説明

マッサージ機

【課題】被施療者の位置情報を迅速に取得し、取得した位置情報を用いて動作又は施療するマッサージ機、及び情報取得デバイスが損傷しにくいマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機は背もたれ部2、座部、肘置き10、フットレスト3、もみ玉、及びもみ玉を動作させるメカユニットを備え、背もたれ部2、座部、又はフットレスト3に配設した対象領域検出センサー(背もたれ部181、フットレスト183)が被施療者の体形を推定するので、被施療者の体格に応じた適切な治療を施すことができる。また背もたれ部の対象領域検出センサー181が背もたれ部2の開口領域内、特に、その中でももみ玉の動作領域内に配設されていないので、対象領域検出センサー181がもみ玉と被施療者の背中に挟まれて損傷することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、もみ玉が上下方向に移動して被施療者を施療するマッサージ機に関し、特に、被施療者に関する情報を取得するマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージ機に圧力を検出する手段を設け、この手段からの出力信号を用いて動作するマッサージ機がある。特開2005−52675号公報に開示されるマッサージ機が該当する。
【0003】
このマッサージ機は、人体に接触する施療子が上下に移動する手段を有するマッサージ機であって、施療子にかかる力を検出するための圧力検出手段を設け、一定時間における圧力検出手段により検出した圧力の平均値を算出し、その平均値があらかじめ決められた基準値よりも低い場合にマッサージ動作を中止するように制御するための制御部を設けて成るものである。
【0004】
このような構成によれば、一定時間における圧力検出手段により検出した圧力の平均値があらかじめ決められた基準値よりも低い場合には、小さい子供が使用していると判断して自動的にマッサージ動作の中止を行うことができ、これにより子供のいたずらなどによる誤使用を防止して安全性を高めることができる。
【0005】
この他、同様にマッサージ機に圧力を検出する手段を設け、この手段からの出力信号を用いて肩位置の検出及び施療の強さを制御するマッサージ機がある。具体的には、特許第3551444号明細書に記載されているマッサージ機が該当する。
【0006】
このマッサージ機は、施療子の人体側への突出量を変更する手段と、施療子が人体からうける圧力を検出する圧力検出手段と、施療子を上下方向に移動させる移動手段とを備えたマッサージ機であって、施療子を上下移動させることで施療子が人体からうける圧力の上下方向における分布を求めて、この圧力分布に基づいて肩位置の判別及び施療子の突出量の制御を行うものであるとともに、上記肩位置判別は所定圧力値との比較、または圧力変化率と所定の圧力変化率との比較で行うものである。
【0007】
このような構成によれば、施療子を上下移動させることで施療子が人体からうける圧力の上下方向における分布を求めて、この圧力分布に基づいて肩位置の判別及び施療子の突出量の制御を行うものであり、人体の形状がマッサージ機側で捕捉されるために、体格補正を使用者側が指示しなくとも、体格にあったやさしい施療を得ることができ、施療中の圧力をフィードバックしながら施療を行う時には、適切な力での施療を常に行うことができて、過大な力を人体に加えてしまったり、物足りない施療を行ってしまうことを排除することができる。
【特許文献1】特開2005−52675号公報
【特許文献2】特許第3551444号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記背景技術のマッサージ機は、施療子を移動させながら施療子での圧力を検出し、その結果を動作又は施療内容に反映することができるものの、施療子を移動させながら随時圧力を検出する必要があり、全体の検出結果を得るまでに時間がかかり、施療開始前に被施療者の体形の検出を行う場合にあっては施療開始まで相当の時間がかかるという課題を有する。施療開始前だけでなく、施療中に被施療者が座り直すことで折角の体形検出が正確性に欠けるものとなり、正確さを維持するためには体形検出を再度実施する必要性があり、この検出時間の間再度被施療者を待たせることとなり、利便性に劣るという課題も有する。
【0009】
他方、施療子に圧力を検出する手段が配設されていることから、かかる手段が損傷し易くただでさえ移動するため正確な圧力を求めることが難しいのに加え、損傷によって正確さが失われるという課題も有する。
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、被施療者に関する情報を迅速に取得し、取得した被施療者に関する情報を用いて動作又は施療するマッサージ機を提供することを目的とする。また、被施療者に関する情報を取得するためのデバイスが損傷し難いように用いるマッサージ機を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係るマッサージ機は、座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットとを備えるマッサージ機であって、前記背もたれ部の開口の縦辺に沿って複数配設された対象領域検出センサーを備え、当該対象領域検出センサーが着座した被施療者の肩位置又は生体信号を検出するものである。
【0012】
このように本発明によれば、対象領域検出センサーが背もたれ部の開口領域内、特に、その中でももみ玉の動作領域内に配設されないので、対象領域検出センサーがメカユニットのもみ玉と被施療者の背中に挟まれて損傷することがないという効果を奏する。また、もみ玉の動作領域の皮製のカバーに対象領域検出センサーが配設されていない場合には、もみ玉の施療を阻害することがない。
【0013】
対象領域検出センサーは、ある対象領域を検出するセンサーであり、感圧センサー(光ファイバー、抵抗体、圧電体、感圧フィルム)、光センサー、イメージセンサー(CCDカメラ)等である。対象領域検出センサーの種類によっては領域というよりは点と呼ぶほう好ましい場合もある。
背もたれ部の開口の縦辺とは被施療者の背中の上下方向に対応する辺である。
【0014】
(2)本発明に係るマッサージ機は、座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットとを備えるマッサージ機であって、前記背もたれ部の開口の縦辺のうち被施療者が着座状態で被施療者の左の背中が接触する側の縦辺に沿って複数配設された対象領域検出センサーを備え、当該対象領域検出センサーが着座した生体信号を少なくとも検出するものである。
【0015】
このように本発明によれば、対象領域検出センサーが被施療者の左背中側に対象領域検出センサーを配設しているので、人間の左半身寄り位置する心臓の生体信号を対象領域検出センサーで正確に測定することができるという効果を奏する。
【0016】
(3)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、被施療者がマッサージ機に対して操作指示を与えるためのリモートコントロール器を備え、当該リモートコントロール器とマッサージ機の制御基板の信号線がマッサージ機の左半分からマッサージ機内部に挿入されているものである。
【0017】
このように本発明によれば、マッサージ機の制御基板に電気的に接続している信号線がマッサージ機の左半分から表出しているので、マッサージ機にリモートコントロール器を配置させる場合にマッサージ機の左側領域に位置することになって被施療者がリモートコントロール器を操作しようとして手を伸ばして取るときに、左半身はマッサージ機の背もたれ部に接触したままであり、このときにおいても対象領域検出センサーにて生体信号を測定することができるという効果を有する。
この他、リモートコントロール器の支持台を被施療者の左半身側に位置させることでも、同様の効果を有する。
【0018】
(4)本発明に係るマッサージ機は、座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットとを備えるマッサージ機であって、被施療者がマッサージ機に対して操作指示を与えるためのリモートコントロール器と、前記背もたれ部の開口の縦辺のうち一方の縦辺のみに沿って複数配設された対象領域検出センサーとを備え、当該リモートコントロール器とマッサージ機の制御基板の信号線は、マッサージ機を正面視で右半分と左半分としたときに対象領域検出センサーを備えた側からマッサージ機内部に挿入されているものである。
【0019】
当該対象領域検出センサーが着座した生体信号を少なくとも検出する
このように本発明によれば、マッサージ機の制御基板に電気的に接続している信号線がマッサージ機の右半分又は左半分から表出しているので、マッサージ機にリモートコントロール器を配置させる場合にマッサージ機の片側領域に位置することになって被施療者がリモートコントロール器を操作しようとして手を伸ばして取るときに、一方の半身はマッサージ機の背もたれ部に接触したままであり、このときにおいても対象領域検出センサーにて生体信号を測定することができるという効果を奏する。
【0020】
(5)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記対象領域検出センサーは、開口の縦辺のうち一般的な被施療者の肩近傍及び/又は心臓近傍において密に配設されているものである。
【0021】
このように本発明においては、対象領域検出センサーが一般的な被施療者の肩近傍及び/又は心臓近傍にそれ以外の部位と比べ密に配設されているので、より適切に被施療者の肩及び/生体信号を検出することができると共に、全て密に対象領域検出センサーを配設構成と比べて安価であるという効果を有する。
【0022】
(6)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、座部の平面視横方向に対象領域検出センサーを略一直線状に配設し、前記背もたれ部の長手方向に配設された対象領域検出センサーにより検出された信号と、座部に配設した正面視横方向に配設された対象領域検出センサーにより検出された信号とから、被施療者の体形を推定するものである。
【0023】
このように本発明においては、背もたれ部に配設された対象領域検出センサーからの信号と座部に配設された対象領域検出センターから被施療者の体形を推定するので、被施療者の体格を把握してより適切な施療を提供することができる。また、被施療者を識別することができ、各被施療者に合致した施療を提供することができる。特に、座部に配設した正面視横方向に配設された対象領域検出センサーにより検出された信号から被施療者のお尻等の座部に接触した被施療者の部位の幅方向の大きさが把握され、この把握からさらに座部に接触しない被施療者の部位の幅方向の大きさ(肩幅、背中幅、腰幅、足各部位幅、足裏幅)を推定することができる。そして、特に、肩幅、背中幅については、背もたれ部の開口がありセンサーが配設されないことから、その肩幅、背中幅を把握するメリットは大きい。
【0024】
