説明

ポリ乳酸系エアスルー不織布の製造方法、及びポリ乳酸系エアスルー不織布

【課題】製造時の熱収縮が少なく、触感に優れる、低融点を有するポリ乳酸系エアスルー不織布の製造方法、及び低融点を有するポリ乳酸系エアスルー不織布を提供すること。
【解決手段】次の各ステップ;第1のポリ乳酸と、第1のポリ乳酸の融点よりも低い融点を有する第2のポリ乳酸とを含む複合繊維を含むウェブを形成するステップ;上記ウェブを、次の温度T1:第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T1<第2のポリ乳酸の融点の範囲内で、第1のエアスルー処理にさらすステップ;そしてエアスルー不織布を製造するために、第1のエアスルー処理にさらされたウェブを、次の温度T2:第2のポリ乳酸の融点−5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+15℃の範囲内で、第2のエアスルー処理にさらすステップ:を含むエアスルー不織布を製造する方法であって、上記エアスルー不織布の結晶化度が、44〜68%の範囲内にあることを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造時の熱収縮が少なく、触感に優れる、低融点を有するポリ乳酸系エアスルー不織布の製造方法、及び低融点を有するポリ乳酸系エアスルー不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療、衛生材料、一般生活材料、産業資材等向けの素材として、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性ポリマーから製造された不織布が用いられている。上記熱可塑性ポリマーは、通常の環境下では化学的に安定であり、生分解性を有しないので、上記不織布は、焼却又は埋め立てにより処分されている。焼却処分は、大量の二酸化炭素の発生を伴うので、環境保護の観点から問題がある。また、埋め立て処分は、土中で分解されにくい問題がある。
【0003】
上記問題を解決するために、生分解性を有し且つバイオマス度の高い繊維から製造された不織布の検討がなされ、特に、その融点の高さから、ポリ乳酸系繊維が着目されている。ポリ乳酸は、トウモロコシ等の植物資源から製造することができる、生分解性を有するポリマーであり、そして製造から焼却までに発生する二酸化炭素の量は、原油由来のポリエチレンが約4.0kg/kgポリマーであり、そして原油由来のポリエステルが約6.1kg/kgポリマーであるといわれているが、ポリ乳酸は、製造から焼却までに発生する二酸化炭素の量が約0.3kg/kg−ポリマーと非常に少ないことが知られている。なお、ポリ乳酸に関する数値は、NatureWorks社発表のデータ(PLA6(2006/2007))に基づき、ポリエチレンに関する数値は、産業技術総合研究所発表のデータに基づき、そしてポリエステルに関する数値は、Plastic Europe発表のデータに基づく。
【0004】
ポリ乳酸系繊維から製造された不織布が開示される文献として、例えば、特許文献1を挙げることができる。特許文献1では、ニードルパンチ法又は水流交絡法により製造された不織布が開示されているが、ニードルパンチ法により製造された不織布は、高目付構造を有するので、高コストとなり、また水流交絡法により製造された不織布は、液ハケ性、カブレ等に問題があり、使い捨てオムツ、生理用品等に適用しにくい。
【0005】
使い捨てオムツ、生理用品等の肌に直接接する部分に用いられる不織布としては、肌触りの柔らかさの観点から、エアスルー不織布が適している。しかし、ポリ乳酸を含む繊維から、使い捨てオムツ、生理用品等に好適なエアスルー不織布を製造しようとすると、以下のような問題が生じることが知られている。
【0006】
エアスルー不織布は、加熱により各繊維を熱融着することにより製造される不織布であるので、バインダーとなる低融点成分が必要である。例えば、ポリ乳酸から成る芯成分と、芯成分よりも融点が低いポリ乳酸から成る鞘成分とを有する複合繊維を、鞘成分の融点以上の温度でエアスルー処理をすると、繊維がエアスルー処理の際の熱により熱収縮し、生成した不織布の触感が顕著に劣る問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−126970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、低融点を有するポリ乳酸を含む繊維から、エアスルー不織布を製造する場合には、熱収縮、及びそれに伴う触感の低下の問題点があった。
