説明

ポリマーグラフトコロイダルシリカ、ポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体およびその製造方法

【課題】 有機溶媒中において微粒子が規則的に配列したコロイド結晶となるポリマーグラフトコロイダルシリカおよびポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体を提供する。
【解決手段】 コロイダルシリカに、一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤の加水分解によるシリル残基が結合してなるポリマーグラフトコロイダルシリカ。ただし、一般式(1)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。
【化6】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に特定のポリマー型シランカップリング剤を結合させた変性コロイダルシリカ、該変性コロイダルシリカを有機溶媒に分散した変性コロイダルシリカ分散体、該変性コロイダルシリカ分散体の製造方法および該ポリマー型シランカップリング剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、シリカ、アルミナ等の無機酸化物微粒子を有機溶媒に安定に分散等させるために、微粒子の表面を修飾することが行われている。このような表面修飾法としては、反応性モノマ−またはカップリング剤等と微粒子表面の官能基、例えばヒドロキシル基を反応させる方法が知られている。
具体的には、粉末状の微粒子を有機溶媒に分散させた後に修飾剤を添加して微粒子表面を修飾する方法、あるいは微粒子の水分散液の水を有機溶媒と置換した後に修飾剤を添加して微粒子表面を修飾する方法などがある。
【0003】
しかしながら、これらの方法では、微粒子の凝集を完全に抑制することができず、分散性の良い安定な有機溶媒ゾルを得ることが困難であった。また、高濃度で増粘することなく分散性の良い安定な有機溶媒ゾルを得ることが困難であった。更に、ゾルを乾燥して粉体化した後再分散させて有機溶媒ゾルを得ようとしても、凝集しているために分散性の良い安定な有機溶媒ゾルを得ることが困難であった。
【0004】
近年、水または有機溶媒に微粒子を分散させた、光彩色を呈する分散液が注目されている。
例えば、特許文献1(特公平1−23411号公報)には、光彩色を呈する透明で且つ安定なシリカ質ゾルの製造方法が開示されている。この製造法によれば、0. 2〜1μmの粒子径で、粒径が揃った無定型シリカ球を用いてチンダル散光を呈するアルコール類分散液を作り、このアルコール類分散媒を低極性溶媒で置換することにより前記シリカ質ゾルを製造するものである。
【0005】
更に、同公報には光彩色を呈する原理に関して、粒子が溶媒中で面心立法配列をとり、配列面の重なりの間隔が光の波長程度に小さいため、その面に対してある角度で入射した白色光は分光され、特定方向に特定の波長の光が回折する結果、特定の単色光が見られ、目の位置を変えることにより、その色が連続的に変化する旨説明されている。
【0006】
また、特許文献2(特開平6−100432号公報)には、オパール色を呈する微粒子分散液が開示されている。平均粒径が700nm以下の均一な有機高分子あるいは無機化合物微粒子を水またはアルコール類の他、極性有機溶媒に分散させ、脱イオン化により微粒子分散液の電気伝導度を560μS/cm以下にすることにより前記分散液を得ている。
【0007】
上記公報では、オパール色を呈する原理に関して、前記脱イオン化により、粒子表面の電気2重層が膨張し、粒子間に相互反発力が作用する結果、微粒子の分散状態が安定化し、微粒子は沈降することなく、分散液全体において一様に規則的配列をとるようになる。この結果、微結晶の集合体に似た構造をとり、この微結晶類似構造の面により光が分光され、特定方向に特定波長の光が回折されて単色光が観察されるが、この分散液は微結晶間の粒界と同様な不連続面が存在するので、個々の微結晶類似構造面での回折光が異なり種々の色の光彩が観察される、すなわちオパールに固有の遊色と呼ばれる現象が発現すると説明されている。
しかしながらこの場合、脱イオン工程に長時間を要し、振動により遊色が一時的に消滅し再び遊色を発現する迄に時間を要すること、さらに遊色が不安定であるなどの問題点も記載されている。
【0008】
そのような問題点に対応した発明として、特許文献3(特許第3729234号公報)には、粒径範囲が5〜700nmである無機微粒子または有機無機複合微粒子の表面に、分子量が1000〜20000の範囲にあるポリマー型シランカップリング剤が結合した微粒子が有機液体分散媒または有機固体分散媒に分散してなり、脱イオン処理することなく遊色を呈する微粒子分散体について開示がある。
【0009】
【特許文献1】特公平1−23411号公報
【特許文献2】特開平6−100432号公報