(7)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、もみ玉が動作していないとき、もみ玉が背もたれ部のカバーに接触していないとき、又は、もみ玉が背もたれ部のカバーに接触しているときで背もたれ部のカバーがもみ玉により緊張していないとき、対象領域検出センサーが検出するものである。
【0025】
このように本発明においては、もみ玉が動作しているとき、又は、もみ玉が背もたれ部のカバーに接触しているときでもみ玉により背もたれ部のカバーが緊張しているときに、対象領域検出センサーで検出せず、もみ玉が動作せず停止しているとき、もみ玉が背もたれ部のカバーに接触していないとき、又は、もみ玉が背もたれ部のカバーに接触しているときで背もたれ部のカバーがもみ玉により緊張していないときに、対象領域検出センサーで検出するので、もみ玉が検出に悪影響を与える場合を避け、正確な検出を実現することができるという効果を有する。
【0026】
(8)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記背もたれ部がリクライニング機能を有し、当該背もたれ部がリクライニング機能にて移動して停止したときに、対象領域検出センサーで被施療者の肩位置を再度検出するものである。
【0027】
このように本発明においては、背もたれ部がリクライニング機能にて移動して背もたれ部と被施療者の背中の相対位置関係が変化し、背もたれ部が停止して相対位置関係が固定されたときに、対象領域検出センサーで被施療者の肩位置を再度検出するので、背もたれ部に対する被施療者の肩位置が変わって移動しなくなった直後に被施療者の肩位置を検出することができ、常時正確な被施療者の肩位置を把握して適切な施療を提供することができるという効果を有する。
【0028】
(9)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、リモートコントロール器の準備状態を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、前記準備状態を指示するボタン押下後に、対象領域検出センサーでセンシングし、前記センシングにより被施療者の体形を把握した後に、被施療者の肩位置にメカユニットを位置させ、前記準備状態を指示するボタン押下後に、リモートコントロール器の自動コースを指示するボタン又は肩位置を必要とする施療を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、当該自動コースを指示するボタン又は肩位置を必要とする施療を指示するボタンの押下受け付けの後に現在のメカユニットの位置から微調整するためのボタンを被施療者が押下したことを受け付けるものである。
【0029】
このように本発明によれば、準備状態の指示を受け対象領域検出センサーでセンシングして被施療者の体形を把握して正確に被施療者の肩位置にメカユニットを位置させ、肩位置を必要とする施療の指示を受けた直後にメカユニットの位置の微調整を受け付けるので、肩位置を必要とする施療の指示を受けてもみ玉を用いてセンシングする方法と比べ、肩位置を必要とする施療の指示を受けてから極めて短時間に肩位置を必要とする施療を開始することができ、被施療者の待ち時間を解消することができるという効果を有する。
【0030】
また、肩位置を必要とする施療の指示を受けてから現在のメカユニットの位置から微調整するためのボタンを被施療者が押下したことを受け付けるため、肩位置を必要とする施療を選択してはじめて微調整を被施療者が調整する必要が生じ、肩位置を必要とする施療以外の場合には被施療者が微調整を行う必要がなく、不必要な操作の手間を回避しつつ前説したように施療動作への遷移を迅速にしており、被施療者の利便性を高めている。なお、従前の方法としては、自動コースボタンを押下してセンシングが始まり肩位置までメカユニットが移動し、被施療者に肩位置の微調整を求めるマッサージ機や、自動コースボタンを押下する前にマッサージ機の施療の前提として常にまずもってセンシングして肩位置までメカユニットが移動して被施療者に肩位置の微調整を求め、コース選択を促すマッサージ機がある。
【0031】
センシングしてメカユニットが被施療者の肩位置に位置する工程と、リモートコントロール器の肩位置を必要とする施療を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付ける工程は前後してもよいし、重複していてもよい。すなわち、センシングしつつ肩位置を必要とする施療を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付ける場合も、被施療者の肩位置に初期位置(格納位置、中止位置、停止位置)からメカユニットが移動しつつ肩位置を必要とする施療を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付ける場合も、肩位置を必要とする施療を指示するボタンを被施療者が押下したことを受けつつセンシングする場合もある。
【0032】
現在のメカユニットの位置とは、主に、センシングにより被施療者の肩位置であると推定される位置である。推定された被施療者の肩位置までに到達しない場合であっても、被施療者の操作による肩位置の微調整を受け付けてもよい。
【0033】
肩位置を必要とする施療を指示するボタンの代わりに自動コースを指示するボタンであっても同様の効果が生じる。これは、自動コースが複数の施療が組み合わされ施療部位の基準となる被施療者の肩位置を必要とするものだからである。なお、自動コースの中にも被施療者の肩位置を必要としないものもあるが、肩位置を必要とする自動コースを対象とすることが望ましい。したがって、肩位置を必要とする施療は通常、自動コースの概念を包含する概念である。
【0034】
(10)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、背もたれ部の対象領域検出センサーからの検出信号が第1の閾値未満になったときに、動作中の施療を停止し、停止した後に、背もたれ部の対象領域検出センサーからの検出信号が第2の閾値以上になったときに、施療を停止した位置から再開するものである。
【0035】
このように本発明によれば、背もたれ部から被施療者が浮き上がったときに施療が停止され、再度背もたれ部に被施療者がよりかかったときに施療を再開するので、被施療者が離座したとき、被施療者が背中を浮かしているときに施療が停止し、被施療者の背中が再度背もたれ部にある程度よりかかったときに施療が再開され、被施療者が施療の停止をリモートコントロール器を用いて指示することなく停止され且つ再開され、被施療者の面倒な操作を省き高い利便性を発揮するとともに、十分な施療を確実に被施療者受けることができる。
ここで、停止する施療は被施療者の背中に関するもののみとすることができる。
【0036】
(11)本発明に係るマッサージ機は、座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットと、フットレストを備えるマッサージ機であって、前記背もたれ部、座部、フットレストの少なくとも1つに対象領域検出センサーを被施療者の当接位置に対応する位置に配設し、前記背もたれ部がリクライニング機能を有し、当該背もたれ部がリクライニング機能にて移動して停止したときに、対象領域検出センサーで被施療者の肩位置を再度検出するものである。
【0037】
(12)本発明に係るマッサージ機は、座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットと、フットレストを備えるマッサージ機であって、前記背もたれ部に対象領域検出センサーを被施療者の当接位置に対応する位置に配設し、リモートコントロール器の準備状態を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、前記ボタン押下後に、対象領域検出センサーでセンシングし、前記センシングにより被施療者の体形を把握した後に、被施療者の肩位置にメカユニットを位置させ、リモートコントロール器の自動コースを指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、現在のメカユニットの位置から微調整するためのボタンを被施療者が押下したことを受け付けるものである。
【0038】
(13)本発明に係るマッサージ機は、座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットと、フットレストを備えるマッサージ機であって、前記背もたれ部、座部、フットレストの少なくとも1つに対象領域検出センサーを被施療者の当接位置に対応する位置に配設し、対象領域検出センサーからの検出信号が第1の閾値未満になったときに、動作中の施療を停止し、停止した後に、対象領域検出センサーからの検出信号が第2の閾値以上になったときに、施療を停止した位置から再開するものである。
【0039】
(14)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記施療を再開するときに、再開直後は施療の強さを小さくし徐々に施療の強さを大きくして通常の強さまで戻すものである。
このように本発明によれば、施療の再開時に被施療者が痛みを感じることなく施療を受けることができる。
【0040】
(15)本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、動作中の施療を停止した後、所定時間が経過しても背もたれ部の対象領域検出センサーからの検出信号が第2の閾値以上にならないときに施療を終了するものである。
このように本発明によれば、被施療者が離座等して所定時間経過した後は施療を開始しないようにしているので、時間の経過により被施療者も施療の再開を期待していない場合が多く、この意図に合致するとともに、マッサージ機の消費電力を抑えることができる。
これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
(本発明の第1の実施形態)
[1.マッサージ機の構成]
[1.1 マッサージ機の概要構成]
図1は本実施形態に係るマッサージ機の全体斜視図である。マッサージ機の基本的構成要素は、本実施形態においては、被施療者の背中を支持する背もたれ部2と、この背もたれ部2下端と接し被施療者の臀部を支持する座部と、被施療者の肘を支持する肘置き10と、座部1の先端下側に枢設され被施療者の足が載置されるフットレスト3と、背もたれ部2の内部にもみ玉93及びもみ玉93を動作させるもみ玉機構を有するメカユニット70とを備える構成である。さらに、前記CPU、メインメモリ及びEEPROMを一体的に形成され、制御部40であるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す。)の素子が配置された基板が座部1直下の空間部に配置されている。
【0042】
[1.2 背もたれ部]
