説明

マッサージ機

【課題】 簡易な構成で精度良く使用者の肩位置や着座の有無を検知するマッサージ機を提供する。
【解決手段】 背もたれ部10aと、背もたれ部に設けられ使用者をマッサージするもみ玉402a〜dと、もみ玉402a〜dを支持する一対のもみ玉アーム403R、403Lをマッサージ動作に応じて移動させる施療部40と、一対のもみ玉アーム403R、403L間のインピーダンス変化から使用者の生体信号を検知するセンサ部100と、もみ玉402a〜dのマッサージ動作を制御する制御部13と、を備え、制御部13は、施療部40を移動させて所定の範囲における生体信号に応じた信号の極値を検出することで、使用者の不快部位の位置を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関する。詳しくは、使用者が不快と感じる部位を検知するセンサを用いたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者に対して不快感や痛みを与えないようにマッサージ動作を行うことが可能なマッサージ機があり、使用者の不快部位(痛点)を検知するセンサを備えているものがある。
【0003】
上述のような使用者の不快部位(痛点)を検知するセンサとしては以下のものがある。
【0004】
特許文献1には、圧力検出手段によって検出される圧力変化に基づき、施療子が接触する被施療部分の硬さを検出し、マッサージ動作を制御するマッサージ機が記載されている。
【0005】
特許文献2には、施療子のマッサージ部位への圧力を検出する押圧検出手段と施療子のマッサージ部位への角度を検出する手段とを備え、施療子の出過ぎによる不快なマッサージ動作を防止するマッサージ機が記載されている。
【0006】
特許文献3には、ローラのマッサージ部位への押圧力を検出する押圧力検出手段を備え、得られた押圧力曲線から被マッサージ者の首、肩、背中及び腰の部位を検出し、それらの位置に基づいてマッサージ動作を行うマッサージ機が記載されている。
【0007】
しかしながら、従来のマッサージ機においては、使用者の首、肩、肩胛骨、背中、腰骨及び腰等の形状に特徴がある部位の検出はできるが、傷や打ち身等により使用者が痛いと感じている部位(痛点)は検出できなかった。
【0008】
特に、施療子にかかる圧力から特定の部位を検出するマッサージ機の場合、施療子が痛点に接触すると使用者は施療子から体を離そうとするため、痛点にかかる圧力が一時的に減少してしまう。そのため、圧力検出手段は、痛点にかかる圧力が少ないと判断し、それまで以上に痛点に対して加圧することになってしまうため、使用者に対してより不快感を与えることになってしまう。
【0009】
また、特許文献1に記載のマッサージ機では、感圧センサが複数必要なため、構造が複雑になるとともにコストが高くなる。また、使用者の座り方によるセンシングのばらつきが多くなる。
【0010】
また、特許文献2、3に記載のマッサージ機では、歪みゲージや荷重センサ、角度センサ等の複数のセンサが必要なため、マッサージユニットの構造が複雑となり、センシングのためのコストが高くなる。
【特許文献1】特開2001−269380号公報
【特許文献2】特開平5−31147号公報
【特許文献3】特許第3128260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の従来技術を鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡易な構成
で精度良く使用者が不快と感じる部位(不快部位)を検知するマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明に係るマッサージ機にあっては、
使用者の背面を支持する背もたれ部と、
前記背もたれ部に設けられ前記使用者をマッサージする施療子と、
前記施療子を支持する一対の電極をマッサージ動作に応じて移動させる施療部と、
前記一対の電極間のインピーダンス変化から前記使用者の生体信号を検知する生体信号検知装置と、
前記生体信号に基づいて前記施療子のマッサージ動作を制御する制御部と、を備え、
前記生体信号検知装置は、
高周波信号を供給する発振部と、
前記使用者が近接又は接触し得るように配され、かつ前記発振部から前記高周波信号を受けるように設けられた前記一対の電極と、
前記使用者が前記電極に近接又は接触したときに、前記高周波信号を受けている前記電極に生じるインピーダンスの変化を検知する検知部と、
前記検知されたインピーダンスの変化に対応する信号から所望の生体信号に応じた信号に処理する信号処理部と、を有し、
前記制御部は、前記施療部を移動させて所定の範囲における前記生体信号に応じた信号の極値を検出することで、前記使用者の不快部位の位置を判定することを特徴とする。
【0013】
また、前記極値は、最初のピーク値の後に検知された極小値であることが好適である。
【0014】
ここで、不快部位とは、使用者がマッサージを行われる際に不快と思う体の部位をいい、例えば、けがや打ち身の部位、肩胛骨等の筋肉や脂肪が少なく突出している部位、通常のマッサージ動作でも個別に痛いと感じる部位(痛点)である。
【0015】
これらの構成によれば、使用者が不快部位の位置を自ら設定することなく自動で不快部位の位置が判定されるので、使用者に余分な負担や不快感をかけることなく、快適なマッサージ動作を行うことができる。
【0016】
また、前記制御部は、前記不快部位の位置が判定された場合、判定された前記不快部位の位置におけるマッサージ動作を行わないよう制御することが好適である。
【0017】
また、前記制御部は、前記不快部位の位置が判定された場合、判定された前記不快部位の位置において、マッサージ動作中の施療子の押圧力を弱めるよう制御することが好適である。