【特許文献3】特許第3729234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、所定の有機溶媒中において微粒子が規則的に配列したコロイド結晶となるポリマーグラフトコロイダルシリカ、およびポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体を提供することを目的としたものである。
また、本発明は、そのようなポリマーグラフトコロイダルシリカの分散体の製造方法およびその製造に必要な、ポリマー型シランカップリング剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のポリマーグラフトコロイダルシリカは、コロイダルシリカに、下記一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤の加水分解によるシリル残基が結合してなるものである。ただし、一般式(1)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。
【0012】
【化4】

【0013】
本発明のポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体は、前記ポリマーグラフトコロイダルシリカが高極性有機溶媒に分散してなるものである。
前記高極性有機溶媒は、アセトン、DMFまたはアセトニトリルのいずれかであることが好ましい。
【0014】
本発明のポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体の製造方法は、前記一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤とコロイダルシリカを有機溶媒中で混合し、70〜100℃で共沸させて、該コロイダルシリカ表面にポリマー型シランカップリング剤を結合させることを特徴とするものである。ただし、一般式(1)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。
【0015】
前記ポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体の製造方法において、前記ポリマー型シランカップリング剤を有機溶媒に添加し、これに前記コロイダルシリカを添加混合することが好ましい。
【0016】
本発明のポリマー型シランカップリング剤は、 前記一般式(1)で表される。ただし、一般式(1)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るポリマーグラフトコロイダルシリカは、所定の有機溶媒中でコロイド結晶化することが確認された。
また、本発明のポリマー型シランカップリング剤をコロイダルシリカに適用することにより、コロイド結晶化が可能なポリマーグラフトコロイダルシリカを容易に調製することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
1.ポリマーグラフトコロイダルシリカおよびポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体の製造方法
本発明のポリマーグラフトコロイダルシリカは、前記一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤とコロイダルシリカを有機溶媒中で混合し、70〜100℃にて共沸させることにより得られる。具体的な調製方法について以下に記すが、先ずポリマー型シランカップリング剤を有機溶媒に添加し、これにコロイダルシリカを添加混合する方法が好ましい。
【0019】
最初にポリマー型シランカップリング剤を有機溶媒に添加する。この有機溶媒としてはポリマー型シランカップリング剤を溶解し、コロイダルシリカの凝集をまねかないものであれば使用可能である。このような有機溶媒の例としては、1,2−ジメトキシエタン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0020】
有機溶媒に対して添加するポリマー型シランカップリング剤の割合については、後に添加されるコロイダルシリカとポリマー型シランカップリング剤の反応に悪影響を与えない範囲であれば、格別限定されるものではないが、通常は0.1〜40質量%の範囲で添加される。また、ポリマー型シランカップリング剤の添加量については、コロイダルシリカのシリカ分に対応して決定されるものであり、それについては後記する。
【0021】
次に、前記ポリマー型シランカップリング剤が溶解した有機溶媒にコロイダルシリカを添加する。ここで使用するコロイダルシリカには、シリカ微粒子が有機溶媒に分散してなるコロイダルシリカ(オルガノシリカゾル)が使用される。
シリカ微粒子としては、窒素吸着法により測定される比表面積から算定された平均粒子径が80〜200nmの範囲にあるものが好適である。この範囲の平均粒子径のシリカ微粒子であれば、最終的に、本発明のポリマーグラフトコロイダルシリカとなって、容易にコロイド結晶化することが可能となる。
