説明

マッサージ機

【課題】メンテナンス性の向上を図ることができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】施療子21には、マッサージ機構のアーム22と接続されるとともにPTCヒータ30を収容して使用者にPTCヒータ30からの熱を伝達可能な第1及び第2ケース部材31,32と、この第2ケース部材32に設けられる揉み玉24とが備えられる。第1ケース部材31は、アーム22に対して着脱可能に設けられる。また、揉み玉24は第2ケース部材32に対して着脱可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背もたれ部にマッサージ機構が組み込まれたマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば背もたれ部に揉み玉を有するマッサージ機構を組み込んだ椅子型のマッサージ機は、背中のつぼや経絡に揉み玉を当てて所定の動作をさせ、血行を促進させることで肩や背中の凝りを解消させるものであって、従来より提案されており、このようなマッサージ機は一般家庭・公的施設等にも多く普及している。
【0003】
また、近年のマッサージ機では、人が施すマッサージにより近づけるために、マッサージ機構に熱源を収容する熱伝達手段を設け、揉み玉の押圧動作によるマッサージに加えて人の温もりを付与するものが開発されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−284338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなマッサージ機では、熱伝達手段を備えていないマッサージ機と比較して熱源や熱伝達手段等の部品が増えることから、交換・修理等が必要となる部品が増えるため、メンテナンス性の向上が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、メンテナンス性の向上を図ることができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者が着座可能な座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部とを有し、前記背もたれ部内に施療子を備えるマッサージ機構を設け、該マッサージ機構により前記使用者の身体をマッサージするマッサージ機であって、前記施療子は、前記マッサージ機構のアームと接続されるとともに熱源を収容して前記使用者に前記熱源からの熱を伝達可能な熱伝達手段と、該熱伝達手段に設けられる揉み玉とを備え、前記熱伝達手段は、前記アームに対して着脱可能に設けられたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、施療子には、マッサージ機構のアームと接続されるとともに熱源を収容して使用者に熱源からの熱を伝達可能な熱伝達手段と、この熱伝達手段に設けられる揉み玉とが備えられる。熱伝達手段は、アームに対して着脱可能に設けられるため、熱伝達手段や熱伝達手段に設けられる揉み玉を容易に交換することができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ機において、前記揉み玉は、前記熱伝達手段に対して着脱可能に設けられたことをその要旨とする。
この発明では、揉み玉が熱伝達手段に対して着脱可能に設けられるため、揉み玉のみの交換が可能となるため、よりメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のマッサージ機において、請求項2に記載のマッサージ機において、前記施療子は、前記背もたれ部の幅方向に一対並設され、前記揉み玉は、前記背もたれ部の幅方向内側から前記熱伝達手段に対して着脱自在な固定部材が前記熱伝達手段に接続されて固定されるものであり、前記固定部材は、前記熱伝達手段からの熱を前記使用者に伝達可能に構成されたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、施療子は、背もたれ部の幅方向に一対並設される。揉み玉は、背もたれ部の幅方向内側から熱伝達手段に対して着脱自在な固定部材がその熱伝達手段に接続されて固定される。固定部材は、熱伝達手段からの熱を使用者に伝達可能に構成される。このように、揉み玉を幅方向内側から熱伝達手段に対して着脱自在に接続する固定部材にて、熱伝達手段からの熱を使用者に対して伝達することで、使用者の身体のより広い範囲に熱を伝達することが可能となる。ここで、一対の揉み玉にて使用者の首等を挟むようにしてマッサージを行う場合には、揉み玉の幅方向内側の部位で挟むこととなる。このため、使用者の首のマッサージと同時に幅方向内側に設けられる固定部材にて、使用者の首に対しても熱を伝達させることができる。また、揉み玉よりも幅方向外側に熱源を収容する熱伝達手段を設けることで、使用者の首等の身体を揉み玉にて挟むようなマッサージを行う場合に、その固定部材と比較して大きな熱伝達手段が使用者の身体に直接又は間接的に当接して揉み玉とは異なる感触(違和感)を与えるといったことが抑えられる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のマッサージ機において、前記固定部材は、前記揉み玉の外径よりも小さくなるよう構成されたことをその要旨とする。
