説明

マトリクスアレイナノバイオセンサー

ナノバイオセンサーのアレイを含む複数の分析物を検出するための装置であって、各々が、カーボンナノチューブ上に固定された生物学的実体を含み、アレイ中の複数のナノバイオセンサーが、独特の生物学的実体を有し、複数のナノバイオセンサーの第1のものが、カーボンナノチューブ上に固定された第1の生物学的実体を有し、複数のナノバイオセンサーのうちの第2のものが、カーボンナノチューブ上に固定された第2の生物学的実体を有し、第1の生物学的実体が、該第2の生物学的実体と比較して独特である、装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願番号第60/529,683号および同60/531,819号への優先権を主張する。これらの出願は、本明細書中に参考として援用される。本願は、米国特許出願第10/952,669号の一部継続出願であり、この出願は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、生物学的センサーに関し、特にマトリクスアレイ中に配列された生物学的センサーに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景情報)
複数の分析物(液体および気体)に対する同時モニタリングは、代謝モニタリング、化学戦の検出、生物戦の検出、ガス検知などのような種々の分野で様々な用途を有する。ほとんどの現在のセンサーは、交差感度(cross−sensitivity)および他の化合物からの干渉という問題に起因して、1つより多い分析物のモニタリングにおいてかなりの制約を有する。この制約は、複数の分析物の連続的な検出に対しては不都合である。いくつかの複数分析物システムは、インビボ検知用途または他の検知用途のための十分な小型化がなされていない。気体および液体の両方を同時にモニタリングし得る統一されたセンサーアレイの欠如が存在する。
【0004】
異なる方法論を使用するバイオセンサーアレイの開発についてのいくつかの報告がある。果物の品質をモニタリングするための酵素ベースのバイオセンサーアレイのための共通のバイオセンサーの様式が、報告されている(非特許文献1)。ペクチンが、そのセンサーのための固定化マトリスクとして使用されたが、固定化の方法論は、良好な感度をもたらさない「滴下および乾燥機構」であった。
【0005】
チロシナーゼ変性および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)変性またはコリンエステラーゼ変性電極を組込む、廃水の特徴づけのための2つの酵素バイオセンサーアレイは、同じアレイ上に組み合わされた(非特許文献2)。回分様式およびフローインジェクションシステムにおける2種の酵素のバイオセンサーアレイの性能が考察された。
【0006】
多機能なバイオセンシングチップが、酵素により生成された過酸化水素のエレクトロケミカルルミネッセンス(ECL)検出に基づいて報告された(非特許文献3)。コリン、グルコース、グルタメート、ラクテート、リジン、尿酸に特異的な6個の異なるオキシダーゼが、上記アレイセンサーに非共有結合的に固定化されたが、検出限界は、過酸化水素に対してのみであった。
【0007】
ピンでプリントされたバイオセンサーアレイ(PPBSA)が、タンパク質をドープしたキセロゲルをピンでプリントすることにより、報告されている(非特許文献4)。このセンサーは、グルコースと酸素を同時に検出することができた。全体のアレイからアレイへの応答の再現性は、約12%であり、これはこのセンサーの長時間の安定性を制限する。
【非特許文献1】Biosensors & Bioelectronics、2003年、第18巻、第12号、1429−1437頁
【非特許文献2】Analytical and Bioanalytical Chemistry 2003年、第376巻、第7号、p.1098頁
【非特許文献3】Marquette,Christophe A.;Degiuli,Agnes;Blum,Loic J.,Biosensors & Bioelectronics、2003年、第19巻、第5号、433−439頁
