説明

マスキング材とその製造方法

【課題】 マスキング対象が例えば自動車などの物品の外面であって、その物品外面をマスキングシートで包み込むように覆う必要があるような場合でも、一枚のマスキングシートで作業性良く覆うことができるようにする。
【解決手段】 マスキングシート1におけるシート幅方向の一部分に、粘着面部2をシート長手方向に沿って設けてあるマスキング材であって、マスキングシートにおけるシート幅方向中間の中間シート部3を挟む左右両側の側部シート部4の夫々を、中間シート部の同じ一側面側に各別に重なるように、シート長手方向に沿って一連に折り畳むとともに、中間シート部の他側面側に前記粘着面部を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスキングシートにおけるシート幅方向の一部分に、粘着面部をシート長手方向に沿って設けてあるマスキング材とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記マスキング材は、例えば、塗装現場において塗料ミストなどが非塗装対象に付着しないように、その非塗装対象をシートで覆ったり、陳列物や保管物が埃などを被らないように、その陳列物や保管物をシートで覆うために使用することができ、従来、マスキングシートをマスキング対象などに固定できるように、固定用の粘着面部を、マスキングシートにおけるシート幅方向の一端側に、シート長手方向に沿って設けてある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−303851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、マスキング対象が壁面のような物品外面の一側面である場合には、シート幅方向の一端側を、その一端側に設けてある粘着面部でマスキング対象の上部などに粘着固定して、マスキングシートをカーテンのように自重で垂らしておけば、そのマスキング対象を一枚のマスキングシートで作業性良く覆っておくことができるが、マスキング対象が例えば自動車などの物品の外面であって、その物品外面をマスキングシートで包み込むように覆う必要があるような場合には、一枚のマスキングシートでは作業性良く覆い難い欠点がある。
つまり、従来のマスキング材は粘着面部をシート幅方向の一端側に設けてあるので、床面に設置してある自動車などの物品外面を一枚のマスキングシートで包み込むように覆うにあたって、マスキングシートがずれないように、その物品外面の一側面側下部において、シート幅方向の一端側を粘着面部で床面近くに沿って粘着固定してから、マスキングシートを他側面側に向けて拡げて、物品外面を包み込む必要があるが、マスキングシートを粘着面部で床面近くに沿って粘着固定する際や、マスキングシートを他側面側に向けて拡げる際に、マスキングシートが垂れ下がって床面側に接触し易く、床面側との接触で汚れたマスキングシートで物品外面を包み込むと、かえって、物品外面を汚してしまうおそれがあるので、マスキングシートが床面側に接触しないように保持しながら、マスキングシートを粘着面部で床面近くに沿って粘着固定したり、マスキングシートを他側面側に向けて拡げる必要が生じるからである。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、マスキング対象が例えば自動車などの物品の外面であって、その物品外面をマスキングシートで包み込むように覆う必要があるような場合でも、一枚のマスキングシートで作業性良く覆うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、マスキングシートにおけるシート幅方向の一部分に、粘着面部をシート長手方向に沿って設けてあるマスキング材であって、前記マスキングシートにおけるシート幅方向中間の中間シート部を挟む左右両側の側部シート部の夫々を、前記中間シート部の同じ一側面側に各別に重なるように、シート長手方向に沿って一連に折り畳むとともに、前記中間シート部の他側面側に前記粘着面部を設けてある点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
マスキングシートがずれないように、シート長手方向に沿って設けてある粘着面部で粘着固定するにあたって、マスキングシートにおけるシート幅方向中間の中間シート部の他側面側を物品外面の上部に粘着固定して、その中間シート部に各別に重なるように折り畳んである左右両側の側部シート部が床面側に接触しないように保持することができ、このとき、側部シート部が垂れ下がって床面側に接触しても、その側部シート部は、物品外面を覆いながら垂れ下がることになるので、物品外面を汚してしまうおそれはない。
