説明

マイクロプレート取り付けシステム及び検出方法

本発明は、光学式読取装置に対してマイクロプレートを取り付けて、マイクロプレートにおける問合わせビームの入射角度を制御するマイクロプレート取り付けシステムであり、マイクロプレートの底部及びスカートの一方又は双方に係合する少なくとも一組の取り付け機構要素を有する基準平面と、第1の位置決め機構とを含み、第1の位置決め機構は、マイクロプレートの底部及び/又はスカートと少なくとも一組の取り付け機構要素との間の係合を通じて、z方向においてマイクロプレートの相対的位置決めを可逆的に制御することによりマイクロプレートにおける問合わせビームの入射角度を制御するために、マイクロプレートの底部により形成された平面と読取装置との間にz方向に可逆的に所定の離隔距離を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、マイクロプレート取り付け(マウント)システム及び当該システムを製作および使用する方法に関する。
【0002】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2010年2月22日出願され、マーク フランシス クロルによる「MICROPLATE MOUNT SYSTEM AND SENSOR METHOD」と題する米国特許仮出願第61/306640号の恩典を請求しており、当該米国特許仮出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在のところ、既存の技術は、化学的および生物学的サンプル(試料)が関連付けられるマイクロプレートの表面上における特定の場所において、色、吸光度、強度(intensity:輝度)、及びフォトルミネセンスのような光度特性を測定するために様々な機器類を利用する。例えば、光学式読取装置は一般に、遺伝子研究、創薬、又は診断目的のような生物学的分野で使用され、アレイ構成で基板(例えば、ガラススライド)の表面上に一般に付着された数百または数千の化合物(例えば、DNA、オリゴヌクレオチド、タンパク質など)を検出する。多くの光度測定を行うためには、サンプルを保持するマイクロプレート及び光学デバイスの光ビームの適切な位置合わせ(アライメント)が必要なことは、当該技術分野で良く知られている。
【0004】
同様に、画像解析を行うために、光学スキャナ/読取装置および顕微鏡のような装置は、マイクロプレートの首尾一貫した正確な位置決めを提供するサンプル台を必要とする。更に、基板のサンプル表面上でセンサ、導波路格子または他の微小デバイスを利用する撮像装置に関して、光学部品と相関関係のある当該表面の位置合わせは、首尾一貫した測定に重要である。
【0005】
多くの光度測定機器は、多数の試験サンプルを準備するために、マルチサイトマイクロプレートを使用する。マイクロプレートは一般に、ガラス又はプラスチックでできた長方形の構造であり、それぞれがサンプル構成物質を保持するための複数のウェルを有する。プレート自体は一般に、安価で、安全で、頑丈であり、且つ扱いやすい。それらは使い捨てであるが、容易に清浄化されることができ、必要とあれば再使用され得る。
【0006】
アレイ表面上の化学的および生物学的サンプルのサイズが小さくなると共にサンプルの数が増加するにつれて、測定器に対するサンプルの位置合わせは、次第により重要になっている。現在および今後の創薬は、アレイ内の多数の試験場所に依存する。例えば、特定のタイプのレセプタとの結合事象に関して、特定のタンパク質配列を同定(特定)するために、できる限り多くの異なるタンパク質の順列にレセプタをさらすために、高密度のサンプルが必要とされる。従って、化学分析されるべきサンプルは、各場所が単一のサンプルを包含している多数の独立した場所の表面に位置される。標準的なマイクロプレートは一般に、長さ約127.76mm×幅85.48mmであり、96384個まで、もしくは1536個までの分析物を収容することができる。被分析物サンプルの小さいサイズ及び密な間隔という理由により、マイクロプレートのサンプルの表面は、測定装置に対して精密かつ繰り返して位置合わせされる必要があり、かくして測定装置がサンプルのエラーのない測定を行うことが可能になる。
【0007】
現在、標識を付加せずに分子種の結合を検出するためのシステムが開発されている。これらのシステムは使い捨てのマイクロプレートを利用し、係るマイクロプレートは、特定の場所に埋め込まれたセンサ、及びマイクロプレートのこれらの正確な位置を問合わせるための読取装置を有する。係るシステムで行われる分析の有用性は、分析のステップ間で相互作用される連続的な分析的観察を行うことに依存する。このように、生物学的または化学的分子間相互作用の発生(又は欠如)を明らかにする真の分析「前後」が、達成され得る。従って、分析の問合わせのために、台(ステージ)へ/上に組み込まれたマイクロプレートの反復可能で首尾一貫した位置合わせ及び/又は位置決めは、極めて重要であり、これら新たに開発されたシステムにより必要とされている。
【0008】
現在の測定プロトコルは、4つの主なステップを必要とする。即ち(1)最初の/バックグラウンド測定、(2)プレートの取り外し(さらなる分析ステップのために)、(3)プレートを読取装置へ再挿入、(4)2回目の測定、及び(5)最初と2回目の測定の比較である。マイクロプレートを正確な場所に配置した後、最初の測定値が、光度的/光学的機器により読み取られ得る。マイクロプレートが一旦取り外されて、その内容物の操作が完了すると、マイクロプレートの試験(検査)は、マイクロプレートの読取装置への正確な再位置決めに依存する。従って、2回目/最終の測定結果は、最初の測定ステップと2回目/最終の測定ステップとの間のマイクロプレートの位置におけるほんのわずかな変化、回転および/または並進運動により悪影響を受ける可能性がある。
【0009】
