説明

ポール付錠剤用緩衝材

【課題】錠剤用容器の充填量の変化に伴って、特に錠剤上面と口上面との空間が小さい、形態で、且つ、口内径や胴内径の変化に対応できる共通性と汎用性のある錠剤用緩衝材であること。
【解決手段】合成樹脂材料の成型品であって、上部リング状中栓1と中間リング3に複数の上部縦リブ2が連結されてあり、底部円盤5の外縁からスリット10を隔てて放射方向に複数の底部押え片6,7の縁部6a、7aと外部押え片8,9の付け根部分8a、9aと下部リブ4の下縁が連結した形体であり、底部押え片7には、底部円盤5の外縁に近接した位置にヒンジ用山形の溝7bが設けてあり、一つ隔てた底部押え片6には、縁部6aに近接した位置にヒンジ用山形の溝6bを設け、底部円盤5の上面に形成された筒型のポール11の上部縁面から複数の矩形状のリブ12が連結されてあり、底部円盤5の上面中央には棒状のポール13が形成されている構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬品や食料品等の包装容器に収納された錠剤の品質を保証するため錠剤の上面に充填して使用される錠剤用緩衝材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に多数個の錠剤やカプセルを収納した広口容器に於いて、振動や衝撃的な作用によって錠剤相亙間又は容器の内壁との衝突現象によって錠剤の割れ、欠け等の破損するのを防止する為、モルトプレン、ポリエチレンフイルム、綿花等の緩衝材を容器上部に収納しているが充填作業中に塵埃物が付着し易くて衛生面的な面で問題がある。ユーザーの使用性、メーカーでの作業性、あるいは経済性において何らかの問題点を持ちながら使用されているのが現状である。特に規格硝子瓶に使用されているポリエチレンシートの緩衝材は、エンドーユーザーでポリエチレンシートの緩衝材を取り出す時に錠剤がシートに絡んで飛び出すという欠陥については、各製薬会社等に於いても具体的な解決策がなく未だにエンドーユーザー側での潜在的クレームとなっている。又、比較的大容量の容器に関しては、モルトプレンや合成樹脂材料で一体的に射出成型した緩衝材も有って実用化されているものもあるが、最近の規格された硝子瓶等に収納される錠剤は、錠剤の収納量が比較的多くなり容器の上部空間が極めて少ない状態になってきている。
【0003】
現在実用化している大容量の広口容器用の成型製品の緩衝材に於いては、収納された錠剤面と容器内上部に空間が比較的に広くあって、容器に挿入する時、外部押え片が容器の口部に当たって上部方向に湾曲し、容器内に挿入すると胴部の広くなった部分で弾性的復元力によって反転し、外部押え片は水平面の放射状に復元して錠剤上面を押さえることが出来る構造と機能を有している。
【0004】
然しながら、特開平10−7205)の立体式錠剤緩衝材、と 特開平9−290863平面式、錠剤緩衝材等は、規格された硝子瓶の包装形体から見て収納される錠剤上面と瓶内上部との空間が少なく現行の大型容器の成形製品の緩衝材の形態では、規格、瓶に挿入後、外部押え片は、弾性的復元力による反転する空間が無く外部押え片が瓶の口部に当たって上部方向に湾曲し窄んだ状態で瓶の口内頚長部に詰まって、押え片が錠剤上面を押えることが出来ず、錠剤用緩衝材の機能が失われる欠点がある。
又、実用新案登録第2074596号 (実公平6−44848号 公報)錠剤用緩衝材は、瓶に挿入される時の形体は最小限のスリットを介して傾斜した傘状のように放射状に広がった押え片と押え片がお互いに接触して小さく狭めて口内径、頚長部を通過して胴内径部に挿入することが出来て、センターデスクの中心延設されたセンターポールを下方向に押すと外部押え片が広がって錠剤の上面を押える構造と機能となっているが下記の欠点がある。
【0005】
