マッサージ装置
【課題】パラレルリンク機構式のマッサージ装置において、簡単な構成により、送りネジの変形や偏心を防止して施療子の安定動作を実現可能とする。
【解決手段】マッサージ装置1は、人体Mに当接してマッサージを施す左右の施療子2と、施療子2を動作させる駆動部3と、各駆動部3にそれぞれ係合して回転される送りネジ4と、各送りネジ4に螺合してその送りネジ4の長さ方向に沿って送られる送りナット5と、施療子2及び送りナット5に係合し、送りナット5の動きを施療子2に伝達して施療子2を上下、左右、および出退方向に移動可能とする結合機構と、を備え、送りネジ4を上下方向Zに配置すると共に、その下部に駆動部3を配置して成り、各送りネジ4の両端は、送りネジ4の偏心を調整する調心機構を有する軸受部6,7によって支持されている。調心機構が各送りねじの変形や送りナットとのこじれなどを抑制し、スムーズな施療子2の動きを実現する。
【解決手段】マッサージ装置1は、人体Mに当接してマッサージを施す左右の施療子2と、施療子2を動作させる駆動部3と、各駆動部3にそれぞれ係合して回転される送りネジ4と、各送りネジ4に螺合してその送りネジ4の長さ方向に沿って送られる送りナット5と、施療子2及び送りナット5に係合し、送りナット5の動きを施療子2に伝達して施療子2を上下、左右、および出退方向に移動可能とする結合機構と、を備え、送りネジ4を上下方向Zに配置すると共に、その下部に駆動部3を配置して成り、各送りネジ4の両端は、送りネジ4の偏心を調整する調心機構を有する軸受部6,7によって支持されている。調心機構が各送りねじの変形や送りナットとのこじれなどを抑制し、スムーズな施療子2の動きを実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラレルリンク機構式のマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体の背中に当接してマッサージを施す施療子を上下方向、左右幅方向、及び出退方向に駆動すると共に、施療子を含むエンジンと呼ばれる可動部そのものを上下に駆動する駆動モータを可動部に備えた椅子型のマッサージ装置がある。このようなマッサージ装置は、可動部がモータを含むので慣性が大きく、施療子の細かく微妙な動作や素早い動作が困難であり、また、可動部を内蔵する椅子の背もたれ部の薄型化、軽量化が困難である。
【0003】
ところで、リンク機構として知られるパラレルリンク機構とシリアルリンク機構のうち、パラレルリンク機構は、複数の駆動モータが協調して動作するリンク機構であり、シリアルリンク機構に比べ、高速、高精度、高剛性といった特性に優れ、大きな力を発揮できるリンク機構である。そこで、複数の駆動モータを椅子の座部下に配置し、パラレルリンク機構を用いて施療子を駆動することによりこれらの困難を解消し、可動部を軽量化して低慣性化と動作高速化を実現したマッサージ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述のパラレルリンク機構を用いるマッサージ装置は、アクチュエータ(駆動モータ)をすべて座部下に配置することにより、可動部(エンジン)が軽量化され、低慣性化、高速化が可能となる。また、上下方向、左右幅方向、及び出退方向などのいずれかの単軸方向について施療子の移動を実現するのに、複数のアクチュエータを同時に駆動させるので、個々のアクチュエータの負荷を軽減できる。
【特許文献1】特開2006−271496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示されるマッサージ装置においては、次のような改善の余地がある。すなわち、施療子の所望の施療動作を実現するには、各送りネジが協調してスムーズに動作する必要がある。そのためには、各送りネジの稼動中の変形や偏心を防止し、送りネジの軸受部にかかる負荷による軸受部の損傷を防止する必要がある。送りネジの変形や軸受部の損傷による劣化は、マッサージ装置の動作中の異音発生に繋がり、施療者に不快感を与えることになる。上述した特許文献1には、このような送りネジの安定動作について十分には明記されていない。
【0006】
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、送りネジの変形や偏心を防止して施療子の安定動作を実現できるパラレルリンク機構式のマッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、人体に当接してマッサージを施す左右一対の施療子と、前記施療子を動作させるための複数の回転する駆動部と、前記各駆動部にそれぞれ係合し、その駆動部によって回転される送りネジと、前記各送りネジに螺合して当該送りネジの回転に伴ってその送りネジの長さ方向に沿って送られる送りナットと、前記施療子及び前記送りナットに係合し、前記送りナットの動きを前記施療子に伝達して当該施療子を人体に対して上下方向、および出退方向に移動可能とする結合機構と、を備え、前記送りネジを上下方向に配置すると共に前記駆動部を前記送りネジの端部に配置して成るマッサージ装置であって、前記各送りネジの両端は、当該送りネジの偏心を調整する調心機構を有する軸受部によって支持されているものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のマッサージ装置において、前記施療子を人体に対して左右幅方向に移動させるための追加の駆動部、送りネジ、および送りナットをさらに備え、前記結合機構がこれらを用いて前記施療子の左右幅方向の移動を可能としたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のマッサージ装置において、前記送りナットは、当該送りナットに螺合した送りネジの長さ方向に沿って送られるように回転防止用の剛体で囲まれており、前記剛体の内部には、前記送りナットが出退方向に移動可能な空間が設けられているものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記駆動部は駆動力を伝達するためのベルトを有し、前記送りネジは前記ベルトを介して前記駆動部から駆動力を伝達され、前記送りネジは、前記ベルトから受ける偏心力を打ち消す抗力を発生する調心機構を備えているものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、各送りネジの両端が、送りネジの偏心を調整する調心機構を有する軸受部によって支持されているので、各送りねじの変形や送りナットとのコジ(こじれ、噛み付き)を調心機構によって抑制し、スムーズな上下方向や出退方向の施療子の動きによる所望のマッサージ動作を実現できる。また、送りネジと送りナットとを含む機構部の組立精度や部品精度の誤差を、軸受部の調心機構によって緩和できるので、軸受部への負荷を軽減でき、マッサージ動作中の異音を低減でき、施療子の安定動作を実現できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、施療子の上下方向および出退方向の移動に加えて、左右幅方向の移動が可能となるので、より施療効果の高いマッサージを実現できる。
【0013】
請求項3の発明によれば、回転防止用の剛体の内部に設けた送りナット移動可能空間によって、施療子にかかる負荷が送りナットにかからないようにできるので、送りナットを介して送りネジにかかる負荷を除くことができ、送りネジの変形や偏心を防止して施療子の安定動作を実現できる。
