説明

マッフルを製造するための装置

【課題】マッフルを介した歯科補綴材の製造を簡略化および最適化し、そのために適したマッフルの製造装置を提供する。
【解決手段】埋封材料と少なくとも1つのプレス未加工材とプレス装置の補助によって歯科補綴材を製造するものであって、前記の装置がマッフル基底部とそのマッフル基底部を包囲する管形状のスリーブと前記マッフル基底部上に配置されるとともにそれから分離可能な少なくとも1つのマッフルインサートを備えてなる、マッフルの製造装置である。少なくとも2つの円筒形のプレス路成形要素(16,18,20)が相互に平行かつ離間し少なくともその成形要素に関しては完全燃焼可能であるマッフルインサート(12)の平板状部分から延在し、それらが少なくとも前記の平板状部分(14)と反対側の自由端面上で閉鎖的に形成されるとともに、特に壁薄に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1前段に記載のマッフルを製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
久しい以前から、歯科補綴材製造用の適宜な型の製造を単純化するための補助としての装置を使用することが知られている。例えば独国特許第539734号明細書により、高い石膏含有率を有しておりそのためマッフルに相当するものであるライニング材料を成形するためにいわゆる溶融堝成形機を使用し、そこに実質的に円錐型の基礎板とスリーブとしてのライニングリングを使用することが知られている。
【0003】
この解決方式において、最初に雄型としてワックスで塑形される型空洞部を既にマッフル内に形成することができ、それが硬化後に歯科補綴材の圧締め空間として機能する。
【0004】
それに対して、独国実用新案第9001740号U1明細書により著しく改善されたマッフルを製造するための装置が知られている。この解決方式によれば、端面壁部から突出して歯支承面上における型の成長を可能にする中央型取付け部材が設けられる。マッフルの固化後に歯科補綴材を形成するために型取付け部材を端面壁部と共に引き抜く必要があり、そのため所要の的確なマッフルとワックスの分離を確立するために一定の強度が必要となる。
【0005】
この解決方式においては、特に型取付け部材が円筒形の構造である場合にその型取付け部材が一定の強度を有しそれに従って型取付け部材が比較的大きな壁厚、例えばマッフルを被包するスリーブの壁厚よりも顕著に大きな壁厚を有することが前提となる。
【0006】
この種の型取付け部材の引き抜きを容易にするため、その型取付け部材を回転させ同時に引き抜くことができる。それによってマッフルに影響を与えるかあるいは損傷させることがない取り外しが容易になる。
【0007】
しかしながら、その種の回転は型取付け部材が対称円の形状であり、さらに1個の型取付け部材のみが設けられている場合にのみ可能となる。この点に関して、引き抜き工具と結合された型取付け部材用の特殊な引き抜き装置を設けることも提案されている。その種の引き抜き装置によって型取付け部材をマッフルから除去することができる。しかしながら、型取付け部材とマッフルの間の付着力を上回る必要がある比較的大きな応力がマッフルの非損傷性を脅かすため、この解決方式が普及していない。
【0008】
さらに、型出しを容易にするためのその種の型取付け部材を円筒形ではなく緩やかな円錐形あるいは場合によって緩やかな球形に形成することが既に提案されている。それによって型出しは容易になるが、マッフル内に形成された供給路をプレス路として使用することができず、何故ならばさもないと円錐形の形状の観点から円筒形のプレス未加工材が側方に逸脱するためであり、それによって重大な閉塞が発生するとともにいずれにしても歯科材料が半加工状態でプレスピストンの側方を通過することが保証されず、そのため型空洞部が不完全に充填されることにつながり、従ってこの解決方式は普及していない。
【0009】
さらに、マッフルの製造を改善するためにその他の多様な試みが実施されている。例えばより大きな歯科補綴材を製造するためあるいは複数の歯科補綴材を製造するため、プレス路の直径、あるいは少なくとも断面積を拡大することが試みられている。しかしながら断面積の拡大は適宜に高められたプレス圧力を条件とし、従ってその高められたプレス圧力に耐えるためにマッフルの壁厚も拡大する必要がある。加えて、高められたプレス圧力が容易にマッフルの“収縮”とそれに従った寸法精度の低下につながり、従って全体としてプレス路の断面積の拡大は効果的ではないことが判明している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明の目的は、マッフルを介した歯科補綴材の製造を簡略化および最適化し、そのために適した請求項1前段に記載の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題は本発明に従って請求項1によって解決される。従属請求項には好適な追加構成が示されている。
【0012】
本発明によればプレス路の“平行化”によって良好なプレス能力および良好な時間当たりのプレス変位量にもかかわらずマッフルに対して生じる負荷が比較的小さくなる。単一の大きな穴を有する型要素と比べて格子が構造的により強度な負荷に耐久するのと同様に、本発明に係るマッフルは壁厚を著しく拡大する必要なく極めて耐圧性の高いものとなる。ここで本発明は、マッフルの破砕が外側に向いてのみ発生可能であり、従って内側に向いて作用する圧力を相殺する点が有利である。
