説明

ポリマー変性された液状シラン調製物からなるシリコン層

本発明は、溶剤中に少なくとも1種のシランと、少なくとも1種の炭素ポリマーとを有する調製物、並びこのような調製物で被覆された基板上のシリコン層の製造に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のシランと、少なくとも1種の炭素ポリマーとを有する調製物、並びこのような調製物で被覆された基板上のシリコン層の製造に関する。
【0002】
太陽電池の通常の製造は、ドープされた半導体基板のインプランテーション又は拡散によるカウンタードーピング、ドープされた半導体基板上にエピタキシーによるカウンタードーピングされた半導体層の堆積、又は真空中で気相からの異なるドーピング型の半導体層の堆積である。これらの記載された方法は変法の形でも適用される。
【0003】
この定着した方法の欠点は、必要な真空技術、高い温度及び/又は手間をかけて作成された基板に基づいて作業しなければならないという手間である。この手間を回避するために、半導体活性層又は光起電力活性層又は層序を液状シランから製造することが試されている。
【0004】
シランの液相からのシランの堆積はスピンコータを用いて行うことができる。これにより得られた層は、適切な温度処理によって安定化することができ、その結果、この層は一般的にマイクロ結晶質(mikrokristallin)、ナノ結晶質(nanokristallin)及び非晶質の構造の混合型を示す。このようなマイクロ結晶質、ナノ結晶質及び/又は非晶質の層は、この箇所で及びこれ以後に、「多形(polymorph)」とする。多形の層の結晶構造の正確な区別及び確認は、たいていの場合には不可能であるか若しくは目的とする適用にとってあまり重要ではない。
【0005】
シランからどのようにシリコン層を製造するかは当業者に公知である。GB2077710は、一般式−(SiH2n−(式中、n≧10)のポリシランを、アルカリ金属を用いてSiH2Cl2を同時に還元及び重合させることにより製造することを教示している。このような高級シランは、例えば太陽電池のための、シリコン層用の前駆体として使用される。nについて低い値、つまりn≦4を有するシランSin2n+2の場合に、JP7267621は、まずこのようなシランの膜に常温でUV光を照射し、次いで400℃を超える温度に加熱する、このようなシランの膜からのシリコン層の製造を教示している。EP1284306は、一般式SinH2nの環状シラン及び一般式Sin2n+2の開鎖シラン(前記式中それぞれ3≦n≦10)から、同様の方法を用いてシリコン膜を製造できることを開示している。これらのシランは、この場合、例えば加熱及び/又はUV照射によって、部分的に又は全体的にオリゴマー化される。さらに、n型ドーピング又はp型ドーピングを達成するために、特別なリン化合物又はホウ素化合物を添加する。
【0006】
この種の層の上記の製造及び層自体は、かなり欠点を有している。一方で液状シラン化合物は、それ自体で又は調製された溶液の形で極端に低い極性を有する。これにより、被覆工程においてこのような調製物からなる塗膜の延展は悪く、塗布装置による剪断の完了後にこの塗膜は収縮することになる。従って、この被覆結果は、既にウェットフィルムにおいて完全に又は部分的に取り消され、例えば、覆われた領域と覆われてない領域とからなるヒョウ柄の構造を有する不完全に覆われた基板が生じる。調製物中のシラン含有量の低下により及び/又は高い剪断、例えばスピンコータの高い回転数により、この塗膜欠陥を僅かな程度で抑制することができる。しかしながら、このような措置により薄い塗膜が生じ、100nmの層厚を越えることはほとんどない。
【0007】
塗膜形成の確実な改善及び塗膜が収縮する作用の低減は、この液状シランのオリゴマー化によるか、液体調製物中でのシランオリゴマーの溶解によって達成することもできる。しかしながら、これらの措置は、高い分子量のオリゴマーのシランは低分子量のシラン中に及びこのために使用される溶剤中には不溶性であり、かつ例えばEP1284306によるとオリゴマーの約10%が液状シラン調製物中に溶解するだけであることにより制限される。このシランオリゴマーは低い極性を有し、低分子量のシラン中に溶解させるために極めて高い分子量であることはできないため、これにより僅かな改善が達成できるだけである。従って、不完全に覆われた基板になる傾向は維持される。
【0008】
1〜3μmの比較的厚い層厚は、特に太陽電池の下側層、いわゆる基層のために特に有利である。液状シランからなるより厚い層は、高粘度の調製物により及び/又は多層の構造により達成することができる。しかしながら、複数回の被覆による多層の構造の場合に、基板の欠陥を含む被覆の問題は残ったままである。繰り返される被覆工程によって、予め被覆されていない領域が覆われる公算は確実であるが、次いで達成される多層は著しい厚さの変動を示す。更に、この厚さの変動は、この種の方法の偶然の結果のために再現可能でない。
【0009】
基板としてシリコン上に、液状シランに基づくシリコン層は問題なく達成可能である。しかしながら、先行技術により、他の層を容易に構築するために、適切な基板上に、最初のまとまったシリコン層を作成することは不可能である。従って、一連の薄い多形のシリコン層に基づく太陽電池は、スピンオンデポジット法(spin-on-Abscheidung)又は類似の方法を用いて製造することが不可能である。従って、太陽光を十分に吸収することができる層構造を実現することに成功していない。
