説明

マッサージ機

【課題】マッサージ動作の限定が要求される子供や高齢者等の特定の使用者に適したマッサージが行われ、かつ他の使用者に対しても十分なマッサージを行うことができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機が有する機能を制御する機能制御部13は、マッサージ機1の全機能のうち使用者hが利用可能な機能が少なくとも一部異なる複数の制御モードを有しており、当該複数の制御モードは、マッサージ機のすべての機能又はほとんど全ての機能を使用者が利用できるフル機能制御モード21と、フル機能モード21において使用者が利用可能な機能のうちの少なくとも一部の機能が制限された機能限定制御モード20からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部と背もたれ部とを備える椅子型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
座部と背凭れ部とを備える椅子型のマッサージ機は、当該座部や背凭れ部に設けられて使用者にマッサージ動作を与える施療子を有するマッサージ手段と、このマッサージ手段の動作を制御する制御手段とを備えた構造とされている。そして、当該制御手段には、内蔵する複数のモータの駆動の組み合わせにより、施療子に複数の動作(例えば揉み動作、叩き動作、施療部位の変更等)を選択的に行わせる複数のマッサージコースが設けられているのが一般的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような一般的な椅子型マッサージ機では、起動電源をオンした際、マッサージコース、マッサージ時間等の機能が全て選択可能となっているため、例えば使用者が子供の場合、それらの使用者に適しないマッサージ動作が作動してしまうことがある。その一方で、それらの使用者のために機能を限定すれば、他の使用者に十分なマッサージを与えることができないという問題がある。
本発明は上記の従来の問題点に鑑み、マッサージ動作の限定が要求される子供等の特定の使用者に適したマッサージが行われ、かつ他の使用者に対しても十分なマッサージを与えることができるマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち本発明は、マッサージ機本体と、使用者へマッサージ動作を与えるマッサージ部と、マッサージ機が有する機能を制御する機能制御部と、を備えたマッサージ機において、前記機能制御部は、マッサージ機の全機能のうち使用者が利用可能な機能が少なくとも一部異なる複数の制御モードを有していることを特徴とする。
上記本発明のマッサージ機によれば、機能制御部はマッサージ機の全機能のうち使用者が利用可能な機能が少なくとも一部異なる複数の制御モードを有しているので、マッサージ動作の限定が要求される子供等の特定の使用者や、大人等の他の使用者は、それぞれに対応した制御モードを選択してマッサージを受けることができる。
【0005】
また、上記本発明において、複数の前記制御モードには、マッサージ機のすべての機能又はほとんど全ての機能を使用者が利用できるフル機能制御モードと、前記フル機能モードにおいて使用者が利用可能な機能のうちの少なくとも一部の機能が制限された機能限定制御モードと、を含むことを特徴とする。
この場合、マッサージ動作の限定が要求される子供等の特定の使用者には、機能限定制御モードが選択されるようにし、他の使用者には、フル機能制御モードが選択されるようにすればよい。
【0006】
上記本発明において、前記機能限定制御モードでは、前記マッサージ部におけるマッサージ動作の内容及び/又はマッサージ時間が、前記フル機能制御モードよりも制限されていることを特徴とする。
この場合、機能限定制御モードを選択した特定の使用者は、マッサージ動作の内容及び/又はマッサージ時間が制限されたマッサージを受けることができる。
【0007】
上記本発明において、前記機能限定制御モードでは、前記マッサージ部により使用者の身体に与える刺激が前記フル機能モードよりも軽くなるようにマッサージ機の機能が制限されていることを特徴とする。
この場合、機能限定制御モードを選択した特定の使用者は、身体に与える刺激がフル機能モードよりも軽いマッサージを受けることができる。
【0008】
上記本発明において、前記機能制御部は、マッサージ部が所定の手順で動作するマッサージコースを複数種類実行可能に構成され、前記機能限定制御モードでは、前記フル機能制御モードのときに使用者が選択できるマッサージコースのうち少なくとも一部が選択不可となることを特徴とする。
この場合、使用者は、マッサージ部が所定の手順で動作するマッサージコースを複数種類選択することができ、このうち機能限定制御モードを選択した特定の使用者は、特定のマッサージコースのみしか選択できなくなる。
【0009】
