説明

マイクロフォンカバー

【課題】通気性を担保しマイクロフォンの集音部に入力される音質を向上せしめると共に、雑菌や口臭などからマイクロフォンを保護する。また、短時間の間にマイクロフォンを清潔にする。
【解決手段】マイクロフォン4の集音部5と略同一形状に形成され、また、マイクロフォン4の集音部5に着脱自在に構成された和紙製の枠部材2の開口部6を、和紙製のカバー部材3で被覆する。カバー部材3は複数の和紙8を重畳して構成されており、それぞれの和紙8は枠部材2と分離可能に結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロフォンカバーに関する。詳しくは、マイクロフォンの集音部を被覆するマイクロフォンカバーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来からマイクロフォンはカラオケなど各種の用途に用いられている。
カラオケは、スピーカーから流れる伴奏に合わせて利用者がマイクロフォンを片手に歌うものであるが、使用されるマイクロフォンは、握り柄であるマイクロフォンのボディの先端に設けられたマイクロフォンの集音部を金属メッシュ製の丸いカバーで覆ったものが一般的である。
【0003】
しかし、歌うときにはマイクロフォンを口に近づけるために、利用者の雑菌や口臭などがマイクロフォンの集音部に付着し易く、非衛生的で病気を伝染させる原因の一つにもなっていた。
【0004】
そこで、マイクロフォンの集音部を外部から被覆するマイクロフォンカバーとして、例えば、特許文献1には布やスポンジ製の使い捨てカバーが開示されており、また、例えば、特許文献2には合成樹脂製のカバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3015859号
【特許文献2】特開平7−107584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、布やスポンジ製のマイクロフォンカバーの場合には、マイクロフォンの集音部に入力される音質が低下するといった問題が懸念される。また、合成樹脂製のマイクロフォンカバーの場合には、利用者の雑菌や口臭などからマイクロフォンを充分に保護できないといった問題が懸念される。
【0007】
更に、カラオケルームやカラオケスナック等では、多数の人が次々に歌うためにマイクロフォンを連続的に使用するといったことが考えられ、短時間の間にマイクロフォンの集音部を清潔にすることが求められるものの、特許文献1や特許文献2に記載されたカバーでは、使用済みのカバーを外し、その後に別のカバーを装着する必要があり、短時間の間にカバーの交換を行うことが困難である。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、通気性を担保しマイクロフォンの集音部に入力される音質を担保すると共に、雑菌や口臭などから充分にマイクロフォンを保護し、更には、短時間の間にマイクロフォンの集音部を清潔にすることが可能なマイクロフォンカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明のマイクロフォンカバーは、マイクロフォンの集音部と略同一形状に構成され、更に、同マイクロフォンの集音部に着脱自在に構成されると共に、所定の開口部を有する枠部材と、それぞれが前記枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成され、前記開口部を被覆する第1のカバー部材と、それぞれが前記枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成され、前記開口部のうち前記第1のカバー部材の被覆領域とは異なる領域を被覆する第2のカバー部材とを備える。
【0010】
ここで、枠部材がマイクロフォンの集音部と略同一形状に構成されたことによって、マイクロフォンの集音部に強固に固着することが可能となる。また、枠部材が所定の開口部を有することによって、マイクロフォンの集音部の集音性を阻害しにくく、マイクロフォンの集音部に入力される音質の低下を抑制することができる。
【0011】
更に、第1のカバー部材や第2のカバー部材で枠部材の開口部を被覆することによって、利用者の雑菌や口臭などからマイクロフォンを保護することができる。
【0012】
また、それぞれが枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して第1のカバー部材が構成されたことによって、最上層の和紙のみを枠部材から分離することで、第1のカバー部材が被覆する領域を清潔な状態とすることができる。同様に、第2のカバー部材についても、それぞれが枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成されたことによって、最上層の和紙のみを枠部材から分離することで、第2のカバー部材が被覆する領域を清潔な状態とすることができる。
【0013】
また、第1のカバー部材の被覆領域とは異なる領域を第2のカバー部材が被覆することによって、換言すると、第1のカバー部材と第2のカバー部材の被覆領域が異なることによって、必要最小限の和紙の分離を行うことが可能となる。
【0014】
具体的には、マイクロフォンの利用者の雑菌や口臭などが第1のカバー部材の被覆領域に付着した場合には、第1のカバー部材の最上層の和紙のみを分離すれば良く、マイクロフォンの利用者の雑菌や口臭などが第2のカバー部材の被覆領域に付着した場合には、第2のカバー部材の最上層の和紙のみを分離すれば良い。また、マイクロフォンの利用者の雑菌や口臭などが第1のカバー部材及び第2のカバー部材の双方の被覆領域に付着した場合には、第1のカバー部材の最上層の和紙及び第2のカバー部材の最上層の和紙を分離すれば良い。