【0010】
この上述の方法は、この層に構造を設けることを可能にしない。光の吸収は層厚自体によるだけでなく、シリコン層の構造化によっても高められるため、この層の構造化は望ましい。光は、エッジ及び凹設部(これらは屈折率コントラストと同義である)によって幾度も屈折することができ、これにより、光起電力活性媒体中での光路の延長が生じる。つまり、光起電力現象のために、より効果的に光が使用される。構造化は、一般的なウェハ法又はCVD法において、例えばエッチング法による層表面の粗面化により達成することができるが、液状シランに基づくシリコン層については簡単には実現できない。
【0011】
要約すれば、今までに先行技術では、液状シランを基板上に1回塗布するだけでは、延展された液状シランから、基板を完全に覆い、典型的なウェハ法又はCVD法により得られた層のように構造化可能であり、かつさらに光起電力に適用するために広範囲に使用可能である厚さを有する延展されたシリコン層を得ることができないといえる。
【0012】
本発明の課題は、多様な基板上で多型のシリコン層が得られる液状シラン調製物を提供することであった。特に、このシリコン層は、液状シラン調製物の1回の塗布後に既に、連続していて(geschlossen)、構造化可能でかつドーピング可能であるのが好ましい。
【0013】
前記課題は、意外にも、液状シラン調製物に、前記液状シラン調製物中に含まれるシランと反応する1種以上の高分子量の炭素ポリマーを添加することにより解決される。
【0014】
従って、本発明の課題は、
(A) 一般式Sin2n+2及び/又はSin2nのシランから選択される少なくとも1種のシランと、
(B) 成分(A)中のケイ素の質量に対して0.001〜15質量%の割合の、成分(A)と混合可能な少なくとも1種の高分子量の炭素ポリマーとの、
少なくとも1種の反応生成物を含有する液状シラン調製物である。
【0015】
高分子量の炭素ポリマーとは、この箇所で及びこれ以後で、5000g/molを超える重量平均分子量Mwを有する炭素ポリマーであると解釈される。このMwの値は、10 000 000g/molまでであることができる。上限は、この炭素ポリマーと成分(A)との混和性及び炭素ポリマーの性質から生じる。
【0016】
本発明による液状シラン調製物は、先行技術中で、光起電力の適用及び/又は太陽電池技術の適用のために通常の基板上に、慣用の調製物の場合に観察されるよりも良好な延展を示すという利点を有する。
【0017】
この本発明による液状シラン調製物は、同様に、1種以上の高分子量の炭素ポリマーの添加によって、基板の被覆の際に、まとまっていてかつ更に構造化された層の形成を達成するという利点を有する。入射した太陽光の使用可能なエネルギー収率を有する光起電力セルを達成するために、先行技術において必要である付加的な構造化工程は、本発明による調製物の適用の場合には不要である。
【0018】
従って、本発明の主題は、同様に、
(a) 本発明による液状シラン調製物を準備する工程、
(b) 基板に前記液状シラン調製物を塗布する工程、
(c) 電磁エネルギー及び/又は熱エネルギーを導入し、1種以上の高分子量の炭素ポリマーを少なくとも部分的にモノマーの形に分解し、このモノマーを少なくとも部分的に液状シラン調製物から排出し、少なくとも部分的に多形のシリコン層を得る工程
を有する、基板上にシリコン層を製造方法である。
【0019】
この本発明による方法を用いて、本質的に手間のかかるCVD法及びPECVD法と比較して同等の、成果物の光起電力的及び太陽電池技術的有用性で、従来技術の場合にシランベースの被覆を用いて達成できないか達成するのが極めて困難な、基板の完全な被覆を示すシリコン層が得られる。
【0020】
本発明による調製物は、本発明による方法を実施する際に、改善された適用性を示す。この方法を実施する際に、基板上の仕上がったシリコン層の改善された付着も得られ、並びに多形のシリコン層のより厚い厚さが得られる。
【0021】
従って、この主題は、同様に、本発明による方法により得られたシリコン層でもある。
【0022】
この本発明による液状シラン調製物及び本発明による方法を次に詳細に説明する。
【0023】
本発明による液状シラン調製物の成分(A)は、有利に、3≦n≦1000、及び/又はR=H、ハロゲン、オルガニルから選択することができ、その際、1種以上のシランの基Rは同じ又は異なることができる。
【0024】
本発明による液状シラン調製物の実施態様の場合に、この反応生成物は、一般式Sin2n+2(式中、3≦n≦10、有利に4≦n≦8)及び/又はSin2n(式中、4≦n≦8、有利にn=5又は6)を有する少なくとも1種の高級シランを有することができる。本発明による調製物中へのUV照射又は熱エネルギーの導入によって、n≧3の上記式の高級シランを得ることもできる。このように、本発明による低粘度ものから、簡単な方法で、本発明による高粘度の液状シラン調製物を得ることができる。
【0025】