従って、本発明は、製造時の熱収縮が少なく、触感に優れる、低融点を有するポリ乳酸系エアスルー不織布の製造方法、及び低融点を有するポリ乳酸系エアスルー不織布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、次の各ステップ;第1のポリ乳酸と、第1のポリ乳酸の融点よりも低い融点を有する第2のポリ乳酸とを含む複合繊維を含むウェブを形成するステップ;上記ウェブを、次の温度T1:第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T1<第2のポリ乳酸の融点の範囲内で、第1のエアスルー処理にさらすステップ;そしてエアスルー不織布を製造するために、第1のエアスルー処理にさらされたウェブを、次の温度T2:第2のポリ乳酸の融点−5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+15℃の範囲内で、第2のエアスルー処理にさらすステップ:を含むエアスルー不織布を製造する方法であって、上記エアスルー不織布の結晶化度が、44〜68%の範囲内にあることを特徴とする方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
具体的には、本発明は以下の態様に関する。
[態様1]
次の各ステップ;
第1のポリ乳酸と、第1のポリ乳酸の融点よりも低い融点を有する第2のポリ乳酸とを含む複合繊維を含むウェブを形成するステップ;
上記ウェブを、次の温度T1
第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T1<第2のポリ乳酸の融点
の範囲内で、第1のエアスルー処理にさらすステップ;そして
エアスルー不織布を製造するために、第1のエアスルー処理にさらされたウェブを、次の温度T2
第2のポリ乳酸の融点−5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+15℃
の範囲内で、第2のエアスルー処理にさらすステップ:
を含むエアスルー不織布を製造する方法であって、
上記エアスルー不織布の結晶化度が、44〜68%の範囲内にあることを特徴とする、
上記方法。
【0011】
[態様2]
温度T1が、第2のポリ乳酸の融点−50℃≦T1≦第2のポリ乳酸の融点−10℃の範囲内にある、態様1に記載の方法。
[態様3]
温度T2が、第2のポリ乳酸の融点−5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+10℃の範囲内にある、態様1又は2に記載の方法。
【0012】
[態様4]
第1のエアスルー処理にさらすステップ及び/又は第2のエアスルー処理にさらすステップが、20〜120秒の間実施される、態様1〜3のいずれか一つに記載の方法。
[態様5]
第2のポリ乳酸の融点が、第1のポリ乳酸の融点よりも20〜60℃低い、態様1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【0013】
[態様6]
第1のポリ乳酸の融点が150〜190℃の範囲内にあり、そして第2のポリ乳酸の融点が110〜150℃の範囲内にある、態様1〜5のいずれか一つに記載の方法。
[態様7]
上記エアスルー不織布の、上記ウェブに対する面積残存率が、40%以上である、態様1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【0014】
[態様8]
上記エアスルー不織布のバイオマス度が90〜100%の範囲内にある、態様1〜7のいずれか一つに記載の方法。
[態様9]
上記複合繊維が、芯鞘型複合繊維又はサイドバイサイド型複合繊維である、態様1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【0015】
[態様10]
上記ウェブを形成するステップにおいて、上記複合繊維と、温度T2よりも高い融点を有するポリ乳酸の繊維とを含むウェブが形成される、態様1〜9のいずれか一つに記載の方法。
[態様11]
上記ウェブを形成するステップの前に、次の温度T3
第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T3<T1
の範囲内で、繊維をアニール処理するステップをさらに含む、態様1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【0016】
[態様12]
第1のポリ乳酸と、第1のポリ乳酸の融点よりも低い融点を有する第2のポリ乳酸とを含む複合繊維から、当該複合繊維を含むウェブを経由して製造されたエアスルー不織布であって、
上記エアスルー不織布の結晶化度が、44〜68%の範囲内にあることを特徴とする、
上記エアスルー不織布。
[態様13]
第2のポリ乳酸の融点が、第1のポリ乳酸の融点よりも20〜60℃低い、態様12に記載のエアスルー不織布。
【0017】
[態様14]
