説明

マイクロリアクタ

【課題】光量のロスを少なくして試料に含まれる微量物質を高感度で測定する。光軸合わせを簡単に行う。
【解決手段】互いに先端面を突き合わされる第1及び第2のフェルール1A、1Bと、第3及び第4のフェルール1C、1Dとを備える。第1のフェルール1Aに試料供給用のマイクロチューブ11と光ファイバ12を固定する。第2のフェルール1Bに内面光反射型マイクロチューブ13の一端側を固定し、第3のフェルール1Cに内面光反射型マイクロチューブ13の他端側を固定する。第4のフェルール1Dに試料排出用のマイクロチューブ17と光ファイバ18を固定する。試料供給用マイクロチューブ11、第1の横流路6、内面光反射型マイクロチューブ13、第2の横流路6及び試料排出用マイクロチューブ17で構成される流路に試料を流通させ、光源側の光ファイバ12から内面光反射型マイクロチューブ13内の試料に光を入射し、試料内を通過した光を測定器側の光ファイバ18から出射して測定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中に含まれる微量物質を高感度で測定するマイクロリアクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
試料中に含まれる微量物質を高感度で測定するマイクロリアクタとしては、特許文献1〜3に次のようなものが開示されている。
【0003】
すなわち、特許文献1に開示されているマイクロリアクタは、透明基板にコ字形に形成された微細流路に、微量物質を含む試料(検液)を流すと共に、前記コ字形微細流路の中間の直線状微細流路に、一端側から流路方向に光を入射し、他端側から出射する光を検出して微量物質の測定を行うものである。
【0004】
また、特許文献2に開示されているマイクロリアクタは、透明基板にコ字形に形成された微細流路に、微量物質を含む試料を流すと共に、前記コ字形微細流路の中間の直線状微細流路に、一端側から透明基板の板厚方向に対し斜めに光を入射し、透明基板の上面及び下面で光を反射させることにより前記微細流路を複数回横切らせ、他端側から出射する光を検出して微量物質の測定を行うものである。
【0005】
また、特許文献3に開示されているマイクロリアクタは、透明基板にコ字形に微細流路を形成すると共に、このコ字形微細流路の中間の直線状微細流路の両側に平行に空隙部を形成し、前記コ字形微細流路に微量物質を含む試料を流すと共に、前記コ字形微細流路の中間の直線状微細流路に、一端側から流路方向に対し斜めに光を入射し、透明基板内の前記空隙部の微細流路側の面で光を反射させることにより前記微細流路を複数回横切らせ、他端側から出射する光を検出して微量物質の測定を行うものである。
【0006】
【特許文献1】特開2005−31048号公報
【特許文献2】特開2005−91168号公報
【特許文献3】特開2005−91169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらのマイクロリアクタは、透明基板の外部から光を入射し、透明基板の外部で光を検出する方式であるため、光源から出た光は透明基板の一部を透過して試料に入り、試料内を通過した後、透明基板の一部を透過して受光部に受光されることになる。その結果、光が透明基板の一部を透過する箇所で光量のロスが発生するので、感度を高めることが困難である。
【0008】
また、微量物質の測定感度を高めるためには、光路長を長くする必要があるが、特許文献1記載のマイクロリアクタは、光路長を長くすると、透明基板が大型化するという難点がある。一方、特許文献2、3記載のマイクロリアクタは、光を反射させて微細流路を複数回横切らせることにより、光路長を長くしているが、この方式では、光が反射するときに必ず透明基板の一部を透過することになり、反射回数が多くなればなるほど光量のロスが多くなるので、やはり感度を高めることが困難である。
【0009】
また、透明基板の外部から光を入射し、透明基板の外部で光を検出する方式では、光源と、透明基板の微細流路と、受光部との光軸合わせが困難であり、光軸のわずかなズレにより測定誤差が生じやすいという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、光量のロスを少なくして、試料に含まれる微量物質を高感度で測定できると共に、光軸合わせも簡単に行えるマイクロリアクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るマイクロリアクタは、