本発明による調製物中のシランをUV照射又は熱エネルギーの導入により、より高級なシランに変換する場合、この反応生成物は有利に200g/mol〜10 000g/mol、特に有利に800〜5 000g/mol、更に特に有利に500〜3 000g/molの分子量を有する。しかしながら、このような反応生成物を有する本発明による液状シラン調製物の有用性は限定される、それというのも、この調製物の粘度がnと共に上昇するにもかかわらず、高級シランは液状の調製物から沈殿する傾向があるためである。このようなシランは、つまりもはや不溶性であり、この調製物は、基板の被覆のためにもはや使用できない。しかしながら、nに関する粘度の影響の代わりに、同様に、成分(B)を用いてこの粘度を大きな変動幅で調節できる。
【0026】
液状でないシランを選択する場合には、このシランは本発明による調製物において、室温で液状の炭化水素から選択される他の成分(C)の少なくとも1種の溶剤中に溶かすことができる。この溶剤(C)は、この場合、同時に成分(B)の溶解のため及び成分(A)と(B)との間の溶解の媒介のために利用することができる。
【0027】
特に有利に、脂肪族及び/又は芳香族炭化水素を選択でき、更に特に有利に、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、メシチレン、シクロオクタンを選択することができる。更に特に、シクロオクタンが有利である。成分(C)の割合によって、更に、特許請求の範囲に記載された液状シラン調製物の粘度を調節できる。nによって及び/又は成分(B)及び/又は(C)の割合によって調節される本発明による液状シラン調製物の粘度は、有利に200〜20 000mPas、特に有利に500〜10 000mPasである。本発明による調製物は、前記炭素ポリマーが5 000g/mol〜10 000 000g/molの分子量を有する場合に、このような粘度を有することができ、その際、上昇する分子量に伴う粘度上昇の公知の依存性に従って、炭素ポリマーに関する添加物の量は、このポリマーの分子量が高くなればそれだけ少なくなることができる。
【0028】
本発明による液状シラン調製物の成分(B)が、主鎖中に−C−C−結合、環、ヘテロ原子、及び/又は複素環を有するコポリマー及び/又は線状のポリマー線状ポリマー、又はこれらのポリマーの組合せから選択される場合に有利であり、その際、このポリマーは、不飽和ポリマー、ポリアクリラート、メタクリラート、ポリビニレン、ポリビニルケトン、ポリビニルエーテル、ポリスチレン又はこれらのポリマー及び/又はコポリマーの混合物から選択されるサブグループを有する。
【0029】
5 000〜5 000 000g/molの分子量を有する炭素ポリマーが有利であり、20 000〜1 000 000g/molの分子量を有する炭素ポリマーが特に有利である、それというのもこの範囲のものが、工業的に容易に入手可能な炭素ポリマーであるためである。
【0030】
特に有利に、本発明による方法を実施する場合に、1種以上のシランの変換のために必要なエネルギーを導入することにより、十分にモノマー及び/又は易揮発性の断片に分解される(この断片は、使用された溶剤と同様に、熱分解の際にできる限り完全に、本発明によるか又は本発明により得られたシリコン層から抜け出ることと同義である)ポリマーを選択することができる。
【0031】
特に有利に、(B)は、主鎖中に−C−C−結合を有する線状ポリマー(主鎖アクリル酸ポリマー)から選択することができ、サブグルーブでは、不飽和ポリマー、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、飽和ポリマー、例えばポリアルケン、例えばポリイソブテン、ポリアクリラート、例えばポリメチルアクリラート、ポリエチルアクリラート、ポリブチルアクリラート、ポリメチルメタクリラート、ポリメチルメタクリラート、ポリイソプロピルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、ポリビニル、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルケトン及びポリビニルエーテル、例えばポリメチルビニルケトン、ポリスチレン、例えばポリスチレン、ポリ−アルファメチルスチレンである。
【0032】
更に、有利に、(B)は、主鎖中に環を有するポリマー(主鎖炭素環式ポリマー)、例えばポリ−(1,4)−フェニレンメチレン、主鎖中にヘテロ原子を有するポリマー、サブグループでは、例えばポリエーテル、ポリ(オキシエチレン)、更にポリエステル、例えばポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、例えばポリ(オキシカルボニルオキシ−1,3−フェニレン)、ポリ無水物、ポリスルフィド及びポリスルホン、ポリアミド、例えばナイロン6、ポリシロキサン及び/又はポリウレタン、更に、主鎖中に複素環を有するポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂から選択することができる。
【0033】
全ての考えられるコポリマー、ポリマーの混合物及び上記に列挙されていない他のポリマーも、これらが高分子であり熱分解可能である場合に限り有利である。
【0034】