また、例えば、中間シート部を挟む左右両側の側部シート部を、一方の側部シート部が中間シート部の一方の側面側に重なり、他方の側部シート部が中間シート部の他方の側面側に重なるように、シート長手方向に沿って一連に折り畳むとともに、中間シート部のいずれかの側面側に粘着面部を設けてある場合は、中間シート部を物品外面に粘着固定したときに、中間シート部の粘着面部を設けてある側に重なるように折り畳んであるいずれか一方の側部シート部は、中間シート部と物品外面との間に挟み込まれるように保持されるので、その側部シート部の端部を掴み難くて、拡げにくい欠点がある。
しかしながら、本発明によるマスキング材は、中間シート部を挟む左右両側の側部シート部の夫々を、中間シート部の同じ一側面側に各別に重なるように、シート長手方向に沿って一連に折り畳むとともに、中間シート部を物品外面に粘着固定したときに、折り畳んだ左右両側の側部シート部のいずれもが、中間シート部と物品外面との間に挟み込まれないように、つまり、物品外面に粘着固定した中間シート部の上側に保持されるように、中間シート部の他側面側に粘着面部を設けてあるので、中間シート部を物品外面に粘着固定した状態で、左右両側のいずれの側部シート部の端部も掴み易くて、左右両側に拡げ易く、物品外面をマスキングシートで包み込むように手際よく覆うことができる。
従って、マスキング対象が例えば自動車などの物品の外面であって、その物品外面をマスキングシートで包み込むように覆う必要があるような場合でも、一枚のマスキングシートで作業性良く覆うことができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記中間シート部をシート幅方向で左右に分離して、夫々分離した分割中間シート部と左右両側の前記側部シート部とで二個の折り畳みシート部材を形成し、前記二個の折り畳みシート部材における夫々の前記分割中間シート部の双方に亘って粘着テープを粘着させて一体化すると共に、前記一対の分割中間シート部間の隙間を介して前記粘着テープの粘着面を外方に臨ませて、前記粘着面部を形成してある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
粘着材を中間シート部に塗布することなく、粘着テープを使用して、中間シート部の他側面側に粘着面部を簡便に設けることができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記マスキングシートにおける前記中間シート部及び前記側部シート部夫々を全幅に亘って一連のシート部材で形成し、その中間シート部の他側面上に粘着層を付設して、前記粘着面部を構成してある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
中間シート部をシート幅方向で左右に分離するなどの加工を特に施すことなく、中間シート部の他側面側におけるシート幅方向の任意の位置に、粘着面部を設けることができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記粘着面部を挟んで対向するシート部分の幅を、一方のシート部分の幅が他方のシート部分の幅よりも狭くなるように形成してある点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
粘着面部を挟んで対向するシート部分の幅を同じ幅に形成してあるマスキング材では、中間シート部をマスキング対象の物品外面の幅方向中央上部に沿って粘着面部で粘着固定することで、その物品外面を全幅に亘って略均等に覆うことができるが、マスキング対象が例えば自動車などの長さも幅も長くて、高さも高く、物品の幅方向中央上部に手が届きにくいような大型物品の外面の場合は、そのような物品外面の幅方向中央上部に沿って粘着固定しにくく、物品外面を全幅に亘って略均等に覆いにくい問題がある。
上記に対して、第4特徴構成によれば、粘着面部を挟んで対向するシート部分の幅を、一方のシート部分の幅が他方のシート部分の幅よりも狭くなるように形成してあるので、幅の狭い一方のシート部分が幅の広い他方のシート部分よりも物品外面の幅方向左右何れかに近接するように、中間シート部をマスキング対象の物品外面の幅方向の左右何れかに偏った上部に沿って粘着面部で粘着固定することで、マスキング対象が幅方向中央上部に手が届きにくいような大型物品の外面でも、その物品外面を全幅に亘って略均等に覆うことができる。
【0013】
本発明の第5特徴構成は、シート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってある点にある。
【0014】
〔作用及び効果〕