背もたれ部2は、リクライニングでき、被施療者との接触面の両端側にクッション材を配設し、着座して背もたれ部2にもたれると被施療者の背中が背もたれ部2の中心に位置するようになっている。背もたれ部2のリクライニング機能は、背もたれ部2に形成されたブラケット(突出金具)と電動アクチュエーターであるリクライニングアクチュエータ45の一端とを接続し、電動アクチュエーターの進退に応じて背もたれ部2を上下に傾動させて実現している。
【0043】
[1.3 肘受け部]
肘受け部10は、座部1の両側に位置しベース(不図示)と接合し、背もたれ部2がリクライニングし、座部1が傾動しても被施療者の前腕を安定的に支持するようにカーブを有して形成されている。ただし、この構成の肘置き部10の限定されるのではなく、他の肘受け部10であってもよい。
【0044】
[1.4 フットレスト]
フットレスト(脚部、オットマン)3は、座部1の前端側に位置し、被施療者の脚当接面方向に傾動することが可能となっている。このフットレスト3の傾動は、フットレスト3に形成されたブラケット(突出金具)と電動アクチュエータであるオットマンアクチュエータ46とを接続し、電動アクチュエータの進退に応じてフットレスト3を上下に傾動させて実現している。
【0045】
[1.5 メカユニットの構成]
図2は本実施形態に係るメカユニットの各面図である。図3は本実施形態に係るもみ玉ユニットの側面図である。図3(b)はスケールと取り外した状態のもみ玉ユニットの側面図である。図4は本実施形態に係るスケールの側面説明図である。図5は本実施形態に係る進退位置検出用センサの正面図及び底面図である。メカユニット70は、施療子であるもみ玉93及びもみ玉93を動作させるもみ玉機構を有し傾動可能な傾動部と、この傾動部を傾動可能な状態で支持するメカユニットベースとからなる。このメカユニット70にはもみ玉93にもみ動作を行わせるためのもみモータ91、たたき動作を行わせるためのたたきモータ92、もみ玉93及びもみ玉機構を傾動させるための強弱モータ(進退モータ)98を配設している。このようにもみ玉93だけが延出して施療を行うのではなく、もみ玉機構も併せて傾動し、突出した状態でもみ玉93による施療がなされるので、もみ玉93のみが延出するタイプのマッサージ機と比べより安定した状態でもみ玉93により施療できる。このメカユニットベースにはメカユニット70が昇降するための昇降軸82が配設され、この昇降軸82の両端にガイドローラ74、76がそれぞれ設けられている。メカユニットベースのガイドローラ74、76の上部位置にさらにガイドローラ73、75が設けられている。
【0046】
[1.5.1 メカユニットの昇降]
背もたれ部2内には背もたれ部2の上下方向に沿って形成されている1対のガイドレール71とラック72がある。このガイドレール71にメカユニット70の左右2つずつ設けられるガイドローラ73、74、75、76を挿嵌し、ガイドローラ74、76に隣接して設けられるピニオンギア77、78を介してメカユニット70の右側組付台80aに配設された昇降モータ81からの運動が伝達され昇降モータ81の駆動に応じて昇降可能である。昇降モータ81からの運動の伝達は、昇降モータ81の回転軸の先端に形成されたウォーム(図示しない)と、昇降軸82に装着したウォームホイール(図示しない)とが係合し、昇降モータ81が駆動することで回転軸(図示しない)が回転しウォームが回転し、係合するウォームホイールが回転することでピニオンギア77、78に回転力が伝達される。これらウォーム、ウォームホイール、回転軸は、ギアボックス83により被覆されている。昇降軸82はメカユニット70の下部に位置するように配設されている。昇降軸82は右側組付台80aの底部に配設されたギアボックス83(正確にはギアボックスが被覆する軸受)と、左側組付台80bの底部に配設された軸受84により回動可能に支持されている。右側組付台80aと左側組付台80bの底部は断面凹状の連結杆85により連結されている。右側組付台80aと左側組付台80bの上部も中空杆86が架設されている。中空杆86の両端にガイドローラ73、75が回動可能に取り付けられている。中空杆86自体は両端近傍部分をそれぞれ右側組付台80aと左側組付台80bに接合して固定されており回動しない。なお、連結杆85及び中空杆86は溶接により右側組付台80a及び左側組付台80bに接合している。
【0047】
[1.5.2 もみ玉ユニットの進退]
もみ玉ユニット90は昇降軸82に装着され、昇降軸82を中心に回動可能になっている。もみ玉ユニット90はもみモータ91、たたきモータ92からの運動をもみ玉93に伝達するためのもみ機構100、たたき機構110を有しており、このもみ機構100及びたたき機構110がもみ玉ユニット90のハウジング94に内設されている。このハウジング94の上部に昇降軸82を中心として第5の所定半径距離95aとなる側面上辺を有するように曲折したラック95が所定間隔の4箇所のネジ留めにより取り付けられている。このラック95と係合するピニオンギア96が前記メカユニット70の上部に位置するように配設されている進退軸97に装着されている。また、進退軸97にはウォームホイール(図示しない)が装着されている。メカユニット70の左側組付台80bに配設された進退モータ98の回転軸(図示しない)の先端に形成されたウォーム(図示しない)とウォームホイールが係合している。これらウォームホイール、回転軸、ウォームはギアボックス99に内設されている。進退モータ98が回転することにより、回転軸及びウォームが回転し、係合するウォームホイールが回転する。このウォームホイールが回転することで、進退軸97が回転し、ピニオンギア96も係合するラック95に沿って回転し、もみ玉ユニット90が被施療者の背中方向に進退する。なお、進退軸97は右側取付台19の上部に配設された軸受と、左側組付台80bの上部に配設されたギアボックス99(正確にはギアボックスが被覆する軸受)とにより回動可能に支持されている。
【0048】
[1.5.3 エンコーダ]
もみ玉ユニットの進退位置は次に説明するエンコーダ120により実現している。エンコーダ120を構成するセンサ121はLED等の発光素子122からの発光を光検出素子123が受光して電気信号を出力する構成である。素子取付台124には3つのホール125と2つのホール126が対向して3組形成されている。3つのホール125の位置には光検出素子123が配設される。2つのホール126の位置には発光素子122が配設される。つまり、センサ121は3組の発光素子122及び光検出素子123からなる。一方、エンコーダ120を構成するスケール131は複数のスリット132を形成されている。また、このスケール131は外形をもみ玉ユニット90の回動の中心軸となる昇降軸82を中心として第1の所定半径距離133(前記第5の所定半径距離95aよりも大きい)となる側面上辺を有するように曲折して形成されている。スリット132も昇降軸82を中心として第2の所定半径距離134、第3の所定半径距離135、第4の所定半径距離136となるようにそれぞれの位置にスリット列を複数形成している。それぞれ第1段のスリット列137、第2段のスリット列138、第3段のスリット列(一つのスリットしか形成されていないが他のスリット列に合わせてスリット列と表現する)139とする。このように3つの段のスリット137、138、139があり、前記センサ121の3組の発光素子122と光検出素子123と対応づくようにセンサ121とスケール131をそれぞれメカユニット70ともみ玉ユニット90に取り付けている。このように取り付けることで、1組目の発光素子及び受光素子128が第1段のスリット列137に対応し、2組目の発光素子及び受光素子129が第2段のスリット列138に対応し、3組目の発光素子及び受光素子130が第3段のスリット列139に対応する。スケール131の最外周に位置する第1段のスリット列137はスケール131の変位を検出するためのスリット列である。つまり、スケール131がどの程度動いたかを検出するもので、同じ形状の孔が等しい間隔で形成されている。スケール131の中間の周に位置する第2段のスリット列138はもみ玉ユニット90の進退範囲の限界を検出するためのスリット列である。つまり、もみ玉ユニット90が回動可能な限界位置を検出するものであり、スケール131の両端位置に形成されている。スケール131の最内周に位置する第3段のスリット列139はスケール131の基準位置を検出するためのスリット列である。つまり、マイクロコンピュータ等からなる制御部40は3組目の受光素子130からの電気信号の入力を受けることで基準位置に現在位置を更新する。
【0049】
発光素子122と光検出素子123との間にスケール131のスリット132が来た場合には光検出素子123から電気信号が出力される。制御部5では10[ms]の周期で電気信号の出力レベルを判別している。もみ玉ユニット90は所定速度で進退しており進退中であるスリット132から次のスリット132までの時間が70[ms]程度かかる。電気信号の出力レベルが変化し、再びレベルが戻ったことであるスリット132から隣接する次のスリット132に移動したとみなすことができる。すなわち、あるスリット132にいる場合にhighにあり、暫くしてスリット132のない部分(閉塞部分、スリット間隔部分)に変位してlowになり、さらに暫くして先ほどのスリット132に隣接するスリット132まで変位してhighになるということである。
【0050】
第2段のスリット列138上の右側のスリット132の左端は収納リミットの位置を示し、左側のスリット132の右端は深リミットの位置を示す。第1段のスリット列137上の第2のスリット列138上の収納リミットと深リミットとの間に相当する部分に対して、強さ1(13)、強さ2(17)、強さ3(21)、強さ4(25)、強さ5(29)、強さ6(33)、強さ7(37)、強さ8(41)、強さ9(45)、強さ10(49)、強さ11(53)、強さ12(57)、強さ13(61)、強さ14(65)の位置を示すスリット132を形成している。
【0051】
[1.6 リモートコントロール]