上記本発明において、前記マッサージ機本体は、傾斜角度を変更可能な背もたれ部及び/又は傾斜角度を変更可能なフットレストを備え、前記機能制御部は、前記背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度を制御可能であり、更に、前記機能制御部は、前記機能限定制御モードでは、使用者の操作による背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更を制限することを特徴とする。
この場合、使用者は傾斜角度を変更可能な背もたれ部及び/又は傾斜角度を変更可能なフットレストを備える椅子型のマッサージ機でマッサージを受けることができ、機能限定制御モードを選択した特定の使用者には、背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更を制限することができる。
【0010】
上記本発明において、前記機能制御部は、前記機能限定制御モードでは、自動制御による背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更が行われるとともに、使用者の操作による背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更が不可であることを特徴とする。
この場合、機能限定制御モードを選択した特定の使用者には、背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更が自動的に行われ、その後、当該傾斜角度の変更ができなくなり、背もたれ部及び/又はフットレストが意図しない角度まで倒れるのを防止することができる。
【0011】
上記本発明において、マッサージ機の操作をするための複数の操作ボタンを有する操作部を更に備え、前記機能限定制御モードにおいてマッサージ部がマッサージ動作を開始すると、複数の前記操作ボタンの全部又は一部が、マッサージ動作の停止用ボタンに切り替わることを特徴とする。
この場合、前記機能限定制御モードにおいて、例えば子供がマッサージを受けている際、咄嗟にマッサージを止めたいときに、操作ボタンを選ばなくても確実にマッサージ動作を止めることができる。
【0012】
上記本発明において、前記機能限定制御モードでは、フル機能制御モードのときに使用者が利用可能な機能以外の他の機能を使用者が利用可能である。
この場合、機能限定制御モードを選択した使用者は、フル機能制御モードでは利用できない他の機能を利用することができる。
【0013】
上記本発明において、複数の前記制御モードのうち、少なくとも1つの制御モードは、実行開始のために使用者のロック解除操作を必要とすることを特徴とする。
この場合、実行開始のためにロック解除操作を必要とする制御モードは、ロックを解除した使用者しか利用できなくなる。
【発明の効果】
【0014】
以上の通り、本発明によれば、機能制御部はマッサージ機の全機能のうち使用者が利用可能な機能が少なくとも一部異なる複数の制御モードを有しているので、マッサージ動作の限定が要求される子供等の特定の使用者や他の使用者は、それぞれに対応した制御モードを選択することで、当該特定の使用者には適したマッサージが行われ、かつ他の使用者に対しても十分なマッサージを与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態であるマッサージ機1の側面図である。このマッサージ機1は、マッサージ機本体Hと、使用者へマッサージ動作を与えるマッサージ部Mと、マッサージ機1が有する機能を制御する機能制御部13とを備えている。また、マッサージ機本体Hは、着座した使用者h(二点鎖線で示す)の背中及び頭部を支持しうる背もたれ部2と、着座した使用者hの尻部及び太股部を支持しうる座部3と、座部3の左右両側に配置され使用者hの肘及び前腕部を支持しうる肘掛け部4と、座部3の前側に脚を施療することのできるフットレスト5とを備えている。
【0016】
背もたれ部2の内部には、マッサージ部Mとしてのマッサージユニット6が図示しない左右一対のガイドレールに沿って上下方向に昇降自在に設けられており、使用者hに施療子によるマッサージが行われる。さらに、背もたれ部2の左右両側、座部3及びフットレスト5には、マッサージ部Mとして、図示しないエアユニットと接続されエアの吸排気によって膨張収縮するエアセル7が設けられており、使用者hに当該エアセル7によるマッサージが行われる。さらに、背もたれ部2、座部3には、マッサージ部Mとしてバイブレータeが設けられており、使用者hに当該バイブレータeの振動によるマッサージ、指圧等が行われる。
【0017】
