マッサージ装置
【課題】膝関節の周辺のマッサージをするのに適したマッサージ装置を提供する。
【解決手段】膝周辺をマッサージするマッサージ装置3であって、屈曲部4bを備えた下肢収容部4を備え、前記屈曲部内には、下肢収容部の凹所4aを挟むように、一対の回転ローラ6、6を備えた一対のマッサージ装置部5、5が設けられており、前記回転ローラに動力伝達を行うベルト手段7を備え、一対の回転ローラの各々は、その側周面を、下肢収容部4の凹所4aの面に向ける方向に、下肢収容部の屈曲部4b内に設けられており、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8、8が、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、ベルト手段7上を移動するようになっている。
【解決手段】膝周辺をマッサージするマッサージ装置3であって、屈曲部4bを備えた下肢収容部4を備え、前記屈曲部内には、下肢収容部の凹所4aを挟むように、一対の回転ローラ6、6を備えた一対のマッサージ装置部5、5が設けられており、前記回転ローラに動力伝達を行うベルト手段7を備え、一対の回転ローラの各々は、その側周面を、下肢収容部4の凹所4aの面に向ける方向に、下肢収容部の屈曲部4b内に設けられており、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8、8が、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、ベルト手段7上を移動するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ装置に関し、特に、膝関節の周辺のマッサージをするのに適したマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージ装置としては、既に、種々の装置が提案されている。
【0003】
図11は、従来のマッサージチェアの一例を概略的に示す斜視図である。
【0004】
このマッサージチェア101は、チェア部102と、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージするマッサージ装置103とを備える。
【0005】
チェア部102には、このマッサージチェア101の使用者の背中や肩をマッサージする揉み部(図示せず。)が内蔵されている。
【0006】
このマッサージチェア101は、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、揉み部(図示せず。)が、駆動するようになっている。
【0007】
図12(a)は、図11に示すマッサージ装置103を概略的に示す正面図であり、また、図12(b)は、マッサージ装置103の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【0008】
このマッサージ装置103は、下腿を収容する凹所104aを備える下腿収容部104と、ローラー105a・・・、105b・・・とを備える。
【0009】
ローラー105a・・・、105b・・・の各々は、偏心軸を回転軸とするものや、側周面に凸部を有するものなどが、用いられている。
【0010】
ローラー105a・・・の各々と、ローラ105b・・・の各々とは、下腿収容部104内に、下腿収容部104の凹所104aを挟むように対向配置されている。
【0011】
次に、このマッサージ装置103の使用法を説明する。
【0012】
このマッサージ装置103用いて、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージする際には、このマッサージ装置103の使用者は、下腿を、下腿収容部104の凹所104a内に収容し、マッサージ装置103に電源を供給する。
【0013】
このマッサージ装置103では、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、下腿収容部104の凹所104a内に収容した、下腿が、マッサージされるようになっている。
【0014】
即ち、マッサージ装置103に電源を供給し、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、ローラー105a・・・、105b・・・の各々が所定の条件で回転駆動することで、長腓骨筋や腓腹筋等がマッサージされるようになっている。
【0015】
同様のものとして、例えば、特開2004−237025号に記載のマッサージ機が既に提案されている。
【0016】
このものは、ローラー105a・・・、105b・・・の変わりにエアバックを備えている。
【特許文献1】特開2004−237025号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、従来のマッサージ装置103のような装置は、いずれも、下腿、より特定的に説明すると、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージするものであり、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージには、適していなかった。
【0018】
本発明は、上記したような背景技術を鑑みてなされたものであって、特に、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージには、適した、膝関節の周辺をマッサージするのに適したマッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、長年、マッサージを行っており、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに適したマッサージ方法を知見するに至った。
【0020】
図13は、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに適したマッサージ方法の一例を示す写真である。
【0021】
膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージをする際には、まず、膝周辺を適当な温度に暖める。
【0022】
次に、図13(a)、図13(b)及び図13(c)に示す写真のように、膝の周辺の両側側面を、両手の手の平で押さえ込み、下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、マッサージを施す。
【0023】
すると、マッサージを受けた人(又は患者)は、膝関節に痛みが軽減したり、又は、膝を楽に動かせるようになる。
【0024】
本発明者は、図13に示したようなマッサージ方法が、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに好適であることを知見し、このようなマッサージを機械で行うことができないか、ということを思い立ち、鋭意努力した結果、本発明を完成するに至った。
【0025】
即ち、請求項1に記載のマッサージ装置は、膝周辺をマッサージするマッサージ装置であって、下肢を収容する凹所を備える下肢収容部を備え、下肢収容部は、屈曲部を備え、下肢収容部の屈曲部内には、下肢収容部の凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部が設けられており、一対のマッサージ装置部の各々は、一対の回転ローラと、一対の回転ローラを駆動する駆動手段と、一対の回転ローラ間に動力伝達を行うベルト手段と、ベルト手段上に設けられた押圧部材とを備え、一対の回転ローラの各々は、その側周面を、下肢収容部の凹所の面に向ける方向に、下肢収容部の屈曲部内に設けられており、駆動手段を駆動すると、下肢収容部の屈曲部において、ベルト手段上に設けられた押圧部材が、下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、ベルト手段上を移動するようになっている。
【0026】
請求項2に記載のマッサージ装置は、請求項1に記載のマッサージ装置が、駆動手段を駆動すると、下肢収容部の屈曲部において、ベルト手段上に設けられた押圧部材が、下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、下方向から上方向に、ベルト手段上を移動するようになっている。
【0027】
請求項3に記載のマッサージ装置は、請求項1又は請求項2に記載のマッサージ装置の、押圧部材は、変形可能な材料で形成されており、ベルト手段の表面には、ベルト手段の搬送方向に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材が、所定の間隔を隔てるように設けられており、押圧部材が、ベルト手段の表面に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材上に設けられている。
【0028】
請求項4に記載のマッサージ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のマッサージ装置が、押圧部材を2個備え、2個の押圧部材が、ベルト手段に、対向配置されている。
【0029】
請求項5に記載のマッサージ装置は、請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ装置の、押圧部材が、その表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所を備える。
【0030】
請求項6に記載のマッサージ装置は、請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ装置の、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材が、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられており、且つ、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々と、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々との間に、弾性部材が設けられている。