第1のポリ乳酸の融点が150〜190℃の範囲内にあり、そして第2のポリ乳酸の融点が110〜150℃の範囲内にある、態様12又は13に記載のエアスルー不織布。
[態様15]
上記エアスルー不織布の、上記ウェブに対する面積残存率が、40%以上である、態様12〜14のいずれか一つに記載のエアスルー不織布。
【0018】
[態様16]
バイオマス度が90〜100%の範囲内にある、態様12〜15のいずれか一つに記載のエアスルー不織布。
[態様17]
上記複合繊維が、芯鞘型複合繊維又はサイドバイサイド型複合繊維である、態様12〜16のいずれか一つに記載のエアスルー不織布。
[態様18]
上記ウェブが、温度T2よりも高い融点を有するポリ乳酸の繊維をさらに含む、態様12〜17のいずれか一つに記載のエアスルー不織布。
【発明の効果】
【0019】
本発明の方法により製造された、低融点を有するエアスルー不織布は、製造時の熱収縮が少なく、触感に優れる。
また、本発明の方法により製造された、低融点を有するエアスルー不織布は、バイオマス度が高く且つ生分解性を有するので、環境適合性が高い。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のエアスルー不織布の製造方法、及びエアスルー不織布について、以下、詳細に説明する。
本発明に用いられる、第1のポリ乳酸と、第2のポリ乳酸とを含む複合繊維において、第1のポリ乳酸及び第2のポリ乳酸は、その融点が異なる。ポリ乳酸の融点は、原料である乳酸の光学異性体であるD体及びL体の比を調整することにより調節されることができる。
【0021】
例えば、D体:L体のモル比を50:50で混合して共重合することにより、約190〜220℃の融点を有するポリ乳酸を製造することができる。同様に、L体:D体のモル比99:1の混合物の共重合から約170℃の融点を有するポリ乳酸が製造され、L体:D体のモル比97:3の混合物の共重合から約150℃の融点を有するポリ乳酸が製造され、L体:D体のモル比92:8の混合物の共重合から約130℃の融点を有するポリ乳酸が製造され、そしてL体:D体のモル比88:12の混合物の共重合から約110℃の融点を有するポリ乳酸が製造される。
【0022】
D体のモル比が約18モル%以上になると、ポリ乳酸は、明確な融点を示さず、軟化温度約90℃未満の非晶性ポリマーとなる。このような非晶性ポリ乳酸の場合は、便宜上、目視での軟化温度を融点として取り扱う。
なお、上記融点は、示差走査熱量計により測定することができる。上記融点は、例えば、島津製作所社製のDSC−60型DSC測定装置を用い、昇温速度10℃/分で測定することができる。
【0023】
第2のポリ乳酸の融点は、第1のポリ乳酸の融点よりも約20〜約60℃低いことが好ましく、そして約30〜約50℃低いことがより好ましい。第2のポリ乳酸の融点が、第1のポリ乳酸の融点よりも約60℃以上低くなるようにしようとすると、D体の割合が増えることになるので、加熱の際に嵩が減る傾向があり、そして第1のポリ乳酸の融点と、第2のポリ乳酸の融点との差が約20℃未満であると、両者の融点が近すぎるので、エアスルー処理の厳格な温度制御が必要となり実用的ではない。
【0024】
第1のポリ乳酸は、約150〜約190℃の融点を有することが好ましく、そして約160〜約180℃の融点を有することがより好ましい。融点が約150℃を下回ると、第2のポリ乳酸との融点の差を確保することが難しくなり、そして融点が約190℃を超えるポリ乳酸を製造することは技術上難しい。
【0025】
第1のポリ乳酸は、約60,000以上の重量平均分子量を有することが好ましく、そして、約100,000〜約300,000の重量平均分子量を有することがより好ましい。重量平均分子量が約60,000を下回ると、繊維の強度が低下する場合があり、そして重量平均分子量が約300,000を上回ると、本発明により製造されるエアスルー不織布の生分解性が損なわれる場合がある。
【0026】
第2のポリ乳酸は、約110〜約150℃の融点を有することが好ましく、そして120〜140℃の融点を有することがより好ましい。融点が約110℃を下回ると、エアスルー処理する際、不織布の嵩が出にくくなる場合があり、そして融点が約150℃を上回ると、第1のポリ乳酸の融点との融点差を確保しにくくなる。
【0027】
第2のポリ乳酸は、約50,000以上の重量平均分子量を有することが好ましく、そして、約60,000〜約90,000の重量平均分子量を有することがより好ましい。重量平均分子量が約50,000を下回ると、繊維の強度が低下する傾向があり、そして重量平均分子量が約90,000を上回ると、最終繊維強度の観点から第1のポリ乳酸の重量平均分子量を大きくする必要があり、製糸性が低下する場合がある。
【0028】