Corning, Incは、創薬ツールに基づいた無標識のマイクロプレートのEpic(登録商標)システムを開発して販売している。Epic(登録商標)技術は、共鳴導波路回折格子(RWG)センサの技術に基づいている。RWGセンサは、問合わせ光信号の入射角度に敏感であり、この結果、RWGセンサの問合わせ光信号の入射角度は、センサ及び読取装置システムの許容できる性能を達成するために十分に制御されなければならない。特定の市販のEpic(登録商標)システムにおいて、入射角度は、例えば高精度の台(ステージ)及び精密なプレートの嵌め込みを用いることにより制御されることができ、例えば、参照によりその全体を本明細書に組み込まれる米国特許出願公開2007/0020152号を参照されたい。これらの構成要素は、問合わせ光信号の入射角度の適切な制御を行うことができるが、必要とされる台は、高価であり、大きな物理的体積を占有し、周辺装置または補助装置のサービスに依存し、極めて平坦で安定した取付面に依存する可能性がある。問合わせ光信号の入射角度を制御するこれらの態様は、結果としてシステムのコスト及び複雑性を増加させる。
【0010】
発明の概要
本発明は、光学式読取装置に対してマイクロプレートを取り付けて、マイクロプレートにおける問合わせビームの入射角度を制御するマイクロプレート取り付けシステムであり、マイクロプレートの底部および/またはスカートに係合する少なくとも一組の取り付け機構要素を有する基準平面と、第1の位置決め機構とを含み、第1の位置決め機構は、マイクロプレートの底部及び/又はスカートと少なくとも一組の取り付け機構要素との間の係合を通じて、z方向においてマイクロプレートの相対的位置決めを可逆的に制御することによりマイクロプレートにおける問合わせビームの入射角度を制御するために、マイクロプレートの底部により形成された平面と読取装置との間にz方向に可逆的に所定の離隔距離を提供する。
【0011】
マイクロプレートが、取り付け機構要素との係合へと下降され得るか、又は取り付け機構要素がマイクロプレートの底部および/またはスカートとの係合へと上昇されることができ、基準平面は、読取装置からの所望のz方向の変位でマイクロプレートを位置決めするために、係合の前または後で上昇または下降され得る。
【0012】
マイクロプレート保持具が、第1の位置決め機構と協働して動作し、少なくともマイクロプレートが取り付け機構要素とのその係合を通じて変位する間に、取り付け機構要素の制御に対してマイクロプレートを開放する。保持具は、問合わせ動作中に、横方向の位置合わせを維持する必要がある時には、マイクロプレートを再把持することができる。
【0013】
第2の位置決めシステムが、問合わせのための位置へ基準平面に対して横方向にマイクロプレートを移動させるために利用され得る。かくして、第2の位置決めシステムは、読取装置が所与の時間にマイクロプレートの一部のみを問合わせすることができるシステムにおいて、問合わせビームに対して所望のx及びyの位置にマイクロプレートを移動させる。第2の位置決めシステムは同様に、マイクロプレートが取り付け機構要素に係合していない場合にマイクロプレートを移動させるために、第1の位置決めシステムと協働して動作する。ひとたび第2の位置決め機構がプレートを次ぎの問合わせ位置に移動するならば、第1の位置決め機構は、入射角度を制御するために、読取装置に対するプレートのz方向の変位を制御するために動作する。
【0014】
以下の本発明の説明は、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】取り付け機構要素を備え、光学式読取装置と組み合わされた読取装置開口を有する機械的基準平面を示す略図である。
【図2】嵌り込むマイクロプレートと共に、マイクロプレートのプレート下降機構を上昇位置または休止位置で示す略図である。
【図3】図2の嵌り込むマイクロプレートを、取り付け機構要素を備える基準平面上へ下げた下降位置または係合位置における下降機構を示す図である。
【図4】第1の嵌め込み位置におけるマイクロプレートを示す略図である。
【図5】リフト機構またはエレベータ機構により嵌め込み状態から持ち上げられ、光学式読取装置の上の基準平面の取り付け機構要素と係合した図4の嵌り込むマイクロプレートを示す図である。
【図6A】基準平面の取り付け機構要素に接触するためにマイクロプレートを可逆的に嵌め込むように適合された、基準平面と光学式読取装置との間のリフト機構を示す略図である。
【図6B】基準平面の取り付け機構要素に接触するためにマイクロプレートを持ち上げるように適合された、基準平面と光学式読取装置との間のリフト機構を示す略図である。
【図7】マイクロプレートの制限された部分に問合わせる開口を有する光学式読取装置の図である。
【図8】6個の取り付け機構要素を用いて4分の1プレート読取装置とプレートの動きを適応させるように構成された取り付けシステムの図である。
【図9】A〜Dは、図8の4分の1プレート光学式読取装置上の4つの異なる読み取り位置におけるマイクロプレートを概略的に示す図である。
【図10】読取装置の基準平面の凹みに納められる運動学的取り付け機構要素であり、両面運動学的挿入構成を有する例を示す図である。
【図11】嵌り込むマイクロプレートを上昇させるために読取装置の基準平面から伸長する取り付け機構要素を有する垂直可動または調整可能平面、及びマイクロプレートの相対的位置合わせ動作用のシャトルを有する例示的な取り付けシステムの斜視図である。
【0016】
例示的な実施形態の詳細な説明
本開示の様々な実施形態は図面に関連して詳細に説明される。様々な実施形態への参照は、本発明の範囲を制限せず、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。更に、本明細書に記載された任意の例は、制限せず、本発明の多くの可能な実施形態の幾つかを記載しただけである。
【0017】
定義
「マイクロプレート」、「プレート」、「マイクロアレイ」又は類似した用語は例えば、透明な基部、及び1つ又は複数のウェルを形成するために当該基部に取り付けられた穴あきのプレートを意味する。センサ素子は、必要に応じて1つ又は複数のウェルの底部に配置され、接触媒質がウェル内に配置されて、センサの表面近くの空間において選択された被分析物などの相互作用が検出され得る。本開示の装置およびその開示された様々な構成は、例えば任意の標準プレート又は特注のプレートを処理または取り扱うために使用され得る。プレートは、センサ素子を含む必要がない。
【0018】