【0031】
請求項7に記載のマッサージ装置は、請求項1〜6のいずれかに記載のマッサージ装置の、下肢収容部内に加熱手段を備える。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載のマッサージ装置では、下肢収容部の屈曲部内には、下肢収容部の凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部を設け、下肢収容部内に収容された下肢の膝の両側面を、ベルト手段上を回転する、一対の押圧部材により、その両側から押圧するように、一方向から他方向に、マッサージするようにしたので、このマッサージ装置を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に適したマッサージを行うことができる。
【0033】
請求項2に記載のマッサージ装置では、駆動手段を駆動すると、下肢収容部の屈曲部において、ベルト手段上に設けられた押圧部材が、下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、マッサージを施すことができるようにしているので、このマッサージ装置を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に、より適した、マッサージを行うことができる。
【0034】
請求項3に記載のマッサージ装置では、押圧部材を、変形可能な材料で形成し、ベルト手段の表面には、ベルト手段の搬送方向に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材を、所定の間隔を隔てるように設け、押圧部材を、ベルト手段の表面に、所定の間隔を隔てるように設けた、複数の幅の狭い台座部材上に設ける構成を採用している。
【0035】
この結果、このマッサージ装置では、押圧部材が、一対の回転ローラの側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材が、回転ローラの側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材が回転ローラの側周面の形に従って変形するので、駆動手段を駆動した際に、押圧手段の、ベルト手段上の滑らかな移動を実現できる。
【0036】
請求項4に記載のマッサージ装置では、2個の押圧部材を、ベルト手段に、対向配置するようにしているので、下肢収容部の凹所を挟むように設けた、一対のマッサージ装置部を同期して駆動させる際に、凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部の各々に設けられている押圧部材の各々が、同時に、屈曲部に、位置するように設定し易い。
【0037】
請求項5に記載のマッサージ装置は、押圧部材の表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所を備えているので、このマッサージ装置を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)は、マッサージ師の手の平でマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0038】
請求項6に記載のマッサージ装置では、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材を、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設け、且つ、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられている複数の幅の狭い台座部材の各々と、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々との間に、弾性部材を設けるという構成を採用している。
【0039】
この結果、このマッサージ装置では、押圧部材が、一対の回転ローラの側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材が、回転ローラの側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材が回転ローラの側周面の形に従って変形するので、駆動手段を駆動した際に、押圧手段の、ベルト手段上の滑らかな移動を実現できる。
【0040】
のみならず、このマッサージ装置を用いれば、このマッサージ装置を使用する者の、膝の両側面に、押圧部材が当たる際の衝撃を弾性部材により和らげることができるので、このマッサージ装置を使用すれば、このマッサージ装置の使用者(患者)は、マッサージ師によりマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0041】
請求項7に記載のマッサージ装置では、下肢収容部内に加熱手段を設け、マッサージ前に、膝関節の周囲部を暖めることができるようにしているので、マッサージ効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明に係るマッサージ装置の一例を図面を参照しながら更に詳しく説明する。
【0043】
図1は、本発明に係るマッサージ機の一例を用いた、マッサージチェアを概略的に示す斜視図である。
【0044】
このマッサージチェア1は、チェア部2と、膝の周辺部をマッサージするマッサージ装置3とを備える。
【0045】
チェア部2には、このマッサージチェア1の使用者の背中や肩をマッサージする揉み部(図示せず。)が内蔵されている。
【0046】
このマッサージチェア1は、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、揉み部(図示せず。)が、駆動するようになっている。
【0047】
図2(a)は、図1中に示すマッサージ装置3を概略的に示す正面図であり、図2(b)は、マッサージ装置3の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【0048】
また、図3は、図1に示すマッサージ装置3を概略的に示す側面図である。
【0049】
このマッサージチェア1は、チェア部2に、マッサージ装置3を取り付ける取り付けガイドレール(図示せず。)が横方向に設けられており、マッサージ装置3が、マッサージ装置3のチェア部2に対向する側にもうけられた車輪が、ガイドレール(図示せず。)に回転するように嵌め合わされており、マッサージ装置3をチェア部2の右側に移動させることで、マッサージ装置3を、マッサージ装置3の使用者の右脚用として使用したり、又は、マッサージ装置3をチェア部2の左側に移動させることで、マッサージ装置3を、マッサージ装置3の使用者の左脚用として使用したりすることができるようになっている。
【0050】
尚、図3では、下肢収容部4の屈曲部4bと、マッサージ装置部5との位置関係を示している。
【0051】
このマッサージ装置3は、下肢を収容する凹所4aを備える下肢収容部4を備える。
【0052】
このマッサージ装置3は、図11に示す、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージするマッサージ装置103の下腿収容部104の、下腿を収容する凹所104aに比べ、凹所4aの深さが長く形成されており、このマッサージ装置3を使用する使用者が、脚を、凹所4a内に入れた際に、下腿だけでなく、膝及び上腿(又は、上腿の一部)をも、凹所4a内に、収容することができるようになっている。
【0053】
下肢収容部4は、屈曲部4bを備える。
【0054】
この下肢収容部4の屈曲部4b内には、図3に示すように、下肢収容部4の凹所4aを挟むように、一対のマッサージ装置部5、5が設けられている。
【0055】
次に、マッサージ装置部5の構成について説明する。
【0056】
図4は、マッサージ装置部5を概略的に示す斜視図であり、また、図5は、マッサージ装置部5を、図4中、矢印Ar1方向に見た状態を模式的に示す正面図である。
【0057】
マッサージ装置部5は、一対の回転ローラ6、6と、一対の回転ローラ6、6を駆動する駆動手段(図示せず。)と、一対の回転ローラ6、6間に動力伝達を行うベルト手段7と、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8、8とを備える。
【0058】
尚、この例では、一対の回転ローラ6、6の一方の回転軸に、例えば、電動モータ等の駆動手段(図示せず。)の回転軸を取り付け、一対の回転ローラ6、6の一方を動輪として使用し、一対の回転ローラ6、6の他方を従輪として使用している。
【0059】
一対の回転ローラ6、6の各々は、その側周面6s、6sを、下肢収容部4の凹所4aの面に向ける方向に、下肢収容部4の屈曲部4b内に設けられている。
【0060】
押圧部材8、8は、変形可能な材料(例えば、所定の密度を有するスポンジ等の樹脂多孔体等)で形成されている。
【0061】
ベルト手段7の表面には、ベルト手段7の搬送方向(図4中に示す矢印Ar2を参照。)に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材9・・・が、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている。
【0062】
押圧部材8、8の各々は、ベルト手段7の表面に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・上に設けられている。
【0063】
このマッサージ装置部5は、2個の押圧部材を備える。
【0064】
そして、このマッサージ装置部5では、2個の押圧部材が、ベルト手段7に、対向配置されている。
【0065】