この発明では、固定部材が揉み玉の外径よりも小さく構成されることで、使用者の首等を挟むようにしてマッサージを行う場合に、固定部材がその部位に当たることを極力抑え、揉み玉によるマッサージ効果を維持することが可能となる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のマッサージ機において、前記固定部材は、前記揉み玉よりも幅方向内側に突出するように構成されたことをその要旨とする。
この発明では、固定部材は、揉み玉よりも幅方向内側に突出するように構成されるため、例えば幅方向に設けられる一対の揉み玉により、使用者の首等を挟んでマッサージをする際に、固定部材により使用者に熱を伝達することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記熱伝達手段は、前記使用者との対向部位が湾曲形状となるよう構成されたことをその要旨とする。
【0015】
この発明では、熱伝達手段は、使用者との対向部位が湾曲形状となるよう構成されるため、使用者の身体に対して違和感を与えることが抑えられる。また、例えばマッサージ機構と使用者の身体との間に設けられるカバー部材と、熱伝達手段が摺接する際に、その摩擦力を抑えることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記熱源は、該熱源に対し電力供給可能な電力供給線が接続されるものであり、前記電力供給線は、コネクタにて中継されて前記熱源と接続されたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、電力供給線がコネクタにて中継されるため、コネクタを中心として電力供給線を2種類の部材で構成することができる。そのため、熱源側に近い電力供給線をアームに固定させることでアームや揉み玉を動作させても熱源側の電力供給線が屈曲することが抑えられるため、比較的安価な電線を用いることができる。また、例えば、コネクタを中心として熱源側に近い電力供給線のみが断線した場合には、その電力供給線を交換するだけでよく、コネクタを中心として熱源側から遠い電力供給線のみが断線した場合には、その電力供給線を交換するだけでよいため、この点からもメンテナンス性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、メンテナンス性の向上を図ることができるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態におけるマッサージ機の概略構成図。
【図2】施療子の正面図。
【図3】施療子の分解斜視図。
【図4】施療子の断面図。
【図5】温度制御について説明するためのブロック図。
【図6】温度制御について説明するためのグラフ。
【図7】(a)(b)は、首周辺の施療動作について説明するための説明図。
【図8】(a)(b)は、背中周辺の施療動作について説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のエアマッサージ機を備えたマッサージ機の概略構成を示す。図1に示すように、マッサージ機10の脚部11は図示しない床面に載置されるとともに、その脚部11の上部には使用者が着座可能な座部12が固定されている。その座部12の後部には、使用者が背中をもたれ掛けさせるための背もたれ部13が傾動可能に設けられるとともに、座部12の前部には使用者の脚を載せることができるオットマン14が傾動可能に設けられている。また、使用者の腕を置くための肘掛け部15が背もたれ部13から座部12の両側前方にかけて設けられている。
【0021】
背もたれ部13は、背もたれ部本体13aと、この背もたれ部本体13aの前面を覆うカバー部13bとで構成される。背もたれ部本体13aは、前面が開口された硬質樹脂材料からなる図示しない本体ケース内に、背もたれ部13の上下方向に沿って図示しないガイドレールが設けられ、このガイドレールに沿って上下方向に移動可能にマッサージ機構20が組み付けられている。このマッサージ機構20には、図示しない各種駆動モータが備えられており、これら各種駆動モータの駆動によってマッサージ機構20の上下動や、このマッサージ機構20に備えられる一対の施療子21による所定の施療動作が行われるようになっている。
【0022】
図2に示すように、一対の施療子21は、一対のアーム22(1つのみ図示)と、アーム22のそれぞれに設けられるヒータユニット23と、ヒータユニット23に接続される揉み玉24と、この揉み玉24をヒータユニット23とで挟持する固定部材25とを有している。尚、この固定部材25は熱伝導性の高いアルミニウムにて構成されている。
【0023】