この選択を含めて、本発明による調製物中で選択可能であるポリマーの選択は、例えばJ. Brandrup及びE. H. Immergut著, POLYMER HANDBOOK, 第3版1989, Verlag John Wiley & Sons, 第II 365頁-第II 386頁に見られる。
【0035】
本発明による液状シラン調製物は、成分(B)を、成分(A)中のシリコンの質量に対して0.001〜15質量%の割合で有する。有利に、(B)は、0.01〜10.0質量%の割合で存在することができる。成分(B)の割合は、その分子量が高くなればそれだけ少なくなることができる。更に特に有利な組成物は、シラン変換時にポリマーが同時に完全に分解する際に、できる限り著しい粘度上昇から生じる。
【0036】
本発明による液状シラン調製物は、少なくとも1種の他の成分(D)のドーパントを含むことができる。有利なドーパントは、本発明によるシリコン層又は本発明により得られたシリコン層中でn型又はp型ドーピングを達成するために、リン化合物又はホウ素化合物である。
【0037】
同様に、本発明の主題は、
(a) 本発明による液状シラン調製物を準備する工程、
(b) 基板に前記液状シラン調製物を塗布する工程、
(c) 電磁エネルギー及び/又は熱エネルギーを導入し、1種以上の高分子量の炭素ポリマーを少なくとも部分的にモノマーの形に分解し、このモノマーを少なくとも部分的に液状シラン調製物から排出し、少なくとも部分的に多形のシリコン層を得る工程
を有する、基板上にシリコン層の製造方法である。
【0038】
本発明による方法は、慣用の薄層法、例えば化学蒸着(CVD)及びプラズマCVD(PECVD)法と比較して、あまり費用がかからない。これらの方法の場合、ケイ素を含有するガスは真空室中でシリコンに分解される。本発明による方法は、完全に真空技術をなしで行われる。
【0039】
工程(a)で、オリゴマーのシランを有する本発明による液状シラン調製物が準備される場合、有利に本発明による方法の工程(b)において、基板を完全に覆う未乾燥塗膜が得られ、先行技術において必要であるような、後処理又は複数回の被覆又は被覆前の基板の手間のかかる準備を行う必要がない。本発明により準備された調製物がオリゴマーのシランを有する場合に、このシランは工程(c)の実施の間に容易に蒸発しないという更なる利点を有する。更に、基板を良好に覆う層が得られ、これは、この基板が特許請求の範囲に記載された方法を1回実施した後に既に、多形のシリコンによる完全な被覆を有することと同義である。
【0040】
工程(a)の前に、本発明による調製物の反応生成物中に部分的に又は全体としてオリゴマー化されているシランが有利であり、この場合、200g/mol〜10 000g/molの分子量が有利であり、特に500g/mol〜5 000g/molの分子量が有利である。
【0041】
本発明による方法は、半導体ウェハ技術の全ての基板に対しても、金属、金属合金、黒鉛、導電性炭素化合物を有する基板又はその他の導電性対象物、例えば炭素マトリックス中の金属フィルタ、又は導電性材料で被覆された絶縁体、例えばガラス、セラミック又は耐熱性プラスチックの表面に対しても適している。導電性に被覆された絶縁体の場合に、基板を後にシリコン層で平面状に完全には被覆を行うことができないことに留意しなければならない、それにより横側では導電性接続部が例えば電流の導出のために維持される。
【0042】
本発明による方法の層(a)中に準備された液状シラン調製物の炭素ポリマーは、有利に、主鎖中に−C−C−結合、環、ヘテロ原子、及び/又は複素環を有するコポリマー及び/又は線状ポリマーから選択することができる。
【0043】
有利に、飽和ポリマー、ポリアクリラート、メタクリラート、ポリビニレン、ポリビニルケトン、ポリビニルエーテル、ポリスチレンから選択されるサブグループを有するポリマーの組合せ、これらのサブグループのコポリマー、又はこれらのポリマー及び/又はコポリマーの混合物を選択することも有利である。
【0044】
上記ポリマー及び/又はコポリマーを選択する場合に、この方法は、前記ポリマー及び/又はコポリマーが工程(c)の実施の間に、例えば熱的分解又は熱分解により易揮発性モノマーに分解できるという利点を有する。これらのモノマーは、大部分は本発明によるシリコン層又は本発明により得られたシリコン層から蒸発され、及び/又はエネルギー導入により排出される。
【0045】
特に、解重合又はその他の当業者に公知の易揮発性の断片への分解により、できる限り残留物なしで消失するポリマーが有利である。易揮発性の断片の残留物は、全体の層の質量に対して、0.1質量%未満であるのが好ましい。主に炭素からなるポリマーの分解の場合の固体の場合による残留物、例えば熱分解残留物は、全体の層の質量に対して、1質量%未満であるのが好ましい。特に有利に、この電子的特性はこの残留物により影響されないか又はあまり影響されない。
【0046】
本発明による方法により達成される、液状シラン又は溶剤中に溶解されたシランの適用性の改善、基板上での仕上げられたシリコン層の付着、半導体中で多様にドープされた部分の場合に望ましい層構造及び基板の被覆の際の構造化は、1種以上の高分子量の炭素ポリマーにより達成される。
【0047】
