説明

マスク、マスク用フィルターバッグ、通気フィルタリング方法及び防塵マスク

【課題】呼吸が楽にでき、装着感も普通のマスクに準じ、日常生活で使用に耐え得る抗ウイルス、抗花粉症、抗化学物質の効果が得られるマスクを提供する。
【解決手段】装用時において少なくとも着用者5の口唇51や鼻孔52を覆うマスク本体2と、マスク本体2の両側部から延びて着用者の両耳に掛けられる一対の支持紐体3と、マスク本体2に保持されて着用者の口唇51や鼻孔52に密着されるフィルターバッグ4とを備え、フィルターバッグ4の内部には、多数の粒状(球)の多孔性物質41が充填されている。この粒状の多孔性物質41としては、発泡スチロールビーズを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装用時に鼻と口を覆うことにより、塵埃やウイルス、花粉等の空気中の微細な異物の侵入を防いだり、患者等の口腔や鼻腔からの飛沫の拡散を防いだり、大気汚染による有害化学物質・放射性物質などを捕捉し、その吸入を防ぐためのマスク、マスク用フィルターバッグ、通気フィルタリング方法及び防塵マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な生活環境の中で、大気中の物質が、生物学的、化学的、物理的に人体に及ぼす影響は多く、人体にその影響が及んだときに、疾患として発症することがある。このように大気中の物質による悪影響の原因としては、日常的に多く観察される空気汚染や空気感染がある。この空気汚染や空気感染に対する対策としては、汚染や感染の発生源に対する処置と、発生したものに対する防禦とが挙げられる。
【0003】
このうち、発生したものに対する措置として、個人が実施できる対策の一つにマスクの装着による防禦がある。現状においても、マスク自体の形態や構造、材質はもとより、マスクに備えられて、空気の中の有害物質とされるものを吸着する方法など、その使用目的に応じて種々の工夫がなされている。すなわち、単に不織布を縫製したマスク単独では、化学物質や、生物学的な細菌、ウイルスの防禦は難しく、上述したように、形態や構造などに工夫を施し、直接気道、肺の中へ吸引されないような対策が必要となっている。この対策の一つとしては、マスクの層状構造をなすのが一般的で、中には液体を吸湿させたものをマスクに装着して用いるなどの工夫がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−45661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、層状構造による吸湿フィルターでは、フィルターとしての効果を高めようとすれば、層状構造を厚くしなければならず、その分、呼吸に際しては、吸気の通過量が制限され、着用者にとっては呼吸が苦しいという難点がある。これを解消するために、従前において、保湿させたフィルターを使用する試みはあるが、これは一部に通気口やスリットを設けて、通気性を良くするようにしている。しかし、これにより空気は通過障害のない通気口を通過していくことになり、湿潤させたフィルターを通過する量は殆どないと考えられる。
【0006】
また、現状では呼吸に支障を来すことなく使用できるマスクはその形態から作業用の目的に応じて作られた、防毒マスクに類似した形態で、装着者の口唇にフィルターが接触しないように、着用者の口唇とフィルターの間に通気用の空間が確保された形式のものが見受けられる。これらは日常一般人が使用するには外観が大袈裟になり、ファッション性が低減するうえ、構造が複雑でコスト高となり、実用性に乏しいという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、呼吸が楽にでき、装着感も普通のマスクに準じ、日常生活で使用に耐え得る抗ウイルス、抗花粉症、抗化学物質の効果が得られるマスク、マスク用フィルターバッグ、通気フィルタリング方法及び防塵マスクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、装用時において着用者の両耳に掛けられる一対の支持紐体と、支持紐体に支持されて着用者の口唇に密着されるフィルターバッグとを備え、フィルターバッグの内部には、多数の粒状の多孔性物質が充填されている。なお、フィルターバッグは、着用者の口唇からフィルターバッグまでの間に一定の空間が保持されるように支持し、且つ前記空間の気密性を保持するようにしてもよい。
【0009】
このように本発明によれば、粒状(球状或いは小球状)の多孔性物質が充填されたフィルターバッグを、着用者の口唇に密着させ、又は気密性を確保した状態で口唇近傍に保持させるため、外気がマスク周縁からマスク内へ流入するのを防止でき、塵挨やウイルス等が直接気道内、肺の中へ吸引されることがない。
【0010】
このとき、多孔性物質が粒状(球形)をなしていることから、多孔性物質を球状にすることで、通過する空気の接触する面を大きくしている。同時に、球体同士の接触は点状であることから、通気経路を十分確保することができる。さらに使用時にフィルターバッグ内の球状物質が3?4層以上になるようにすることで、フィルター効果と十分量の空気がバッグ内の間隙を通過する吸気・呼気経路が形成されることとなり、吸気の通過量を十分に確保することができる。したがって、着用者にとって呼吸が苦しくなるのを回避することができる。なお、本発明において「多孔」とは、物質表面に形成された凹凸によって粗面状態となっているものを含み、必ずしも物質内部まで及ぶか表在性のもので貫通する孔である必要はない。
【0011】
さらに、フィルターバッグが、着用者の口元に密着され、或いは気密性を確保した状態で口元近傍に保持されているため、着用者自身の呼気に含まれる水蒸気によっても、球状多孔性物質表面に形成されている多数の微孔により呼気による水分が吸着され、マスク内に形成された呼吸経路となる球体表面に水分を確保できる。ちなみに呼気には1日300 ml程(1分間で12回の呼吸として)の水分が含有されている。
【0012】
また、球体表面に水分を保持し湿潤しているため、吸気が吸気経路を通過する際に、空気中の塵挨、花粉、細菌類、カビ類、ウイルスなどが多孔性物質表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。なお、後述するように、この呼吸による水分の保湿効果を上げるため、球体表面に保湿剤、保水剤、目的に応じた化学物質などのコーティングを施すことや、静電気の発生により球体表面への付着力を高めることも可能である。
【0013】
これにより、例えば、花粉症などの原因となるアレルギー源物質や、インフルエンザウイルス、細菌などの空気感染を予防でき、アスベスト、ホルムアルデヒドなどの化学物質を効果的に除去でき、また、悪臭などへの対応も可能である。多孔性物質に保水力をもたせることで、口腔粘膜、鼻粘膜、咽頭粘膜、気道粘膜などの乾燥をも予防でき、従来の一般のマスク効果を遥かに凌ぐものである。
【0014】
また、多孔性物質を充填したフィルターバッグを支持紐体で支持するという簡単な構成であることから、外観や構造をシンプルにすることができ、ファッション性を向上させることができるとともに、製造コストを低く抑えることができ、実用性が高い。現在使用されている立体マスクの形態をもったマスクで用いることができる。
【0015】
さらにマスクとフィルターバッグを組み合わせたものを作製することでより、マスク機能を効果的に発揮でき、装着感においても安定感が得られる方法として、フィルターバッグ専用のマスクを提供する。方法は立体マスクが口唇、鼻部、頬部、頤部に接触するマスクの四辺にスポンジ様のもので高まりを作って、マスク面と四辺の高まり内にフィルターバッグをおさめることにより、マスク周辺からの吸気のフィルター効果とフィルターバッグの層の確保が確実に得られ、フィルター効果を有効に機能させることができる。
【0016】
