説明

ポリスチレン系樹脂組成物、ポリスチレン系樹脂混練物及びその製造方法、並びに、ポリスチレン系樹脂成形体の製造方法

【課題】 本発明は、低分子量成分の含有量が原料となるポリスチレン系樹脂中に含有される低分子量成分の量よりも少ないポリスチレン系樹脂混練物を得ることができるポリスチレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のポリスチレン系樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂100重量部とクエン酸0.1〜8重量部とからなることを特徴とし、押出機などの汎用の混練装置にて溶融混練した場合にあっても、ポリスチレン系樹脂の熱分解を防止して低分子量成分の生成を阻止しつつ、ポリスチレン系樹脂に元々含有されていた低分子量成分を捕捉することができ、よって、原料となるポリスチレン系樹脂中に元々含有されていた低分子量成分量よりも低減させたポリスチレン系樹脂混練物を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低分子量成分の含有量が原料となるポリスチレン系樹脂中に含有される低分子量成分の量よりも少ないポリスチレン系樹脂混練物を得ることができるポリスチレン系樹脂組成物、このポリスチレン系樹脂組成物から得られたポリスチレン系樹脂混練物及びその製造方法、並びに、ポリスチレン系樹脂混練物を用いたポリスチレン系樹脂成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からポリスチレン系樹脂は、強度や弾性率などの機械的強度に優れていると共に安価で加工性に優れていることから、フィルムやシートなどの幅広い用途において使用されている。
【0003】
そして、ポリスチレン系樹脂を発泡させて得られた発泡シートは、熱成形することによって食品トレーや食品容器などに広く用いられていると共に、断熱材などの建材用途の他に、自動車内装材の基材としても用いられている。
【0004】
一方、ポリスチレン系樹脂には揮発性有機化合物(VOC)が含有されており、上述のような食品用途、建材用途又は自動車用途に用いるにあたって、揮発性有機化合物の低減化が望まれており、これまでに、原料であるポリスチレン系樹脂中に含まれている揮発性有機化合物などの低分子量成分の低減化が試みられてきた。
【0005】
具体的には、特許文献1には、有機リチウム開始剤を用いて得られたスチレン系樹脂を用いたスチレン系樹脂発泡容器が提案されており、確かにスチレン系樹脂は原料段階ではスチレンモノマーやオリゴマーなどの低分子量成分は低減されているものの、このスチレン系樹脂を押出機に供給し溶融混練して押出成形すると、スチレン系樹脂が押出機中において受ける熱や剪断応力によって分解して低分子量成分が生成し、得られるスチレン系樹脂発泡容器中には、その原料となったスチレン系樹脂中に含有されているよりも多い量の低分子量成分が含有されているといった問題点があった。
【0006】
又、特許文献2には、ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合物99.9〜85重量部と脂肪族ポリカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の中から選ばれる1種又は2種以上のポリカルボン酸0.1〜15重量部からなる樹脂組成物が提案されており、脂肪族ポリカルボン酸がクエン酸であることも提案されている。
【0007】
しかしながら、特許文献2の第3頁右上欄下から5〜1行に記載のように、ポリフェニレンエーテル系樹脂が有する異臭の原因であるアミンを脂肪族ポリカルボン酸によって吸着除去するものであって、ポリスチレン系樹脂の分解を抑制して低分子量成分の生成を抑えることまで開示されていない。
【0008】
更に、特許文献3には、ポリフェニレンエーテル樹脂及びこれとは異なる第二の熱可塑性樹脂からなる組成物中の揮発性物質を減少させるための方法であって、トルエン、揮発性の酸素化分子種及び揮発性で臭いのあるアミン類の源となる物質から選択される不純物を含むポリフェニレンエーテル樹脂を押出機に供給して注水とそれに続く減圧脱気からなる第一段階の下流個所で上記押出機に第二の熱可塑性樹脂を供給し、ポリフェニレンエーテルと第二の熱可塑性樹脂とを押出機内にてブレンドし、得られた組成物を回収する方法が提案されている。