【0022】
ポリマー型シランカップリング剤とコロイダルシリカ(シリカ分)の配合比については、コロイダルシリカのSiO2分100質量部に対して、ポリマー型シランカップリング剤を1〜100質量部の範囲で使用される。この範囲であれば、一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤の末端アルコキシ基が、コロイダルシリカ表面のシラノール基と加水分解縮合することにより、有機溶媒への分散にとって充分な程度に、シリカ微粒子表面に一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤のシリル残基が結合することができる。
なお、ポリマー型シランカップリング剤の前記使用量については、好適には10〜40質量部の範囲が推奨される。ポリマー型シランカップリング剤が10質量部未満では、ポリマーグラフト量が少なくなり、40質量部を超える場合は、コロイダルシリカが凝集する傾向が強まる。
【0023】
本発明のポリマーグラフトコロイダルシリカにおける、ポリマー部分とコロイダルシリカとの重量比については、ポリマーの構造にも依るが、通常は0.1:100〜10:100の範囲が推奨される。更に好適には、1:100〜5:100の範囲が推奨される。
【0024】
オルガノシリカゾルのSiO2濃度については、格別に制限されるものではないが、実用上は5〜25質量%の範囲のコロイダルシリカが使用される。
オルガノシリカゾルの添加後は、攪拌または超音波などの手段により、シリカ微粒子を充分に分散させる。そして、70〜100℃にて5〜24時間共沸蒸留し、60〜90℃で6〜18時間還流することによりポリマーグラフトコロイダルシリカが有機溶媒に分散したポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体を得ることができる。
【0025】
2.ポリマー型シランカップリング剤
本発明のポリマー型シランカップリング剤は、前記一般式(1)で表される新規なシランカップリング剤である。
一般式(1)において、mは18〜300の正数であり、nは3〜100の正数である。また、好適には、mは18〜210の正数であり、nは3〜60の正数である。nに対するmの比率(m/n)は、好適には、1〜38の範囲が推奨される。また、更に好適には1〜33の範囲が推奨される。前記一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤は、鉄(0)ジエン−トリカルボニル錯体モノマーとメタクリル酸メチルを4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を開始剤として重合して得られたカルボキシル基末端ポリマーと3−アミノプロピルトリエトキシシランとの縮合反応によって調製される。ポリマー型シランカップリング剤に至る合成方法について、以下に記す。
【0026】
[1](CH3)2(C6H6)Oの合成
有機溶媒に硫酸水溶液を添加し、該有機溶媒中にて、イソブチルアルデヒド〔(CH3)2CHCHO〕とメチルビニルケトン〔CH2=CHC(=O)CH3〕を80〜130℃で6〜12時間反応させることにより4,4-ジメチル-2-シクロヘキセノン〔(CH3)2(C6H6)O〕を合成することができる。
該有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系有機溶媒が好適に使用できる。
【0027】
[2](CH3)2(C6H5)OSi(CH3)3の合成
溶媒に脱水したトリエチルアミンを添加し、該溶媒中にて4,4-ジメチル-2-シクロヘキセノン〔(CH3)2(C6H6)O〕とクロロトリメチルシラン〔(CH3)3SiCl〕を60〜100℃で6〜12時間反応させることにより4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニルトリメチルシリルエーテル〔(CH3)2(C6H5)OSi(CH3)3〕を合成することができる。
該溶媒としてはジメチルホルムアミドなどの高沸点で高極性の有機溶媒が好ましい。
【0028】
[3][Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OHの合成
溶媒中にて、4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニルトリメチルシリルエーテル〔(CH3)2(C6H5)OSi(CH3)3〕と鉄ペンタカルボニル〔Fe(CO)5〕を120〜150℃で4〜8時間反応させ、反応停止後吸引ろ過し、次に、ろ液をエバポレーションし、得られた溶液にメタノールを加え、0℃で塩酸を添加し、1〜3時間撹拌することでトリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエン)鉄(0) 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OH〕を合成することができる。
