説明

ポンチョ付きベスト

【課題】 釣りやスキーなどの野外活動時に着用するベストであって、急に雨が降った場合に着用することが出来るポンチョ付きベストの提供。
【解決手段】 収納ポケット6は円弧状に湾曲した襟生地12によって内部に空間9を形成し、そして、外周縁7にはファスナー等の止着具を設け、上記空間9には折畳んで小さくしたポンチョ10を収納し、ベスト1とポンチョ10は繋ぎ材によって連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は雨天時に取出して着用することが出来るように、ポンチョを収納したベストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般衣類としてのベストは、軽装時の簡易保温と共に各種ポケットを付属していることで、スキー、釣りなどの屋外でスポーツを行なう場合、また屋外で作業を行なう場合に着用することが出来る重宝な被服である。このベストは上半身を覆うことが出来るサイズと成っている為に、好天時の野外活動時には適しているが、雨天時、特に荒天時の被服としては問題がある。
【0003】
特開2006−2267号に係る「フローティングベスト」は、落水防止効果の高いフローティングベストであり、釣りその他のレジャーにおいて使用され、水に浮くように構成されていて、万一釣人が落水した場合であっても、紐部材が水面を漂う。すなわち、このフローティングベストは、ベスト本体と、股紐と、連結紐とを備え、連結紐は、連結機構を介してベスト本体に連結され、連結機構はベース部と、フックとを備えている。連結紐はフックを介してベース部に連結され、ベース部は基布と連結環とを有している。フックの係合部は連結環に係合し、連結環は、基布に沿ってスライドすることができ、連結紐はフロートを備えている。
【0004】
特開2005−29945号に係る「ベスト型ウェア」は、片手でも容易に携帯電話をポケットから取り出すことができ、且つ、無用な携帯電話のポケットからの脱落も防止できるウェアである。
この釣り用ベストの左側の前身頃の裏側面(前裏見頃)には、ポケットが設けられている。ポケットは、ポケット本体と開口を有し、この開口はウェア本体の袖ぐりに向かって形成されている。ユーザはこの釣り用ベストを着用したまま、片手を袖ぐりから釣り用ベストの裏側に挿入し、ポケットから携帯電話を取り出すことができる。
【0005】
一般的に、ベストは釣りを行なう時に着用する場合が多く、上記の他に色々な機能を備えたベストが知られている。釣りを場所によって大別するならば、海釣りと淡水釣りがあり、海釣りには沖合い釣り、磯釣り、防波堤釣り、砂浜釣りなどがあり、また淡水釣りには渓流釣り、中・下流釣り、湖釣り、釣堀釣りなどが主なものである。
【0006】
ところで、好天時にはこのような場所で釣りを楽しむことが出来るが、雨天時、特に冬の荒天時ともなれば、長時間にわたって釣りをするならば体が冷えてしまう。従って、雨が降れば携帯しているポンチョ(雨具)を着用しなくてはならず、その為に該ポンチョは釣り道具の他に携帯しなくてはならない必需品の一つとなる。該ポンチョにも色々存在し、非常にコンパクトに収納出来るものもあるが、携帯することを忘れてしまう場合も多い。
【0007】
例えば、特開2005−213701号に係る「ポンチョ」、特開2006−299495号に係る「携帯用着装雨具」など色々知られている。
【特許文献1】特開2006−2267号に係る「フローティングベスト」
【特許文献2】特開2005−29945号に係る「ベスト型ウェア」
【特許文献3】特開2005−213701号に係る「ポンチョ」
【特許文献4】特開2006−299495号に係る「携帯用着装雨具」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、雨が降った場合に着用しなくてはならないポンチョを常に携帯することは不便であり、時には携帯することを忘れることもある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、ポンチョを組み合わせたポンチョ付きベストを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るベストは雨が降った場合に手軽に着用することが出来るポンチョを組み合わせて構成したものである。すなわち、ポンチョを別に携帯する必要はなく、ベストを着用することで該ポンチョを何時でも取出して着用することが出来る構成と成っている。ここで、本発明のベストの形態及び構造は限定しないこととし、またポンチョの形態及び構造も限定しない。
【0010】
ところで、ベストには襟周りに収納ポケットを形成し、この収納ポケットに上記ポンチョが折畳まれて収納される。その為に、ポンチョは小さく折畳まれるように一般に薄手で撥水に優れた生地で構成している。そして、襟周りに形成される収納ポケットは周囲にファスナー又は粘着テープ(マジックテープ)、又はボタンなどの開閉手段が取付けられていて、開閉することが出来る。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るベストは従来と同じように釣りやその他の野外活動時に着用することが出来る。そして、該ベストはその襟周りに収納ポケットを有し、該収納ポケットには小さく折畳んだポンチョを収納している為に、急に雨が降り出した時には収納ポケットを開いてポンチョを取出し、着用することが出来る。従って、該ベストを着用して出かけるならば、途中で雨に遭ってもあわてることなく対処することが出来る。
【0012】