一対のマッサージ装置部5、5の各々は、同一または実質的に同一の大きさ、同一又は実質的に同一の規格にされており、マッサージ装置部5、5に電源を供給すると、マッサージ装置部5、5の各々の駆動手段が同期して駆動するようにされており、マッサージ装置部5、5の一方に設けられている押圧部材が、屈曲部4bの位置に来ると、マッサージ装置部5、5の他方に設けられている押圧部材も、同じときに、屈曲部4bの位置に来るようになっている。
【0066】
また、このマッサージ装置部5は、下肢収容部4内に加熱手段10を備える。
【0067】
加熱手段10は、特に限定されることはなく、従来公知の種々の加熱手段を用いることができる。
【0068】
そのような加熱手段10としては、特に、以下の場合に限定されることはないが、例えば、ヒータ線と、サーモスタットとの組み合わせで、下肢収容部4内を、所定の温度(例えば、38℃、39℃又は40℃等)に設定できるものや、ヒータ線と、温度センサと、制御手段(いわゆる、マイコン)とを備え、下肢収容部4内を、所定の温度(例えば、38℃、39℃又は40℃等)に設定できるものを挙げることができる。
【0069】
次に、このマッサージ装置3の使用法を例示的に説明する。
【0070】
このマッサージ装置3の使用者が、その右脚について、マッサージする場合には、マッサージ装置3をチェア部2の右側に移動させた後、マッサージ装置3の下肢収容部4内の凹所内に、右脚を、収容する。
【0071】
また、このマッサージ装置3の使用者が、その左脚について、マッサージする場合には、マッサージ装置3をチェア部2の左側に移動させた後、マッサージ装置3の下肢収容部4内の凹所内に、左脚を、収容する。
【0072】
この時、マッサージ装置3の使用者は、脚の膝部が、屈曲部4bに位置するように脚(右脚又は左脚)の位置を調整する。
【0073】
その後、マッサージ装置3に電源を供給する。
【0074】
次に、加熱手段10を駆動することで、下肢収容部4の凹所4a内に収容された脚(右脚又は左脚)(より特定的には、下肢の膝の側面)を所定時間、所定の温度で加熱する。
【0075】
次に、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材が、下肢収容部4の凹所4a内に収容された脚(右脚又は左脚)の下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、ベルト手段7上を移動(回転)するようになっている。
【0076】
このマッサージ装置3では、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、下肢収容部4の凹所4a内に収容された脚(右脚又は左脚)の下肢の膝の側面を押圧され、膝の両側面が、押圧部材8・・・により、マッサージされるようになっている。
【0077】
即ち、マッサージ装置3に電源を供給し、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、マッサージ装置部5、5のベルト手段7が、所定の条件で駆動することで、膝の両側面がマッサージされるようになっている。
【0078】
尚、このマッサージ装置3では、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8が、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、ベルト手段7上を回転するようになっている。
【0079】
このマッサージ装置3では、下肢収容部4の屈曲部4b内には、下肢収容部4の凹所4aを挟むように、一対のマッサージ装置部5、5を設け、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を、ベルト手段7上を回転する、一対の押圧部材8、8により、その両側から押圧するように、一方向から他方向に、マッサージするようにしたので、このマッサージ装置3を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に適したマッサージを行うことができる。
【0080】
また、このマッサージ装置3では、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8が、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、マッサージを施すことができるようにしているので、このマッサージ装置3を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に、より適した、マッサージを行うことができる。
【0081】
また、このマッサージ装置3では、押圧部材8を、変形可能な材料で形成し、ベルト手段7の表面には、ベルト手段7の搬送方向(図4中に示す矢印Ar2を参照。)に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材9・・・を、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設け、押圧部材8を、ベルト手段7の表面に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けた、複数の幅の狭い台座部材9・・・上に設ける構成を採用している。
【0082】
この結果、このマッサージ装置3では、押圧部材8が、一対の回転ローラ6、6の側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材9・・・が、一対の回転ローラ6、6の各々の側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材8が、一対の回転ローラ6、6の各々の側周面の形に従って変形するので、駆動手段(図示せず。)を駆動した際に、押圧手段8の、ベルト手段7上の滑らかな移動を実現できる。
【0083】
また、このマッサージ装置3では、2個の押圧部材8、8を、ベルト手段7に、対向配置するようにしているので、下肢収容部4の凹所4aを挟むように設けた、一対のマッサージ装置部5、5を同期して駆動させる際に、凹所4aを挟むように、一対のマッサージ装置部5、5の各々に設けられている押圧部材(8、8)、(8、8)の各々が、同時に、屈曲部4bに、位置するように設定し易い。
【0084】
尚、上記した発明の実施の形態は、いずれも、本発明を説明するために用いたものであって、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されないことは、言うまでもない。
【0085】
図6は、マッサージ装置3の下肢収容部4の屈曲部4b内に、下肢収容部4の凹所4aを挟むように設ける、一対のマッサージ装置部の他の一例の一方を概略的に示す斜視図であり、また、図7は、図6中に示す、マッサージ装置部の他の一例を、矢印Ar3方向に見た状態を模式的に示す正面図である。
【0086】
また、図8は、マッサージ装置部の他の一例の、図7中、VIII−VIII線に従う概略的な断面図である。
【0087】
このマッサージ装置部5Aは、図4に示すマッサージ装置部5とは、以下の構成を除けば、同様の構成を備えるので、マッサージ装置部5Aの構成部材中、マッサージ装置部5の構成部材に相当する構成部材については、マッサージ装置部5の構成部材に付した参照符号に相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0088】
このマッサージ装置部5Aは、押圧部材8Aとして、その表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所8cを備えるものを用いている。
【0089】
また、このマッサージ装置部5Aは、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材11・・・を備える。
【0090】
ベルト手段7に対向する表面に設けられた、複数の幅の狭い台座部材11・・・の各々は、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設けられている(間隔sp9=sp11)。
【0091】
且つ、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設けられている複数の幅の狭い台座部材11・・・の各々と、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・の各々との間には、弾性部材(この例では、つる巻きバネ)12・・・が設けられている。
【0092】
このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置は、押圧部材8Aの表面に、ベルト手段7の搬送方向に沿うように凹所8cを設けているので、このマッサージ装置5Aを使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)は、マッサージ師の手の平でマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0093】
また、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置では、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材11・・・を、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設け、且つ、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設けた複数の幅の狭い台座部材11・・・の各々と、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・の各々との間に、弾性部材12・・・を設けるという構成を採用している。
【0094】
この結果、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置では、押圧部材8Aが、一対の回転ローラ6、6の側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材9・・・、11・・・が、一対の回転ローラ6、6の各々側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材8Aが、一対の回転ローラの各々の側周面の形に従って変形するので、駆動手段(図示せず。)を駆動した際に、押圧手段8Aの、ベルト手段7上の滑らかな移動を実現できる。