平行な位置決めピンにより軸線方向にのみ相対的に変位可能に位置決めされて互いに先端面を突き合わされる第1及び第2のフェルールと、同じく平行な位置決めピンにより軸線方向にのみ相対的に変位可能に位置決めされて互いに先端面を突き合わされる第3及び第4のフェルールとを備え、
前記第1のフェルールには、試料供給用のマイクロチューブ及び光ファイバが、各々の端面を当該フェルールの先端面に露出させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第2のフェルールには、試料の流路となる内面光反射型マイクロチューブの一端側が、その端面を当該フェルールの先端面に露出させて、かつ前記第1のフェルールの光ファイバと軸線を一致させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第3のフェルールには、前記内面光反射型マイクロチューブの他端側が、その端面を当該フェルールの先端面に露出させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第4のフェルールには、試料排出用のマイクロチューブ及び光ファイバが、各々の端面を当該フェルールの先端面に露出させて、かつ当該光ファイバが前記第3のフェルールの内面光反射型マイクロチューブと軸線を一致させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第1及び第2のフェルールの先端面の間には、試料供給用のマイクロチューブから供給された試料を外部に漏出させることなく内面光反射型マイクロチューブに導入する第1の横流路が設けられており、
前記第3及び第4のフェルールの先端面の間には、内面光反射型マイクロチューブから流出した試料を外部に漏出させることなく試料排出用のマイクロチューブに導入する第2の横流路が設けられており、
前記試料供給用マイクロチューブ、第1の横流路、内面光反射型マイクロチューブ、第2の横流路及び試料排出用マイクロチューブで構成される流路に試料を流通させ、前記第1のフェルール側の光ファイバ及び第4のフェルール側の光ファイバの、一方の光ファイバから内面光反射型マイクロチューブ内の試料に光を入射し、他方の光ファイバから当該試料内を通過した光を出射して測定を行うことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係るマイクロリアクタは、前記第2のフェルールと第3のフェルールの間の内面光反射型マイクロチューブがループ状、8字状又はU字状等に曲げた状態に保持されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係るマイクロリアクタは、前記第2のフェルールと第3のフェルールが一体に形成されているものであってもよい。
【0014】
また、本発明に係るマイクロリアクタにおいて、前記第1の横流路は、第1及び第2のフェルールの先端面間に介在させたシール材に形成された開口又は両フェルールの先端面の少なくとも一方に形成された凹部で構成されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るマイクロリアクタにおいて、前記第2の横流路は、第3及び第4のフェルールの先端面間に介在させたシール材に形成された開口又は両フェルールの先端面の少なくとも一方に形成された凹部で構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光を入射する側及び出射する側の光ファイバの先端面がそれぞれ、試料の流路内に露出するため、光源からの光を光ファイバにより低損失で試料に入射できると共に、試料内を通過した光を光ファイバにより低損失で受光部に受光させることができる。その上、試料流路及び光路を構成するマイクロチューブは内面光反射型であるため、試料に入射された光は内面光反射型マイクロチューブの内面で反射しながら試料中を通過することになる。したがって光量のロスが少なく、高感度で試料に含まれる微量物質の測定を行うことができる。
【0017】
また、光ファイバを挿通固定したフェルールと内面光反射型マイクロチューブを固定したフェルールとは、平行な位置決めピンにより同一軸線上に位置決めされるようになっているため、光ファイバと内面光反射型マイクロチューブの光軸を簡単にかつ正確に一致させることができ、測定誤差を少なく抑えることができる。
【0018】