本発明による方法の更に特に有利な実施態様の場合に、工程(a)の液状シラン調製物中で高分子量の炭素ポリマーとして、エチレン性不飽和モノマーの付加ポリマーを使用することができる。このポリマーは容易に分解され、断片として主にそのモノマーを残すだけである。更に、ポリメチルメタクリラート、ポリスチレン、ポリ−アルファメチルスチレン、これらのコポリマー、及び/又はこれらの炭素ポリマーの混合物も特に有利に使用可能である。炭素と水素だけからなるポリマー、特にポリスチレン及びポリ−アルファメチルスチレン及びこれらのコポリマーが特に有利である。
【0048】
本発明による液状シラン調製物を用いる工程(a)において準備された炭素ポリマーは、有利に、少量でもこの被覆調製物の明らかな粘度上昇を生じさせるために高分子量を有する。有利な分子量は、Mw=5 000〜5 000 000g/mol、Mw=20 000〜1 000 000g/molの範囲内にある。
【0049】
本発明による調製物の準備により使用される炭素ポリマーの量は、調製物中の純粋なシリコンの割合に対して、0.001〜15質量%である。使用された炭素ポリマーの量は、有利に0.01〜10質量%である。
【0050】
本発明による方法の他の実施態様の場合に、工程(a)に引き続き、工程(b)の間に又はその後に、溶剤、ドーパント、及び/又は他の助剤を添加することができる。例えば、ドーパントを本発明による液状シラン調製物に添加するか、又は工程(b)の後に、低いエネルギー導入で、有利に熱エネルギー導入の場合に200℃で工程(c)を行い、冷却し、このドーピング調製物を、例えばスピンコーティングにより塗布し、次いで炭素ポリマーが分解するまでエネルギー導入を行うことにより、ドーパントをポリマーのドーピング調製物により導入することができる。適当なドーピング調製物は、例えばリン変性した又はホウ素変性したシランポリマー又はリン変性した又はホウ素変性した炭素ポリマーである。工程(c)の実施の開始時に基板に塗布された量に対する溶剤の割合は、5〜93質量%、有利に20〜80質量%、特に有利に35〜75質量%であることができる。
【0051】
工程(b)において基板上への本発明による液状シラン調製物の塗布又は工程(c)の実施の前の液状物質又は物質混合物の塗布は、当業者に公知の方法で行うことができる。流延、スピンオンデポジット、液相からの吹き付け、ブレード塗布及び/又はローラーコーティングが有利である。特に有利に、工程(b)での塗布をスピンオンデポジットを用いて行うことができる。本発明による方法の場合に工程(b)の実施後に、本発明による液状シラン調製物が塗布された基板の表面を完全に覆う未乾燥塗膜(これは、この箇所で及びこれ以後にウェットフィルムと言われる)が得られる。本発明による方法及び本発明による液状シラン調製物の利点は、工程(b)の後に得られたウェットフィルムが基板を良好に濡らすことである。
【0052】
工程(c)の実施の間に、炭素ポリマーは電磁エネルギー及び/又は熱エネルギーの導入により大部分がモノマーに熱分解され、かつ大部分がウェットフィルムから排出される。同時に、工程(c)においてこの1種以上のシランはシリコンに分解される。これらの過程は、このウェットフィルムを少なくとも部分的に多形のシリコン層に変換する。
【0053】
本発明による方法の工程(c)における電磁エネルギー及び/又は熱エネルギーの導入は、当業者に公知の方法で行うことができる。有利に、工程(b)により得られたウェットフィルムを備えた基板を、300〜1000℃、有利に400〜950℃の温度に加熱することができる。
【0054】
工程(c)の後に、炭素及び/又は炭素富有の熱分解生成物のわずかな割合を有する、少なくとも部分的に多形のシリコン層が得られる。
【0055】
本発明による方法の更なる利点は、工程(c)の後に得られた塗膜が、少なくとも部分的に多形のシリコン層を有し、かつ基板上での良好な付着を示すことである。
【0056】
本発明による方法の更に有利な実施態様の場合に、工程(c)の後に得られたシリコン層は照射なしで熱処理に供給することができる。
【0057】
工程(c)の間及び/又はこの工程の後に、熱エネルギーは、ホットプレート、赤外線フィールド、管状炉、マッフル炉、又はこれらの熱源の組合せを用いて導入することができる。特に有利に、300〜1000℃の温度が使用される。更に特に有利に、空気及び/又は水の遮断下で、熱エネルギー及び/又は電磁エネルギーが導入される。
【0058】
有利に、工程(c)の後で得られたシリコン層は、更なる工程(d)において、フォーミングガス下で、300〜1000℃、特に有利に350〜800℃、更に特に有利に400〜700℃の温度に加熱し、引き続き冷却することができる。このような処理は、シリコン層の品質を改善することができる。
【0059】
フォーミングガスとして、水素、窒素、アルゴン又はこれらのガスの混合物、有利にH2/N2及び/又はH2/Arを使用することが好ましい。二成分のフォーミングガス混合物の場合に有利な体積割合は、5/95〜10/90である。
【0060】
本発明による方法の工程(a)〜(c)は、任意に何度も繰り返すことができ、有利にそれぞれの繰り返しの際に、工程(a)で準備された調製物とは異なるドーパント含有量で又はドーパント含有量なしで実施することができる。従って、特に有利に一つの基板上に異なるドーピング型を有する複数のシリコン層を得ることもできる。
【0061】