「含む」又は類似した用語は、包含することを意味するが、包括的であること及び排他的でないことに制限されない。
【0019】
実施形態における「本質的に・・からなる」は、例えば開示された取り付けシステム又はその方法、物、デバイス、又は本開示の任意の装置を意味し、特許請求の範囲で列挙された構成要素またはステップに加えて、特定の構成要素、特定の機構、特定の物質、特定の使用条件、又は類似した構造、材料、又は選択されたプロセス変数のような、本開示の物、装置、又は製作および使用の方法の基本的で新規な性質に著しく影響を与えない他の構成要素またはステップを含むことができる。本開示の構成要素またはステップの基本的性質に著しく影響を与える可能性がある要素、又は本開示の態様に望ましくない特徴を与える可能性がある要素は、例えば、適切な入射ビームの角度制御、又は光学式読取装置に対するマイクロプレートの精密な垂直および水平の相対的移動を提供しない高価で巨大で又は複雑な機械的構成部品を含む。
【0020】
本明細書で使用されるような不定冠詞「a」又は「an」及びその対応する定冠詞「the」は、特別の定めのない限り、少なくとも1つ、或いは1つ又は複数を意味する。
【0021】
当業者によく知られている略語が使用され得る(例えば、時間に対して「h」又は「hr」、マイクロラジアンに対して「uRad」、ミリラジアンに対して「mRad」、ミリリットルに対して「mL」、ナノメートルに対して「nm」、及び類似した略語)。
【0022】
構成要素、サブシステム、システム、アセンブリ、時間、速度、及び類似した態様、及びその範囲に関する開示された特定の及び好適な値は、単なる例示のためであり、それらは他の定義された値または定義された範囲内の他の値を除外しない。本開示の装置および方法は、任意の値または当該値の任意の組み合わせ、特定値、より具体的な値、及び本明細書で説明される好適な値を有するそれらを含む。
【0023】
本開示の実施形態において、光学的または類似の読取装置システムの問合わせ光信号の入射角度の適切な制御を行うことに関するコスト及び複雑性の問題は、例えば、運動学的または他の取り付け機構要素を有するプレート取り付けシステム、及びプレートと読取装置との間の低精度または精密な相対運動により克服され得る。
【0024】
実施形態において、本開示は、無標識のマイクロプレートを用いる検出システム用の取り付けシステムを提供する。システムは、マイクロプレートのウェルの底部に位置する無標識センサにおける問合わせ光ビームの入射角度を制御するために、マイクロプレートと対応する読取装置との間で運動学的取り付け原理および低精度の相対運動を使用することができる。角度が制御される場合、プレートの横方向の移動は、比較的低精度のシャトルにより行われ得る。
【0025】
実施形態において、本開示は、1)高価で精密な機械的台およびプレートの嵌め込みの組み合わせを必要とせずに、センサにおける問合わせ光信号の入射角度を制御するための手段、及び2)利用可能なシステムと比べて、低コストで低複雑性であり運用の頑強性が大きいシステムを提供する。本システムは、例えば、低スループットの共鳴導波路回折格子の応用形態または類似した応用形態で使用され得る。
【0026】
実施形態において、本開示は、例えば、無標識のマイクロプレートを用いる検出システムで使用するための取り付け装置サブシステムを提供する。取り付けシステムは、マイクロプレートのウェルの底部に埋め込まれた又は当該底部に位置する無標識センサにおける問合わせ光信号の入射角度を制御するために、無標識のマイクロプレートと対応する光学式読取装置との間で運動学的または他の取り付け機構要素および低精度の相対運動を使用する。本開示の特に有用な態様は、システム及び方法が、精密な機械的台を必要とせずに、問合わせ光信号の入射角度の制御を行うことができる点である。実施形態において、センサにおける問合わせ光信号の入射角度は、法線入射、即ちマイクロプレートの平面に対して90度または垂直に位置決め又は維持され得る。実施形態において、センサにおける問合わせ光信号の入射角度は、例えば、マイクロプレートの平面に対して約80度から90度、約85度から約90度、及び約89度から約90度に位置決め又は維持されることができ、それらは中間の値および範囲を含む。
【0027】
実施形態において、本開示は、マイクロプレート取り付けシステムを提供し、そのシステムは、
底部を有するマイクロプレートと、
少なくとも一組の取り付け機構要素を有する基準平面と、
位置決め機構とを含み、その位置決め機構は、マイクロプレートの底部および/またはスカートと少なくとも一組の取り付け機構要素の1つとの間の係合を通じてz方向におけるマイクロプレートの相対的位置決めを可逆的に制御することにより、マイクロプレートにおける問合わせビームの入射角度を制御するために、マイクロプレートにおけるマイクロプレートの底部により形成された平面と読取装置との間にz方向に可逆的に所定の離隔距離を提供する。
【0028】
相対的な離隔の動作は、例えば、読取装置の方へ又は読取装置から離れるマイクロプレートの平面の垂直変位とすることができる。
【0029】
一組の取り付け機構要素は、基準平面に取り付けられた、球体、ピン、ビア、及び類似した要素、又はそれらの組み合わせのような3個から約10個の機構要素、5個から約8個の機構要素、及び6個から約7個の機構要素からなる。取り付け機構要素は、例えば基準平面から突出することができ、基準平面に部分的に埋め込まれることができ、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0030】
第1の位置決め機構は、例えば、少なくとも1つのカム、カンチレバー、スプリング、手動または自動エレベータ、ネジ駆動またはベルト駆動および/またはエンコーダを有する線形アクチュエータ、ステッピングモータ、及び類似の機構、又はそれらの組み合わせとすることができる。実施形態において、硬質の当たり止めが所望のマイクロプレートの位置に設置されることができ、ステッピングモータを用いて、当たり止めの1つに衝突するまでプレートを移動することができる。
【0031】