図6は本実施形態に係るマッサージ機のリモートコントロール器の正面図である。リモートコントロール器20には、各種プッシュスイッチ、方向キー等の入力手段、表示手段であるLCD22を配置している。より詳細には、メモリボタン21a、スタート/収納ボタン21b、停止ボタン21c、自動コースボタン21d、エアーボタン21f、お好みボタン21e、リピートボタン21g、スキップボタン21h、メニューボタン21i、上下ボタン21j、選択キー21m、決定ボタン21n、オットマンボタン21o、リクライニング収納ボタン21p、リクライニングボタン21q、バイブボタン21r、ヒータボタン21sの入力手段を配置している。メモリボタン21aは、被施療者が自動コースを登録したり、実行したりするボタンであり、A、B、C、Dの4つのボタンにそれぞれ登録することができる。未登録時には身長別の体形データが予め対応付けられており、かかる体形データを呼び出すことができる。スタート/収納ボタン21bはマッサージ機を起動するボタンであり、マッサージ機を終了しもみ玉93を収納するボタンでもある。停止ボタン21cはマッサージ中の動作を止めるボタンである。自動コースボタン21dは複数の自動コースから自動コースを選択するボタンである。エアーボタン21eはエアセルによるマッサージの動作部位を選択するボタンである。お好みボタン21fは複数種類のマッサージの中から所望の動作を選択するボタンである。リピートボタン21gは自動コースのマッサージ中に行われている自動コースを構成するマッサージの一つを繰り返すボタンである。スキップボタン21hは自動コースのマッサージ中に行われている自動マッサージを構成するマッサージの一つを飛ばして先に進むボタンである。メニューボタン21iはマッサージの画面を呼び出すボタンである。上下ボタン21jはもみ玉93を上下に移動させるボタンである。選択キー21mは方向キーであって選択時に使用するボタンである。また、選択キー21mをマッサージ中に左右に操作することでもみ玉93の施療の強さを調整することができ、上下に操作することでエアセルの施療の強さを調整することができる。決定ボタン21nは選択を決定するボタンである。オットマンボタン21oはオットマンを上げ下げするボタンである。リクライニング収納ボタン21pはリクライニングとオットマンを収納するボタンである。リクライニングボタン21qはリクライニング角度を変えるボタンである。バイブボタン21rはバイブを入り切りするボタンである。ヒータボタン21sはヒータを入り切りするボタンである。その他、選択キー21mと決定ボタン21nとの組み合せてでもみ玉93の施療の速さ等の他の動作の指示を操作することができる(他の既に割り当てられている入力手段に対する異なる操作に別の動作を割り当てることもできる)。
【0052】
リモートコントロール器20には、図6に示すように、表示手段22であるLCDが配置されている他、リモートコントロール器20のケース内に、リモートコントロール用制御部24であるマイクロコンピュータが基板実装され、LCD制御用の表示制御部23である専用チップが同基板に実装されている。リモートコントロール器20とマッサージ機にはそれぞれ図示しない通信部が設けられており、かかる通信部を介してリモートコントロール器20とマッサージ機相互の通信が可能となっている。そして、被施療者がリモートコントロール器20を用いて操作した場合には、リモートコントロール器20からマッサージ機の制御部40に対して信号が送信され、かかる信号に基づいて制御部40が各種駆動部を駆動させている。本実施形態では無線通信を行うリモートコントロール器20で説明しているが、本発明は有線通信であってもよい。
【0053】
[1.7 クッションカバー]
[1.7.1 背もたれ部用クッションカバー]
図1に示すように、背もたれ部2の適宜場所に表面にマジックテープの雌面(不図示)が貼着され、クッション材を内包する被施療者の背中を包んでもみ玉93が直接当接するのを防止する背もたれ部用クッションカバー141に背もたれ部2のマジックテープの貼着位置に対応してマジックテープの雄面(不図示)が貼着され、背もたれ部2を背もたれ部用クッションカバー141が位置ずれせず被覆している。なお、マジックテープ(登録商標、一般名称:面ファスナー)は背もたれ部2から背もたれ部用クッションカバー141を着脱可能にするための着脱介在部材であり、他に、ファスナー、ボタン、磁石等を用いることができる。マジックテープの貼着位置は、例えば、背もたれ部用クッションカバー141の裏面周縁である。また、ここでは、着脱可能な背もたれ部用クッションカバー141について言及したが、着脱できないような背もたれ部用クッションカバー141が背もたれ部2に縫合されている構成をとることができるのは当然である。
【0054】
[1.7.2 座部用クッションカバー]
座部1の適宜場所に表面にマジックテープの雌面(不図示)が貼着され、クッション材を内包する座部用クッションカバー142に座部1のマジックテープの貼着位置に対応してマジックテープの雄面(不図示)が貼着され、座部1を座部用クッションカバー142が位置ずれすることなく被覆している。なお、マジックテープの代替手段、マジックテープの貼着位置及びクッションカバーの縫合については、背もたれ部用クッションカバー141の記載部分を援用してここでは省略する。
【0055】
[1.7.3 フットレスト用クッションカバー]
着座状態の被施療者の足の両側面に位置するフットレスト3の内壁には脚用エアセル55が配設され、エアセルの膨縮可能な特性により被施療者のふくらはぎを施療する。フットレスト3の底面及び背面を除く全ての面に薄いクッション部材を固着し、その上から例えば合成革のフットレスト用クッションカバー143を縫合して被覆している。
【0056】
[1.8 対象領域検出センサー]
[1.8.1 光ファイバー型センサー]
本実施形態において対象領域検出センサーとしては光ファイバー型センサーを用いるが、次に説示する圧力センサー型センサー、アンテナ型センサー、CCDカメラ型センサー及びコンデンサ型センサーを用いることもできる。これらのセンサーにより各センサーの配設位置に対して外力が加わっているか否かを検出することができる。本実施形態においては、被施療者の体が各センサーの配設位置に接触しているか否かを検出する。各センサーはセンサーの配設位置に対して外力が加わっているか否かを直接的には検出するものであるが、検出信号を公知技術の情報処理技術を用いて生体信号にデータ変換することができる。
【0057】
図7は本実施形態に係る光ファイバー型センサーの構造説明図である。
光ファイバー型センサーは、図7(a)左に示すように光ファイアバー151の一方側面に突出部152を配置させ、他方面側から与えられる外力によって光ファイバー151が図7(a)右に示すように変形することを利用し、光ファイバー151の一端側の発光素子と光ファイバー151の他端側の受光素子から検出信号を受けるものである。ここでは、突出部152が変形可能で復元力を有する弾性部材を成形したものを用いたが(図7(a)右の突出部の縦のひび割れ線はつぶれてひび割れが生じていることを示している)、検出対象の外力程度では変形しない合成樹脂を成形したものを用いてもよい。後説する図10の対象領域検出センサーの各点が、図7(a)の構成を有して適用される。
【0058】
図7(a)以外の光ファイバー型センサーの構成としては、図7(b)左に示すように、断面凹凸構造の凸部153aと凹部153bの間に光ファイバー151を這わし、凸部153aが外力を受けて凹部153b側へ移動し、凸部153aと凹部153bで光ファイバー151が挟み込まれて曲折し、検出信号が光ファイバー151が曲折している場合と曲折していない場合とで変化することを利用する構成をとることもできる。後説する図10の対象領域検出センサーの各点が、図7(b)の構成を有して適用される。
【0059】
[1.8.2 圧力センサー型センサー]
図8は本実施形態に係る圧力センサー型センサーの構造説明図である。
圧力センサ型センサーとしては、例えば、シリコン基板上に外圧に応じて歪むダイアフラム161bを形成し、このダイアフラム161b上に設けた歪みゲージ161aによってダイアフラム161bの歪みを電気信号に変換する半導体圧力センサ161を用いることができる。後説する図10の対象領域検出センサーの各点が、図8の構成を有して適用される。
【0060】
[1.8.3 アンテナ型センサー]
外来輻射ノイズを受信可能なアンテナ型センサーを用いることもできる。アンテナ部が外力により変形が生じると検出信号が変形する。
【0061】
[1.8.4 CCDカメラ型センサー]
図9は本実施形態に係るCCDカメラ型センサーの構造説明図である。
CCDカメラ型センサーは、所定間隔で点在するマーカー点を複数有する少なくとも1つのマーカー層を有する透明弾性部材171及びCCDカメラ174からなる。透明弾性部材171は外力を受けると変形し、マーカー点172、173が外力によって移動し、各マーカー点172、173の移動量を算出し、生体信号を求める。このマーカー層は複数層あってもよく、複数層あることでより正確にマーカー点の移動量を算出することができる。図9では上層から順に青色のマーカー点172の層と、赤色のマーカー点173の層の2層を形成した。後説する図10の対象領域検出センサーの各点が、図9の構成を有して適用してもよいが、このCCDカメラ型センサーはより広い領域に対して適用することができ、例えば、背もたれ部2の対象領域検出センサーを図10の対象領域検出センサーの各点を含む領域に対してマーカー層を形成するとともに、CCDカメラ174を背もたれ部2の背面側に1台配設する構成で適用することができる。メカユニット17の位置によってはCCDカメラ174による撮像の弊害となる場合があるので、制御部40は適宜メカユニット70を移動させる構成にすることもできる。
【0062】
[1.8.5 コンデンサ(電気容量の変化)型センサー]
コンデンサ型センサーは、電極とこの電極が接続する導電層からなるシート状となっており、生体の有無、位置により生体と電極との静電容量が変化することを利用している。後説する図10の対象領域検出センサーの各点が、各センサーの構成を有して適用される。
【0063】
[1.9 対象領域検出センサーの配設位置]
前記対象領域センサーは、制御部40であるマイクロコンピュータと通信可能とする必要があり、各対象領域センサーに接続して検出信号を運ぶケーブルの他方がマイクロコンピュータとケーブルコネクタを介して接続する。勿論、無線通信を利用すればケーブルが不要となり、好適である。
【0064】
従来のマッサージ機においても、被施療者の体形を把握するためのセンシングがもみ玉により行われている技術が広く利用されているが、センシング開始からセンシング終了までの時間に相当の時間を要し、本実施形態で適用した対象領域検出センサーを使用することでセンシングに要する時間を大幅に縮めることができる。たとえば、もみ玉によるセンシングが1分近い時間を要するに比べ、対象領域検出センサーによれば数秒でセンシングが完了することが可能となる。
【0065】
[1.9.1 フレームの表面]
図10は本実施形態に係る背もたれ部及びフットレストの対象領域検出センサーの配設位置を示すマッサージ機の正面図及び図11は本実施形態に係る座部の対象領域検出センサーの配設位置を示すマッサージ機の平面図である。
【0066】
背もたれ部2に配設された対象領域検出センサー181は、図10に示すように、開口領域の近傍で上下に配設されている。各対象領域センサー181は背もたれ部2の樹脂成形又は金属加工されたフレームに配設される構成でもよいし、全ての対象領域センサー181がセンサー用のシートに配設されそのシートを背もたれ部2のフレームに配設する構成であってもよい。前者に比べ、後者は、取り付け容易で且つ取り外しも容易であり、より望ましい形態といえる。このシートもクッションカバー141のように着脱可能であることが望ましい。クッションカバー141が着脱可能な構成においては、クッションカバー141が取り外された構成で、被施療者が着座することも考えられ、対象領域検出センサー181の保護の観点から対象領域検出センサー181の上層にクッション材を形成することが望ましい。
【0067】
座部1に配設された対象領域検出センサー182は、図11に示すように、平面視で横方向に並行して3列で配設されている。座部1も背もたれ部2と同様にフレームとその上のクッションカバー142からなり、フレームに配設される構成である。背もたれ部2での説示と同様に、センサー用のシートに全ての対象領域センサー182を配設し、そのシートを座部1のフレームに配設する構成であってもよいし、そのシートが座部1のフレームに対し着脱可能である構成であってもよい。