本発明に用いられる複合繊維において、第1のポリ乳酸と、第2のポリ乳酸との比率は、質量比で、第1のポリ乳酸:第2のポリ乳酸が約70:30〜約30:70であることが好ましく、そして約60:40〜約40:60であることがより好ましい。第1のポリ乳酸の比率が約30%を下回ると、第2のエアスルー処理の際に過度に熱融着する、過度に熱収縮する等の場合があり、そして第1のポリ乳酸の比率が約70%を上回ると、第2のエアスルー処理の際の熱融着が不十分である場合がある。
【0029】
上記複合繊維の形状としては、単一の繊維中に、第1のポリ乳酸と、第2のポリ乳酸を含む繊維であれば、その形状は特に限定されないが、例えば、第1のポリ乳酸が芯であり且つ第2のポリ乳酸が鞘である芯鞘型、サイドバイサイド型等を挙げることができる。
上記複合繊維の繊維長としては、30mm〜70mmが好ましい。
上記複合繊維の繊維径としては、2dtex〜6dtexが好ましい。
上記複合繊維としては、例えば、ユニチカ(株)から市販される、テラマックシリーズ、例えば、PL80を挙げることができる。
【0030】
上記エアスルー不織布の結晶化度は、約44%〜約68%の範囲内にある。結晶化度が約44%を下回ると、第1のエアスルー処理の際の結晶化度が不十分であり、第2のエアスルー処理の際に熱収縮が大きくなり、生成するエアスルー不織布の触感が低下する場合があり、結晶化度が約68%を上回ると、結晶化度が高すぎ、上記エアスルー不織布の触感が低下する場合がある。
【0031】
上記「結晶化度」は、下記の粉末X線回折分析法による全角度定性分析法を用いて測定した値である。
[装置](株)リガク製 X線回折分析装置 RAD−RB RU−200
[試料]不織布を切断し、アルミ板(20mm長さ×15mm幅)に貼り付けたものを使用
[測定条件]
・ターゲット:Cu
・スリット:発散スリット 1°
:受光スリット 0.3mm
:散乱スリット 1°
・フィルター:Monochro
・スキャン速度:4°/分
・サンプリング角度:0.02°
【0032】
[結晶化度の算出]
結晶性ピーク(2θ=約16°)と、非結晶ピークとを、解析ソフトを用いて分離する。次いで、各ピークの積分強度である、結晶性散乱強度(Ic)及び非晶性散乱強度(Ia)から、結晶化度(Xc)を、次の式:
Xc(%)=100×Ic/(Ic+Ia)
から算出する。
【0033】
上記エアスルー不織布は、複合繊維を含むウェブに対する面積残存率が、約40%以上であることが好ましく、約50%以上であることが好ましく、そして約55%以上であることが最も好ましい。
上記「面積残存率」は、ウェブから一定の大きさのシートを切り抜き、当該シートを第1のエアスルー処理及び第2のエアスルー処理をさらした後のシートから、次の式:
面積残存率(%)=100×(第2のエアスルー処理後のシートの面積)÷(未処理のウェブのシートの面積)
により算出される値を意味する。
【0034】
上記エアスルー不織布は、製造時の熱収縮を少なくするために、第2のエアスルー処理の温度T2よりも高い融点を有するポリ乳酸(以下、「第3のポリ乳酸」と称する)の繊維をさらに含むことができる。
第3のポリ乳酸は、上述のように、光学活性を有する乳酸モノマーのD体及びL体の比を調整することにより調節されることができる。
【0035】
第3のポリ乳酸としては、主に第2のエアスルー処理の際の熱収縮を少なくするために、第2のエアスルー処理の温度T2よりも高い融点を有し、そして第2のエアスルー処理の温度T2よりも少なくとも約10℃高い融点を有することが好ましく、少なくとも約30℃高い融点を有することがより好ましく、そして少なくとも約40℃高い融点を有することがさらに好ましい。
温度T2が130℃である場合には、第3のポリ乳酸は、約140℃以上の融点を有することが好ましく、約150℃以上の融点を有することがより好ましく、そして約160℃以上の融点を有することがさらに好ましい。
【0036】
第3のポリ乳酸の繊維は、上記複合繊維と同一の繊維長及び繊維径を有してもよい。
第3のポリ乳酸の繊維は、エアスルー処理の際の熱融着が不十分とならないように、繊維の総量に基づいて、約40質量%以下であることが好ましく、約30質量%以下であることがより好ましく、そして約20質量%以下であることがさらに好ましい。
【0037】
上記エアスルー不織布は、バイオマス度が約90〜約100%の範囲内にあり、約100%であることが好ましい。
なお、本明細書において、「バイオマス度」は、不織布の中で、石油から生成された化石資源と、再生可能な生物由来の有機性資源との総質量に対する、前記有機性資源の占める割合を意味する。
【0038】
本発明のエアスルー不織布を製造する方法において、上記複合繊維を含むウェブを形成するステップは、第1のポリ乳酸と、第2のポリ乳酸とを含む複合繊維の原綿を、当技術分野に公知の機器、例えば、カード機を用いて、所望の坪量を有する、シート状のウェブに形成することができる。
【0039】
