が、酸および水を含む、請求項1、2、4または5のいずれかの一項に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項7】
前記酸組成物が、前記ポリカーボネート組成物の全重量基準で約0.0001〜約5重量%含まれる、請求項1、4または5のいずれかの一項に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項8】
前記脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、アラキドン酸、もしくはこれら脂肪酸の少なくともひとつを含む組合せであり、または前記ポリマー酸が、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(3−チオフェン酢酸)、ポリグリコール酸、もしくはこれらポリマー酸の少なくともひとつを含む組合せである、請求項5に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項9】
前記酸組成物と前記着色剤組成物との重量比が約0.005:1〜約0.3:1である、請求項1または2に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項10】
前記繊維組成物がガラス繊維を含む、請求項1に記載のポリカーボネート組成物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかの一項に記載のポリカーボネート組成物を含む物品。
【請求項12】
ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物の全重量基準で白色着色剤約1〜約15重量%を含む着色剤組成物、繊維組成物、および酸組成物を含み、前記酸組成物と前記着色剤組成物との重量比が約0.0001:1〜約1:1であるポリカーボネート組成物を混合することを含む方法。
【請求項13】
前記混合が溶融混合を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリカーボネート組成物を射出成形することをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項12から14のいずれかの一項に記載の方法により製造された物品。

【公表番号】特表2011−515532(P2011−515532A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500341(P2011−500341)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051168
【国際公開番号】WO2009/116010
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(309001610)サビック イノベーティブ プラスチックス イーペー ベスローテン フェンノートシャップ (16)
【Fターム(参考)】