説明

マクロおよびミクロマトリックスの迅速な検出および定量方法および装置

【課題】サンプル中の検体の存在を迅速に検出する方法と装置を提供すること。
【解決手段】検体と検体代謝産物を検出可能なマーカーを有し検体と検体代謝産物に迅速に結合する試薬を含む容器に導入し、ついでサンプルを載置領域12、分離領域14および読取領域16を有する検定装置10の載置領域に導入し、好ましくは毛管作用により読取領域に移動する。検出手段が検体および検体代謝産物を検出する。サンプルを制御された漸進的断片化のための力適用手段にかけて好ましくは病原体であるサンプルを複数の断片にする。試薬を収容した検定装置は結合試薬を含有する試験点を読取部分に印刷してある。断片が試験点に結合すると、検体断片の存在が既知の方法で決定できる。試験点は細菌等の病原体である検体または検体による代謝産物を含んでいてもよい。レーザー回折による背景干渉は除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル中の検体の迅速な検出方法およびこの方法を実施するためのモジュール検定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
細菌のミクロおよびマクロ・マトリックス並びにそれらのそれぞれの毒性タンパク様混入物質は米国において食品関連の病気の数百万の症例および年間9、000人の死亡例を占めている。汚染された加工食品、家禽、肉製品等はこれらの死亡例、病例の主な原因である。食品製品、特に家禽および肉製品に感染する5種類の最も一般的な病原は大腸菌O157:H7、サルモネラ菌(Salmonella species)、リステリア菌(Listeria species)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)およびカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)である。
【0003】
これらの微生物および他の微生物を検出する検定方法はサンプルを培養する必要がある。培養物は実験室の成長培地に生育する微生物の特定の株または種類をいう。典型的な実行は増菌培養を調製することであるが、これは関心のある微生物の成長によい培養成長培地を調製することである。関心のある微生物を含んでいるかもしれない食品、水または体液のようなサンプルをこの集積培養培地に導入する。典型的には、増菌培養培地は寒天プレートであり、この寒天培地は一定の栄養物に富んでいる。温度、pHおよび通気の適切な条件が与えられ、培地がインキュベートされる。ある期間インキュベートした後、培養培地を目視で微生物の成長があったかを決定する。結果を得るのに数日かかることがある。
【0004】
抗体のような試験試薬を含む紙製試験片も特定の病原体がサンプル中に存在するかを決定するのに用いられる。このタイプの試験は単に陽性または陰性の結果を当てるだけである。存在している可能性のある病原体の量についての情報を与えることはない。他の欠点としては、紙ストリップ試験は感度が低いことが挙げられる。従って、病原体がその存在を検知するのに十分なレベルを下回って存在しているかも知れないという危険がある。
【0005】
給水の汚染も病気や死亡の原因となる。米国環境保護庁は給水中の大腸菌のレベルが健康に対する危険のよい指標であることを究明した。他の一般的な指標は全大腸菌群、糞便性大腸菌群、糞便性連鎖球菌群および腸内細菌群である。水のサンプルは現在これらの微生物についてメンブランろ過または多重管発酵技術を用いて分析されている。いずれのタイプの試験も費用が嵩み、時間がかかり、かなりの作業を要する。従って、それらは実地試験には適していない。
【0006】
多くの疾病状態、例えば細菌やウイルスの感染、多くの癌、心臓麻痺および発作は血液および他の体液、例えば唾液、尿、精液および糞便を特定の状態に関連していることが示されているマーカーについて試験することにより検出することができる。早期かつ迅速な診断は処置を成功させる鍵であるといえよう。ELISA型検定のような、マーカー定量のための標準的な医学的試験は時間がかかり比較的に大量の体液を必要とする。また、微生物および患者の健康のマーカーを正確かつ迅速に同定することが切実に必要とされている。
【0007】
典型的な試験検定では、液体サンプルを、特定の検体(試験される物質)、例えば抗原、に特異的な試薬、例えば抗体、と混合する。検体と試薬の反応は視覚的に観察することができる色の変化をもたらしたり、顕微鏡で観察し、または分光光度計や光電子倍増管のような光検出装置により検出することができる化学発光、生物発光または蛍光種を生じたりすることがある。試薬は検体に結合する蛍光等のそのような検出可能な標識された試薬であってもよい。液体サンプルにより散乱、反射、透過または吸収された放射線も体液サンプル中の検体の同一性とタイプを示すことができる。
【0008】
一般に使用されている検定技法では、2つのタイプの抗体が使用されるが、これらはいずれも検体に特異的である。一方のタイプの抗体は固体支持体状に固定化されている。他方のタイプの抗体は検知可能なマーカーと接合させることにより標識され、サンプルと混合される。第1の抗体、試験される物質と第2の抗体との複合体が形成され、マーカーを固定化する。マーカーは酵素または蛍光もしくは放射性マーカーであることができ、次いでこれらは検出される。例えば、特許文献1(米国特許第5,610,077号明細書)を参照されたい。
【0009】
現在、液体中の検体を検出するための一段検定法および検定装置が数多く有る。一つの一般的検定法は、クロマトグラフィー検定法であり、この検定法では液体サンプルを試薬を含むクロマトグラフィー帯片(ストリップ)に暴露する。特定の検体とこの試薬との間の反応により帯片の色が変化し、検体の存在がわかる。例えば、妊娠試験装置では、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(「HCG」)と反応またはこれに結合することができる試薬を含有する吸収性クロマトグラフィー帯片を含む試験パッドに尿サンプルを接触させる。この尿サンプルは毛細管流により吸収性クロマトグラフィー帯片に沿って移動する。反応は典型的には色の変化を生じ、色が変化するとHCGが存在していることがわかる。
【0010】
サンプル中の検体の濃度を定量的に測定するために、そして試験結果を比較するために、検定を行う毎に同じ試験体積の液体サンプルを使用するとよい。そうすると検体の測定は種々の体積を調整する必要がなく評価することができる。「サンプリングし、サンプルを試薬と混合し、特に光学的分析を行う装置」という発明の名称の特許文献2(米国特許第4,088,448号明細書)は2つの平面を有し、これらがサンプル液体を受容するための所定の体積の空洞部を規定しているキュベットを開示している。液体は毛管力、重力または真空により空洞内に引き込まれる。サンプルは空洞内で試薬と混合する。次いで、サンプルを光学的に分析する。この開示された装置にはサンプルを置くのに便利な場所がない。空洞の開放側をサンプルと接触させるが、これはおそらくサンプル中に開放側を浸漬して行う。また、この装置には分離媒体が導入されていない。分離が必要な場合、サンプルを装置に引き入れる前に分離しなければならない。
【0011】
「化学的方法に使用する装置」という発明の名称の特許文献3(米国特許第4,978,503号明細書)では、相互に並行に、対向して、間隔をおいて上下2枚の透明プレートを接着剤で固定して毛管セル空洞を形成した装置が示されている。この空洞は両端が開放されている。一方の開放端はサンプルを受容するための下方プレートのプラットフォーム部分に隣接している。他方の開放端は空気の出口となっている。固定化された試験試薬を空洞内の一方または両方のプレート上に供給する。サンプルと試薬の反応は空洞の開放端の開放端の一方から光学的に検出することができる。血液を試験するには、濾紙をプラットフォーム上において空洞内への赤血球の通過を制限してもよい。一実施形態では、プラスチック製アームがこれらプレートを支える。取外し可能なハンドルも設けられており、この装置の使用の種々の段階で使用される。開示された装置は製造および使用に手間がかかる。