図3は、マッサージユニット6の正面斜視図である。マッサージユニット6の本体フレーム61に機器ユニット62が前後移動自在に取り付けられている。機器ユニット62は、施療具として揉み玉からなる施療子63と、この施療子63に揉み、叩き、指圧等のマッサージ動作をさせるために駆動する動作手段64とを有している。この動作手段64は、施療子63を背もたれ部2の前後方向に移動させる押出し機構を有している。押出し機構は、機器ユニット62を前後移動させる駆動源となるモータ65と、このモータ65に減速機構を介して連結されたピニオン66と、このピニオン66に噛合し背もたれ部2の前後方向に沿って設けられたラック67とを有している。モータ65とピニオン66は本体フレーム61に固定されており、ラック67は機器ユニット62側に固定されている。この構成により、前記モータ65を正逆回転させることで、ピニオン66が正逆回転し、これによりラック67が前後移動し、このラック67とともに機器ユニット62が前後移動する。
【0018】
フットレスト5は、座部3の前部で当該座部3に対して回動可能、かつ当該座部3に接離可能に設けられており、使用者hの脚の長さに合わせて伸縮できるようになっている。また、背もたれ部2は、マッサージ機1の左右両側に設けられた脚部11により傾動可能に支持されている。さらに、椅子型マッサージ機1は、背もたれ部2の傾倒角度を変化させるためのリクライニング機構rを有している。
【0019】
図1は、リクライニング機構rによって変動しうる背もたれ部2の角度範囲のうち、背もたれ部2が最も起立した状態とされた図であり、図2は、背もたれ部2が最も倒れた状態の図である。リクライニング機構rの詳細な説明は省略するが、当該機構rは、電動モータ10により伸縮駆動するアクチュエータ12を備えており、このアクチュエータ12の伸縮によりリクライニング動作が行われる。すなわち、アクチュエータ12が伸びるほど背もたれ部2が起立した状態となり、アクチュエータ12が縮むほど背もたれ部2が倒れた状態となる。このようなリクライニング機構rにより、椅子型マッサージ機1では、アクチュエータ12の伸縮により背もたれ部2と座部3とのなす角度が変化して、所定の角度範囲でリクライニング動作が可能とされている。
【0020】
また、マッサージ機1は、フットレスト5を脚の長さ方向に移動させる図示しない伸縮機構、及び背もたれ部2の傾動と連動してフットレスト5の座部3に対する傾斜角度を変化させる図示しない角度連動機構を有している。当該伸縮機構により、使用者hの脚の長さに応じてフットレスト5が脚の長さ方向に移動できるようになっている。また、角度連動機構により背もたれ部2の傾斜角度を、最も起立した状態から最も倒れた状態まで変化させる場合、最も起立した状態ではフットレスト5の座部3に対する角度は最も大きく、使用者hは座った状態となり、最も倒れた状態ではフットレスト5の座部3に対する角度は最も小さく、使用者hは寝ころんだ状態となる。また、当該角度連動機構は、背もたれ部2の傾動の初期段階では背もたれ部2の傾斜角度変化に対するフットレスト5の傾斜角度変化が比較的大きくされており、最も倒れた状態に近づくにつれてフットレスト5の傾斜角度変化が少なくなるように設定されており、使用者hが、楽な姿勢のままでリクライニングできるようになっている。
【0021】
マッサージ機1には、マッサージユニット6、エアセル7、バイブレータe、及びリクライニング機構r、伸縮機構、角度連動機構を動作せるための、マイクロコンピュータ等からなる機能制御部13が設けられている。この機能制御部13は、座部3の下方に設けられており、使用者hが操作する図4に示す操作機15(操作部)と接続されて、使用者hが当該操作機15の操作ボタンを選択することで、各種マッサージ動作が行われる。操作機15は、肘掛け部4に設けられたホルダ16によって着脱自在に支持されている。
【0022】
操作機15は、使用者hが手に持って操作可能な手持ち式であり、ホルダ16に保持させたまま操作してもよいし、手に持って操作してもよい。操作機15は、その操作面151には、電源のオン・オフ操作を行うための電源ボタンb1、停止ボタンb2、肩位置調整ボタンb19、数字入力ボタンb3、エアー強さ調整ボタンb4が設けられている。また、操作面151は、開閉部17によって一部開閉式となっており、当該開閉部17の表面には、リクライニングボタンb7、フットレストボタンb8、フットスライドボタンb9、マッサージ解除ボタンb10、バイブ解除ボタンb11、BGMボタンb12、ヒータボタンb13、更に、各種のマッサージコースボタンb5、b6が設けられている。また、開閉部17を開けた状態の操作面152には、主にマッサージ動作を手動選択するための、リクライニングボタンb14、マッサージ動作の指示ボタンb15、マッサージ動作の速さ、位置調整ボタンb16、エアセルによるエアマッサージボタン、バイブレーションボタンb17が設けられている。また、操作面151には、表示部18が設けられており、操作に関連した表示又はその他必要な表示を文字や図形等によって電子的に表示可能とされている。なお、使用者は、上記数字入力ボタンb3を組み合わせて押すことによりパスワードを入力することができ、これにより当該パスワードが機能制御部13に登録される。
【0023】
