説明

ポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶及びその製造方法

溶液における安定性が良好でグラム吸光係数が高く、保存安定性に優れ、取り扱いが容易であり、汎用半導体レーザーに高感度なポリメチン系化合物の新規な非溶媒和型結晶を提供する。
式(I)のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶及び下式(II)のポリメチン系エーテル化合物と塩酸または臭化水素酸とを反応させることを特徴とする式(I)のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶の製造方法。
【化1】


(式中、XはClまたはBrを示す。)
【化2】


(式中、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリメチン系化合物の新規な非溶媒和型結晶、その製造方法及び該非溶媒和型結晶を用いた近赤外線吸収剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光学記録媒体、近赤外線吸収フィルター用材料、またはレーザー光を利用した製版材料用の光熱変換剤等としてポリメチン系化合物が広く使用されている。特に最近、レーザー光を利用した製版材料分野において、汎用半導体レーザー、例えば780nm〜830nmのレーザー域に高感度で、かつ汎用の溶剤、例えばメタノール、エタノール等のアルコール溶剤に対し良好な溶解性を有する化合物の要求が高まっている。更に、安定で取扱いが容易であり、且つ種々の用途に悪影響を及ぼすような不純物を含んでいないことも重要である。しかしながら、このような要望を満足するポリメチン系化合物は知られていない。
本発明のポリメチン系化合物と構造式自体は類似の化合物は、Zh.Or.Khim. (1978),14(10)において開示されて以来、種々の検討例が存在する。かかる化合物の合成方法としては、例えば下式(III):
【0003】
【化1】

(式中、Rは置換基を有してもよいアルキル基を示し、Zは酸性残基を示す。)
で表されるインドレニウム系化合物、または一般式(IV):
【0004】
【化2】

(式中、Rは置換基を有してもよいアルキル基を示す。)
で表されるインドリン系化合物と、式(V)で表されるジホルミル系化合物または式(VI)で表されるジアニル系化合物:
【0005】
【化3】

を脂肪酸塩の存在下、脱水性有機酸中にて縮合させる方法が知られている(WO01/07524、特開平10−195319号公報の頁8〜10、J.Org.Chem.1995,60,2394、特許公報第3045404号の実施例1、ドイツ特許公開公報DE3721850、特開昭62−36469号公報などを参照)。
【0006】
これらのうち、前記式(III)のインドレニウム系化合物と前記式(VI)のジアニル系化合物とを反応させてポリメチン系化合物を合成する方法が最も一般的であるが、この場合、製造されるポリメチン系化合物の反応収率、単離及び精製の操作性等の観点から、酸性残基Zの種類が制約される。かかる製法は、通常、Zが過塩素酸残基、四弗化ホウ素酸残基、p−トルエンスルホン酸残基であるポリメチン系化合物の製造にはよく用いられるが、ZがI以外のハロゲンイオン、特にCl及びBrであるものについては知られていない。
【0007】
つぎに、前記式(IV)のインドリン系化合物と式(V)のジホルミル系化合物とを反応させる方法については、ポリメチン系化合物のカウンターイオンがClである合成例がドイツ特許公開公報DE3721850 の実施例1に開示されている。しかしながら、この文献に記載の合成法で得られる化合物は、本発明のポリメチン系化合物とは構造式が異なり、最大吸収波長(λmax)以外の物性値の記載もない。ここで開示されている製法で本発明のポリメチン系化合物(X=Cl)と同じ構造の化合物を製造した場合、低収率であり、得られた化合物は純度が低く、水和物であった。また、ここで用いられている式(V)のジホルミル系化合物は保存安定性が悪く、毒性(変異原性が陽性)があるため、取扱いに注意を要し、工業的製造方法の原料として用いることは好ましくない。
カウンターイオンがBrである本発明のポリメチン系化合物と同じ基本構造式の化合物の合成例がWO01/07524の実施例1に開示されている。そこで、本発明者らは、WO01/07524に開示されている方法に従って本発明のポリメチン系化合物と同じ構造の化合物の合成を試みた。しかし、得られた化合物は水和物であり、かつ低純度品で、使用上の制約が大きく、例えば水が悪影響を与える系では用いることができない。
前記式(IV)のインドリン系化合物と式(VI)のジアニル系化合物とを反応させる方法については、本発明のポリメチン系化合物とは基本構造式が異なる化合物ではあるが、ZがClの製造例が特開昭62−36469号公報の実施例3に開示されている。ここで開示されている製法で本発明のポリメチン系化合物(X=Cl)と同じ構造の化合物を製造した場合、得られた物質はメタノール和物であり、且つ低純度の化合物であった。
【0008】
また、最近ではアルドリッチ総合カタログ日本版(2003−2004)の試薬カタログに本発明のポリメチン系化合物と構造式自体は同じ化合物(XがCl)が記載されているが、この物質は水和物であって、かつ非常に低純度の化合物であるため、使用上の制約が大きく、例えば水が悪影響を与える系では用いることができない。
なお、本発明において、「溶媒和物」とは水和物を含めた総称である。
上記の様に本発明の化合物と構造式が同じ公知の化合物は、その製造方法に起因する溶媒和物であり、低純度品であるため使用上の制約が大きい。例えば、本発明の化合物と構造が同じである化合物の溶媒和物をCTP(Computer To Plate)製版用の光熱変換剤として用いた場合、溶液安定性が悪く、純度が安定していないため、光熱変換効率が大きく変動し、実用的問題が大きい。
なお、ポリメチン系化合物について、化合物の基本構造が同じであっても溶媒和の有無により溶液中での安定性及び感度に大きな違いがあるとの報告は見当たらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、溶液中における安定性が良好で、グラム吸光係数が高く、純度が高く安定で取り扱いが容易であり、汎用半導体レーザーに高感度なポリメチン系化合物の新規な非溶媒和型結晶提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するために種々検討した結果、本発明者らは、特定の構造の新規な非溶媒和型結晶が、溶液中における安定性が良好で、グラム吸光係数が高く、780nm〜830nm付近のレーザー光に対して高感度であり、純度が高く安定で種々の用途への加工が容易な近赤外線吸収剤として使用し得ることを見出し、本発明を完成した。
本願の第一の発明は下記式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶である。
【0011】
【化4】