【0012】
「脂質サンプルの検定を正確に、迅速にかつ簡単に実行する装置」という発明の名称の特許文献4(米国特許第6,197,494号明細書)は基体と、受容穴、反応空間および前記穴と前記空間を接続する導管を規定するオーバーレイ、およびサンプル受容穴および視認穴を規定するカバーを含む検定装置を開示している。組み立てると、サンプル受容穴は整列し、視認穴は反応空間の上に位置する。熱シール、溶媒接着その他の適切な技法を用いてこれらの層を相互に結合することができる。導波路として働くこれらの層のいずれかを通して光を供給し、サンプルの光学的分析をすることができる。例えば、オーバーレイの縁部を通して光を供給することにより、サンプルによって、散乱、透過または吸収された光を標準検出器を適切に配置することにより検出することができる。基体またはカバーを通して光を供給することにより、サンプルの蛍光を検出することができる。反応空間を横断して光を上記の層に通過させてもよい。反応空間を通過する光は、また、一つの層で反射されて反応空間を通って戻ることもある。開示された装置は組立を要する少なくとも3つの部品を含む。より簡単な装置が望ましい。
【0013】
「屈折率変化による物質の検出」という発明の名称の特許文献5(米国特許第6,493,090号明細書)は、導波路と結合格子に結合した2つのレーザーを液体の屈折率変化による物質の量、濃度または存在を検知するのに適用できることを開示している。液体の屈折率は液体中の1種以上の化学種の濃度の関数であり、生物活性(bioactive)分子を含む化学種の微小濃度を検出する。この開示内容は引用により本明細書において導入され、これらのタイプの検定値を読むときに典型的に用いられるコヒーレントなレーザー光の直接の結果である高度の回折効果を説明するものとする。
【0014】
フラウンホーファおよびミー回折現象は当技術において周知である。レーザー光が懸濁液中の、検体を始めとする任意の「粒子」に衝突すると、生じる回折パターンは画像化され、画像平面の一部を形成する。従って、これらの回折パターンは、構成光波の結果として、人為的なランダムな粒子を形成する。これらの「粒子」は画像の一部となり、画像分析はそれらを含み、その結果、粒子の計数が誤ったものとなる。
【0015】
誤った粒子計測の第2の原因は同じ回折現象に従う標本液体容器の識別表面に付着した疑似(spurious)粒子による。これらの疑似粒子をデータに取り込む際の誤差の大きさにより、特に試験サンプル中に真の粒子が少数しかない場合は、まったく不正確なデータとなることがある。
【0016】
調べるべき液体中に実際に懸濁している「粒子」の計数を抑制して得るために、実際の粒子のみを計数する方法が必要である。
【0017】
つい最近、チン(Chin)およびワン(Wang)が取得した特許(特許文献6[米国特許第6,197,599号明細書])はタンパク質アレイを用いるタンパク質の検出方法を記載している。この特許が記載している方法は、細胞溶解物と既知のタンパク質の集合との間のタンパク質−タンパク質相互作用を定量的に考察する方法である。しかしながら、この方法は種々の試験サンプル中に含有される特定の検体の濃度を測定する定量的方法を提供するものではない。
【0018】
従って、サンプル中に検体が存在することを決定し、それによりサンプル中のそれぞれの検体の量を決定するために検体の存在を検出し、検体を計数するための迅速かつ効率的な方法に対する需要が存在する。ユーザーにが効率的にかつ使い勝手よく上記方法を実行することができるようにした検定装置に対する需要が存在する。
【0019】
【特許文献1】米国特許第5,610,077号明細書
【特許文献2】米国特許第4,088,448号明細書
【特許文献3】米国特許第4,978,503号明細書
【特許文献4】米国特許第6,197,494号明細書
【特許文献5】米国特許第6,493,090号明細書
【特許文献6】米国特許第6,197,599号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、サンプル中の検体の存在を迅速に検出する方法を含む。サンプル中の検体濃度の定量的および定性的測定も迅速に得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の方法によると、サンプルは任意のマトリックス検体、好ましくはサンプル中に存在する病原体を複数の断片に制御して漸進的に断片化するための力適用手段にかけることができる。次いで、サンプルを、検定が指向されている検体の断片に迅速に結合する試薬を収容する容器内に導入する。次いで、サンプルを載置領域、分離領域および読取漁期を有する検定装置に導入する。サンプルをこの検定装置の載置領域に導入し、分離領域を通って読取領域に好ましくは毛管作用により移動する。この方法により検体断片を30分もかからずに検出することができる。
【0022】
本発明の他の態様によると、サンプル中の検体の存在を迅速に検出する方法であって、検体とこのマトリックス検体により生成された検体代謝産物とを含むサンプルを検体および代謝産物に結合する1種以上の試薬を収容する容器に導入する。次いで、サンプルを載置領域、分離領域および読取領域を有する検定装置に導入する。サンプルを検定装置の載置領域に導入して好ましくは毛管作用により読取領域に移動する。この方法により検体および代謝産物の検出が可能になる。
【0023】
本発明は、さらに、サンプル中の検体の存在を検出する検定装置を含む。この検定装置はサンプルを移送する手段および/またはサンプルの液体成分中の所定のサイズよりも大きい不所望の成分をサンプルから分離するフィルタを含む。
【0024】
本発明の一態様において、前記装置は載置領域、分離領域および読取領域を有する。この検定装置は載置部分と読取部分の間にチャンバを規定し、サンプルの液体部分が載置部分から読取部分へ毛管作用により移動するようにしている。少なくとも1つの試験点を読取部分上に印刷する。この試験点は検定が指向されている検体の検体断片に結合するように適合された結合された試薬を含む。ひとたび前記断片が試験点に結合されると、試験点における検体断片の存在は当技術において既知の方法によって決定することができる。試験点は、その代わりに、試験が指向されている細菌その他の病原体である検体または検体によって生成される他の代謝産物に結合するように適合された結合された試薬を含んでいてもよい。読取部は、また、視覚的検出のための検出可能なマーカーで標識された検体を集める部分を有していてもよい。
【0025】
本発明の他の態様によると、検体の存在についてサンプルを検定する装置であって、
・ある量の前記サンプルを受容する載置部分と、
・チャンバであって、前記チャンバは2つの不連続表面により規定され、
前記チャンバは前記載置部分と液体連絡している第1の端部と、前記第1の端部から離隔した第2の端部とを有し、前記不連続表面は前記サンプルの前記分離部分から前記載置部分への毛管流を生成するのに十分な距離分離されているチャンバと、
・前記チャンバの前記第2の端部と液体連絡している読取部分であって、前記読取部分は検体の存在を検出する試験点をその上に印刷し、前記試験点は前記検体を結合するための試薬を含む、読取部分と
を含む検定装置が提供される。
【0026】
本発明の他の態様によると、サンプル中の検体の存在と量を検出する方法であって、
・前記サンプルを取得する工程と、
・前記サンプルを溶液と組み合わせてサンプル溶液を生成する工程と、
・前記サンプル溶液に力適用手段を適用して前記検体を複数の検体断面に破裂させる工程と、
・前記検体断片を検出可能なマーカーで標識する工程と、
・測定された体積の前記サンプル溶液を前記検体断片の存在の指標を表示するように適合された検定装置に適用する工程と、