【0068】
フットレスト3に配設された対象領域検出センサー183は、図10に示すように、正面視で上下方向に被施療者の膝下の足の裏面(ふくらはぎ)と当接するフットレスト3の面に配設されている。フットレスト3も、座部1及び背もたれ部2と同様にフレームとその上のクッションカバー143からなり、フレームに配設される構成である。センサー用のシートで実現できる応用例については省略する。
【0069】
[1.9.2 クッションカバー及びクッション材]
フレームの表面の他に、対象領域検出センサー181、182、183はクッションカバー141、142、143の表面の内側、クッション材の間、クッションカバー141、142、143の裏面の内側に配設することもできる。座部1、背もたれ部2、フットレスト3の厚み方向の配設位置の変形例について説示したが、本実施形態においては、正面視又は平面視の縦方向及び横方向の配設位置は同様である。ただし、発明がこの正面視又は平面視の縦方向及び横方向の配設位置に限られるわけではない。
このクッションカバー141、142、143及びクッション材に配設する場合も、センサー用のシートを用いて実現することができる。
【0070】
[1.10 対象領域検出センサーによるセンシング]
前説した対象領域検出センサーの配設位置によれば以下の被施療者の体格を把握することができる。
【0071】
[1.10.1 被施療者の肩位置]
図12は本実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる肩位置検出の説明図である。
背もたれ部2に配設された対象領域検出センサー181によれば、被施療者の肩位置が把握することができる。
【0072】
背もたれ部2の各対象領域検出センサー181に対応する発光素子から信号を出力し、その発光素子に対応する受光素子が検出信号のうち、被施療者が着座していない場合に検出できる検出信号(無感知信号)と同じ信号を受信した受光素子の中で配設位置が最も低い対象領域検出センサー、又は、無感知信号と異なる信号(感知信号)を受信した受光素子の中で配設位置が最も高い対象領域センサーを特定することで被施療者の肩位置を特定することができる。この場合に、無感知信号、感知信号のいずれか一方を記録しておく必要があるが、検出信号に基づき対象領域検出センサーを二分し高さ方向に検出信号を並べた場合に検出信号の値が変化する対象領域センサーを特定することでも実現することができる。
【0073】
[1.10.2 臀部及び大腿部の幅]
図13は本実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる臀部及び大腿部の幅検出の説明図である。
平面視で上から1列目の対象領域検出センサー182aは被施療者の臀部付け根の幅を検出することができ、2列目の対象領域検出センサー182bは被施療者の臀部真ん中の幅を検出することができ、3列目の対象領域検出センサー182cは被施療者の大腿部の幅を検出することができる。
【0074】
[1.10.3 股下の長さ]
図14は本実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる股下の長さ検出の説明図である。
図12のフットレスト3の状態で足裏がフットレスト3の底部上面に当接しない被施療者の場合には、図12のフットレスト3の状態で股下の長さを測定することができる。しかしながら、図12のフットレスト3の状態では膝裏がフットレスト3及び座部1の前端から離反して浮いているときには股下の長さが長くて図12のままでは、その被施療者の股下の長さを正確に測定することはできない。そこで、本実施形態においては、図14に示すように、フットレスト3が延出可能な構成を採用した。そうすることで、股下の長さが正確に測定することができるとともに、フットレスト3が上側に傾動した場合に被施療者が足を伸ばした状態で施療を受けることができる。
股下の長さの測定は、フットレスト3を上側に傾動させた後に、フットレスト3を延出させ、フットレスト3の対象領域検出センサーの高さ方向で最も下の位置に配設された対象領域検出センサーが無感知信号を出力した時点で股下の長さを求めることができる。
【0075】
[1.11 フットレストの延出構造]
マッサージ機本体のフレームと傾動可能に接続したラックとフットレスト3の背面にラックに対応するように配設されたピニオンギアが係合し、フットレスト3が延出可能な構成となっている。このフットレスト3の延出は、オットマン延出アクチュエータ48の駆動により実現されている。
【0076】
[1.12 生体信号]
対象領域検出センサーから検出された検出信号から、心拍数、脈拍及び呼吸状態を求める。既に、生体信号の求め方自体は周知技術であるため、説明は省略する。
【0077】
[2.制御]
[2.1 制御部]
図15は本実施形態に係るマッサージ機の制御関係のブロック構成図である。
制御部40は、もみモータ91、たたきモータ92、昇降モータ81、強弱モータ98、リクライニングアクチュエータ45、オットマンアクチュエータ46、エアユニット47及びオットマン延出アクチュエータ48と電気的に接続しており、制御信号の出力によりこれらの駆動部を動作させている。
【0078】
制御部40は、メカユニット強弱エンコーダ191、メカユニット昇降位置エンコーダ192、リクライニングエンコーダ193、フットレスト延出エンコーダ194及びフットレスト昇降エンコーダ195と電気的に接続しており、各検出信号の入力によりメカユニット70の状態、リクライニングの状態及びフットレスト3の状態を把握することができる。
【0079】
制御部40は、背もたれ部用対象領域検出センサー181、座部用対象領域検出センサー182及びフットレスト用対象領域検出センサー183と電気的に接続しており、各検出信号の入力により被施療者の肩位置の検出、臀部等の幅、股下の長さを算出することができる。
【0080】
[2.2 マッサージ]
本マッサージ機は、メカユニット70のもみ玉93によるメカマッサージと、背中用エアセル51、腰用エアセル52、臀部用エアセル53、太腿用エアセル54並びに脚用エアセル55の各種エアセルによるエアセルマッサージとを提供する。
【0081】
メカマッサージは、例えば、もみモータ91を正回転させながらメカユニット70を上昇させていくもみ上げ、もみモータ91逆回転させながらメカユニット70を下降させていくもみ下げ、たたきモータ92を正回転させるたたき、もみ下げながらたたくさざなみ、一箇所を押圧する指圧、強よりさらに強い位置でのもみ上げである深もみ上げ、強よりさらに強い位置でのもみ下げである深もみ下げ、弱よりもさらに弱い位置でのもみ下げであるさすり、指圧したままローリングして下から上へほぐすストレッチ、背中全体をローリングする全体背筋のばし、狭い範囲を集中的にローリングする部分背筋のばし等のもみ玉93によるマッサージである。
【0082】
エアセルマッサージは、背中用エアセル51、腰用エアセル52、臀部用エアセル53及び太腿用エアセル54にエアポンプ(エアユニット)47によりエアを供給し膨張させ接触する被施療者の患部周辺の自重とで患部を押し上げるマッサージと、2つの脚用エアセル55が一組となってエアを供給され膨張し被施療者の患部を挟むマッサージとからなる。エアセルマッサージには、各部位のエアセルを単独で膨張、収縮させる各部マッサージの他、各部位のエアセルを略順番通りに膨張、収縮させるエアオプション無しマッサージ、脚部のエアセルと脚部以外のエアセルに対して同時に給気する脚同時マッサージ、給気・排気をエアセルに対して繰り返して行うパルスマッサージ、脚部のエアセルを給気した状態を維持したままフットレスト3を下げるフットストレッチマッサージがある。
【0083】
前記したもみ上げ、もみ下げ、たたき、さざなみ、指圧、深もみ上げ、深もみ下げ、さすり、ストレッチ、全体背筋のばし、部分背筋のばしの各メカマッサージ、各部マッサージ、エアオプション無しマッサージ、脚同時マッサージ、パルスマッサージ、フットストレッチマッサージの各エアセルマッサージを組み合せて一つのコースとした自動コースのマッサージがある。自動コースは前記組み合せ、強さ、速さによって無数に作ることができるが、本実施形態では部位の区分け毎(全身、首・肩、腰、)にやすらぎコース、リフレッシュコース及び疲労コースを用意している。それぞれのマッサージコースの特徴としては、施療手段としてもみ玉93を用い、やすらぎコースが強さが弱く、速度もゆっくりでローリングのマッサージが多く、リフレッシュコースが強さが普通で速度が速くたたきのマッサージが多く、疲労コースが強さが比較的強く設定され、速度も速くもみのマッサージが多いことである。この他エアセルマッサージを組み合せた全身エアーの自動コースもある。
【0084】
[2.3 施療情報に基づく制御信号出力]
図16は本実施形態に係るマイクロコンピュータのハードウェア構成図である。図17は本実施形態に係る制御手段のブロック構成図の一例である。
マイクロコンピュータは、読み込み書き込み可能なメモリであるRAM(Random Access Memory)と、読み出し専用のメモリであるROM(Read Only Memory)と、命令を取り込み、命令を解読し、命令に従って演算するCPU(Central Processing Unit)と、時間間隔を生成したり、外部信号パルスをカウントしたりするため回路であるタイマと、外部と入出力するための入出力ポートと、外部事象変化により割り込み信号を出力する割り込み部と、命令の転送路であるプログラムバスと、データの転送路であるデータバスとを備える構成である。ROMがCPUとプログラムバスで接続されている。RAM、タイマ、入出力ポート及び割り込み部がCPUとデータバスで接続されている。
【0085】
マイクロコンピュータ内のROMに予めマッサージ機の各駆動要素を制御するためのプログラムが格納されている。このプログラムが必要に応じて読み出され、CPUによりマッサージ機の各駆動要素の制御がなされている。CPUは、リモートコントロール器20からの入力信号を受け取り、その入力信号に応じて制御信号を各駆動要素に出力している他、エンコーダからの入力信号を受け取り情報処理を行ってRAMに格納している。
【0086】
これらのマイクロコンピュータの作用により、図17のブロック構成図を実現している。リモートコントロール操作取り込み手段がリモートコントロール器20からの入力信号を取り込み、メカユニット制御手段、エアセル制御手段、リクライニング制御手段、オットマン制御手段、バイブ制御手段及びヒータ制御手段に提供している。メカユニット制御手段はもみモータ91、たたきモータ92、昇降モータ81及び進退モータ98に入力信号に基づいた制御信号を出力している。この制御信号を受けてもみモータ91、たたきモータ92、昇降モータ81及び進退モータ98が駆動し、前記各種マッサージ機を被施療者に対して提供する。もみモータ91はもみの施療を提供し、たたきモータ92はたたきの施療を提供し、昇降モータ81はガイドレール71に沿って上下に動いて被施療部位を変えることができ、進退モータ98は施療の強さを変更することができる。