また、上記エアスルー不織布が、第1のポリ乳酸と、第2のポリ乳酸とを含む複合繊維に加え、第3のポリ乳酸の繊維をさらに含む場合には、上記複合繊維と、第3のポリ乳酸の繊維とを混綿し、次いでウェブを形成することができる。
上記ウェブは、当該ウェブから製造されるエアスルー不織布の用途によってその坪量は変化するが、製造効率等を考慮すると、好ましくは約10〜約60g/m2の坪量、より好ましくは約15〜約40g/m2の坪量を有することができる。
【0040】
本発明のエアスルー不織布を製造する方法において、第1のエアスルー処理は、上記複合繊維の熱収縮を抑制しつつ、結晶化度を高めるための処理である。複合繊維の結晶化度を高くすることにより、次の第2のエアスルー処理において、上記複合繊維の熱収縮が小さくなる。
第1のエアスルー処理は、次の温度T1
第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T1<第2のポリ乳酸の融点
の範囲内で行われる。
【0041】
温度T1は、第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T1<第2のポリ乳酸の融点の範囲内であり、第2のポリ乳酸の融点−約50℃≦T1≦第2のポリ乳酸の融点−約10℃の範囲内にあることが好ましく、そして第2のポリ乳酸の融点−約35℃≦T1≦第2のポリ乳酸の融点−約15℃の範囲内にあることがより好ましい。温度T1が第2のポリ乳酸のガラス転移温度以下であると、第2のポリ乳酸の結晶化が進行せず、そして温度T1が第2のポリ乳酸の融点以上であると、複合繊維の熱収縮が顕著になる傾向がある。
なお、ポリ乳酸のガラス転移温度は、一般的に、約50〜約60℃の範囲内にあることが知られている。
【0042】
第2のポリ乳酸の融点が約130℃の場合には、温度T1は、約80℃〜約120℃の範囲内にあることが好ましく、そして約95℃〜約115℃の範囲にあることがより好ましい。
第1のエアスルー処理は、従来公知のエアスルー処理用機器を用いて行われうる。
【0043】
第1のエアスルー処理の時間は、約20秒〜約120秒の間にあることが好ましく、約30秒〜約100秒の間にあることがより好ましく、そして約45秒〜約75秒の間にあることがさらに好ましい。上記時間が約20秒未満であると、第1のエアスルー処理が不十分であり、結晶化度が上がらない箇所が生ずる場合があり、そして上記時間が約120秒を過ぎることは、生産効率の観点から望ましくない。
【0044】
本発明のエアスルー不織布を製造する方法において、第2のエアスルー処理は、各繊維を熱融着させ、エアスルー不織布を製造する処理である。
第2のエアスルー処理は、次の温度T2
第2のポリ乳酸の融点−約5℃≦温度T2<第2のポリ乳酸の融点+約15℃
の範囲内で行われる。
【0045】
温度T2は、第2のポリ乳酸の融点−約5℃≦温度T2≦第2のポリ乳酸の融点+約15℃の範囲内であり、第2のポリ乳酸の融点−約5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+約10℃の範囲内にあることが好ましく、そして第2のポリ乳酸の融点−約5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+約5℃の範囲内にあることがより好ましい。温度T2が第2のポリ乳酸−約5℃を下回ると、柔らかいが、熱融着が弱く、毛羽立ちやすい不織布となる場合があり、そして温度T2が第2のポリ乳酸の融点+約15℃を上回ると、各繊維が過度に熱融着し、生成するエアスルー不織布の触感が劣る場合がある。
【0046】
第2のポリ乳酸の融点が約130℃の場合には、温度T2は、約125℃〜約145℃の範囲内にあり、約125℃〜約140℃の範囲内にあることがより好ましく、そして約125℃〜約135℃の範囲にあることがさらに好ましい。
第2のエアスルー処理は、従来公知のエアスルー処理用機器を用いて行われうる。
【0047】
第2のエアスルー処理の時間は、約20秒〜約120秒の間にあることが好ましく、約30秒〜約100秒の間にあることがより好ましく、そして約45秒〜約75秒の間にあることがさらに好ましい。上記時間が約20秒未満であると、第2のエアスルー処理が不十分であり、各繊維が融着していない箇所が生ずる場合があり、そして上記時間が約120秒を過ぎることは、生産効率の観点から望ましくない。
【0048】
本発明のエアスルー不織布の製造方法において、第1のポリ乳酸と、第2のポリ乳酸とを含む複合繊維を含むウェブを、第1のエアスルー処理と、第2のエアスルー処理に分けて処理することにより、熱収縮が少なく、触感に優れるエアスルー不織布を生成することができる理由は、以下のように考えられる。