・前記標識された検体断片の信号強度を検出手段を用いて検出する工程と
を含む方法が提供される。
【0027】
本発明のさらに他の態様によると、マトリックス形式形成方法であって、
・サンプルを取得する工程と、
・前記検体の存在の指標を表示するように適合された検定装置に前記サンプルを適用する工程と、
・前記検体をランダム・アレイ形式で読み取る工程と、
・固定されたアレイ形式で測定すべき検体を印刷し読み取る工程と、
・固定されたアレイとランダム・アレイとからなるハイブリッド形式で検体を印刷し読み取る工程と
を含む方法が提供される。
【0028】
本発明のさらに他の態様によると、サンプル中の検体の存在と量を検出する方法であって、
・サンプルを取得する工程と、
・前記サンプルをある時間インキュベートする工程と、
・前記サンプルを溶液と組み合わせてサンプル溶液を生成する工程と、
・前記検体を検出可能なマーカーで標識する工程と、
・測定された体積の前記サンプル溶液を前記標識された検体を表示するように適合された検定装置に適用する工程と、
・多数の標識された検体単位を検出手段で検出する工程と
を含む方法が提供される。
【0029】
本発明のさらに他の態様によると、試験液体サンプル中に実際に懸濁された分子状凝集体、微生物および検体を含む「粒子」の選択方法が提供される。懸濁液中の粒子を時間の関数としての微小液体状液体流により付与された変位に基づいて選択する。レーザー光回折によりイメージングされ、試験液体体積中に実際に懸濁された全ての「粒子」を最初に記録する。薄層の液体層は液体流の結果、ある時間にわたって懸濁粒子を有効にシフトし、粒子位置の第2の画像を記録する。シフトせず静止したままに見える粒子は計数から除外する。この方法は試験サンプル液体中に懸濁された粒子のみを選択して得られたデータの部分となるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
添付図面に本発明の好適な実施形態のみを例にとって示した。
【0031】
発明の詳細な説明
本発明はサンプル中の検体野存在を迅速に決定する方法およびその方法を実施する装置に関するものである。本発明に従って検出される検体は病原体であることができる。本発明は30分以内にサンプル中の病原体の混入を確実に検出する。この向上は、腐り易い品目をなるべく早く試験して店舗やレストランに配達する必要がある食品産業を顕著に利するものである。本発明は給水、人血液細胞、組織、体液および分泌物を始めとする病原体により感染される可能性のある種々のタイプのサンプルを対象とすることができる。
【0032】
本発明の3つの好適な実施形態をここに説明する。これらは、1)ランダム・アレイ、2)固定アレイ、および3)ハイブリッド・アレイである。
【0033】
ランダム・アレイ
ランダム・アレイ法によると、サンプルを取得し、このサンプルが病原体に汚染されているかについて分析する。例えば、病原体は摂取後ヒトに病原性となる細菌の株であることができる。そのような細菌の例としては、大腸菌)157:H7、サルモネラ属菌、リステリア属菌、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、およびカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)がある。本方法は、また、ウイルス、酵母、カビ、および他の感染性生物を含む他の微生物を検出する。
【0034】
サンプルを当産業において採用されているCASOブロスのような増菌培地を用いてインキュベートして十分な病原生物を成長させ、サンプル液体1ml当り最低限のlog4病原コロニー形成単位(CFU)が確実に存在するようにする。増菌期間は通常少なくとも18時間である。この時間は増菌培地を供給することで数時間に短縮することができる。当技術において既知の数種類の増菌培地を使用することができる。
【0035】
前記ランダム・アレイ法によると、分析前に較正された庁の増菌サンプルを標識試薬を収容する補助容器内に引き込む。この補助容器は好ましくは注射器型アプリケータである。追加量の空気もこの補助容器内に引き込む。前記容器は検定すべき検体に結合する試薬を収容する。好ましくは、試薬は液体サンプルと接触すると直ちにかつ瞬間的に再構成される凍結融解抗体である。好適な凍結融解抗体の瞬間的再構成はまたサンプルの凝集または塊状化を回避する。当技術において既知の他の試薬を用いることもできる。
【0036】
試薬を当技術において既知の蛍光、化学、熱量測定、重金属、放射線、酵素特異標識その他の検出可能な標識で標識することができる。好ましくは、病原体特異抗体を補助容器内で蛍光色素マーカーを用いて標識する。この色素は特定の波長を持つものであることが好ましい。補助容器は、好ましくはオペレータに検定装置のサンプル読取領域が試験サンプルで正確に満たされていることを視覚的に確認できるようにする追加の色素も有している。好適な色素はブロモフェノールである。
【0037】
補助容器は、また、サンプルから液体を濃縮する濃縮材料を収容し、サンプル中の検知を濃縮することもできる。この濃縮材料は液体を吸収するが液体サンプル中の検体とは反応しない任意の材料であることができる。例えばポリアクリレート、セルロース誘導体およびハイドロゲルのような超吸収性ポリマーが好ましい。好適な市販の超吸収性ポリマーはフェイバー−パック100(Favor(登録商標)−Pac100)(米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市、ストックハウゼン社)、架橋ポリアクリル酸およびグラフト共重合体である。このポリマーのカルボキシル基は水と接触すると溶媒和され、水溶液を吸収する。30mgのフェイバー−パック100(Favor(登録商標)−Pac100)を300〜350mlの液体に添加すると検体濃度が3桁上昇することを見出した。
【0038】
サンプルは約5分間補助容器内でインキュベートするのが好ましい。この間に蛍光色素標識抗体が検体である病原体生物に結合する。ひとたびインキュベーション期間が終了すると、オペレータは好ましくは補助容器からの最初の2摘を捨てる。
【0039】
次いで、サンプル液体の第3滴目を検定装置に適用する。好適な検定装置10はサンプル載置領域12、分離領域14、サンプル載置領域12を覆う蓋18、およびサンプル読取領域16を有する。好適な分離領域は微小球またはビーズの集合体であって液体に暴露されると移動し、一時的に相互に接する媒体である。微小球同士の間の間隙空間または空隙も、従って、一時的である。液体は毛管力により微小球の間の間隙空間を通って引き込まれるものと考えられる。そのような分離媒体は従って動的毛管フィルタと呼ばれる。
【0040】
検定装置10内に前記分離媒体を供給するとサンプルを検定装置10に適用する前に別個の分離工程の必要がなくなることにより試験プロセスが単純化される。これにより検定装置10は例えば患者のケアの地点で患者により、患者の病床において、または医師の診療室内で使用することが可能になる。食品および環境試験において、この検定装置を現場で、サンプルの出所において使用することも可能である。加えて、本発明の微小球は従来技術で用いられているクロマトグラフィー紙その他の繊維状材料の繊維により制限されることなく液体流が改善されており、生物サンプルの液体成分を細胞成分から分離する。
【0041】
検定装置10に分離媒体を内蔵させることは本発明の一つの利点であるが、別個のろ過工程が望ましいこともある。分離は、例えば、遠心分離により行ってもよい。遠心分離により検体を濃縮することも有利である。遠心分離とろ過は、例えば、細菌の濃縮に使用されていた。免疫磁気ビーズ濃縮および分離技法を用いて細菌を濃縮し、これらの細菌を液体サンプルの不所望の成分から分離することができる。ある水サンプルはろ過を必要としないかもしれない。ろ過が必要か否かによらず、微小球を分離領域14に供給することは依然として好ましいが、その理由は、微小球が検定装置10を通る液体流を改善するからである。