【0014】
請求項4の発明によれば、駆動力伝達用のベルトの張力(偏心力)を打ち消すので、ベルトの偏心力による送りネジの変形や偏心を防止して施療子の安定動作を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るマッサージ装置について、図面を参照して説明する。本明細書において、マッサージ装置とその各部の空間配置の説明のために、図中に示したXYZ直交座標系を参照する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1(a)(b)(c)、図2は第1の実施形態に係るマッサージ装置の駆動機構を示し、図3は同マッサージ装置の施療子部分を示し、図4、図5は同マッサージ装置の外観を示す。
【0017】
マッサージ装置1は、人体Mに当接してマッサージを施す左右一対の施療子2と、施療子2を動作させるための複数の回転する駆動部3と、各駆動部3にそれぞれ係合し、その駆動部3によって回転される送りネジ4と、各送りネジ4に螺合して送りネジ4の回転に伴ってその送りネジ4の長さ方向に沿って送られる送りナット5と、施療子2及び送りナット5に係合し、送りナット5の動きを施療子2に伝達して施療子2を人体Mに対して上下方向Z、左右幅方向Y、および出退方向Xに移動可能とする結合機構20(図4)と、を備えている。この結合機構は、いわゆるパラレルリンク機構式の結合機構である。
【0018】
そして、本マッサージ装置1は、送りネジ4を上下方向Zに配置すると共に、駆動部3を送りネジ4の端部(下部)に配置して成り、各送りネジ4の両端は、送りネジ4の偏心を調整する調心機構を有する軸受部6,7によって支持されている。以下において、マッサージ装置1の全体を説明した後、この軸受部6,7と、その効果を説明する。
【0019】
マッサージ装置1は、椅子型であり、送りネジ4は、椅子の背もたれ部1aの内部に上下方向Zに沿って配置され、各駆動部3は送りネジ4の端部である下方の座部1b内に配置されている。また、座部1bの内部には、背もたれ部1aをリクライニングさせるための駆動機構や、各駆動部や駆動機構を制御するための制御部10が内蔵されており、椅子の肘掛部には被施療者が操作する操作部11が設けられている。
【0020】
制御部10は、例えば、マイクロコンピュータや、半導体メモリ、及びこれらのハードウエア上で動作するソフトウエアなどを用いて構成される。制御部10は、駆動部3の電力供給制御等を行うほか、例えば、操作部11からの入力信号に基づいてマッサージ動作のメニューを実行する中央制御部としての制御を行う。
【0021】
なお、施療子2の動作方向のうち、前後方向Xと左右幅方向Yは、椅子に座った被施療者(人体M)が認識する前後左右であり、出退方向は前後方向Xであって、施療子2が人体Mの背中を押す方向である。
【0022】
次に、マッサージ装置1のパラレルリンク機構式の結合機構20の構造(図1(a)、図2に示される構造)を説明する。マッサージ装置1の機械的な構造は、ガイド枠81等から成る固定部と、駆動部3等を備えて成る駆動機構部と、昇降背板8と共に上下動する可動部の3つの部分に大別される。これらの機械的な構造物は、椅子型マッサージ装置1の背もたれ部から座部にかけての内部に実装されている。
【0023】
固定部は、左右の上下方向に配置されたガイド枠81、左右のガイド枠81に橋渡しされてこれらを固定する上部の固定背板82、及び下部の固定台83等から成る。ガイド枠81は、左右の互いに対向する側に、後述の車輪80aを上下方向にガイドする溝が形成されている。
【0024】
駆動機構部は、下部の固定台83に固定した台板35上に配置された第1、第2、第3の駆動部31,32,33(総称して、駆動部3)、上下方向に配置され、各対応する駆動部3によって回転駆動される第1、第2、第3の送りネジ41,42,43(総称して、送りネジ4)、送りネジ4を上下で保持する上軸受部6、下軸受部7、及び駆動部3の動力を送りネジ4に伝達する動力伝達部等から成る。動力伝達部は、例えば、プーリ12,13とタイミングベルト、または歯車などで構成され、台板35に設けられている。駆動部3は、通常、電動モータによって構成されるので、以下において、駆動部3は電動モータから成るとして説明する。
【0025】
可動部は、左右一対の施療子2を備えて施療子2の移動と施療子2によるマッサージ動作を行うところであってマッサージ装置1の中心的な部分であり、通常、エンジンと呼ばれる部分である。可動部は、上背板84、下背板85、第1、第2、第3の送りナット51,52,53(総称して、送りナット5)、施療子2などを備えている。可動部の全体は、後述するように、送りネジ4と左右のガイド枠81に沿って上下動する。
【0026】
上背板84は、第1の送りネジ41に螺合した第1の送りナット51と、背板84に固定した中央支柱84b及び背板84の左右側板により軸受支持された偏心軸24と、偏心軸24を回転駆動する駆動モータ34と、背板84の左右両端に設けられてガイド枠81のガイド溝に納まって上下動する車輪80aと、を備えている。背板84は、送りナット51を介して送りネジ41によって、また、車輪80aを介して左右のガイド枠81によって、その動きが上下方向に束縛されている。
【0027】
下背板85は、第3の送りネジ43に螺合した第3の送りナット53と、背板85の左右側板によって軸受支持された摺動軸25と、背板85の左右両端に設けられてガイド枠81のガイド溝に納まって上下動する車輪80aと、を備えている。背板85は、送りナット53を介して送りネジ43によって、また、車輪80aを介して左右のガイド枠81によって、その動きが上下方向に束縛されている。
【0028】
可動部の残りの部分は、第2の送りナット52と施療子2、及びこれらに附属した部分である。第2の送りナット52は、第2の送りネジ42に螺合して、上背板84と下背板85の間に配置されている。また、送りナット52は、送りネジ42と、上下方向に配置された摺動軸84aによって、その動きが上下方向に束縛されている。摺動軸84aの上端は、上述の上背板84に固定された中央支柱84bによって固定されている。また、摺動軸84aの下端部は、下背板85に固定された支持板85bによって支持された軸支材85aによって上下方向に摺動可能に軸支されている。
【0029】
第2の送りナット52の左右には、施療子2を左右幅方向に移動させるための腕木(リンク23)が左右下方に広がって設けられている。施療子2とこれに附属した部分、及びリンク23について、以下に述べる。
【0030】
施療子2は、左右にそれぞれ2個づつあり、2個の施療子2がV字形の連結部材2aによって保持されている。施療子2を支持するリンク機構は、連結部材2aのV字の谷部に連結されたリンク21,22からなる。
【0031】
上述のリンク21の他端を軸支する回転軸27は、摺動軸25にその軸方向に沿って摺動自在に設けられた左右一対の摺動部材26に固定されている。また、上述のリンク22を軸支する連結部22aは、例えば、球対偶や、回転支持部を備えたスラスト軸受などによって構成され、偏心軸24回りに回転可能、かつ、偏心軸24の軸方向に沿って摺動自在と成っている。このように、施療子2を支持するリンク21,22の他端が、それぞれ、回転軸27及び摺動部材26と、連結部22aと、を介して左右方向に摺動自在と成っている。従って、左右の施療子2間の距離が変更可能である。