また、測定感度を高めるためには、内面光反射型マイクロチューブを長くして、光路長を長くすることで対応できる。内面光反射型マイクロチューブを長くしても、各フェルールを大きくする必要はなく、また長い内面光反射型マイクロチューブはループ状又はU字状等に曲げた状態に保持すればスペースをとらないので、マイクロリアクタの大型化を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<実施形態1> 図1は本発明に係るマイクロリアクタの一実施形態を示す。図において、1A、1Bは互いに先端面を突き合わされる第1及び第2のフェルール、1C、1Dは互いに先端面を突き合わされる第3及び第4のフェルール、1E、1Fは互いに先端面を突き合わされる第5及び第6のフェルールを示す。
【0020】
第1のフェルール1Aと第2のフェルール1Bにはそれぞれ、幅方向に所定の間隔をあけて軸線方向に2本の平行なピン穴2P、2Qが形成されている。第1のフェルール1Aと第2のフェルール1Bは、片側のピン穴2P、2Pに跨るように位置決めピン3Pを挿入し、反対側のピン穴2Q、2Qに跨るように位置決めピン3Qを挿入することにより、軸線方向にのみ相対的に変位可能に位置決めされて(つまり軸線を一致させて)、互いに先端面を突き合わされるようになっている。両フェルール1A、1Bの先端面の間には液漏れ防止用のシール材4を介在させてある。シール材4はゴム製で、図2に示すように、フェルールと同じ位置にピン穴5P、5Qを形成すると共に、ピン穴5P、5Qの間に後述する横流路用の開口6を形成したものである。
【0021】
第3のフェルール1Cと第4のフェルール1Dも同様に、2本の平行なピン穴2P、2Qが形成され、ピン穴2P、2Pに跨って位置決めピン3Pを、ピン穴2Q、2Qに跨って位置決めピン3Qを挿入することにより位置決めされ、互いに先端面を突き合わされるようになっている。両フェルール1C、1Dの先端面の間にも図2に示すシール材4を介在させてある。
【0022】
第1のフェルール1Aの2本のピン穴2P、2Qの間には、試料供給用のマイクロチューブ11及び光源側の光ファイバ12が、各々の端面を当該フェルール1Aの先端面に露出させて軸線方向に挿通固定されている。マイクロチューブ11としては樹脂被覆された石英ガラスチューブを用いるとよい。マイクロチューブ11の内径は例えば100μm程度である。
【0023】
また、第2のフェルール1Bの2本のピン穴2P、2Qの間には、試料の流路となる内面光反射型マイクロチューブ13の一端側が、その端面を当該フェルール1Bの先端面に露出させて、かつ前記第1のフェルール1Aの光ファイバ12と軸線を一致させて軸線方向に挿通固定されている。内面光反射型マイクロチューブ13としては内面平滑なステンレスチューブを用いるとよい。内面光反射型マイクロチューブ13の内径は例えば100μm程度である。
【0024】
シール材4の開口6は、その中にマイクロチューブ11、光ファイバ12及びマイクロチューブ13の端面が位置する大きさに形成されている。この開口6は、試料供給用のマイクロチューブ11から供給された試料を内面光反射型マイクロチューブ13に導入する第1の横流路を構成している。
【0025】
第1のフェルール1Aには、図3に示すように、上面からマイクロチューブ11及び光ファイバ12の挿通孔に達する凹部14が形成されており、マイクロチューブ11及び光ファイバ12は、この凹部14に充填された接着剤15によりフェルール1Aに固定されている。第2のフェルール1Bにも同様に、上面からマイクロチューブ13の挿通孔に達する凹部14が形成されており、マイクロチューブ13は、この凹部14に充填された接着剤15によりフェルール1Bに固定されている。第1のフェルール1Aと第2のフェルール1Bは、図3に示すように、板バネからなる弾性クリップ16で後端面を押圧され、先端面を突き合わせた状態に保持される。
【0026】
第3のフェルール1Cの2本のピン穴2P、2Qの間には、前記内面光反射型マイクロチューブ13の他端側が、その端面を当該フェルール1Cの先端面に露出させて軸線方向に挿通固定されている。また、第4のフェルール1Dの2本のピン穴2P、2Qの間には、試料排出用のマイクロチューブ17及び測定器側の光ファイバ18が、各々の端面を当該フェルール1Dの先端面に露出させて、かつ光ファイバ18が第3のフェルール1C側の内面光反射型マイクロチューブ13と軸線を一致させて軸線方向に挿通固定されている。マイクロチューブ17及び光ファイバ18は第1のフェルール1A側のマイクロチューブ11及び光ファイバ12と同じ構成である。マイクロチューブ13、17及び光ファイバ18の端面はシール材4の開口6内に位置している。このシール材4の開口6は、内面光反射型マイクロチューブ13から流出した試料を試料排出用マイクロチューブ17に導入する第2の横流路を構成している。
【0027】