上記各マッサージ部6,7、eが有する機能を制御する制御モードは複数用意されており、当該制御モードによりマッサージ部6,7、eを動作させるための動作プログラムが機能制御部13に設けられたRAM、ROMからなる記憶部に記憶されている。そして、使用者hは、操作機15の各操作ボタンを押して、機能制御部13がマッサージ部6,7,eや各種駆動機構を動作させる。さらに、前記機能制御部13は、マッサージ機1の全機能のうち使用者が利用可能な機能が一部異なる複数の制御モードを有しており、当該複数の制御モードは、マッサージ機1のすべての機能を使用者が利用できるフル機能制御モード21と、フル機能制御モード21において使用者が利用可能な機能のうち一部の機能が制限された機能限定制御モード20とからなっている(図5参照)。また、機能制御部13は、マッサージ部6,7、eが所定の手順で動作するマッサージコースを複数種類実行可能に構成されている。
【0024】
上記フル機能制御モード21では、使用者hは背もたれ部2のマッサージユニット6や、背もたれ部2、座部3、フットレスト5のエアセル7や、バイブレータe、及びリクライニング機構r、伸縮機構、角度連動機構に関してそれらの機能の作動可能な範囲を全て選択でき、また、後述の各種のマッサージコースを全て選択できるようになっている。なお、当該機能とは、例えばマッサージユニット6、エアセル7、及びバイブレータeではマッサージ動作の内容、マッサージ時間、及びマッサージ強さ、振動強度等のことをいい、リクライニング機構、伸縮機構、及び角度連動機構では、それぞれ背もたれ部2の座部3に対する角度、フットレスト5の長さ、背もたれ部2の傾斜角度変化に対するフットレスト5の傾斜角度変化度合い等をいう。当該フル機能モード21では、使用者hがマッサージユニット6等の各機能を手動選択するほか、同使用者hによって選択されるマッサージコースが設けられている。
【0025】
上記機能限定制御モード20では、使用者hは背もたれ部2のマッサージユニット6や、背もたれ部2、座部3、フットレスト5のエアセル7や、バイブレータe、及びリクライニング機構r、伸縮機構、及び角度連動機構に関してそれらの機能の作動可能な範囲のうち一部のみを選択でき、また後述の各種マッサージコースの一部のみを選択できるようになっている。つまり、機能限定制御モード20では、マッサージ部6,7,eにおけるマッサージ内容とマッサージ時間、或いはマッサージ内容だけ、或いはマッサージ時間だけが、フル機能制御モード21よりも制限されており、使用者の身体に与える刺激がフル機能モード21よりも軽くなっている。つまり、機能限定モード20では、ソフトな刺激を与えるマッサージ動作、及び短いマッサージ時間で子供にマッサージが行われる。
【0026】
また、機能限定制御モード20では、使用者の操作による背もたれ部2及びフットレスト5の傾斜角度の変更が制限されており、自動制御による背もたれ部2及びフットレストの傾斜角度の変更が行われた際に、使用者の操作による背もたれ部及びフットレストの傾斜角度の変更ができないようになっている。また、機能限定制御モード20で、使用者の操作による、背もたれ部2の傾斜角度だけの変更或いはフットレスト5の傾斜角度だけの変更を制限してもよい。それに伴って、自動制御による背もたれ部2やフットレストの傾斜角度の変更が行われた際に、使用者の操作による背もたれ部やフットレストの傾斜角度の変更ができないようになる。また、当該機能限定制御モード20には、使用者hによって選択される各種のマッサージコースが設定されている。
【0027】
上記各制御モード20,21への流れを図5で説明すると、マッサージ機1を電源オンにすると初期状態30となり、更に、使用者hが、数字入力ボタンb3を押して予め設定されたパスワード入力するとロックが解除され、制御モードがフル機能制御モード21に移行される。そして、使用者hが、ロックを解除しなければ、機能限定制御モード21が選択された状態となる。従って、使用者hが、ロックを解除しなければ機能限定制御モード21のままなので、例えば子供が不用意に当該フル機能制御モード21に入ることが防止される。
【0028】
図6(a)、及び(b)は、各制御モード20,21のフローチャートである。本実施形態のフル機能制御モード21には、全身疲労回復コース212、高齢者に適したマッサージ動作が行われる高齢者コース204、子供に適したマッサージ動作が行われる子供コース(1)202、子供コース(2)203が設定されている。図7は、各子供コース202,203の流れを説明するブロック図である。各子供コース202、203が選択され、マッサージ部6,7,eがマッサージ動作を開始すると複数の操作ボタンの全部又は一部がマッサージ動作の停止用ボタンに切り替わり、ボタン機能変更204が行われる。
【0029】