相対的な離隔の動作(z方向の変位運動)の機構は、例えば、基準平面に一体化する、プレート保持具に一体化する、マイクロプレート読取装置に一体化する、又はそれらの組み合わせとすることができる。これに関連して、「一体化」は例えば、取り付けられた又は接続された、及び類似した関係を意味する。システムは更に、例えば、マイクロプレートと基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせの運動(x−y平面の運動)、即ちプレート走査のための滑動または並進運動の動きを提供するオプションの第2の位置決め機構を含むことができる。
【0032】
実施形態において、マイクロプレートと基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせの運動(動き)を提供する第2の位置決め機構の方法と装置の例は、例えば、硬質の当たり止めを有する単純なスライド、及びステッピングモータとエンコーダを有するネジ駆動またはベルト駆動とすることができる。第2の位置決め機構の重要な局面は、横方向の移動が精密である必要がない点である。x−yの運動は精密である必要がない。その理由は、微小電気機械システムの走査方法がマイクロプレートを走査するビームに利用される場合に、当該システムが並進運動的に比較的鈍感であり、例えば、入射角度が十分に制御されている場合に約200μmの位置エラーが許容可能であるからである。
【0033】
マイクロプレートと基準平面の平面の相対的な横方向の位置合わせの動きは、例えば、単調和振動、複合調和振動のような振動、又は円形、楕円形、長方形のような並進運動および類似した運動、或いはそれらの組み合わせとすることができる。特に有用な運動は横方向の動きであり、即ち、例えば、図9に示された順序で示されるように、問合わせビームの開口の回りの単純な直線移動である。
【0034】
実施形態において、第2の位置決め機構は、光学式読取装置がマイクロプレートの基部を入射ビームで照射して、反射ビームからマイクロプレートの基部からの光を受け取ることを可能にする基準平面の開口の少なくとも一部の回りにマイクロプレートを移動させることができる。第1の位置決め機構は、マイクロプレートが問合わせのために様々な位置にいる際にマイクロプレートにおける所望の入射角度を維持する。
【0035】
一組の取り付け機構要素は例えば、挿入部材とすることができ、挿入部材は挿入部材の各面に少なくとも3個の取り付け機構要素を有し、挿入部材は基準平面とマイクロプレートとの間に位置している。実施形態において、挿入部材は例えば、挿入部材の片面または両面に6個の取り付け機構要素を有することができる。
【0036】
実施形態において、システムは更に、例えば、挿入部材上の少なくとも1つの取り付け機構要素を受容するように適合されたリセスを有する基準平面、挿入部材上の少なくとも1つの取り付け機構要素を受容するように適合されたリセスを有するマイクロプレート、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つを含むことができる。システムは更に、例えば、マイクロプレートと基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせの動きを提供する第2の位置決め機構を含むことができる。第2の位置決め機構は、基準平面の開口の少なくとも一部の回りにマイクロプレートを移動させることができる。
【0037】
実施形態において、本開示は、上述されたマイクロプレート取り付けシステムを使用する方法を提供し、その方法は例えば、
マイクロプレートの底部および/またはスカート並びに取り付け機構要素が係合されていない場合にマイクロプレートと基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせの動きを提供し、
横方向の動きが完了した場合に、入射角度を制御するためにマイクロプレートの底部および/またはスカート並びに取り付け機構要素を係合することを含む。
【0038】
位置決めは例えば、基準平面とマイクロプレートとの間の相対的な離隔距離を低減または増加することにより実現され得る。実施形態において、方法は更に、例えば、マイクロプレートと基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせの動き、即ち走査のための滑動または並進運動の動きを提供することを含むことができる。相対的な位置合わせの動きは、基準平面に平行な平面で、及び代案として又は追加として、基準平面の開口の回りに同心に又は長方形の偏心パターンでマイクロプレートを移動させることができる。追加として又は代案として、相対的な横方向の位置合わせの動きは、基準平面の開口の少なくとも一部の回りにマイクロプレートを移動させることができる。第1及び第2の位置決め機構は、横方向の移動を提供し、且つその後に問合わせのために必要な様々なマイクロプレートの位置において制御された入射角度を提供するように協働して動作する。
【0039】
実施形態において、方法は更に、例えば、マイクロプレートを基準平面に対して位置決めする保持具からマイクロプレートを取り外し、同じマイクロプレート又は異なるマイクロプレート(同じ作り又はモデルの)を保持具へ再挿入することを含むことができ、この場合、再挿入されるマイクロプレートの底部により表される平面の相対的なz方向の変位は、約1〜約500マイクロラジアン、約10〜約500マイクロラジアン、及び約30マイクロラジアン〜約300マイクロラジアンだけマイクロプレートの平面の元のレベルから変化する。
【0040】
実施形態において、開示された装置は、少なくとも3つの協働する構成要素、即ちマイクロプレート、一組の取り付け機構要素を備える機械的基準平面、及びマイクロプレートの底部と取り付け機構要素の係合を通じてマイクロプレートの底部と光学式読取装置との間の相対的なz方向の離隔距離を制御する機構を含む。必要に応じて、基準平面は、係合の後に移動し、読取装置に対してマイクロプレートを更に上昇または下降させる。
【0041】
基準平面は、例えば、光学式読取装置デバイス又は類似したデバイスを受容するように適合され得る。基準平面は更に、光学式読取装置デバイスからの光ビームを基準平面の開口を介して投射することを可能にするように適合され得る。光ビームは、マイクロプレートが基準平面と係合した際に、マイクロプレートのウェルの底部に位置する1つ又は複数のセンサに問合わせるために使用され得る。