第3のフェルール1Cへのマイクロチューブ13の固定方法、第4のフェルール1Dへのマイクロチューブ14及び光ファイバ15の固定方法は第1及び第2のフェルール1A、1Bの場合と同じである。また、第3及び第4のフェルール1C、1Dも図3に示すような弾性クリップ16で端面突合せ状態を保持される。
【0028】
以上のように構成されたマイクロリアクタにおいて、第1のフェルール1A側のマイクロチューブ11から試料を供給すると、試料は、第1の横流路(シール材4の開口6)、内面光反射型マイクロチューブ13、第2の横流路(シール材4の開口6)及び試料排出用マイクロチューブ17を通って外部に排出される。一方、第1のフェルール1A側の光ファイバ12から光を入射すると、光は流路内を流れる試料に直接入射され、内面光反射型マイクロチューブ13の内面で全反射を繰り返しながら試料中を進み、第4のフェルール1D側の光ファイバ18を通って測定器(分光光度計等)で受光され、試料中に含まれる微量物質の測定が行われる。
【0029】
測定感度を高めるためには、内面光反射型マイクロチューブ13の長さを長くして、光路長を長くすればよい。光路長を長くするために第2フェルール1Bと第3のフェルール1C間の内面光反射型マイクロチューブ13が長くなる場合は、その区間の内面光反射型マイクロチューブ13をループ状、8字状又はU字状等に曲げた状態に保持しておくとよい。このようにすれば、スペースをとらないので、マイクロリアクタの大型化を回避することができる。
【0030】
なお、光は、第4のフェルール1D側の光ファイバ18から入射し、第1のフェルール1A側の光ファイバ12で受光するようにしてもよい。また、光ファイバ12及び18の端面には、集光のため、非球面レンズを配置するとよい。
【0031】
この実施形態では、試料供給用のマイクロチューブ11の上流側が、第5のフェルール1Eと第6のフェルール1Fで構成される試料合成部21に接続されている。第5及び第6のフェルール1E、1Fも、第1及び第2のフェルール1A、1Bと同様、2本の平行なピン穴2P、2Qに位置決めピン3P、3Qを挿入することにより位置決めされて、互いに先端面を突き合わされるようになっている。両フェルール1E、1Fの先端面の間には図2に示すシール材4を介在させてある。
【0032】
第5のフェルール1Eの2本のピン穴2P、2Qの間には、試料合成用原料を供給する複数本(図示の例では2本)のマイクロチューブ22P、22Qが、各々の端面を当該フェルール1Eの先端面に露出させて、軸線方向に挿通固定されている。また、第6のフェルール1Fの2本のピン穴2P、2Qの間には、試料供給用のマイクロチューブ11の上流側の端部が、その端面を当該フェルール1Fの先端面に露出させて、軸線方向に挿通固定されている。マイクロチューブ11、22P、22Qの端面はシール材4の開口6内に位置している。このシール材4の開口6は、マイクロチューブ22P、22Qから供給された原料を合流させて試料供給用マイクロチューブ11に送り込む第3の横流路を構成している。マイクロチューブ11に送り込まれた原料はマイクロチューブ11内を流れる過程で合成され、測定試料となって、第1と第2のフェルール1A、1Bの間の第1の横流路(開口6)に供給される。
【0033】
<実施形態2> 図4は本発明の他の実施形態を示す。このマイクロリアクタは、図1に示すマイクロリアクタの、第2のフェルール1Bと第3のフェルール1Cを一体に形成したものである。内面光反射型マイクロチューブ13の長さが短くてもよい場合は、このような構成にすることもできる。上記以外の構成は図1に示すマイクロリアクタと同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0034】
<実施形態3> 図5は本発明のさらに他の実施形態を示す。このマイクロリアクタは、第1及び第2のフェルール1A、1Bの先端面に形成した凹部23により第1の横流路を構成し、第3及び第4のフェルール1C、1Dの先端面に形成した凹部23により第2の横流路を構成したものである。このようにすると、シール材を省略することができる。なお、凹部23は、いずれか一方のフェルールの先端面にのみ形成してもよい。上記以外の構成は図1に示すマイクロリアクタと同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るマイクロリアクタの一実施形態を示す断面図。
【図2】図1のマイクロリアクタに使用するシール材を示す、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線断面図。
【図3】図1のマイクロリアクタにおける第1及び第2のフェルールの結合状態を示す、(A)は平面図、(B)は一部切開正面図、(C)は底面図、(D)は側面図。