シート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってあるので、マスキング材を保管したり運搬したりする際には、シート長手方向に沿って一連に折り畳んである側部シート部の折り畳み姿勢が崩れないように取り扱い易いとともに、マスキングシートを粘着面部で粘着固定する際には、マスキング材を巻き戻すように転がしながら作業性良く粘着固定することができる。
【0015】
本発明の第6特徴構成は、筒状シート素材を筒長手方向に沿って扁平に折り畳んである折り畳みシート素材を巻き取ってあるシート原反を使用して、請求項2記載のマスキング材を製造する方法であって、前記シート原反から繰り出した折り畳みシート素材を、シート長手方向に沿って一連に折り返し、かつ、シート重なり方向の最外側に亘って折り返した露出シート部分を、その折り返し部位から離れた箇所で、シート長手方向に沿って一連に切断することにより、前記折り返し部位を含む露出シート部分を前記分割中間シート部に形成するとともに、その分割中間シート部に重なっている残りのシート部分を前記側部シート部に形成して、前記折り畳みシート部材を作成し、その折り畳みシート部材を巻き取って折り畳みシート巻体を作成する第1工程と、前記折り畳みシート巻体の二個を使用して、それらの折り畳みシート部材を、前記側部シート部どうしがシート幅方向で互いに対向し、かつ、前記分割中間シート部のシート長手方向に沿う端縁どうしが互いに隙間を隔てて対向するように繰り出して、前記分割中間シート部の双方に亘って、前記隙間から粘着面がシート重なり方向の外側に臨むように、シート重なり方向の内側から粘着テープを粘着させて、前記粘着面部を設けたマスキング材を作成し、そのマスキング材をシート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってマスキング材巻体を作成する第2工程とを備えている点にある。
【0016】
〔作用及び効果〕
第1工程においては、シート原反から繰り出した筒長手方向に沿って扁平に折り畳んである折り畳みシート素材を、シート長手方向に沿って一連に折り返し、かつ、シート重なり方向の最外側に亘って折り返した露出シート部分を、その折り返し部位から離れた箇所で、シート長手方向に沿って一連に切断することにより、折り返し部位を含む露出シート部分を分割中間シート部に形成するとともに、その分割中間シート部に重なっている残りのシート部分を側部シート部に形成して、折り畳みシート部材を作成し、その折り畳みシート部材を巻き取って折り畳みシート巻体を作成する。
第2工程においては、折り畳みシート巻体の二個を使用して、それらの折り畳みシート部材を、側部シート部どうしがシート幅方向で互いに対向し、かつ、分割中間シート部のシート長手方向に沿う端縁どうしが互いに隙間を隔てて対向するように繰り出して、分割中間シート部の双方に亘って、その隙間から粘着面がシート重なり方向の外側に臨むように、シート重なり方向の内側から粘着テープを粘着させて、粘着面部を設けたマスキング材を作成し、そのマスキング材をシート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってマスキング材巻体を作成する。
従って、マスキング対象が例えば自動車などの物品の外面であって、その物品外面をマスキングシートで包み込むように覆う必要があるような場合でも、一枚のマスキングシートで作業性良く覆うことができる幅広のマスキング材を、筒状シート素材を筒長手方向に沿って扁平に折り畳んで巻き取ってあるシート原反と粘着テープとを使用して製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、炭酸カルシウムを配合してあるポリエチレン樹脂などの低公害の樹脂製マスキングシート1におけるシート幅方向の一部分に、粘着面部2をシート長手方向に沿って設けてある本発明によるマスキング材Aを示し、マスキングシート1におけるシート幅方向中央の中間シート部3を挟む左右両側の側部シート部4の夫々を、中間シート部3の同じ一側面側に各別に重なるように、シート長手方向に沿って一連に折り畳むとともに、中間シート部3の他側面側に粘着面部2を設け、図8に示すように、粘着面部2を内側に向けて、シート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってある。
【0018】
前記マスキングシート1は、中間シート部3をシート幅方向中央で左右の分割中間シート部3a,3bに分離して、夫々分離した分割中間シート部3a,3bと左右両側の側部シート部4とで二個の折り畳みシート部材5を形成し、これらの二個の折り畳みシート部材5における夫々の分割中間シート部3a,3bの双方に亘って一連の片面粘着テープ6を粘着させて一体化してあり、粘着面部2は、一対の分割中間シート部3a,3b間の隙間を介して粘着テープ6の粘着面を外方に臨ませて形成してある。