(式中、XはClまたはBrを示す。)
本願発明のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶は、XがClの場合、融点(分解温度)が205℃以上、Brの場合、220℃以上であり、TG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)測定図において、150℃以下でのTG減量値が両結晶とも3%以下であり、実質的に溶媒和されていない。
更にはXがClである場合、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ±0.2°)11.2°、16.7°、24.2°、25.3°に特徴的なピークを示す粉末X線回折図により特徴づけられ、XがBrである場合、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ±0.2°)17.0°、20.5°、21.1°、24.9°に特徴的なピークを示す粉末X線回折図により特徴づけられる。
【0012】
本願の第二の発明は下式(II):
【化5】

(式中、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示す。)
で表されるポリメチン系エーテル化合物と、塩酸又は臭化水素酸とを反応させることを特徴とする前記式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶の製造方法である。
本願の第三の発明は、式(I)のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶を含有する近赤外線吸収剤である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1のポリメチン系化合物の粉末X線回折図である。
【図2】実施例1のポリメチン系化合物のIR吸収スペクトルである。
【図3】実施例1のポリメチン系化合物のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)図である。
【図4】実施例2のポリメチン系化合物の粉末X線回折図である。
【図5】実施例2のポリメチン系化合物のIR吸収スペクトルである。
【図6】実施例2のポリメチン系化合物のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)図である。
【図7】比較例1の化合物の粉末X線回折図である。
【図8】比較例1の化合物のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)測定図である。
【図9】比較例2の化合物の粉末X線回折図である。
【図10】比較例2の化合物のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)測定図である。
【発明の詳細な記述】
【0014】
つぎに、本発明について詳しく説明する。
公知の式(I)の化学構造式で表される化合物または公知の製造方法で得られる式(I)の化合物は、水または有機溶媒(例えばメタノール、エタノール等)と溶媒和された物質であり、且つ多くの場合低純度である。一方、式(I)で表される本発明のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶は、水または有機溶媒と溶媒和されていない全く新規な結晶である。
本発明の式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶において、XがClの場合の融点(分解温度)は205℃以上であり、好ましくは210℃〜240℃である。溶媒和物及び/または低純度品は融点が205℃未満である。
本発明の式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶において、XがBrの場合の融点(分解温度)は215℃以上であり、好ましくは220℃〜250℃である。溶媒和物及び/または低純度品は融点が215℃未満である。
本発明の非溶媒和型結晶は、いずれも溶け始めると次第に発泡し、分解するため、融点(分解温度)を非常に明確に観察することができるが、溶媒和物及び/または低純度品は明確な融点または分解温度を示さない場合がある。
【0015】
本発明の式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)測定図は、150℃以下でのTG減量値が3%以下、好ましくは2%以下である。溶媒和物及び/または低純度品は150℃未満でのTG減量値が3%より多い。
【0016】
本発明の式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶はXがClである場合、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ±0.2°)11.2°、16.7°、24.2°、25.3°、好ましくは11.2°、16.7°、18.5°、24.2°、25.3°、26.7°に特徴的なピークを示す。XがBrである場合、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ±0.2°)17.0°、20.5°、21.1°、24.9°、好ましくは9.6°、17.0°、20.5°、24.9°、27.4°に特徴的なピークを示す。溶媒和物及び/または低純度品の場合、全く異なる粉末X線回折パターンを示す。
【0017】
本発明のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶は、式(II)で表されるポリメチン系エーテル化合物を経由(原料と)することにより初めて製造できることが判明した。
本発明の式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶は、驚くべきことにレーザー光を利用したレーザー感熱記録材料分野等で使用されるメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒や、アセトン、メチルエチルケトン系のケトン系溶媒中における溶液安定性が公知の溶媒和型化合物に比べて高く、この用途分野に非常に好適である。また、780〜830nm領域の吸光係数が高いため、レーザー光を利用した多くの記録材料分野にて780〜830nmに発光領域を有する汎用の半導体レーザーに好適に使用することができ、レーザー光を利用したレーザー熱転写記録材料、レーザー感熱記録材料等の記録材料分野及び製版材料分野において極めて有用である。
【0018】
[ポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶の製造方法]
本発明の式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶は下記の方法で製造することができる。
一般式(II)のポリメチン系エーテル化合物(例えばR=CH)と、塩酸または臭化水素酸とを有機溶媒中で反応させることにより製造される。
【0019】
【化6】