上記の傘型形状の押え片は瓶の口内径寸法を基準に原則的に常に最小スリット幅の寸法が制約されて、略水平面に押え片が展開された時にスリット幅は、瓶の胴内径が大きい場合ほどスリット幅が広くなり錠剤が飛び出し易くなるという欠点が発生する。又傘状に小さく狭められた押え片の外径が瓶の口内径との間隙が少なく例えば数字的には口内径と押え片の直径での間隙は1粍程度で片側の間隙が0.5粍程度であるため実際の挿入作業において容器の口内径と干渉し易く、挿入が困難な状態である。又センターデスクの中心延設されたセンターポールを下方向に押すと外部押え片が広がって錠剤の上面を押える構造になっているが、小さく狭められた押え片が口内頚長部から錠剤上面までの空間距離を略水平面の形状に作動する必要があるが、センターポールの作動とのタイミングが合わず、窄んだ傘状の外部押え片が錠剤上面に接触した後に、センターポールを下方向に押し下げると錠剤を掬い上げる欠陥があり満足に錠剤上面に押えることが困難であり、実用化に至らずになっている。従って、容器に充填される錠剤の収納量の大小に関係なく上記、緩衝材に変る衛生的であり経済的な普遍妥当性のある形態を有する緩衝材の開発が必要になっている現状である。
【特許文献】 特許第3116274号 (特開平10−72055) 特許第3211082号 (特開平9−290863) 実用新案登録第2074596号 (実公平6−44848号 公報)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上述べた従来の特許開平10−72055の錠剤用立体式緩衝材と特開平9−290863平面式錠剤用緩衝材は、容器内の錠剤の充填量の大小によって錠剤上面と口内径の頚長部との空間が異なり、広い空間の場合は容器の胴内径において外部押え片は弾性的復元作用によって略水平面に錠剤を押さえることが出来るが、狭い空間の場合は容器内で外径押え片が反転する空間が無く瓶の口部に当たって上部方向に湾曲し窪んだ状態で瓶の口内頚長部詰まって、水平面に錠剤を均一に押圧することが不可能である。
【0007】
又、傘型の錠剤用緩衝材は押え片が最初から傘のように放射状に形成されてある形体であって、センターポールを下方向に押す機能になっているが、押え片が放射状の形体の状態で錠剤上面に接触してからセンターポールを下方向に押す状態になり、水平面に展開する時に上面の錠剤を掬い上げる欠点がある。
【0008】
そこで本発明は、上記の緩衝材の欠点である、容器の錠剤充填量が多く口内径頚長部と錠剤上面の空間が少ない状態の包装形態であっても容易に挿入が出来て従来の立体式、平面式緩衝材を使用している錠剤用容器にも適応できる形体であって、複数の押え片の幅寸法やスリット巾寸法が容器の口内径寸法に規制されること無く押え片の幅は大きく、スリット巾は小さく任意に形成することができる画期的な特徴を有する本発明の錠剤用緩衝材であって、錠剤用広口容器の形態が大容量の容器又、規格された小型の硝子瓶等、に対応できるもので汎用性の高い経済的な錠剤用緩衝材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係る緩衝材にあっては、次のような解決手段を講じた。即ち、本発明では、容器の充填量の増減変化によって、口上面と錠剤上面の空間の大小に対応する為に、適当な弾力を有する合成樹脂材料による成型品であって上部リング状中栓(1)の内径下部から中間リング(3)の上部縁面に複数の上部縦リブ(2)が等間隔で連結されてあり底部円盤(5)の外縁からスリット(10)を隔てて放射方向に複数の底部押え片(6)(7)の縁部(6a)(7a)と外部押え片(8)(9)の付け根部分(8a)(9a)と下部リブ(4)の下縁が連結的に形成されてあり、下部リブ(4)の上縁は、中間リング(3)の下部縁面に連結されている形体であって、底部押え片(7)には、底部円盤(5)の外縁に近接した位置にヒンジ用山形の溝(7b)が設けてあり、一つ隔てた底部押え片(6)には、縁部(6a)に近接した位置にヒンジ用山形の溝(6b)を設け、底部押え片(6)の上面には、ヒンジ用山形の溝(6b)の中心位置から底部円盤(5)の上面に形成してある筒型のポール(11)の外周面に、三角形状の補強リブ(14)を設けてあって、筒型のポール(11)の上部縁面から複数の矩形状のリブ(12)が連結されてあり、底部円盤(5)の中央部には棒状のポール(13)が形成されている構造とした。