【0095】
のみならず、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置を用いれば、このマッサージ装置を使用する者の、膝の両側面に、押圧部材8Aが当たる際の衝撃を弾性部材12・・・により和らげることができるので、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置を使用すれば、このマッサージ装置の使用者(患者)は、マッサージ師によりマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0096】
また、上記した発明の実施の形態では、右脚又は左脚のいずれか一方を、マッサージ装置3の下肢収容部4の凹所4a内に収容するようにしたマッサージ装置3について説明したが、これも、本発明を説明するために用いたものであって、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されないことは、言うまでもない。
【0097】
図9は、本発明に係るマッサージ装置の他の一例を採用したマッサージチェアを概略的に示す斜視図であり、図10(a)は、図9に示すマッサージ装置を概略的に示す正面図であり、また、図10(b)は、図9に示すマッサージ装置の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【0098】
このマッサージチェア1Aは、マッサージ装置3Aを備える。
【0099】
マッサージ装置3Aは、図1に示すマッサージ装置3とは、以下の構成を除けば、同様の構成を備えるので、マッサージ装置3Aの構成部材中、マッサージ装置3の構成部材に相当する構成部材については、マッサージ装置3の構成部材に付した参照符号に相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0100】
このマッサージ装置3Aは、下肢収容部4Aが、一対の凹所4a、4aを備える。
【0101】
一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4A内には、屈曲部4gの位置に、マッサージ装置部5が設けられており、下肢収容部中央部P4B内には、屈曲部4gの位置に、2台のマッサージ装置部5、5が設けられており、また、下肢収容部外側部P4C内には、屈曲部4gの位置に、マッサージ装置部5が設けられている。
【0102】
また、下肢収容部4Aの一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4A内には、加熱手段10が設けられており、下肢収容部中央部P4B内には、加熱手段10が設けられており、また、下肢収容部外側部P4C内には、加熱手段が設けられている。
【0103】
このマッサージ装置3Aは、下肢収容部4Aの一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4A内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5と、下肢収容部中央部P4B内の、屈曲部4gの位置に設けられている2台のマッサージ装置部5、5の中、下肢収容部外側部P4A内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5に対向配置されるマッサージ装置部5とで、このマッサージ装置3Aを使用する使用者の両方の脚の一方をマッサージすることができると同時に、下肢収容部4Aの一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4C内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5と、下肢収容部中央部P4B内の、屈曲部4gの位置に設けられている2台のマッサージ装置部5、5の中、下肢収容部外側部P4C内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5に対向配置されるマッサージ装置部5とで、このマッサージ装置3Aを使用する使用者の両方の脚の他方をマッサージすることができるようになっている。
【0104】
また、図9に示すマッサージ装置3Aのマッサージ装置部5・・・に代えて、マッサージ装置部5A・・・を採用するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、膝関節の周辺をマッサージするのに適しているので、産業上利用の可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に係るマッサージ機の一例を用いた、マッサージチェアを概略的に示す斜視図である。
【図2】図1中に示すマッサージ装置を概略的に示す正面図であり、図2(b)は、マッサージ装置の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【図3】図1に示すマッサージ装置3を概略的に示す側面図である。
【図4】本発明に係るマッサージ装置を構成する、マッサージ装置部を概略的に示す斜視図である。
【図5】本発明に係るマッサージ装置を構成する、マッサージ装置部を、図4中。矢印Ar1方向に見た状態を概略的に示す正面図である。
【図6】本発明に係るマッサージ装置の下肢収容部の屈曲部内に、下肢収容部の凹所を挟むように設ける、一対のマッサージ装置部の他の一例の一方を概略的に示す斜視図である。
【図7】図6中に示す、マッサージ装置部の他の一例を、矢印Ar3方向に見た状態を模式的に示す正面図である。
【図8】図6中に示す、マッサージ装置部の他の一例の、図7中、VIII−VIII線に従う概略的な断面図である。
【図9】本発明に係るマッサージ装置の他の一例を採用したマッサージチェアを概略的に示す斜視図である。
【図10】図10(a)は、図9に示すマッサージ装置を概略的に示す正面図であり、また、図10(b)は、図9に示すマッサージ装置の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【図11】従来のマッサージチェアの一例を概略的に示す斜視図である。
【図12】図12(a)は、図11に示すマッサージ装置103を概略的に示す正面図であり、また、図12(b)は、マッサージ装置103の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【図13】例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに適したマッサージ方法の一例を示す写真である。
【符号の説明】
【0107】
1 マッサージチェア
2 チェア部
3、3A 膝の周辺部をマッサージするマッサージ装置
4、4A 下肢収容部
4a 凹所
4b 屈曲部
5、5A マッサージ装置部
6 回転ローラ
7 ベルト手段
8、8A 押圧部材
8c 押圧部材
9、11 幅の狭い台座部材
10 加熱手段
12 弾性部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ装置に関し、特に、膝関節の周辺のマッサージをするのに適したマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージ装置としては、既に、種々の装置が提案されている。
【0003】
図11は、従来のマッサージチェアの一例を概略的に示す斜視図である。
【0004】
このマッサージチェア101は、チェア部102と、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージするマッサージ装置103とを備える。
【0005】
チェア部102には、このマッサージチェア101の使用者の背中や肩をマッサージする揉み部(図示せず。)が内蔵されている。
【0006】
このマッサージチェア101は、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、揉み部(図示せず。)が、駆動するようになっている。
【0007】
図12(a)は、図11に示すマッサージ装置103を概略的に示す正面図であり、また、図12(b)は、マッサージ装置103の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【0008】
このマッサージ装置103は、下腿を収容する凹所104aを備える下腿収容部104と、ローラー105a・・・、105b・・・とを備える。
【0009】
ローラー105a・・・、105b・・・の各々は、偏心軸を回転軸とするものや、側周面に凸部を有するものなどが、用いられている。
【0010】
ローラー105a・・・の各々と、ローラ105b・・・の各々とは、下腿収容部104内に、下腿収容部104の凹所104aを挟むように対向配置されている。
【0011】
次に、このマッサージ装置103の使用法を説明する。
【0012】
このマッサージ装置103用いて、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージする際には、このマッサージ装置103の使用者は、下腿を、下腿収容部104の凹所104a内に収容し、マッサージ装置103に電源を供給する。
【0013】
このマッサージ装置103では、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、下腿収容部104の凹所104a内に収容した、下腿が、マッサージされるようになっている。
【0014】
即ち、マッサージ装置103に電源を供給し、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、ローラー105a・・・、105b・・・の各々が所定の条件で回転駆動することで、長腓骨筋や腓腹筋等がマッサージされるようになっている。
【0015】