【0018】
これらの構成によれば、使用者が不快と思う部位を避けて、あるいはその部位に対する施療子の押圧力を弱めてマッサージ動作を行うことができるため、使用者は、より快適なマッサージを受けることができる。
【0019】
また、前記制御部は、前記不快部位の位置を複数判定可能であることが好適である。
【0020】
この構成によれば、複数の不快部位を有する使用者であっても快適なマッサージ動作を行うことができる。
【0021】
また、前記制御部は、前記極値が所定の基準値を下回らない場合、前記使用者の不快部位の位置を判定しないことが好適である。
【0022】
この構成によれば、生体信号検知装置から得られる生体信号に応じた信号が、使用者の体型等により生体信号検知装置からの出力値の変化が−となるような測定範囲であっても、誤って不快部位(痛点)の位置を判定し、マッサージ機が誤った不快部位(痛点)の位置に基づいてマッサージ動作を行うことを防止することができる。
【0023】
また、前記制御部は、前記背もたれ部の傾斜を変更した場合、不快部位の位置を再度判定し、再度判定された不快部位の位置に基づいて施療子によるマッサージ動作を制御することが好適である。
【0024】
この構成によれば、背もたれ部の傾斜を変更(リクライニング)する場合であっても、不快部位の位置検知を再度行うことで適切なマッサージ動作を行うことができる。
【0025】
また、前記制御部は、前記背もたれ部の傾斜を変更した場合、前記不快部位の位置を前記傾斜に応じて補正した不快部位の位置に基づいて施療子によるマッサージ動作を制御することが好適である。
【0026】
この構成によれば、再度不快部位の位置を検知するために施療部を初期位置へ移動する必要がなく、マッサージ治療時間を短縮することができる。
【0027】
また、前記制御部は、前記不快部位の位置を判定してから所定時間経過した後、前記不快部位の位置を再度判定し、再度判定された不快部位の位置に基づいて施療子によるマッサージ動作を制御することが好適である。
【0028】
この構成によれば、常に不快部位の位置を正確に判定し、最適なマッサージ動作を可能とする。
【0029】
また、前記電極は、前記施療部に対して回動可能であって前記施療子を複数支持するアームであり、前記複数の施療子は、前記アームの回動中心を挟んで前記施療部の移動方向と略平行になるように並んで設けられているとよい。
【0030】
この構成によれば、アームに支持された複数の施療子のうち、施療部の移動方向側に設けられた一方の施療子が使用者に当接すると、当接した一方の施療子に使用者からの反力が作用してアームが回動して、前記一方の施療子と反対側に設けられた他方の施療子とともに使用者により近づくため、使用者からの生体信号を精度良く検知することができ、より正確に使用者の不快部位の位置を判別することが可能となる。
【0031】
また、前記検知部は、前記使用者の体型に応じて前記電極間に生じるインピーダンス変化に対応する、前記高周波信号の反射波レベルの変化を表す信号を生成して供給することが好適である。
【0032】
また、前記検知部は、前記使用者の体型に応じて前記電極間に生じる実数及び虚数のインピーダンス変化に応じた反射波信号を出力することが好適である。
【0033】
また、前記高周波信号の周波数は、10MHz〜300MHzの範囲であることが好適である。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、簡易な構成で精度良く使用者が不快と感じる部位を検知するマッサージ機を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、機能、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状、機能などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0036】
(マッサージ機の全体構成)
図2は、本発明を好適に実施することが可能なマッサージ機の概略構成を示す全体正面図である。図3は、本発明を好適に実施することが可能なマッサージ機の概略構成を示す全体側面図である。
【0037】
マッサージ機1は、リクライニング自在な椅子10と、昇降施療ユニット20を有する。椅子10は、使用者の背面を支持する背もたれ部10aと、座部10bからなり、背もたれ部10aに昇降施療ユニット20が組み込まれている。
【0038】
昇降施療ユニット20は、背もたれ部10aのカバーシートで覆われた表面側に向かって突設されたもみ玉(施療子)402a〜402dを有し、もみ玉402a〜402dによって人体に対してマッサージを行う。
【0039】
もみ玉は、背もたれ部10aに設けられ使用者をマッサージする。具体的には、背筋方向に沿って上方に左右一対配置されたもみ玉402a,402b(第1の施療子)と、その下方に左右一対配置されたもみ玉402c,402d(第2の施療子)とからなる。
【0040】
図4は、昇降施療ユニットの正面図である。図5は、昇降施療ユニットの背面図である。
【0041】
昇降施療ユニット20は、昇降部30と、施療部40とを有し、施療子を支持する一対の電極として機能するアーム403R、403L(図6参照)をマッサージ動作に応じて移動させる。昇降部30は、図4に示すように、背もたれ部10aに沿って配置された断面円形の一対のガイドパイプ301R,301Lと、両ガイドパイプの間にガイドパイプと平行に配置されたネジの切られた昇降用ネジ軸304と、ガイドパイプ301R,301Lと直交する上下一対のガイドパイプホルダ302、303とからなる。
【0042】