【0019】
図2は、上記マスキング材Aを巻き取ってある一個のマスキング材巻体Bを使用して、床面に設置してある自動車(マスキング対象の一例)Cの外面を一枚のマスキングシート1で包み込むように覆う方法を示し、マスキングシート1がずれないように、マスキング材巻体Bを転がしながら、中間シート部3を粘着面部2で、車体前後方向に沿って、車体外面の上部に粘着固定して、図2(イ)に示すように、左右両側の折り畳みシート部材5が床面側に接触しないように保持する。
【0020】
そして、中間シート部3の上面側に各別に重なるように折り畳んである側部シート部4の夫々を左右両側に拡げて、図2(ロ)に示すように、その車体外面をマスキングシート1で覆い、マスキングシート1の長手方向端部の各々をしごくように縛って、自動車Cの外面を一枚のマスキングシート1で包み込む。
【0021】
上記マスキング材Aを、筒状シート素材11を筒長手方向に沿って扁平に折り畳んで巻き取ってあるシート原反12を使用して製造する本発明による製造方法を、図3〜図7を参照しながら説明する。
【0022】
前記シート原反12は、図3(ロ)に示すように、厚さ0.012mm程度の筒状シート素材11を、内側二枚の折り返し部がシート幅方向の中央で対向するように、四枚重ねに折り畳んである幅650mm程度の折り畳みシート素材13を、図3(イ)に示すように巻き取ってあり、このシート原反12から繰り出した折り畳みシート素材13を、シート長手方向に沿って、略半分の幅に一連に折り返した一次折り畳みシート14を作成しながら巻き取って、図4に示すように、一次折り畳みシート14を互いに逆向きに巻き取ってある二個の一次巻体15a,15bを作成する。
【0023】
次に、図5(イ)に示すように、二個の一次巻体15a,15bの各々から繰り出した一次折り畳みシート14の両側を、図5(ロ)に示すように、シート長手方向に沿って、上下に重なるように一連に折り返しながら、かつ、シート重なり方向の最外側に亘って折り返した露出シート部分16を、その折り返し部位から離れた箇所で、シート長手方向に沿って一連に切断して、折り返し部位を含む露出シート部分16を分割中間シート部3a,3bに形成するとともに、その分割中間シート部3a,3bに重なっている残りのシート部分を側部シート部4に形成してある折り畳みシート部材5を作成しながら、側部シート部4側を内向きにして巻き取って、図6に示すように、巻き取り方向が互いに逆向きの二個の折り畳みシート巻体17(17a,17b)を作成する(第1工程)。
【0024】
次に、折り畳みシート巻体17a,17bの二個を使用して、図7に示すように、それらの折り畳みシート部材5を、側部シート部4どうしがシート幅方向で互いに対向し、かつ、分割中間シート部3a,3bのシート長手方向に沿う端縁どうしが互いに隙間を隔てて対向するように繰り出して、分割中間シート部3a,3bの双方に亘って、隙間から粘着面がシート重なり方向の外側に臨むように、一側面側に剥離コート層18を形成してある片面粘着テープ6をシート重なり方向の内側から粘着させて、粘着面部2を設けたマスキング材Aを作成し、図8に示すように、そのマスキング材Aを、粘着面部2を内側に向けて、シート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってあるマスキング材巻体Bを作成する(第2工程)。
【0025】
〔第2実施形態〕
図9は、本発明によるマスキング材Aの別実施形態を示し、粘着面部2を挟んで対向する一方のシート部分の幅が他方のシート部分の幅よりも狭くなるように、二個の折り畳みシート部材5のうちの一方の折り畳みシート部材5aを、第1実施形態で示した筒状シート素材11よりも周方向長さが短い筒状シート素材11で作成し、他方の折り畳みシート部材5bを第1実施形態と同様に作成して、二個の折り畳みシート部材5のうちの一方の折り畳みシート部材5aを展開したシート部分の幅が、他方の折り畳みシート部材5bを展開したシート部分の幅よりも狭くなるように設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0026】
〔第3実施形態〕
図10は、本発明によるマスキング材Aの別実施形態を示し、マスキングシート1における中間シート部3及び左右の側部シート部4夫々を全幅に亘って一連のシート部材で形成し、その中間シート部3の他側面上に一連の両面粘着テープ19を粘着させた粘着層20を付設して、粘着面部2を構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0027】
〔その他の実施形態〕