【0087】
この駆動要素の中で進退モータ98はポイントナビ情報に基づいてその駆動を変化させる。ポイントナビ情報とは、対象領域検出センサー181、182、183を用いて予め施療開始前に被施療者の身体(例えば肩から腰までのカーブ)をシークして得られる被施療者の身体情報である。このポイントナビ情報に従ってもみ玉ユニット90の進退を調整し、それぞれの被施療者の身体に最適な施療を提供している。
【0088】
[3.動作]
次に、本実施形態に係るマッサージ機の動作について説明する。まず、被施療者は座部1に着座し、リモートコントロール器20のスタート/収納ボタン21bを押下し、マッサージ機を起動させる。このマッサージ機の起動に関する操作を受けた場合に、同時に、ポイントナビ情報を取得するために対象領域検出センサー181、182、183でセンシングを実施する。背もたれ部2の対象領域検出センサー181の検出信号をセンシング制御手段が受け、肩位置を算出し、現在の被施療者のポイントナビ情報として記録する。座部1の対象領域検出センサー182の検出信号をセンシング制御手段が受け、臀部及び大腿部の幅を算出し、現在の被施療者のポイントナビ情報として記録する。フットレスト3の対象領域検出センサー183の検出信号をセンシング制御手段が受け、股下の長さを算出し、現在の被施療者のポイントナビ情報として記録する。メカユニット制御手段は、肩位置のポイントナビ情報を参照し、メカユニット70をポイントナビ情報の肩位置まで上昇(又は下降)させる。
【0089】
自動コースボタン21dを押下すると、リモートコントロール用制御部24が表示制御部23を介して表示手段22に選択可能に複数の自動コースを表示する。被施療者は表示された自動コースの中から選択キー21mを押下して選択し、決定ボタン21nを押下する。リモートコントロール用制御部24はかかる入力を受け、メカユニット制御手段が強弱モータ98を駆動させ、もみ玉93が被施療者の体に当接するまで進出させる。進出後、表示制御部23が表示手段に肩位置の微調整を受け付ける画面を表示する。このとき、被施療者が上下ボタン21jを押下することで、メカユニット制御手段が操作に応じてメカユニット70を昇降させる。被施療者はもみ玉93が肩位置にあるところで、決定ボタン21nを押下することでメカユニット制御手段がポイントナビ情報の肩位置の情報を更新する。そして、マッサージ機の制御部40に対して決定された自動コースを実行する命令の信号(自動コース選択信号)を送信する。制御部40は決定された自動コースに従って各駆動部を駆動させて被施療者に対する施療を開始する。ところで、従来においては、自動コースの決定を受けて、メカユニット70のもみ玉93の押出によりセンシングを実行し、肩位置の位置を微調整を行っていたが、本実施形態では自動コースの決定を受ける前にもみ玉93が肩位置近傍にあるため、被施療者の施療開始までの待ち時間を大幅に改善することができる。ここで、従来においてセンシングは、もみ玉93を一定速度で前方に押出して身体にもみ玉93が当接した位置を検出することによりフレームの中心から身体までの距離を測定し、身体の進退位置を検出していた。
【0090】
本実施形態においては、肩位置、臀部及び大腿部の幅、股下の長さポイントナビ情報を有している。肩位置を正確に把握している場合の施療は、既に周知、公知技術があるので、ここでは臀部及び大腿部の幅、股下の長さを把握している場合の施療について説明する。臀部の幅に基づきエアセル制御手段が臀部用エアセル53及び臀部側方用エアセル56を一気に膨張させることができる。大腿部の幅に基づきエアセル制御手段が大腿用エアセル54及び大腿側方用エアセル57を一気に膨張させることができる。従来においては、臀部及び大腿部の幅がどの程度であるかを把握することが難しかったが、本実施形態においては臀部及び大腿部の把握を容易に行うことができ、エアセル制御手段の制御も容易となる。また、従来においては各エアセルに与える内圧の大きさを算出する複雑な機構を有するエアポンプを用いていたが、本実施形態ではそのような機構は不要であり、極めて単純な機構を有するエアポンプを用いることができる。
【0091】
本実施形態の対象領域センサー181、182、183によるセンシングは、他の構成要素を利用するものではないので、例えば、所定のサンプリング周期毎に測定し直すこともでき、被施療者の座り直し、移動によりマッサージ機に対する被施療者の位置が変化した場合でも即座に対応することが可能となる。ここで、背もたれ部2の対象領域センサー181によるセンシングは、メカユニット70が駆動していないとき、もみ玉98が施療をしてないとき、もみ玉98が進出していないとき、もみ玉98が被施療者に当接していないとき、又は、もみ玉98が背もたれ部クッションカバー141に触れていないときに実施することが望ましい。そうすることで、正確な肩位置を把握することができる。座部1の対象領域センサー182によるセンシングは、臀部用エアセル53、太腿用エアセル54、臀部側方用エアセル56及び大腿側方用エアセル57を縮退させているときに実施することが望ましい。ここで、膨張中又は縮退中も実施しないことが好ましい。フットレスト3の対象領域センサー183によるセンシングは、脚用エアセル55を縮退させているときに実施することが望ましい。ここで、膨張中又は縮退中も実施しないことが好ましい。
【0092】
[4.効果]
このように本実施形態に係るマッサージ機によれば、背もたれ部2の開口領域内に対象領域検出センサー181を配設していないので、センサー自体の損傷を防ぐとともに、施療の障害になることがない。
また、本実施形態に係るマッサージ機によれば、センシングするセンサーが対象領域検出センサー181、182、183であるので、被施療者に負担を掛けず、待たせることもなく迅速にセンシングすることができる。
【0093】
さらに、本実施形態に係るマッサージ機によれば、対象領域検出センサー181、182、183が被施療者の各部をセンシングし、体格を把握した後に施療を実行することができるので、より適切な施療を提供することができる。
【0094】
さらにまた、背もたれ部2の施療がもみ玉93により実行されている場合等に、対象領域検出センサー181によるセンシングを実行せず、それ以外の場合に実行しているので、より正確な測定値を得ることができる。
そのうえ、被施療者がリモートコントロール器20を用いて自動コースを操作したときには、対象領域検出センサー181により肩位置が特定され、メカユニット70が移動中又は移動完了しているので、施療開始までの時間が大幅に改善される。
【0095】
(本発明の第2の実施形態)
図18は本実施形態に係るマッサージ機の正面図である。
本実施形態に係るマッサージ機も、前記第1の実施形態に係るマッサージ機と同様に構成され、背もたれ部2の対象領域検出センサー181が被施療者の左半身側の背もたれ部2に配設され、被施療者の肩位置及び心臓に対応する対象領域検出センサー181が他の対象領域検出センサー181に比べ密に配設され、且つ、リモートコントロール器20が正面視の場合に被施療者の左半身側に位置する構成であることを異にする構成である。
【0096】
[心臓の位置と対象領域検出センサーの配設位置]
人間の心臓の位置は左半身側寄りである。とろこで、心音を専門的に測定する装置であればどちら側であっても略正確に測定することができるものの、対象領域検出センサー181にて心音を算出する場合にはできるだけ好ましい位置で測定することが望まれる。したがって、本実施形態では対象領域検出センサー181を被施療者の左半身側の背もたれ部の開口領域近傍に配設した。そうすることで、使用する対象領域検出センサー181の数をできる限り抑えつつ、正確な生体信号の測定を行うことができる。ここで、できる限り精度良く生体信号を測定し、且つ、肩位置を特定するために、所定範囲に存在する対象領域検出センサー181の数を標準体型の人間の心臓及び肩位置が位置する領域よりも広めの領域(例えば、成人男性及び女性の半分程度の人数が範囲内となる領域)に対して、他の背もたれ部2の対象領域検出センサー181が配設されている領域に比べ密集させて配設している。
【0097】
[リモートコントロール器の位置]
リモートコントロール器20の位置は背もたれ部2の対象領域検出センサー181が配設されている側、つまり本実施形態の場合においては被施療者の左半身側に位置させ、且つ、被施療者が手を伸ばせば届く図18の一点鎖線で囲まれる範囲内に位置させている。被施療者は上体を動かすことなく容易に手に届く場合には左手でリモートコントロール器20を操作するのが一般的であり、その場合には被施療者の両側の上半身は背もたれ部2から浮くことはない。一方、上半身を背もたれ部2に接触させたままではリモートコントロール器20に届かない場合には、被施療者は一般的に右側半身の背中を背もたれ部2から浮かし、右手をリモートコントロール器20に伸ばして操作する(図18実線で示す被施療者を参照。対比のため二点鎖線で普通に着座する被施療者を示している)。この場合にも被施療者の左側半身の背中は背もたれ部2から浮いておらず、つまり、リモートコントロール20を操作している場合でも、前記した所定側で且つ所定領域にリモートコントロール器20を位置させることで、対象領域検出センサー181による測定が円滑になされることとなり、特に、着座してリモートコントロール器20に起動の指示を与えるとセンシングを行う本実施形態のマッサージ機においては、望ましい構成である。本実施形態では、対象領域検出センサー181を被施療者の左半身側に配設したため、同側にリモートコントロール器20を位置させたが、対象領域検出センサー181を被施療者の右半身側に配設した場合には、同じく被施療者の右半身側にリモートコントロール器20を位置させる。
【0098】
リモートコントロール器20は座部1の下の空間内に配設される制御基板とケーブル(不図示)を介して接続している。本実施形態ではリモートコントロール器20を支持する支持台25と接合する金属棒26が中空構造となっており、この中空内にケーブルを送っている。金属棒26は肘受け部10の側面と接合しており、肘受け部10に形成された貫通孔を抜けてケーブルは制御基板と接続している。ここで、金属棒26は支持台25の位置を移動自在とするため少なくとも一部がフレキシブル構造を有している。フレキシブル構造については、周知技術であるため詳細は省略する。本実施形態では支持台25によってリモートコントロール器20が被施療者の左半身側に位置する例を示したが、支持台25を用いない場合でリモートコントロール器20のケーブルが被施療者の左半身側の肘受け部10、座部1、背もたれ部2、フットレスト3から表出している場合には、多くの場合リモートコントロール器20は被施療者の左半身側に位置していることがごく自然であり、この場合においては被施療者は左側の上半身を浮かすことなくリモートコントロール器20を取る動作を行っているとき、又は、リモートコントロール器20を操作しているときでも、生体信号を適切に測定することができる。同じようにリモートコントロール器20のスイッチに相当するものが肘受け部10の上面、外側面又は内側面に形成されている場合にも、被施療者の左半身側に位置する肘受け部10に形成することが望ましい。