【0032】
ここで、偏心軸24について説明する。偏心軸24は左右で軸心が互いに平行に偏心した偏心軸24a,24bから成っている。偏心軸24は、偏心軸24a,24bの各軸心の中間に設けられた軸心の回りに回転される。偏心軸24の回転によって、連結部22a、従ってリンク22の端部は円運動する。左右の連結部22aの円運動は、互いに位相が180度ずれた運動となる。この円運動によって、施療子2が左右で交互に人体Mに対して行う肩叩き運動が実現される。なお、偏心軸24の回転は、上背板84と共に上下動する上述の駆動モータ34によって行われる。
【0033】
上述の左右の摺動部材26は、それぞれ第2の送りネジ42の左右に、リンク23を介して連結されている。各連結部は、回り対偶によって固定されている。従って、送りナット52と摺動軸25との間隔が狭まると、左右の摺動部材26が互いに離れ、間隔が開くと、左右の摺動部材26が互いに接近する。摺動部材26の動きに伴って、施療子2の動きが生じる。
【0034】
(調心機構を有する軸受部)
軸受部6,7を、図1(a)(b)(c)を参照して説明する。上部軸受部6は、図1(b)に示すように、L字プレート61と、弾性体シート62と、ベアリング63と、弾性体ブロック64と、上部ベアリングホルダ65とを、この順番に重ねるように備えて構成されている。
【0035】
L字プレート61は金属製、または硬質のプラスチック製であり、上部軸受部6の全体を上部の固定背板82に固定する。ベアリング63は、3本の送りネジ4(41,42,43)に対応して、3個設けられている。
【0036】
弾性体シート62および弾性体ブロック64は、例えば、ゴムで構成され、ベアリング63を弾性的に保持し、ベアリング63をL字プレート61と上部ベアリングホルダ65との間に固定する。
【0037】
上部ベアリングホルダ65は金属、硬質のプラスチック、樹脂含浸木材等で構成される。上部ベアリングホルダ65は、上述のように、弾性体シート62、ベアリング63、および弾性体ブロック64を、L字プレート61との間に固定する。
【0038】
上述のように構成された上部軸受部6は、弾性体シート62および弾性体ブロック64による調心機能によって、送りネジ4の偏心を調整することができる。送りネジ4の偏心は、例えば、送りネジ4の組立精度の誤差によって発生する。また、送りネジ4の偏心は、例えば、マッサージ装置1の動作時における被施療者からの施療子2を介して送りナット5にかかる負荷によって発生する。この場合、施療子2への負荷が送りナット5を傾けるので、送りネジ4と送りナット5との軸心が互いに偏心したり傾いたりする。
【0039】
上述のような偏心が発生した場合に、弾性体シート62および弾性体ブロック64が弾性変形して偏心を吸収するので、送りナット5と送りネジ4とが互いに倣うことが可能となる。すなわち、上部軸受部6によって、送りネジ4の偏心が調整される。
【0040】
次に、下部軸受部7を説明する。下部軸受部7は、図1(c)に示すように、下部ベアリングホルダ71と、弾性体シート72と、ベアリング73と、弾性体ブロック74とを備えて、この順番に重ねるように台板35に固定して構成されている。
【0041】
下部ベアリングホルダ71は、金属、硬質のプラスチック、樹脂含浸木材等で構成される。下部ベアリングホルダ71は、弾性体シート62、ベアリング63、および弾性体ブロック64を、台板35に固定する。ベアリング73は、3本の送りネジ4(41,42,43)に対応して、3個設けられている。
【0042】
弾性体シート72および弾性体ブロック74は、例えば、ゴムで構成され、ベアリング73を弾性的に保持し、ベアリング73を下部ベアリングホルダ71と台板35との間に固定する。
【0043】
上述のように構成された下部軸受部7は、上部軸受部6と同様に、弾性体シート72および弾性体ブロック74による調心機能によって、送りネジ4の偏心を調整することができる。すなわち、上述したように送りネジ4の偏心が発生した場合に、弾性体シート72および弾性体ブロック74が弾性変形して偏心を吸収するので、送りナット5と送りネジ4とが互いに倣うことが可能となるので、下部軸受部7によって、送りネジ4の偏心が調整される。
【0044】
上述のように調心機構を有する上下の軸受部6,7を備えたマッサージ装置1によれば、各送りネジ4の両端が、軸受部6,7によって支持されているので、各送りねじ4の変形や送りナットとのコジ(こじれ、噛み付き)を軸受部6,7の調心機能によって抑制し、スムーズな施療子2の動きによる所望のマッサージ動作を実現できる。また、送りネジ4と送りナット5とを含む機構部の組立精度や部品精度の誤差を、軸受部6,7の調心機構によって緩和できるので、軸受部6,7への負荷を軽減でき、マッサージ動作中の異音を低減でき、施療子2の安定動作を実現できる。
【0045】
(第2の実施形態)
図6(a)(b)(c)、図7(a)(b)は第2の実施形態に係るマッサージ装置の送りナット部分を示す。本実施形態のマッサージ装置1は、第1の実施形態におけるマッサージ装置1において、送りナット5が、送りネジ4にかける負荷を軽減する構造とされているものである。他の点については、第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。また、図1(a)を適宜参照する。
【0046】
本実施形態の送りナット5は、送りナット本体5aと、送りナット本体5aを囲む剛体50とで構成されている。送りナット本体5aは、送りネジ4に螺合して送りネジ4の長さ方向に沿って送られる。
【0047】
剛体50は、剛体50の内部に設けられた送りナット本体5aが回転することなく送りネジ4の長さ方向に沿って送られるように、送りナット本体5aの回転を防止して保持する。この剛体50には、送りナット本体5aが出退方向Xに沿って移動可能なように、移動用空間が設けられている。移動空間は、図6(b)、図7(a)にΔxとして示されている。
【0048】
上述のような移動空間が剛体50に設けられていることから、図6(b)、図7(a)に示すように、被施療者からの負荷F1が、施療子2を介して回転防止用の剛体50に作用する際に、負荷F1が送りナット本体5aにまで作用することを回避、または作用を軽減できる。すなわち、負荷F1の作用に対し、剛体50と送りナット本体5aとが移動空間Δxを利用して互いに相対移動するので(移動空間Δxが狭くなる)、負荷F1から送りナット本体5aへの作用の回避または軽減ができる。
【0049】
負荷を受ける構造について説明する。マッサージ装置1において、図7(a)(b)に示すように、剛体50および上背板84が、出退方向Xの後方側に押され、車輪80aが、ガイド枠81に接触することにより、ガイド枠81によって負荷を受ける構造とされている。施療子2に負荷が加えられる場合、ナットケースとしての剛体50内に送りナット本体5aの可動領域があるので、送りネジ4と送りナット本体5aとの位置関係が一定範囲に保たれ、送りナット本体5aが送りネジ4に与える負荷を軽減できる。
【0050】
本実施形態のマッサージ装置1によれば、回転防止用の剛体50の内部に設けた送りナット移動可能空間によって、施療子2にかかる負荷が送りナット本体5aにかからないようにできるので、送りナット5を介して送りネジ4にかかる負荷を除くことができ、送りネジ4の変形や偏心を防止して施療子2の安定動作を実現できる。
【0051】
(第3の実施形態)