図3及び図4に示すように、各ヒータユニット23は、PTCヒータ30が第1ケース部材31及び第2ケース部材32に挟持されて構成され、一対のアーム22の幅方向内側に設けられている。尚、各ケース部材31,32は、熱伝導性及び剛性の高い材質としてアルミニウムを採用している。
【0024】
幅方向外側の第1ケース部材31は、アーム22にねじ33a,33bにて固定されている。具体的には、幅方向に貫通するアーム22の大径貫通孔22aに第1ケース部材31の幅方向外側の外表面から更に幅方向外側に突出する突出部31aが内挿されるとともに、幅方向に貫通するアーム22の小径貫通孔22bと第1ケース部材31の外表面に形成される図示しないねじ孔とが幅方向に重なる態様で、突出部31aに形成されるねじ孔31b及び小径貫通孔22bに対応したねじ孔にねじ33a,33bが螺合されてアーム22に第1ケース部材31が固定される。
【0025】
また第1ケース部材31の幅方向内側の内表面は、図3及び図4に示すように、PTCヒータ30との対応位置の当接部31cが幅方向内側に突出するように形成されている。また、第1ケース部材31の幅方向内側の内表面には、幅方向内側に突出する突出部31dが計3つ備えられている。
【0026】
PTCヒータ30は、図5に示すようにPTCヒータ30への印加電流を制御する制御部40と電気的に接続されている。図3に示すように、PTCヒータ30には、電力供給用の電力供給線35が接続されており、この電力供給線35は固定部材36にてPTCヒータ30との位置関係が変化しないアーム22に固定されている。また、電力供給線35は、コネクタ37を介して前記電力供給線35とは異なる電力供給線38と接続され、この電力供給線38が例えば制御部40に接続され、この制御部40にてPTCヒータ30への印加電流を制御して温度を調整するように構成されている。
【0027】
第2ケース部材32は、幅方向外側の内表面の前記PTCヒータ30との対応位置に、高熱伝導率且つ弾性を有するシリコン系のゴムパッド41が設けられている。そして、第2ケース部材32には、第1ケース部材31の突出部31dに形成されるねじ孔に対応する計3つの貫通孔32aが形成されており、各貫通孔32aを挿通させて第1ケース部材31のねじ孔にねじ32bを螺合させて第1ケース部材31に第2ケース部材32が取り付けられている。これにより、図4に示すように第1ケース部材31の当接部31c及び第2ケース部材32のゴムパッド41にて、PTCヒータ30が挟持される。この時、ゴムパッド41挟持した際に圧力に応じて弾性変形するように構成されている。つまり、PTCヒータ30は第2ケース部材32に圧接されており、効率よく第2ケース部材32側に熱を伝達可能に構成されている。
【0028】
第2ケース部材32は、使用者の身体をカバー部13bを介して当接する当接部32dが使用者側に凸となるように湾曲形状に形成されている。また、この当接部32dは、第1ケース部材31の略厚み(幅方向長さ)程度、幅方向外側に延出するように形成されており、第2ケース部材32側にPTCヒータ30の熱を集約させ、当接部32d以外への熱の拡散を極力抑えた設計がなされている。尚、第1ケース部材31及び第2ケース部材32は当接部32d以外の部分が極力PTCヒータ30の形状に倣った形状とすることが望ましい。
【0029】
また、第2ケース部材32の幅方向内側には、温度センサ42がねじ32eにて固定され、この温度センサ42は、図5に示すように前記制御部40に電気的に接続されている。このため、PTCヒータ30の熱がヒータユニット23の外殻である第2ケース部材32に伝達され、その熱の温度を温度センサ42にて監視することができるようになっている。
【0030】
第2ケース部材32には、幅方向内側に突出する延出部32fが形成されており、その延出方向先端には略四角形状の係合凸部32gが形成されている。第2ケース部材32の延出部32fには、略円筒状の固定部材25の円筒部25aが外嵌されており、延出部32fに形成されているねじ孔32hにねじ46が螺合されて固定部材25の抜け止めがなされている。
【0031】
円筒部25aの内側面における軸方向端部側は、第2ケース部材32の外表面から幅方向内側に突出する延出部32fの係合凸部32gが係合する略四角形状の係合孔25cが形成されている。そして、この係合凸部32gと係合孔25cとが回転方向で係合するため、固定部材25の回り止めがなされている。
【0032】
また、固定部材25を構成する円筒部25aの外周面には2つの軸受24a,24bにて回転可能に支持される1つの弾性部材から構成される揉み玉24が設けられている。この時、この円筒部25aの軸方向端部側において外径が拡径される拡径部25bが揉み玉24よりも幅方向内側に突出するように構成されており、この拡径部25bにて揉み玉24の幅方向(軸方向)への抜け止めがなされている。また、前述したように本実施形態の揉み玉24は1つの部材で構成されるため、従来のように複数の部材で構成した分割タイプの揉み玉と比較して、揉み玉としての剛性を高くすることができる。また、揉み玉24は、第2ケース部材32の延出部32fの軸中心から同ケース部材32の当接部32dまでの距離より僅かに(3mm程度)大きい半径となるように構成されている。このため、揉み玉24が使用者の身体とカバー部13bを介して当接する際に、揉み玉24が接触圧によって変形し、剛体で構成される第2ケース部材32の当接部32dが使用者に対して軽接触し、極力熱のみを好適に伝達させる構成となっている。尚、軸受24a,24bは断熱性を有する材料にて構成されているため、弾性部材から構成される揉み玉24への熱の伝達が抑制されている。