【0009】
そして、上記組成物に発泡加工を施す際に、発泡体のセルサイズと発泡セルの数を制御することを目的として、クエン酸と重炭酸ソーダの組合せからなる造核剤を添加することが記載されているものの、ポリスチレン系樹脂の分解を抑制して低分子量成分の生成を抑えることまで開示されていない。
【0010】
【特許文献1】特開2001−342278号公報
【特許文献2】特開平2−142851号公報
【特許文献3】特開平6−114833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、押出機などの汎用の混練装置にて溶融混練した場合にあっても、ポリスチレン系樹脂の分解に伴う低分子量成分の生成が抑制され、更に、低分子量成分の含有量が、原料となったポリスチレン系樹脂中に含有されていた低分子量成分の含有量よりも少ないポリスチレン系樹脂混練物を得ることができるポリスチレン系樹脂組成物、このポリスチレン系樹脂組成物から得られるポリスチレン系樹脂混練物及びその製造方法、並びに、上記ポリスチレン系樹脂混練物を用いたポリスチレン系樹脂成形体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のポリスチレン系樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂100重量部とクエン酸0.1〜8重量部とからなることを特徴とする。
【0013】
上記ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらスチレン系単量体を2種以上組み合わせた共重合体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、無水マレイン酸、ブタジエンなどの単量体と上記スチレン系単量体との共重合体などが挙げられる。なお、共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体の何れであってもよい。又、ポリスチレン系樹脂が50重量%以上含有しておれば、ポリスチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を添加してもよい。
【0014】
そして、上記クエン酸としては、結晶水を含有していてもよいが、結晶水の含有量が10重量%以下であるか或いは無水物であることが好ましい。これは、クエン酸中に含有される結晶水の量が多いと、ポリスチレン系樹脂組成物を押出機などの混練装置に供給して溶融混練した際に、結晶水が蒸発して発泡剤としての作用を発現し、得られるポリスチレン系樹脂混練物中に空隙が生じるという問題点が発生する。
【0015】
従って、ポリスチレン系樹脂混練物がシート状やフィルム状などの最終成形品である場合には不良品となってしまうと共に、ポリスチレン系樹脂混練物をペレット状とした場合には、ペレット状のポリスチレン系樹脂混練物の嵩比重が低下して、このペレット状のポリスチレン系樹脂混練物を用いて押出成形した際の押出量が低下し、ポリスチレン系樹脂成形体の製造条件の安定性が低下する虞れがあるからである。なお、クエン酸が結晶水を含有している場合におけるクエン酸中における結晶水の含有量は下記の式にて算出されたものをいう。
クエン酸中における結晶水の含有量(重量%)
=100×結晶水の重量/(クエン酸の重量+結晶水の重量)
【0016】
又、ポリスチレン系樹脂組成物中におけるクエン酸の含有量は、少ないと、ポリスチレン系樹脂組成物を押出機などの汎用の混練装置に供給して溶融混練した際に、ポリスチレン系樹脂の分解を抑制する効果が少ない一方、多いと、発煙現象を生じたり、得られるポリスチレン系樹脂混練物が発泡し或いは黄変することがあるので、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜8重量部に限定され、0.3〜6重量部が好ましく、0.5〜6重量部がより好ましい。なお、クエン酸が結晶水を含有している場合は、ポリスチレン系樹脂組成物中のクエン酸の含有量としては、結晶水を除いたクエン酸成分の重量をいう。
【0017】
次に、上記ポリスチレン系樹脂組成物を用いてポリスチレン系樹脂混練物を製造する方法を説明する。先ず、ポリスチレン系樹脂及びクエン酸を汎用の混練装置に供給して溶融混練し、ポリスチレン系樹脂中にクエン酸を均一に分散、混合させてポリスチレン系樹脂混練物を製造する。