具体的には、子供コース202,203以外では、マッサージ動作を停止する際には停止ボタンb2を押せばよいが、当該子供コース202,203が選択され、マッサージ動作が開始されると、例えば、操作面151の停止ボタンb2以外のマッサージコースボタンb5,b6、リクライニングボタンb7、フットレストボタンb8等の全てが停止用ボタンに切り替わる。なお、マッサージ動作が開始されると、例えば、操作面151の停止ボタンb2以外のマッサージコースボタンb5,b6だけ等、一部の操作ボタンが停止用ボタンに切り替わるようにしてもよい。これにより、子供が咄嗟にマッサージを止めたいときに、操作ボタンを選ばなくても確実にマッサージ動作を止めることができる。次に、リクライニング機構rによる背もたれ部2の倒れ205が行われ、子供用のマッサージ動作206が開始される。なお、マッサージ動作が開始されると、使用者hは背もたれ部2の操作をできなくなる。マッサージ動作が終了すると、リクライニング機構rによる背もたれ部2の戻り207が行われる。
【0030】
従って、使用者hは、電源ボタンb1を押して電源オンした後、初期状態30でまずロックを解除し、フル機能制御モード21へ移行した後、マッサージコースボタンb5、b6を押すことによりコース選択211を行い、上記各コースが選択される。また、当該フル機能制御モード21では、手動操作による自由選択213も可能となっており、使用者hは、フル機能制御モード21へ移行した後、リクライニングボタンb14、マッサージ動作の指示ボタンb15、マッサージ動作の速さ、位置調整ボタンb16、エアセルによるエアマッサージボタン、バイブレーションボタンb17等を押すことにより好みのマッサージを受けることができ、BGMボタンb12を押すことにより音楽を聴くことができ、更に、ヒータボタンb13を押すことにより、座部3や背もたれ部2が暖められる。一方、機能限定制御モード20には、子供コース(1)202、子供コース(2)203だけが設定されており、その他のマッサージコースが選択不可となっている。従って、子供が子供コース1,2以外でのマッサージを受けることが防止される。
【0031】
上記本実施形態のマッサージ機1によれば、機能制御部13は、マッサージ機のすべての機能を使用者が利用できるフル機能制御モード21と、フル機能モード21において使用者が利用可能な機能のうち、疲労回復コース212や自由選択213が選択できず、かつ各子供コース202,203が設定された機能限定制御モード20と有しているので、マッサージ動作の限定が要求される子供等の特定の使用者は、機能限定制御モード20でマッサージを受ければよく、マッサージ動作を限定した方がよいとされる高齢者は、フル機能制御モード21からマッサージ動作が制限された高齢者コース204を選択すればよい。他の使用者は、フル機能制御モード21でマッサージを受ければよい。これにより、当該特定の使用者や他の使用者は、それぞれに対応した制御モードを選択することで、特定の使用者にはその者に適したマッサージが行われ、かつ他の使用者に対しても十分なマッサージが行われる。
【0032】
図8は、本発明の第二実施形態を示す各制御モード20,21のフローチャートである。本実施形態が、上記第一実施形態の制御モードと異なる点は、フル機能制御モード21には、疲労回復コース212等及び自由選択213が設定され、子供コースは設定されていない点である。従って、本実施形態ではフル機能制御モード21を選択した使用者hは、子供コースは選択できず、全身疲労回復コース212等や自由選択213のみが選択できるようになっている。
【0033】
図9は、本発明の第三実施形態を示す各制御モード20,21のフローチャートである。本実施形態が、上記第一実施形態の制御モードと異なる点は、本実施形態の機能限定制御モード20では、フル機能制御モード21のときに使用者が利用可能な機能以外の他の機能を使用者が利用可能とされており、当該制御モード20に、フル機能制御モード21では選択することができない子供もみコース208が設定されている点である。
なお、上記実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、複数の制御モードに、フル機能制御モード及び機能限定制御モード以外の制御モードを含めてもよく、上記各実施形態では、マッサージ機を椅子型としたが、他の構成からなるマッサージ機に適用してもよい。また、機能限定制御モード20が選択された場合は、各マッサージ動作指示ボタンb15が、子供もみコースに変更される制御態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態であるマッサージ機の側面図である。
【図2】図1のマッサージ機の背もたれ部が最も倒れた状態の図である。
【図3】マッサージユニットの正面斜視図である。
【図4】操作機の正面図である。
【図5】各制御モードへのフローチャートである。
【図6】(a)はフル機能制御モードにおける各コースへのフローチャートであり、(b)は機能限定制御モードにおける各コースへのフローチャートである。
【図7】子供コースのフローチャートである。