本発明による液状シラン調製物の炭素ポリマーは、この調製物の粘度上昇の他に、意外にも、本発明による方法の実施後に得られたシリコン層の構造化も引き起こす。従って、このような構造化のために特別な技術的工程は必要ない。クレーター状の構造は、クレーター状の構造とシリコン層バルクとの間のそのエッジで実現される屈折率コントラストに基づき集光体として機能する。適切な基板は、本発明によるシリコン層が、つまり本発明による方法の最後の工程の直後に光起電力適用のために利用可能であることを前提とする。入射光はこのクレーター状の構造で何度も散乱し、従ってこのシリコン層はこの光により多くの表面を提供する。これは、光起電力作用を改善する。
【0062】
従って、本発明の主題は、クレーター状の構造を有し、かつシリコン層が10nm以上の平均厚さを有する場合に連続している、本発明による方法により製造可能なシリコン層でもある。
【0063】
有利に、本発明によるシリコン層は、20nm〜4μmの厚さを有する。クレーター状の構造とは、本発明の範囲内で、本発明による方法で被覆された基板の表面にまでは達しないほぼ円形の及び/又は楕円形の凹設部であると解釈される。有利に、本発明によるシリコン層は0.5〜5μmの直径を有するクレーター状の構造を有する。
【0064】
例えば太陽電池の製造のために、少なくとも1つのpn接合が必要である。このことは、本発明によるシリコン層が一方はn型ドープを有し、他方はp型ドープを有する2つの層によって達成することができる。複数の本発明によるシリコン層も同様に得ることができ、特に有利に、複数のシリコン層の少なくとも1つの層がドープされていないシリコン層(i−Si層)を得ることができる。
【0065】
従って、本発明による主題は、少なくとも1つの本発明によるシリコン層を有する感光素子、並びに本発明による感光素子を有する電子コンポーネントでもある。
【0066】
有利な電子コンポーネントは、光起電力コンポーネント、太陽電池、タンデム型太陽電池、フォトダイオード、サプレッサダイオード、感光性トランジスタ、バリスタ、サイリスタ、電子回路若しくはメカトロニクス回路又は太陽電池を有する装置、電子器具、例えば太陽光発電所の制御メカトロニクスである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】比較例3によるシリコン層のSEM写真(従来技術)。
【図2】比較例3によるシリコン層の破断面のSEM写真(従来技術)。
【図3】実施例2によるシリコン層のSEM写真。
【図4】実施例2によるシリコン層の破断面のSEM写真。
【図5】実施例3によるシリコン層のSEM写真。
【図6】実施例3によるシリコン層の破断面のSEM写真。
【0068】
本発明を次に実施例を用いて説明する。
【0069】
比較例1
0.5ppm未満の酸素濃度及び最大で0.5ppmの含水量を有するアルゴン雰囲気を有するグローブボックス中で、シクロペンタシラン5gに、開放した容器中で、254nmの波長のUVランプを15ワットの出力で、6cmの距離で、15分間の時間にわたり照射した。この場合、流動性のシランが粘性になった。
【0070】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン校正曲線を利用して、Mw=2400g/molまでの高分子量の成分の重量平均分子量を決定した。
【0071】
更に、モノマーのシクロペンタシランがいまだに残留する混合物が得られた。この混合物をトルエンで希釈して、この混合物がシラン1質量部及びトルエン3質量部からなり、かつスピンコータにより2.5cm×2.5cmのサイズの予め洗浄された石英プレート上に塗布した。引き続き、ホットプレートを用いてこの層を2分間の期間で500℃に加熱した。スピンコーティングの後に得られた未乾燥層の後退によりガラスプレートの約70%が覆われていただけの暗色のシリコン層が生じた。
【0072】
この層を炉中で不活性ガス下で950℃で30分間後熱処理した。プロフィルメータ−(KLA Tencor, KLA-Tencor Corporation社の装置タイプP15, Film and Surface Technology, 160 Rio Robles, San Jose, California USA 951 34)を用いて測定した層厚は、190nmであった。この比抵抗は、Keithley 2400 Source Meterによる4点法を用いて測定し、107Ω×cmを越えていた。
【0073】
比較例2
比較例1を実施するが、UV照射により製造された、オリゴマーの及びモノマーのシクロペンタシランからなる混合物に、希釈の際に、トルエンと一緒に、重量平均分子量Mw=2200g/molを有するフェニルホスフィンとシクロペンタシランとのコオリゴマーをドーピング材として添加することが異なっていた。
【0074】
こうして得られた液状調製物を、引き続きスピンコータを用いて2.5cm×2.5cmのサイズの予備洗浄した石英プレートに塗布し、石英プレート上にこうして得られた未乾燥層をホットプレートで500℃に加熱した。このプレートの約60%を覆う暗色シリコン層が得られた。このプレートはその縁部及び中央部に未被覆の斑点を有し、これらの斑点はコーティング後に未乾燥層の後退の結果として生じた。
【0075】