【0013】
本発明によれば、特に極めて近接した距離で離間したプレス路を有するマッフルを、そこからプレス路成形要素が突出するマッフルインサートを特別に平板状に形成したものを伴って、極めて良好に形成することができる。
【0014】
プレス路成形要素は極めて壁薄であるため、それを一種の皮膚のように石膏から引き剥がすことができない場合は容易に完全燃焼させることができる。プレス路成形要素の材料の沸点を超える加熱によって、プレス路成形要素が残留物無しに除去されることが保証され、従ってプレス路が正確に所要の形状に提供される。
【0015】
必要であれば、プレス路成形要素をマッフルインサートの平板状部分と共通に、すなわち一体的に形成することができ、それも完全燃焼可能に形成することが好適である。平板状部分に対向している自由端面は閉鎖的に形成されていて、例えばワックス中に形成された歯科補綴材の雄型を収容する。そこには既知の方式で溶融した歯科用セラミックの型空洞部内への誘導を可能にする成長路が設けられる。
【0016】
本発明によれば、残留物無しの完全燃焼性によって適宜な形状を保持する円筒形のプレス路成形要素による正確に平行なプレス路の形成によって、未加工材を並行にプレスするためのプレスピストンが側方に遊びを有しながらも正確に誘導されることが保証され、従って良好なプレス結果を計算することができる。
【0017】
本発明によれば、12gのワックス重量に相当する少なくとも20g、必要であれば40gまでの比較的大きな重量のプレス用セラミックを含んだ複数のペレットあるいはプレス未加工材を並行してプレスすることができる。すなわち本発明によれば、本発明に係る成形要素の本発明に係る自由端面上に成長した歯科補綴材が相互に連結され得ることが極めて好適であり、それによって本発明によれば著しく大きくかつプレス技術的に最適化された歯科用セラミックの実現が可能となる。
【0018】
本発明によれば、高い圧力の場合に不可避に発生する不要なマッフル材料の“収縮”が補綴結果の精度に影響を与えることなく、高品質の補綴課題を一気に、従って従来から知られているマッフルに比べて著しく効率的に達成することができる。
【0019】
マッフル壁厚およびそれに伴ってマッフルの大きさが必要に応じて広範囲に調節可能であることが理解される。通常例えば6本のプレス路の並行したプレスの場合マッフルが独国実用新案第9001740号U1明細書の解決方式に比べて顕著に大きな直径を有するが、決して6倍の直径とはならない。全体として並行加工によって加工のサイクル時間が顕著に短縮されるだけでなく、特に本発明によって可能になるように複数の歯科補綴材の並行な製造が実施されることを前提とするとマッフル材料を節約することができる。
【0020】
本発明は、プレス路成形要素とマッフルインサートの平板状部分の一体的な形成に限定されるものではない。例えば、成形要素を必要に応じて部分的に欠落させることができ、そのようにしてマッフルインサートの平板状部分内に残留する“穴”は即座に例えば適宜なパネルによって遮蔽される。マッフルの有効直径を低減させる適宜な鋳込みインサートによって、例えば2つの平行なプレス路成形要素のみを有するが必要に応じてそれを最大数まで拡張することもできる、縮小されたサイズのマッフルを形成することもできる。
【0021】
本発明によれば、マッフルインサートが好適には平板状部分においてマッフル基底部によって支承されることも極めて好適である。そのマッフル基底部は再利用可能な部材からなるとともにマッフルインサートを下から確実に支持し、従って石膏状の材料をマッフルインサートの平板状部分のスリーブ内に注入する際に下方に撓むことはない。
【0022】
本発明によれば、形成されたプレス路がマッフルの外壁からの距離に比べて顕著に短く相互に離間していることが極めて好適である。個々のプレス路の間の距離は例えば5mmに低減することができ、一方マッフルの外径への距離、すなわちマッフルの“壁厚”は例えば2cmとすることができる。マッフルインサートの平板状部分が例えばインタロック式の嵌合によって確実にマッフル基底部上に支承されているが取り外しも可能であれば極めて好適である。
【0023】
極めて壁薄のマッフルインサートがそのマッフルインサートの平板状部分から離間した位置上でラッチ結合によって固定可能であれば好適である。
【0024】
マッフルインサートは壁薄であるが硬質で従って非弾力性であることが好適である。例えば、独国工業規格(DIN)53505あるいは独国工業規格7868に従ったショア硬度は天然ゴムのものに比べて顕著に高くなり、例えば70°A超、特に75°A超であり得る。この構成によって、壁薄構造にもかかわらず正確に平行な側壁をもったプレス路の正確な整列が可能となる。
【0025】
例えば、85°Aの硬度を有するEPM、すなわちエチレンプロピレンゴムが考えられ、その際全く充填剤を含有すべきでないことが理解される。原則的にここで、残留物無しに燃焼可能な硬質に調整されたポリエチレン基材が極めて好適である(欧州特許第1704001号明細書参照)。
【0026】
本発明によれば、成形要素の壁厚が実質的に平板状部分の壁厚に相当するかあるいはそれよりも90%小さくなり、各成形要素の壁厚が成形要素の直径の少なくとも0.03倍でさらに好適には最大でも0.1倍に相当することが好適である。