【図8】(a)は第二実施形態でのフル機能制御モードにおける各コースへのフローチャートであり、(b)は第二実施形態での機能限定制御モードにおける各コースへのフローチャートである。
【図9】(a)は第三実施形態でのフル機能制御モードにおける各コースへのフローチャートであり、(b)は第三実施形態での機能限定制御モードにおける各コースへのフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1 マッサージ機
2 背もたれ部
3 座部
4 肘掛け部
5 フットレスト
6 マッサージユニット
13 機能制御部
15 操作機
20 機能限定制御モード
21 フル機能制御モード
202、203 子供コース
204 高齢者コース
212 全身疲労回復コース
213 自由選択

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ機本体と、使用者へマッサージ動作を与えるマッサージ部と、マッサージ機が有する機能を制御する機能制御部と、を備えたマッサージ機において、
前記機能制御部は、マッサージ機の全機能のうち使用者が利用可能な機能が少なくとも一部異なる複数の制御モードを有していることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
複数の前記制御モードには、マッサージ機のすべての機能又はほとんど全ての機能を使用者が利用できるフル機能制御モードと、前記フル機能モードにおいて使用者が利用可能な機能のうちの少なくとも一部の機能が制限された機能限定制御モードと、を含むことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記機能限定制御モードでは、前記マッサージ部におけるマッサージ動作の内容及び/又はマッサージ時間が、前記フル機能制御モードよりも制限されていることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記機能限定制御モードでは、前記マッサージ部により使用者の身体に与える刺激が前記フル機能モードよりも軽くなるようにマッサージ機の機能が制限されていることを特徴とする請求項2又は3記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記機能制御部は、マッサージ部が所定の手順で動作するマッサージコースを複数種類実行可能に構成され、
前記機能限定制御モードでは、前記フル機能制御モードのときに使用者が選択できるマッサージコースのうち少なくとも一部が選択不可となることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記マッサージ機本体は、傾斜角度を変更可能な背もたれ部及び/又は傾斜角度を変更可能なフットレストを備え、
前記機能制御部は、前記背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度を制御可能であり、
更に、前記機能制御部は、前記機能限定制御モードでは、使用者の操作による背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更を制限することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記機能制御部は、前記機能限定制御モードでは、自動制御による背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更が行われるとともに、使用者の操作による背もたれ部及び/又はフットレストの傾斜角度の変更が不可であることを特徴とする請求項6記載のマッサージ機。
【請求項8】
マッサージ機の操作をするための複数の操作ボタンを有する操作部を更に備え、
前記機能限定制御モードにおいてマッサージ部がマッサージ動作を開始すると、複数の前記操作ボタンの全部又は一部が、マッサージ動作の停止用ボタンに切り替わることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記機能限定制御モードでは、フル機能制御モードのときに使用者が利用可能な機能以外の他の機能を使用者が利用可能である請求項2〜8のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項10】
複数の前記制御モードのうち、少なくとも1つの制御モードは、実行開始のために使用者のロック解除操作を必要とすることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−319551(P2007−319551A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155257(P2006−155257)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】