この暗色のシリコン層を、炉中で不活性ガス下で950℃で30分間後熱処理した。この層の層厚及び比抵抗を比較例1と同様に測定した。この厚さは180nmであり、比抵抗は25Ω×cmであった。
【0076】
比較例3
比較例1を実施するが、UV照射により製造された、オリゴマーの及びモノマーのシクロペンタシランからなる混合物に、希釈の際に、トルエンと一緒に、重量平均分子量Mw=2500g/molを有するデカボラン−14とシクロペンタシランとのコオリゴマーをドーピング材として添加することが異なっていた。
【0077】
引き続き、この溶液をスピンコータを用いて、2.5cm×2.5cmのサイズの予め洗浄した石英プレート上に塗布し、ホットプレートを用いてこの層を500℃に加熱した。このガラスプレートの約60%を覆う暗色シリコン層が得られた。このプレートはその縁部及び中央部に未被覆の斑点を有し、これらの斑点はコーティング後に未乾燥層の後退の結果として生じた。
【0078】
このシリコン層は、炉中で不活性ガス下で950℃で30分間後熱処理した。
【0079】
このシリコン層の層厚及び比抵抗は、比較例1と同様に測定した。この層は140nmの厚さであり、10Ω×cmの比抵抗を有する。
【0080】
走査電子顕微鏡(SEM)での調査は、基板を部分的に覆う層が主に平滑であったが、周辺領域では亀裂を有していることを示した。このSEM写真は図1において示されている。
【0081】
図2に示されている破断面のSEM写真によって、200nmのシリコン層の厚が見られ、これは上記のプロフィルメータ測定による測定精度の範囲内で一致している。プロフィルメータ−として、KLA-Tencor Corporation社の装置KLA Tencor, 装置タイプP15, Film and Surface Technology, 160 Rio Robles, San Jose, California USA 951 34を使用した。
【0082】
実施例1、ドープされていない層
アルゴン雰囲気を有するグローブボックス中で、UV照射によるオリゴマー及びモノマーのシクロペンタシランからなる混合物の、比較例1に記載した方法を繰り返した。この場合、オリゴマーの割合は、GPCで測定して2500g/molの重量平均分子量Mwを有していた。
【0083】
この混合物を、まずトルエンで希釈し、シラン1質量部及びトルエン2質量部からなる混合物を得た。その後で、トルエン5g中のポリスチレン0.25gの溶液1質量部を添加し、この混合物は、今やシラン1質量部、トルエン2.95質量部及びポリスチレン0.05質量部を有していた。このポリスチレンは、lneos Nova社の、重量平均分子量Mw=180 000g/molを有する製品であり、使用の前にトルエン/メタノール中で再沈殿により後精製した。
【0084】
スピンコータを用いて、本発明による液状シラン調製物を、2.5cm×2.5cmのサイズの、予め洗浄した石英プレート上に塗布した。コーティングプロセス後に未乾燥層の後退は観察されなかった。引き続きホットプレートを用いてこの層を500℃に加熱した。このガラスプレートの100%を覆う暗色シリコン層が得られた。
【0085】
このように得られた本発明による層を、炉中で不活性ガス下で950℃で30分間後熱処理した。こうして得られた層の厚さを比較例1と同様に測定し、280nmであった。
【0086】
この比抵抗は、Hewlett Packard P 4156Aアナライザーを用いて測定し、107Ω×cmを越えた。
【0087】
実施例2、n型ドープした層
実施例1を実施するが、シクロペンタシランのオリゴマー、モノマーのシクロペンタシラン及びポリスチレンからなる混合物のトルエン希釈の工程において、重量平均分子量Mw=2200g/molを有するフェニルホスフィン及びシクロペンタシランからなるコオリゴマーをドーピング材として添加することが異なっていた。
【0088】
スピンコータを用いて、本発明による調製物を、2.5cm×2.5cmのサイズの予め洗浄した石英プレート上に塗布した。次に得られたウェットフィルムを、引き続きホットプレートを用いて500℃に加熱した。暗色のシリコン層が生じた。この層を、引き続き炉中で不活性ガス下で950℃で30分間後熱処理した。
【0089】
こうして得られた層の厚さを比較例1と同様に測定し、350nmであった。
【0090】
この層の比抵抗は、比較例1と同様に測定し、11Ω×cmであった。
【0091】
走査電子顕微鏡(SEM)中での調査は、本発明によるシリコン層が連続していて、0.5〜5μmの典型的な直径を有するクレーター状の構造(図3に図示)を有することを示していた。この構造化は、表面にわたりほぼ均一に分布されていて、これは本発明によるシリコン層が平滑な表面を有しないことと同義である。
【0092】
図4に示されている破断面のSEM写真によって、380nmの層厚が判明し、これは上記のプロフィルメータ測定による測定精度の範囲内で一致していた。この構造化のために、プロフィルメータを用いた測定は平均測定値を生じた。SEM写真の作成の際に厚い箇所が選び出されていて、シリコン層がより薄いクレーター状の構造の底部ではなかった。
【0093】
この破断面の写真は、更に、この平らなクレーター状の凹設部は、本発明によるシリコン層中の穴でも、亀裂でもなく、本発明のシリコン層は基板を完全に覆っていることを示す。