【0042】
機械的基準平面は、問合わせ光学式読取装置に一体化される又は当該装置と統合され得る。図面を参照すると、図1は、光学式読取装置110、問合わせビーム112、一体型機械的基準平面115、及び取り付け(マウント)機構要素120を有する1つの例示的な取り付けシステムの略図を示す。一体型機械的基準平面115は、様々な形態をとることができる。実施形態において、基準平面は例えば、光学式読取装置に直接的に取り付けられる別個のプレートとすることができるか、又はより大きなアセンブリ又は機器の一部である取り付けプレートすることができる。特定の具現化形態とは関係なく、平面115は、光学式読取装置に対する機械的な基準を提供し、より具体的には、読取装置からの問合わせ光ビーム112に対する機械的基準平面を提供する。図示されたように、基準平面115は、光ビーム112が送られる読取装置開口212を含む。
【0043】
実施形態において、システムは、機械的基準平面上に配置された一組の取り付け機構要素120(例えば、ボールベアリング、ピン、バイア、及び類似した機構要素)を含む。また、図1は、マイクロプレートが載ることができる、球体(例えば、剛性の金属ボールなど)のような取り付け機構要素も示す。Epic(登録商標)無標識マイクロプレートの場合、運動学的ボールマウントが、マイクロプレートの挿入物の底部、又はマイクロプレートに取り付けられたスカートに接触する。これらの取り付け機構要素は、マイクロプレートの底部により表された平面を正確に繰り返して設定するために使用され得る。必要に応じて、3つより多い運動学的機構要素が使用され得るが、システムは、機械的に又は寸法的に過度に制約されるようになる可能性がある。運動学的取り付け機構要素は、図1に示されたボール以外の様々な形態、例えば円錐、ボール付きの円錐、ボール(単数または複数)付きの支柱、球状または丸められた先端を備える支柱、ピン、及び類似した構造をとることができる。
【0044】
実施形態において、システムは、図2及び図3に示されるように、フレーム又はスカート取り付け嵌め込み部材220或いは類似した機構または構成要素に取り付けられた受け225のような位置決めシステム機構または構成要素を含むことができ、当該機構または構成要素は、マイクロプレート210と光学式読取装置110との間の相対的な離隔距離を変更することができる。例えば、部材に対する受け225の単純な正反対の回転により、マイクロプレート210が、例えば取り付け機構要素120上へ下げられる。重要な局面は、マイクロプレート210が取り付け機構要素120上へ下げられた際に、もはやプレート210が、嵌め込み部材220により垂直方向またはz方向に必然的に拘束されないという点である。嵌め込み部材は依然としてマイクロプレートを横方向に拘束することができるが、それは、光学式システム(即ち、読取装置およびマイクロプレートのセンサ)の横方向の変位に対する感受性に依存して、マイクロプレートをそんなに拘束する必要がないかもしれない。
【0045】
図3に示されたような嵌め込み部材の下降載置機構を介して光学式読取装置上へマイクロプレートを可逆的に下降させることに対する代案は、図4及び図5に示されるように、嵌め込み部材からマイクロプレートを持ち上げるために、光学式読取装置を可逆的に上昇させることである。持ち上げ機構は、例えば、図面において機能的ボックスとして示されたエレベータ510とすることができる。
【0046】
代案として、持ち上げ機構は、例えば、基準平面だけが上昇し、その結果としてマイクロプレートを持ち上げる一方で、読取装置が静止した状態のままであるように、図6のカム620(下降位置で示された)及び622(上昇位置)のようなカム駆動とすることができる。代案として、持ち上げ機構は、基準平面へ一体化されてもよい。
【0047】
マイクロプレート下降機構およびマイクロプレート持ち上げ機構の様々な又は代案の具現化形態が、図3、図5、図6及び図10に示される。一方または双方の動作の重要な局面は、それらが無標識のマイクロプレートを嵌め込み部材の拘束から本質的に取り外し、周囲の機械的および移動サブシステムから生じる機械的乱れから無標識測定を切り離すことができる点である。
【0048】
開示されたシステムは、例えば、光学式読取装置110上で無標識マイクロプレート210を問合わせのために必要な位置に左右に動かす場合、精密な機械的台の必要性を取り除くことができる。この左右に動くことに対処するためには、様々なマイクロプレートの位置におけるz方向の変位を介して入射角度を制御するために、基準平面に追加の取り付け機構要素120を追加することだけが必要である。例えば、図7に示されるように、特定の読取装置110及び読取装置開口212が一度にマイクロプレート210の4分の1だけを読み出す、即ち単位時間当たりマイクロプレートのバイオセンサ領域の約4分の1だけを読み出すことができる状況を考察する。
【0049】
マイクロプレート210の全体を測定するために、マイクロプレートは、連続する4分の1のマイクロプレート領域を読取装置開口212と合致させて配置するために、例えば機械的台により移動することができる。開示されたシステムを使用せずに、台のみを用いてこの動きを達成する場合、台および周囲の機械的構成要素は、マイクロプレート上の問合わせ光信号の入射角度を、無標識測定の許容可能な性能を達成するために必要な許容誤差内に維持しなければならない。しかしながら、開示されたシステムが使用される場合、光学式読取装置に対するマイクロプレートの角度位置は、台および周囲の機械的構成要素から切り離され、入射角度は取り付け機構要素を介して制御される。従って、安価な台を用いて読取装置上でプレートを操作することができると同時に、高度の制御が、問合わせ光信号の入射角度にわたって維持される。これを達成するために、図8に示されたような追加の取り付け機構要素が、機械的基準平面上に必要とされ得る。
【0050】