また、フィルターバッグの湿潤効果を高めるために、マスク内面上部に液体を保持して圧迫により注水可能な合成樹脂などによるスポイト状のものを装着することで、目的に応じた液を装填し、フィルターバッグ内の球体表面にコーティングを施すことが可能となる。ここで、装填する液体は、水、薬液、香料などが考えられる。またフィルターバッグ使用時に、スプレーなどにより、フィルターバッグに直接適当量の水や薬液を噴霧することで湿潤効果、薬効などが得られ、十分なフィルター効果得ることができる。なお、フィルターバッグを、着用者の口唇からフィルターバッグまでの間に一定の空間が保持されるように支持し、且つ前記空間の気密性を保持した場合には、フィルターバッグにより塵挨やウイルス等を吸着した後に、吸着された塵挨やウイルスが口唇に接触することがなく、安全性を向上させることができる。
【0017】
上記発明において、フィルターバッグの口唇に密着される接触面に形成され、着用者の鼻下位置に対応した水平な線状の鼻下硬化部を形成したり、又は、フィルターバッグの口唇に密着される接触面に形成され、着用者の口唇両側位置に対応した一対の鼻唇溝硬化部をさらに有することが好ましい。
【0018】
通常、フィルターバッグの鼻孔部・口唇側の面には、フィルターバッグ装着時の圧迫により、球状多孔物質が層状をなしていても、圧排されて、層形成が不十分になり、フィルター効果の得られない状態になりやすい。これを解決するために、鼻孔部、口唇部に十分量の球体多孔質物質による層形成(3?4層以上)ができるようにする。方法としてフィルターバッグが鼻孔部及び口唇部に密着されることが必要である。より有効な鼻孔部、口唇部接触面を獲得するために、凸(山)ひだ山(山折り)を3カ所につける。一つには鼻唇角に接するように水平に鼻翼基部に至るひだ山(山折り)を形成する。また両側の鼻唇溝に沿って、ひだ山を作る。この形成されたひだ山により、鼻孔部にあたる面と口唇部にあたる面が分割形成され、鼻孔部及び口唇部に密着させることができる。
【0019】
このようにひだ山(山折り部)を作ることで、通気フィルター効果をもたせるための十分量の多孔性物質を、適切な厚みをもって鼻孔部、口唇部に集め、保持できるようになる。その結果、吸気が吸気経路である、鼻孔、口裂を通過する際に、確実に空気中の塵挨やウイルスを多孔性物質表面に捕捉し、高いフィルター効果を発揮できる。
【0020】
なお、既製のマスクに使用する場合、フィルターバッグの形態は、ひだ山(山折り部)のない単純な袋状のバッグに多孔質物質を装填しても用いることができる。フィルターバッグ内の多孔性物質の量を増量することにより、多少かさばりはでるがフィルター効果を十分得ることができる。
【0021】
上記発明において、粒状(球状の)の多孔性物質は、発泡スチロールビーズであることが好ましい。この場合には、より軽量で安価な材料でフィルターバッグを製造することができ、マスク全体の軽量化と低廉化をより促進させることができる。
【0022】
なお、鼻下硬化部のみを形成することも可能であり、この場合には、例えば、可塑性を有するプラスチックや金属部材等の形状保持部材を用いることができる。この場合には、鼻下硬化部としての形状保持部材を設けることにより、鼻下に接するように盛り上がった膨らみ(山)が形成されて、その形状が維持されるようになる。これにより、簡単な構成で、マスクを着用した際、鼻下位置に対応する箇所に一定の空間(膨らみ)を形成することができ、この空間には、多孔性物質が集められ、鼻下(鼻孔)位置及び口唇位置に多孔性物質が適切な厚みをもって保持される。その結果、吸気が吸気経路を通過する際に、確実に空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。
【0023】
上記発明において、多孔性物質には、液体が含浸またコーティングされることが好ましい。この液体、溶液としては、保湿、保水力、粘性をもつ物質で、例えば食品の保水、粘性向上に用いられる添加物や、化粧品などの保湿性、湿潤性を保持するために用いられている添加物を含有させて、コーティング剤として使用することができる。また除菌・防菌用の薬剤や、香料などの液体、溶液を添加して用いることができ、これらの場合にはマスクの多機能化を計り、マスクの付加価値を高めることができる。
【0024】
上記発明において、フィルターバッグは、マスク本体に着脱可能に固定されることが好ましい。この場合には、フィルターバッグのみを交換することができるため経済的であり、また、フィルターバッグを既存のマスクと組み合わせて使うことも可能となり、本発明の応用範囲を拡大させることができる。
【発明の効果】
【0025】
このように発明によれば、呼吸が楽にでき、装着感も普通のマスクに準じ、日常生活で使用に耐え得る抗ウイルス、抗花粉症、抗化学物質の効果が得られるマスクを提供することができる。また、本発明は、防塵用、化学物質吸引の防禦などの目的で防毒、防塵マスクにも適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係るマスクの全体構成を示し、着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係るマスクの全体構成を示し、着用者に装着された状態を正面及び上方から示す説明図である。
【図3】第1実施形態に係るフィルターバッグの断面図である。
【図4】第1実施形態において係るマスクの装着例を示す説明図である。
【図5】(a)は、第1実施形態に係るフィルターバッグに形成された鼻下硬化部、及び一対の鼻唇溝硬化部を示す上面図であり、同図(b)は側面図であり、同図(c)は斜視図である。
【図6】第1実施形態に係るマスクが着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【図7】第1変更例に係るマスク本体に作られた水分保持体(補給体)固定のポケットと水分保持体(補給体)の装着されたところを示す図である。
【図8】第1変更例に係るフィルターバッグ、及び水分保持体を示す斜視図である。
【図9】第1変更例に係るフィルターバッグ、及び水分保持体(水分補給体)の連結部を示す断面図である。
【図10】第1変更例に係るマスクが着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【図11】(a)及び(b)は、第2実施形態に係るフィルターバッグを示す斜視図である。
【図12】(a)及び(b)は、第2実施形態に係るマスク本体を示す斜視図である。
【図13】(a)及び(b)は、第2実施形態に係るフィルターバッグがマスク本体に装着される動作を示す斜視図である。
【図14】第2実施形態に係るマスクが着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【図15】第2変更例に係る収納部に水分保持体が収納された状態を示す斜視図である。
【図16】第3実施形態に係る防塵マスクの構成を示す斜視図である。
【図17】(a)〜(d)は、第3実施形態に係る防塵マスクの各構成を示す説明図である。
【図18】第3実施形態に係る本体フレーム、外側フレーム、及び内側フレームの回動状態を示す説明図である。
【図19】第3実施形態に係るマスク本体に設けられた収納部を示す説明図である。
【図20】第3実施形態に係るマスク本体にフィルターバッグが収納された状態を示す説明図である。
【図21】第3変更例に係るマスクの全体構造を示す斜視図である。
【図22】(a)は、第3変更例に係るマスク本体にポケットを形成させた状態を正面から示す説明図であり、(b)は、ポケット内部にフィルターバッグを収納させた状態を正面から示す説明図である。
【図23】(a)は、第3変更例に係るポケットに形成された山折り状を示す斜視図であり、(b)は、マスクが着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【図24】第3変更例に係るマスクの側部開口を示す斜視図である。