【0042】
複数の陽性対照点が好ましくは検定装置10の下側に印刷される。好ましくは、6個の陽性対照点が存在する。これら陽性対照点は検定装置上に印刷し、関心のある検体−典型的には細菌性病原体−は検定装置の表面にこれら陽性対照点において結合している。液体転移相の間は、遊離の検体特異的抗体−蛍光色素接合体は陽性対照点における捕獲された検体に結合して検体検出試験のための陽性対照を提供する。
【0043】
本発明に従う検定装置をランダム・アレイ試験に使用するには、補助容器からのサンプル液体の第3滴目を載置領域12に置く。液体サンプルは、分離領域14のサイズによって決まり、例えば、約5μl〜約65μlである。適用される液体サンプルの量は分離領域14の容積よりも十分大きくして、ろ過後に依然として余剰の液体サンプルが載置領域に存在するようにするのが、好ましい。これは載置領域12からの液体サンプルの蒸発を遅くするのに役立つ。次いで、蓋18を載置領域12と分離領域14の上を摺動させ、適切な位置に固定し、読取領域16を露出させ、載置領域14および分離領域14を確実に覆う。液体サンプルを、分離領域14を通して、かつ微小球が存在する場合はこれを通して毛管力および重力により引込み、所定のサイズを越える材料を除去する。ろ過された液体サンプルは分離領域14を読取領域16の入口で出る。
【0044】
本発明の他の実施例では、液体サンプルは直接供給源、例えば、給水または体液から引き込まれ、既知の技法、例えば、ピペットにより検定装置の載置領域に適用することができる。注射器も使用することができる。血液の一滴を針で刺した箇所から載置領域12に直接適用することができる。液体サンプルも培養培地から引き込むことができる。
【0045】
読取領域16は無色または透明であることが好ましい。ひとたびサンプル液体が読取領域16に到達すると、読取領域のサンプル液体は下記:1)蛍光色素に接合した病原体生物、2)サンプル視認領域が正確に充填されていることを確認するための青色に染色されたサンプル液体、および3)遊離病原特異的抗体と蛍光色素の接合体を含む。遊離病原特異的抗体と蛍光色素の接合体は試験点に結合して陽性試験を示す。
【0046】
検体の存在を示す蛍光、化学発光、生物発光、熱発光その他の反応生成物を当技術において周知の技法により検出することができる。例えば、標識された病原体生物を顕微鏡下で視覚的に読み取ることができる。光伝導性検出装置、例えば光ダイオード、光電子増倍管またはCCDを使用することもできる。当技術において既知のように、検出装置、例えば分光光度計、照度計その他の適切な検出器を読取装置に結合して使用することができる。反応生成物の強度を測定して、検量線と比較することにより、サンプル中に存在する検体の量を決定することができる。
【0047】
検定装置10を例えば検体を標識抗体と反応させた後の色の変化を測定する携帯式分光光度計により読み取るように設計することができる。例えば、米国カリフォルニア州フォスター・シティ、アクソン社(Axon,Inc.)から入手できるジェネピックス・スペクトロフォトメータ(Genepix Spectrophotometer)を使用することができる。また、ユーメディク(Umedik)社のBAC走査読取装置を検出器として使用することができる。ひとたび分光光度計その他のそのような検出器が必要なデータの計算を行うと、結果が電話線、携帯電話その他コンピュータネットワークによりデジタル送信により送信可能である。
【0048】
検出器を読取部分16に対して、または読取部分16を検出器に対して自動的にまたは手動により移動することができる。
【0049】
蛍光標識した検体からの蛍光発色を蛍光光度計を用いて検出することができる。位置および強度を含む、蛍光発色の分布についての情報はCCDカメラおよび市販のソフトウェア、例えばアクソン・インスツルメント社(Axon Instrument)製ジェネピックス・プロ(GenePix Pro(登録商標))、米国ミヅーリ州シルバー・スプリング市、メディア・サイバネティクス(Media Cybernetics)社から入手できるイメージ−プロ(Image−Pro(登録商標))4.1のようなマイクロ検定分析ソフトウェアを用いて取得することにより得られ、蛍光標識細菌を計数するのに有用である。また、ユーメディク(Umedik)社のBAC走査読取装置を検出器として使用することができる。
【0050】
他の実施形態では、検定装置10のプレートの内の1つに高周波センサ(図示しない)が内蔵されている場合は、抗体/検体反応の間に起きる変化を高周波の変化により検出または測定することができる。
【0051】
分子状凝集体、微生物および検体が試験液体体積中に懸濁されたさらに他の実施形態では、懸濁液中の粒子は時間の関数としての微小液体の液体流により付与された変位に基づいて選択される。レーザー光回折によりイメージングされ、試験液体体積中に実際に懸濁された全ての「粒子」を最初に記録する。薄層の液体層は液体流の結果、ある時間にわたって懸濁粒子を有効にシフトし、粒子位置の第2の画像を記録する。シフトせず静止したままに見える粒子は計数から除外する。この方法は試験サンプル液体中に懸濁された粒子のみを選択して得られたデータの部分となるようにしている。
【0052】
検定装置10は、使用後、適切な標準的な有害廃棄物ガイドラインに従って廃棄することが好ましい。
【0053】
サンプル溶液のアリコートに含まれる生物の数を計数する際に、標識された生物だけを計数する。濃度は既知液体体積中に含まれる生物の数として表される。
【0054】
固定アレイおよびハイブリッド・アレイ
固定アレイ法は細菌等の微生物の断片および細菌等延び生物の代謝産物を含む特異的タンパク質の存在および濃度を検出する。
【0055】
固定アレイ法は、典型的にはサンプル中の細菌の細胞(菌体)その他の病原体である検体を複数の断片に破砕する工程を含む。細胞の破砕は細胞膜の制御された漸進的断片化工程により達成される。細胞膜を断片に破砕し、この膜を得られたままの状態で細胞の内容物から分離する。
【0056】
力適用手段を用いて制御された漸進的断片化を達成するのに必要な力を適用する。これは時間とエネルギーとに拠る工程であり、マイクロウェーブ照射を含む。力適用手段は好ましくは超音波エネルギー移転である。超音波プローブをサンプルを収容している容器に挿入し、所定値に調整した周波数、可変電力消費50〜475ワット、好適な適用時間範囲60〜250秒で発振させる。超音波プローブは、限定されないが、フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)社の550ソニック・ディスメンブレイター(Sonic Dismembrator)を使用することができる。当技術において既知の菌体断片化用の他の力適用手段、例えばマイクロウェーブ、タンパク質分解酵素のような酵素類、電気エネルギー、およびレーザー熱放散を本発明の目的のために使用することができる。この工程は、細菌等の病原体細胞が増殖するのを待つことから生じる遅れを招くことなく、本質的にサンプルにおいて試験することができる抗体標識結合部位の量を増加させる。
【0057】
ディスメンブレイターを好適な手順で用いて細菌を断片に破砕して、超音波破砕後に標識接合抗体で染色する。この手順は感度が増加し、細菌試験の時間が短縮する。超音波破砕バッファとCASOブロスを用いて大腸菌O157#35150であってもよい細菌を希釈し、アレクサ・フルオル(Alexa Fluor(登録商標))594(米国、モレキュラー・プローブズ(Molecular Probes)社)に接合した抗αO157抗体を用いて細菌および細菌断片を染色する。細菌培養物を1ml当り細菌100、000個、10、000個、および1、000個に希釈する。各サンプル1mlをシリコーン塗布管内で超音波処理する。抗αO157抗体(1:100)を用いて染色する。サンプルを蛍光顕微鏡下で観察する。425ワットの超音波振動エネルギーを30秒〜90秒用いて断片を有効に取得する。