該溶媒としてはジブチルエーテルなどの低極性有機溶媒が好ましい。
【0029】
[4]鉄(0)ジエンカルボニル錯体モノマー〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)CR=CH2〕の合成
有機溶媒に脱水したトリエチルアミンを添加し、該溶媒中にて、トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエン)鉄(0) 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OH〕とアクリル酸クロリド〔CH2=CHC(=O)Cl〕を室温で1〜3時間反応させることにより、鉄(0)トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニル)アクリレート〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)CH=CH2〕を合成することができる。
該溶媒としてはクロロホルムなどの塩素系溶媒が好ましい。
【0030】
また、アクリル酸クロリドに代えてメタクリル酸クロリド〔CH2=C(CH3)C(=O)Cl〕を使用することにより、鉄(0)トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニル)メタクリレート〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)O C(=O)C(CH3)= CH2〕を合成することができる。
本発明における鉄(0)ジエンカルボニル錯体モノマーは、下記一般式(2)で表されるものである。但し、一般式(2)において、Rは水素原子またはメチル基である。
一般式(2): [Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)CR=CH2
【0031】
[5]カルボキシル基末端ポリマーの合成
一般式(2)で表される鉄(0)ジエンカルボニル錯体モノマーが分散した有機溶媒中に該モノマーと重合可能な成分を添加し、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)〔HOOCCH2CH2C(CH3)2N=NC(CH3)2 CH2CH2COOH〕を加えて窒素置換し、60〜90℃で18〜36時間反応させることで、下記一般式(3)で表されるカルボキシル基末端ポリマーを合成することができる。但し、一般式(3)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。
【0032】
【化5】

【0033】
前記有機溶媒としてはテトラヒドロフランなどの低極性有機溶媒が好ましい。前記重合可能な成分としては、メタクリル酸メチル〔CH2=C(CH3)C(=O)OCH3〕、N-イソプロピルアクリルアミド〔(CH3)2CHNHC(=O)CH=CH2〕またはN,N-ジメチルアクリルアミド〔(CH3)2NC(=O)CH=CH2〕などを挙げることができる。
【0034】
[6]ポリマー型シランカップリング剤の合成
有機溶媒に、一般式(3)で表されるカルボキシル基末端ポリマーとN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド〔(C6H11)N=C=N(C6H11)〕を添加し、0℃で3-アミノプロピルトリエトキシシラン〔NH2CH2CH2CH2Si(OEt)3〕0.03 gを添加し、室温で2〜4時間反応させることでポリマー型シランカップリング剤を合成することができる。
【0035】
3.ポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体
単分散状態のコロイド粒子は、溶媒を蒸発させることによりコロイド粒子が規則的に配列した構造をとり、コロイド結晶となることが知られている。また、コロイド粒子が分散した溶媒中においても粒子間の相互作用によって規則的に配列し、コロイド結晶を形成する場合がある。
【0036】
本発明のポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体は、ポリマーグラフトコロイダルシリカが有機溶媒に分散してなるものである。特に有機溶媒が、アセトンまたはDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)などに代表される高極性有機溶媒である場合、有機溶媒中において、ポリマーグラフトコロイダルシリカのコロイド結晶化が起こる。
有機溶媒としては、グラフトポリマーとの親和性が必要であることの理由でアセトンまたはDMFなどに代表される高極性有機溶媒が好ましい。
【0037】