【0094】
実施例3、p型ドープした層
実施例1を実施するが、シクロペンタシランのオリゴマー及びモノマーのシクロペンタシランからなる混合物のトルエン希釈の際に、重量平均分子量Mw=2500g/molを有するデカボラン−14及びシクロペンタシランからなるコオリゴマーをドーピング材として添加することが異なっていた。
【0095】
スピンコータを用いて、本発明による調製物を、2.5cm×2.5cmのサイズの予め洗浄した石英プレート上に塗布した。この基板及びこれにより得られたウェットフィルムを、引き続きホットプレートを用いて500℃に加熱した。暗色のシリコン層が得られた。本発明によるシリコン層を、引き続き炉中で不活性ガス下で950℃で30分間後熱処理した。
【0096】
こうして得られた層の厚さを比較例1と同様に測定し、260nmであった。
【0097】
この層の比抵抗は、比較例1と同様に測定し、0.1Ω×cmであった。
【0098】
走査電子顕微鏡(SEM)中での調査は、本発明によるシリコン層が連続していて、0.5〜5μmの典型的な直径を有するクレーター状の構造(図5に図示)を有することを示していた。この構造化は、表面にわたりほぼ均一に分布されていて、これは本発明によるシリコン層が平滑な表面を有しないことと同義である。
【0099】
図6に示されている破断面のSEM写真によって、250nmの層厚が判明し、これは上記のプロフィルメータ測定による測定精度の範囲内で一致している。
【0100】
この破断面の写真は、更に、この平らなクレーター状の凹設部は、本発明によるシリコン層中の穴でも、亀裂でもなく、このシリコン層は基板を完全に覆っていることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状シラン調製物において、
(A) 一般式Sin2n+2及び/又はSin2nのシランから選択される少なくとも1種のシランと、
(B) 成分(A)中のケイ素の質量に対して0.001〜15質量%の割合の、成分(A)と混合可能な少なくとも1種の高分子量の炭素ポリマーとの、
少なくとも1種の反応生成物を含有する液状シラン調製物。
【請求項2】
前記調製物は
(C) 室温で液状の炭化水素から選択される、少なくとも1種の溶剤を有することを特徴とする、請求項1記載の液状シラン調製物。
【請求項3】
前記成分(A)が、
3≦n≦1000、及び/又は
R=H、ハロゲン、オルガニルから選択され、
前記1種以上のシランの基Rは同じ又は異なることを特徴とする、請求項1又は2記載の液状シラン調製物。
【請求項4】
前記成分(B)が、主鎖中に−C−C−結合、環、ヘテロ原子、及び/又は複素環を有するコポリマー及び/又は線状ポリマー、又はこれらのポリマーの組合せから選択され、その際、前記ポリマーは、飽和ポリマー、ポリアクリラート、メタクリラート、ポリビニレン、ポリビニルケトン、ポリビニルエーテル、ポリスチレン又は前記ポリマーの混合物から選択されるサブグループを有することを特徴とする、請求項1又は2記載の液状シラン調製物。
【請求項5】
前記調製物が少なくとも1種の他の成分(D)のドーピング材を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の液状シラン調製物。
【請求項6】
10〜20 000mPasの粘度を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の液状シラン調製物。
【請求項7】
基板上にシリコン層を製造する方法において、
(a) 請求項1から6までのいずれか1項記載の液状シラン調製物を準備する工程、
(b) 前記基板に前記液状シラン調製物を塗布する工程、
(c) 電磁エネルギー及び/又は熱エネルギーを導入し、1種以上の高分子量の炭素ポリマーを少なくとも部分的にモノマーの形に分解し、このモノマーを少なくとも部分的に液状シラン調製物から排出し、少なくとも部分的に多形のシリコン層を得る工程
を有する、基板上にシリコン層を製造方法。
【請求項8】
工程(c)により得られたシリコン層を更なる工程(d)で
300〜1000℃の温度に加熱し、引き続き冷却することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の方法により得られたシリコン層。
【請求項10】
クレーター状の構造を有し、前記シリコン層が10nm以上の平均層厚を有する場合に連続している、請求項9記載のシリコン層。
【請求項11】
請求項9又は10記載の少なくとも1つのシリコン層を有する感光素子。
【請求項12】
請求項11記載の感光素子を有する、電子コンポーネント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−511579(P2013−511579A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539251(P2012−539251)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065598
【国際公開番号】WO2011/061029
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】