【0058】
固定アレイ法によると、サンプルの較正された量を補助容器に引き込んでから装置分析を行う。補助容器はランダム・アレイ法用の上述の標識試薬を収容する。従って、補助容器は特定の波長の色素およびオペレータに後に検定が進行中であるという視覚的確認を与える追加の色素に接合したタンパク質特異抗体を含むのが好ましい。補助容器は注射器型のアプリケータであることが好ましい。
【0059】
サンプルを補助容器中で10秒間震盪するのが好ましく、次いで補助容器中で約5分間インキュベーとするのが好ましい。関心のあるタンパク質検体にインキュベーション期間中に接合抗体でタグを付する。ひとたびサンプルを試薬に十分な時間暴露すると、反応したサンプルを捕縄容器から本発明の検定装置に送る。
【0060】
固定アレイ検定装置は図1に示すものと同じ検定装置を使用する。図2に示すように、固定アレイ検定装置の読取部分はその上に少なくとも1つの、好ましくは2つの試験点20を印刷してある。さらに好ましくは、検体の存在を検出するための複数の点を読取領域16に印刷する。これらの試験点は検体に特異的に結合する試薬を含む。この試薬は検体に特異的な結合抗体であることが好ましい。これらの結合抗体は離隔されて各結合抗体が隣接する抗原複合体からのステアリン障害がなく試験抗原に結合するように利用可能にしている。好ましくは、非反応性タンパク質は試験点において結合抗体を分離する。
【0061】
読取領域16はその上に目盛点22を有しているのが好ましい。これらの目盛点は検出可能なマーカーに結合された、容器からの未反応試薬と反応させるための所定量の前記検体を含む。目盛点により標識の強度と存在する試薬の量とを相関させることが可能になる。次いで、試験点中の標識の強度を用いて存在する試薬の量を導き出すことができる。
【0062】
試験点は、例えば7〜10ナノメートル(nm)という非常に小さなタンパク質断片の存在を検出するのに適している。これらの小断片は制御された漸進的断片化工程の結果得られる細菌の細胞膜断片に相当する。試験点は、また、サンプル中の細菌により産生されたタンパク質および他の副生代謝産物に結合するのに適している。しかしながら、典型的には長さまたは幅が1〜7μmである細菌も試験点中の結合抗体に結合することにより濃縮される。
【0063】
読取領域16は、また、試験点に結合しなかった標識抗体に結合した検体の量を受容する帯域をも任意的に有する。この標識された検体は顕微鏡装置その他の検出手段により検出することが可能である。病原体の存在量の計算は所与の体積の検出されたサンプルについて行うことも可能である。検出可能な標識に結合した粒子の数を計数することが可能である。サンプルの体積を所定値にして単位体積当りの粒子数を計算することができる。この検定装置はハイブリッド・アレイ検定装置である。この装置によりユーザーは固定アレイ点と、標識された粒子を視覚的手段により計数することによりサンプル液体の単位体積当りの検体の存在量を敬するランダム・アレイ法とを用いて検体の存在量を計算することができる。
【0064】
ハイブリッド・アレイ検定装置は関心のある細菌病原体により産生される特定の細菌タンパク質または代謝産物に特異的な結合抗体を収容していることが好ましい試験点をその上に印刷してある。この検定装置はまた、検出可能なマーカーで標識した細菌を集めるための読取部分を有する。この検定装置は、従って、関心のある微生物により産生された抗原タンパク質および代謝産物の存在と、無傷微生物の存在の両方を表示するように構成されている。この方法はハイブリッド・アレイと呼ばれている。この方法は感度の高い信頼性のある試験である。このハイブリッド・アレイ法によると、細菌を断片化することは絶対必要であるという訳ではない。細菌を含んでいる可能性のあるサンプルを増菌成長培地にさらすのが好ましい。次いで、検出可能なマーカーに結合した関心のある抗原に対する抗体を収容した補助容器にこのサンプルを導入する。次いで、このサンプルを前記容器から検定装置に送る。
【0065】
固定アレイまたはハイブリッド・アレイ試験が細胞、微生物タンパク質および代謝産物を対象としている場合は、試験は1つのタンパク質の存在の試験に限定されず、広範囲の抗原、タンパク質および代謝産物に特異的であってもよい。従って、固定アレイ検定装置およびハイブリッド・アレイ検定装置は数種類の異なる検体に対する試験点および目盛点を追加的に集積印刷したものを有していてもよい。これにより、数種類の異なる種類の病原体その他の検体を同時に試験することが可能になる。
【0066】
この装置はまた組織マイクロアレイの表示および読取が可能になる。マイクロアレイは組織片を装置の基体成分に直接堆積・付着させることにより作製されるものであるが、これらのマイクロアレイを装置中にある間に染色しないこと、予備染色すること、または染色することが可能である。当技術において既知の、抗原の検出のための二次的標識をこの装置内で行うか、または前記基体に組織を付着させる前に行う。標識方法は免疫染色、粒子、酵素、色素、染色液並びに他の蛍光および密度マーカーを使用するものが挙げられる。
【0067】
補助容器中でインキュベーション後、試験オペレータは補助用からの最初の2滴を捨てるのが好ましい。次いで、オペレータは第3滴目を検定装置10の載置領域12に分注する。このサンプル液を分離領域に引込み、ここでサンプルの不純物をろ過するのが好ましい。次いで、サンプル液体を読取用域内に通す。この段階で、読取領域内のサンプル液体は、1)蛍光色素に接合したタンパク質、2)サンプル視認領域が正確に満たされていることを確認するための好ましくは青色に染色されたサンプル液体、および3)蛍光色素に接合した遊離タンパク質特異抗体を含む。
【0068】
次いで、サンプル液体の層流により、試験液体が通過し種々の濃度の関心のあるタンパク質検体を含有する目盛点と捕獲抗体を含有する試験点とに暴露される。操作の重要な点は、遊離蛍光抗体が目盛点に付着して試験の自動的構成の基礎を提供することである。タンパク質−蛍光色素接合体は試験点により捕獲される。
【0069】
固定アレイ検定装置およびハイブリッド・アレイ検定装置はとともにコンピュータにより操作される顕微鏡により読み取るのが好ましい。顕微鏡は光強度を読取り、それらの読取値はコンピュータにより処理され、これらの読取値に基づいて検体の存在量が計算される。
【0070】
当技術において既知の他の手段は、上述のランダム・アレイ装置用のものを始めとして、試験点中の検体の存在量の決定に使用することができる。検体の存在量の計算は検量線により達成することが可能である。
【0071】
サンプル中の検体の濃度を決定するには、2つの特徴的検定試薬の濃度を予め決定する。一連のサンプル中の固定された試験点の蛍光強度の既知抗原濃度との間の関係を決定する。試験点の蛍光強度と既知抗原濃度との間の関係の一例として、例を図4にグラフの形で示す。次に、過剰の検出抗体を用いることにより決定した目盛点の蛍光強度と目盛点中の抗原量との間の関係を図5に示す。図4および図5から、サンプル中の抗原と抗原点濃度の間の関連が図6に示すように決定される。この検量線はサンプル中の抗原濃度の決定のためのバッチに特異的な標準曲線となる。
【0072】
未知抗原濃度のサンプルの場合、サンプルを予め過剰の検出抗体と混合する。この溶液を図3に示す検定装置のような検定装置に適用する。試験点の蛍光強度を特定の検体用の検量線に対して正規化して正規化試験点値を得る。次いで、この正規化試験点値を図6に示すその検体用の検量線から読取り、サンプル中の検体の濃度を得る。
【0073】
装置の読取領域も数部のクロマトグラフィー基体、例えば紙またはゲルを載置していてもよい。タンパク質の分離は好適に表示および標識して、読み取ることができる。次いで、タンパク質のそれぞれの濃度を構成サンプルと比較して蛍光定量法により測定する。
【0074】
