説明

マイクロ波照射用容器

【課題】ディポーザブル内部容器とマイクロ波への耐性を有した外部容器とを組合せることにより、極低濃度分析を、大量・迅速に行うことを目的とする。
【解決手段】重金属の混入が制御された材質からなり上部に開口1aを有する有底のディスポーザブル内部容器1と、非導電性かつ耐熱性の材質からなる上部に開口2aを有し、内部容器1を収容する外部容器2と、内部及び外部容器1、2に嵌合される破裂防止用シール部材3とを含んで構成され、破裂防止用シール部材3が、孔5aを有しかつ内部容器1の開口1aに嵌合される内蓋5と、圧力により破裂し得る材質からなるフィルム6と、貫通孔7aを有する蓋部材7と、蓋部材7を内部容器1の開口1aに圧接するための外蓋8とから構成されるマイクロ波照射用分析容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波照射用容器に関し、より詳細には、極低濃度分析が可能で、かつ、大量のサンプルを迅速に処理するのに適したマイクロ波照射用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境・健康意識の高まりにより、土壌や食品等の分析において、ppb〜pptレベルの極低濃度の検出が求められているとともに、大量のサンプルを迅速に処理することが求められている。
このような低濃度の分析にあたっては、分析器具、洗浄過程の汚染等が分析の妨害となるため、微量分析用に厳格なレベルで管理されたディスポーザブルの器具を用いることが一般に行われている。
このような用途に用いられる器具として、例えば、メタルフリーのポリプロピレンからなるDigiTUBE(SCPサイエンス社製)が知られている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
一方、分析及び試料の前処理等の過程でマイクロ波を照射したい場合には、ポリプロピレン製の容器は変形、破損するため、そのまま使用することはできない。
従って、このような用途に対しては、例えば、「マイクロウェーブベッセルNano-Band MVシリーズ」(ジーエルサイエンス社)が提供されている(例えば、非特許文献2)。
【0004】
この容器は、電子レンジを利用して固形試料のマイクロ波加熱分解を実現する密閉型分解容器として製造されており、この容器を用いて分析する場合には、まず、フッ素樹脂製の密封容器の中に、さらにフッ素樹脂製の内部小容器を設置し、この内部小容器の中に土壌等の固形試料を入れる。
【0005】
【非特許文献1】SCPサイエンス社ホームページ、DigiTUBEカタログ、[2006年8月23日検索]、インターネット<http://www.scpscience.com/products/Digestion/digitubes.asp>
【非特許文献2】ジーエルサイエンス社、Nano-Band MVシリーズカタログ、[2006年8月23日検索]、インターネット<http://www.gls.co.jp/product/catalog-28/02/26.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この内部小容器はディスポーザブルではなく、毎回洗浄して使う必要があり、洗浄が煩雑で大量のサンプルを処理するには向かない。また、洗浄過程によって汚染されることがあり、この汚染によって正確な測定が困難であるという問題があった。
本発明は、試料を収納するディポーザブル内部容器とマイクロ波への耐性を付与した外部容器とを組み合わせることにより、極低濃度分析が可能で、かつ、大量のサンプルを迅速に処理することができるマイクロ波照射用分析容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のマイクロ波照射用分析容器は、重金属の混入が制御された材質によって形成され、上部に開口を有する有底のディスポーザブル内部容器と、
非導電性かつ耐熱性の材質によって形成され、上部に開口を有し、前記内部容器を収容する外部容器と、
前記内部容器及び外部容器に嵌合される破裂防止用シール部材とを含んで構成され、
該破裂防止用シール部材が、孔を有しかつ内部容器の開口に嵌合される内蓋と、圧力により破裂し得る材質によって形成されたフィルムと、貫通孔を有する蓋部材と、該蓋部材を内部容器の開口に圧接するための外蓋とから構成されてなることを特徴とする。
【0008】
このマイクロ波照射用分析容器において、内部容器は、ポリオレフィン又はポリスチレンにより形成されていることが好ましい。
外部容器は、その底部に内部容器の外径よりも小さい孔を有してなることが好ましく、さらに、外部容器の孔を閉成し得る可動底部材を備えることが好ましい。
破裂防止用シール部材が内部容器及び外部容器に嵌合された際に、内蓋の孔と蓋部材の貫通孔の一端とがフィルムを介して連通し、かつ蓋部材の貫通孔の他端が外部に連通するように、前記孔及び貫通孔が形成されていることが好ましい。
内蓋は、その内周に内部容器の開口と嵌合する溝を有していてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマイクロ波照射用容器によれば、試料を収納するディポーザブル内部容器とマイクロ波への耐性を付与した外部容器とを組み合わせることにより、洗浄等の煩雑な操作に由来する汚染の問題がなくなり、汚染フリーのディスポーザブル容器を用いた極低濃度分析がより正確に、大量のサンプルに対して迅速に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のマイクロ波照射用分析容器は、主として、図1に示したように、内部容器1と、外部容器2と、破裂防止用シール部材3と、任意に可動底部材4とを含んで構成される。