図8は第3の実施形態に係るマッサージ装置における送りネジへの駆動力伝達部を示す。本実施形態のマッサージ装置1は、第1または第2の実施形態におけるマッサージ装置1において、駆動部3が駆動力を伝達するためのベルト14を有し、送りネジ4がベルト14を介して駆動部3から駆動力を伝達され、送りネジ4がベルト14から受ける偏心力を打ち消す抗力を発生する調心機構9を備えているものである。他の点については、第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。また、図1(a)を適宜参照する。
【0052】
ここで、駆動力伝達部を説明する。マッサージ装置1は、一般に行われているように、送りネジ4の必要トルクを確保した上で、安価に静音駆動させるために、駆動部3と送りネジ4とをベルト14を介して係合している。ベルト駆動の場合、ベルト14の滑りを防ぐには、ベルト14に張力をかける必要がある。その結果、送りネジ4と駆動部3との間に張力G1が発生し、その張力G1が送りネジ4を変形させる要因となる。そこで、本実施形態のマッサージ装置1は、駆動力伝達用のベルト14の張力G1(偏心力)を打ち消すための調心機構9を備えている。
【0053】
調心機構9を説明する。マッサージ装置1の送りネジ4の端部は、下部軸受部7のベアリング73によって台板35に固定されており、駆動部3は、送りネジ4と同様に、台板35に固定されている。調心機構9は、台板35に送りネジ4と平行に固定された調心軸15と、調心軸15に設けられたプーリ16と、送りネジ4の下端部4aに設けられたプーリ17と、プーリ16,17に掛けられたベルト18と、を備えて構成されている。
【0054】
上述の構成の調心機構9は、ベルト14によって発生する張力G1を、調心軸15にかけたベルト18からの張力G2によって打ち消すことができる。このように、送りネジ4にかかる駆動力伝達用のベルト14からの張力G1を打ち消すので、ベルトの偏心力による送りネジ4の変形や偏心を防止して施療子2の安定動作を実現できる。
【0055】
(第4の実施形態)
図9は第4の実施形態に係るマッサージ装置における送りネジ部分への駆動力伝達部を示す。本実施形態のマッサージ装置1は、上述の第3の実施形態の変形例を示すものである。本実施形態のマッサージ装置1は、上述の第3の実施形態におけるベルト18を用いる調心機構9に代えて、送りネジ4の下端部4aに設けられたベアリング19と、ベアリング19を台板35に対して固定する保持板36と、によって構成された調心機構9を備えている。
【0056】
本実施形態の調心機構9においても、ベアリング19と保持板36とによって、駆動力伝達用のベルト14からの張力G1を打ち消すことができるので、ベルトの偏心力による送りネジ4の変形や偏心を防止して施療子2の安定動作を実現できる。
【0057】
(第5の実施形態)
図10(a)(b)(c)、図11は第5の実施形態に係るマッサージ装置の駆動機構を示す。本実施形態のマッサージ装置は、第1乃至第4の実施形態のマッサージ装置1において、施療子2の左右幅方向の移動を行わない構造のものであり、その他の点については、上述の各実施形態と同様である。
【0058】
従って、このマッサージ装置1は、第1の実施形態のマッサージ機1における第2の駆動部32、第2の送りネジ42、第2の送りナット52、施療子2を左右幅方向に移動させるためのリンク23、リンク23と摺動部材26とを連結する回転軸27などを、備えていない。摺動部材26は、回転軸27の機能を有する。本マッサージ装置1は、上述のものと比べて、装置構成が簡略化されるので、安価で簡便なマッサージ装置となる。
【0059】
なお、施療子2の左右方向の間隔は、偏心軸24と摺動軸25とに沿って、リンク22を軸支する連結部22aとリンク21の他端を軸支する摺動部材26とを手動で動作可能とすることにより、被施療者の人体の肩幅に応じて調整でき、簡便で使い勝手の良いマッサージ装置となる。
【0060】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、第1の実施形態におけるベアリング63,73は、調心性を有したベアリングとすることができる。調心性ベアリングとして、例えば、円錐ころを用いた自動調心ころ軸受が知られており、このようなベアリングを用いることができる。また、単列深溝球軸受の構造を有して球軸受けの軸受箱と軸受との形状はめ合い面で自動調心を行うような自動調心ベアリングを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係るマッサージ装置の施療子を駆動する駆動機構の斜視図、(b)は同駆動機構における上部軸受部の分解斜視図、(c)は同駆動機構における下部軸受部の分解斜視図。
【図2】同上マッサージ装置の駆動機構の正面図。
【図3】同上マッサージ装置の施療子部分の斜視図。
【図4】同上マッサージ装置の外観斜視図。
【図5】同上マッサージ装置の一部内部を示す外観側面図。
【図6】(a)は第2の実施形態に係るマッサージ装置の送りナット部分の分解斜視図、(b)は施療子への負荷のない状態での同送りナット部分の斜視図、(c)は施療子への負荷がある状態での同送りナット部分の斜視図。
【図7】(a)は図6(b)の状態での施療子と送りナット部分の一部断面平面図、(b)は図6(c)の状態での施療子と送りナット部分の一部断面平面図。
【図8】第3の実施形態に係るマッサージ装置の送りネジ部分への駆動力伝達部分の断面図。
【図9】第4の実施形態に係るマッサージ装置の送りネジ部分への駆動力伝達部分の断面図。
【図10】(a)は本発明の第5の実施形態に係るマッサージ装置の施療子を駆動する駆動機構の斜視図、(b)は同駆動機構における上部軸受部の分解斜視図、(c)は同駆動機構における下部軸受部の分解斜視図。
【図11】同上マッサージ装置の駆動機構の正面図。
【符号の説明】
【0062】
1 マッサージ装置
14 ベルト
2 施療子
20 結合機構
3,31,32,33 駆動部(駆動モータ)
4,41,42,43 送りネジ
5,51,52,53 送りナット
50 剛体
5a 送りナット本体
6,7 軸受部
9 調心機構
G1 偏心力
G2 抗力
M 人体
X 出退方向
Y 左右幅方向
Z 上下方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラレルリンク機構式のマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体の背中に当接してマッサージを施す施療子を上下方向、左右幅方向、及び出退方向に駆動すると共に、施療子を含むエンジンと呼ばれる可動部そのものを上下に駆動する駆動モータを可動部に備えた椅子型のマッサージ装置がある。このようなマッサージ装置は、可動部がモータを含むので慣性が大きく、施療子の細かく微妙な動作や素早い動作が困難であり、また、可動部を内蔵する椅子の背もたれ部の薄型化、軽量化が困難である。
【0003】
ところで、リンク機構として知られるパラレルリンク機構とシリアルリンク機構のうち、パラレルリンク機構は、複数の駆動モータが協調して動作するリンク機構であり、シリアルリンク機構に比べ、高速、高精度、高剛性といった特性に優れ、大きな力を発揮できるリンク機構である。そこで、複数の駆動モータを椅子の座部下に配置し、パラレルリンク機構を用いて施療子を駆動することによりこれらの困難を解消し、可動部を軽量化して低慣性化と動作高速化を実現したマッサージ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述のパラレルリンク機構を用いるマッサージ装置は、アクチュエータ(駆動モータ)をすべて座部下に配置することにより、可動部(エンジン)が軽量化され、低慣性化、高速化が可能となる。また、上下方向、左右幅方向、及び出退方向などのいずれかの単軸方向について施療子の移動を実現するのに、複数のアクチュエータを同時に駆動させるので、個々のアクチュエータの負荷を軽減できる。