【0015】
また、和紙は通気性に優れると共に、粉塵等のゴミや唾液を通しにくいといった機能を有しており、第1のカバー部材及び第2のカバー部材を和紙で構成することによって、マイクロフォンの集音部に入力される音質の低下を抑制すると同時に、マイクロフォンの集音部を清潔に保つことが可能となる。
【0016】
更に、第1のカバー部材や第2のカバー部材を構成する和紙に香料が含浸された場合には、利用者の口臭等をより効果的に抑制することが可能となる。
【0017】
また、枠部材が互いに着脱自在な第1の枠部材及び第2の枠部材を有して構成された場合には、マイクロフォンの集音部への取付性が向上し、多少複雑な形状のマイクロフォンの集音部に対しても容易に取り付けることができる様になる。
【0018】
更に、枠部材を和紙で製造した場合には、枠部材でマイクロフォンの集音部を被覆した領域についても、マイクロフォンの集音部に入力される音質の低下を抑制すると同時に、マイクロフォンの集音部を清潔に保つことが可能となり、より一層充分に高音質と清潔さの向上が実現できることとなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のマイクロフォンカバーでは、通気性を担保してマイクロフォンの集音部に入力される音質を担保すると共に、雑菌や口臭などから充分にマイクロフォンを保護することができ、更には、短時間の間にマイクロフォンの集音部を清潔にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用したマイクロフォンカバーの一例を説明するための模式図である。
【図2】本発明を適用したマイクロフォンカバーをマイクロフォンに取り付けた状態を説明するための模式図である。
【図3】カバー部材の変形例を説明するための模式図である。
【図4】本発明を適用したマイクロフォンカバーの一例の変形例を説明するための模式図である。
【図5】本発明を適用したマイクロフォンカバーの他の一例を説明するための模式図である。
【図6】本発明を適用したマイクロフォンカバーの変形例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.変形例
【0022】
<1.第1の実施の形態>
図1(a)は本発明を適用したマイクロフォンカバーの一例を説明するための模式図であり、図2は本発明を適用したマイクロフォンカバーをマイクロフォンに取り付けた状態を説明するための模式図である。
【0023】
ここで示すマイクロフォンカバー1は、和紙製の枠部材2と和紙製のカバー部材3(3a、3b、3c、3d)とから構成されており、枠部材2及びカバー部材3の双方に香料が含浸されている。なお、図2及び図4では、見やすさの便宜を図るために、カバー部材の図示は省略している。
【0024】
枠部材2は、マイクロフォン4の集音部5と略同一形状に構成されている。
本実施の形態では、集音部5の中央部分の直径が、上方部分や下方部分の直径よりも大きく構成されたマイクロフォン4に取り付けるために、枠部材2の中央部分の直径が枠部材2の上方部分の直径よりも大きくなる様に構成されている。
【0025】
なお、枠部材2をマイクロフォン4の上方側からマイクロフォン4の集音部5に嵌め入れることを考慮すると、枠部材2の下方部分はマイクロフォン4の集音部5が通過する程度の直径とする必要がある。
【0026】
また、枠部材2はマイクロフォン4の集音部5の全面を覆うのではなく、所定の開口部6を有して構成されている。更に、枠部材2はマイクロフォン4の集音部5に着脱自在に構成されている。
【0027】
ここで、本実施の形態では、枠部材2が和紙で形成されている場合を例に挙げて説明を行っているが、枠部材2はマイクロフォン4の集音部5と略同一形状に構成されることで、マイクロフォンカバー1をマイクロフォン4の集音部5に強固に固着することができれば充分であり、必ずしも和紙で形成される必要はない。但し、枠部材2が和紙で形成されることによって、より一層充分に高音質と清潔さの向上が実現することとなるために、カバー部材3のみならず、枠部材2をも和紙で形成される方が好ましい。
【0028】
また、枠部材2に設けられた所定の開口部6を被覆する様に、カバー部材3(3a、3b、3c、3d)が設けられている。カバー部材3(3a、3b、3c、3d)は、それぞれが独立している複数枚の和紙8を重畳して構成されており、それぞれの和紙8は枠部材2と分離可能に結合されている。
具体的には、枠部材2とそれぞれの和紙8との境界にはミシン目9が設けられている。
【0029】
ここで本実施の形態では、4つのカバー部材3(3a、3b、3c、3d)が設けられた場合を例に挙げて説明を行っているが、カバー部材3の数量は必ずしも4つである必要は無く、図3で示す様に、2つのカバー部材3(3e、3f)が設けられても良い。また、3つのカバー部材3や5つ以上のカバー部材3が設けられても良い。
【0030】
なお、枠部材2を構成する部材は、複数枚の和紙を重ねて強度を大きく(膜厚を大きく)しており、カバー部材3を構成する和紙8の強度(膜厚)よりも大きいこととなる。この様に、枠部材2を構成する部材の強度を大きくすることによって、枠部材2はマイクロフォン4の集音部5への強固な固着が実現することとなる。
【0031】