【0027】
好適な構成形態によれば、マッフルインサートが自立式あるいは非自立式で単一部材の使い捨て部品として形成される。
【0028】
別の好適な構成形態によれば、マッフル基底部がマッフルインサートを少なくとも平板状部分の領域内で硬質化させ、マッフルインサートの成形要素がマッフル基底部上で支承される。
【0029】
別の好適な構成形態によれば、平板状部分と反対側の端面上に少なくとも1つの歯科補綴材のための少なくとも1つの供給路を取り付け可能である。
【0030】
別の好適な構成形態によれば、2つの円筒形の成形要素の間の最小の離間距離が少なくとも0.5mmとなる。
【0031】
別の好適な構成形態によれば、マッフルインサートの平板状部分が取り外し可能にマッフル基底部と結合可能である。
【0032】
別の好適な構成形態によれば、マッフルインサートの平板状部分が、特に下方に延在する鍔上で、マッフル基底部とインタロック式に結合可能である。
【0033】
別の好適な構成形態によれば、マッフルインサートがマッフル基底部の少なくとも1つの窪み部内に進入する。
【0034】
別の好適な構成形態によれば、マッフルインサートの突起部がマッフル基底部の少なくとも1つの止り穴内に進入するかあるいは少なくとも部分的にマッフル基底部の上の少なくとも部分的に包囲状に形成された溝内に進入する。
【0035】
別の好適な構成形態によれば、マッフル基底部が少なくとも溝の領域内において半径方向に弾力性に形成される。
【0036】
別の好適な構成形態によれば、マッフル基底部上に差し付けられたスリーブが溝内に進入する平板状部分の部位をマッフル基底部上、特にマッフル基底部の溝内で固定する。
【0037】
別の好適な構成形態によれば、平板状部分の外径が最大でもスリーブの内径に相当する。
【0038】
別の好適な構成形態によれば、成形要素の外径が6mmないし20mmとなる。
【0039】
別の好適な構成形態によれば、マッフルインサートが複数の成形要素を備え、それらが円形あるいは正方形あるいは十字型あるいは長方形あるいは弓型あるいは楕円形あるいは一列で、特にマッフルインサートの直径の内側半分の領域に配置される。
【0040】
別の好適な構成形態によれば、成形要素がそれぞれ異なった高さで形成されるか、および/またはそれぞれ異なった直径を有する。
【0041】
別の好適な構成形態によれば、成形要素が円形あるいは非円形の外郭を有する。
【0042】
別の好適な構成形態によれば、成形要素がそれぞれ異なった外形を有する。
【0043】
別の好適な構成形態によれば、成形要素の空洞部が特にピン形状の要素に装着可能であり、その直径が成形要素の内径に相当するとともにマッフル基底部上に支承される。
【0044】
本発明のその他の詳細、特徴ならびに利点は、添付図面を参照しながら以下に記述する実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る装置の第1の実施例において適用されるマッフルインサートを示した概略立体図である。
【図2】図1の装置を示した側面図である。
【図3】追加的にマッフルが部分的に示されている、図1および図2の装置の上部を示した概略立体図である。
【図4】マッフルおよびスリーブの一部を含めた本発明に係る装置の一部を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1に示された装置10はそれ以外の部材と並んでマッフルインサート12を備えている。マッフルインサート12は平板状部分14とプレス路成形要素とからなり、図示された実施例においては3つのプレス路成形要素16,19および20を備えている。しかしながら変更された装置の構成形態においては、その他の任意の数のプレス路成形要素、例えば2ないし10個の要素を使用することも勿論可能である。
【0047】
成形要素16ないし20は中央に配置され、従ってそれらは円形の平板状部分14の中央に延在している。成形要素16と平板状部分14の縁部との間の距離は、実質的に各成形要素間の距離と比べて、例えば2ないし20の倍数で大きくなる。
【0048】
平板状部分14は鍔22によって包囲されており、それがマッフルインサートの直径の約10分の1の長さで一種のエプロン状に下方に延在している。この鍔22がマッフルインサートの形状安定性を高める。
【0049】
図示された実施例においてマッフルインサートは平板状部分14と成形要素16ないし20と鍔22から、特に比較的壁薄の樹脂製の使い捨て部品として形成されている。それに代えて成形要素16ないし20を取り外し可能に平板状部分14上に取り付けることも可能であり、その際任意の適宜な連結手段で実施し得ることも理解される。
【0050】
原則的に例えば6個の成形要素を有するマッフルインサートを提供することも可能である。6個より少ない歯科補綴材が形成されるか、あるいは6個より少ない成形要素16ないし20が必要とされる場合は、成形要素を平板状部分14上に装着した後直ぐに例えばナイフ等によって簡単に切除することができる。その結果形成された開口部は、例えばマッフルインサート12と同じ材料から形成することができ前記の開口部をいくらか超越して重複する適宜な遮蔽盤によって遮蔽することができる。その種の遮蔽盤は前記開口部の縁部に向いたシールリップを備えることもでき、さらにそれをその位置に存在する開口部24内に下から差し込むことができる。この場合これは石膏状のマッフルの材料が硬化した後すぐに引き抜くことができるため再使用が可能となる。