図8は、4分の1プレート光学式読取装置に適合する構成を示す。機械的基準表面または機械的基準平面115は、6個の取り付け機構要素120を使用する。より多くの又はより少ない数の取り付け機構要素を使用する、及びマイクロプレート210の異なるサイズの領域にアクセスすることができる光学式読取装置に適合する他の構成が想定され得る。図8に示された6個の取り付け機構要素の構成により対処される4つのプレート位置が、図9A〜図9Dに示される。ここでは、任意の所与のマイクロプレート位置に対して、3個の取り付け機構要素だけが使用される。図9の4つのマイクロプレート位置のそれぞれにおいて、マイクロプレートは、前述した機構を介して問合わせ光信号の入射角度を設定するために、対応する取り付け機構要素上へ下げられるか又は持ち上げられる。本開示は、隆起した取り付け機構要素の機械的基準平面上の組み込みを含む。実施形態において、また、本開示は、凹型取り付け機構要素1015を基準平面に組み込むことも含む。実施形態において、両面運動学的挿入物1010が、図10に示されたような構成においてのように、配置され得る。
【0051】
実施形態において、図10の凹型取り付け機構要素および両面運動学的挿入物の組み合わせを含むことにより、マイクロプレート210が、前述した機構を介して問合わせ光信号の入射角度を設定するために、基準平面上の対応する凹型運動学的機構要素へ下降または上昇(例えば、持ち上げられる又は上方へ押される)されることができる。
【0052】
図11は、最大限の効果が得られるように取り付け機構要素120を配置した状態の、垂直に移動可能または調整可能な基準平面115を有する例示的な取り付けシステムの斜視図を示す。図示されたシステムにおいて、取り付け機構要素は、基準平面から上方に伸長するピンの形状である。エレベータ510が基準平面115を上昇させて取り付け機構要素をマイクロプレート210の底部213と係合させ、基準平面の開口(アパーチャ)212を介してマイクロプレートに問合わせる光学式読取装置からのマイクロプレートのz方向の変位を制御する。次いで、z方向の変位は、マイクロプレート210における光学式読取装置のビーム112の入射角度を制御する。
【0053】
保持具220は、エレベータ510による基準平面115の移動と協働してマイクロプレート210を把持および開放する。保持具220は、マイクロプレートを把持および開放するために使用されるスプリングクランプ215を含む。プレート開放機構520は、クランプ215を開く又は開放し、ひいてはマイクロプレート210を保持具220から開放するようにクランプ開放アーム214を動作させるために一方向に回転する開放カム(図示せず)を含む。開放カムは、クランプ215を適用し、ひいてはマイクロプレート210を保持具220へ把持するようにアーム214を導くために反対方向に回転する。しかし、クランプ215は、一方向または双方向に移動するために予備荷重される必要がないかもしれない。
【0054】
シャトル(図示せず)が、保持具220ひいてはマイクロプレート210を基準平面115に対して、図面のx及びyの矢印により示されるようなx及びyの方向に移動させるために既知の態様で動作する。シャトルが保持具220及びマイクロプレート210を問合わせのための所望の位置に移動させた場合、システムはエレベータ510と協働してプレート開放機構520を動作させ、その結果、保持具は、エレベータがマイクロプレート210の底部213に対して取り付け機構要素120(ここではピン)を係合および取り付け機構要素120を切り離すために基準平面115を上昇および下降させる際にマイクロプレートを開放および把持する。エレベータ510が基準平面115を上昇させてピンをマイクロプレート210の底部213と接触させると、システムは、スプリングクランプ215を制御するために開放カムを回転させて、保持具220からマイクロプレート210を開放する。次いで、マイクロプレート210のz方向の変位が、基準平面115の更なる移動、ひいてはピンとの接触を通じて制御される。基準平面115は、読取装置に対する所望の高さにマイクロプレート210を位置決めするように移動する。特に、システムは、読取装置の光学部品類の焦点に又は当該焦点付近にマイクロプレート210の底部213を位置決めし、ひいてはマイクロプレート210における問合わせビームの入射角度を制御する。
【0055】
次に、システムは、マイクロプレート210が保持具220により再び把持されるように、開放カムを回転させてクランプ215を動作させることができる。システムの許容誤差に依存して、ひとたびマイクロプレート210が取り付け機構要素120により係合されれば、保持具220によるマイクロプレート210の再把持は必要ないかもしれない。
【0056】
読取装置の光学部品類からのマイクロプレート210の底部213のz方向の変位、ひいてはマイクロプレート210における問合わせビームの入射角度を繰り返し制御するために、1つ又は複数の機械的当たり止め530がエレベータ機構に含められることができ、その結果、基準平面は、1つ又は複数の当たり止めが接触するまで上昇する。当たり止めは、図示されたような機械的な当たり止めとすることができ、又は代案として、当たり止めは、例えば、ステッピングモータの運動と関連付けられることができ、所定の開始位置からのステップカウントからなることができる。当たり止めを用いることにより、システムは、光学式読取装置110に対する所定の高さにマイクロプレート210の底部213を繰り返し位置決めして、マイクロプレート210における光学式読取装置の問合わせビーム112の入射角度を予想通りに繰り返し制御する。
【0057】
更に、基準平面115が光学式読取装置機構の幾何学的配置に平行であること、ひいては基準平面115がマイクロプレート210の問合わせのための最終位置にある場合に、ピンが読取装置機構に垂直であることを保証するために、変形可能な座金(図示せず)が基準平面115と基準平面に接触するエレベータ510の構成要素との間に含められ得る。
【0058】