(1)第1のエアスルー処理において、上記ウェブを、第2のポリ乳酸のガラス転移温度超且つ第2のポリ乳酸の融点未満の温度T1にさらすことにより、第2のポリ乳酸の収縮を抑制しつつ、結晶化度を高めることができる。また、第2のポリ乳酸が収縮した場合であっても、各繊維同士は融着していないので、硬い触感となりにくい。一般的には、ポリマーは、結晶化度が高いほど、物性が安定する、特に寸法安定性が増すことが知られている。
【0049】
(2)次いで、第2のエアスルー処理において、第1のエアスルー処理にさらされ、結晶化度が高くなったウェブを、第2のポリ乳酸の融点−約5℃以上且つ第2のポリ乳酸の融点+約15℃以下の温度T2にさらすことにより、繊維の収縮を抑制しつつ、各繊維同士を融着させることができる。
一方、通常のエアスルー処理のように、ウェブを、前処理せずに、第2のポリ乳酸の融点付近の温度にさらすと、第2のポリ乳酸の結晶化が十分進行する前に第2のポリ乳酸の融点付近の温度にさらされるため、各繊維の融着と同時又はその後に繊維が収縮し、エアスルー不織布の熱収縮が大きくなり、そして硬い触感となる。
上記現象は、ポリ乳酸が熱収縮率の高いポリマーであること且つ主鎖の剛直性に由来して結晶化速度が遅いことに起因して生ずる現象であると考えられる。
【0050】
本発明のエアスルー不織布の製造方法の別の態様では、上記エアスルー不織布を製造する方法において、上記複合繊維を含むウェブを製造するステップの前に、次の温度T3
第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T3<T1
の範囲内で、繊維をアニール処理するステップをさらに含むことができる。
上記アニール処理を行うことにより、第2のエアスルー処理の前に、第2のポリ乳酸の結晶化度をさらに高めることができ、熱収縮のより少ないエアスルー不織布を製造することができる。上記アニール処理はウェブを形成する前に行われるので、上記アニール処理の際に生じた熱収縮の影響が、エアスルー不織布に残りにくい。
【0051】
温度T3は、第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T3<T1の範囲内であり、第2のポリ乳酸の融点−約60℃≦T3≦第2のポリ乳酸の融点−約20℃であることが好ましく、そして第2のポリ乳酸の融点−約50℃≦T3≦第2のポリ乳酸の融点−約30℃の範囲内にあることがより好ましい。温度T3が第2のポリ乳酸のガラス転移温度以下であると、アニール処理の効果がなく、そして温度T3がT1を超えると、第1のエアスルー処理の効果が小さくなる。
【0052】
第2のポリ乳酸の融点が約130℃の場合には、温度T3は、約70℃〜約110℃の範囲内にあることが好ましく、そして約80℃〜約100℃の範囲にあることがより好ましい。
上記アニール処理の時間は、約20秒〜約180秒の間にあり、そして約30秒〜約120秒の間にあることがより好ましく、そして約45秒〜約90秒の間にあることが最も好ましい。上記時間が約20秒未満であると、アニール処理が不十分である箇所が生ずる場合があり、そして上記時間が約180秒を過ぎると、生産効率の観点から好ましくない。
【0053】
なお、本発明のエアスルー不織布の製造方法の別の態様では、上記アニール処理を、温度T3:第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T3<第2のポリ乳酸の融点の範囲内、好ましくは第2のポリ乳酸の融点−約50℃≦T1≦第2のポリ乳酸の融点−約10℃の範囲内、そしてより好ましくは第2のポリ乳酸の融点−約35℃≦T1≦第2のポリ乳酸の融点−約15℃の範囲内で行うことができる。この態様においては、温度T3と、温度T1とは、どちらが高くともよい。
【0054】
上記アニール処理は、例えば、第1のポリ乳酸と、第2のポリ乳酸とを含む複合繊維の原綿に、温度T3の熱風を、約1〜約5m/秒の風速にて、約20〜約180秒間当てることにより実施することができる。
【0055】
上記エアスルー不織布は、バイオマス度が高く且つ生分解性を有することから、シングルユースであり使用後に廃棄される、生理用品、例えば、生理用ナプキン及びパンティライナー、衛生用品、例えば、使い捨ておむつ、尿漏れ防止用シート、失禁患者用の尿取りパッド、体液・血液吸収用医療用品、創傷用品、化粧用パック材、動物用排泄用処理剤に好適に用いることができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いられた機器及び評価は、以下の通りである。
[結晶化度]
(株)リガク製X線回折分析装置 RAD−RB RU−200を用いて測定した。
[触感]
製造されたエアスルー不織布の触感を、以下の基準に従って官能評価した。
○:柔らかい
×:硬い
[不織布厚]
(株)大栄科学精密製作所製 Thickness Gaugeを用い、荷重:0.3kPa(3gf/cm2)、荷重面積:20cm2の条件で測定した。