また、コロイド結晶を得るためには、ポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体におけるポリマーグラフトコロイダルシリカの固形分濃度は3〜20質量%の範囲が好ましい。3質量%未満ではポリマーグラフトシリカ粒子の有機溶媒中への分散性が悪くなり、20質量%を超える場合はグラフトポリマー鎖同士の相互作用が大きくなってコロイド結晶化しないからである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
コロイド結晶化可能なポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体については、光スイッチや光センサ、フォトニック結晶、レーザ素子、マイクロ光回路、光導波路、カラーディスプレイ素子、偏光素子、回折素子等の等の光機能材料等への適用が期待される。
【実施例で用いた分析方法】
【0039】
以下に本発明の好適な実施例を述べるが、その前に実施例で用いた分析方法について記述する。
[A]ポリマーにおけるMn(数平均分子量)とMw(重量平均分子量) / Mnの測定方法
島津製作所のCTO-6Aカラムオーブン、JASCOのPU-1580ポンプ、DG-1580-53脱気装置、RI-1530検出器、TSKgel G4000H6カラムとTSKgel G5000H6カラムを用いて、THF(テトラヒドロフラン)溶媒中でのGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法)によりポリマーのMnとMw / Mnの測定を行った。
【0040】
[B]m / nの算定方法
Bruker社の超伝導核磁気共鳴装置AVANCE-400を用いて、1H NMRスペクトル測定により、ピーク面積比からm / nの算定を行った。用いたピークを以下に示す。
2.5 ppm (鉄(0)ジエンカルボニル錯体部位)
3.6 ppm (メタクリル酸メチル部位)
4.0 ppm (N-イソプロピルアクリルアミド部位)
2.9 ppm (N,N-ジメチルアクリルアミド部位)
【0041】
[C]グラフトポリマー/SiO2の算定方法
島津製作所の熱重量分析器TGA-50を用いて、窒素雰囲気下における100〜800℃での、ポリマーグラフトコロイダルシリカの熱分解量を測定することにより、シリカ表面にグラフトしたポリマー量(SiO2の1gにグラフトしたポリマー量をmg単位で表示)を算定した。
【0042】
[D] 臨界体積分率(Φ0)の測定方法
遠心管にポリマーグラフトコロイダルシリカを測り取り、溶媒を加え超音波で分散させた後、一度遠心分離で粒子を沈降させ、上澄みを捨てた。そこへ溶媒を徐々に加えてゆき、超音波を当てた後しばらく静置し、肉眼と反射スペクトル測定(浜松ホトニクスのマルチチャンネル検出器PMA-11を用いた。)により、結晶の観察を行った。
静置しても結晶の形成が見られなくなったところをΦ0とし、その時点での溶液全体の体積をメスピペットで測定した。
【0043】
初めの複合粒子の重さとポリマー結合量、そして溶液全体の体積より、以下の手順でΦ0を算出した。
1) 溶液1ml中の複合粒子の重さX (g / ml)は、
X (g / ml) = 初めの複合粒子の重さ(g)/ 測定した溶液全体の体積(ml)
2) ポリマー結合量をY(mg/ gSiO2)とすると、X(g/ml)中のポリマーの重量Z(g/ml)は、
Z(g / ml) = X (g / ml)×Y / 1000 (g / gSiO2)
3) X (g/ml)中のシリカ粒子の重量W(g / ml)は、
W (g / ml) = X (g/ml) ≡ Z (g / ml)
4) よって、Φ0は、シリカの比重を2.2 (g / ml)、ポリマーの比重を1.0 (g / ml)とすると、
Φ0 = W (g / ml) ÷ 2.2 (g / ml) + Z (g / ml) ÷ 1.0 (g / ml)
【合成例1】
【0044】
(CH3)2(C6H6)Oの合成
200 mlナスフラスコ中のトルエン溶媒100 mlに硫酸水溶液(濃度95.0%)を0.8 ml添加し、該トルエン溶媒中にて、イソブチルアルデヒド〔(CH3)2CHCHO〕13.6 mlとメチルビニルケトン〔CH2=CHC(=O)CH3〕12.5 mlを100℃で8時間反応させることにより4,4-ジメチル-2-シクロヘキセノン〔(CH3)2(C6H6)O〕を合成した。
【合成例2】
【0045】
(CH3)2(C6H5)OSi(CH3)3の合成(共通)
窒素置換した200 mlの2口フラスコに精製蒸留させたジメチルホルムアミド100 mlを加え、脱水したトリエチルアミン15.8 mlを添加した。該ジメチルホルムアミド溶媒中にて、4,4-ジメチル-2-シクロヘキセノン〔(CH3)2(C6H6)O〕6.0 mlとクロロトリメチルシラン〔(CH3)3SiCl〕8.5 mlを80℃で8時間反応させることにより4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニルトリメチルシリルエーテル〔(CH3)2(C6H5)OSi(CH3)3〕を合成した。
【合成例3】
【0046】
[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OHの合成(共通)