本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、図1(b)で示す様に、必要に応じてカバー部材3(3a、3b、3c、3d)の最上層の和紙8を分離することができるため、マイクロフォンの利用者の雑菌や口臭が付着した領域の和紙8を分離することが可能となり、極めて短時間でマイクロフォンの集音部を清潔な状態とすることが可能である。
【0032】
また、カバー部材3が4つに分離しているために、マイクロフォンカバーの全体に雑菌や口臭が付着した場合には全てのカバー部材(3a、3b、3c、3d)の最上層の和紙8を分離し、マイクロフォンカバーの一部のみに雑菌や口臭が付着した場合には該当する領域のカバー部材(例えば、3a)の最上層の和紙8のみを分離するといった対応が可能となる。
【0033】
更に、本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、枠部材2がマイクロフォン4の集音部と略同一形状に形成されているために、マイクロフォン4の集音部5に強固に固着することが可能である。また、枠部材2に開口部6が形成されているために、マイクロフォン4の集音部5の集音性を阻害することなく、高品位な音質を実現することができる。
【0034】
なお、図4で示す様に、マイクロフォンカバー1をマイクロフォン4の集音部5に装着した後に、和紙製の止め部材7で枠部材2の下方を止めることによって、枠部材2をより一層強固にマイクロフォン4の集音部5に固着することができる。
【0035】
<2.第2の実施の形態>
図5(a)は本発明を適用したマイクロフォンカバー1の他の一例を説明するための模式図である。
【0036】
ここで示すマイクロフォンカバー1は、和紙製の枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)と和紙製のカバー部材とから構成されており、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)の双方に香料が含浸されている。なお、図5(a)では、見やすさの便宜を図るために、カバー部材の図示を省略している。
【0037】
枠部材2は、第1の枠部材2A及び第2の枠部材2Bとで構成されている。また、枠部材2はマイクロフォン4の集音部5と略同一形状に構成されている。
【0038】
第1の枠部材2Aは、マイクロフォン4の上方側からマイクロフォン4の集音部5に装着可能に構成されている。また、第2の枠部材2Bは、マイクロフォン4の下方側からマイクロフォン4の集音部5に装着可能に構成されている。そして、マイクロフォン4の集音部5に装着された第1の枠部材2Aと第2の枠部材2Bとが連結されることとなる。
【0039】
また、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)は、マイクロフォン4の集音部5の全面を覆うのではなく、所定の開口部6を有して構成されている。更に、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)は、マイクロフォン4の集音部5に着脱自在に構成されている。
【0040】
ここで、本実施の形態では、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)が和紙で形成されている場合を例に挙げて説明を行っているが、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)はマイクロフォン4の集音部5と略同一形状に構成されることで、マイクロフォンカバー1をマイクロフォン4の集音部5に強固に固着することができれば充分であり、必ずしも和紙で形成される必要はない。但し、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)が和紙で形成されることによって、より一層充分に高音質と清潔さの向上が実現することとなるために、カバー部材3のみならず、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)をも和紙で形成される方が好ましい。
【0041】
また、図示は省略しているが、第1の枠部材2Aに設けられた所定の開口部6を被覆する様に、4つのカバー部材が設けられている。なお、カバー部材は、それぞれが独立している複数枚の和紙を重畳して構成されており、それぞれの和紙は第1の枠部材2Aと分離可能に結合されている。
【0042】
同様に、第2の枠部材2Bに設けられた所定の開口部6を被覆する様に、4つのカバー部材が設けられている。なお、カバー部材は、それぞれが独立している複数枚の和紙を重畳して構成されており、それぞれの和紙は第2の枠部材2Bと分離可能に結合されている。
【0043】
ここで、本実施の形態では、第1の枠部材2Aに4つのカバー部材が設けられた場合を例に挙げて説明を行っているが、第1の枠部材2Aに設けられるカバー部材の数量は必ずしも4つである必要はない。同様に、本実施の形態では、第2の枠部材2Bに4つのカバー部材が設けられた場合を例に挙げて説明を行っているが、第2の枠部材2Bに設けられるカバー部材の数量は必ずしも4つである必要はない。
【0044】
なお、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)を構成する部材は、複数枚の和紙を重ねて強度を大きく(膜厚を大きく)しており、カバー部材を構成する和紙の強度(膜厚)よりも大きいこととなる。この様に、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)を構成する部材の強度を大きくすることによって、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)はマイクロフォン4の集音部5への強固な固着が実現することとなる。