【0033】
次に、ヒータユニット23の温度制御及びそれと並行動作される揉み玉による施療動作について図5〜図8を用いて説明する。
制御部40は、図示しない電源スイッチがオン状態に動作され、例えば温熱施療を含むマッサージコースが操作器にて選択されると、マッサージ機構20の前記モータを駆動させるとともに、最大出力温度TmaxのPTCヒータ30に所定の電流A1を印加する。そして、制御部40は、温度センサ42にてPTCヒータ30の熱が伝達させる第2ケース部材32の温度を監視し、その温度が上限温度T1を超えると、電流A1よりも電流値の小さい所定の電流A2をPTCヒータ30に印加する。そして、制御部40は、PTCヒータ30及び熱伝達手段としての第1及び第2ケース部材31,32で構成されるヒータユニット23が上限温度T1及び下限温度T2の範囲内に収まるように温度制御するようになっている。これと並行して、例えば首を中心とした揉み玉24による施療を行う場合、制御部40は、図7(a)(b)に示すように、マッサージ機構20のモータを制御して使用者の首の位置までマッサージ機構20を移動させ、モータにてアームを幅方向に動作させて一対の揉み玉24による挟み動作を行い、使用者の首の施療を行う。この時、揉み玉24よりも幅方向内側に突出する固定部材25が使用者の首とカバー部13bを介して当接し、首に対してPTCヒータ30からの熱を伝達することができるようになっている。
【0034】
また、前述のヒータユニット23の温度制御と並行して、使用者の背中を中心として揉み玉24による施療を行う場合、制御部40は、図8(a)(b)に示すように、マッサージ機構20のモータを制御して使用者の背中の位置までマッサージ機構20を移動させ、モータにてアームを上下・左右(幅方向)・前後に動作させて一対の揉み玉24による押圧動作等を行い、使用者の背中の施療を行う。このとき、揉み玉24が弾性変形することで熱伝達手段としてのヒータユニット23(図2及び図3に示す第2ケース部材32の当接部32d)が使用者の背中とカバー部13bを介して当接し、使用者の背中に対してPTCヒータ30からの熱を伝達することができるようになっている。
【0035】
上述したように、熱伝達手段としてのヒータユニット23及び固定部材25で使用者の身体に熱を伝達することができるため、従来のマッサージ機と比較して使用者に熱を付与する範囲が広がり、熱源としてのPTCヒータ30からの熱を好適に伝達させることができるようになっている。また、固定部材25は揉み玉24よりも幅方向内側に突出しているため、使用者の首等を挟んでマッサージする際に、この固定部材25が使用者とカバー部13bを介して接触するため、PTCヒータ30からの熱をより好適に伝達させることができるようになっている。また、アーム22には電力供給線35が固定されているため、マッサージ機構20及びその施療子21(アーム22)をモータで動作させる際に、マッサージ機構20及び施療子21に電力供給線35が絡まったりすることが抑えられている。
【0036】
また、熱伝達手段を構成する第1ケース部材31が2つのねじ33a,33bにて設けられているため、ねじ33a,33bを取り外すことで第1ケース部材31を含むヒータユニット23及び揉み玉24を取り外すことができ、それらを容易に交換することができるようになっている。また、固定部材25がねじ46にて第2ケース部材32と幅方向内側から接続されている。そのため、ねじ46を取り外すことで固定部材25を第2ケース部材32(ヒータユニット23)から取り外すことができるようになっている。これにより、固定部材25を取り外すことで揉み玉24が取り外し可能となるため、揉み玉24を容易に交換することができるようになっている。
【0037】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)施療子21には、マッサージ機構20のアーム22と接続されるとともにPTCヒータ30を収容して使用者にPTCヒータ30からの熱を伝達可能な第1及び第2ケース部材31,32と、この第2ケース部材32に設けられる揉み玉24とが備えられる。第1ケース部材31は、アーム22に対して着脱可能に設けられるため、PTCヒータ30を収容する第1及び第2ケース部材31,32や揉み玉24を容易に交換することができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0038】
(2)揉み玉24が第2ケース部材32に対して着脱可能に設けられるため、揉み玉24のみの交換が可能とならよりメンテナンス性の向上を図ることができる。