【図25】(a)及び(b)は、第4変更例に係る防塵マスクの全体構造を示す斜視図である。
【図26】第4変更例に係る防塵マスクのフィルターバッグを収納する動作を示す説明図である。
【図27】第4変更例に係る防塵マスクが着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【図28】第4変更例に係る防塵マスクの全体構造を示す斜視図である。なお、本図では、網体が一部省略し(透過させ)て示している。
【図29】第4変更例に係る防塵マスクの使用状態を示す平面図である。なお、本図では、網体が一部省略し(透過させ)て示している。
【図30】第5変更例に係るフィルターバッグを示す平面図である。
【図31】第5変更例に係るフィルターバッグの使用状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(マスク及びマスク用フィルターバッグの構成)
以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。図1及び図2は、本実施形態に係るマスク1を示す説明図である。具体的に、マスク1は、図1(a)又は図2に示すように、装用時において少なくとも着用者5の口唇51や鼻孔52を覆うマスク本体2と、マスク本体2の両側部から延びて着用者5の両耳に掛けられる一対の支持紐体3と、マスク本体2に支持されて着用者5の口唇51や鼻孔52周辺に密着されるフィルターバッグ4とを備えている。そして、このマスク1を装着することにより、本発明の通気フィルタリング方法を実施することができる。なお、このマスク1としては、現在使用されているガーゼマスク、不織布マスク、プラスチック防塵マスクなど、既存の製品をそのまま用いることもできるが、フィルターバッグを装着することから厚みがでるので、立体マスクが使用に適している。
【0028】
マスク本体2は、十分な通気性を有する布、紙、合成繊維、プラスチックなどの可撓性部材(素材)で形成され、着用者5の口唇51や鼻孔52を覆う程度の面積を有している。具体的に、本実施形態では、フィルター性能の高いガーゼや不織布等の素材を用いている。支持紐体3は、伸縮性のあるゴム紐等であり、マスク本体2に縫い付けられ、着用者5の両耳に掛けられるように環状に形成されている。なお、ここでは、支持紐体3でマスク本体2を支持し、マスク本体2を介して、フィルターバッグ4を支持する場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルターバッグ4が着用者5の口唇に密着させることができるのであれば、支持紐体3のみでもよく、マスク本体2をさらに簡略化してもよい。
【0029】
フィルターバッグ4は、着用者5の口唇51や鼻孔52周辺に密着されるマスク用フィルターバッグであり、内部に充填される粒径の材料を一定の形状に集積する程度の強度と、着用者5の口や鼻の形状に合致される程度の柔軟性を有する。また、フィルターバッグ4は、呼吸(吸気)に障害のない通気性が十分に得られ、日常生活で抗ウイルス、抗花粉、抗化学物質の効果を発揮できる構造を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、このフィルターバッグ4は、現在使用されている市販のガーゼマスク、不織布マスク、プラスチック防塵マスクなどに装着可能となっている。すなわち、従来から使用されている不織布製の立体マスク、或いはプラスチック製の防塵マスクの形状に合わせて不織布或いはポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタンアクリル、綿、ウーリーナイロンなどを裁断して、既存製品に合致するような大きさや、立体形状をなしている。
【0031】
そして、フィルターバッグ4は、図1(b)に示すように、その内部に多数の粒状の多孔性物質41が充填され、マスク用湿潤フィルターとしての機能を果たす。具体的にこのフィルターバッグ4は、マスク本体2の形態に合わせた不織布の袋体42を形成し、その内部に、多孔性物質41として、直径3〜6mmを混合した発泡スチロールビーズが、3?5層程度になるように填入されている。
【0032】
なお、本実施形態では、この多孔性物質41の球体表面を、例えば、キサンタンガム、カルボマー、カラギナン、ペクチンなどの増粘剤、ビドフィックス(商品名)などの保水性、保湿性を有する物質等でコーティングすることも可能である。この場合には、多孔性物質41に付着した水分子が多孔性物質41の表面部分に保持されることとなり、高い保水効果を有する。これにより球体表面に塵埃などの微細粒子、花粉症発症の花粉、ウイルス、細菌類、有害化学物質ホルムアルデヒドやアスベスト、放射性物質、発臭物質を付着させることができ、吸気による口腔、気道への侵入を防ぎ、花粉症、ウイルス感染、細菌類の気道感染の防止ができる。また発臭物質の吸着による消臭効果が期待される。このビドフィックスは、グァーガム等の天然原料を主成分とする増粘剤であり、保水効果、乳化促進、分離防止、保形効果を有する。
【0033】
このように、多孔性物質41については、球体表面に、種々の目的に応じて、増粘剤、保湿剤に化学物質、抗菌剤などを溶融し、含有させることで目的に応じた使用対応も可能である。多孔性物質41に発生する静電気により水分子を球体表面へ引きつけ、球体への付着力を高めるようにしてもよい。
【0034】
この不織布の袋体42としては、通気性を有した高揆水性の不織布を用いることができ、口唇51側(内側)に水分などがついて気にならない程度が維持できるようにするとともに、外気に触れ空気の取り入れ側(外側)についても、保水力、保湿力をもたせる目的で高擬水性の不織布を用いる。
【0035】
なお、フィルターバッグ4には、図5及び図6に示すように、フィルターバッグ4の口唇51に密着される接触面40aに、着用者5の鼻下52a位置に対応した水平な線状の鼻下硬化部44と、着用者5の口唇両側にあるほうれい線(鼻唇溝)51aに対応した一対の鼻唇溝硬化部45,45とを形成することが好ましい。具体的には、図5(a)に示すように、鼻下硬化部44は、略中央部分の不織布を縫い合わせたり、熱溶着等をすることによって硬化した部分が山折り状に形成され、一対の鼻唇溝硬化部45,45は、鼻下硬化部44の両端位置からほうれい線51aに沿うように、接触面40aの不織布を縫い合わせることで山折り状に形成されている。これにより、フィルターバッグ4は、図5(b)〜(c)に示すように、鼻下硬化部44と、一対の鼻唇溝硬化部45,45とが接触面40aから突出するとともに、口唇51の周りを囲うような形状となり、その形状が維持されるようになっている。
【0036】
このように構成によって、フィルターバッグ4の内部は、鼻下52a位置及び口唇51両側の鼻唇溝(ほうれい線)51a位置に対応する箇所に一定の空間が形成され、そこに多孔性物質41が集められることとなる。詳述すると、解剖学上、鼻尖、口唇51の先端部分、及び頤部は、ほぼ直線LL上に並び、鼻下部分は、直線LLから窪むように形成されており、口唇の両側方には、鼻唇溝(ほうれい線)と呼ばれる溝がある。本実施形態では、鼻下硬化部44によって、鼻下52aに対応した箇所に膨らみを形成するとともに、鼻下硬化部44及び鼻唇溝硬化部45,45で口唇51を上方(上唇部)と側方(口角部)から囲繞することができるため、装着時には、鼻孔位置及び口唇位置に多孔性物質41が適切な厚みをもって保持され、吸気が吸気経路を通過する際に、確実に空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質41表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。
【0037】