このマイクロ波照射用分析容器は、微量分析、特に、重金属の酸による溶出濃度の測定に好適に用いることができ、試料と直接接触する部分(つまり、内部容器等)について、1回のみの使用で使い捨てることを意図したものである。
【0011】
内部容器は、安価で、ディスポーザブルに適し、かつ、重金属の混入が制御容易な材質、重金属の混入が制御(好ましくは、重金属含有量がpptレベル(10-12g/cm3程度)以下に制御)された材質により形成されていることが好ましい。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリスチレン(PS)等が挙げられる。なかでもPP等のポリオレフィンは、加工性が良好であるため、特に好ましい。
【0012】
内部容器の形状及び大きさ等は特に限定されないが、微量分析に適した形状及び大きさであることが好ましい。例えば、上述したDigiTUBE等の市販のメタルフリーの容器をそのまま利用することができる。なお、市販の容器には、通常、蓋がついているが、本発明のマイクロ波照射容器では、そのような蓋は外した状態で用いることが好ましい。
内部容器の形状は、具体的には、上部に開口を有し、有底の円筒形状、楕円筒形状、矩形筒状又はこれらに近似する筒状であることが適している。なかでも、円筒形状が好ましい。
【0013】
外部容器は、必ずしもディスポーザブルを意図したものでなく、マイクロ波照射を内部容器に直接行った際の内部容器の変形及び破損を防止するために、内部容器をその内部に収容し得るものであり、非導電性であり、かつ耐熱性を有する材質によって形成されたものであればよい。このような特性を有することにより、内部容器内に収容された被対象物へのマイクロ波照射に十分耐えることができる。ここで、非導電性とは、例えば、内部抵抗が10-5Ωm程度以上のものを指す。また、耐熱性とは、JIS K7191「プラスチック−荷重たわみ温度の試験方法」に定められた0.45Mpaにおける過重たわみ温度(熱変形温度)が130℃以上であることを意味する。
【0014】
これらの特性を満たすものとして、種々の樹脂が挙げられる。具体的には、フッ素樹脂(例えば、PTFE:ポリテトラフルオロエチレン、PFA:テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、FEP:テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ETFE:テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、PVDF:ポリビニリデンフルオライド、PCTFE:ポリクロロトリフルオロエチレン、ECTFE:クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体等)、ポリアセタール共重合体、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサイファイド、フェノール樹脂等が例示される。特にフッ素樹脂、ポリアセタール共重合体等が適している。本発明においては、外部容器は直接試料に触れないので、内部容器と比較して、この部分に用いる材質の自由度が高い。
【0015】
外部容器は、その材質、厚み、形状を適宜調整することによって、耐圧性を確保することができる。例えば、その上部に、内部容器を挿入するための開口を有し、外部容器の上部外周面には、後述する外蓋の内周面と螺合するように、雄ネジ又は雌ネジが形成されていることが好ましい。これにより、外部容器と外蓋により、内部容器を確実に密閉することができる。
また、外部容器は、その底部に内部容器の外径よりも小さい孔を有してなることが好ましい。この孔は1つあればよいが、複数形成されていてもよい。この孔を、後述する可動底部材とともに利用することにより、内部容器の取り出しを容易に行うことができる。
【0016】
破裂防止用シール部材は、内部容器及び外部容器にそれぞれ嵌合され、内部容器内をシールするとともに、マイクロ波照射等によって、内部容器の内容物が膨張したときに膨張した気体を逃がす機能を備えており、複数の独立した部材、つまり、内蓋、フィルム、蓋部材及び外蓋を含んで構成される。
【0017】
内蓋は、内部容器の開口に嵌合するために、内部容器の外径よりもやや大きめに形成されており、その表面(図1中、外蓋8側)から裏面に貫通する孔を有する。この孔は、1つあればよいが、複数形成されていてもよい。孔の大きさは、内部容器の大きさ、被測定物の種類等によって適宜調整され、例えば、1〜3mm2程度が適当である。
内蓋の形状は、板状体であってもよいし、その表面及び/又は裏面の周縁部が突出した形状であってもよい(図1参照)。内蓋を備えることにより、後述するフィルムを面により挟持することができ、内部容器の気密性を確保することができる。
【0018】
また、表面の周縁部に突起を形成することにより、後述するフィルムをその突起内に配置することが容易となり(図2参照)、フィルムのずれ等を防止することができる。