同様のものとして、例えば、特開2004−237025号に記載のマッサージ機が既に提案されている。
【0016】
このものは、ローラー105a・・・、105b・・・の変わりにエアバックを備えている。
【特許文献1】特開2004−237025号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、従来のマッサージ装置103のような装置は、いずれも、下腿、より特定的に説明すると、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージするものであり、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージには、適していなかった。
【0018】
本発明は、上記したような背景技術を鑑みてなされたものであって、特に、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージには、適した、膝関節の周辺をマッサージするのに適したマッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、長年、マッサージを行っており、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに適したマッサージ方法を知見するに至った。
【0020】
図13は、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに適したマッサージ方法の一例を示す写真である。
【0021】
膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージをする際には、まず、膝周辺を適当な温度に暖める。
【0022】
次に、図13(a)、図13(b)及び図13(c)に示す写真のように、膝の周辺の両側側面を、両手の手の平で押さえ込み、下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、マッサージを施す。
【0023】
すると、マッサージを受けた人(又は患者)は、膝関節に痛みが軽減したり、又は、膝を楽に動かせるようになる。
【0024】
本発明者は、図13に示したようなマッサージ方法が、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに好適であることを知見し、このようなマッサージを機械で行うことができないか、ということを思い立ち、鋭意努力した結果、本発明を完成するに至った。
【0025】
即ち、請求項1に記載のマッサージ装置は、膝周辺をマッサージするマッサージ装置であって、下肢を収容する凹所を備える下肢収容部を備え、下肢収容部は、屈曲部を備え、下肢収容部の屈曲部内には、下肢収容部の凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部が設けられており、一対のマッサージ装置部の各々は、一対の回転ローラと、一対の回転ローラを駆動する駆動手段と、一対の回転ローラ間に動力伝達を行うベルト手段と、ベルト手段上に設けられた押圧部材とを備え、一対の回転ローラの各々は、その側周面を、下肢収容部の凹所の面に向ける方向に、下肢収容部の屈曲部内に設けられており、駆動手段を駆動すると、下肢収容部の屈曲部において、ベルト手段上に設けられた押圧部材が、下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、ベルト手段上を移動するようになっている。
【0026】
請求項2に記載のマッサージ装置は、請求項1に記載のマッサージ装置が、駆動手段を駆動すると、下肢収容部の屈曲部において、ベルト手段上に設けられた押圧部材が、下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、下方向から上方向に、ベルト手段上を移動するようになっている。
【0027】
請求項3に記載のマッサージ装置は、請求項1又は請求項2に記載のマッサージ装置の、押圧部材は、変形可能な材料で形成されており、ベルト手段の表面には、ベルト手段の搬送方向に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材が、所定の間隔を隔てるように設けられており、押圧部材が、ベルト手段の表面に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材上に設けられている。
【0028】
請求項4に記載のマッサージ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のマッサージ装置が、押圧部材を2個備え、2個の押圧部材が、ベルト手段に、対向配置されている。
【0029】
請求項5に記載のマッサージ装置は、請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ装置の、押圧部材が、その表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所を備える。
【0030】
請求項6に記載のマッサージ装置は、請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ装置の、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材が、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられており、且つ、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々と、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々との間に、弾性部材が設けられている。
【0031】
請求項7に記載のマッサージ装置は、請求項1〜6のいずれかに記載のマッサージ装置の、下肢収容部内に加熱手段を備える。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載のマッサージ装置では、下肢収容部の屈曲部内には、下肢収容部の凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部を設け、下肢収容部内に収容された下肢の膝の両側面を、ベルト手段上を回転する、一対の押圧部材により、その両側から押圧するように、一方向から他方向に、マッサージするようにしたので、このマッサージ装置を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に適したマッサージを行うことができる。
【0033】
請求項2に記載のマッサージ装置では、駆動手段を駆動すると、下肢収容部の屈曲部において、ベルト手段上に設けられた押圧部材が、下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、マッサージを施すことができるようにしているので、このマッサージ装置を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に、より適した、マッサージを行うことができる。
【0034】
請求項3に記載のマッサージ装置では、押圧部材を、変形可能な材料で形成し、ベルト手段の表面には、ベルト手段の搬送方向に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材を、所定の間隔を隔てるように設け、押圧部材を、ベルト手段の表面に、所定の間隔を隔てるように設けた、複数の幅の狭い台座部材上に設ける構成を採用している。
【0035】
この結果、このマッサージ装置では、押圧部材が、一対の回転ローラの側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材が、回転ローラの側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材が回転ローラの側周面の形に従って変形するので、駆動手段を駆動した際に、押圧手段の、ベルト手段上の滑らかな移動を実現できる。
【0036】
請求項4に記載のマッサージ装置では、2個の押圧部材を、ベルト手段に、対向配置するようにしているので、下肢収容部の凹所を挟むように設けた、一対のマッサージ装置部を同期して駆動させる際に、凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部の各々に設けられている押圧部材の各々が、同時に、屈曲部に、位置するように設定し易い。
【0037】
請求項5に記載のマッサージ装置は、押圧部材の表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所を備えているので、このマッサージ装置を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)は、マッサージ師の手の平でマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0038】
請求項6に記載のマッサージ装置では、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材を、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設け、且つ、押圧部材の、ベルト手段に対向する表面に、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられている複数の幅の狭い台座部材の各々と、ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々との間に、弾性部材を設けるという構成を採用している。
【0039】
この結果、このマッサージ装置では、押圧部材が、一対の回転ローラの側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材が、回転ローラの側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材が回転ローラの側周面の形に従って変形するので、駆動手段を駆動した際に、押圧手段の、ベルト手段上の滑らかな移動を実現できる。