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明の錠剤用緩衝材は、容器の充填量の増減変化によって、口上面と錠剤上面の空間の大小に対応する為に、上部リング状中栓(1)の内径下部から中間リング(3)と複数の縦リブ(2)が等間隔で連結した形体であり従来の底部円盤より径を小さくして底部円盤(5)の外縁からスリット(10)を隔てて放射方向に複数の底部押え片(6)(7)を設けて、其の縁部(6a)(7a)と複数の外部押え片(8)(9)の付け根部分(8a)(9a)と複数の下部リブ(4)の下縁が連結的に形成されてあり、下部リブ(4)は底部押え片と外部押え片の同数の弾性的な下部リブ(4)であって、その上縁は中間リング(3)の下部縁面に連結されている形体になっている。
【0011】
底部押え片(7)に設けてある底部円盤(5)の外縁に近接した位置にヒンジ用山形の溝部(7b)を設け、一つ隔てた底部押え片(6)の縁部(6a)に近接した位置にヒンジ用山形の溝部(6b)を設けて底部円盤(5)の上面中央の棒状のポールを上部方向に引き上げると底部円盤(5)が上方向に移動する時に底部押え片(6)の縁部(6a)に近接した位置に有るヒンジ用山形の溝部(6b)から外部押え片(8)が下方向に先行して湾曲し、底部押え片(7)には、底部円盤(5)の外縁に近接した位置に設けたヒンジ用山形の溝部(7b)から外部押え片(9)が遅れて下方向に湾曲する。この機能と構造は、外部押え片(8)(9)が花の蕾のように窄んだ形体になり、容器の口内径の頚長部を十分な間隙を通過して、上部方向に引き上げた棒状のポールを放すと、底部押え片と外部押え片の同複数の弾性的な下部リブ(4)の復元力にて窄んでいた外部押え片(8)(9)は傘が広がるような作動で錠剤上面を覆う様に水平面状に展開して隈なく押圧することが出来る効果がある。
【0012】
前記の一つ隔てた底部押え片(6)に設けたヒンジ用山形の溝(6b)の中心位置から外部押え片(8)が先行湾曲する為、底部押え片(6)の上面にヒンジ用山形の溝(6b)の中心位置から円筒ポール(11)の円周上外面に設けた、三角形状の補強リブ(14)は、底部押え片(6)が上部方向に上昇する時、撓みや変形を防止して外部押え片(8)が正確に屈折し先行湾曲する効果的に形成されている。
【0013】
上部リング状中栓(1)は、本発明の緩衝材が容器に収納された時に容器の内径に軽嵌合されるように形成されたものであって、筒型のポール(11)の上部縁面から複数の矩形状のリブ(12)は、容器にキャップを螺錠した時、キャップの裏面に接触して錠剤緩衝材の中心部の押圧を補助する効果を有するものである。
錠剤用緩衝材を取り出す場合は、底部円盤の上部に設けた棒状のポール(13)の先端を指で摘まんで上方向に引き上げると外部押え片が順次窄んで容易に取り出すことができる。又上部リング状中栓(1)の内面にアンダーカットを設けておけば上部リング状中栓(1)を引き上げることで容易に取出しができる効果がある。
【0014】
従来の外部押え片が容器の口内径を通過さす為に口上面に接触さして上部方向に湾曲さして、複数の外部押え片の幅がお互いに接触してその外形状が口内径より小さくなるように形成されてある。従って外部押え片を隔てているスリットの寸法値も制約があり、形状の小さい錠剤の場合は使用が不可能である。
【0015】
本発明の錠剤緩衝材は、前記のように複数の外部押え片(8)(9)が挿入する前に花の蕾のように窄んだ形体になっていて、容器の口内径を通過する時には、口内径や口上面に接触することなく、容器の口内径を十分な間隙を通過するので何ら影響を受けることなく複数の外部押え片の幅やスリットの巾に対する数値的に規制されないことから、錠剤の大きさや形状の変化、容器の口内径や胴内径の変化、錠剤の充填量による容器の上部の空間量の変化に、効果的にフレキシビリティーに対応でき、汎用性があり経済的にも顕著な効果がある、画期的な特徴を有する錠剤用緩衝材であります。