ガイドパイプ301R,301Lは、ガイドパイプホルダ302、303に固定され、昇降用ネジ軸304は回転自在に保持されている。
【0043】
施療部40は、図5に示すように、ガイドパイプ301R、301Lにその軸方向に移動自在に保持する昇降ガイド306a、306b、306c、306dと、昇降用ネジ軸304の外周に螺合する昇降ナット305を保持する昇降ナットホルダ(不図示)によって支持されている。
【0044】
そして、施療部40は、昇降用ネジ軸304の回転により昇降ナット305が上下に駆動されるのに伴い、昇降ナットホルダ及びそれを支持する施療部40がガイドパイプ301R,301Lに沿って上下に移動する。
【0045】
(施療部の概略構成)
以下、施療部40の概略構成について説明する。図6は、本発明を好適に実施することが可能なマッサージ機の施療部の斜視図である。
【0046】
施療部40は、4つのもみ玉402a〜402dと、略V字状のもみ玉アーム403R、403Lと、所定の周波数の信号を発振し、もみ玉アーム403R、403L間のインピーダンス変化から使用者の生体信号を検知する生体信号検知装置(以下、センサ部と称す)100と、センサ部100から出力された生体信号に基づいて施療部40を含むマッサージ機1のマッサージ動作を制御する制御部13(図7参照)と、を有する。
【0047】
もみ玉アーム403R、403Lは、人体の一部の形状や有無を検知するための電極として機能し、発振部111(図1参照)からの高周波信号を供給するために設けられた一対の給電線100aによりセンサ部100の反射波検知部113(図1参照)と連結されている。ここで、給電線100aの一端は、もみ玉アーム403R、403Lにビスやハンダにより結合されている。
【0048】
また、もみ玉アーム403R、403Lは、その先端部のそれぞれに2つずつ回動自在にもみ玉402a〜402dを軸支している。
【0049】
また、もみ玉アーム403Rの基端部は、アーム支持部材404Rの部材404R1、404R2に挟まれて回動軸408Rに支持されている。一方、もみ玉アーム403Lの基端部は、アーム支持部材404Lの部材404L1、404L2に挟まれて回動軸408Lに支持されている。そのため、もみ玉アーム403R、403Lは、それぞれ施療部40に対して回動可能となっている。
【0050】
また、各もみ玉アーム403R、403Lに設けられている複数のもみ玉は、施療部40の移動方向と略平行に設けられている。
【0051】
また、もみ玉アーム403R、403Lにはそれぞれ回動を止めるためのストッパ405R、405Lを設けてある。
【0052】
ここで、もみ玉アーム403R、403Lは、施療部40に対して回動可能であってもみ玉を複数支持するアームであり、複数のもみ玉は、もみ玉アーム403R、403Lの回動中心を挟んで施療部40の移動方向と略平行に並んで設けられているとよい。
【0053】
これによれば、もみ玉アーム403R、403Lのそれぞれに支持された複数のもみ玉402a〜402dのうち、施療部40の移動方向側に設けられた一方のもみ玉402c、402dが使用者に当接すると、当接したもみ玉402c、402dを中心として、一方のもみ玉402c、402dと、一方のもみ玉402c、402dから施療部40の移動方向と反対側に向かう方向に並んで設けられている他方のもみ玉402a、402bとを支持するもみ玉アーム403R、403Lが使用者により近づくため、使用者からの生体信号を精度良く検知することが可能となる。
【0054】
(マッサージ機の制御回路)
図7は、本発明に係るマッサージ機の電気的構成を示す概略ブロック図である。
【0055】
図7に示すように、マッサージ機1は、主として、スイッチ入力回路11と、センサ部(生体信号検知装置)100と、マッサージ機1の動作を制御する制御部13と、リミットスイッチ入力回路14と、表示回路15と、出力回路16と、昇降施療ユニット20と、電源回路18と、を備えている。
【0056】
制御部13は、中央処理装置(CPU)13aと、リード・オンリ・メモリ(ROM)13bと、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)13cとを含んでいる。昇降施療ユニット20は、背もたれ部10aに設けられ、ソレノイド17aと、モータ17bとを含ん
でいる。
【0057】
スイッチ入力回路11は、図示しないが、電源スイッチの他に、昇降施療ユニット20の各種動作、例えば、もむ、たたく、上昇する、下降する、などの動作を指定するキースイッチをも含んでいる。
【0058】
センサ部100は、使用者の生体信号を検知する生体信号検知装置であって、脈拍数、呼吸数などの生体信号を生成して、制御部13のCPU13aに与える。ここで、生体信号とは、使用者の体型や筋肉、脂肪等の違いにより異なる信号であり、生体信号を信号処理することにより、間接的に使用者の体型や体脂肪率等を測定、演算するために用いるものである。
【0059】
マッサージ機1の使用時に、使用者がスイッチ入力回路11の図示しない電源スイッチをオンにすると、CPU13aは、これに応じて電源回路18を起動し、電源回路18は、マッサージ機1の各部に電源を供給する。
【0060】
CPU13aは、スイッチ入力回路11を介する使用者の指定に応じて、昇降施療ユニット20を駆動するための信号を発生して、出力回路16に与える。出力回路16は、この信号に応じて、昇降施療ユニット20を構成するソレノイド17a及びモータ17bを駆動し、使用者が指定した動作を実現する。
【0061】
CPU13aはまた、表示回路15を駆動して、使用者による指定内容など、必要な情報を使用者に表示する。
【0062】