窒素置換した100 mlの2口フラスコにジブチルエーテル50 mlを加え、該ジブチルエーテル溶媒中にて、4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニルトリメチルシリルエーテル〔(CH3)2(C6H5)OSi(CH3)3〕6.5 mlと鉄ペンタカルボニル〔Fe(CO)5〕12.9 mlを135℃で6時間反応させた。反応停止後吸引ろ過し、ろ液をエバポレーションした。得られた溶液にメタノール50 mlを加え、0℃で塩酸20 ml(濃度6%)を添加し、2時間撹拌することでトリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエン)鉄(0) 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OH〕を合成した。
【合成例4A】
【0047】
鉄(0)ジエンカルボニル錯体モノマー〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)CH=CH2〕の合成
窒素置換した100 mlの2口フラスコに精製蒸留したクロロホルム50 mlを加え、脱水したトリエチルアミン0.7mlを添加した。該クロロホルム溶媒中にて、トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエン)鉄(0) 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OH〕0.36 gとアクリル酸クロリド〔CH2=CHC(=O)Cl〕0.3 mlを室温で2時間反応させることにより鉄(0)トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニル)アクリレート 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)CH=CH2〕を合成した。
【合成例4B】
【0048】
鉄(0)ジエンカルボニル錯体モノマー〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)O C(=O)C(CH3)= CH2〕の合成
窒素置換した100 mlの2口フラスコに精製蒸留したクロロホルム50 mlを加え、脱水したトリエチルアミン0.7mlを添加した。該クロロホルム溶媒中にて、トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエン)鉄(0) 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OH〕0.36 gとメタクリル酸クロリド〔CH2=C(CH3)C(=O)Cl〕0.3 mlを室温で2時間反応させることにより鉄(0)トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニル)メタクリレート〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)O C(=O)C(CH3)= CH2〕を合成した。
【合成例5A(1)】
【0049】
カルボキシル基末端ポリマーの合成
50 mlのナスフラスコに精製蒸留したテトラヒドロフラン5 mlに、合成例4Aで合成した鉄(0)トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニル)アクリレート 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)CH=CH2〕0.3 mlとメタクリル酸メチル〔CH2=C(CH3)C(=O)OCH3〕 0.9 ml 〔MMA(m)とポリマー(n)の仕込モル比m/n=10〕を添加し、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)〔HOOCCH2CH2C(CH3)2N=NC(CH3)2 CH2CH2COOH〕0.02 gを加えて窒素置換した。75℃で24時間反応させることで、カルボキシル基末端ポリマー(一般式(3)において、R1=CH3 、R2=CH3O、R3=H、m=181.5、n=5.5、m/n=33、Mn=12500、Mw/Mn=1.6)を合成した。
【合成例5A(2)】
【0050】
カルボキシル基末端ポリマーの合成
50 mlのナスフラスコに精製蒸留したテトラヒドロフラン5 mlに、合成例4Aで合成した鉄(0)トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニル)アクリレート 〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)CH=CH2〕0.3 mlとメタクリル酸メチル〔CH2=C(CH3)C(=O)OCH3〕 0.07 ml〔MMA(m)とポリマー(n)の仕込モル比m/n=1〕を添加し、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)〔HOOCCH2CH2C(CH3)2N=NC(CH3)2 CH2CH2COOH〕0.02 gを加えて窒素置換した。75℃で24時間反応させることで、カルボキシル基末端ポリマー(一般式(3)において、R1=CH3 、R2=CH3O、R3=CH3 、m=192、n=32、m/n=6、Mn=21000、Mw/Mn=1.4)を合成した。