【0099】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態に係るマッサージ機と同様に構成され、所定条件時に対象領域検出センサーによるセンシングを再度実施する構成であることを異にする構成である。所定条件とは、被施療者が着座し直した時、被施療者が離席して着座した時、背もたれ部2のリクライニングをした時、フットレスト3を傾動させた時である。
【0100】
すなわち、このように被施療者が自ら動いたとき、又は、被施療者がマッサージ機の駆動により移動したときであり、マッサージ機と被施療者との相対位置関係が更新されたために、この更新を把握して被施療者を再度把握し、センシング直後の適切な施療を継続する。
【0101】
マッサージ機が被施療者の移動を捉えるには、対象領域検出センサー181、182、183以外のセンサーを新たに設けることもできるが、対象領域検出センサー181、182、183が既に被施療者の移動を捉える構成になっていることから、制御部40が受けた測定信号から被施療者の移動を把握できるようにする。
【0102】
被施療者が被施療者の移動を伴わない通常の施療を受けているときには比較変化のない周期的な波形が出力されるのに対し、被施療者の移動が生じるときには突発的な周期的でない波形が出力される。
【0103】
図19は本実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる常時観測の波形図である。複数利用している対象領域検出センサー181のうちから1つの対象領域検出センサー181を選択し、その対象領域検出センサー181からの検出信号を対象としている。図19(a)は被施療者が着座し、自動コースを選択し、もみ玉93による被施療者の背中のもみ施療が開始され、次に、もみ玉93の施療を停止し、フットレスト3での施療のみを行った場合の波形を示している。被施療者が着座したときには、もっとも大きな検出信号を受け、大きな変動のある波形が示され暫くすると所定値に収束している。もみ施療が開始されると、所定値を基準として周期的な曲線の波形が示され、時間の経過とともに再び所定値に収束する。これは、対象とした対象領域検出センサー181の近くで施療をしていたもみ玉93が、メカユニットの昇降により離れていき施療による波形変化の影響が低減していることを示す。一方、図19(b)は、被施療者が途中で離座した場合の波形図であり、離座するまでは図19(a)と同様な波形であり、被施療者が離座することで大きく波形が落ち込んでいる。
【0104】
制御部40はその波形の大きな落ち込みを検出する。具体的には、着座時の大きな波形の変動の後に収束する所定値を保持し、この保持した所定値から所定範囲外(第1の閾値未満)と検出値がなる状態を検出する。この他、検出値の変化率を微分にて求め、微分値が所定値以下となる場合を検出する。検出した場合には施療を中止し、再度前記所定値以上(第2の閾値以上)となった場合に施療を再開する構成をとることもできる。
【0105】
また、被施療者の体重、体格、座り方による多少の波形の相違はあるものの、施療を提供するための施療要素であるメカユニット70、もみ玉93、背中用エアセル51、腰用エアセル52、臀部用エアセル53、太腿用エアセル54、脚用エアセル55の動作状態は制御部40が把握しており、各施療内容により出力される波形は推定することができる。
【0106】
予め、標準体重、標準体型の被施療者に通常の座り方で着座してもらい、実際に施療を実施して波形を収集することが望まれる。そして、この標準波形と実際に出力される波形とを比較して相関値を求め、相関値が所定以下である場合も離座と判断することができる。
【0107】
ここでは、離座について説示したが、座り直した場合(座り直しは離座と着座の波形に近似した波形となる)も同様である。背もたれ部2をリクライニングさせた場合、フットレスト3を傾動させた場合には、マッサージ機自体の動作であり、制御部40は当然把握することができる。
【0108】
このようにして制御部40が被施療者が着座し直した時、被施療者が離席して着座した時、背もたれ部2のリクライニングをした時、フットレスト3を傾動させた時を検出し、再度対象領域検出センサー181、182、183によるセンシングを実行する。
【0109】
特に、着座し直した時、被施療者が離席して着座した時、背もたれ部2のリクライニングをした時に、制御部40が対象領域検出センサー181により肩位置を再度特定することが望ましい。このように複数あるセンサーのうち少なくとも1つのセンサーと、前記所定条件を組み合せて、再度センシングする構成をとることができる。
【0110】
本実施形態に係るマッサージ機によれば、被施療者が移動した場合であっても、再度センシングするため、常に最適な施療を被施療者に提供することができる。また、仮に、被施療者が離座し、他の被施療者が着座した場合であっても、他の被施療者に対してセンシングがなされ、この他の被施療者に対しても最適な施療を提供することもできる。
【0111】
なお、被施療者の離座を検出した場合には制御部40が施療を中止することもできる。再度被施療者の着座を検出した場合には制御部40が施療を中止した場所から再開させることもできる。このとき、同じ被施療者が着座する場合と、他の被施療者が着座する場合とがあるが、前者と後者をセンシング結果の相関性から制御部40が判別し、前者の場合は中止した施療を再開させ、後者の場合はマッサージ機の起動状態に戻す構成をとることもできる。後者の場合にマッサージ機の起動状態に戻したとしても、中止した施療に関する情報(中止した施療を特定する情報、施療中で中止した位置を特定する情報、センシングの情報)を一時的に退避させておくこともでき、着座の度に退避させたセンシングの情報と比較し、中止したときの被施療者と同一性の確認がとれた場合に退避させていた情報を読み出し、中止した施療を再開させる構成にすることもできる。ここで、中止した時間から所定時間が既に経過している場合には、施療の再開を実行しないとすることもできる。
【0112】
また、施療の再開時には、再開当初は施療の強さを極力小さくし、漸次施療の強さを大きくしていく、所謂ソフトスタートとすることが望ましい。そうすることで、被施療者が痛みを感じることなく、施療を再開することができる。通常施療を開始した場合にも、最初から施療の強さを最大にして施療を行うことはあまりなく、施療開始からある程度たって施療の強さが最大を迎えるものが多い。特に、施療を再開した場合には、どのような施療から施療の再開がなされるのかは離座するタイミングによって異なるために、そのまま施療を再開した場合には被施療者が痛みを感じることがある。
【0113】
さらに、本実施形態では、背もたれ部2の対象領域検出センサー181で被施療者の着座又は離座を検出していたが、座部1の対象領域検出センサー182又はフットレスト3の対象領域検出センサー183で被施療者の着座又は離座を検出することもできる。より好適な構成としては、対象領域検出センサー181、182、183を組み合せて検出する構成がある。そうすることで、被施療者が設計者が想定しない着座、離座をしていた場合でも、着座及び離座を検出することができる。具体的には、座部1に被施療者ではなく物を載せている場合がある。
【0114】
(その他の実施形態)
[背もたれ部の対象領域検出センサーによるサンプリングセンシング]
前記各実施形態に係るマッサージ機においては、上下に配設される背もたれ部2の対象領域検出センサー181の中から所定個数間隔毎に対象領域検出センサー181を選択し、選択された対象領域検出センサー181でまず検出を実施し、検出した対象領域検出センサー181から無感知信号の対象領域検出センサー181と感知信号の対象領域検出センサー181を特定し、その特定された無感知信号の対象領域検出センサー181から感知信号の対象領域検出センサー181までに存在する対象領域検出センサー181を用いて再度検出し、無感知信号の対象領域検出センサー181と感知信号の対象領域検出センサー181を特定し、肩位置を特定する構成にすることもできる。そうすることで、複数配設した対象領域検出センサー181の中から出力される検出信号の処理数を減らし、迅速に肩位置を特定することができる。
【0115】
[リクライニング中の肩位置のリアルタイムセンシング]
前記各実施形態に係るマッサージ機においては、リクライニング中に常時背もたれ部2の対象領域検出センサー181によってセンシングして肩位置を求め、求めた肩位置に対応させて施療を行う構成にすることもできる。マッサージ機において背もたれ部2をリクライニングさせると、被施療者のマッサージ機における肩位置が変動し、リクライニング中は適切に施療を行うことができなかった。それに対して、上記構成をとることにより、リクライニングにより肩位置が少しずつずれていっても、それに対応して肩位置を特定し直し適切な施療を提供することができる。
【0116】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の全体斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るメカユニットの各面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るもみ玉ユニットの側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るスケールの側面説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る進退位置検出用センサの正面図及び底面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機のリモートコントロール器の正面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る光ファイバー型センサーの構造説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る圧力センサー型センサーの構造説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るCCDカメラ型センサーの構造説明図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る背もたれ部及びフットレストの対象領域検出センサーの配設位置を示すマッサージ機の正面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る座部の対象領域検出センサーの配設位置を示すマッサージ機の平面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる肩位置検出の説明図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる臀部及び大腿部の幅検出の説明図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる股下の長さ検出の説明図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の制御関係のブロック構成図である。