リミットスイッチ入力回路14は、背もたれ部10a上での昇降施療ユニット20における施療部40の上下動の範囲を規定するための回路であり、施療部40が上昇して上限の位置に達すれば、又は下降して下限の位置に達すれば、リミットスイッチが起動して施療部40の上下動を停止させる。
【0063】
この発明による施療部40によって検知された生体信号に基づく図2のマッサージ機の全体の動作については後述する。
【0064】
(センサ部の回路構成)
図1は、図7に示すマッサージ機の電気的構成に含まれるセンサ部を示す概略ブロック図である。
【0065】
図1に示すように、センサ部100は、発振部111と、電極部112と、反射波検知部113と、信号処理部114と、出力端子115と、を備えている。より詳細には、電極部112は、電極として機能するもみ玉アーム403R、403Lと、トランス112cとを含んでいる。
【0066】
一対のもみ玉アーム403R、403Lは、使用者が近接又は接触し得るように配され、かつ発振部111から高周波信号を受けるように設けられ、施療部40に結合されている。
【0067】
次に、センサ部100の動作の概略について説明する。発振部111は、高周波信号を供給し、もみ玉アーム403R、403Lは、アイソレーション及び実数値変換用のトランス112cを介して高周波信号を受ける。より詳細には、トランス112cの1次側巻き線の両端がそれぞれ反射波検知部113と接地電位とに接続されており、2次側巻き線の両端がそれぞれもみ玉アーム403R、403Lに接続されている。
【0068】
もみ玉アーム403R、403Lにおけるインピーダンスは、後述するように人体の体動や形状によって変動するため、電極において消費される高周波信号エネルギも、人体の体動や形状に応じて変動する。このため、電極で消費されなかった高周波信号エネルギの変動が反射波レベルの変動として反射波検知部113によって検知される。検知された反射波レベルの変動は、信号処理部114で増幅されかつ信号処理され、生体信号として出力端子115から出力される。出力された生体信号は、マッサージ機1の制御を行うCPU13a(図7参照)に与えられる。
【0069】
図2に示すように、マッサージ機1の背もたれ部10aの表面部材の裏側にもみ玉アーム403R、403Lが配設されており、その他の回路要素、すなわち図1に示したトランス112c、発振部111、反射波検知部113、及び信号処理部114を一体として構成したセンサ部100が、背もたれ部10a内部の施療部40に配されている(図6参照)。センサ部100の出力端子115から出力される生体信号は、図示省略しているが、マッサージ機1内部に配される制御部13のCPU13a(図7参照)に与えられる。
【0070】
次に、図1に示したセンサ部100の発振部111の構成を説明する。
【0071】
発振部111は、例えば水晶発振器のような発振器111aを有し、高周波のパルス信号を出力する発振回路を構成する。また、更には、パルス信号を正弦波に変換するための2段のローパスフィルタ(不図示)と、アッテネータ(不図示)と、を備えている。
【0072】
これは、発振部111の高周波出力として正弦波信号を出力する場合にのみ、発振部111と、もみ玉アーム403R、403Lとの間でインピーダンス整合が取られたときに正弦波成分の全エネルギが電極で消耗されて電極からの反射波レベルがゼロとなるからである。換言すると、正弦波信号でなければ、インピーダンスの整合に関わらず、常に負荷である電極から非正弦波成分のエネルギが反射されることになるからである。
【0073】
高周波成分としては、その周波数は適宜選択できるものであるが、好ましくは10MHz〜300MHzの範囲である。なお、本実施の形態では、周波数を40.68MHzに設定しているが、これに限るものではなく、例えば13.56MHz、27.12MHzも好ましい周波数である。
【0074】
次に、図1に示したセンサ部100の反射波検知部113の構成を説明する。
【0075】
反射波検知部113は、発振部111の発振出力が結合される端子Pと、電極部112の入力端(トランス112cの1次側巻き線の一端)が結合される端子Pと、周知の構成を有するM結合回路113a、113bと、を備えている。
【0076】
M結合回路113aは、端子P、Pの間に挿入された1次側コイルN1aと、2次側コイルN2a及びその両端に並列接続された抵抗Rとから構成される。M結合回路113bは、端子Pと接地電位との間に挿入された1次側コイルN1bと、2次側コイルN2bとから構成される。なお、2次側コイルN2a、N2bは、接地電位と、反射波検知部113の出力端との間に直列に接続されている。
【0077】
次に、この反射波検知部113による生体信号の検出原理について、以下に詳細に説明する。
【0078】
例えば、図2に示す椅子型のマッサージ機1において、使用者が背もたれ部10aに正しく、すなわち使用者の肩位置がもみ玉アーム403R、403L近傍に位置するように
着座しているものとする。
【0079】
発振部111から供給される高周波の正弦波信号がこれらの電極に供給されると、2つのもみ玉アーム403R、403Lの間で、マッサージ機1の表面部材、使用者の着衣、及び使用者の人体組織(主に脂肪成分)を介して高周波電流の流れが生じる。
【0080】
つまり、反射波検知部113は、使用者がもみ玉アーム403R、403Lに近接又は接触したときに、高周波信号を受けている電極としてのもみ玉アーム403R、403Lに生じるインピーダンスの変化を検知する。
【0081】
ここで、体動による電極表面と人体表面との距離の変化や、体型による電極表面から人体組織までの距離の違いは、電極における高周波インピーダンスの虚数成分の変化に相当し、体動による人体組織の変形は、高周波インピーダンスの実数成分の変化に相当する。
【0082】