【0045】
本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、必要に応じてカバー部材の最上層の和紙を分離することができるため、マイクロフォンの利用者の雑菌や口臭が付着した領域の和紙を分離することが可能となり、極めて短時間でマイクロフォンの集音部を清潔な状態とすることが可能である。
【0046】
また、本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)がマイクロフォン4の集音部5と略同一形状に形成されているために、マイクロフォン4の集音部5に強固に固着することが可能である。また、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)に開口部6が形成されているために、マイクロフォン4の集音部5の集音性を阻害することなく、高品位な音質を実現することができる。
【0047】
また、本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、枠部材2が第1の枠部材2Aと第2の枠部材2Bとで構成され、マイクロフォン4の集音部5に各々別個に装着された後に、第1の枠部材2Aと第2の枠部材2Bとが連結可能に構成されているために、マイクロフォン4の集音部5への取付性が向上することとなる。
【0048】
更に、本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、枠部材2(第1の枠部材2Aと第2の枠部材2B)及びカバー部材が和紙で形成されているために、マイクロフォン4の集音部5に入力される音質の低下を抑制すると同時に、マイクロフォン4の集音部5を清潔に保つことができる。
【0049】
<3.第3の実施の形態>
図5(b)は本発明を適用したマイクロフォンカバー1の更に他の一例を説明するための模式図である。
【0050】
ここで示すマイクロフォンカバー1は、和紙製の枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)と和紙製のカバー部材とから構成されており、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)の双方に香料が含浸されている。なお、図5(b)では、見やすさの便宜を図るために、カバー部材の図示を省略している。
【0051】
枠部材2は、第1の枠部材2Aと第2の枠部材2Bとで構成されている。また、枠部材2は、マイクロフォン4の集音部5と略同一形状に構成されている。
【0052】
第1の枠部材2Aは、マイクロフォン4の一方側面(例えば、図5(b)では左側側面)からマイクロフォン4の集音部5に装着可能に構成されている。また、第2の枠部材2Bは、マイクロフォン4の他方側側面(例えば、図5(b)では右側側面)からマイクロフォン4の集音部5に装着可能に構成されている。そして、マイクロフォン4の集音部5に装着された第1の枠部材2Aと第2の枠部材2Bとが連結されることとなる。
【0053】
また、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)は、マイクロフォン4の集音部5の全面を覆うのではなく、所定の開口部6を有して構成されている。更に、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)は、マイクロフォン4の集音部5に着脱自在に構成されている。
【0054】
ここで、本実施の形態では、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)が和紙で形成されている場合を例に挙げて説明を行っているが、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)はマイクロフォン4の集音部5と略同一形状に構成されることで、マイクロフォンカバー1をマイクロフォン4の集音部5に強固に固着することができれば充分であり、必ずしも和紙で形成される必要はない。但し、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)が和紙で形成されることによって、より一層充分に高音質と清潔さの向上が実現することとなるために、カバー部材のみならず、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)をも和紙で形成される方が好ましい。
【0055】
また、図示は省略しているが、第1の枠部材2Aに設けられた所定の開口部6を被覆する様に、カバー部材が設けられている。なお、カバー部材は、それぞれが独立している複数枚の和紙を重畳して構成されており、それぞれの和紙は第1の枠部材2Aと分離可能に結合されている。
【0056】
同様に、第2の枠部材2Bに設けられた所定の開口部6を被覆する様に、カバー部材が設けられている。なお、カバー部材は、それぞれが独立している複数枚の和紙を重畳して構成されており、それぞれの和紙は第2の枠部材2Bと分離可能に結合されている。
【0057】
なお、第1の枠部材2Aや第2の枠部材2Bに設けられるカバー部材の数量は2以上であれば良く、特に数量を限定するものではない。
【0058】