(3)施療子21は、背もたれ部13の幅方向に一対並設される。揉み玉24は第2ケース部材32に対して着脱自在な固定部材25にて背もたれ部13の幅方向内側から接続され、その固定部材25は第2ケース部材32からの熱を使用者に伝達可能に構成される。このように、揉み玉24を幅方向内側から第2ケース部材32に対して着脱自在に接続する固定部材25にて、第2ケース部材32からの熱を使用者に対して伝達することで、使用者の身体のより広い範囲に熱を伝達することが可能となる。ここで、一対の揉み玉24にて使用者の首等を挟むようにしてマッサージを行う場合には、揉み玉の幅方向内側部の部位で挟むこととなる。このため、使用者の首のマッサージと同時に幅方向内側に設けられる固定部材25にて、使用者の首に対しても熱を伝達させることができる。また、揉み玉24よりも幅方向外側にPTCヒータ30を収容する第1及び第2ケース部材31,32を設けることで、使用者の首等の身体を揉み玉にて挟むようなマッサージを行う場合に、その固定部材25と比較して大きな第2ケース部材32が使用者の身体にカバー部13bを介して当接して揉み玉24以外の違和感を与えるといったことが抑えられる。
【0039】
(4)固定部材25が揉み玉24の外径よりも小さく構成されることで、使用者の首等を挟むようにしてマッサージを行う場合に、固定部材25がその部位に当たることを極力抑え、揉み玉24によるマッサージ効果を維持することが可能となる。
【0040】
(5)固定部材25は、揉み玉24よりも幅方向内側に突出するように構成されるため、幅方向に設けられる一対の揉み玉24により、使用者の首等を挟んでマッサージをする際に、固定部材25により使用者に熱を伝達することができる。
【0041】
(6)第2ケース部材32は、使用者との対向部位である当接部32dが使用者側に凸となる湾曲形状となるよう構成されるため、使用者の身体に対して違和感を与えることが抑えられる。また、例えばマッサージ機構20と使用者の身体との間に設けられるカバー部13bと、第2ケース部材32の当接部32dが摺接する際に、その摩擦力を抑えることができる。
【0042】
(7)電力供給線35,38がコネクタ37にて中継されるため、コネクタ37を中心として電力供給線35,38を2種類の部材で構成することができる。そのため、PTCヒータ30側に近い電力供給線35をアーム22に固定させることでアーム22や揉み玉24を動作させてもその電力供給線35が屈曲することが抑えられるため、比較的安価な電線を用いることができる。また、例えば、コネクタ37を中心としてPTCヒータ30側に近い電力供給線35のみが断線した場合には、その電力供給線35を交換するだけでよく、コネクタ37を中心としてPTCヒータ30側から遠い電力供給線38のみが断線した場合には、その電力供給線38を交換するだけでよいため、この点からもメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0043】
(8)本実施形態の揉み玉24は1つの弾性部材にて構成されているため、従来のように半球状の弾性部材を2つ使用した分割タイプの揉み玉と比較して、その剛性を高めることができる。
【0044】
(9)本実施形態の揉み玉24は、断熱性を有する材料にて構成される軸受24a,24bにて回転可能に軸支されているため、エラストマ等の弾性部材で構成される揉み玉24への熱の伝達が抑制され、熱による劣化の促進を抑えることができる。
【0045】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば、図7(a)(b)及び図8(a)(b)に示すように、ヒータユニット23に対し、風を送る送風機60を設ける構成を採用してもよい。この場合、例えば上限温度T1となった際に、送風機60からヒータユニット23に対し風を送ることで、ヒータユニット23の温度を下げることができる。
【0046】
・上記実施形態では、熱源としてのPTCヒータ23に電力を供給する電力供給線35,38をコネクタ37にて中継して制御部40とPTCヒータ30とが電気的に接続されるように構成したが、これに限らず、例えばコネクタ37を省略するとともに1種類の電力供給線にて制御部40とPTCヒータ30とが電気的に接続されるように構成してもよい。
【0047】
・上記実施形態では、固定部材25を熱伝導効率の高い材質であるアルミニウムを用いて構成したが、その他の材質を用いてもよく、断熱性を有する材質であってもよい。
・上記実施形態では、固定部材25の外径は揉み玉24の外径よりも小さくなるよう構成したが、これに限らない。
【0048】
・上記実施形態では、固定部材25は、揉み玉24より幅方向内側に突出するように構成したが、これに限らない。
・上記実施形態では、PTCヒータ30を収容する熱伝達手段としての第1ケース部材31及び第2ケース部材32を揉み玉24の幅方向外側に配置したが、熱伝達手段をとしての第1ケース部材31及び第2ケース部材32を揉み玉24の幅方向内側に配置する構成を採用してもよい。尚、この場合、固定部材25は揉み玉24よりも幅方向外側に配置することとなる。