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1〜図8は本発明の錠剤用緩衝材の第1の実施の形態に係り、図1は図2のイーイ線に沿った断面図である第2図は第1図の緩衝材の底面図で外部押え片(8)(9)に連結されている底部押え片(6)(7)に形成されているヒンジ用山形の溝部(6b)(7b)の位置を示す図である、第3図は第1図の緩衝材の平面図で外部押え片(8)と連結されている底部押え片(6)の三角形状の補強リブ(14)の位置と矩形状のリブ(12)の位置を示す図である、第4図は緩衝材の挿入時に於ける各部の動作を示す断面図である。第5図は緩衝材の外観を示す正面図である。第6図は緩衝材の挿入時に於ける外観図である。第7図は緩衝材を容器内に挿入する状態を示す外観の正面図である。第8図は緩衝材を容器内に装着した状態を示す断面図である。
【0018】
図1、図2 に示すように符号Aは本発明に係る緩衝材を示すもので、適当な弾力性を有する合成樹脂材料によって一体的に成型されている。
前記緩衝材Aは、上部リング状中栓(1)の内径下部から中間リング(3)の上部縁面に複数の、例えば4個の上部縦リブ(2)が等間隔に連結されていて、底部円盤(5)の外縁からスリット(10)を隔てて放射方向に複数の、例えば12枚の底部押え片が(6)(7)の縁部(6a)(7a)と、例えば12枚の外部押え片(8)(9)の付け根部分(8a)(9a)と、例えば12枚の弾性的な下部リブ(4)の上縁は中間リング(3)の下部縁面に連結して一体的に形成されている
【0019】
而して前記、上部リング状中栓(1)は緩衝材Aを容器B内の錠剤C上面に挿入した時、例えば4個の上部縦リブ(2)や、例えば12枚の弾性的な下部リブ(4)が押圧して上方向に弾性的湾曲される時、上部リング状中栓(1)が容器の口上面から浮き上がらないように、口内径と上部リング状中栓(1)は軽嵌合するように形成されている。
【0020】
例えば6個の底部押え片(7)には、底部円盤(5)の外縁に近接した位置にヒンジ用の山形の溝(7b)が設けてあって、一つ隔てた、例えば6個の底部押え片(6)には、縁部(6a)に近接した位置にヒンジ用の山形の溝(6b)を設けてあり、底部円盤(5)の上面中央部に棒状のポール(13)が形成してあり、この棒状のポール(13)を上部方向に引き上げると底部円盤(5)が上昇し、底部押え片(6)に設けたヒンジ用の山形の溝部(6b)から屈曲して縁部(6a)が斜め上方向に引き上げられ外部押え片(8)は先行して湾曲する。外部押え片(9)の方は、底部押え片(7)に設けたヒンジ用の山形の溝部(7b)から屈折するが縁部(7a)との距離が長い分だけ外部押え片(9)は遅れて湾曲する。
外部押え片(8)(9)が時間差で湾曲する動作のタイミングが外部押え片(8)の外側に外部押え片(9)が花の蕾が重なるように湾曲して窄ますための重要な要因となっている。
【0021】
図3、に示す錠剤用緩衝材Aの平面図で外部押え片(8)と連結されている底部押え片(6)の三角形状の補強リブ(14)の位置を示し、矩形状のリブ(12)の複数の位置を示す図である。
図4、に示すように錠剤用緩衝材Aは底部円盤(5)の上面に形成されている筒型のポール(11)には、外周縁と底部押え片(6)のヒンジ用山形の溝部(6b)の中心部に三角状の補強リブ(14)が形成されてあり、筒型のポール(11)の上部縁面から複数、例えば3ヶ所3等分された矩形状のリブ(12)が連結されてあり中央部には棒状のポール(13)が一体的に形成されてあって、この底部円盤(5)と底部押え片(6)(7)が上昇した時の各部の作動形状を示されてあり、外部押え片(8)と連結されている底部押え片(6)の縁部(6a)に近接したヒンジ用山形の溝部(6b)を支点にして傾斜方向に屈折して外部押え片(8)の付け根部分(8a)と下部リブ(4)が上部中央部に引き寄せられて、外部押え片(8)は先行して湾曲する。
【0022】
外部押え片(9)と連結されている底部押え片(7)には底部円盤(5)の外縁に近接した位置にヒンジ用山形の溝部(7b)を支点にして傾斜方向に屈折して外部押え片(9)の付け根部分(9a)と下部リブ(4)が上部中央に引き寄せられて、外部押え片(9)は遅動して外部押え片(8)より外側に湾曲する。