【非特許文献4】Cho,Eun Jeong,Tao Zunyu;Tehan,Elizabeth C.;Bright,Frank V.,Analytical Chemistry、2002年、第74巻、第24号、6177−6184頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明、そしてその利点のより完全な理解のために、ここで添付の図面と関連して解釈される以下の記載への参照がなされる。
【0009】
(詳細な説明)
以下の説明において、本発明の完全な理解を提供するために、特定のメモリアレイ構成のような多くの特定の詳細が示される。しかし、本発明が、そのような特定の詳細なしに実施され得ることは当業者には明らかである。他の例では、不必要に詳細にして本発明をわかりにくくすることのないように、周知の回路は、ブロック図の形式で示されている。ほとんどの部分で、タイミングの考慮などに関する詳細は、そのような詳細が本発明の完全な理解を得るのに必要でない限り、そして関連分野の当業者の技量の範囲である限り、省略されている。
【0010】
ここで図面を参照のこと。それらの図面では、描写される要素が必ずしも一定の寸法で描かれているわけではなく、そして同様または類似の要素はいくつかの図にわたって同じ参照数値で示されている。
【0011】
図1〜2に図示される本発明の1つの実施形態は、9個の分析物をモニタリングするためのマトリクスアレイナノバイオセンサーである。このマトリクスアレイナノバイオセンサーは、カーボンナノチューブ、伝導性ポリマー、生物学的酵素、ナノ粒子、および3電極の電気化学的システムに作製されたセンサー素子(作用電極)のような他のナノスケールの物質を含む。このセンサー素子は、非常に微量の分析物に対して作動可能であるに十分小型化され、そして検知用途に適用可能である。安価な写真平板による作製プロセスが基体調製のために採用され、そしてこのセンサーは、十分な検出のために個々の9個の電極の間を結合し得る小型化電極を有する。
【0012】
このセンサーは、代謝モニタリング(グルコース、ラクトース、フルクトース、尿素、尿酸、フェノール、アルコール、アスコルビン酸、過酸化水素、リン脂質および他の代謝物)、化学戦検出(サリン、タブン、ソマン、シアン化水素、クロロシアン、マスタード塩素、および他の化学戦因子)、生物戦因子(リシン、ポリペプチドおよび他のもの)、潜在的化学生物学的因子(有機リン酸エステル、DMMP、マラチオン、エチオン、パラチオン、パラゾンおよび他のもののようなPCB)、DNAハイブリダイゼーション、ガスモニタリング(CO、SO、NO、NO、NH、HSおよび他のもののような有毒ガス)および金属(水銀、砒素および他のもの)のような領域で用途を見出し得る。このマトリクスナノバイオセンサーは、気体および液体の両方の複数の分析物を検出するために使用され得る。
【0013】
(マトリクスナノバイオセンサーの写真平板による作製)
図1を参照して、化学的気相成長(CVD)を使用して、1μmの二酸化ケイ素がシリコンウエハ上に堆積される(工程a)。所望のパターンを有するシャドーマスク(工程b)がその基体の上に置かれ、100Åのクロム、次いで500Åの金が電子ビーム堆積(electron beam deposition)によって堆積される(工程c)。シャドーマスクを除去する(工程d)。CVDのプロセスによって、0.3μmの窒化ケイ素が堆積される(工程e)。この基体は、フォトレジストでコーティングされる(工程f)。マスクを使用して(工程g)、写真平板プロセスが使用されてその基体がパターン形成される(工程h)。暴露された窒化ケイ素(SiI)パターンは、リアクティブイオンエッチング(RIE)により取り除かれる(工程i)。このフォトレジストは取り除かれ(工程j)、そしてAg/AgClペースト(Gwent Electronic Materials Ltd,U.Kから得る)が参照電極パターン上にスクリーン印刷される(工程k)。このAg/AgClはまた、定電位電解法により、−200mVでの銀層およびその後の+200mVでの塩化物層として電着され得る。次いで、電気的接触は、各電極上で半田付けされる(工程l)。
【0014】
(センサーの作製)
図1(l)に示されるような、写真平板作製により創出されたこのマトリクスナノバイオセンサーの基体は、図2の工程(l)に示されるようなものであり、9個の個々の作用電極201、参照電極203(スクリーン印刷されたAg/AgClペースト)および対電極202(金)を有する。