【0018】
このポリスチレン系樹脂混練物の製造にあたって、ポリスチレン系樹脂は加熱下において剪断応力を受けるものの、クエン酸の存在によって、ポリスチレン系樹脂はその分解が抑制されて低分子量成分の発生が阻止されると共に、原料となったポリスチレン系樹脂中に元々含有されていた低分子量成分が捕捉され、その結果、ポリスチレン系樹脂混練物中に含有されている低分子量成分の含有量は、原料となったポリスチレン系樹脂中に含有されていた低分子量成分の含有量よりも少なくなっている。
【0019】
ここで、上記低分子量成分としては、スチレンモノマー、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、プロピルベンゼンなどの揮発性有機化合物の他に、スチレンダイマーやスチレントリマーなどが挙げられ、この中でも、スチレンモノマー、トルエン及びエチルベンゼンの発生の阻止並びに捕捉に特に効果を発揮する。
【0020】
そして、ポリスチレン系樹脂組成物からポリスチレン系樹脂混練物を製造するにあたって用いられる混練装置としては、特に限定されず、例えば、押出機、バンバリーミキサー、ローラなどが挙げられ、押出機が好ましく、二軸押出機がより好ましい。
【0021】
混練装置として二軸押出機が好ましいのは、単軸押出機を用いると、クエン酸を押出機のホッパ部に供給した際、クエン酸がホッパ部の熱によって容易に融解し、この融解したクエン酸に起因してポリスチレン系樹脂とスクリュとの間にすべりを生じ、押出安定性が低下することがあるからである。
【0022】
又、混練装置として押出機を用いる場合、バレルに一又は複数の脱気孔を設け、この脱気孔から減圧吸引することによって、ポリスチレン系樹脂中に含有される低分子量成分や水などを除去することが好ましい。
【0023】
更に、ポリスチレン系樹脂混練物の形態としては、特に限定されず、フィルムやシートなどの形態として、ポリスチレン系樹脂混練物を最終成形品の形態としてもよいし、或いは、ポリスチレン系樹脂混練物をペレット状として押出成形に用いてもよく、直径が2〜5mmの円柱形態を有するペレット状が好ましい。
【0024】
そして、ペレット状のポリスチレン系樹脂混練物の製造方法としては、例えば、スチレン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機先端に取り付けたダイからストランド状(棒状)に押出し、このストランドを所定長さ毎に切断し円柱状としてペレット状のスチレン系樹脂混練物を製造する方法、汎用の重合方法によって製造されたスチレン系樹脂を混練リローラーに供給して溶融混練してスチレン系樹脂板を製造し、このスチレン系樹脂板を切断機(ペレタイザー)を用いて直方体形状に切断してスチレン系樹脂ペレットを製造する方法などが挙げられる。
【0025】
このようにして得られたポリスチレン系樹脂混練物を用いて所望形状を有するポリスチレン系樹脂成形体を製造する要領としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン系樹脂混練物、好ましくは、ペレット状のポリスチレン系樹脂混練物を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けたダイから所望形状に押出成形することによって、所望形態を有するポリスチレン系樹脂成形体を得ることができる。なお、押出機には、ポリスチレン系樹脂混練物と共に、ポリスチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を供給してもよく、又、発泡剤を押出機に供給して押出発泡させてポリスチレン系樹脂発泡成形体としてもよい。
【0026】
ここで、ポリスチレン系樹脂混練物は押出機中において加熱下にて剪断応力を受けるが、ポリスチレン系樹脂混練物にはクエン酸が含有されており、ポリスチレン系樹脂の分解が抑制されて低分子量成分の生成が概ね阻止され、得られるポリスチレン系樹脂成形体中に含有される低分子量成分の量の増加を概ね抑えることができ、低分子量成分の少ないポリスチレン系樹脂成形体を得ることができる。そして、このポリスチレン系樹脂成形体は、食品用途、建材用途、自動車用途などの種々の用途に好適に用いることができる。