1.本発明によるマスキング材は、紙製マスキングシートにおけるシート幅方向の一部分に、粘着面部をシート長手方向に沿って設けてあっても良い。
2.本発明によるマスキング材は、粘着面部をシート長手方向に沿って断続的に設けてあっても良い。
3.本発明によるマスキング材は、粘着剤を塗布して構成した粘着面部を設けてあっても良い。
4.本発明によるマスキング材は、巻き取っていないもの、つまり、帯状に拡げた形態で提供されるマスキング材であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】マスキング材の斜視図
【図2】マスキング材の使用方法の説明図
【図3】マスキング材の製造方法の説明図
【図4】マスキング材の製造方法の説明図
【図5】マスキング材の製造方法の説明図
【図6】マスキング材の製造方法の説明図
【図7】マスキング材の製造方法の説明図
【図8】マスキング材の製造方法の説明図
【図9】第2実施形態のマスキング材の斜視図
【図10】第3実施形態のマスキング材の斜視図
【符号の説明】
【0029】
1 マスキングシート
2 粘着面部
3 中間シート部
3a 分割中間シート部
3b 分割中間シート部
4 側部シート部
5 折り畳みシート部材
6 粘着テープ
11 筒状シート素材
12 シート原反
13 折り畳みシート素材
16 露出シート部分
17 折り畳みシート巻体
20 粘着層
A マスキング材
B マスキング材巻体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスキングシートにおけるシート幅方向の一部分に、粘着面部をシート長手方向に沿って設けてあるマスキング材であって、
前記マスキングシートにおけるシート幅方向中間の中間シート部を挟む左右両側の側部シート部の夫々を、前記中間シート部の同じ一側面側に各別に重なるように、シート長手方向に沿って一連に折り畳むとともに、前記中間シート部の他側面側に前記粘着面部を設けてあるマスキング材。
【請求項2】
前記中間シート部をシート幅方向で左右に分離して、夫々分離した分割中間シート部と左右両側の前記側部シート部とで二個の折り畳みシート部材を形成し、
前記二個の折り畳みシート部材における夫々の前記分割中間シート部の双方に亘って粘着テープを粘着させて一体化すると共に、前記一対の分割中間シート部間の隙間を介して前記粘着テープの粘着面を外方に臨ませて、前記粘着面部を形成してある請求項1記載のマスキング材。
【請求項3】
前記マスキングシートにおける前記中間シート部及び前記側部シート部夫々を全幅に亘って一連のシート部材で形成し、その中間シート部の他側面上に粘着層を付設して、前記粘着面部を構成してある請求項1記載のマスキング材。
【請求項4】
前記粘着面部を挟んで対向するシート部分の幅を、一方のシート部分の幅が他方のシート部分の幅よりも狭くなるように形成してある請求項1〜3のいずれか1項記載のマスキング材。
【請求項5】
シート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってある請求項1〜4のいずれか1項記載のマスキング材。
【請求項6】
筒状シート素材を筒長手方向に沿って扁平に折り畳んである折り畳みシート素材を巻き取ってあるシート原反を使用して、請求項2記載のマスキング材を製造する方法であって、
前記シート原反から繰り出した折り畳みシート素材を、シート長手方向に沿って一連に折り返し、かつ、シート重なり方向の最外側に亘って折り返した露出シート部分を、その折り返し部位から離れた箇所で、シート長手方向に沿って一連に切断することにより、前記折り返し部位を含む露出シート部分を前記分割中間シート部に形成するとともに、その分割中間シート部に重なっている残りのシート部分を前記側部シート部に形成して、前記折り畳みシート部材を作成し、その折り畳みシート部材を巻き取って折り畳みシート巻体を作成する第1工程と、
前記折り畳みシート巻体の二個を使用して、それらの折り畳みシート部材を、前記側部シート部どうしがシート幅方向で互いに対向し、かつ、前記分割中間シート部のシート長手方向に沿う端縁どうしが互いに隙間を隔てて対向するように繰り出して、前記分割中間シート部の双方に亘って、前記隙間から粘着面がシート重なり方向の外側に臨むように、シート重なり方向の内側から粘着テープを粘着させて、前記粘着面部を設けたマスキング材を作成し、そのマスキング材をシート幅方向に沿う軸周りで繰り出し自在に巻き取ってマスキング材巻体を作成する第2工程とを備えているマスキング材製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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