【0015】
工程2(図2)において、カーボンナノチューブ(CNT)204が、適切なマスク(示さず)を使用して、この9個の作用電極201上に分与される(噴霧されるか、スクリーン印刷される)。
【0016】
カーボンナノチューブペースト電極(0.5cm)は、50重量%のカーボンナノチューブと43重量%の有機(または無機)ビヒクルと7重量%のガラスフリットとを乳鉢と乳棒とで30分間混合し、次いで3軸圧延機中で20分間磨り潰し、そのクラスターを混合物中に分散させることによって調製された。無機ビヒクルは、Cotronics Corp.,Brooklyn,NY,USAより購入された。次いで、この基体は、オーブン中で、100℃で10分間焼かれ、そして室温で冷却された。異なる重量%のカーボンナノチューブはまた、この電極調製のために採用され得る。この調製されたカーボンナノチューブペースト電極は、その有機ビヒクルを取り除くために直火で焼かれ(激しく焼かれ)得、テープを使用して活性化され得る。
【0017】
カーボンナノチューブスプレー電極(0.5cm)は、20ml中のイソプロピルアルコール中に既知量のカーボンナノチューブ(例えば、0.1g)を溶解し、次いで5分間超音波処理し、そしてその溶液をその基体(20Åのクロムおよび500Åを備え、真空蒸発された、シリコン基体)の上に噴霧することによって調製された。次いで、このスプレー電極は、オーブン中で、100℃で10分間焼かれ、そして室温で冷却された。
【0018】
本発明とともに使用され得るカーボンナノチューブはまた、触媒(例えば、ニッケル、銅、コバルト、鉄)および炭素源(例えば、アセチレン、エチレン、メタン、および他の炭化水素)を含む化学的気相成長プロセスあるいは当業者に公知の他の方法により調製され得る。
【0019】
工程3(図2)において、電気化学的重合および固定は、アニリン(0.1M)の酸化、pH 7.0緩衝溶液中の0.2M HSOを含む溶液中の1mg/mlの異なる生物学的酵素205により、上記カーボンナノチューブ電極上でインサイチュで実施される(上記電極すべてに適用可能)(この酵素溶液は、特定のpHでのその酵素の活性に基づき異なる酵素に対して変動することに留意のこと)。−1V〜1Vのポテンシャル窓が、10サイクルの50mV/秒の走査速度とともに電気重合(electropolymerization)および固定のために採用された。9個のセンサー素子201のために採用される異なる酵素205は、表1の特定の分析物に対して選択され得るが、上記マトリクスナノバイオセンサーにおいて使用され得るこの酵素システムは、表1中の列挙物に限定はされない。
【0020】
【表1−1】

【0021】
【表1−2】

ポリピロールおよびこれらの酵素の電気重合および酵素固定は、同じ電気化学的条件下で、pH7.0の緩衝溶液中で0.1M NaClOを含む溶液中のピロール(0.1M)の酸化により実施された。これらの電極は、水で洗浄され、風乾された。他の伝導性ポリマーもまた、これらのマトリクスナノバイオセンサーにおいて採用され得る。さらに抗体、核酸、アプタマー(aptamer)などのような他の生物学的実体が、類似の方法を使用して、上記ナノチューブ上に固定され得る。
【0022】
工程4(図2)において、これらのセンサー素子は、適切な電子的ハウジング中に配置され、そして電極206により外部電子回路と結合される。このセンサー素子はまた、検出されるべき分析物(液体またはガス)に基づく特定の電気化学反応のために必要な電解質で満たされている。9個の作用電極201、対電極202および参照電極203は、駆動エレクトロニクス(以下で考察される)に結合される。この駆動エレクトロニクスは、任意の3電極電気化学システムのために必要な定電位電解回路である。
【0023】
(電子駆動アセンブリ)