着座している使用者の背中側の形状により、前者の距離変化及び後者の組織変形が周期的に生じ、この結果、体動や使用者の体型に応じた高周波インピーダンスの変化が電極に生じることになる。
【0083】
換言すれば、反射波検知部113は、使用者の体型に応じてもみ玉アーム403R、403L間に生じるインピーダンス変化に対応する、高周波信号の反射波レベルの変化を表す信号を生成して供給する。
【0084】
また、反射波検知部113は、使用者の体型に応じてもみ玉アーム403R、403L間に生じる実数及び虚数のインピーダンス変化に応じた反射波信号を出力するようにしてもよい。
【0085】
ここで、インピーダンスZとは、一般的に、
Z=R+j(ωL−(1/ωC)) (式1)
R:抵抗
L:インダクタンス
C:容量
ω:角振動周波数
で示される。
【0086】
発振部111から供給される高周波信号は、もみ玉アーム403R、403Lとの間でインピーダンス整合が取れていればもみ玉アーム403R、403Lですべて消費されるが、このような電極におけるインピーダンス変化に応じて、電極で消費されるエネルギが変化することになり、余ったエネルギが反射波として、電極部112から反射波検知部113を介して発振部111に戻ることになる。ここで、反射波検知部113のM結合回路113a、113bは方向性結合器を構成し、電極で消費されなかったエネルギの一部分を取りだし、反射波出力として、後段の信号処理部114に与える。
【0087】
なお、コイルを用いたM結合回路は、方向性結合器の周知の一例に過ぎず、その他に、コンデンサ、マイクロストリップラインなどを用いて反射波検知部113を構成することもできる。
【0088】
次に、図1に示したセンサ部100の信号処理部114の構成を説明する。
【0089】
信号処理部114は、増幅器114aと、フィルタ114bとを有する。信号処理部114には、上述のように反射波検知部113から、もみ玉アーム403R、403Lにお
ける反射波レベルの変化を表わす信号が与えられ、増幅されるとともに、適宜定数が設定されたフィルタを通過させられることにより、使用者の体型に応じた信号が取り出される。
【0090】
換言すれば、信号処理部114は、検知されたインピーダンスの変化に対応する信号から所望の生体信号に応じた信号に処理する。
【0091】
もみ玉アーム403R、403Lを備える施療部40は、昇降施療ユニット20により、背もたれ部10aの上部から下部にモータのパルス数に応じて下降する。なお、本実施の形態では、モータの昇降パルス数ごとに信号を検知することで、図8に示す信号の出力電圧の変動グラフが得られる。
【0092】
検知された信号は、逐次マッサージ機1の制御部13へ送られ、CPU13aにて不快部位(痛点)の位置が判定され、その情報に基づいてマッサージ動作の制御が行われる。
【0093】
以下、上述の実施の形態に係るマッサージ機において、不快部位の位置や肩位置の検知等の測定及びマッサージ動作の制御について各実施例を参照して説明する。
【実施例1】
【0094】
(不快部位(痛点)の検知方法)
図9は、マッサージ機における使用者の不快部位(痛点)の位置を検知する際のフローチャートである。
【0095】
本実施の形態に係るマッサージ機1は、マッサージ動作を行っていない状態では、施療部40は、使用者がマッサージ機1に着座する際に使用者の背中とあたらないように背もたれ部10aの上部に退避している。
【0096】
使用者がマッサージ機1の電源を入れたりマッサージ動作の開始ボタンを押したりすることで、マッサージ機1の動作が開始する(ステップS901)。
【0097】
次に、もみ玉(施療子)402a〜402dを有する施療部40は、初期位置に移動する(ステップS902)。
【0098】
次に、施療部40を移動することで、もみ玉402a〜402dを軸支するもみ玉アーム403R、403Lが上方から下方へ徐々に移動する。センサ部100は、電極として機能するもみ玉アーム403R、403Lに生じるインピーダンスの変化を出力電圧の変化として検知する(ステップS903)。
【0099】
施療部40は、初期位置においては使用者の背面とあたらないような位置にあるため、もみ玉アーム403R、403Lに生じるインピーダンスに応じた出力電圧は略0となっている。そして、施療部40が使用者の背中側を下降するにつれ使用者の体型に応じた出力電圧の変化が生じる。通常、もみ玉アーム403R、403Lに生じるインピーダンスは、もみ玉アーム403R、403Lが使用者の背面に押し付けられるほど、換言すれば、使用者の背面の形状が背もたれ部側に突出しているほど小さい値をとるため電流が流れやすくなり、その値に応じて出力電圧は大きくなる。
【0100】
そのため、出力電圧は使用者の体型や体脂肪率等により変動し、測定の初期においては、出力電圧が単調増加する(図8参照)。
【0101】
そして、施療部40が使用者の肩位置を通過する際に出力電圧はピークの値をとり、そ
の後減少し、使用者の被マッサージ部である背中の形状や使用者の脂肪(筋肉)の分布状態により、出力電圧の値は、測定範囲を上下動しながら推移する。
【0102】
その際、使用者が、もみ玉402による不快部位(例えば、使用者が個別に痛いと感じる部位や、打ち身や擦り傷があることで痛いと感じる部位)への押圧力が強いと感じると、使用者は背もたれ部10aから背中を浮かせる場合がある。このような場合、センサ部100からの出力電圧は、通常の出力電圧(図8点線参照)より、小さくなることがある(図8実線参照)。
【0103】
あるいは、肩胛骨のように、背もたれ部10aに対して特に突き出ており、通常の押圧力によるマッサージ動作では痛いと感じる部位もある。肩胛骨は、脂肪や筋肉がほとんどなく大半が骨で構成されているため、骨単体では電流はほとんど流れない。そのため、使用者は背もたれ部10aから背中を浮かせなくても、センサ部100からの出力電圧は、通常の出力電圧(図8点線参照)より、小さくなることがある。