【特許文献1】特開2006−271496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示されるマッサージ装置においては、次のような改善の余地がある。すなわち、施療子の所望の施療動作を実現するには、各送りネジが協調してスムーズに動作する必要がある。そのためには、各送りネジの稼動中の変形や偏心を防止し、送りネジの軸受部にかかる負荷による軸受部の損傷を防止する必要がある。送りネジの変形や軸受部の損傷による劣化は、マッサージ装置の動作中の異音発生に繋がり、施療者に不快感を与えることになる。上述した特許文献1には、このような送りネジの安定動作について十分には明記されていない。
【0006】
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、送りネジの変形や偏心を防止して施療子の安定動作を実現できるパラレルリンク機構式のマッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、人体に当接してマッサージを施す左右一対の施療子と、前記施療子を動作させるための複数の回転する駆動部と、前記各駆動部にそれぞれ係合し、その駆動部によって回転される送りネジと、前記各送りネジに螺合して当該送りネジの回転に伴ってその送りネジの長さ方向に沿って送られる送りナットと、前記施療子及び前記送りナットに係合し、前記送りナットの動きを前記施療子に伝達して当該施療子を人体に対して上下方向、および出退方向に移動可能とする結合機構と、を備え、前記送りネジを上下方向に配置すると共に前記駆動部を前記送りネジの端部に配置して成るマッサージ装置であって、前記各送りネジの両端は、当該送りネジの偏心を調整する調心機構を有する軸受部によって支持されているものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のマッサージ装置において、前記施療子を人体に対して左右幅方向に移動させるための追加の駆動部、送りネジ、および送りナットをさらに備え、前記結合機構がこれらを用いて前記施療子の左右幅方向の移動を可能としたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のマッサージ装置において、前記送りナットは、当該送りナットに螺合した送りネジの長さ方向に沿って送られるように回転防止用の剛体で囲まれており、前記剛体の内部には、前記送りナットが出退方向に移動可能な空間が設けられているものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記駆動部は駆動力を伝達するためのベルトを有し、前記送りネジは前記ベルトを介して前記駆動部から駆動力を伝達され、前記送りネジは、前記ベルトから受ける偏心力を打ち消す抗力を発生する調心機構を備えているものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、各送りネジの両端が、送りネジの偏心を調整する調心機構を有する軸受部によって支持されているので、各送りねじの変形や送りナットとのコジ(こじれ、噛み付き)を調心機構によって抑制し、スムーズな上下方向や出退方向の施療子の動きによる所望のマッサージ動作を実現できる。また、送りネジと送りナットとを含む機構部の組立精度や部品精度の誤差を、軸受部の調心機構によって緩和できるので、軸受部への負荷を軽減でき、マッサージ動作中の異音を低減でき、施療子の安定動作を実現できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、施療子の上下方向および出退方向の移動に加えて、左右幅方向の移動が可能となるので、より施療効果の高いマッサージを実現できる。
【0013】
請求項3の発明によれば、回転防止用の剛体の内部に設けた送りナット移動可能空間によって、施療子にかかる負荷が送りナットにかからないようにできるので、送りナットを介して送りネジにかかる負荷を除くことができ、送りネジの変形や偏心を防止して施療子の安定動作を実現できる。
【0014】
請求項4の発明によれば、駆動力伝達用のベルトの張力(偏心力)を打ち消すので、ベルトの偏心力による送りネジの変形や偏心を防止して施療子の安定動作を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るマッサージ装置について、図面を参照して説明する。本明細書において、マッサージ装置とその各部の空間配置の説明のために、図中に示したXYZ直交座標系を参照する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1(a)(b)(c)、図2は第1の実施形態に係るマッサージ装置の駆動機構を示し、図3は同マッサージ装置の施療子部分を示し、図4、図5は同マッサージ装置の外観を示す。
【0017】
マッサージ装置1は、人体Mに当接してマッサージを施す左右一対の施療子2と、施療子2を動作させるための複数の回転する駆動部3と、各駆動部3にそれぞれ係合し、その駆動部3によって回転される送りネジ4と、各送りネジ4に螺合して送りネジ4の回転に伴ってその送りネジ4の長さ方向に沿って送られる送りナット5と、施療子2及び送りナット5に係合し、送りナット5の動きを施療子2に伝達して施療子2を人体Mに対して上下方向Z、左右幅方向Y、および出退方向Xに移動可能とする結合機構20(図4)と、を備えている。この結合機構は、いわゆるパラレルリンク機構式の結合機構である。
【0018】
そして、本マッサージ装置1は、送りネジ4を上下方向Zに配置すると共に、駆動部3を送りネジ4の端部(下部)に配置して成り、各送りネジ4の両端は、送りネジ4の偏心を調整する調心機構を有する軸受部6,7によって支持されている。以下において、マッサージ装置1の全体を説明した後、この軸受部6,7と、その効果を説明する。
【0019】
マッサージ装置1は、椅子型であり、送りネジ4は、椅子の背もたれ部1aの内部に上下方向Zに沿って配置され、各駆動部3は送りネジ4の端部である下方の座部1b内に配置されている。また、座部1bの内部には、背もたれ部1aをリクライニングさせるための駆動機構や、各駆動部や駆動機構を制御するための制御部10が内蔵されており、椅子の肘掛部には被施療者が操作する操作部11が設けられている。
【0020】
制御部10は、例えば、マイクロコンピュータや、半導体メモリ、及びこれらのハードウエア上で動作するソフトウエアなどを用いて構成される。制御部10は、駆動部3の電力供給制御等を行うほか、例えば、操作部11からの入力信号に基づいてマッサージ動作のメニューを実行する中央制御部としての制御を行う。
【0021】
なお、施療子2の動作方向のうち、前後方向Xと左右幅方向Yは、椅子に座った被施療者(人体M)が認識する前後左右であり、出退方向は前後方向Xであって、施療子2が人体Mの背中を押す方向である。
【0022】