【0051】
本発明に係るマッフルインサート12はマッフル基底部26上に取り付けられ、そのマッフル基底は硬質化作用をもたらすものでありマッフルインサート12を下から平面状に支承するよう形成される。そのためマッフル基底部26は例えば1cmの厚みの樹脂からなる板部材28を備え、その外縁部上に溝30が延在している。この溝30は、マッフルインサート12の鍔22の内側に設けられた突起部32を収容するように機能する。
【0052】
マッフル34を製造するための装置には、さらに既知の方式によってマッフル34を包囲するスリーブ36が付属している。このスリーブ36はさらに下方に向かって鍔22と重なっていてマッフル基底部26の台座38上に支承されている。その重複によってさらに鍔22がマッフル基底部26上に接合するよう保持され、従ってスリーブ36が差し付けられている際はマッフル基底部26とマッフルインサート12が分解不可能に相互に結合する。
【0053】
図2には、成形要素18が成形要素16および20とは異なって形成されていることが示されている。それはより長くまた既に部分的に下方に引き出されており、すなわちこの実施形態は、そうでなければ成形要素16ないし20がマッフルインサートから取り外し可能であるという実施例に関する。成形要素18はフランジ40を備えており、それが下側から平板状部分14に接合し、マッフル基底部26上への平板状部分14の平面的な接合によってそこで圧接される。必要であれば該当する成形要素18を削除し、前述した遮蔽盤によって該当する開口部24を遮蔽することもできる。
【0054】
図2にはさらに取付けソケット42が示されている。この種の取付けソケットは成形要素と平板状部分14の間の結合の代替的な解決方式と見ることができる。これは平板状部分14と一体的に形成され、成形要素が取り付けられている際にそれによって貫通される。
【0055】
その種のソケットを備えた実施形態においては、マッフル34のマッフル材料の硬化後にマッフルインサート12を被膜のように容易に引き剥がすこともでき、それは前記ソケット42の軸方向延長の短さによってそれが顕著にマッフル34の材料中に固着することが抑止されるためである。
【0056】
少なくとも成形要素16ないし20が残留物無しに完全燃焼可能に形成される。このことはそれらが円筒形に形成されたマッフル34のプレス路内に滞留し得るがそこで蒸発することを意味する。図1の実施形態においては追加的にマッフルインサート12の残留物も蒸発し、他方ソケット42を設けた実施形態においてはマッフルインサート12が(成形要素を除いて)引き剥がし可能でそのため再使用可能となる。
【0057】
マッフル基底部26はいずれにしても完全燃焼するようには設定されず、常に再使用可能な要素として形成される。それに対してスリーブ36はマッフルの硬化後に既知の方式でそれから剥離することができ、その際に大抵破砕される。
【0058】
図3には、プレス路50,52および54が成形要素16,18および20によって形成された後どのようにマッフル34内に延在するかが示されている。成形要素16ないし20が完全燃焼可能である場合でも、個別のケースにおいては特に成形要素16ないし20の比較的小さな壁厚によって、それらを残留物無しにあるいは少なくとも部分的にプレス路50ないし54から除去することが可能となる。
【0059】
図4にはそれらがマッフル34内にどのように延在するかが示されている。それらはマッフルインサート12の平板状部分14よりもいくらか小さな壁厚を有し、その下面をもってマッフル基底部26上に設置される。
【0060】
溝30内に嵌合する突起部32に代えて環状の隆起部を設けるか、あるいは突起部32の嵌合用に設定された適宜な止り穴をマッフル基底部26内に設けることも可能である。
【0061】
それに代えて鍔22上の適宜な窪み内に嵌合する突起部をマッフル基底部上に設けることもできることが理解される。
【符号の説明】
【0062】
10 装置
12 マッフルインサート
14 平板状部分
16,18,20 プレス路成形要素
22 鍔
24 開口部
26 マッフル基底部
28 板部材
30 溝
32 突起部
34 マッフル
36 スリーブ
38 台座
40 フランジ
42 取付けソケット
50,52,54 プレス路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】独国特許第539734号明細書
【特許文献2】独国実用新案第9001740号U1明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋封材料と少なくとも1つのプレス未加工材とプレス装置の補助によって歯科補綴材を製造するものであって、前記の装置がマッフル基底部とそのマッフル基底部を包囲する管形状のスリーブと前記マッフル基底部上に配置されるとともにそれから分離可能な少なくとも1つのマッフルインサートを備えてなる、マッフルの製造装置であり、少なくとも2つの円筒形のプレス路成形要素が相互に平行かつ離間し少なくともその成形要素に関しては完全燃焼可能であるマッフルインサートの平板状部分から延在し、それらが少なくとも前記の平板状部分と反対側の自由端面上で閉鎖的に形成されるとともに、特に壁薄に形成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