検定装置は使用後に廃棄するのが好ましい。
【実施例】
【0075】
実施例1:ランダム・アレイを用いる細菌の定量的検出
i.細菌−ランダム・アレイ
O157:H7を含む大腸菌O157および他のO157腸内出血性大腸菌(EHBC)株が固体または液体食品サンプル中に見出される。ランダム・アレイ検定装置は、迅速、便利および高感度の方法を装置の読取領域において食品粒子から計数すべき細菌を単離する免疫蛍光染色、分離および検出技術に基づいて提供する。抗体で標識され、染色され、ランダムに配列された細菌の数を、画像を処理するコンピュータに作用的に接続された顕微鏡(以下、「読取装置(reader)」という)を用いて計数することにより、結果を決定する。
【0076】
各装置は、好ましくは、読取領域にヤギ抗マウスIgGを含有する対照点を含む。これは、サンプルを載置するのに用いた容器中に含有される蛍光色素と接合したマウス抗大腸菌O157抗体を装置の載置領域に結合させる。大腸菌O157がサンプル中に存在するか否かにかかわらず、この点は蛍光発光として常に検出され、従って、試験のすべての面が成功裏に完了したことを保証する。
【0077】
サンプルを試験する際、試薬と方法の性能を陽性および陰性の対照を試験することにより周期的に評価する。
【0078】
ii.細菌−ランダム・アレイ検出マトリックス
1%ウシ血清アルブミン連続希釈した現在の培養病原性大腸菌O157:H7 ATCC#35150をlog7、log6およびlog3濃度において作製した。0.05モル濃度の炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム、pH10.5中の0.12mg/mlの捕獲抗体を用いてランダム検出マトリックスを調製した。この装置を1%ウシ血清アルブミンで封鎖した。ランダム・アレイ検定装置の全読取領域を検出マトリックスでコーティングする。(上記iのように)蛍光抗体で標識した試験ログ濃度を、載置領域を介して装置に導入し、サンプルを読取り、計数した。対照希釈液を正確さの比較のためにプレートした。図7は相当するスポットを示す。
【0079】
iii.カビおよび酵母−ランダム・アレイ
カビおよび酵母の特異的定量的検出を本発明に従って行った。酵母粒子をまず容器内で処理する。この容器は酵母胞子の表面コートに発現したキチンにのみ結合する標識された胞子を前述のように装置内に載置する。個々の標識された酵母胞子を表示する読取領域の例を図8に示す。
【0080】
図8に示す明粒子を読取装置で計数する。読取領域内の担持液体の体積を正確に事前決定されるので、体積当りの胞子数の比は試験サンプル中の胞子の実際の濃度を反映している。カビは装置内で同様の方法を用いて数えられる。
【0081】
iv.代謝産物濃度−背景蛍光強度
さらなる例を図9に示すが、検出すべき微生物、この場合は大腸菌群により産生された特異的代謝産物に接合された蛍光色素を用いることに基づいて示す。図9において、ECは大腸菌株を表し、LM、STは非大腸菌を表し、Cは代謝産物のみを表す。
【0082】
代謝産物の実際の濃度を装置の読取領域において測定された背景蛍光強度により測定する。測定された強度を既知の予め試験した検量線と比較し、試験サンプルの既知体積中の大腸菌の個々の濃度に換算する。
【0083】
v.細菌の全生菌数(TVC)
試験サンプル中の全生菌数を試験および定量するために、カンピロバクター(Campylogacter)をYMブロス中で成長させた。試験サンプルを反応容器内に吸入し、蛍光特異核色素(サイト(Syto)61、米国オレゴン州ユージーン市、モレキュラー・プローブズ(Molecular Probes)社)と反応させた。5分間染色した後、サンプルを装置に載置し、図10に示す装置の読取領域における細菌の濃度を決定した。図10は試験サンプル中の細菌の数が6.3log6の濃度であることを示している。
【0084】
vi.タンダム・マトリックス濃縮のTVC
ランダム・マトリックス濃度は、選択的ろ過による濃縮を用いて死亡の単位当り非常に低い数をずっと高い数に実質的に増加し、それにより細胞の検出と計数の時間を顕著に短縮することを示す例として示す。表1は濃縮手段を装置と組み合わせる利点を明かに示している。
【0085】
【表1】

【0086】
1ml当り細菌1個という細胞濃度が装置の読取領域で検出可能である。
【0087】
実施例2:固定免疫的マトリックス検定による生物の定量的検出
i.細菌−断片
ランダム・アレイ検定は粒子全体または大粒子の計数の正確な決定を可能にする。一方、固定アレイ検定は、検定装置の読取領域上に事前印刷されたマトリックス捕獲点における微生物のタンパク質、タンパク質凝集体、膜断片の捕獲または表面積密度の増加を可能にする。
【0088】
本方法のこの特徴を用いることにより得られる利点はより低濃度の特異的断片を蛍光強度の関数として検出することができることにある。
【0089】
図11は他の方法では検出されなかった細菌断片を付着・濃縮した2つの事前印刷された捕獲点を示す。
【0090】
ii.細菌−全体細菌検定
本方法の他の特徴を図12に示す。
【0091】
事前印刷された捕獲抗体マトリックス点を用いてそれらがそれぞれの捕獲抗体と結合する際に全蛍光細胞を捕獲する。この検定は動的な流動粒子捕獲および計数を実行することができるという追加の利点を有する。図12は2つの事前印刷した捕獲点の表面における大腸菌細菌の動的濃縮と捕獲を示す。それぞれの個別の明点は単一の細菌に由来する。淡い円形状の背景は2つの捕獲点を定義している。
【0092】
実施例3:固定免疫マトリックス検定による可溶性タンパク質の定量的検出
この実施例は抗原の定量的分析のための免疫マトリックス検定方法を説明する。2組のタンパク質アレイすなわち、関心のある抗原を種々の濃度で有する目盛点および捕獲抗体を含有する試験点を装置の表面に印刷する。サンプルと過剰の検出抗体を装置に載置する。液体は毛管作用により反応チャンバを満たす。サンプル中の抗原の量を試験点の蛍光強度を目盛点に対して正規化することにより定量する。次いで、所定のバッチに特異的な等式を用いてこの値をサンプル中の抗原の量に変換する。
【0093】
対照的に、従来の免疫検定、例えばRIAおよびELISAは通常時間がかかり、オペレータは専門的伎倆を要求される。さらに、従来の免疫検定は比較的多量のサンプルを分析に必要とする(100〜1、000μL)。この免疫マトリックスおよび定量方法を用いて、完全に定量的分析を単一の装置および20μL未満のサンプルを用いて数分内に提供することができ、これは既存のどのシステムよりも顕著な利点を与える。
【0094】
本方法および装置をhCGβ(ヒト絨毛性ゴナドトロピン−β)の免疫マトリックス定量について試験した。hCGβを目盛点として用い、モノクローナル抗hCGβ抗体M94139.7を捕獲抗体として用い、アレクサ・フルオル(AlexaFluor660−標識抗hCGβ抗体M94138を検出抗体(マサチュセッツ州、フィッツジェラルド・インダストリーズ(Fitzgerald Industries)社)として使用した。6つの実験の平均を図13に示した。このデータはサンプル中の抗原濃度の期待値と計算値の間の優秀な相関関係を示しており、直線の式はy=1.0469x+6.5574、およびR=0.9732(完全な試験については、直線はy=xとなる)。
【0095】
実施例4:固定免疫マトリックス検定による複数の可溶性タンパク質の定量的検出
本方法および装置も、医療、畜産および環境に対する応用を含む現場試験において見出される抗原を含む種々の液体中の可溶性タンパク質の検出と定量に使用する。追加の利点は、各装置が読取領域に印刷された較正マトリックスを有することである。図14は較正マトリックスにより支持された固定免疫マトリックスを示す。
【0096】