さらに、本実施形態において、この発泡スチロールビーズには、液体が含浸又はコーティングがなされる。この液体としては、除菌・抗菌用の薬剤、製剤、抗ウイルス製剤や、消臭効果のある製剤、化学物質の分解製剤、香料などの液体を用いることができる。ここで、これら製剤には、市販されている手洗い用、洗浄用.清拭用、口腔洗浄用剤、石鹸類など、抗菌効果、抗ウイルス効果が奏する製剤を用いることができ、また、化学物質分解製剤としては、例えばホルムアルデヒドなどを分解する製剤があり、これらをコーティングすることもできる。このように応用範囲は広い。
【0038】
また、本実施形態においてフィルターバッグ4は、マスク本体2に着脱可能に固定されるようになっている。具体的には、図4(a)に示すように、例えば、マスク本体2の内側面に両面テープやマジックテープ(登録商標)等でできた固定部21bを設け、この固定部21bに袋体22を貼り付けるようにしてもよい。この袋体22にフィルターバッグ4を袋体22に収納したうえで、固定部21bに貼り付けられる固定部21aを介して、マスク本体2にフィルターバッグ4を支持させるようにしてもよい。なお、この袋体22を本体2に対して着脱するようにしたが、他の方法として、図4(b)のように、マスク本体2の内側面に設けられたポケット23に直接フィルターバッグ4を収納するようにしてもよい。また、図4(c)のように、一般に使用されている立体マスクにフィルターバッグをマスクにあてて、使用することでも十分である。
【0039】
(通気フィルタリング方法)
そして、このようにマスク1を装着することにより、本発明の通気フィルタリング方法を実現することができる。詳述すると、支持紐体3やマスク本体2によって、多孔性物質41が充填されたフィルターバッグ4を、着用者の口唇に密着させることにより、外気がマスク本体2の周縁からマスク内へ流入するのを防止し、塵挨やウイルス等が直接気道、肺の中へ吸入されるのを防止する。
【0040】
このとき、多孔性物質41が粒状をなしていることから、図3に示すように、多孔性物質41間の間隙によってフィルターバッグ4内に吸気経路43が形成されることとなり、吸気の通過量を一定量以上に確保することができ、着用者にとって呼吸が苦しくなるのを回避することができる。
【0041】
そして、多孔性物質41表面に形成されている多数の微孔により水分が吸着されるため、マスク内に形成された吸気経路43内の湿度を一定以上に保つことができ、吸気が吸気経路43を通過する際に、空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質表面に捕捉することができる。また、多孔性物質の保水力により、口腔粘膜、鼻粘膜、咽頭粘膜、気道粘膜などの乾燥を予防できる。
【0042】
特に、本実施形態では、多孔性物質41に、除菌・防菌用の薬剤や、香料などの液体が含浸されていることから、除菌・殺菌を有効に行うとともに、装着時の不快感を軽減している。なお、本実施形態では、多孔性物質41に薬剤等の液体を含浸或いはコーティングを施しているが、着用者5の吐息に含まれる水蒸気によっても、十分に多孔性物質41を湿潤させることができ、液体を含浸させなくても有効に除菌・滅菌を行うことができる。
【0043】
(作用・効果)
このように本実施形態によれば、粒状の多孔性物質が充填されたフィルターバッグ4を、着用者の口唇に密着させるため、外気がマスク周縁からマスク内へ流入するのを防止でき、塵挨やウイルス等が直接気道、肺の中へ吸引されることがない。そして、このようにマスク1を装着することにより、本発明の通気フィルタリング方法を実現することができる。
すなわち、多孔性物質41が粒状をなしていることから、図3に示すように、多孔性物質41間の間隙によってフィルターバッグ4内に吸気経路43が形成されることとなり、吸気の通過量を一定量以上に確保することができ、着用者にとって呼吸が苦しくなるのを回避することができる。
【0044】
さらに、多孔性物質41表面に形成されている多数の微孔により水分が吸着されるため、マスク内に形成された吸気経路43内の湿度を一定以上に保つことができ、吸気が吸気経路43を通過する際に、空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。
【0045】
すなわち、吸気がこのフィルターバッグ4を通過する際に、この湿潤した発泡スチロールビーズの球面に触れて通過するため、このときの空気接触が空気に含まれた粒子の花粉やウイルス、細菌、化学物質が吸着される。これにより、例えば、花粉症などの原因となるアレルギー源物質や、インフルエンザウイルスなどの空気感染ウイルスや細菌、ホルムアルデヒドなどの化学物質、アスベスト、放射性物質を効果的に除去することができる。また、多孔性物質の保水力により、口腔粘膜、鼻粘膜、咽頭粘膜、気道粘膜などの乾燥を予防できる。
【0046】
また、フィルターバッグ4は、図6に示すように、接触面40aにおいて、山折り状の鼻下硬化部44と、山折り状の一対の鼻唇溝硬化部45,45とを形成したときには、鼻下52a位置及び口唇51両側位置に一定の空間が保つことができる。その結果、装着時においても、鼻下52a位置及び口唇51位置に多孔性物質41が適切に配置されることとなり、吸気が吸気経路を通過する際に、確実に空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質41表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。
【0047】
さらに、多孔性物質を充填したフィルターバッグ4を、マスク本体2を介して支持紐体3で支持するという簡単な構成であることから、外観や構造をシンプルにすることができ、ファッション性を向上させることができるとともに、製造コストを低く抑えることができ、実用性が高い。また、本実施形態では、粒状の多孔性物質として、発泡スチロールビーズを用いることから、より軽量で安価な材料でフィルターバッグを製造することができ、マスク1全体の軽量化と低廉化をより促進させることができる。
【0048】
本実施形態において、多孔性物質41には、除菌・防菌用の薬剤や、香料などの液体が含浸或いはコーティングされることから、マスク1の多機能化を図ることができ、マスク1の付加価値を高めることができる。
【0049】
さらに、フィルターバッグ4は、マスク本体2に着脱可能であるため、フィルターバッグ4のみを交換することができるため経済的であり、また、フィルターバッグ4を既存のマスクと組み合わせて使うことも可能となり、本発明の応用範囲を拡大させることができる。
【0050】
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態において、フィルターバッグ4には、不織布の袋体42を用いる構成としたが、本実施形態では、伸縮性のある網体を用いた場合を例に説明する。図11(a)及び(b)は、第2実施形態に係るフィルターバッグ4aを示す斜視図であり、図12(a)及び(b)は、第2実施形態に係るマスク本体2aを示す斜視図であり、図13(a)及び(b)は、第2実施形態に係るフィルターバッグ4aがマスク本体2aに装着される動作を示す斜視図であり、図14は、第2実施形態に係るマスク1aが着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0051】
第2実施形態において、フィルターバッグ4aは、図11(a)に示すように、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、綿、ウーリーナイロンなどの合成樹脂で形成され、伸縮性のある網体46で形成されている。この網体46は、粒状の多孔性物質41を収納可能な程度な大きさの編目状を有しており、図11(b)に示すように、その内部に、多孔性物質41として、直径3〜6mmを混合した発泡スチロールビーズ41が、3?5層程度になるように封入されている。
【0052】