【0023】
上記の外部押え片の先行と遅動の動作機能の形体は、外部押え片(8)(9)の付け根部分(8a)(9a)の各々の縁部(6a)(7a)を基点にして支点であるヒンジ用山形の溝部(6b)(7b)の中心部の距離を長短に形成してあり、底部円盤(5)と同一に底部押え片(6)(7)が上昇する時に、外部押え片(8)と連結されている底部押え片(6)の縁部(6a)の基点からヒンジ用山形の溝部(6b)の中心部の支点の距離が短く、外部押え片(9)と連結されている底部押え片(7)の縁部(7a)の基点からヒンジ用山形の溝部(7b)の中心部の支点の距離が長く形成され、その長短の差異が外部押え片の(8)と(9)の湾曲に先行動作と遅動作して、先行動作した外部押え片(8)は内側に湾曲し、遅動作した外部押え片(9)は外側に包むように湾曲して窄んだ形状になる。
特にこの外部押え片(8)と(9)が互いに重なり合って湾曲し花の蕾のように窄むような形態については、未だ従来の錠剤用緩衝材にないものであり、本発明の錠剤緩衝材は画期的なものを市場に提供することになる。
【0024】
図5は錠剤用緩衝材の外観の正面図を示すものであり、外部押え片等の形状を具体的に立体状に外観形状を詳細に示す図である。外部押え片は(8)(9)は錠剤用緩衝材を容器に挿入する迄の形態を示すもので同形状の略水平状に展開図を示す外観図である。
【0025】
図6は錠剤用緩衝材の外観の正面図を示すものであり、棒状のポール(12)を上方向に引き上げて外部押え片(8)(9)を湾曲さして、外部押え片(8)を内側にし、外部押え片(9)を外側に湾曲さして花弁が窄むような外観形状を示す図である。この花弁が窄むような形体の作動が可能になったことから容器の口内径や錠剤の充填量が多く錠剤上面から口上面までの空間が小さくても外部押え片の幅が大きく、外部押え片の複数が、例えば24枚、18枚、16枚、12枚、8枚、6枚、まで、複数の押え片が偶数であれば、最少枚数は6枚でも可能である。又 スリット巾を最小寸法、例えば金型の構造、材質や強度、耐摩耗性等によって可能まで小さくできる。通常寸法の0.5粍は可能である、これは外部押え片が容器の口内径寸法に規制されることなく緩衝材の設計が可能になったことである。
【0026】
図7は錠剤用緩衝材の容器に挿入する外観図と容器Bを断面して錠剤C上面との空間を本発明の錠剤用緩衝材Aを挿入を示す図である。外部押え片が湾曲して窄む形態からの展開する軌跡の動作は、錠剤用緩衝材が図示の状態で棒状のポール(13)を離すと、外部押え片が湾曲し窄んでいる形体から開放されると下部リブ(4)は弓なりに湾曲している形体から弾力性な復元力で下方向に傘状に展開して、錠剤上面を覆い被さるよう押圧する。この展開する軌跡動作は、仮に錠剤上面から口上面までの空間が従来通り大きい場合でもより効果的に活用できるものである。
【0027】
図8は錠剤用緩衝材Aを容器B内に挿入して錠剤C上面を隈なく押圧してキャップを閉めて装着した図である。錠剤用緩衝材の中央部の底部円盤(5)の上面に形成している筒型のポール(11)の上部縁面から、例えば3個3等分の矩形状のリブ(12)と中央部の棒状のポール(13)がキャップの内側のパッキン下面に接触して容器の慣性的衝撃に対しても対応でき構造と機能を備えた錠剤用緩衝材の装着を示す図である。
【実施例】
【0028】
図9に示す第二実施例の錠剤用緩衝材A1は、容器Bと容器B1の口内径が共通で胴内径が容器Bより小さい容器B1に対応する形態を示すもので、外部押え片の先端押え片は複数の山形の溝によって容易弾性変形ができるように構成されている。
図10に示すように、容器B1に錠剤用緩衝材A1が挿入され外部押え片の先端押え片は複数の山形の溝によって容易湾曲されて胴部内壁面に下方向に沿うように接触して対応することが出来る。
【0029】
本発明の錠剤用緩衝材Aは、容器に挿入する際に外部押え片が下方向に湾曲して窄む機能と構造を有しているので容器の口内径が小さい場合においても何ら口内径、頚長内壁に干渉しない形体であるため使用する対象容器の口内径等に対して普遍妥当性がある、フレキシブルな形体が拡大できる。