【0104】
そこで、本実施例に係るマッサージ機1では、このような場合に不快部位の位置をセンサ部100からの出力電圧の変動から判定する。そして、その後のマッサージにおいて、不快部位に対するマッサージ動作を行わない、又は、マッサージ動作における押圧力を弱めるようにマッサージ機の動作を制御する。
【0105】
そのために本実施例においては、センサ部100の出力値V21を、ROM13bやRAM13cに記憶されている前回のセンサ部100の出力値V20と比較する(ステップS904)。なお、一番初めの出力値の場合、前回の出力値がないため、予め記憶手段に設定されている初期値(例えば0)と比較するようにしても良い。
【0106】
これにより、施療部40が肩位置を通過したか否かを判別する。センサ部100の出力値V21が、前回の出力値V20より減少している場合(YES)、施療部40は、肩位置を通過したと判定される。一方、センサ部100の出力値V21が、前回の出力値V20より増加している場合(NO)、施療部40は、未だ肩位置を通過しておらず、不快部位の判定は行わない。
【0107】
CPU13aは、出力値V21が出力値V20より減少(−)していると判定した場合(YES)、センサ部100からの生体信号に応じた信号としての出力値V21とROM13b等に記憶されている所定の基準値V22と比較する(ステップS905)。
【0108】
基準値V22と比較するのは、施療部40が最初のピーク値である肩位置を通過すると、センサ部100の出力電圧は、一度減少した後、使用者の被マッサージ部である背中の形状や使用者の脂肪(筋肉)の分布状態により測定範囲を上下動しながら推移する。そのため、センサ部100の出力値の変化が−となっても、それが使用者の体型や脂肪(筋肉)の分布状態によるものなのか、もみ玉402が不快部位を押圧したために使用者が背もたれ部10aから背中を浮かせたからなのかの判断は困難である。
【0109】
そこで、センサ部100の出力値が所定の基準値を下回らない場合(NO)には、使用者の不快部位の位置を判定しないようにする。つまり、使用者の体型等によりセンサ部100の出力値の変化が−となるような測定範囲であっても、誤って不快部位の位置を判定し、マッサージ機が誤った不快部位の位置に基づいてマッサージ動作を行うことを防止することができる。
【0110】
一方、センサ部100の出力値V21が所定の基準値V22を下回った場合(YES)、もみ玉402が不快部位を押圧したために使用者が背もたれ部10aから背中を浮かせ
たと判定される。
【0111】
次に、ステップS906にて出力値V21を規定読み込み回数Nまで読み込んだかを判定する。これにより、誤ってセンサ部100の出力値V21が、使用者の不快部位の位置に達する前にステップS904、S905を満足するような値をとっても、通常の人体の体型から予め設定された範囲の測定が完了する以前に不快部位の位置が決定されることを防止できる。
【0112】
ここで、本実施例における規定読み込み回数Nは、施療部40を上下動するモータを駆動する際のパルス数に比例したものとする。したがって、モータを駆動する際のパルス数から算出された測定回数が、規定読み込み回数Nに達していない場合は、ステップS903に戻る。
【0113】
一方、モータを駆動する際のパルス数から算出された測定回数が、規定読み込み回数Nに達した場合、不快部位の位置の判定を可能とすべくステップS907にてフラグを1に設定する。
【0114】
次に、もみ玉402の位置が測定範囲あるいはマッサージ動作における可動範囲の下限位置に達しているかを判定する(ステップS908)。ここで、もみ玉402が下限位置に到達していない場合、再度ステップS903に戻り、もみ玉402を所定距離移動し、センサ部100の出力値V21を測定する。
【0115】
次に、ステップS904にて、出力値V21を前回の出力値V20と比較する。CPU13aが、出力値V21が出力値V20より減少していると判定した場合、上述のステップ905からS908を繰り返す。一方、CPU13aが、出力値V21が出力値V20より増加していると判定した場合(NO)、フラグが1に設定されているか判定する(ステップS910)。
【0116】
フラグが1に設定されていない場合(NO)、ステップS904〜S906までの条件の少なくともいずれかが満たされていないため、ステップS908、903に戻り、もみ玉アーム403R、403Lを所定距離移動させ、その位置で再度センサ部100の出力値を測定する。
【0117】
一方、フラグが1に設定されている場合(YES)、ステップS904〜S906までの条件が満たされているため、センサの出力値が一度減少して所定の基準値を下回り、その後増加した位置、つまり、施療部40を移動させて所定の範囲における生体信号に応じた信号の極値を検出することで使用者の不快部位の位置を判定することができる。より具体的には、本実施例では、極値は、肩位置を検出した最初のピーク値の後に検知された極小値(下に凸となった位置)を、不快部位の位置と判定し、その位置情報を記憶手段に書き込む(ステップS912)。
【0118】
次に、ステップS908にて、もみ玉402が下限位置に到達しているかを判定し、到達していなければ、再度S903に戻り次の不快部位の位置を検知する。到達していれば、不快部位の検知は終了する(ステップS913)。したがって、本実施例に係るマッサージ機1は、不快部位の位置を複数判定することが可能である。
【0119】