【0027】
又、ペレット状のポリスチレン系樹脂混練物は、ポリスチレン系樹脂中にクエン酸が均一に分散、混合された状態となっていることから、ポリスチレン系樹脂組成物からポリスチレン系樹脂混練物を製造する時のように、ホッパ部においてクエン酸が融解し、これが原因となってポリスチレン系樹脂とスクリュとの間においてすべりを生じるようなことはない。従って、ポリスチレン系樹脂混練物を供給する押出機としては、特に二軸押出機を用いる必要はなく、単軸押出機であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明のポリスチレン系樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂100重量部とクエン酸0.1〜8重量部とからなるので、押出機などの汎用の混練装置にて溶融混練した場合にあっても、ポリスチレン系樹脂の熱分解を防止して低分子量成分の生成を阻止しつつ、ポリスチレン系樹脂に元々含有されていた低分子量成分を捕捉することができ、よって、原料となるポリスチレン系樹脂中に元々含有されていた低分子量成分量を低減させたポリスチレン系樹脂混練物を得ることができる。
【0029】
そして、上記ポリスチレン系樹脂組成物において、クエン酸が、その結晶水の含有量が10重量%以下であるか或いは無水物である場合には、このポリスチレン系樹脂組成物を溶融混練する際に結晶水に起因した発泡現象を抑制することができ、気泡を含まない嵩比重の高いポリスチレン系樹脂混練物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施例1〜5、比較例2)
ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)100重量部と、表1に示した量のクエン酸無水物(京都和光純薬工業社製)とからなるポリスチレン組成物を、シリンダ温度が200〜220℃に保持された二軸押出機(口径:30mm、L/D=35)に供給して溶融混練し、二軸押出機の先端に取り付けられたダイ(直径:3mm、孔数:4個)から押出量10kg/時間にてストランド状に押出してポリスチレン混練物を得た。なお、二軸押出機のシリンダに設けられた脱気孔から2.6×103Pa(20Torr)の圧力で減圧吸引して低分子量成分の一部を除去した。
【0031】
そして、ダイから押出された直後のストランド状のポリスチレン混練物を直ちに40℃に保持された水中に供給して冷却した後、ストランド状のポリスチレン混練物をペレタイザーを用いて3mm毎に切断して直径が2mmのペレット状のポリスチレン混練物を得た。
【0032】
なお、比較例2では、ペレット状のポリスチレン混練物を得たが、ダイから押し出されたストランド状のポリスチレン混練物が発煙すると共に、ペレット状のポリスチレン混練物中には粗大な空隙が形成されていた。
【0033】
(実施例6)
二軸押出機のシリンダに設けられた脱気孔から減圧吸引しなかったこと以外は実施例4と同様にしてペレット状のポリスチレン組成物を得た。
【0034】
(実施例7)
口径がφ50mmの第一単軸押出機(L/D=32)の先端に、口径がφ65mmの第二単軸押出機(L/D=32)を接続してなるタンデム型押出機を用意した。次に、実施例3で得られたペレット状のポリスチレン混練物100重量部とタルク0.5重量部とをミキサーを用いて均一に攪拌し混合させた上で、このポリスチレン混練物及びタルクをタンデム型押出機の第一単軸押出機に供給して220℃にて溶融混練すると共に、第一単軸押出機にイソブタン65重量%及びノルマルブタン35重量%からなる発泡剤3.5重量部を圧入して220℃にて溶融混練した後、第二単軸押出機に溶融ポリスチレン混練物を連続的に供給して樹脂温度が165℃となるように調整した上で、第二単軸押出機の先端に取り付けた口径が70mmのサーキュラーダイから円筒状に押出発泡させ、この円筒状発泡体を徐々に拡径させた後に、円筒状発泡体を口径が206mmの円筒状の冷却マンドレルに供給して冷却した上で円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して切り開くことによって、厚みが2.2mmで且つ坪量が200g/m2のポリスチレン発泡シートを得た。
【0035】
(比較例1)