【合成例5B】
【0051】
カルボキシル基末端ポリマーの合成
50 mlのナスフラスコに精製蒸留したテトラヒドロフラン5 mlに、合成例4Bで合成した鉄(0)トリカルボニル(1-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1,5-シクロヘキサジエニル)メタクリレート〔[Fe(CO)3](CH3)2(C6H5)OC(=O)C(CH3)=CH2〕0.2 mlとメタクリル酸メチル〔CH2=C(CH3)C(=O)OCH3〕 0.07 ml 〔MMA(m)とポリマー(n)の仕込モル比m/n=1〕を添加し4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸(〔HOOCCH2CH2C(CH3)2N=NC(CH3)2 CH2CH2COOH〕0.02 gを加えて窒素置換した。75℃で24時間反応させることで、カルボキシル基末端ポリマー(一般式(3)において、R1=CH3 、R2=CH3O、R3=CH3、m=50、n=50、m/n=1、Mn=7200、Mw/Mn=3.0)を合成した。
【実施例1】
【0052】
ポリマー型シランカップリング剤の合成
50 mlナスフラスコ中のクロロホルム溶媒5 mlに、合成例5A(1)で合成したカルボキシル基末端ポリマー 0.24 gとN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド〔(C6H11)N=C=N(C6H11)〕0.03 gを添加した。0℃で3-アミノプロピルトリエトキシシラン〔NH2CH2CH2CH2Si(OEt)3〕0.03 gを添加し、室温で3時間反応させることでポリマー型シランカップリング剤(一般式(1)において、R1=CH3 、R2=CH3O、R3=H、m=181.5、n=5.5、m/n=33)を合成した。
【実施例2】
【0053】
ポリマー型シランカップリング剤の合成
50 mlナスフラスコ中のクロロホルム溶媒5 mlに、合成例5A(2)で合成したカルボキシル基末端ポリマー 0.24 gとN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド〔(C6H11)N=C=N(C6H11)〕0.03 gを添加した。0℃で3-アミノプロピルトリエトキシシラン〔NH2CH2CH2CH2Si(OEt)3〕0.03 gを添加し、室温で3時間反応させることでポリマー型シランカップリング剤(一般式(1)において、R1=CH3 、R2=CH3O、R3=H、m=192、n=32、m/n=6)を合成した。
【実施例3】
【0054】
ポリマー型シランカップリング剤の合成
50 mlナスフラスコ中のクロロホルム溶媒5 mlに、合成例5Bで合成したカルボキシル基末端ポリマー 0.24 gとN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド〔(C6H11)N=C=N(C6H11)〕0.03 gを添加した。0℃で3-アミノプロピルトリエトキシシラン〔NH2CH2CH2CH2Si(OEt)3〕0.03 gを添加し、室温で3時間反応させることでポリマー型シランカップリング剤(一般式(1)において、R1=CH3 、R2=CH3O、R3=CH3、m=5350、n=5350、m/n=1)を合成した。
【実施例4】
【0055】
ポリマーグラフトシリカ粒子の調製
200 mlの2口フラスコ中の1,2-ジメトキシエタン50 mlに、実施例1で合成したポリマー型シランカップリング剤0.38 gを添加した。粒子径135 nmのエタノールシリカゾル(18wt%) 6 mlを加え、30分間超音波により分散させた。90℃で7時間の共沸を行い、75℃で12時間還流することでポリマーグラフトシリカ粒子を調製した。ポリマーのグラフト量はシリカ1g当たり27mg(ポリマー:SiO2=2.7:100)であった。
このポリマーグラフトコロイダルシリカ粒子は、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)溶媒中(固形分14.9質量%)において、目視によりコロイド結晶化が確認された。また、同様にアセトニトリル溶媒中(固形分14.9質量%)においても、目視によりコロイド結晶化が確認された。
【実施例5】
【0056】
ポリマーグラフトシリカ粒子の調製