【0049】
・上記実施形態では、第1ケース部材31及び第2ケース部材32の材料としてアルミニウムを採用したが、その他の材料にて各ケース部材31,32を採用してもよい。尚、幅方向内側に配設される第2ケース部材32の材料を第1ケース部材31の材料よりも熱伝導率の高い材料を使用することでヒータ30の熱を第2ケース部材32側に効率よく伝達することができる。
【0050】
・上記実施形態では、固定部材25を揉み玉24より背もたれ部13の幅方向内側に突出する構成としたが、これに限らない。
・上記実施形態では、特に言及していないが、延出部32fと円筒部25aとを嵌合させる際にその寸法精度が高くして密着性を高め、固定部材25側への熱電動効率を高くすることができる。また、延出部32fと円筒部25aとの間に一定の間隙(空気層)を設け、その間隙を埋める熱伝導グリス等の熱伝達部材を介在させる構成を採用してもよい。
【0051】
・上記実施形態では、ヒータユニット23の熱源としてPTCヒータ30を用いた構成を採用したが、これ以外の熱源を採用してもよい。
・上記実施形態では、揉み玉24を軸受24a,24bにて円筒部25aを中心に回転可能に構成したが、回転不能に構成してもよい。
【0052】
・上記実施形態では、特に言及していないが、カバー部13bと摺接する揉み玉24の摺接面にグリス等の潤滑剤を塗布する構成を採用してもよい。このような構成とすることで、揉み玉24とカバー部13bとの摩擦を抑えることができ、揉み玉24及びカバー部13bの耐久性能を向上させることが可能となる。
【0053】
・上記実施形態では、特に言及していないが、オットマン14や座部12上面にエアバッグ等のマッサージ手段を設けてもよい。
・上記実施形態では、背もたれ部13を傾動可能に構成したが、背もたれ部13を傾動不能とした構成を採用してもよい。
【0054】
・上記実施形態では、座部12の前部にオットマン14を設ける構成としたが、オットマン14を省略した構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
10…マッサージ機、12…座部、13…背もたれ部、20…マッサージ機構、21…施療子、22…アーム、24…揉み玉、25…固定部材、25a…円筒部(延出軸及び延出部)、30…PTCヒータ(熱源)、31…第1ケース部材(熱伝達手段)、32…第2ケース部材(熱伝達手段)、32d…当接部(対向部位)、32f…延出部、35,38…電力供給線、37…コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部とを有し、
前記背もたれ部内に施療子を備えるマッサージ機構を設け、該マッサージ機構により前記使用者の身体をマッサージするマッサージ機であって、
前記施療子は、前記マッサージ機構のアームと接続されるとともに熱源を収容して前記使用者に前記熱源からの熱を伝達可能な熱伝達手段と、該熱伝達手段に設けられる揉み玉とを備え、
前記熱伝達手段は、前記アームに対して着脱可能に設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉は、前記熱伝達手段に対して着脱可能に設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項2に記載のマッサージ機において、
前記施療子は、前記背もたれ部の幅方向に一対並設され、前記揉み玉は、前記背もたれ部の幅方向内側から前記熱伝達手段に対して着脱自在な固定部材が前記熱伝達手段に接続されて固定されるものであり、
前記固定部材は、前記熱伝達手段からの熱を前記使用者に伝達可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項3に記載のマッサージ機において、
前記固定部材は、前記揉み玉の外径よりも小さくなるよう構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のマッサージ機において、
前記固定部材は、前記揉み玉よりも幅方向内側に突出するように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記熱伝達手段は、前記使用者との対向部位が前記使用者側に凸の湾曲形状となるよう構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記熱源は、該熱源に対し電力供給可能な電力供給線が接続されるものであり、
前記電力供給線は、コネクタにて中継されて前記熱源と接続されたことを特徴とするマッサージ機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−62449(P2011−62449A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217736(P2009−217736)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】