そして、雨天時に使用したポンチョは後日乾燥して再び収納ポケットに収納される為に、該ポンチョの携帯を忘れることはない。さらに、該ポンチョは襟周りに設けた収納ポケットに収納される為に首回りは暖かく、また収納ポケットからポンチョを取出して着用し易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ポンチョを収納したベストの正面図。
【図2】ポンチョが収納されている収納ポケットの断面図。
【図3】収納ポケットからポンチョを取出して着用した場合。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明に係るベストを示す正面図である。同図に示すベスト1は胸ポケット2a,2bを両側に設け、また下側にはメインポケット3a,3bを有している。そして、正面中央にはファスナー4が設けられて開くことが出来る。すなわち、ベスト1は中央のファスナー4を介して両前身ごろ5a、5bは開閉可能と成って着用することが出来る。
【0015】
勿論、上記ファスナー4に代わって複数のボタンを取付けて両前身ごろ5a,5bを閉じることも出来る。ところで、ベストの形態は色々あって同図に示す場合に限定はしないが、襟周りには収納ポケット6を形成し、該収納ポケット6にはポンチョが収納されている。すなわち、該収納ポケット6はリング状の筒体として構成され、この筒体の内部空間に折畳んで小さくしたポンチョが収納されている。
【0016】
そこで、収納ポケット6の外周縁7にはファスナーが設けられ、該ファスナーを解除して開口することが出来、内部に折畳まれて収納されているポンチョを取出すことが出来る。図2は図1のA−A断面拡大図を表しているが、該収納ポケット6は襟が円弧状に湾曲して空間9が形成され、この空間9に折畳まれて小さくなったポンチョ10が収納される。
【0017】
ところで、収納ポケット6の外周縁7にはファスナー8が沿設されているが、身ごろ11の側にはファスナー片13aが縫付けられ、収納ポケット6を構成する襟生地12の先端縁にはファスナー片13bが縫付けられている。そして、上記両ファスナー片13a,13bは互いに係合して空間9を有す収納ポケット6を形成している。
【0018】
該ファスナー8は両ファスナー片13a,13bが互いに係合することで収納ポケット6は閉じ、両ファスナー片13a,13bが分離することで収納ポケット6は開口する。開口した収納ポケット6から小さく折畳まれているポンチョ10を取出して着用することが出来る。ここで、収納ポケット6の外周縁7には上記ファスナーでなく、複数のボタンを取付けたり、又は面ファスナー(マジックテープ)を縫付けることもある。すなわち、収納ポケット6の開閉手段は自由である。
【0019】
図3は収納ポケット6からポンチョ10を取出して着用している場合を示す具体例である。該ポンチョ10は撥水性の高い薄手の生地で構成し、頭部、及び肩から腕、さらに足元まで覆うサイズに裁断した形態としている。
勿論、本発明ではこのポンチョ10の形態並びにサイズは限定するものではないが、強い風雨であっても着用して身体を守る為には同図に示すように、頭部から足元までを覆うポンチョ10が適している。ここで、ポンチョ10をベスト1と切り離したものとして構成し、上記収納ポケットに折畳んで収納することも可能であるが、ベスト1と連結した構造とする方が好ましい。
【0020】
すなわち、収納ポケット6の空間の一部に繋ぎ材を設け、この繋ぎ材を介してポンチョ10と連結している。従って、ポンチョ10はベスト1と繋がれている状態で折畳まれると共に、上記収納ポケット6に収納される。そして、外周縁7に設けているファスナーを閉じることが出来る。
【0021】
一方、ファスナー片13a,13bを分離して収納ポケット6を開口し、ポンチョ10を取出して着用することが出来る。この場合も、ベスト1を着用していることで繋ぎ材によって繋がれている状態でポンチョ10を着用することが出来る。本発明では、上記ポンチョ10の生地材質として不燃性に優れた生地を用いるならば、火災時にベスト1を着用すると共にポンチョ10を着て避難することも出来る。
【符号の説明】
【0022】
1 ベスト
2 胸ポケット
3 メインポケット
4 ファスナー
5 前身ごろ
6 収納ポケット
7 外周縁
8 ファスナー
9 空間
10 ポンチョ
11 身ごろ
12 襟生地
13 ファスナー片














【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣りやスキーなどの野外活動時に着用するベストにおいて、襟周りに収納ポケットを設け、該収納ポケットは円弧状に湾曲した襟生地によって内部に空間を形成し、そして、外周縁にはファスナー等の止着具を設け、上記空間には折畳んで小さくしたポンチョを収納し、ベストとポンチョは繋ぎ材によって連結したことを特徴とするポンチョ付きベスト。
【請求項2】
上記ポンチョは頭部から肩、腕、さらに足元までを覆うサイズ及び形態とした請求項1記載のポンチョ付きベスト。
【請求項3】
上記ポンチョは撥水性で薄手の生地で構成した請求項1、又は請求項2記載のポンチョ付きベスト。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−255233(P2012−255233A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129058(P2011−129058)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(511139796)株式会社魅楽留マネージメント (1)
【Fターム(参考)】