また、フィルターバッグ4aには、図11(a)に示すように、網体を縫い合わせたり、熱溶着等することで鼻下硬化部47が形成されている。この鼻下硬化部47は、図14に示すように、硬化した部分が着用者の鼻尖53に位置するように、谷折り状に形成されている。
【0053】
さらに、第2実施形態では、フィルターバッグ4aを装着するマスク本体2aについても特徴を有している。このマスク本体2aは、図12(a)及び(b)に示すように、着用者5の口唇51とフィルターの間に通気用の空間25が確保された立体状のマスクとなっており、このマスク本体2aには、口唇、鼻部、頬部、頤部に接触するマスク本体2aの四辺に接触部24を備えている。接触部24は、ポリウレタン等の軟性の合成樹脂で形成され、内部に無数の孔が開いたスポンジ状となっており、マスク1aを装着した際、着用者の口唇、鼻部、頬部、頤部の形状に合致するようになっている。
【0054】
この接触部24は、所定の厚みTを有しており、マスク本体2aの内部にフィルターバッグ4aを装着した際には、図13(a)及び(b)に示すように、フィルターバッグ4aが接触部24四辺の高まり内に収納されるようになっている。この際、伸縮性のあるフィルターバッグ4aは、鼻下硬化部47を境にして、膨らみが形成されるようになっている。
【0055】
このように構成により、着用者がマスク1aを着用した際、図14に示すように、フィルターバッグ4aは、鼻尖53の周りを囲うような形状となるとともに、鼻下(鼻孔部)52a位置や、口唇51位置に対応する箇所に一定の空間が形成されるので、多孔性物質41が集められることとなる。これにより、鼻下(鼻孔)位置及び口唇位置に多孔性物質41が適切な厚みをもって保持され、吸気が吸気経路を通過する際に、確実に空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質41表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。
【0056】
さらに、本実施形態では、マスク本体2aに接触部24を備えているので、接触部24がマスクの四辺から外気が吸引されることを防止することができ、その結果、マスク周辺からの吸気のフィルター効果とフィルターバッグの層の確保が確実に得られ、フィルター効果を有効に機能させることができる。
【0057】
なお、第1実施形態では、不織布の袋体42で形成されたフィルターバッグ4と接触部24を有しないマスク本体2とを組み合わせ、第2実施形態では、網体で形成されたフィルターバッグ4aと接触部24を備えたマスク本体2aとを組み合わせたが、本発明は、これらに限定するものではなく、例えば、接触部24を備えたマスク本体2aと不織布のフィルターバッグ4とを組み合わせたり、接触部24を備えないマスク本体2と、網体のフィルターバッグ4aとを組み合わせてもよい。
【0058】
[第3実施形態]
次いで、第3実施形態について説明する。本実施形態では、有害物質の吸引を防止する防塵マスク1bにフィルターバッグ4を用いる場合を例に説明する。 図16は、第3実施形態に係る防塵マスク1bの構成を示す斜視図であり、図17(a)〜(d)は、第3実施形態に係る防塵マスク1bの各構成を示す説明図である。
【0059】
また、図18は、第3実施形態に係る本体フレーム120、外側フレーム110、及び内側フレーム130の回動状態を示す説明図であり、図19は、第3実施形態に係るマスク本体100に密着部140を装着した状態を示す説明図であり、図20は、第3実施形態に係るマスク本体100にフィルターバッグ4を収納した状態を示す説明図である。
【0060】
図16に示すように、本実施形態に係る防塵マスク1bは、着用者の頭部に掛け回まわされる支持紐体3aと、支持紐体3aに保持されて着用者5の口唇51や鼻孔52を覆うマスク本体100と、マスク本体100内部に収納されるフィルターバッグ4bとから形成される。
【0061】
支持紐体3aは、マスク本体100の両側部に固着され、頭部に掛け回されることでマスク1bを固定する支持部材である。この支持紐体3aは、弾性的に伸縮可能なゴム部材で形成されており、着用時には頭部の形状に合わせて当接可能となっている。なお、支持紐体3aは、このように構成に限定されず、例えば、図示しないバックルを有し、バックルを介して長さを調整する構成であってもよい。
【0062】
フィルターバッグ4は、マスク本体100内部に収納されるマスク用フィルターバッグである。このフィルターバッグ4は、上記同様、不織布などを裁断して、防塵マスクの形状に合致するような袋体42として形成され、その袋体42の内部に、多数の粒状の多孔性物質が充填されている。
【0063】
また、本実施形態では、有害化学物質ホルムアルデヒドやアスベスト、放射性物質、発臭物質等の吸引を防止すべく、この多孔性物質41の球体表面を、例えば、キサンタンガム、カルボマー、カラギナン、ペクチンなどの増粘剤、ビドフィックス(登録商標)などの保水性、保湿性を有する物質等でコーティングしている。例えば、極性の高い油剤として、トリイソステアリン酸ポリグリセノール−2であるコスモール(日清オイリオグループ社製)や、リンゴ酸ジイソステアリルを用いる。また、リンゴ酸(又は酸化チタン)と、リン酸化合物(HPO)とエチレンオキシドを用いた重合体(ECO)とを反応させ殺菌作用及び保水性のある液体を多孔性物質にコーティングする。
【0064】
マスク本体100は、プラスチックなどの可撓性部材(素材)で形成され、 着用者5の口唇51や鼻孔52を密着するように被覆する部材であり、図17(a)〜(d)に示すように、本体フレーム120と、外側フレーム110と、内側フレーム130と、密着部140とから構成されている。
【0065】
本体フレーム120は、着用者5の口唇51や鼻孔52を覆うように略半球状に形成され、着用者の顔と接触する側に下部開口部121を有するとともに、その反対側に上部開口部122を有し、下部開口部121及び上部開口部122を介して、吸排気時に空気が通るよう内部空中となっている。
【0066】
この本体フレーム120の外方には、外側フレーム110を備えている。外側フレーム110は、収納されたフィルターバッグ4を保護するカバー部材であり、本体フレーム120の上部を覆うように略半球状に形成されるとともに、内部空中となっている。また、外側フレーム110は、略中央部分であって、上部開口部122に対応する箇所に格子部112が形成されるとともに、この格子部112間に通気用開口部111が形成されている。
【0067】
一方、本体フレーム120内部には、内側フレーム130が嵌め込まれ、この内側フレーム130は、本体フレーム120及び密着部140に支持されている。すなわち、内側フレーム130は、フィルターバッグ4と口唇及び鼻孔との間に空間Sが画成されるように、本体フレーム120及び密着部140とともに口唇及び鼻孔を覆い、空間Sの気密性を保持する。なお、内側フレーム130は、本実施形態では、本体フレーム120内部に位置するように配置され、略半球状に形成されるとともに、内部空中となっている。また、内側フレーム130には、略中央部分であって、上部開口部122に対応する箇所に格子部132が形成されるとともに、この格子部132間に通気用開口部131が形成されている。
【0068】
また、これらの本体フレーム120、外側フレーム110、及び内側フレーム130には、それぞれ係止軸113,123,133を有しており、これらの係止軸113,123,133を介して連結されるとともに、図18に示すように、係止軸113,123,133を中心として回動可能となっている。この際、本体フレーム120内に配置される内側フレーム130の位置は、上記空間Sによって、マスク内で覆われる鼻が格子部132に接触しないように設定されている。
【0069】