(式中、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示す。)
【0020】
Rがアルキル基であるものとしては、炭素数1〜8の直鎖或いは分岐のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4の直鎖或いは分岐のアルキル基が特に好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。
【0021】
Rがアルコキシアルキル基であるものとしては、総炭素数2〜8のものが好ましく、総炭素数2〜4のものが特に好ましい。例としてメトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、2−プロポキシエチル基、2−ブトキシエチル基が挙げられる。
Rが置換基を有しても良いアリール基であるものとしては、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有しても良いナフチル基が挙げられるが、置換基を有しても良いフェニル基が好ましい。置換基としては、アルキル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0022】
Rがアルキル基を有するフェニル基であるものの例としては、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジエチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、2,5−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基が挙げられる。
【0023】
Rがアルコキシ基を有するフェニル基であるものの例としては、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基が挙げられる。
【0024】
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられるが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が特に好ましい。
【0025】
式(II)で表される化合物と塩酸または臭化水素酸との使用割合は、通常前者1モルに対し後者を0.5〜3モル程度、好ましくは1〜1.5モル程度を使用する。
【0026】
有機溶媒は、具体例(II)で表される化合物1モル当たり通常1〜30L程度、好ましくは3〜20L程度使用する。
上記反応は通常100℃以下の温度、好ましくは10〜70℃で好適に進行し、一般に数分〜5時間程度で完結する。
反応後、濾取、洗浄することにより目的物を容易に単離することができる。また、慣用の精製手段、例えば、再結晶等により容易に精製することができる。
【0027】
単離、精製溶剤としては、汎用の有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒類を用いることができるが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤またはそれらの混合溶剤が好ましい。精製溶剤の種類、例えば、メタノール、エタノール、トルエンを使用した場合、単離条件によっては溶媒和する場合がある。
【0028】
なお、前記のポリメチン系エーテル化合物(II)は、例えば下式(VII)で表されるポリメチン系化合物と、下式(VIII)で表されるアルカリ金属のアルコキシド塩またはアルカリ金属のアリールオキシド塩を有機溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【0029】
【化7】