光学式読取装置110が単一の走査位置からマイクロプレート210の全体に問合わせすることができる場合、取り付け機構要素120は、ウェルのアレイを取り囲むマイクロプレートの周辺部に対応するために、最大限の効果が得られるように基準平面115に配置される。かくして取り付け機構要素120は、光学式読取装置110によるウェルの問合わせを妨げない。最小限の3個の取り付け機構要素120は、マイクロプレート210の底面213により表された平面が光学式読取装置110の読み出し機構に平行に、且つマイクロプレート210における問合わせビーム112の入射角度を制御するために光学式読み出し機構に対する所定の高さに保持されるように、マイクロプレート210を位置決めする。説明されたように、マイクロプレート210は、取り付け機構要素120により、z方向に、読取装置の光学部品類の焦点距離に又は当該焦点距離の近くに位置決めされる。
【0059】
光学式読取装置110がマイクロプレート210の一部のみを問合わせすることができる場合、マイクロプレートが完全な問合わせのために開口212に対して移動しなければならない様々な位置においてマイクロプレート210に係合するために、4個以上の取り付け機構要素が必要とされる。図9に関連して上述されたように、取り付け機構要素120は、マイクロプレート210が読取装置110による問合わせのために様々な位置にある場合に、少なくとも3個の取り付け機構要素がマイクロプレート210の底部213と接触するように配列される。
【0060】
問合わせに対する個々の位置において開口212に対してマイクロプレート210を位置決めするために、シャトルが基準平面115に対して保持具220を移動させ、この例では、その移動はx及びy方向においてである。シャトルは、マイクロプレート210を把持する保持具220を移動させ、基準平面115が下降位置にある場合に取り付け機構要素120がマイクロプレート210の底部213から切り離されるように、シャトルはエレベータ510と協働して動作する。マイクロプレート210における光学式読取装置の問合わせビーム112の入射角度が取り付け機構要素120により制御されるので、シャトルは、読取装置110によるマイクロプレート210の問合わせの反復可能性に悪影響を及ぼさずに、比較的安価にすることができ、ひいては不正確であってもよい。例えば、シャトルは、200μmの精度、約3ミリラジアンのぐらつき、及び約30μmの解像度を有することができる。
【0061】
各位置において、システムは、入射角度を制御するために上述のように動作し、1つの位置において問合わせが完了した場合に、システムはマイクロプレートを次ぎの位置などに移動させることによりプロセスを繰り返す。
【0062】
図11のシステムにおいて取り付け機構要素120として利用されたピンは、マイクロプレート210の底部213に係合する先端が丸められて研磨され、その結果、ピンは、尖った先端を必要とせずに、本質的に点としてマイクロプレートの底部に係合する。特に、運動学的調整機構要素は必要ない。
【0063】
問合わせプロセスは、マイクロプレート210が保持具220から取り外されて交換された後で容易に及び確実に繰り返されることができ、その理由は、マイクロプレートにおける問合わせビームの所望の入射角度が上述した取り付けシステムを用いる任意の及び全てのマイクロプレート問合わせ位置において容易に繰り返し再現され得るからである。従って、取り付けシステムは特に、上述した問合わせの前と後を必要とするプロトコルと共に使用するために良好に適合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式読取装置に対してマイクロプレートを取り付けて、前記マイクロプレートにおける問合わせビームの入射角度を制御するマイクロプレート取り付けシステムであって、
底部およびスカートを有するマイクロプレートと、
少なくとも一組の取り付け機構要素を有する基準平面と、
位置決め機構とを含み、前記位置決め機構は、前記マイクロプレートの前記底部および前記マイクロプレートの前記スカートの一方または双方と前記少なくとも一組の取り付け機構要素の1つとの間の係合を通じて、z方向において前記マイクロプレートの相対的位置決めを可逆的に制御することにより前記マイクロプレートにおける前記問合わせビームの前記入射角度を制御するために、前記マイクロプレートの前記底部により形成された平面と前記読取装置との間に前記z方向に可逆的に所定の離隔距離を提供する、マイクロプレート取り付けシステム。
【請求項2】
前記一組の取り付け機構要素が、少なくとも3個の機構要素を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記位置決め機構は、前記マイクロプレートの前記底部および前記マイクロプレートの前記スカートの一方または双方が前記取り付け機構要素に係合するまで前記マイクロプレートを下降させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記位置決め機構が、前記取り付け機構要素と前記マイクロプレートの前記底部および前記マイクロプレートの前記スカートの一方または双方とを係合するように前記基準平面を上昇させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記位置決め機構が、前記マイクロプレートを上昇させるために前記基準平面を更に上昇させる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
保持具を更に含み、前記保持具が、
前記基準平面に対して前記マイクロプレートを位置決めするために前記マイクロプレートを把持し、