200 mlの2口フラスコ中の1,2-ジメトキシエタン50 mlに、実施例2で合成したポリマー型シランカップリング剤0.38 gを添加した。粒子径135 nmのエタノールシリカゾル(18wt%) 6 mlを加え、30分間超音波により分散させた。90℃で7時間の共沸を行い、75℃で12時間還流することでポリマーグラフトシリカ粒子を調製した。ポリマーのグラフト量はシリカ1g当たり24mg(ポリマー:SiO2=2.4:100)であった。
このポリマーグラフトコロイダルシリカ粒子のDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)溶媒中(固形分14.9質量%)における臨界体積分率(Φ0)は、0.077となり、コロイド結晶化が確認された。
【実施例6】
【0057】
ポリマーグラフトシリカ粒子の調製
200 mlの2口フラスコ中の1,2-ジメトキシエタン50 mlに、実施例2で合成したポリマー型シランカップリング剤0.38 gを添加した。粒子径135 nmのエタノールシリカゾル(18wt%) 6 mlを加え、30分間超音波により分散させた。90℃で7時間の共沸を行い、75℃で12時間還流することでポリマーグラフトシリカ粒子を調製した。ポリマーのグラフト量はシリカ1g当たり24mg(ポリマー:SiO2=2.4:100)であった。
このポリマーグラフトコロイダルシリカ粒子のアセトン溶媒中(固形分18.0質量%)における臨界体積分率(Φ0)は、0.080となり、コロイド結晶化が確認された。
【実施例7】
【0058】
ポリマーグラフトシリカ粒子の調製
200 mlの2口フラスコ中の1,2-ジメトキシエタン50 mlに、実施例3で合成したポリマー型シランカップリング剤0.38 gを添加した。粒子径135 nmのエタノールシリカゾル(18wt%) 6 mlを加え、30分間超音波により分散させた。90℃で7時間の共沸を行い、75℃で12時間還流することでポリマーグラフトシリカ粒子を調製した。ポリマーのグラフト量はシリカ1g当たり40mg(ポリマー:SiO2=4:100)であった。
このポリマーグラフトコロイダルシリカ粒子のDMF溶媒中(固形分19.6質量%)における臨界体積分率(Φ0)は、0.104となり、コロイド結晶化が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロイダルシリカに、一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤の加水分解によるシリル残基が結合してなるポリマーグラフトコロイダルシリカ(一般式(1)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。)。
【化1】

【請求項2】
請求項1記載のポリマーグラフトコロイダルシリカが高極性有機溶媒に分散してなるコロイド結晶化したポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体。
【請求項3】
前記高極性有機溶媒が、アセトン、DMFまたはアセトニトリルのいずれかである請求項2記載のポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体。
【請求項4】
一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤とコロイダルシリカを有機溶媒中で混合し、70〜100℃で共沸させて、該コロイダルシリカ表面にポリマー型シランカップリング剤を結合させることを特徴とするポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体の製造方法(一般式(1)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。)。
【化2】

【請求項5】
前記ポリマー型シランカップリング剤を有機溶媒に添加し、これに前記コロイダルシリカを添加混合する請求項4記載のポリマーグラフトコロイダルシリカ分散体の製造方法。
【請求項6】
一般式(1)で表されるポリマー型シランカップリング剤(一般式(1)において、R1:メチル基または水素原子であり、R2:メトキシ基〔CH3O-〕、メチルアミノ基〔CH3NH-〕、ジメチルアミノ基〔(CH3)2N-〕、またはイソプロピルアミノ基〔(CH3)2CHNH-〕であり、R3:メチル基または水素原子であり、m:18〜300の正数であり、n:3〜100の正数である。)。
【化3】


【公開番号】特開2008−100894(P2008−100894A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287065(P2006−287065)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年4月25日、複合材料界面科学研究会発行の「最新の複合材料界面科学研究2006」に発表、2006年5月10日、社団法人高分子学会発行の「第55回高分子学会年次大会予稿集」に発表
【出願人】(504174135)国立大学法人九州工業大学 (489)
【出願人】(000190024)触媒化成工業株式会社 (458)
【Fターム(参考)】