【図16】本発明の第1の実施形態に係るマイクロコンピュータのハードウェア構成図である。
【図17】本発明の第1の実施形態に係る制御手段のブロック構成図の一例である。
【図18】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の正面図である。
【図19】本発明の第1の実施形態に係る背もたれ部の対象領域検出センサーによる常時観測の波形図である。
【符号の説明】
【0118】
1 座部
2 背もたれ部
3 フットレスト
10 肘受け部
20 リモートコントロール器
21 入力手段
21a メモリボタン
21b スタート/収納ボタン
21c 停止ボタン
21d 自動コースボタン
21e お好みボタン
21f エアーボタン
21g リピートボタン
21h スキップボタン
21i メニューボタン
21j 上下ボタン
21m 選択キー
21n 決定ボタン
21o オットマンボタン
21p リクライニング収納ボタン
21q リクライニングボタン
21r バイブボタン
21s ヒータボタン
21t やさしさボタン
22 表示手段
23 表示制御部
24 リモートコントロール制御部
25 支持台
26 金属棒
40 制御部
45 リクライニングアクチュエータ
46 オットマンアクチュエータ
47 エアユニット
48 オットマン延出アクチュエータ
51 背中用エアセル
52 腰用エアセル
53 臀部用エアセル
54 太腿用エアセル
55 脚用エアセル
56 臀部側方用エアセル
57 大腿側方用エアセル
70 メカユニット
71 ガイドレール
72 (メカユニット昇降用)ラック
73 ガイドローラ
74 ガイドローラ
75 ガイドローラ
76 ガイドローラ
77 (メカユニット昇降用)ピニオンギア
78 (メカユニット昇降用)ピニオンギア
80a 右側組付台
80b 左側組付台
81 昇降モータ
82 昇降軸
83 (昇降モータ用)ギアボックス
84 (昇降軸用)軸受
85 連結杆
86 中空杆
90 もみ玉ユニット
91 もみモータ
92 たたきモータ
93 もみ玉
93a もみ玉支持腕
94 (もみ玉ユニット用)ハウジング
94a 突出部
95 (進退用)ラック
95a 第5の所定半径距離
96 (進退用)ピニオンギア
97 進退軸
98 進退モータ
99 (進退モータ用)ギアボックス
100 もみ機構
110 たたき機構
120 エンコーダ
121 センサ
121a 開口幅
121b 発光素子と光検出素子との距離
121c 素子の取付距離
121d 素子の取付間隔
122 発光素子
123 光検出素子
124 素子取付台
125 3つのホール
126 2つのホール
127 センサ基板
128 1組目の発光素子及び受光素子
129 2組目の発光素子及び受光素子
130 3組目の発光素子及び受光素子
131 スケール
131a ネジ孔
131b ネジ孔の間隔
131c スリット
132 スリット
133 第1の所定半径距離
134 第2の所定半径距離
135 第3の所定半径距離
136 第4の所定半径距離
137 第1段のスリット列
138 第2段のスリット列
139 第3段のスリット列
141 背もたれ部クッションカバー
142 座部用クッションカバー
143 フットレスト用クッションカバー
151 光ファイバー
152 突出部
153a 凸部
153b 凹部
161 半導体圧力センサー
161a 歪みゲージ
161b ダイアフラム
171 透明弾性部材
172 マーカー点
173 マーカー点
174 CCDカメラ
181 (背もたれ部の)対象領域検出センサー
182 (座部の)対象領域検出センサー
183 (フットレストの)対象領域検出センサー
191 メカユニット強弱エンコーダ
192 メカユニット昇降エンコーダ
193 リクライニングエンコーダ
194 フットレスト延出エンコーダ
195 フットレスト昇降エンコーダ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットとを備えるマッサージ機であって、
前記背もたれ部の開口の縦辺に沿って複数配設された対象領域検出センサーを備え、
当該対象領域検出センサーが着座した被施療者の肩位置又は生体信号を検出するマッサージ機。
【請求項2】
座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットとを備えるマッサージ機であって、
前記背もたれ部の開口の縦辺のうち被施療者が着座状態で被施療者の左の背中が接触する側の縦辺に沿って複数配設された対象領域検出センサーを備え、
当該対象領域検出センサーが着座した生体信号を少なくとも検出するマッサージ機。
【請求項3】
被施療者がマッサージ機に対して操作指示を与えるためのリモートコントロール器を備え、
当該リモートコントロール器とマッサージ機の制御基板の信号線がマッサージ機の左半分からマッサージ機内部に挿入されている
前記請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットとを備えるマッサージ機であって、
被施療者がマッサージ機に対して操作指示を与えるためのリモートコントロール器と、前記背もたれ部の開口の縦辺のうち一方の縦辺のみに沿って複数配設された対象領域検出センサーとを備え、
当該リモートコントロール器とマッサージ機の制御基板の信号線は、マッサージ機を正面視で右半分と左半分としたときに対象領域検出センサーを備えた側からマッサージ機内部に挿入されている
当該対象領域検出センサーが着座した生体信号を少なくとも検出するマッサージ機。
【請求項5】
前記対象領域検出センサーは、開口の縦辺のうち一般的な被施療者の肩近傍及び/又は心臓近傍において密に配設されている
前記請求項1ないし4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
座部の平面視横方向に対象領域検出センサーを略一直線状に配設し、
前記背もたれ部の長手方向に配設された対象領域検出センサーにより検出された信号と、座部に配設した正面視横方向に配設された対象領域検出センサーにより検出された信号とから、被施療者の体形を推定する
前記請求項1ないし4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
もみ玉が動作していないとき、もみ玉が背もたれ部のカバーに接触していないとき、又は、もみ玉が背もたれ部のカバーに接触しているときで背もたれ部のカバーがもみ玉により緊張していないとき、対象領域検出センサーが検出する
前記請求項1ないし4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記背もたれ部がリクライニング機能を有し、
当該背もたれ部がリクライニング機能にて移動して停止したときに、対象領域検出センサーで被施療者の肩位置を再度検出する
前記請求項1ないし4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項9】
リモートコントロール器の準備状態を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、
前記準備状態を指示するボタン押下後に、対象領域検出センサーでセンシングし、
前記センシングにより被施療者の体形を把握した後に、被施療者の肩位置にメカユニットを位置させ、
前記準備状態を指示するボタン押下後に、リモートコントロール器の自動コースを指示するボタン又は肩位置を必要とする施療を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、
当該自動コースを指示するボタン又は肩位置を必要とする施療を指示するボタンの押下受け付けの後に現在のメカユニットの位置から微調整するためのボタンを被施療者が押下したことを受け付ける
前記請求項1ないし4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項10】
背もたれ部の対象領域検出センサーからの検出信号が第1の閾値未満になったときに、動作中の施療を停止し、
停止した後に、背もたれ部の対象領域検出センサーからの検出信号が第2の閾値以上になったときに、施療を停止した位置から再開する
前記請求項1ないし4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項11】
座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットと、フットレストを備えるマッサージ機であって、
前記背もたれ部、座部、フットレストの少なくとも1つに対象領域検出センサーを被施療者の当接位置に対応する位置に配設し、
前記背もたれ部がリクライニング機能を有し、
当該背もたれ部がリクライニング機能にて移動して停止したときに、対象領域検出センサーで被施療者の肩位置を再度検出するマッサージ機。
【請求項12】
座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットと、フットレストを備えるマッサージ機であって、
前記背もたれ部に対象領域検出センサーを被施療者の当接位置に対応する位置に配設し、
リモートコントロール器の準備状態を指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、
前記ボタン押下後に、対象領域検出センサーでセンシングし、
前記センシングにより被施療者の体形を把握した後に、被施療者の肩位置にメカユニットを位置させ、
リモートコントロール器の自動コースを指示するボタンを被施療者が押下したことを受け付け、
現在のメカユニットの位置から微調整するためのボタンを被施療者が押下したことを受け付けるマッサージ機。
【請求項13】
座部と、背もたれ部と、背もたれ部の上下方向に昇降し、背もたれ部の上下に延出形成された開口から被施療者の背中近傍を施療するもみ玉を有するメカユニットと、フットレストを備えるマッサージ機であって、
前記背もたれ部、座部、フットレストの少なくとも1つに対象領域検出センサーを被施療者の当接位置に対応する位置に配設し、
対象領域検出センサーからの検出信号が第1の閾値未満になったときに、動作中の施療を停止し、
停止した後に、対象領域検出センサーからの検出信号が第2の閾値以上になったときに、施療を停止した位置から再開するマッサージ機。
【請求項14】
前記施療を再開するときに、再開直後は施療の強さを小さくし徐々に施療の強さを大きくして通常の強さまで戻す
前記請求項10又は13に記載のマッサージ機。
【請求項15】
動作中の施療を停止した後、所定時間が経過しても背もたれ部の対象領域検出センサーからの検出信号が第2の閾値以上にならないときに施療を終了する
前記請求項10又は13に記載のマッサージ機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−325712(P2007−325712A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158409(P2006−158409)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】