【0030】
本発明の錠剤用緩衝材Aは、容器の挿入が用意であり取出しにも容易な機能と構造である。外部押え片が湾曲し窄む作用が大きな特徴であって、現在までの錠剤用緩衝材では成しえなかった形体や機能が備わったものである。
【0031】
本発明の実施の形体及び実施例を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない 例えば本錠剤用緩衝材を取り出すための摘み用形体や棒状のポール等の形状については状況に応じて且つ効果を有する範囲内で適時変更して実施できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、医薬品の錠剤用容器や健康保健剤の錠剤用容器等に又一般錠剤用容器の内容物に対して未だ従来の緩衝材にない画期的な商品を製造販売し産業分野で有意義に活用し、普遍的に拡大して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】 本発明に係る錠剤用緩衝材の一実施例を示すもので、図2のイーイ線に沿った断面図である。
【図2】 上記緩衝材の底面図である。
【図3】 上記緩衝材の平面図である。
【図4】 上記緩衝材の使用時における各部の動作を示す断面図である。
【図5】 上記緩衝材の外観を示す正面図。
【図6】 上記緩衝材の使用時の外観を示す正面図。
【図7】 上記の緩衝材を容器内に挿入する状態を示す外観の正面図。
【図8】 上記の緩衝材を容器内に装着した状態を示す断面図。
【図9】 上記第2実施例の緩衝材A1を示す断面図。
【図10】 上記第2実施例の緩衝材A1の装着した状態を示す図。
【符号の説明】
【0034】
1 上部リング状中栓
2 上部縦リブ
3 中間リング
4 下部リブ
5 底部円盤
6 底部押え片
6a 縁部
6b ヒンジ用山形の溝
7 底部押え片
7a 縁部
7b ヒンジ用山形の溝
8 外部押え片
8a 付け根部分
8b 山形の溝
8c 先端押え片
9 外部押え片
9a 付け根部分
9b 山形の溝
9c 先端押え片
10 スリット
11 筒型のポール
12 複数の矩形状のリブ
13 棒状のポール
14 三角形状の補強リブ
A 緩衝材
A1 第2実施例の緩衝材
B 容器
B1 口内径が共通で胴内径が小さい容器
C 錠剤
D キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適当な弾力性を有する合成樹脂材料による成形品であって上部リング状中栓(1)の内径下部から中間リング(3)の上部縁面に複数の上部縦リブ(2)が等間隔で連結されてあり底部円盤(5)の外縁からスリット(10)を隔てて放射方向に複数の底部押え片(6)(7)の縁部(6a)(7a)と外部押え片(8)(9)の付け根部分(8a)(9a)と下部リブ(4)の下縁が連結的に形成されてあり、下部リブ(4)の上縁は中間リング(3)の下部縁面に連結されている形体であって、底部押え片(7)には、底部円盤(5)の外縁に近接した位置にヒンジ用山形の溝(7b)が設けてあり、一つ隔てた底部押さえ片(6)には、縁部(6a)に近接した位置にヒンジ用山形の溝(6b)を設け、底部押え片(6)の上面にヒンジ用山形の溝(6b)の中心位置から底部円盤(5)の上面に形成してある筒形のポール(11)の外周面に三角形状の補強リブ(14)を設けてあって、筒型のポール(11)の上部縁面から複数の矩形状のリブ(12)が連結されてあり、底部円盤(5)の中央部には棒状のポール(13)が形成されているポール付錠剤用緩衝材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−94486(P2008−94486A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300889(P2006−300889)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(592066583)
【Fターム(参考)】