【0057】
[実施例1]
ユニチカ(株)製、テラマック PL80(繊度:2.2dtex,カット長:51mm,捲縮数:17個/25mm,及び親水油剤:0.4質量%)の原綿を準備した。PL80は、融点170℃のポリ乳酸から成る芯と、融点130℃の変性ポリ乳酸から成る鞘とを含む芯鞘型の、バイオマス度100%の複合繊維である。
上記原綿を、カード機にて開繊し、坪量20g/m2のウェブを製造した。上記ウェブを、長さ(MD)200mm×幅(CD)200mmのカードウェブにカットした。
【0058】
上記カードウェブを、支持体メッシュDOP−18Sの上に載せ、エアスルー処理機(熱処理部分のコンベア炉長:3m)を用いて、80℃で1分間、風速1m/秒の条件下で、第1のエアスルー処理にさらし、面積を測定した。
次いで、第1のエアスルー処理にさらされたカードウェブを、再度、支持体メッシュDOP−18Sの上に載せ、エアスルー処理機により、135℃で1分間、風速1m/秒の条件下で、第2のエアスルー処理にさらし、エアスルー不織布1を製造し、面積、結晶化度及び触感を評価した。
エアスルー不織布1の面積残存率は50%であり、そして結晶化度は44%であった。
【0059】
[実施例2]
第1のエアスルー処理の温度を95℃に変更した以外は実施例1に従って、エアスルー不織布2を製造した。
エアスルー不織布2の面積残存率は52%であった。
[実施例3]
第1のエアスルー処理の温度を105℃に変更した以外は実施例1に従って、エアスルー不織布3を製造した。
エアスルー不織布3の面積残存率は54%であり、そして結晶化度は68%であった。
【0060】
[実施例4]
第1のエアスルー処理の温度を115℃に変更した以外は実施例1に従って、エアスルー不織布4を製造した。
エアスルー不織布4の面積残存率は50%であり、そして結晶化度は56%であった。
[実施例5]
第1のエアスルー処理の温度を105℃に変更し且つ第2のエアスルー処理の温度を125℃に変更した以外は実施例1に従って、エアスルー不織布5を製造した。
エアスルー不織布5の面積残存率は61%であり、そして結晶化度は53%であった。
実施例1〜5の試験条件及び結果を、表1にまとめる。
【0061】
[比較例1]
第1のエアスルー処理を行わなかった以外は実施例1に従って、エアスルー不織布6を製造した。
エアスルー不織布6の面積残存率は28%であり、そして結晶化度は38%であった。
比較例1の試験条件及び結果を、表1にまとめる。
【0062】
【表1】

【0063】
実施例1〜5から、エアスルー処理を2段階に分けて行うことにより、面積残存率が50%以上に向上し、触感が柔らかくなることが分かる。一方、比較例1から、通常のエアスルー処理では、面積残存率が28.0%と低く、触感も硬いことが分かる。
また、実施例1〜5及び比較例1から、結晶化度と面積残存率との間に一定の相関があり、結晶化度が高いほど、面積残存率が高くなる傾向がある。
【0064】
[実施例6]
ユニチカ(株)製、テラマック PL80の原綿を準備した。当該原綿を、エアスルー処理機により、90℃で1分間、風速3m/秒の条件下で、アニール処理した。
次いで、アニール処理された原綿を、カード機にて開繊し、坪量20g/m2のウェブを製造した。上記ウェブから、長さ(MD)200mm×幅(CD)200mmのカードウェブを採取した。
【0065】
上記カードウェブを、実施例4と同一の条件で第1のエアスルー処理及び第2のエアスルー処理にさらし、エアスルー不織布7を製造した。
エアスルー不織布7の面積残存率は83.8%であり、実施例4で製造されたエアスルー不織布4と比較して、面積残存率が30%以上向上することが分かった。
実施例6より、原綿にアニール処理することにより、エアスルー不織布の面積残存率が大きく向上することが分かる。
【0066】
[実施例7]
ユニチカ(株)製、テラマック PL80の原綿と、同テラマック PL01の原綿とを準備した。PL01は、融点170℃のポリ乳酸から成る、バイオマス度100%の繊維であり、繊度:1.7dtex,カット長:51mm,捲縮数:17個/25mm,及び親水油剤:0.4質量%を有していた。
PL80及びPL01を、質量比80:20の割合でビニール袋の中に投入し、口を軽くとじつつ、高圧エアーをその中に噴射することにより仮混綿し、カード機を用いて開繊し、ラップを採取した。当該ラップを3等分して向きを変え、再度カード機に投入して開繊し、これを再度繰り返すことにより、坪量20g/m2のウェブを製造した。上記ウェブから、長さ(MD)200mm×幅(CD)200mmのカードウェブを採取した。
【0067】
上記カードウェブを、実施例4と同一の条件で、第1のエアスルー処理及び第2のエアスルー処理にさらし、エアスルー不織布8を製造した。