(式中、Zは酸性残基を示す。)
MOR (VIII)
(式中、Mはアルカリ金属類を、Rは前記と同じものを示す。)
【0030】
前記式中、Zは酸性残基を表し、例としてはF、Cl、Br、I、BrO、ClO、BF、PF、SbF、CFCO、CHCO、CFSO、CHSO、ベンゼンカルボナート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート(以下TsOと略す)、ナフタレンカルボナート、ナフタレンジカルボナート、ナフタレンスルホネート、ナフタレンジスルホネート等が挙げられ、特に、Cl、Br、I、ClO、BF、PF、SbF、CFCO、CFSO、CHSO、ベンゼンカルボナート、ベンゼンスルホネート、TsOが好ましく、とりわけ、ClO、BF、TsOが好ましい。
上記反応において、Mとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が挙げられる。
【0031】
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
一般式(VII)で表される化合物と一般式(VIII)で表される化合物との使用割合は、通常前者1モルに対し後者を1〜30モル程度、好ましくは2〜10モル程度使用する。
【0032】
有機溶媒は、一般式(VII)で表される化合物1モル当たり通常2〜30L程度、好ましくは5〜20L程度使用する。
上記反応は通常0〜100℃程度、好ましくは10〜70℃で好適に進行し、一般に数分〜10時間程度で完結する。
反応後、濾取、洗浄することにより目的物を容易に単離することがでる。また、慣用の精製手段、例えば、再結晶、カラム分離等により容易に精製することができる。
なお、前記の一般式(VII)で表される化合物は、例えば特開2000−226528号公報等に記載の方法により合成することができる。
【0033】
[近赤外線吸収剤]
本発明の近赤外線吸収剤としては式(I)のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶を単独で用いてもよく、また必要に応じて適宜バインダー樹脂、他の近赤外線吸収物質、発色成分及び着色成分等を配合してもよい。
バインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル酸系モノマーの単独重合体または共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物などの光重合性化合物を重合・架橋させたポリマーなどを挙げることができる。
近赤外線吸収剤に使用される近赤外線吸収物質としては一般式(I)のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶以外に、本発明の目的を逸脱しない範囲で、公知の種々の近赤外線吸収物質が併用できる。
【0034】
併用できる近赤外線吸収物質としては、カーボンブラック、アニリンブラック等の顔料や『化学工業(1986年、5月号)』の「近赤外吸収色素」(P45〜51)や『90年代 機能性色素の開発と市場動向』シーエムシー(1990)第2章2.3に記載されているポリメチン系色素(シアニン色素)、フタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン(類似)系色素、アミニウム、ジインモニウム系色素等、またアゾ系色素、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素等の顔料、染料系の色素が挙げられる。
【0035】
本発明の近赤外線吸収剤をレーザー光を利用した製版材料用の光熱変換剤として用いる場合は、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅等のような金属の板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酪酸セルロース、ポリスチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のプラスチックフィルム等の支持体の上に、式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶を有機溶剤で溶解した液を塗布することにより製版用印刷原版を作製することができる。塗布する溶液に使用する溶剤としては、特に制限はないが、例えば炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類、アルコール類、セロソルブ類等が挙げられるが、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤が好ましく、特に、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤が好ましい。
【0036】
本発明の近赤外線吸収剤をレーザー熱転写記録材料、レーザー感熱記録材料等の記録材料に用いる場合は、式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶に発色成分または着色成分等を配合して使用してもよいし、発色成分または着色成分等を含有する層を別途設けてもよい。発色成分または着色成分としては、昇華性染顔料や電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物、重合性ポリマー等の熱によって物理的、化学的な変化で画像を形成するもので、従来から種々検討されているものが使用できる。 例えば、レーザー熱転写記録材料の着色成分としては、特に限定するものではないが、顔料タイプのものとして、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等の無機顔料やアゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサン系、フタロシアニン系、キナクリドン系等の有機顔料が挙げられる。染料としては、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料等が挙げられる。
【0037】
レーザー感熱記録材料の発色成分としては、特に限定されるものではないが、従来から感熱記録材料に用いられているものを使用できる。電子供与性染料前駆体としては、すなわちエレクトロンを供与してまたは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであって、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、電子受容性化合物と接触してこれらの部分骨格が開環若くは開裂する化合物が用いられる。例えば、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられる。電子受容性化合物としては、フェノール性化合物、有機酸若くはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0038】
本発明の近赤外線吸収剤を近赤外線吸収フィルター、熱線遮断材、農業用フィルムに用いる場合は、式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶をプラスチック樹脂及び場合により有機溶剤と混合し、射出成形法やキャスト法等の従来から種々検討されている方法で板状若しくはフィルム状にすることにより作製できる。使用できる樹脂としては、特に制限はないが、例えばアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。用いる溶剤としては、特に制限はないが、例えば炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類、アルコール類、セロソルブ類が挙げられるが特に、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤やメチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤が好ましい。
【0039】
本発明の近赤外線吸収剤を光カード等の光記録材料に用いる場合は、式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶を有機溶剤に溶解した液を調製し、スピンコート法等の従来から種々検討されている方法で、例えばガラス、プラスチック樹脂等の基板上に塗布することにより作製できる。基板に使用できる樹脂としては、特に制限はないが、例えばアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。スピンコートに用いる溶剤としては、特に制限はないが、例えば炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類、アルコール類、セロソルブ類が挙げられるが、特にメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤やメチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤が好ましい。