【0040】
のみならず、このマッサージ装置を用いれば、このマッサージ装置を使用する者の、膝の両側面に、押圧部材が当たる際の衝撃を弾性部材により和らげることができるので、このマッサージ装置を使用すれば、このマッサージ装置の使用者(患者)は、マッサージ師によりマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0041】
請求項7に記載のマッサージ装置では、下肢収容部内に加熱手段を設け、マッサージ前に、膝関節の周囲部を暖めることができるようにしているので、マッサージ効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明に係るマッサージ装置の一例を図面を参照しながら更に詳しく説明する。
【0043】
図1は、本発明に係るマッサージ機の一例を用いた、マッサージチェアを概略的に示す斜視図である。
【0044】
このマッサージチェア1は、チェア部2と、膝の周辺部をマッサージするマッサージ装置3とを備える。
【0045】
チェア部2には、このマッサージチェア1の使用者の背中や肩をマッサージする揉み部(図示せず。)が内蔵されている。
【0046】
このマッサージチェア1は、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、揉み部(図示せず。)が、駆動するようになっている。
【0047】
図2(a)は、図1中に示すマッサージ装置3を概略的に示す正面図であり、図2(b)は、マッサージ装置3の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【0048】
また、図3は、図1に示すマッサージ装置3を概略的に示す側面図である。
【0049】
このマッサージチェア1は、チェア部2に、マッサージ装置3を取り付ける取り付けガイドレール(図示せず。)が横方向に設けられており、マッサージ装置3が、マッサージ装置3のチェア部2に対向する側にもうけられた車輪が、ガイドレール(図示せず。)に回転するように嵌め合わされており、マッサージ装置3をチェア部2の右側に移動させることで、マッサージ装置3を、マッサージ装置3の使用者の右脚用として使用したり、又は、マッサージ装置3をチェア部2の左側に移動させることで、マッサージ装置3を、マッサージ装置3の使用者の左脚用として使用したりすることができるようになっている。
【0050】
尚、図3では、下肢収容部4の屈曲部4bと、マッサージ装置部5との位置関係を示している。
【0051】
このマッサージ装置3は、下肢を収容する凹所4aを備える下肢収容部4を備える。
【0052】
このマッサージ装置3は、図11に示す、長腓骨筋や腓腹筋等をマッサージするマッサージ装置103の下腿収容部104の、下腿を収容する凹所104aに比べ、凹所4aの深さが長く形成されており、このマッサージ装置3を使用する使用者が、脚を、凹所4a内に入れた際に、下腿だけでなく、膝及び上腿(又は、上腿の一部)をも、凹所4a内に、収容することができるようになっている。
【0053】
下肢収容部4は、屈曲部4bを備える。
【0054】
この下肢収容部4の屈曲部4b内には、図3に示すように、下肢収容部4の凹所4aを挟むように、一対のマッサージ装置部5、5が設けられている。
【0055】
次に、マッサージ装置部5の構成について説明する。
【0056】
図4は、マッサージ装置部5を概略的に示す斜視図であり、また、図5は、マッサージ装置部5を、図4中、矢印Ar1方向に見た状態を模式的に示す正面図である。
【0057】
マッサージ装置部5は、一対の回転ローラ6、6と、一対の回転ローラ6、6を駆動する駆動手段(図示せず。)と、一対の回転ローラ6、6間に動力伝達を行うベルト手段7と、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8、8とを備える。
【0058】
尚、この例では、一対の回転ローラ6、6の一方の回転軸に、例えば、電動モータ等の駆動手段(図示せず。)の回転軸を取り付け、一対の回転ローラ6、6の一方を動輪として使用し、一対の回転ローラ6、6の他方を従輪として使用している。
【0059】
一対の回転ローラ6、6の各々は、その側周面6s、6sを、下肢収容部4の凹所4aの面に向ける方向に、下肢収容部4の屈曲部4b内に設けられている。
【0060】
押圧部材8、8は、変形可能な材料(例えば、所定の密度を有するスポンジ等の樹脂多孔体等)で形成されている。
【0061】
ベルト手段7の表面には、ベルト手段7の搬送方向(図4中に示す矢印Ar2を参照。)に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材9・・・が、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている。
【0062】
押圧部材8、8の各々は、ベルト手段7の表面に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・上に設けられている。
【0063】
このマッサージ装置部5は、2個の押圧部材を備える。
【0064】
そして、このマッサージ装置部5では、2個の押圧部材が、ベルト手段7に、対向配置されている。
【0065】
一対のマッサージ装置部5、5の各々は、同一または実質的に同一の大きさ、同一又は実質的に同一の規格にされており、マッサージ装置部5、5に電源を供給すると、マッサージ装置部5、5の各々の駆動手段が同期して駆動するようにされており、マッサージ装置部5、5の一方に設けられている押圧部材が、屈曲部4bの位置に来ると、マッサージ装置部5、5の他方に設けられている押圧部材も、同じときに、屈曲部4bの位置に来るようになっている。
【0066】
また、このマッサージ装置部5は、下肢収容部4内に加熱手段10を備える。
【0067】
加熱手段10は、特に限定されることはなく、従来公知の種々の加熱手段を用いることができる。
【0068】
そのような加熱手段10としては、特に、以下の場合に限定されることはないが、例えば、ヒータ線と、サーモスタットとの組み合わせで、下肢収容部4内を、所定の温度(例えば、38℃、39℃又は40℃等)に設定できるものや、ヒータ線と、温度センサと、制御手段(いわゆる、マイコン)とを備え、下肢収容部4内を、所定の温度(例えば、38℃、39℃又は40℃等)に設定できるものを挙げることができる。
【0069】
次に、このマッサージ装置3の使用法を例示的に説明する。
【0070】
このマッサージ装置3の使用者が、その右脚について、マッサージする場合には、マッサージ装置3をチェア部2の右側に移動させた後、マッサージ装置3の下肢収容部4内の凹所内に、右脚を、収容する。
【0071】
また、このマッサージ装置3の使用者が、その左脚について、マッサージする場合には、マッサージ装置3をチェア部2の左側に移動させた後、マッサージ装置3の下肢収容部4内の凹所内に、左脚を、収容する。
【0072】
この時、マッサージ装置3の使用者は、脚の膝部が、屈曲部4bに位置するように脚(右脚又は左脚)の位置を調整する。
【0073】
その後、マッサージ装置3に電源を供給する。
【0074】
次に、加熱手段10を駆動することで、下肢収容部4の凹所4a内に収容された脚(右脚又は左脚)(より特定的には、下肢の膝の側面)を所定時間、所定の温度で加熱する。
【0075】
次に、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材が、下肢収容部4の凹所4a内に収容された脚(右脚又は左脚)の下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、ベルト手段7上を移動(回転)するようになっている。
【0076】
このマッサージ装置3では、例えば、商用電源から電源の供給を受け、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、操作制御部(図示せず。)から入力したマッサージの条件に従って、下肢収容部4の凹所4a内に収容された脚(右脚又は左脚)の下肢の膝の側面を押圧され、膝の両側面が、押圧部材8・・・により、マッサージされるようになっている。
【0077】
即ち、マッサージ装置3に電源を供給し、操作制御部(図示せず。)から、マッサージの条件を入力し、マッサージ開始ボタンを選択操作すると、マッサージ装置部5、5のベルト手段7が、所定の条件で駆動することで、膝の両側面がマッサージされるようになっている。
【0078】
尚、このマッサージ装置3では、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8が、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、ベルト手段7上を回転するようになっている。
【0079】
このマッサージ装置3では、下肢収容部4の屈曲部4b内には、下肢収容部4の凹所4aを挟むように、一対のマッサージ装置部5、5を設け、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を、ベルト手段7上を回転する、一対の押圧部材8、8により、その両側から押圧するように、一方向から他方向に、マッサージするようにしたので、このマッサージ装置3を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に適したマッサージを行うことができる。
【0080】
また、このマッサージ装置3では、駆動手段(図示せず。)を駆動すると、下肢収容部4の屈曲部4bにおいて、ベルト手段7上に設けられた押圧部材8が、下肢収容部4内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、下方向(足の方向)から上方向(上腿の方向、心臓に近い方向)に繰り返し、マッサージを施すことができるようにしているので、このマッサージ装置3を使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)に、より適した、マッサージを行うことができる。