次に、マッサージ装置1のパラレルリンク機構式の結合機構20の構造(図1(a)、図2に示される構造)を説明する。マッサージ装置1の機械的な構造は、ガイド枠81等から成る固定部と、駆動部3等を備えて成る駆動機構部と、昇降背板8と共に上下動する可動部の3つの部分に大別される。これらの機械的な構造物は、椅子型マッサージ装置1の背もたれ部から座部にかけての内部に実装されている。
【0023】
固定部は、左右の上下方向に配置されたガイド枠81、左右のガイド枠81に橋渡しされてこれらを固定する上部の固定背板82、及び下部の固定台83等から成る。ガイド枠81は、左右の互いに対向する側に、後述の車輪80aを上下方向にガイドする溝が形成されている。
【0024】
駆動機構部は、下部の固定台83に固定した台板35上に配置された第1、第2、第3の駆動部31,32,33(総称して、駆動部3)、上下方向に配置され、各対応する駆動部3によって回転駆動される第1、第2、第3の送りネジ41,42,43(総称して、送りネジ4)、送りネジ4を上下で保持する上軸受部6、下軸受部7、及び駆動部3の動力を送りネジ4に伝達する動力伝達部等から成る。動力伝達部は、例えば、プーリ12,13とタイミングベルト、または歯車などで構成され、台板35に設けられている。駆動部3は、通常、電動モータによって構成されるので、以下において、駆動部3は電動モータから成るとして説明する。
【0025】
可動部は、左右一対の施療子2を備えて施療子2の移動と施療子2によるマッサージ動作を行うところであってマッサージ装置1の中心的な部分であり、通常、エンジンと呼ばれる部分である。可動部は、上背板84、下背板85、第1、第2、第3の送りナット51,52,53(総称して、送りナット5)、施療子2などを備えている。可動部の全体は、後述するように、送りネジ4と左右のガイド枠81に沿って上下動する。
【0026】
上背板84は、第1の送りネジ41に螺合した第1の送りナット51と、背板84に固定した中央支柱84b及び背板84の左右側板により軸受支持された偏心軸24と、偏心軸24を回転駆動する駆動モータ34と、背板84の左右両端に設けられてガイド枠81のガイド溝に納まって上下動する車輪80aと、を備えている。背板84は、送りナット51を介して送りネジ41によって、また、車輪80aを介して左右のガイド枠81によって、その動きが上下方向に束縛されている。
【0027】
下背板85は、第3の送りネジ43に螺合した第3の送りナット53と、背板85の左右側板によって軸受支持された摺動軸25と、背板85の左右両端に設けられてガイド枠81のガイド溝に納まって上下動する車輪80aと、を備えている。背板85は、送りナット53を介して送りネジ43によって、また、車輪80aを介して左右のガイド枠81によって、その動きが上下方向に束縛されている。
【0028】
可動部の残りの部分は、第2の送りナット52と施療子2、及びこれらに附属した部分である。第2の送りナット52は、第2の送りネジ42に螺合して、上背板84と下背板85の間に配置されている。また、送りナット52は、送りネジ42と、上下方向に配置された摺動軸84aによって、その動きが上下方向に束縛されている。摺動軸84aの上端は、上述の上背板84に固定された中央支柱84bによって固定されている。また、摺動軸84aの下端部は、下背板85に固定された支持板85bによって支持された軸支材85aによって上下方向に摺動可能に軸支されている。
【0029】
第2の送りナット52の左右には、施療子2を左右幅方向に移動させるための腕木(リンク23)が左右下方に広がって設けられている。施療子2とこれに附属した部分、及びリンク23について、以下に述べる。
【0030】
施療子2は、左右にそれぞれ2個づつあり、2個の施療子2がV字形の連結部材2aによって保持されている。施療子2を支持するリンク機構は、連結部材2aのV字の谷部に連結されたリンク21,22からなる。
【0031】
上述のリンク21の他端を軸支する回転軸27は、摺動軸25にその軸方向に沿って摺動自在に設けられた左右一対の摺動部材26に固定されている。また、上述のリンク22を軸支する連結部22aは、例えば、球対偶や、回転支持部を備えたスラスト軸受などによって構成され、偏心軸24回りに回転可能、かつ、偏心軸24の軸方向に沿って摺動自在と成っている。このように、施療子2を支持するリンク21,22の他端が、それぞれ、回転軸27及び摺動部材26と、連結部22aと、を介して左右方向に摺動自在と成っている。従って、左右の施療子2間の距離が変更可能である。
【0032】
ここで、偏心軸24について説明する。偏心軸24は左右で軸心が互いに平行に偏心した偏心軸24a,24bから成っている。偏心軸24は、偏心軸24a,24bの各軸心の中間に設けられた軸心の回りに回転される。偏心軸24の回転によって、連結部22a、従ってリンク22の端部は円運動する。左右の連結部22aの円運動は、互いに位相が180度ずれた運動となる。この円運動によって、施療子2が左右で交互に人体Mに対して行う肩叩き運動が実現される。なお、偏心軸24の回転は、上背板84と共に上下動する上述の駆動モータ34によって行われる。
【0033】
上述の左右の摺動部材26は、それぞれ第2の送りネジ42の左右に、リンク23を介して連結されている。各連結部は、回り対偶によって固定されている。従って、送りナット52と摺動軸25との間隔が狭まると、左右の摺動部材26が互いに離れ、間隔が開くと、左右の摺動部材26が互いに接近する。摺動部材26の動きに伴って、施療子2の動きが生じる。
【0034】
(調心機構を有する軸受部)
軸受部6,7を、図1(a)(b)(c)を参照して説明する。上部軸受部6は、図1(b)に示すように、L字プレート61と、弾性体シート62と、ベアリング63と、弾性体ブロック64と、上部ベアリングホルダ65とを、この順番に重ねるように備えて構成されている。
【0035】
L字プレート61は金属製、または硬質のプラスチック製であり、上部軸受部6の全体を上部の固定背板82に固定する。ベアリング63は、3本の送りネジ4(41,42,43)に対応して、3個設けられている。
【0036】
弾性体シート62および弾性体ブロック64は、例えば、ゴムで構成され、ベアリング63を弾性的に保持し、ベアリング63をL字プレート61と上部ベアリングホルダ65との間に固定する。
【0037】
上部ベアリングホルダ65は金属、硬質のプラスチック、樹脂含浸木材等で構成される。上部ベアリングホルダ65は、上述のように、弾性体シート62、ベアリング63、および弾性体ブロック64を、L字プレート61との間に固定する。
【0038】
上述のように構成された上部軸受部6は、弾性体シート62および弾性体ブロック64による調心機能によって、送りネジ4の偏心を調整することができる。送りネジ4の偏心は、例えば、送りネジ4の組立精度の誤差によって発生する。また、送りネジ4の偏心は、例えば、マッサージ装置1の動作時における被施療者からの施療子2を介して送りナット5にかかる負荷によって発生する。この場合、施療子2への負荷が送りナット5を傾けるので、送りネジ4と送りナット5との軸心が互いに偏心したり傾いたりする。
【0039】
上述のような偏心が発生した場合に、弾性体シート62および弾性体ブロック64が弾性変形して偏心を吸収するので、送りナット5と送りネジ4とが互いに倣うことが可能となる。すなわち、上部軸受部6によって、送りネジ4の偏心が調整される。
【0040】
