説明

マスキング材

【課題】本発明の課題は、マスキング材に金型を使用することなく製造することを課題とする。
【解決手段】原板材1を打抜き加工あるいは切断加工することによって、基板11、把手部12、挿入部13等の部品を作成し、該部品11,12,13を組立て、マスキング材を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔部あるいは凹部に挿入され、該孔部や該凹部を塗装、メッキ等の表面処理から保護するために使用されるマスキング材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のマスキング材はプラスチックを材料とし、ビーズ成形や真空および/または圧空成形によって製造されている。(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−086490号公報
【特許文献2】特開平11−254570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ビーズ成形や真空および/または圧空成形は金型を使用するため、種々の形状のマスキング材を製造するには、それぞれに対応した種々の金型を準備する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点を解決するための手段として、原板材1を打抜きおよび/または切断加工することによって製造され、孔部または凹部に挿入されて該孔部または凹部を保護するマスキング材2を提供するものである。
通常、原板材1を打抜きおよび/または切断加工することによって基板11、把手部12、孔部または凹部への挿入部13を作成し、該基板11上面に該把手部12を取付け、該基板11下面に該挿入部13を取付けてマスキング材2とする。また該把手部12と該挿入部13とは装着孔およびまたは装着溝によって該基板11に取付けられていることが望ましく、該把手部12と該挿入部13とは一体的にされているか、あるいは該基板11と該把手部12と該挿入部13とは一体的にされていることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
〔作用〕
本発明のマスキング材2は、原板材1を打抜きおよび/または切断加工することによって製造されるから、金型が不要になる。該把手部12と該挿入部13とを装着孔および/または装着溝によって基板11に取付ければ、接着や融着等の手間のかかる工程が不要になり、また組立て、分解が簡単に出来る。
更に、該把手部12と該挿入部13とが一体的にされているか、あるいは該基板11と該把手部12と該挿入部13とが一体的にされていると、組立てが容易になる。
【0007】
〔効果〕
本発明のマスキング材は、製造に金型を使用しないので、極めて安価に提供出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を以下に詳細に説明する
本発明の第1実施例を図1および図2に示す。図1に示すものは原板材1であり、該原板材1を点線に示すように打抜いて、図2に示すような栓状のマスキング材2を製造する。
該マスキング材2は保護対象の孔または凹部に嵌着され、その上で塗装、メッキの表面処理が施される。
上記原板材1の材料としては、例えばポリスチレン発泡体板、ポリエチレン発泡体板、ポリプロピレン発泡体板等のプラスチック発泡体、エンジニアリングプラスチックシート、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂シート等のプラスチックシート、熱可塑性エラストマーシート、ゴムシート等の樹脂板、あるいは鉄、アルミニウム、銅、亜鉛等の金属単体か、それら金属の合金からなる金属板、あるいは紙、ダンボール、不織布、繊維シート、木質シート等の繊維板などが挙げられ、打抜きおよび/または切断加工が可能な材料であれば何れを使用してもよく、あるいは樹脂板、金属板及び繊維板から選ばれる少なくとも2つ以上を積層した積層板を使用してもよい。また原板材1には、先に挙げた材料の中でも折り曲げることが可能な材料を使用することが望ましい。
【0009】
図3〜図8には、本発明の第2実施例が示される。本実施例では第1実施例で挙げた原板材を打抜きおよび/または切断加工して、基板11、板状把手部12、板状挿入部13であるマスキング材部品を作成する。
【0010】
該基板llには左右一対の縦長嵌着孔11A,11Aが設けられ、該板状把手部12,12の下半部一側縁からはそれぞれ嵌着溝12A,12Aが設けられ、該板状挿入部13の一側縁からは左右一対の嵌着溝13A,13Aが設けられている。