さらに、内部容器の開口に嵌合する面において、その周縁部近傍に、内部容器の開口部分の厚みに対応し、その開口と嵌合する溝を備えていることが好ましい。これにより、内部容器の内圧の上昇に伴い、より気密性を上昇させることができる。
なお、上述した突出形状は、溝と組み合わせて形成されていてもよい。
【0019】
フィルムは、圧力により破裂し得る材質であり、通常、気体及び液体を通過させない材質であることが好ましい。この場合の破壊し得る圧力は、例えば、0.5〜10MPa程度が挙げられる。フィルム材料としては、例えば、PE、PP等のポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂等、種々のものを使用することができる。このような材質を用いることにより、内部容器内の被測定物にマイクロ波を照射して、内部容器内の気体及び被測定物等が膨張して極端に圧力がかかった場合、容易に破裂して、内部の圧力を逃がすことが可能となる。また、通常は基体及び液体を通過させない材料であるため、極端な圧力負荷がない状態では、内部容器の気密性を確保することができる。
【0020】
フィルムの形状及び大きさは、特に限定されないが、少なくとも上述した内蓋の孔を完全に塞ぐことができる形状及び大きさであることが必要である。また、内蓋の形状及び大きさとほぼ同じであるか、それよりも小さいことが好ましい。これにより、フィルムを内蓋と後述する蓋部材とで強固に挟持することができ、内部容器の気密性を確保することができるとともに、圧力負荷時にその圧力を集中させてフィルムを容易に破裂させることができる。
【0021】
蓋部材は、主に、上述したフィルムを挟持し(好ましくは、面で)、後述する外蓋による圧接力をフィルム及び内蓋に伝える役割を果たす。蓋部材の形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形又はこれらに近似する平面形状の柱状であってもよいが、これらの平面形状の板状体の中央に突部備える形状であることが好ましい。大きさは、特に限定されないが、フィルムに接触する側においては、少なくともフィルムを挟持し得る程度の大きさであることが必要であり、内部容器の外径よりもやや大きめ、内蓋と略同じもしくはやや大きめ及び/又はフィルムと略同じもしくはやや大きめであることが好ましい。なお、蓋部材の裏面は、平坦であってもよいし(図1参照)、その周縁部が突出した形状であってもよい。周縁部に突起を形成することにより、フィルムをその突起内に配置することが容易となり、フィルムのずれ等を防止することができる。また、周縁部に形成された突起を、内蓋の外周又は表面に形成された突起の内周に嵌合することにより、内蓋に固定することが容易となる。
【0022】
蓋部材には、貫通孔が形成されている。貫通孔は、直線状に上面から下面に貫通していてもよいが、二次元又は三次元的に、蓋部材の内部で屈曲していることが好ましい。このように貫通孔が屈曲していることにより、圧力がかかってフィルムが破裂した際に、通常上面に照射器具が配置されたマイクロ波照射器において、容器の内容物が照射室の上方に接触することを防止することができる。
【0023】
また、この貫通孔は、例えば、上述した内蓋の孔と略同じ大きさであるか、やや大きいことが好ましい。さらに、破裂防止用シール部材が内部容器及び外部容器に嵌合された際に、この貫通孔一端が、蓋部材の裏面において、フィルムを介して内蓋の孔と連通するように形成されていることが好ましく、他端が、外部に連通するように、貫通孔が形成されていることが好ましい。特に、蓋部材が、板状体の中央に突部備える形状である場合には、貫通孔の一端が板状体の中央付近に配置され、貫通孔の他端が、突部の側面に配置されていることが好ましい。このような形状とすることにより、後述する外蓋による圧接力をフィルム及び内蓋に伝えることが容易であるとともに、内部容器からの気体を、この貫通孔を通して容易に逃がすことができる。
【0024】
外蓋は、蓋部材、さらにはフィルム及び内蓋を内部容器の開口に圧接して、内部容器を密閉するとともに、内部容器をマイクロ波の直接的な照射から保護する役割を果たす。外蓋の形状は特に限定されないが、一端が開放され、他端が有底であり、外部容器の外形に対応する筒状であることが好ましい。特に、円筒状で、その内周には、外部容器の上部外周面と螺合するための雄ネジ又は雌ネジが形成されていることが好ましい。
【0025】
また、外蓋には、その上面に、孔が形成されていることが好ましい。この孔は、蓋部材の表面の一部、好ましくは、突部の一部を露出又は突出させる大きさ及び形状であることが好ましい。この孔により、蓋部材に形成された貫通孔の他端を外部へ導くことができる。
なお、上述した内蓋、蓋部材、外蓋は、外部容器で例示した材料によって形成することができる。また、特に内蓋及びフィルムは、被測定物に接触するか、破裂することがあるため、安価で、ディスポーザブルに適した材料で形成することができる。
【0026】
本発明のマイクロ波照射用分析容器は、外部容器の底部に孔を有する場合には、任意に可動底部材を含んで構成することが好ましい。この可動部材は、外部容器底部の孔よりも大きく、内部容器底部の内径とほぼ同じか、やや小さいことが好ましい。この可動底部材を有することにより、底部の孔を介して、図2の矢印Aの方向に可動底部材を動かすことにより内部容器の取り外しを容易に行うことができる。