【0081】
また、このマッサージ装置3では、押圧部材8を、変形可能な材料で形成し、ベルト手段7の表面には、ベルト手段7の搬送方向(図4中に示す矢印Ar2を参照。)に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材9・・・を、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設け、押圧部材8を、ベルト手段7の表面に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けた、複数の幅の狭い台座部材9・・・上に設ける構成を採用している。
【0082】
この結果、このマッサージ装置3では、押圧部材8が、一対の回転ローラ6、6の側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材9・・・が、一対の回転ローラ6、6の各々の側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材8が、一対の回転ローラ6、6の各々の側周面の形に従って変形するので、駆動手段(図示せず。)を駆動した際に、押圧手段8の、ベルト手段7上の滑らかな移動を実現できる。
【0083】
また、このマッサージ装置3では、2個の押圧部材8、8を、ベルト手段7に、対向配置するようにしているので、下肢収容部4の凹所4aを挟むように設けた、一対のマッサージ装置部5、5を同期して駆動させる際に、凹所4aを挟むように、一対のマッサージ装置部5、5の各々に設けられている押圧部材(8、8)、(8、8)の各々が、同時に、屈曲部4bに、位置するように設定し易い。
【0084】
尚、上記した発明の実施の形態は、いずれも、本発明を説明するために用いたものであって、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されないことは、言うまでもない。
【0085】
図6は、マッサージ装置3の下肢収容部4の屈曲部4b内に、下肢収容部4の凹所4aを挟むように設ける、一対のマッサージ装置部の他の一例の一方を概略的に示す斜視図であり、また、図7は、図6中に示す、マッサージ装置部の他の一例を、矢印Ar3方向に見た状態を模式的に示す正面図である。
【0086】
また、図8は、マッサージ装置部の他の一例の、図7中、VIII−VIII線に従う概略的な断面図である。
【0087】
このマッサージ装置部5Aは、図4に示すマッサージ装置部5とは、以下の構成を除けば、同様の構成を備えるので、マッサージ装置部5Aの構成部材中、マッサージ装置部5の構成部材に相当する構成部材については、マッサージ装置部5の構成部材に付した参照符号に相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0088】
このマッサージ装置部5Aは、押圧部材8Aとして、その表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所8cを備えるものを用いている。
【0089】
また、このマッサージ装置部5Aは、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材11・・・を備える。
【0090】
ベルト手段7に対向する表面に設けられた、複数の幅の狭い台座部材11・・・の各々は、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設けられている(間隔sp9=sp11)。
【0091】
且つ、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設けられている複数の幅の狭い台座部材11・・・の各々と、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・の各々との間には、弾性部材(この例では、つる巻きバネ)12・・・が設けられている。
【0092】
このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置は、押圧部材8Aの表面に、ベルト手段7の搬送方向に沿うように凹所8cを設けているので、このマッサージ装置5Aを使用すれば、例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)は、マッサージ師の手の平でマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0093】
また、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置では、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材11・・・を、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設け、且つ、押圧部材8Aの、ベルト手段7に対向する表面に、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・に整列するように設けた複数の幅の狭い台座部材11・・・の各々と、ベルト手段7上に、所定の間隔sp9・・・を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材9・・・の各々との間に、弾性部材12・・・を設けるという構成を採用している。
【0094】
この結果、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置では、押圧部材8Aが、一対の回転ローラ6、6の側周面上に位置しても、複数の幅の狭い台座部材9・・・、11・・・が、一対の回転ローラ6、6の各々側周面の形に沿って移動し、且つ、押圧部材8Aが、一対の回転ローラの各々の側周面の形に従って変形するので、駆動手段(図示せず。)を駆動した際に、押圧手段8Aの、ベルト手段7上の滑らかな移動を実現できる。
【0095】
のみならず、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置を用いれば、このマッサージ装置を使用する者の、膝の両側面に、押圧部材8Aが当たる際の衝撃を弾性部材12・・・により和らげることができるので、このマッサージ装置部5Aを採用したマッサージ装置を使用すれば、このマッサージ装置の使用者(患者)は、マッサージ師によりマッサージを受けているような感覚を得ることができる。
【0096】
また、上記した発明の実施の形態では、右脚又は左脚のいずれか一方を、マッサージ装置3の下肢収容部4の凹所4a内に収容するようにしたマッサージ装置3について説明したが、これも、本発明を説明するために用いたものであって、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されないことは、言うまでもない。
【0097】
図9は、本発明に係るマッサージ装置の他の一例を採用したマッサージチェアを概略的に示す斜視図であり、図10(a)は、図9に示すマッサージ装置を概略的に示す正面図であり、また、図10(b)は、図9に示すマッサージ装置の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【0098】
このマッサージチェア1Aは、マッサージ装置3Aを備える。
【0099】
マッサージ装置3Aは、図1に示すマッサージ装置3とは、以下の構成を除けば、同様の構成を備えるので、マッサージ装置3Aの構成部材中、マッサージ装置3の構成部材に相当する構成部材については、マッサージ装置3の構成部材に付した参照符号に相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0100】
このマッサージ装置3Aは、下肢収容部4Aが、一対の凹所4a、4aを備える。
【0101】
一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4A内には、屈曲部4gの位置に、マッサージ装置部5が設けられており、下肢収容部中央部P4B内には、屈曲部4gの位置に、2台のマッサージ装置部5、5が設けられており、また、下肢収容部外側部P4C内には、屈曲部4gの位置に、マッサージ装置部5が設けられている。
【0102】
また、下肢収容部4Aの一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4A内には、加熱手段10が設けられており、下肢収容部中央部P4B内には、加熱手段10が設けられており、また、下肢収容部外側部P4C内には、加熱手段が設けられている。
【0103】
このマッサージ装置3Aは、下肢収容部4Aの一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4A内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5と、下肢収容部中央部P4B内の、屈曲部4gの位置に設けられている2台のマッサージ装置部5、5の中、下肢収容部外側部P4A内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5に対向配置されるマッサージ装置部5とで、このマッサージ装置3Aを使用する使用者の両方の脚の一方をマッサージすることができると同時に、下肢収容部4Aの一対の凹所4a、4aを形成する、下肢収容部外側部P4C内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5と、下肢収容部中央部P4B内の、屈曲部4gの位置に設けられている2台のマッサージ装置部5、5の中、下肢収容部外側部P4C内の、屈曲部4gの位置に設けられているマッサージ装置部5に対向配置されるマッサージ装置部5とで、このマッサージ装置3Aを使用する使用者の両方の脚の他方をマッサージすることができるようになっている。
【0104】