【0011】
上記部材によって本実施例のマスキング材2Aを組立てるには.まず図4に示すように該基板11の嵌着孔11A,11Aに該板状把手部12,12の上半部をそれぞれ貫通させ、上側貫通部分を把手121.121とする。
【0012】
更に図5に示すように該基板11の嵌着孔11A,11Aに嵌着した板状把持部12,12の嵌着溝12A,12Aと、挿入部13の嵌着溝13A,13Aとを嵌合わせて図6に示す状態とし、該挿入部13を固定する。
このようにしてマスキング材2Aが組立てられ.該マスキング材2Aは図7、図8に示す孔部である四角孔3に挿入部13を嵌着することによって該四角孔3に取付けられ、該四角孔3を塗装、メッキ等の表面処理から保護する。
なお、上記マスキング材2Aは、孔部である四角孔3に取付けることに限らず、平面視で四角形状の凹部に取付けてもよく、また挿入部13が嵌着可能であれば平面視で円形状、楕円形状、長円形状などの略円形状の孔部または凹部、あるいは平面視で三角形状、五角形状、六角形状などの多角形状の孔部または凹部に取付けてもよい。
【0013】
図9、図10(a),(b)は本発明の第3実施例を示す。
図9に示すように、原板材である可撓性シートからマスキング原体2bを打抜き、該マスキング原体2bからマスキング材2Bを組立てる。
マスキング原体2bは、円形の基板31と、該基板31の一端から第1くびれ部32を介して膨出形成される挿入部形成部分33と、該挿入部形成部分33から第2くびれ部34を介して拡径形成される把手部35とを一体的に延設して構成されている。該基板31には嵌着溝31Aが設けられている。該挿入部形成部分33の中央部には、折曲部36が設けられている。
【0014】
上記マスキング原体2bから図10(a),(b)に示すマスキング材2Bを組立てるには、第1くびれ部32で挿入部形成部分33を基板31上に折曲げ、更に折曲部36で挿入部形成部分33の中央部を折曲げ、該把手部35を該基板31の嵌着溝31Aに貫通させる。
上記のようにして組立てられたマスキング材2Bは、基板31の一方の側に挿入部形成部分33によって挿入部39が形成され、他方の側に把手部35が臨出している。そして該マスキング材2Bは、該挿入部39を保護対象となる孔又は凹部に挿着することにより、孔部又は凹部を塗装あるいはメッキ等の表面処理から保護する。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明のマスキング材は金型を用いずに打抜きや切断加工のみで製造されるので、非常に安価に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1および図2は本発明の第1実施例を示すものである。
図3〜図8は本発明の第2実施例を示すものである。
図9および図10は本発明の第3実施例を示すものである。
【図1】原板部分斜視図。
【図2】マスキング材斜視図。
【図3】マスキング材部品斜視図。
【図4】基板と板状把手部とを組合わせた状態の斜視図。
【図5】板状挿入部組付け前説明図。
【図6】マスキング材組立て状態斜視図。
【図7】マスキング材使用直前状態説明図。
【図8】マスキング材使用状態説明図。
【図9】マスキング原体の平面展開図。
【図10】マスキング原体から組立てたマスキング材の(a)は正面図、(b)は側面図。
【符号の説明】
【0017】
1 原板材
2,2A,2B マスキング材
11 基板
12 把手部
13 挿入部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原板材を打抜きおよび/または切断加工することによって製造され、孔部または凹部に挿入されて該孔部または該凹部を保護することを特徴とするマスキング材。
【請求項2】
原板材を打抜きおよび/または切断加工することによって基板、把手部、孔部または凹部への挿入部を作成し、該基板の上面に該把手部を取付け、該基板の下面に該挿入部を取り付けた請求項1に記載のマスキング材。
【請求項3】
該把手部と該挿入部とは装着孔およびまたは装着溝によって該基板に取付けられている請求項2に記載のマスキング材。
【請求項4】
該把手部と該挿入部とは一体的にされている請求項2または3に記載のマスキング材。
【請求項5】
該基板と該把手部と該挿入部とは一体的にされている請求項2または3に記載のマスキング材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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