次に、下部軸受部7を説明する。下部軸受部7は、図1(c)に示すように、下部ベアリングホルダ71と、弾性体シート72と、ベアリング73と、弾性体ブロック74とを備えて、この順番に重ねるように台板35に固定して構成されている。
【0041】
下部ベアリングホルダ71は、金属、硬質のプラスチック、樹脂含浸木材等で構成される。下部ベアリングホルダ71は、弾性体シート62、ベアリング63、および弾性体ブロック64を、台板35に固定する。ベアリング73は、3本の送りネジ4(41,42,43)に対応して、3個設けられている。
【0042】
弾性体シート72および弾性体ブロック74は、例えば、ゴムで構成され、ベアリング73を弾性的に保持し、ベアリング73を下部ベアリングホルダ71と台板35との間に固定する。
【0043】
上述のように構成された下部軸受部7は、上部軸受部6と同様に、弾性体シート72および弾性体ブロック74による調心機能によって、送りネジ4の偏心を調整することができる。すなわち、上述したように送りネジ4の偏心が発生した場合に、弾性体シート72および弾性体ブロック74が弾性変形して偏心を吸収するので、送りナット5と送りネジ4とが互いに倣うことが可能となるので、下部軸受部7によって、送りネジ4の偏心が調整される。
【0044】
上述のように調心機構を有する上下の軸受部6,7を備えたマッサージ装置1によれば、各送りネジ4の両端が、軸受部6,7によって支持されているので、各送りねじ4の変形や送りナットとのコジ(こじれ、噛み付き)を軸受部6,7の調心機能によって抑制し、スムーズな施療子2の動きによる所望のマッサージ動作を実現できる。また、送りネジ4と送りナット5とを含む機構部の組立精度や部品精度の誤差を、軸受部6,7の調心機構によって緩和できるので、軸受部6,7への負荷を軽減でき、マッサージ動作中の異音を低減でき、施療子2の安定動作を実現できる。
【0045】
(第2の実施形態)
図6(a)(b)(c)、図7(a)(b)は第2の実施形態に係るマッサージ装置の送りナット部分を示す。本実施形態のマッサージ装置1は、第1の実施形態におけるマッサージ装置1において、送りナット5が、送りネジ4にかける負荷を軽減する構造とされているものである。他の点については、第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。また、図1(a)を適宜参照する。
【0046】
本実施形態の送りナット5は、送りナット本体5aと、送りナット本体5aを囲む剛体50とで構成されている。送りナット本体5aは、送りネジ4に螺合して送りネジ4の長さ方向に沿って送られる。
【0047】
剛体50は、剛体50の内部に設けられた送りナット本体5aが回転することなく送りネジ4の長さ方向に沿って送られるように、送りナット本体5aの回転を防止して保持する。この剛体50には、送りナット本体5aが出退方向Xに沿って移動可能なように、移動用空間が設けられている。移動空間は、図6(b)、図7(a)にΔxとして示されている。
【0048】
上述のような移動空間が剛体50に設けられていることから、図6(b)、図7(a)に示すように、被施療者からの負荷F1が、施療子2を介して回転防止用の剛体50に作用する際に、負荷F1が送りナット本体5aにまで作用することを回避、または作用を軽減できる。すなわち、負荷F1の作用に対し、剛体50と送りナット本体5aとが移動空間Δxを利用して互いに相対移動するので(移動空間Δxが狭くなる)、負荷F1から送りナット本体5aへの作用の回避または軽減ができる。
【0049】
負荷を受ける構造について説明する。マッサージ装置1において、図7(a)(b)に示すように、剛体50および上背板84が、出退方向Xの後方側に押され、車輪80aが、ガイド枠81に接触することにより、ガイド枠81によって負荷を受ける構造とされている。施療子2に負荷が加えられる場合、ナットケースとしての剛体50内に送りナット本体5aの可動領域があるので、送りネジ4と送りナット本体5aとの位置関係が一定範囲に保たれ、送りナット本体5aが送りネジ4に与える負荷を軽減できる。
【0050】
本実施形態のマッサージ装置1によれば、回転防止用の剛体50の内部に設けた送りナット移動可能空間によって、施療子2にかかる負荷が送りナット本体5aにかからないようにできるので、送りナット5を介して送りネジ4にかかる負荷を除くことができ、送りネジ4の変形や偏心を防止して施療子2の安定動作を実現できる。
【0051】
(第3の実施形態)
図8は第3の実施形態に係るマッサージ装置における送りネジへの駆動力伝達部を示す。本実施形態のマッサージ装置1は、第1または第2の実施形態におけるマッサージ装置1において、駆動部3が駆動力を伝達するためのベルト14を有し、送りネジ4がベルト14を介して駆動部3から駆動力を伝達され、送りネジ4がベルト14から受ける偏心力を打ち消す抗力を発生する調心機構9を備えているものである。他の点については、第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。また、図1(a)を適宜参照する。
【0052】
ここで、駆動力伝達部を説明する。マッサージ装置1は、一般に行われているように、送りネジ4の必要トルクを確保した上で、安価に静音駆動させるために、駆動部3と送りネジ4とをベルト14を介して係合している。ベルト駆動の場合、ベルト14の滑りを防ぐには、ベルト14に張力をかける必要がある。その結果、送りネジ4と駆動部3との間に張力G1が発生し、その張力G1が送りネジ4を変形させる要因となる。そこで、本実施形態のマッサージ装置1は、駆動力伝達用のベルト14の張力G1(偏心力)を打ち消すための調心機構9を備えている。
【0053】
調心機構9を説明する。マッサージ装置1の送りネジ4の端部は、下部軸受部7のベアリング73によって台板35に固定されており、駆動部3は、送りネジ4と同様に、台板35に固定されている。調心機構9は、台板35に送りネジ4と平行に固定された調心軸15と、調心軸15に設けられたプーリ16と、送りネジ4の下端部4aに設けられたプーリ17と、プーリ16,17に掛けられたベルト18と、を備えて構成されている。
【0054】
上述の構成の調心機構9は、ベルト14によって発生する張力G1を、調心軸15にかけたベルト18からの張力G2によって打ち消すことができる。このように、送りネジ4にかかる駆動力伝達用のベルト14からの張力G1を打ち消すので、ベルトの偏心力による送りネジ4の変形や偏心を防止して施療子2の安定動作を実現できる。
【0055】
(第4の実施形態)
図9は第4の実施形態に係るマッサージ装置における送りネジ部分への駆動力伝達部を示す。本実施形態のマッサージ装置1は、上述の第3の実施形態の変形例を示すものである。本実施形態のマッサージ装置1は、上述の第3の実施形態におけるベルト18を用いる調心機構9に代えて、送りネジ4の下端部4aに設けられたベアリング19と、ベアリング19を台板35に対して固定する保持板36と、によって構成された調心機構9を備えている。
【0056】
本実施形態の調心機構9においても、ベアリング19と保持板36とによって、駆動力伝達用のベルト14からの張力G1を打ち消すことができるので、ベルトの偏心力による送りネジ4の変形や偏心を防止して施療子2の安定動作を実現できる。
【0057】
(第5の実施形態)