成形要素(16,18,20)の壁厚が実質的に平板状部分(14)の壁厚に相当するかあるいはそれよりも90%小さくなり、また各成形要素(16,18,20)の壁厚が成形要素(16,18,20)の直径の少なくとも0.03倍で好適にはさらに最大でも0.1倍に相当することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
マッフルインサート(12)が自立式あるいは非自立式で単一部材の使い捨て部品として形成されることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
マッフル基底部(26)がマッフルインサート(12)を少なくとも平板状部分(14)の領域内で補強し、マッフルインサート(12)の成形要素(16,18,20)がマッフル基底部(26)上で支承されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
平板状部分(14)と反対側の端面上に少なくとも1つの歯科補綴材のための少なくとも1つの供給路を取り付け可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
2つの円筒形の成形要素(16,18,20)の間の最小の離間距離が少なくとも0.5mmであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
マッフルインサート(12)の平板状部分(14)が取り外し可能にマッフル基底部(26)と結合可能であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
マッフルインサート(12)の平板状部分(14)が、特に下方に延在する鍔(22)上で、マッフル基底部(26)とインタロック式に結合可能であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
マッフルインサート(12)がマッフル基底部(26)の少なくとも1つの窪み部内に進入することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
マッフルインサート(12)の突起部(32)がマッフル基底部(26)の少なくとも1つの止り穴内に進入するかあるいは少なくとも部分的にマッフル基底部(26)の上の少なくとも部分的に包囲状に形成された溝(30)内に進入することを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
マッフル基底部(26)が少なくとも溝(30)の領域内において半径方向に弾力性に形成されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
マッフル基底部(26)上に差し付けられたスリーブ(36)が溝(30)内に進入する平板状部分(14)の部位をマッフル基底部(26)上、特にマッフル基底部(26)の溝(30)内で固定することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
平板状部分(14)の外径が最大でもスリーブ(36)の内径に相当することを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
成形要素(16,18,20)の外径が6mmないし20mmであることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
マッフルインサート(12)が複数の成形要素(16,18,20)を備え、それらが円形あるいは正方形あるいは十字型あるいは長方形あるいは弓型あるいは楕円形あるいは一列で、特にマッフルインサート(12)の直径の内側半分の領域に配置されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
成形要素(16,18,20)がそれぞれ異なった高さで形成されるか、および/またはそれぞれ異なった直径を有することを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
成形要素(16,18,20)が円形あるいは非円形の外郭を有することを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
成形要素(16,18,20)がそれぞれ異なった外形を有することを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
成形要素(16,18,20)の空洞部が特にピン形状の要素に装着可能であり、その直径が成形要素(16,18,20)の内径に相当するとともにマッフル基底部(26)上に支承されることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−247908(P2009−247908A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93483(P2009−93483)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(596032878)イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト (63)
【Fターム(参考)】