このように構成によって、図19に示すように、本体フレーム120、外側フレーム110、及び内側フレーム130を係止した際、外側フレーム110、及び内側フレーム130間にフィルターバッグ4を収納する収納部150が形成され、図20に示すように、この収納部150の大きさに合致したフィルターバッグ4が収納される。この収納部150は、口唇及び鼻孔との間に空間Sが画成されるように、本体フレーム120及び密着部140により、空間Sの気密性を保持しつつ、口唇及び鼻孔の近傍に固定される。この際、収納部150に収納されたフィルターバッグ4は、格子部112及び格子部132によって固定される。また、通気用開口部111、通気用開口部131が形成されているので、外部から吸引される空気は、必ずフィルターバッグ4を通過して、着用者の肺に吸引されるようになる。
【0070】
また、下部開口部121の外縁には、密着部140が着脱可能に設けられている。この密着部140は、例えば、シリコンゴム等の柔軟弾性材料が用いられ、装着時に着用者の顔に対して密着するように、着用者5の口唇51や鼻孔52の回りの形状に沿うように形成され、空間Sの気密性を確保している。なお、この密着部140を本体フレーム120に装着する場合には、図19に示すように、下部開口部121の外縁124を外部から覆うように取り付ける。
【0071】
このように本実施形態によれば、密着部140によって、着用者5の口唇51や鼻孔52の回りが密着されるので、吸気した際、外気がマスク周縁からマスク内へ流入するのを防止でき、塵挨やウイルス等が直接気道、肺の中へ吸引されることがない。
【0072】
また、このように防塵マスク1bでは、収納部150にフィルターバッグ4が収納されているので、外気が防塵マスク1b内に吸い込まれた場合には、必ずフィルターバッグ4を通過して、着用者の肺に吸引されることとなる。これにより、空気に含まれた粒子の花粉やウイルス、細菌、化学物質は、フィルターバッグ4内の湿潤した発泡スチロールビーズの球面に触れて吸着されることとなり、例えば、花粉症などの原因となるアレルギー源物質や、インフルエンザウイルスなどの空気感染ウイルスや細菌、ホルムアルデヒドなどの化学物質、アスベスト、放射性物質を効果的に除去することができる。また、多孔性物質の保水力により、口腔粘膜、鼻粘膜、咽頭粘膜、気道粘膜などの乾燥を予防できる。
【0073】
さらに、本実施形態において、内側フレーム130は、本体フレーム120内部に配置され、フィルターバッグ4と、口唇及び鼻孔との間に空間Sが画成されるようになっているので、防塵マスク1bを装着した際、口や鼻がフィルターバッグ4に直接接触することを防止することができる。これにより、フィルターバッグ4に充填された各種の薬品や、吸着された有害物質等が体内に取り込まれることを防止することができる。
【0074】
(変更例)
なお、上述した各実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更や、それぞれの構成を組み合わせることが可能であることはもちろんである。なお、以下の変更例において、上述した各実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0075】
例えば、本発明のマスク1、マスク用フィルターバッグ4は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような変更を加えることができる。図7は、本変更例に係るマスク本体2に装着されたフィルターバッグ4、及び水分保持体6を示す斜視図であり、図8は、本変更例に係るフィルターバッグ4、及び水分保持体6を示す斜視図であり、図9は、本変更例に係るフィルターバッグ4、及び水分保持体6を示す断面図であり、図10は、本変更例に係るマスク1の全体構成を示し、着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【0076】
(第1変更例)
本変更例に係るマスク1、マスク用フィルターバッグ4には、例えば、図7に示すように、マスク本体2と、フィルターバッグ4との間に、水分保持体6を備えてもよい。この水分保持体6は、揆水性を有した素材で形成された袋体61の内部に、例えば、スポンジや、繊維、ポリマー等の吸水部材62を有した部材であり、通気の妨げにならないように、フィルターバッグ4の外縁部分を沿うような形状となっている。
【0077】
そして、本変更例では、図8に示すように、水分保持体6とフィルターバッグ4とには、着脱可能な連結部7が設けられており、この連結部7を介して吸水部材62に吸水された水分をフィルターバッグ4へ供給するようになっている。具体的には、図9に示すように、フィルターバッグ4には、中心部分が貫通した凹部7aが設けられ、水分保持体6には中心部分が貫通した凸部7bが設けられている。そして、これら凹部7a及び凸部7bを嵌め込んだ際、水分保持体6とフィルターバッグ4との内部が連通する孔部71(71a,71b)が形成されるようになっている。
【0078】
このように変更例では、図9に示すように、水分保持体6とフィルターバッグ4とを連結した状態で、着用者5が水分保持体6を押圧することで、連結部7の孔部71を介して、水分保持体6の水分がフィルターバッグ4へ注入され、多孔性物質41表面に形成されている多数の微孔により水分が吸着される。このように構成により、長時間に亘って、マスク1内に形成された吸気経路内の湿度を一定以上に保つことができ、吸気が吸気経路を通過する際に、空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質41表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。
【0079】
(第2変更例)
次いで、第2変更例について説明する。本変更例では、マスク本体2の内部に水分保持体6aを収納する収納部26を備えることを特徴とする。図15は、第2変更例に係る収納部26に水分保持体6aが収納された状態を示す斜視図である。図に示すように、本変更例では、マスク本体2の内面上部に収納部26,26を備えている。この収納部26,26は、両側部分が開口しており、この両側部分から水分保持体6aが挿通されることで、収納部26,26内に水分保持体6aを収納する。
【0080】
本変更例において、水分保持体6aは、合成樹脂等で形成されており、液体を保持する胴部64と、液体を注水する注水口63とから構成されたスポイト部材である。ここで、本変更例においても、装填する液体は、水、薬液、香料などが含まれる。
【0081】
そして、水分保持体6aが収納部26,26に収納された状態で、着用者5が水分保持体6aを押圧することで、注水口63から水分がフィルターバッグ4へ注入され、多孔性物質41表面に形成されている多数の微孔により水分が吸着される。このように構成により、長時間に亘って、マスク1内に形成された吸気経路内の湿度を一定以上に保つことができ、吸気が吸気経路を通過する際に、空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質41表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。また、本変更例では、水分を保持する部材がスポイト状となっているため、目的に応じた液体を容易に装填することができ、フィルターバッグ4内の球体表面にコーティングを施すことが可能となる。
【0082】
なお、第1変更例及び第2変更例では、マスク1に水分保持体6を備え、フィルターバッグ4内の多孔性物質41に水分を吸着させる構成としたが、本発明は、これらに限定するものではなく、例えば、液体を噴霧するスプレー等を用いて、フィルターバッグ4内の多孔性物質41に水分を吸着させる構成としてもよい。
【0083】
(第3変更例)
次に、本発明のマスク1、及びマスク用フィルターバッグ4の他の構成について説明する。本変更例では、図21に示すように、市販の立体型マスクにフィルターバッグ4を収納するポケット23を形成させるとともに、このポケット23において、着用者側に盛り上がった膨らみ(山)を形成させた構成について説明する。