図10(a)(b)(c)、図11は第5の実施形態に係るマッサージ装置の駆動機構を示す。本実施形態のマッサージ装置は、第1乃至第4の実施形態のマッサージ装置1において、施療子2の左右幅方向の移動を行わない構造のものであり、その他の点については、上述の各実施形態と同様である。
【0058】
従って、このマッサージ装置1は、第1の実施形態のマッサージ機1における第2の駆動部32、第2の送りネジ42、第2の送りナット52、施療子2を左右幅方向に移動させるためのリンク23、リンク23と摺動部材26とを連結する回転軸27などを、備えていない。摺動部材26は、回転軸27の機能を有する。本マッサージ装置1は、上述のものと比べて、装置構成が簡略化されるので、安価で簡便なマッサージ装置となる。
【0059】
なお、施療子2の左右方向の間隔は、偏心軸24と摺動軸25とに沿って、リンク22を軸支する連結部22aとリンク21の他端を軸支する摺動部材26とを手動で動作可能とすることにより、被施療者の人体の肩幅に応じて調整でき、簡便で使い勝手の良いマッサージ装置となる。
【0060】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、第1の実施形態におけるベアリング63,73は、調心性を有したベアリングとすることができる。調心性ベアリングとして、例えば、円錐ころを用いた自動調心ころ軸受が知られており、このようなベアリングを用いることができる。また、単列深溝球軸受の構造を有して球軸受けの軸受箱と軸受との形状はめ合い面で自動調心を行うような自動調心ベアリングを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係るマッサージ装置の施療子を駆動する駆動機構の斜視図、(b)は同駆動機構における上部軸受部の分解斜視図、(c)は同駆動機構における下部軸受部の分解斜視図。
【図2】同上マッサージ装置の駆動機構の正面図。
【図3】同上マッサージ装置の施療子部分の斜視図。
【図4】同上マッサージ装置の外観斜視図。
【図5】同上マッサージ装置の一部内部を示す外観側面図。
【図6】(a)は第2の実施形態に係るマッサージ装置の送りナット部分の分解斜視図、(b)は施療子への負荷のない状態での同送りナット部分の斜視図、(c)は施療子への負荷がある状態での同送りナット部分の斜視図。
【図7】(a)は図6(b)の状態での施療子と送りナット部分の一部断面平面図、(b)は図6(c)の状態での施療子と送りナット部分の一部断面平面図。
【図8】第3の実施形態に係るマッサージ装置の送りネジ部分への駆動力伝達部分の断面図。
【図9】第4の実施形態に係るマッサージ装置の送りネジ部分への駆動力伝達部分の断面図。
【図10】(a)は本発明の第5の実施形態に係るマッサージ装置の施療子を駆動する駆動機構の斜視図、(b)は同駆動機構における上部軸受部の分解斜視図、(c)は同駆動機構における下部軸受部の分解斜視図。
【図11】同上マッサージ装置の駆動機構の正面図。
【符号の説明】
【0062】
1 マッサージ装置
14 ベルト
2 施療子
20 結合機構
3,31,32,33 駆動部(駆動モータ)
4,41,42,43 送りネジ
5,51,52,53 送りナット
50 剛体
5a 送りナット本体
6,7 軸受部
9 調心機構
G1 偏心力
G2 抗力
M 人体
X 出退方向
Y 左右幅方向
Z 上下方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に当接してマッサージを施す左右一対の施療子と、前記施療子を動作させるための複数の回転する駆動部と、前記各駆動部にそれぞれ係合し、その駆動部によって回転される送りネジと、前記各送りネジに螺合して当該送りネジの回転に伴ってその送りネジの長さ方向に沿って送られる送りナットと、前記施療子及び前記送りナットに係合し、前記送りナットの動きを前記施療子に伝達して当該施療子を人体に対して上下方向、および出退方向に移動可能とする結合機構と、を備え、前記送りネジを上下方向に配置すると共に前記駆動部を前記送りネジの端部に配置して成るマッサージ装置であって、
前記各送りネジの両端は、当該送りネジの偏心を調整する調心機構を有する軸受部によって支持されていることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
前記施療子を人体に対して左右幅方向に移動させるための追加の駆動部、送りネジ、および送りナットをさらに備え、前記結合機構がこれらを用いて前記施療子の左右幅方向の移動を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記送りナットは、当該送りナットに螺合した送りネジの長さ方向に沿って送られるように回転防止用の剛体で囲まれており、前記剛体の内部には、前記送りナットが出退方向に移動可能な空間が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記駆動部は駆動力を伝達するためのベルトを有し、前記送りネジは前記ベルトを介して前記駆動部から駆動力を伝達され、
前記送りネジは、前記ベルトから受ける偏心力を打ち消す抗力を発生する調心機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項1】
人体に当接してマッサージを施す左右一対の施療子と、前記施療子を動作させるための複数の回転する駆動部と、前記各駆動部にそれぞれ係合し、その駆動部によって回転される送りネジと、前記各送りネジに螺合して当該送りネジの回転に伴ってその送りネジの長さ方向に沿って送られる送りナットと、前記施療子及び前記送りナットに係合し、前記送りナットの動きを前記施療子に伝達して当該施療子を人体に対して上下方向、および出退方向に移動可能とする結合機構と、を備え、前記送りネジを上下方向に配置すると共に前記駆動部を前記送りネジの端部に配置して成るマッサージ装置であって、
前記各送りネジの両端は、当該送りネジの偏心を調整する調心機構を有する軸受部によって支持されていることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
前記施療子を人体に対して左右幅方向に移動させるための追加の駆動部、送りネジ、および送りナットをさらに備え、前記結合機構がこれらを用いて前記施療子の左右幅方向の移動を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記送りナットは、当該送りナットに螺合した送りネジの長さ方向に沿って送られるように回転防止用の剛体で囲まれており、前記剛体の内部には、前記送りナットが出退方向に移動可能な空間が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記駆動部は駆動力を伝達するためのベルトを有し、前記送りネジは前記ベルトを介して前記駆動部から駆動力を伝達され、
前記送りネジは、前記ベルトから受ける偏心力を打ち消す抗力を発生する調心機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−200437(P2008−200437A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43011(P2007−43011)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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