【実施例】
【0040】
さらに、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[実施例1] ポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶の合成(X=Cl)
式(II)で表されるポリメチン系エーテル化合物(R=CH)15.45gをアセトン150mlに加え、これに攪拌下25〜30℃で塩酸ガス2.00gを吹き込んだ。同温度で1時間攪拌後、還流温度へ昇温し、酢酸エチル50mlを滴下した。同温度で1時間攪拌後、15〜20℃へ冷却した。析出した結晶を濾別、酢酸エチルで洗浄後、乾燥し、式(I)の化合物(X=Cl)14.65gを得た。
【0041】
この結晶のメタノール及びエタノールに対する溶解度はそれぞれ25%以上であった。この結晶の元素分析値、融点(分解温度)、吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
元素分析値(C3236Cl):MW=519.6
C H N
計算値(%) 73.98 6.98 5.39
実測値(%) 73.51 6.86 5.43
融点(℃) : 212〜217℃(分解)
λmax : 783nm(ジアセトンアルコール溶液)
εg : 5.28×10 ml/g・cm
得られた結晶の粉末X線回折図を図1に示す。
得られた結晶のIRスペクトルを図2に示す。
得られた結晶のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)図を図3に示す。TG−DTA(150℃以下)によるTG減量は0%であった。この結晶の混合溶媒(エタノール/メチルエチルケトン=1/1)中における安定性を表1に示す。
【0042】
[実施例2] ポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶の合成(X=Br)
式(II)で表されるポリメチン系エーテル化合物(R=CH)15.45gをアセトン150mlに加え、これに攪拌下25〜30℃で48%臭化水素酸5.60gを滴下した。同温度で1時間攪拌後、還流温度へ昇温し、酢酸エチル50mlを滴下した。同温度で1時間攪拌後、15〜20℃へ冷却した。析出した結晶を濾別、酢酸エチルで洗浄後、乾燥し、式(I)の化合物(X=Br)16.10gを得た。
この化合物のメタノール及びエタノールに対する溶解度はそれぞれ25%以上であった。この結晶の元素分析値、融点(分解温度)、吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
元素分析値(C3236BrClN):MW=564.0
C H N
計算値(%) 68.15 6.43 4.97
実測値(%) 68.01 6.51 4.93
融点(℃) : 225〜230℃(分解)
λmax : 783nm(ジアセトンアルコール溶液)
εg : 4.85×10 ml/g・cm
得られた結晶の粉末X線回折図を図4に示す。
得られた結晶のIRスペクトルを図5に示す。
得られた結晶のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)図を図6に示す。TG−DTA(150℃以下)によるTG減量は0%であった。この結晶の混合溶媒(エタノール/メチルエチルケトン=1/1)中における安定性を表1に示す。
【0043】
[実施例3] 近赤外線吸収剤の製造
バインダーとしてデルペット80N(旭化成工業(株)製:アクリル系樹脂):10g、及び本発明の式(I)の結晶(X=Cl):0.2gをトルエン/メチルエチルケトン/メタノール(1/1/0.1)混合溶媒90gに溶解した液を調製し、ワイヤーバーにて乾燥後の膜厚が約5μmとなるよう平均厚さ5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗布して、近赤外線吸収剤の試料を得た。
単一モード半導体レーザー(波長830nm)のレーザー光をレンズで集光し、上記試料の表面でビーム径10μmとなるように配置した。表面に到達するレーザーのパワーが50〜200mWの範囲で変化できるように半導体レーザーを調整し、20μsのパルス幅で単一のパルスを試料に照射した。照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが50mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0044】
[実施例4] 近赤外線吸収剤の製造
本発明の式(I)の結晶(X=Cl):0.2gの代わりに、本発明の式(I)の化合物(X=Br):0.2gを用いた以外は[実施例3]と同様にして、近赤外線吸収剤の試料を得た。
単一モード半導体レーザー(波長830nm)のレーザー光をレンズで集光し、上記試料の表面でビーム径10μmとなるように配置した。表面に到達するレーザーのパワーが50〜200mWの範囲で変化できるように半導体レーザーを調整し、20μsのパルス幅で単一のパルスを試料に照射した。照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが50mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0045】
[比較例1] 市販ポリメチン系化合物
アルドリッチ総合カタログ日本版(2003−2004)の試薬カタログにて販売されている、本発明のポリメチン系化合物(X=Cl)と化学構造式が同じ化合物の融点、吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
融点(℃):187〜198℃(分解)
λmax :783nm(ジアセトンアルコール溶液)
εg :3.88×10 ml/g・cm
本化合物の粉末X線回折図を図7に示す。
本化合物のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)測定図を図8に示すが、TG−DTAによる 150℃以下でのTG減量は約3.9%であった。
本化合物の水分値をカールフィッシャー水分測定器にて測定した結果、水分値が3.7%であった。TG減量は水分であり、本化合物は水和物であることが判明した。この化合物の混合溶媒(エタノール/メチルエチルケトン=1/1)中における安定性を表1に示す。
【0046】
[比較例2]ポリメチン系化合物の合成(参考:WO01/07524実施例1(b))
式(IV)で表されるインドリン系化合物(R=CH)13.2g、無水酢酸60ml、48%臭化水素酸9.6ml及び酢酸ナトリウム6.25gからなる混合物へ式(V)で表されるジホルミル系化合物(n=2)6.63gを10℃以下の温度で添加した。同混合物を70℃へ昇温後、同温度で1.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、450mlの水へ加え、一晩攪拌した。析出した固形物を濾別し、水洗後、60℃で乾燥した。本発明の化合物(X=Br)と基本構造が同じ化合物13.21gを得た。
得られた化合物の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
融点(℃):212〜218℃(分解)
λmax :783nm(ジアセトンアルコール溶液)
εg :4.05×10 ml/g・cm
得られた化合物の粉末X線回折図を図9に示す。
得られた化合物のTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)測定図を図10に示す。TG−DTA(150℃以下)によるTG減量は約5.8%であった。本化合物の水分値をカールフィッシャー水分測定器にて測定した結果、水分値が5.6%であった。TG減量は水分であり、本化合物は水和物であることが判明した。この化合物の混合溶媒(エタノール/メチルエチルケトン=1/1)中における安定性を表1に示す。
【0047】
<溶液安定性>
溶液安定性試験として、下記表1に示す各ポリメチン系化合物をエタノール/メチルエチルケトン(1/1)の混合溶液に5%(w/v)となるように溶解し、室内(室温下)にて10日間放置前後の溶液の吸光度(グラム吸光係数)を測定することにより評価した。
下記式にて分解率を計算した。結果を表1に示す。
分解率(%)=[(溶液調整直後の吸光度−10日間放置後の吸光度)/溶液調整直後の吸光度]×100
【0048】
【表1】