クエン酸を用いなかったこと以外は実施例3と同様の要領でペレット状のポリスチレン混練物を得た。
【0036】
(比較例3)
実施例3で得られたペレット状のポリスチレン混練物100重量部の代わりに、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)100重量部を用いたこと以外は、実施例7と同様の要領で厚みが2.2mmで且つ坪量が200g/m2のポリスチレン発泡シートを得た。
【0037】
得られたペレット状のポリスチレン混練物、ポリスチレン発泡シート、及び、ポリスチレン組成物の原料となったポリスチレン(表1では「原料PS」と表記した)中に含有されている低分子量成分(スチレンモノマー、エチルベンゼン、トルエン)の各量、及び、ペレット状のポリスチレン混練物の外観を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
【0038】
(低分子量成分の測定)
得られたペレット状のポリスチレン混練物、ポリスチレン発泡シート、又は、ポリスチレン組成物の原料となったポリスチレンから試料として0.2gを秤量し、この試料を20ミリリットルの有底筒状の容器内に収納した上で、容器内にジエチルベンゼンを50ppm含有するジメチルホルムアミド1ミリリットルを供給し、ジメチルホルムアミドに上記試料を溶解させた上で容器の開口部を蓋部材によって気密的に開閉自在に閉止した。
【0039】
しかる後、上記容器を(90±1)℃に1時間に亘って加熱した後、容器内のガスが外部に漏出しないように容器の蓋部材を除去し、容器内のガス2ミリリットルを採取し、ガスクロマトグラフ(島津製作所社製 商品名「GC−18A」)を用いて下記測定条件下にて内部標準法によって測定した。
【0040】
カラム:DB−WAX(0.25μm×0.25mmφ×30m)
カラム温度:100℃で5分間に亘って保持した後、40℃/分の昇温速度にて220
℃まで昇温し2分間に亘って保持した。
注入口温度:150℃
Detector:250℃
キャリアガス:移動流量1.6ミリリットル/分のヘリウム(圧力:122kPa)
スプリット比:70:1
【0041】
(外観)
ペレット状のポリスチレン混練物を目視観察し、下記基準にて評価した。
○:ポリスチレンに変色はなく、ペレット状のポリスチレン混練物内に空隙は発生して
いなかった。
△:ポリスチレンに変色はないが、一部のペレット状のポリスチレン混練物内に空隙が
発生していた。
×:ポリスチレンが黄変していると共に、ペレット状のポリスチレン混練物内に空隙が
発生していた。
【0042】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリスチレン系樹脂100重量部とクエン酸0.1〜8重量部とからなることを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項2】
クエン酸は、その結晶水の含有量が10重量%以下であるか或いは無水物であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項3】
ポリスチレン系樹脂100重量部とクエン酸0.1〜8重量部とからなるポリスチレン系樹脂組成物を溶融混練してなることを特徴とするポリスチレン系樹脂混練物。
【請求項4】
ペレット状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のポリスチレン系樹脂混練物。
【請求項5】
ポリスチレン系樹脂100重量部とクエン酸0.1〜8重量部とからなるポリスチレン系樹脂組成物を二軸押出機に供給し溶融混練して押出すことを特徴とするポリスチレン系樹脂混練物の製造方法。
【請求項6】
ポリスチレン系樹脂100重量部とクエン酸0.1〜8重量部とからなるポリスチレン系樹脂組成物を溶融混練して得られたペレット状のポリスチレン系樹脂混練物を押出機に供給して溶融混練し所望形状に押出成形することを特徴とするポリスチレン系樹脂成形体の製造方法。

【公開番号】特開2008−127537(P2008−127537A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317334(P2006−317334)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】