前記マイクロプレートの前記底部と前記取り付け機構要素とが係合する際に前記マイクロプレートを開放する、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記保持具は、前記マイクロプレートが前記z方向において前記読取装置から所定の離隔距離にある際に前記マイクロプレートを再把持する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記一組の取り付け機構要素が、前記基準平面に取り付けられた4個から10個の球体、ピン、ビア、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記取り付け機構要素が、前記基準平面に部分的に埋め込まれている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の位置決め機構が、カム、カンチレバー、スプリング、手動または自動エレベータ、線形アクチュエータ、ステッピングモータ、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の位置決め機構が、前記基準平面、前記保持具、前記読取装置、又はそれらの組み合わせに一体化されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記マイクロプレートと前記基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせの運動を提供する第2の位置決め機構を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の位置決め機構が、振動、円形、楕円形、長方形または単純な直線運動、或いはそれらの組み合わせのような相対的な横方向の位置合わせの運動を提供する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の位置決め機構が、前記基準平面の開口の少なくとも一部の回りに前記マイクロプレートを移動させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記一組の取り付け機構要素が挿入部材を含み、前記挿入部材が、前記挿入部材の各面に少なくとも3個の取り付け機構要素を有し、前記挿入部材が前記基準平面と前記マイクロプレートとの間に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記基準平面が前記挿入部材上の少なくとも1つの取り付け機構要素を受容するように適合されたリセスを有すること、
前記マイクロプレートが前記挿入部材上の少なくとも1つの取り付け機構要素を受容するように適合されたリセスを有すること、又は
それらの組み合わせの少なくとも1つを更に含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記マイクロプレートと前記基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせの運動を提供する第2の位置決め機構を更に含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の位置決め機構が、前記基準平面の開口の少なくとも一部の回りに前記マイクロプレートを移動させる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
請求項1に記載のマイクロプレート取り付けシステムを用いる方法であって、
前記マイクロプレートを前記基準平面に対して位置決めし、
前記マイクロプレートの前記底部と前記読取装置との間の前記z方向の前記離隔距離を制御することにより前記入射角度を制御するために、前記マイクロプレートの前記底部および前記マイクロプレートの前記スカートの一方または双方と前記一組の取り付け機構要素の少なくとも1つとを係合することを含む、方法。
【請求項20】
前記係合が、前記z方向において前記基準平面と前記マイクロプレートとの間の相対的な離隔距離を低減することにより達成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記マイクロプレートの前記底部および前記マイクロプレートの前記スカートの一方または双方と前記取り付け機構要素が係合していない場合に、前記マイクロプレートと前記基準平面との間に相対的な横方向の位置合わせ運動を提供し、
横方向の運動が完了した場合に、前記入射角度を制御するために前記マイクロプレートの前記底部および前記スカートの一方または双方と前記取り付け機構要素とを係合することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記相対的な横方向の位置合わせ運動が、前記基準平面に平行な平面において、前記基準平面の開口の回りに同心に又は長方形の偏心パターンで前記マイクロプレートを移動させる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記相対的な横方向の位置合わせ運動が、前記基準平面の開口の少なくとも一部の回りに前記マイクロプレートを移動させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記マイクロプレートが、保持具内の挿入および前記保持具を用いた移動を通じて位置決めされ、
前記マイクロプレートが、前記保持具から取り外されて及び前記保持具内へ再挿入され、
前記マイクロプレートは、前記再挿入されたマイクロプレートの前記底部および前記スカートの一方または双方と前記取り付け機構要素との再係合により前記読取装置に対して前記z方向に再位置決めされ、その結果、前記再挿入されたマイクロプレートの前記底部の相対的なレベルが、約1マイクロラジアンから約500マイクロラジアンだけ前記マイクロプレートの前記底部の元のレベルから変化する、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記マイクロプレート及び前記基準平面の一方または双方が、前記マイクロプレートの前記底部および前記スカートの一方または双方と前記取り付け機構要素とを係合するために移動する、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−520680(P2013−520680A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554999(P2012−554999)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2011/000317
【国際公開番号】WO2011/102909
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(510203304)パーキンエルマー ヘルス サイエンセズ インコーポレイテッド (3)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】