【0084】
具体的に、図22(a)及び(b)に示すように、市販されている立体型のマスク本体2bの内側面に薄地の口唇部シート23aを貼りあわせ、口唇部シート23aの底部及び側部を縫合や接着によってマスク本体2bに接合させることで、フィルターバッグ4を出し入れ可能な上部開口23cを有するポケット23を形成させる。なお、この口唇部シート23aは、例えば、ガーゼや不織布等の通気性を有する素材を用いる。
【0085】
また、ポケット23の上部開口23c近縁には、両面テープやマジックテープ(登録商標)等でできた固定部23dを備えており、フィルターバッグ4をポケット23内に収納した後、ポケット23の上部開口23cを閉塞することができるようになっている。
【0086】
さらに、口唇部シート23aの内部には、図22(a)及び(b)に示すように、可塑性を有するプラスチックや金属部材等の形状保持部材で形成された鼻下硬化部としての上唇部ワイヤー23bが設けられている。この上唇部ワイヤー23bは、マスクを装着した場合に、鼻下52aに位置するような箇所に設けられている。
【0087】
このように上唇部ワイヤー23bを設けることにより、図23(a)に示すように、ポケット23の接触面23eは、鼻下52a部分に接するように山が形成されて、その形状が維持されるようになる。これにより、マスクを着用した際、図23(b)に示すように、鼻下52a位置に対応する箇所に一定の空間が形成されて、そこに多孔性物質41が集められ、鼻下52a(鼻孔)位置及び口唇51位置に多孔性物質41が適切な厚みをもって保持される。その結果、吸気が吸気経路を通過する際に、確実に空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質41表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。
【0088】
なお、図22及び図23では、ポケット23は、上部に開口する構成としたが、例えば、図24に示すように、マスク本体2bの内側面に口唇部シート23aを縫合や接着によって接合し、側部に側部開口23fを設けて、この側部開口23fからフィルターバッグ4を出し入れ可能としてもよい。この場合には、鼻部分と接触しない箇所に開口部分を設けているので、装着した際、マスクが変形しても固定部23dの閉塞状態を維持することができる。その結果、マスク周辺からの吸気のフィルター効果とフィルターバッグの層の確保が確実に得られ、フィルター効果を有効に機能させることができる。
【0089】
また、上記変更例では、上唇部ワイヤー23bをポケット23の接触面23eに貼り付けたが、例えば、フィルターバッグを直接口唇に接触させるようにして、フィルターバッグの表面を形成する網体に上唇部ワイヤー23bを固着或いは溶着するようにしてもよい。
【0090】
(第4変更例)
上述した第3実施形態では、防塵マスク1bについて説明したが、本変更例では、この防塵マスクを簡易化及び軽量化することを要旨とする。図25(a)及び(b)は、本変更例に係る防塵マスク1cを示す斜視図であり、図26は、本変更例に係る防塵マスク1cにフィルターバッグ4を収納させる際の動作を示す説明図であり、図27は、本変更例に係る防塵マスク1cが着用者に装着された状態を側方から示す説明図である。
【0091】
本変更例に係る防塵マスクの本体200は、図25(a)及び(b)に示すように、ポリプロピレンなどの比重が小さく、耐薬品性に優れた合成樹脂で形成されており、本体フレーム220と、外側フレーム210とから構成されている。
【0092】
本体フレーム220は、内部に収納されたフィルターバッグ4と口唇及び鼻孔との間に空間Sが画成されるように、口唇及び鼻孔を覆い、空間Sの気密性を保持する部材である。具体的には、本体フレーム220は、着用者5の口唇51や鼻孔52を覆うように略半球状に形成され、吸排気時に空気が通るように略中央部分に吸排気用のスリット221が複数形成されている。また、本体フレーム220の外縁には、孔225が設けられており、この孔225に支持紐体3bが挿通され、着用者5の両耳に掛けられるように環状に形成されている。なお、ここでは、吸排気用にスリット221を形成させたが、例えば、本体フレーム220を格子状に切り抜き、開口部分を形成させてもよい。
【0093】
そして、この本体フレーム220の外方には、外側フレーム210を備えている。外側フレーム210は、収納されたフィルターバッグ4を保護するカバー部材であり、本体フレーム220のスリット221を覆うように略半球状に形成され、内部空中となっている。また、外側フレーム210は、略中央部分において格子部212が形成されるとともに、この格子部212間に通気用開口部211が形成されている。
【0094】
そして、本体フレーム220の外側面に外側フレーム210を配置させ、外側フレーム210の上部及び両側部を縫合や熱接着によって本体フレーム220に接合させる。このように、本体フレーム220に外側フレーム210が接合されると、フィルターバッグ4が収納される収納部230が形成される。この収納部230にフィルターバッグ4を収納する際には、図26に示すように、本体フレーム220の下部を捲り上げて、収納部230にフィルターバッグ4を入れるようになっている。
【0095】
このように本変更例によれば、防塵マスクをポリプロプレン等の材質で形成させるので、マスクを簡易化及び軽量化することができる。また、本変更例によれば、本体フレーム220は、着用者5の口唇51や鼻孔52を覆うように略半球状に形成されているので、図27に示すように、防塵マスク1cを装着した際、口唇51や鼻孔52がフィルターバッグ4に接触することを防止することができる。また、本体フレーム220の内側面はポリプロプレン等で形成されているので、例えば、マスクが外部から押圧された場合であっても、口唇51や鼻孔52がフィルターバッグ4に接触することを防止できる。
【0096】
このように、本変更例によれば、マスクを簡易化及び軽量化することができるとともに、フィルターバッグ4に充填された各種の薬品や、吸着された有害物質等が体内に取り込まれることを防止することができる。
【0097】
なお、本変更例において、外側フレーム210の素材として、ポリプロプレン等の合成樹脂を用いたが、例えば、図28に示すように、本体フレーム220の外側にフィルターバッグ4を接合して一体としてもよい。この際、フィルターバッグ4は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、綿、ウーリーナイロンなどの合成樹脂を用い、伸縮可能な網体を用いる。これにより、外側フレームを不要とし、マスク本体の部品点数を減らすことができるので、マスクを簡略化するとともに、製造コストを低廉化することができる。
【0098】
また、本変更例では、本体フレーム220に着用者の頭部に掛け回まわされる支持紐体3bとを係合させたが、例えば、図29に示すように、防塵マスク1cを口唇51や鼻孔52に配置させて、市販のマスク本体2cを上部から被覆させて用いてもよい。これにより、防塵マスク1c自体に支持紐体3bを接合する必要がなく、部品点数を減らし、製造コストを減らすことができる。
【0099】
(第5変更例)
上述した実施形態及び変更例において、フィルターバッグ4は、同一素材で形成させたが、例えば、図29に示すように、着用者の口唇側の面49と外方側の面48とを異なる素材で形成させてもよい。本変更例では、図30に示すように、着用者の口唇側面49には、ポリエステルなどの合成樹脂を用い伸縮可能な網体を形成させる。一方、外方側面48には、例えば、不織布や、ポリプロピレンなどの合成樹脂によって形成させる。そして、使用時には、上述したようにマスクに用いてもよく、また、図31に示すように、市販のマスク2cを上部から覆わせて用いてもよい。