上述のように、背もたれ部10aに着座した使用者の背面側を電極として機能するもみ玉アーム403R、403Lを所定間隔で移動しながら測定することで、センサ部から出力される出力電圧は図8に示すように、肩や不快部位の位置に相当する昇降パルス数にてピークを持つ曲線が得られる。そして、本実施例によれば、不快部位に相当するピークに
達するまでの昇降パルス数から不快部位の位置を判定することができる。
【0120】
したがって、本実施例に係るマッサージ機によれば、使用者が不快部位の位置を自ら設定することなく自動で不快部位の位置が判定されるので、使用者に余分な負担や不快感をかけることなく、使用者の不快部位を避けたあるいは不快部位に対する押圧力を弱めた、快適なマッサージ動作を行うことができる。
【0121】
また、もみ玉アームを電極として用いるため、センシングのために新たな部品を必要とせず、簡便な構成で低コストのマッサージ機を提供することができる。
【0122】
また、もみ玉アームを昇降するモータを駆動する昇降パルス数に応じてセンシングができるため、精度の高い不快部位の位置の判定が可能となる。
【実施例2】
【0123】
(肩位置の補正方法1)
図10は、マッサージ機における使用者の肩位置を補正する際のフローチャートである。
【0124】
本実施の形態に係るマッサージ機1は、マッサージ動作が開始すると(ステップS1001)、例えば、実施例1で説明した方法により不快部位の位置が判定される(ステップS1002)。
【0125】
次に、マッサージ機1は、判定された不快部位の位置に基づいて使用者のマッサージ治療を行う(ステップS1003)。このマッサージ治療の間に、使用者がより好ましいと思う姿勢を取ろうと、背もたれ部10aの傾斜を変更(リクライニング)したりする場合がある。この場合、使用者の背もたれ部10aに対する不快部位の位置が変動してしまうため、先に判定した不快部位の位置に基づいたマッサージ動作では、適切なマッサージ動作を行うことができないことになる。
【0126】
そこで、本実施例では、ステップS1004において、リクライニング動作が行われたかを判別している。リクライニング動作がされていない場合(NO)、特に不快部位の位置の補正を必要としないため、マッサージ治療はそれまでの不快部位の位置の設定で行われる。
【0127】
一方、リクライニング動作がされたと判定された場合(YES)、ステップS1005にて、再度不快部位の位置の設定を行う。具体的には、実施例1による不快部位の位置検知を再度行って、不快部位の位置を判定してもよい。そして、制御部13は、再度判定された不快部位の位置に基づいて施療子によるその後のマッサージ動作を制御する。
【0128】
また、リクライニング動作による背もたれ部10aの移動角度(傾斜)により、予め記憶手段等に設定されている演算式により不快部位の位置の変化を算出し、新たな不快部位の位置として決定してもよい。そして、制御部13は、補正された不快部位の位置に基づいて施療子によるその後のマッサージ動作を制御する。これによれば、再度不快部位の位置を検知するために施療部40を初期位置へ移動する必要がなく、その後のマッサージ治療時間を短縮することができる。
【実施例3】
【0129】
(肩位置の補正方法2)
図11は、マッサージ機における使用者の肩位置を補正する際のフローチャートである。
【0130】
本実施の形態に係るマッサージ機1は、マッサージ動作が開始すると(ステップS1101)、例えば、実施例1で説明した方法により不快部位の位置が判定される(ステップS1102)。
【0131】
次に、マッサージ機1は、判定された不快部位の位置に基づいて使用者のマッサージ治療を行う(ステップS1103)。このマッサージ治療の時間の経過と共に、使用者がより好ましいと思う姿勢を取ろうと、マッサージ機1上で姿勢を変えたり移動したりする場合がある。この場合、使用者の背もたれ部10aに対する不快部位の位置が変動してしまうため、先に判定した不快部位の位置に基づいたマッサージ動作では、適切なマッサージ動作を行うことができないことになる。
【0132】
そこで、本実施例では、予め設定された時間毎に不快部位の位置の再検知あるいは肩位置の補正を行うことで常に不快部位の位置を正確に判定し、最適なマッサージ動作を可能としている。そのため、ステップS1104において予め設定された時間を経過したかを判別し、所定時間を経過していない場合(NO)、特に不快部位の位置の補正を必要としないため、マッサージ治療はそれまでの不快部位の位置の設定で行われる。
【0133】
一方、所定の時間が経過したと判定された場合(YES)、ステップS1105にて、再度不快部位の位置の設定及び補正を行う。具体的には、実施例1による不快部位の位置検知を再度行って、不快部位の位置を決定してもよい。そして、制御部13は、再度判定された不快部位の位置に基づいて施療子によるマッサージ動作を制御する。これによれば、常に不快部位の位置を正確に判定し、最適なマッサージ動作を可能としている。
【0134】
以上、各実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上述の各実施例に限定されるわけではなく、可能な限り変形し、組み合わせて構成しても良いことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機の電気的構成に含まれるセンサ部を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施の形態に係るマッサージ機の概略構成を示す全体正面図である。
【図3】本実施の形態に係るマッサージ機の概略構成を示す全体側面図である。
【図4】本実施の形態に係る昇降施療ユニットの正面図である。
【図5】本実施の形態に係る昇降施療ユニットの背面図である。
【図6】本実施の形態に係るマッサージ機の施療部の斜視図である。