図14の右から左の2つの垂直アレイ36は試験サンプルから同様の濃度の抗原を捕獲した試験点である。左から右の6つの垂直アレイ37は既知の低下する目盛濃度における各アレイを有する。各アレイは既知の抗原濃度により捕獲された同様の量の抗体標識10個の点38からなる。強度の低下する各水平アレイは較正マトリックスからなる。次いで、未知の試験点(2アレイ、図14の右から左)を較正された値と比較して未知抗原の濃度を決定する。
【0097】
この例は、検定装置の読取領域に事前印刷された固定免疫マトリックスルにおけるヒト絨毛性ゴナドトロピンタンパク質濃度を測定するための再現性をマイクロリットル当りフェムトグラム(fmol/μL)の範囲において確認するものである。
【0098】
この検定装置はまたランダム・アレイを装置の読取領域において表示および読取りされた固定アレイと組み合わせるオプションを含む。これは上述のハイブリッド・アレイと呼ばれる。
【0099】
図15、16および17は試験液体のサンプル中に懸濁されたリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)細菌の選択を示す顕微鏡写真である。図15はレーザー光回折および表面の擦り傷により形成された背景回折リングを示す。明点は視野に含まれる粒子の画像である。図16は図15同じ件義侠写真であるが、懸濁された粒子を一定時間位置ズレを許容したものである。「明点」粒子の相対的位置ずれを図15に示すそれと比較すると、どの粒子が静止しており、試験液体中に存在しないかが分かる。図17は図16と同じ顕微鏡写真であるが、同じ試験液体中の懸濁粒子の最終画像を表示している。この方法により、関心のある実際の粒子の測定を背景ノイズおよび回折に関連する問題を無くして行うことが可能になる。
【0100】
当業者は上記の詳細な説明に係る本発明の実施形態に対する多くの均等物を通常の実験をさらに行うことなく認識し実証することが可能である。そのような均等物は特許請求の範囲に含まれるものと了解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の検定装置の上面図である。
【図2】固定アレイ試験を実施するための本発明の検定装置の上面図である。
【図3】固定アレイ試験を実施するための本発明の検定装置の上面の顕微鏡写真である。
【図4】試験点の蛍光強度とサンプルの既知抗体濃度の間の関係を示すグラフである。
【図5】目盛点の蛍光強度と目盛点の既知抗体濃度の間の関係を示すグラフである。
【図6】サンプルの抗体濃度と目盛ドットの抗体量の間の関係を示すグラフである。
【図7】蛍光測定値の対数と検体濃度の間の関係を示すグラフである。
【図8】蛍光酵素で標識した酵母粒子の顕微鏡写真である。
【図9】微生物の特定の代謝産物に結合された蛍光色素を含む種々のサンプルの蛍光強度を示すグラフである。
【図10】蛍光標識された細菌の顕微鏡写真である。
【図11】事前印刷された細菌断片付着した本発明の2つの事前印刷された捕獲点の顕微鏡写真である。
【図12】2つの事前印刷された捕獲点の表面における蛍光大腸菌の動的濃度および捕獲を示す顕微鏡写真である。
【図13】抗体サンプルの抗体濃度予測値と抗体濃度計算値の間の相関関係を示すグラフである。
【図14】目盛点とその上に印刷された試験点の垂直アレイを有する本発明の検定装置を示す顕微鏡写真である。
【図15】レーザー光回折および表面の擦り傷により形成されたバックグラウンド回折リングを示す顕微鏡像であり、明点は視野内に含まれる粒子像である。
【図16】図15と同様の顕微鏡写真であるが、懸濁粒子の時間移動変位(time shift displacement)を許容したものである。「明点(bright spot)」粒子の相対的位置ずれを図15のものと比較するとどの粒子が静止したままであり試験液中にないかが分かる。
【図17】図16と同様の顕微鏡写真であり、サンプル試験液中の懸濁粒子の最終像を表示するものである。
【符号の説明】
【0102】
10 検定装置
12 載置領域
14 分離領域
16 読取領域
18 蓋
20 試験点
22 目盛点
36 垂直アレイ
37 垂直アレイ
38 点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体の存在についてサンプルを検定する装置であって、
・ある量の前記サンプルを受容する載置部分と、
・チャンバであって、前記チャンバは2つの不連続表面により規定され、
前記チャンバは前記載置部分と液体連絡している第1の端部と、前記第1の端部から離隔した第2の端部とを有し、前記不連続表面は前記サンプルの前記分離部分から前記載置部分への毛管流を生成するのに十分な距離分離されているチャンバと、
・前記チャンバの前記第2の端部と液体連絡している読取部分であって、前記読取部分は検体の存在を検出する試験点をその上に印刷し、前記試験点は前記検体を結合するための試薬を含む、読取部分と
を含む検定装置。
【請求項2】
前記試験点は、長さまたは幅が約7ナノメートル〜約10ナノメートルである抗原を結合する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
さらに、前記チャンバ内に配置された動的毛管フィルタであって、前記動的毛管フィルタは前記前記載置部分および前記読取部分に液体連絡し、前記動的毛管フィルタは複数の粒子を含み、前記粒子は相互に一時的に接し、それらの間に間隙空間を形成する、動的毛管フィルタを備え、
前記サンプルの液体部分が前記動的毛管フィルタに接触すると、前記液体部分が前記動的毛管フィルタ内に流入し、その際に前記液体サンプルの液体成分が前記液体サンプルの非液体成分から前記動的毛管フィルタの前記間隙空間を通過することにより分離され、前記液体成分はその後前記読取部分を流動する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記試薬は前記検体に対する抗体である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記検体は病原体断片であり、前記抗体は検出可能なマーカーで標識されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記検出可能なマーカーは蛍光色素である、請求項3に記載の検定装置。
【請求項7】
さらに、前記読取部分に分布した複数の試験点を備える、請求項1に記載の検定装置。
【請求項8】
前記試験点は非反応性タンパク質により分離された結合抗体を含む、請求項7に記載の検定装置。
【請求項9】
前記結合抗体は長さまたは幅が約7ナノメートル〜約10ナノメートルである抗原を結合する、請求項8に記載の検定装置。
【請求項10】
さらに、少なくとも2つの目盛点を前記読取領域上に印刷して含み、前記目盛点は前記試薬と反応させるための所定量の前記検体を含む、請求項1に記載の検定装置。
【請求項11】
前記読取部分は、遊離の検体特異抗体を結合するために陽性対照点を印刷して含む請求項10に記載の検定装置。
【請求項12】
前記装置は、前記装置が所定の型の検定に特異的であることを証明するために安全保障点を印刷して含む、請求項11に記載の検定装置。
【請求項13】
前記読取部分は、さらに、標識された未結合検体を収集するためのサンプル読取領域を含む、請求項1に記載の検定装置。
【請求項14】
前記検体は検出標識に接合されている、請求項11に記載の検定装置。
【請求項15】
前記試薬は前記検体に対する抗体である、請求項11に記載の検定装置。
【請求項16】
前記検体は病原体断片および前記病原体により産生された代謝産物の一方であり、前記抗体は検出可能なマーカーで標識されている、請求項12に記載の検定装置。
【請求項17】
前記検出可能なマーカーは蛍光色素である、請求項16に記載の検定装置。
【請求項18】
前記検体は病原体である、請求項1に記載の検定装置。
【請求項19】
前記病原体は細菌、ウイルスおよびカビからなる群から選ばれる、請求項18に記載の検定装置。
【請求項20】
サンプル中の検体の存在と量を検出する方法であって、
・前記サンプルを取得する工程と、