【0100】
このようにフィルターバッグ4bを用いると、着用者の口唇側面49は、伸縮性のある網体で形成されているので、着用者5の口唇51や鼻孔52通気性が向上される。また、網体で形成されているため、フィルターバッグ4bが装着されると、フィルターバッグ4bは、鼻下(鼻孔部)52a位置や、口唇51位置に対応するように変形し、着用者5の口唇51や鼻孔52を密着するように被覆することができる。これにより、確実に空気中の塵挨やウイルスが多孔性物質41表面に捕捉され、高いフィルター効果が発揮される。一方、外方側面48は、不織布を用いた場合にはフィルター効果が向上される。また、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いた場合には形状を維持し易くできる。
【符号の説明】
【0101】
1(1a,1b,1c)…マスク
2(2a,2b,2c)…マスク本体
3(3a,3b)…支持紐体
4(4a,4b)…フィルターバッグ
5…着用者
6…水分保持体
6a…水分保持体
7…連結部
7a…凹部
7b…凸部
21a,21b…固定部
22…袋体
23…ポケット
23a…口唇部シート
23b…上唇部ワイヤー
23c…上部開口
23d…固定部
23e…接触面
23f…側部開口
24…接触部
25…空間
26…収納部
41…多孔性物質
42…袋体
43…吸気経路
44…鼻下硬化部
45…鼻唇溝硬化部
46…網体
47…鼻先硬化部
48…口唇側面
49…外方側面
51…口唇
51a…ほうれい線(鼻唇溝)
52…鼻孔
52a…鼻下
53…鼻先
61…袋体
62…吸水部材
63…注水口
64…胴部
71…孔部
100…マスク本体
110…外側フレーム
111…通気用開口部
112…格子部
113…係止軸
120…本体フレーム
121…下部開口部
122…上部開口部
123…係止部
124…外縁
130…内側フレーム
131…通気用開口部
132…格子
133…係止部
140…密着部
150…収納部
200…マスク本体
210…外側フレーム
211…通気用開口部
212…格子部
220…本体フレーム
221…スリット
225…孔
230…収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の両耳に掛けられる一対の支持紐体と、前記支持紐体に保持されて前記着用者の口唇に密着されるフィルターバッグとを備え、前記フィルターバッグの内部には、多数の粒状の多孔性物質が充填されていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記フィルターバッグの前記口唇に密着される接触面に形成され、前記着用者の鼻下位置に対応した水平な線状の鼻下硬化部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記フィルターバッグの前記口唇に密着される接触面に形成され、前記着用者の口唇側位置に対応した一対の鼻唇溝硬化部をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記粒状の多孔性物質は、発泡スチロールビーズであることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項5】
前記多孔性物質には、液体が含浸或いはコーティングされることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマスク。
【請求項6】
前記フィルターバッグは、前記支持紐体に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマスク。
【請求項7】
装用時において少なくとも着用者の口唇を覆うマスクに適用可能なフィルターバッグであって、前記着用者の両耳に掛けられる一対の支持紐体によって、前記着用者の口唇に密着される通気性を有する袋体と、前記袋体に充填される多数の粒状の多孔性物質と
から構成されることを特徴とするマスク用フィルターバッグ。
【請求項8】
前記フィルターバッグの前記口唇に密着される接触面に形成され、前記着用者の鼻下位置に対応した水平な線状の鼻下硬化部と、前記接触面に形成され、前記着用者の口唇側位置に対応した一対の鼻唇溝硬化部とをさらに有することを特徴とする請求項7に記載のマスク用フィルターバッグ。
【請求項9】
前記粒状の多孔性物質は、発泡スチロールビーズであることを特徴とする請求項7又は8に記載のマスク用フィルターバッグ。
【請求項10】
前記多孔性物質には、液体が含浸されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のマスク用フィルターバッグ。
【請求項11】
前記フィルターバッグは、装用時において着用者の両耳に掛けられる一対の支持紐体に支持されるとともに、前記支持紐体に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のマスク用フィルターバッグ。
【請求項12】
内部に多数の粒状の多孔性物質が充填されたフィルターバッグを、前記着用者の口唇に密着するように支持することを特徴とする通気フィルタリング方法。
【請求項13】
内部に多数の粒状の多孔性物質が充填されたフィルターバッグを、前記着用者の口唇から前記フィルターバッグまでの間に一定の空間が画成されるように支持し、前記空間の気密性を保持することを特徴とする通気フィルタリング方法。
【請求項14】
前記粒状の多孔性物質は、発泡スチロールビーズであることを特徴とする請求項12又は13に記載の通気フィルタリング方法。
【請求項15】
前記多孔性物質には、液体が含浸されていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の通気フィルタリング方法。
【請求項16】
着用者の頭部に掛け回まわされる支持紐体と、
前記支持紐体に保持されて前記着用者の口唇及び鼻孔を被覆するマスク本体と、
前記マスク本体の内部に収納されるフィルターバッグとを備え、
前記マスク本体には、前記フィルターバッグと、前記口唇及び鼻孔との間に空間が画成されるように、前記フィルターバッグが収納され、
前記フィルターバッグの内部には、多数の粒状の多孔性物質が充填されていることを特徴とする防塵マスク。
【請求項17】
前記マスク本体は、
前記フィルターバッグを収納する収納部と、
前記収納部に収納された前記フィルターバッグを、外部から覆う外側フレーム部と、
前記収納部に収納された前記フィルターバッグと、前記口唇及び鼻孔との間に空間が画成されるように、前記口唇及び鼻孔を覆い、且つ前記空間の気密性を保持する内側フレーム部と
を備えることを特徴とする請求項16に記載の防塵マスク。
【請求項18】
前記粒状の多孔性物質は、発泡スチロールビーズであることを特徴とする請求項16又は17に記載の防塵マスク。
【請求項19】
前記多孔性物質には、液体が含浸或いはコーティングされることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の防塵マスク。
【請求項20】
前記フィルターバッグは、前記支持紐体に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の防塵マスク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate


【公開番号】特開2013−63266(P2013−63266A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193617(P2012−193617)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【出願人】(309030779)株式会社エス・アイ・ティー (2)
【Fターム(参考)】