【図7】本実施の形態に係るマッサージ機の電気的構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本実施の形態に係るマッサージ機で得られたセンサ部からの出力変動の一例を示すグラフである。
【図9】実施例1に係るマッサージ機の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施例2に係るマッサージ機の動作を示すフローチャートである。
【図11】実施例3に係るマッサージ機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0136】
1 マッサージ機
10 椅子
10a 背もたれ部
10b 座部
13 動作制御部
15 表示回路
16 出力回路
17a ソレノイド
17b モータ
20 昇降施療ユニット
30 昇降部
40 施療部
100 センサ部(生体信号検知装置)
100a 給電線
111 発振部
112 電極部
113 反射波検知部
114 信号処理部
115 出力端子
402a,402b,402c,402d もみ玉(施療子)
403R、403L もみ玉アーム
404R、404L アーム支持部材
408R、408L 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の背面を支持する背もたれ部と、
前記背もたれ部に設けられ前記使用者をマッサージする施療子と、
前記施療子を支持する一対の電極をマッサージ動作に応じて移動させる施療部と、
前記一対の電極間のインピーダンス変化から前記使用者の生体信号を検知する生体信号検知装置と、
前記生体信号に基づいて前記施療子のマッサージ動作を制御する制御部と、を備え、
前記生体信号検知装置は、
高周波信号を供給する発振部と、
前記使用者が近接又は接触し得るように配され、かつ前記発振部から前記高周波信号を受けるように設けられた前記一対の電極と、
前記使用者が前記電極に近接又は接触したときに、前記高周波信号を受けている前記電極に生じるインピーダンスの変化を検知する検知部と、
前記検知されたインピーダンスの変化に対応する信号から所望の生体信号に応じた信号に処理する信号処理部と、を有し、
前記制御部は、前記施療部を移動させて所定の範囲における前記生体信号に応じた信号の極値を検出することで、前記使用者の不快部位の位置を判定することを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記極値は、最初のピーク値の後に検知された極小値であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記制御部は、前記不快部位の位置が判定された場合、判定された前記不快部位の位置におけるマッサージ動作を行わないよう制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記制御部は、前記不快部位の位置が判定された場合、判定された前記不快部位の位置において、マッサージ動作中の施療子の押圧力を弱めるよう制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記制御部は、前記不快部位の位置を複数判定可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記制御部は、前記極値が所定の基準値を下回らない場合、前記使用者の不快部位の位置を判定しないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記制御部は、前記背もたれ部の傾斜を変更した場合、不快部位の位置を再度判定し、再度判定された不快部位の位置に基づいて施療子によるマッサージ動作を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記制御部は、前記背もたれ部の傾斜を変更した場合、前記不快部位の位置を前記傾斜に応じて補正した不快部位の位置に基づいて施療子によるマッサージ動作を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記制御部は、前記不快部位の位置を判定してから所定時間経過した後、前記不快部位の位置を再度判定し、再度判定された不快部位の位置に基づいて施療子によるマッサージ動作を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記電極は、前記施療部に対して回動可能であって前記施療子を複数支持するアームで
あり、
前記複数の施療子は、前記アームの回動中心を挟んで前記施療部の移動方向と略平行になるように並んで設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項11】
前記検知部は、前記使用者の体型に応じて前記電極間に生じるインピーダンス変化に対応する、前記高周波信号の反射波レベルの変化を表す信号を生成して供給することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項12】
前記検知部は、前記使用者の体型に応じて前記電極間に生じる実数及び虚数のインピーダンス変化に応じた反射波信号を出力することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項13】
前記高周波信号の周波数は、10MHz〜300MHzの範囲であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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