・前記サンプルを溶液と組み合わせてサンプル溶液を生成する工程と、
・前記サンプル溶液に力適用手段を適用して前記検体を複数の検体断片に破裂させる工程と、
・前記検体断片を検出可能なマーカーで標識する工程と、
・測定された体積の前記サンプル溶液を前記検体断片の存在の指標を表示するように適合された検定装置に適用する工程と、
・前記標識された検体断片の信号強度を検出手段を用いて検出する工程と
を含む方法
【請求項21】
さらに、前記サンプル中に存在する検体の量を前記信号強度に基づいて計算する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記信号強度を検出する工程は、回折除去により達成される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記サンプル中に存在する検体の量を計算する工程は、下記の部分工程:
・溶液中の既知濃度の標識された較正検体の信号強度を前記検出手段を用いて検出すること、
・標識された検体断片のある濃度の信号強度の、既知濃度の標識された較正検体の信号強度に対する比を計算すること、および
・前記サンプル溶液中に存在する検体の濃度を前記比に基づいて計算すること
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記検出手段は、顕微鏡、光ダイオード、光電子倍増管、CCD、分光光度計、照度計および蛍光光度計からなる群から選ばれる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記適用された力は、超音波破砕、酵素溶解、電気エネルギー、マイクロウェーブおよびレーザー熱放散からなる群から選ばれる、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記検体断片を検出可能なマーカーで標識する工程は、下記の部分工程:前記サンプル溶液を、前記検体断片と結合して複数の試薬−検体断片複合体を形成するように適合された試薬と組み合わせることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記サンプル溶液を前記試薬と組み合わせる抗知恵は前記試薬を収容する容器内で行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記容器は、さらに、濃縮材料を収容する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記容器は、注射器アプリケータである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記試薬は、前記検体に特異的に結合する抗体である、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記抗体は、液体と接触すると瞬間的に再水和するように適合された凍結融解された抗体である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記検出可能なマーカーは蛍光色素である、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記検体断片は、長さまたは幅が約7ナノメートル〜約10ナノメートルである、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記検体は病原体である、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記病原体は細菌、ウイルスおよびカビからなる群から選ばれる、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
前記検体は細菌であり、前記方法は前記サンプルを増菌培地中で30分未満の期間インキュベートしてから前記サンプルを前記溶液と組み合わせて前記サンプル溶液を生成する工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
さらに、前記サンプルを前記細菌の細胞膜を弱化するために緩衝溶液中で処理する工程を、前記力適用手段を前記サンプル溶液に適用する工程の前に含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
サンプル中の検体の存在と量を検出する方法であって、
・サンプルを取得する工程と、
・前記サンプルをある時間インキュベートする工程と、
・前記サンプルを溶液と組み合わせてサンプル溶液を生成する工程と、
・前記検体を検出可能なマーカーで標識する工程と、
・測定された体積の前記サンプル溶液を前記標識された検体を表示するように適合された検定装置に適用する工程と、
・多数の標識された検体単位を検出手段で検出する工程と
を含む方法。
【請求項39】
前記検出手段は顕微鏡である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記検体は病原体である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記検体は細菌、ウイルスおよびカビからなる群から選ばれる、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記検体は細菌である、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記検出可能なマーカーは蛍光色素である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
さらに、前記検出された検体単位の数を計数する工程および前記サンプル溶液中の前記測定された体積中の検体単位の濃度を計算する工程を備える、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記検出手段は、さらに、前記顕微鏡に接続され、前記サンプル中に存在する検体の量を計算するコンピュータを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記サンプル溶液を前記試薬と組み合わせる工程は前記試薬を収容する容器内で行う、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
前記容器は、さらに、濃縮材料を収容する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記容器は注射器アプリケータである、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記試薬は前記検体に特異的に結合する抗体である、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記抗体は液体と接触すると瞬間的に再水和するように適合されている凍結融解抗体である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記検出可能なマーカーは蛍光色素である、請求項46に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−501124(P2008−501124A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519571(P2007−519571)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000827
【国際公開番号】WO2005/119201
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(507003649)ウーメディック インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】