また、図9に示すマッサージ装置3Aのマッサージ装置部5・・・に代えて、マッサージ装置部5A・・・を採用するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、膝関節の周辺をマッサージするのに適しているので、産業上利用の可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に係るマッサージ機の一例を用いた、マッサージチェアを概略的に示す斜視図である。
【図2】図1中に示すマッサージ装置を概略的に示す正面図であり、図2(b)は、マッサージ装置の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【図3】図1に示すマッサージ装置3を概略的に示す側面図である。
【図4】本発明に係るマッサージ装置を構成する、マッサージ装置部を概略的に示す斜視図である。
【図5】本発明に係るマッサージ装置を構成する、マッサージ装置部を、図4中。矢印Ar1方向に見た状態を概略的に示す正面図である。
【図6】本発明に係るマッサージ装置の下肢収容部の屈曲部内に、下肢収容部の凹所を挟むように設ける、一対のマッサージ装置部の他の一例の一方を概略的に示す斜視図である。
【図7】図6中に示す、マッサージ装置部の他の一例を、矢印Ar3方向に見た状態を模式的に示す正面図である。
【図8】図6中に示す、マッサージ装置部の他の一例の、図7中、VIII−VIII線に従う概略的な断面図である。
【図9】本発明に係るマッサージ装置の他の一例を採用したマッサージチェアを概略的に示す斜視図である。
【図10】図10(a)は、図9に示すマッサージ装置を概略的に示す正面図であり、また、図10(b)は、図9に示すマッサージ装置の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【図11】従来のマッサージチェアの一例を概略的に示す斜視図である。
【図12】図12(a)は、図11に示すマッサージ装置103を概略的に示す正面図であり、また、図12(b)は、マッサージ装置103の一部を切り開いて概略的に示す部分切断図(部分切断正面図)である。
【図13】例えば、膝関節に痛みを訴える者や、変形性膝関節症の患者や、半月板損傷の患者や、腱損症の患者や、膝に水がたまった人(水腱の患者)のマッサージに適したマッサージ方法の一例を示す写真である。
【符号の説明】
【0107】
1 マッサージチェア
2 チェア部
3、3A 膝の周辺部をマッサージするマッサージ装置
4、4A 下肢収容部
4a 凹所
4b 屈曲部
5、5A マッサージ装置部
6 回転ローラ
7 ベルト手段
8、8A 押圧部材
8c 押圧部材
9、11 幅の狭い台座部材
10 加熱手段
12 弾性部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝周辺をマッサージするマッサージ装置であって、
下肢を収容する凹所を備える下肢収容部を備え、
前記下肢収容部は、屈曲部を備え、
前記下肢収容部の屈曲部内には、前記下肢収容部の凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部が設けられており、
前記一対のマッサージ装置部の各々は、
一対の回転ローラと、
前記一対の回転ローラを駆動する駆動手段と、
前記一対の回転ローラ間に動力伝達を行うベルト手段と、
前記ベルト手段上に設けられた押圧部材とを備え、
前記一対の回転ローラの各々は、その側周面を、前記下肢収容部の凹所の面に向ける方向に、前記下肢収容部の屈曲部内に設けられており、
前記駆動手段を駆動すると、前記下肢収容部の屈曲部において、前記ベルト手段上に設けられた押圧部材が、前記下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、前記ベルト手段上を移動するようになっている、マッサージ装置。
【請求項2】
前記駆動手段を駆動すると、前記下肢収容部の屈曲部において、前記ベルト手段上に設けられた押圧部材が、前記下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように下方向から上方向に、前記ベルト手段上を移動するようになっている、請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、変形可能な材料で形成されており、
前記ベルト手段の表面には、前記ベルト手段の搬送方向に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材が、所定の間隔を隔てるように設けられており、
前記押圧部材が、前記ベルト手段の表面に、前記所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材上に設けられている、請求項1又は請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記押圧部材を2個備え、
前記2個の押圧部材が、前記ベルト手段に、対向配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記押圧部材が、その表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所を備える、請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記押圧部材の、前記ベルト手段に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材が、前記ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられており、且つ、
前記押圧部材の、前記ベルト手段に対向する表面に、前記ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられている複数の幅の狭い台座部材の各々と、前記ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々との間に、弾性部材が設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記下肢収容部内に加熱手段を備える、請求項1〜6のいずれかに記載のマッサージ装置。
【請求項1】
膝周辺をマッサージするマッサージ装置であって、
下肢を収容する凹所を備える下肢収容部を備え、
前記下肢収容部は、屈曲部を備え、
前記下肢収容部の屈曲部内には、前記下肢収容部の凹所を挟むように、一対のマッサージ装置部が設けられており、
前記一対のマッサージ装置部の各々は、
一対の回転ローラと、
前記一対の回転ローラを駆動する駆動手段と、
前記一対の回転ローラ間に動力伝達を行うベルト手段と、
前記ベルト手段上に設けられた押圧部材とを備え、
前記一対の回転ローラの各々は、その側周面を、前記下肢収容部の凹所の面に向ける方向に、前記下肢収容部の屈曲部内に設けられており、
前記駆動手段を駆動すると、前記下肢収容部の屈曲部において、前記ベルト手段上に設けられた押圧部材が、前記下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように、一方向から他方向に、前記ベルト手段上を移動するようになっている、マッサージ装置。
【請求項2】
前記駆動手段を駆動すると、前記下肢収容部の屈曲部において、前記ベルト手段上に設けられた押圧部材が、前記下肢収容部内に収容された下肢の膝の側面を押圧するように下方向から上方向に、前記ベルト手段上を移動するようになっている、請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、変形可能な材料で形成されており、
前記ベルト手段の表面には、前記ベルト手段の搬送方向に直交する方向に、複数の幅の狭い台座部材が、所定の間隔を隔てるように設けられており、
前記押圧部材が、前記ベルト手段の表面に、前記所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材上に設けられている、請求項1又は請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記押圧部材を2個備え、
前記2個の押圧部材が、前記ベルト手段に、対向配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記押圧部材が、その表面に、ベルト手段の搬送方向に沿うように凹所を備える、請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記押圧部材の、前記ベルト手段に対向する表面に、複数の幅の狭い台座部材が、前記ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられており、且つ、
前記押圧部材の、前記ベルト手段に対向する表面に、前記ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材に整列するように設けられている複数の幅の狭い台座部材の各々と、前記ベルト手段上に、所定の間隔を隔てるように設けられている、複数の幅の狭い台座部材の各々との間に、弾性部材が設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記下肢収容部内に加熱手段を備える、請求項1〜6のいずれかに記載のマッサージ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−167249(P2007−167249A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367241(P2005−367241)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(504162741)有限会社バイオテックハウス (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(504162741)有限会社バイオテックハウス (1)
【Fターム(参考)】
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