例えば、製版用印刷原版を作製する場合、ポリメチン系化合物溶液の安定性が低いと大量に溶液を調整、保存することができず生産効率が悪い。また、ポリメチン系化合物の少量の分解でも光熱変換効率の変化や製版用印刷原版の色調変化が生じる場合があり、製品品質上好ましくない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶は、溶液中での安定性が高いため取扱いが容易で、グラム吸光係数が高いため汎用半導体レーザーに対して高感度である。また、アルコール系溶剤に対する溶解性が高いため、レーザー光を利用した記録材料分野、製版材料分野において極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表されるポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶。
【化1】

(式中、XはClまたはBrを示す。)
【請求項2】
XがClであり、融点(分解温度)が205℃以上である請求項1のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶。
【請求項3】
XがBrであり、融点(分解温度)が220℃以上である請求項1のポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶。
【請求項4】
TG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)測定図において、150℃以下でのTG減量値が3%以下であることを特徴とする、請求項1〜3いずれかのポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶。
【請求項5】
Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ±0.2°)11.2°、16.7°、24.2°、25.3°に特徴的なピークを示す粉末X線回折図により特徴づけられる請求項1、2、4いずれかのポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶。
【請求項6】
Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ±0.2°)17.0°、20.5°、21.1°、24.9°に特徴的なピークを示す粉末X線回折図により特徴づけられる請求項1、3、4いずれかのポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶。
【請求項7】
式(II)で表されるポリメチン系エーテル化合物と塩酸または臭化水素酸とを反応させることを特徴とする請求項1〜6いずれかのポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶の製造方法。
【化2】

(式中、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示す。)
【請求項8】
請求項1〜6いずれかのポリメチン系化合物の非溶媒和型結晶を含有することを特徴とする近赤外線吸収剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【国際公開番号】WO2005/049736
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【発行日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515592(P2005−515592)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016830
【国際出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000179904)山本化成株式会社 (70)
【Fターム(参考)】