【0027】
以下に、本発明のマイクロ波照射用分析容器の実施例を図面に基づいて詳細に示す。
実施例1
この実施例のマイクロ波照射用分析容器は、図1及び図2に示すように、内部容器1として、PPからなる市販のDigiTUBEと、ジュラコン(ポリアセタール共重合体)からなる外部容器2と、破裂防止用シール部材3として、PTFEからなる内蓋5、PEからなるフィルム6、PTFEからなる蓋部材7及びジュラコンからなる外蓋8と、ジュラコンからなる可動底部材4とによって構成されている。
なお、このマイクロ波照射用分析容器において、内部容器1であるDigiTUBEの開口は直径30mm、容積は50ccである。内蓋5の孔5aは直径2mmである。フィルム6の厚みは0.03mmである。蓋部材7の貫通孔7aは直径3mmとした。
【0028】
このように、本発明のマイクロ波照射用分析容器を用いることにより、内部容器内の被測定物の気密性をフィルムによって確保することができるとともに、マイクロ波を照射した際における外部容器自体の暴発を防止することができる。
また、可動底部材を利用することにより、外部容器に密着した内部容器を用意に取り出すことができる。
さらに、内部容器はディスポーザブル容器であるために、洗浄等の煩雑な作用を行うことなく、しかも、不純物による汚染をなくして、大量のサンプルを迅速に分析することができる。
【0029】
実施例2
この実施例のマイクロ波照射用分析容器は、図3(a)に示すように、蓋部材7の裏面の中央部に凹み部7bが形成されることにより、周縁部が突出した形状であること以外、実質的に実施例1のマイクロ波照射用分析容器と同様の構成である。
このように、蓋部材の裏面に凹部が形成されていることにより、より強固にフィルムを挟持することができ、内部容器の密閉性を確保することができる。
【0030】
実施例3
この実施例のマイクロ波照射用分析容器は、図3(b)に示すように、内蓋5の裏面において、その外周近傍に溝が形成され、その溝に繋がるように、その中央部に凹部5dが形成されることにより、周縁部が突出した形状である以外、実質的に実施例1のマイクロ波照射用分析容器と同様の構成である。
このように、内蓋の裏面に凹部が形成されていることにより、より強固にフィルムを挟持することができ、内部容器の密閉性を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のマイクロ波照射用分析容器は、マイクロ波照射の有無にかかわらず、好ましくは、マイクロ波照射を行う、全ての分析に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態におけるマイクロ波照射用分析容器を示す分解図である。
【図2】図1のマイクロ波照射用分析容器の組み立て断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態におけるマイクロ波照射用分析容器を示す部分分解図である。
【符号の説明】
【0033】
1 内部容器
1a、2a 開口
2 外部容器
2b、5a、8a 孔
3 破裂防止用シール部材
4 可動底部材
5 内蓋
5b 溝
5c、5d 凹部
6 フィルム
7 蓋部材
7a 貫通孔
8 外蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重金属の混入が制御された材質によって形成され、上部に開口を有する有底のディスポーザブル内部容器と、
非導電性かつ耐熱性の材質によって形成され、上部に開口を有し、前記内部容器を収容する外部容器と、
前記内部容器及び外部容器に嵌合される破裂防止用シール部材とを含んで構成され、
該破裂防止用シール部材が、孔を有しかつ内部容器の開口に嵌合される内蓋と、圧力により破裂し得る材質によって形成されたフィルムと、貫通孔を有する蓋部材と、該蓋部材を内部容器の開口に圧接するための外蓋とから構成されてなることを特徴とするマイクロ波照射用分析容器。
【請求項2】
内部容器は、ポリオレフィン又はポリスチレンにより形成されてなる請求項1に記載のマイクロ波照射用分析容器。
【請求項3】
外部容器は、その底部に内部容器の外径よりも小さい孔を有してなる請求項1又は2に記載のマイクロ波照射用分析容器。
【請求項4】
さらに、外部容器の孔を閉成し得る可動底部材を備える請求項3に記載のマイクロ波照射用分析容器。
【請求項5】
破裂防止用シール部材が内部容器及び外部容器に嵌合された際に、内蓋の孔と蓋部材の貫通孔の一端とがフィルムを介して連通し、かつ蓋部材の貫通孔の他端が外部に連通するように、前記孔及び貫通孔が形成されてなる請求項1〜4のいずれか1つに記載のマイクロ波照射用分析容器。
【請求項6】
内蓋は、その内周に内部容器の開口と嵌合する溝を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載のマイクロ波照射用分析容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−58034(P2008−58034A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232669(P2006−232669)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】