エアスルー不織布7の面積残存率は、82.0%であり、実施例4で製造されたエアスルー不織布4と比較して、面積残存率が30%以上向上することが分かった。
実施例7から、融点が高く、熱収縮しにくいポリ乳酸から成る繊維を混綿することにより、エアスルー処理の際の熱収縮を抑制できることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の各ステップ;
第1のポリ乳酸と、第1のポリ乳酸の融点よりも低い融点を有する第2のポリ乳酸とを含む複合繊維を含むウェブを形成するステップ;
前記ウェブを、次の温度T1
第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T1<第2のポリ乳酸の融点
の範囲内で、第1のエアスルー処理にさらすステップ;そして
エアスルー不織布を製造するために、第1のエアスルー処理にさらされたウェブを、次の温度T2
第2のポリ乳酸の融点−5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+15℃
の範囲内で、第2のエアスルー処理にさらすステップ:
を含むエアスルー不織布を製造する方法であって、
前記エアスルー不織布の結晶化度が、44〜68%の範囲内にあることを特徴とする、
前記方法。
【請求項2】
温度T1が、第2のポリ乳酸の融点−50℃≦T1≦第2のポリ乳酸の融点−10℃の範囲内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
温度T2が、第2のポリ乳酸の融点−5℃≦T2≦第2のポリ乳酸の融点+10℃の範囲内にある、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
第1のエアスルー処理にさらすステップ及び/又は第2のエアスルー処理にさらすステップが、20〜120秒の間実施される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第2のポリ乳酸の融点が、第1のポリ乳酸の融点よりも20〜60℃低い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1のポリ乳酸の融点が150〜190℃の範囲内にあり、そして第2のポリ乳酸の融点が110〜150℃の範囲内にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記エアスルー不織布の、前記ウェブに対する面積残存率が、40%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記エアスルー不織布のバイオマス度が90〜100%の範囲内にある、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複合繊維が、芯鞘型複合繊維又はサイドバイサイド型複合繊維である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェブを形成するステップにおいて、前記複合繊維と、温度T2よりも高い融点を有するポリ乳酸の繊維とを含むウェブが形成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ウェブを形成するステップの前に、次の温度T3
第2のポリ乳酸のガラス転移温度<T3<T1
の範囲内で、繊維をアニール処理するステップをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第1のポリ乳酸と、第1のポリ乳酸の融点よりも低い融点を有する第2のポリ乳酸とを含む複合繊維から、当該複合繊維を含むウェブを経由して製造されたエアスルー不織布であって、
前記エアスルー不織布の結晶化度が、44〜68%の範囲内にあることを特徴とする、
前記エアスルー不織布。
【請求項13】
第2のポリ乳酸の融点が、第1のポリ乳酸の融点よりも20〜60℃低い、請求項12に記載のエアスルー不織布。
【請求項14】
第1のポリ乳酸の融点が150〜190℃の範囲内にあり、そして第2のポリ乳酸の融点が110〜150℃の範囲内にある、請求項12又は13に記載のエアスルー不織布。
【請求項15】
前記エアスルー不織布の、前記ウェブに対する面積残存率が、40%以上である、請求項12〜14のいずれか一項に記載のエアスルー不織布。
【請求項16】
バイオマス度が90〜100%の範囲内にある、請求項12〜15のいずれか一項に記載のエアスルー不織布。
【請求項17】
前記複合繊維が、芯鞘型複合繊維又はサイドバイサイド型複合繊維である、請求項12〜16のいずれか一項に記載のエアスルー不織布。
【請求項18】
前記ウェブが、温度T2よりも高い融点を有するポリ乳酸の繊維をさらに含む、請求項12〜17のいずれか一項に記載のエアスルー不織布。