また、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)を構成する部材は、複数枚の和紙を重ねて強度を大きく(膜厚を大きく)しており、カバー部材を構成する和紙の強度(膜厚)よりも大きいこととなる。この様に、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)を構成する部材の強度を大きくすることによって、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)はマイクロフォン4の集音部5への強固な固着が実現することとなる。
【0059】
本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、必要に応じてカバー部材の最上層の和紙を分離することができるため、マイクロフォンの利用者の雑菌や口臭が付着した領域の和裁を分離することが可能となり、極めて短時間でマイクロフォンの集音部を清潔な状態とすることが可能である。
【0060】
また、本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)がマイクロフォン4の集音部5と略同一形状に形成されているために、マイクロフォン4の集音部5に強固に固着することが可能である。また、枠部材2(第1の枠部材2A及び第2の枠部材2B)に開口部6が形成されているために、マイクロフォン4の集音部5の集音性を阻害することなく、高品位な音質を実現することができる。
【0061】
また、本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、枠部材2が第1の枠部材2Aと第2の枠部材2Bとで構成され、マイクロフォン4の集音部5に各々別個に装着された後に、第1の枠部材2Aと第2の枠部材2Bとが連結可能に構成されているために、マイクロフォン4の集音部5への取付性が向上することとなる。
【0062】
更に、本発明を適用したマイクロフォンカバー1では、枠部材2(第1の枠部材2Aと第2の枠部材2B)及びカバー部材が和紙で形成されているために、マイクロフォン4の集音部5に入力される音質の低下を抑制すると同時に、マイクロフォン4の集音部5を清潔に保つことができる。
【0063】
<4.変形例>
上記した第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、上方部分や下方部分の直径よりも中央部分の直径が大きく構成された集音部5を有するマイクロフォン4を例に挙げて説明を行っているが、マイクロフォン4の形状はいかなるものであっても良い。なお、その他のマイクロフォン4の形状としては、例えば、図6(a)や図6(b)に示す様なものが挙げられる。
【符号の説明】
【0064】
1 マイクロフォンカバー
2 枠部材
2A 第1の枠部材
2B 第2の枠部材
3 カバー部材
4 マイクロフォン
5 集音部
6 開口部
7 止め部材
8 和紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンの集音部と略同一形状に構成され、更に、同マイクロフォンの集音部に着脱自在に構成されると共に、所定の開口部を有する枠部材と、
それぞれが前記枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成され、前記開口部を被覆する第1のカバー部材と、
それぞれが前記枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成され、前記開口部のうち前記第1のカバー部材の被覆領域とは異なる領域を被覆する第2のカバー部材とを備える
マイクロフォンカバー。
【請求項2】
前記第1のカバー部材及び前記第2のカバー部材は、香料が含浸されて構成された
請求項1に記載のマイクロフォンカバー。
【請求項3】
前記枠部材は、互いに連結可能な第1の枠部材及び第2の枠部材とを有して構成されている
請求項1または請求項2に記載のマイクロフォンカバー。
【請求項4】
前記第1の枠部材はマイクロフォンの上方から同マイクロフォンの集音部に装着可能に、前記第2の枠部材はマイクロフォンの下方から同マイクロフォンの集音部に装着可能に構成されると共に、
マイクロフォンの集音部に装着された第1の枠部材及び第2の枠部材が連結可能に構成された
請求項3に記載のマイクロフォンカバー。
【請求項5】
前記第1の枠部材はマイクロフォンの一方の側方から同マイクロフォンの集音部に装着可能に、前記第2の枠部材はマイクロフォンの他方の側方から同マイクロフォンの集音部に装着可能に構成されると共に、
マイクロフォンの集音部に装着された第1の枠部材及び第2の枠部材が連結可能に構成された
請求項3に記載のマイクロフォンカバー。
【請求項6】
前記枠部材は、和紙製である
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載のマイクロフォンカバー。
【請求項7】
前記枠部材は、前記第1のカバー部材及び前記第2のカバー部材を構成する和紙よりも膜厚が大きく高強度である
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載のマイクロフォンカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−160953(P2012−160953A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19950(P2011−19950)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【特許番号】特許第4890649号(P4890649)
【特許公報発行日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(508245747)
【Fターム(参考)】