【図4】本発明に係るマイクロリアクタの他の実施形態を示す断面図。
【図5】本発明に係るマイクロリアクタのさらに他の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
【0036】
1A〜1F:フェルール
2P、2Q:ピン穴
3P、3Q:位置決めピン
4:シール材
5P、5Q:ピン穴
6:横流路用の開口
11:試料供給用マイクロチューブ
12:光源側光ファイバ
13:内面光反射型マイクロチューブ
17:試料排出用マイクロチューブ
18:測定器側光ファイバ
21:試料合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な位置決めピンにより軸線方向にのみ相対的に変位可能に位置決めされて互いに先端面を突き合わされる第1及び第2のフェルールと、同じく平行な位置決めピンにより軸線方向にのみ相対的に変位可能に位置決めされて互いに先端面を突き合わされる第3及び第4のフェルールとを備え、
前記第1のフェルールには、試料供給用のマイクロチューブ及び光ファイバが、各々の端面を当該フェルールの先端面に露出させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第2のフェルールには、試料の流路となる内面光反射型マイクロチューブの一端側が、その端面を当該フェルールの先端面に露出させて、かつ前記第1のフェルールの光ファイバと軸線を一致させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第3のフェルールには、前記内面光反射型マイクロチューブの他端側が、その端面を当該フェルールの先端面に露出させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第4のフェルールには、試料排出用のマイクロチューブ及び光ファイバが、各々の端面を当該フェルールの先端面に露出させて、かつ当該光ファイバが前記第3のフェルールの内面光反射型マイクロチューブと軸線を一致させて軸線方向に挿通固定されており、
前記第1及び第2のフェルールの先端面の間には、試料供給用のマイクロチューブから供給された試料を外部に漏出させることなく内面光反射型マイクロチューブに導入する第1の横流路が設けられており、
前記第3及び第4のフェルールの先端面の間には、内面光反射型マイクロチューブから流出した試料を外部に漏出させることなく試料排出用のマイクロチューブに導入する第2の横流路が設けられており、
前記試料供給用マイクロチューブ、第1の横流路、内面光反射型マイクロチューブ、第2の横流路及び試料排出用マイクロチューブで構成される流路に試料を流通させ、前記第1のフェルール側の光ファイバ及び第4のフェルール側の光ファイバの、一方の光ファイバから内面光反射型マイクロチューブ内の試料に光を入射し、他方の光ファイバから当該試料内を通過した光を出射して測定を行うことを特徴とするマイクロリアクタ。
【請求項2】
前記第2のフェルールと第3のフェルールの間の内面光反射型マイクロチューブがループ状、8字状又はU字状等に曲げた状態に保持されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロリアクタ。
【請求項3】
前記第2のフェルールと第3のフェルールが一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロリアクタ。
【請求項4】
前記第1の横流路は、第1及び第2のフェルールの先端面間に介在させたシール材に形成された開口又は両フェルールの先端面の少なくとも一方に形成された凹部で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロリアクタ。
【請求項5】
前記第2の横流路は、第3及び第4のフェルールの先端面間に介在させたシール材に形成された開口又は両フェルールの先端面の少なくとも一方に形成された凹部で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロリアクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−249385(P2008−249385A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88353(P2007−88353)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】