図3を参照して、上記のアレイを連結するための提案されたエレクトロニクスは、多チャネルセンサードライバからなる。それは、パルスモードか連続走査モードのいずれかで作動し得、低電力マイクロプロセッサーを使用し、そしてプログラム可能である。このプロセッサーは、すべてのセンサーを駆動するD/A変換器およびセンサー出力を読み取るD/A変換器へと信号を送る。各センサーについての制御されたインピーダンスのop−ampは、マルチプレクサーとともに、上記センサーの各々の周期的読みを、順々に、取り扱う。このプロセッサー中のソフトウェアは、現在のバックグラウンド電流を計算し、そして予測されるバックグラウンドの上のピークを検出するためのアルゴリズムを走らせる。そのピークは、化学誘起性ピーク移動のためにまず較正された後で、公知の分析物に対するパターンと比較される。結果は、定性的出力チャネルおよび定量的出力チャネルの両方において、提示される。最終のシステムにおいて、LEDディスプレイまたは他の適切なデバイスにより示される、分析物の存在とともに、定量的なチャネルが随意であり得る。偽陽性/陰性は、単純な抵抗ベースのセンサーアレイに優ってかなりの改良を提示する分析物の独特の酸化還元電位でのピーク電流に起因して、効率よく排除され得る。この電子回路アセンブリの構成要素は、以下のようであり得る:
(a)電位計
電位計回路301は、参照電極203と作用電極201との間の電位差を測定する。その出力は、2つの主要な機能を有する:それは、定電位電解回路におけるフィードバック信号であり、そしてそれはセル電圧が必要とされる場合はいつでも測定される信号である。理想的な電位計は、ゼロ入力電流と無限大の入力インピーダンスを有する。参照電極203を通る電流の流れは、その電位を変更し得る。実際は、すべての現在の電位計は、この効果を通常は無視し得るに十分ゼロに近い入力電流を有する。2つの重要な電位計の特性は、その帯域幅とその入力キャパシタンスである。この電位計の帯域幅は、電位計301が低インピーダンス源から駆動される場合に、それが測定し得るAC周波数を特徴付ける。この電位計の帯域幅は、ポテンシオスタット中のその他の電子的構成要素の帯域幅よりも高い。この電位計入力キャパシタンスおよび参照電極の抵抗は、RCフィルターを形成する。このフィルターの時定数が、あまりに大きいと、それは、電位計の有効帯域幅を制限し、得、そしてシステムの不安定性を引き起こし得る。より小さい入力キャパシタンスは、より安定な作動および高インピーダンス参照電極に対するより大きい許容範囲につながる。
【0024】
(b)電流−電圧変換器
単純化概略図における電流−電圧(I/E)変換器302は、セル電流を測定する。それは、そのセル電流を強制的に電流測定抵抗器、Rmを通して流す。Rmを横切る電圧低下は、セル電流の1つの尺度である。多くの異なるRm抵抗器がコンピュータ制御の下でこのI/E回路302に切り替えられ得る。このことは、幅広く変化する電流の測定を可能にし、各電流が適切な抵抗器を使用して測定される。「I/E自動レンジ調節」アルゴリズムが、多くの場合使用され、適切な抵抗器値が選択される。このI/E変換器の帯域幅は、その感度に大きく依存する。小電流の測定は、大きいRm値を必要とする。I/E変換器302における漂遊容量(望ましくない容量)は、RmとともにRCフィルターを形成し、I/E帯域幅を制限する。
【0025】
(c)制御増幅器
制御増幅器303は、サーボ増幅器である。それは、測定されたセル電圧と所望の電圧とを比較し、そしてそのセルに電流を流し、その電圧が等しくなるように強制する。この測定された電圧は、制御増幅器303の負の入力への入力であることに留意のこと。測定された電圧における正の摂動は、負の制御増幅器出力を生成する。この負の出力は、最初の摂動を打ち消す。この制御スキームは、負のフィードバックとして公知である。通常の条件下では、セル電圧は、シグナル源電圧と同一であるように制御される。
【0026】
(d)信号
信号回路304は、コンピュータ制御された電圧源である。それは、一般に、コンピュータで生成された数字を電圧に変換するデジタル−アナログ(D/A)変換器の出力である(図15のDACを参照のこと)。数字の列の適正な選択によって、コンピュータが、一定の電圧、電圧勾配、および信号回路出力での正弦波でさえ生成することが可能になる。D/A変換器が使用されて正弦波のような波型または勾配が生成される場合には、その波形は、等価なアナログの波形のデジタル近似である。それは、小さい電圧のステップを含む。このステップのサイズは、D/A変換器の分解能およびそれが新しい数字に更新される速度により制御される。
【0027】
(センシングの機構)
上に記載されたようなセンシングの機構のうちの1つは、電気化学ベースである。定性的なセンシングは、サイクリックボルタンメトリにより達成され、これは独特の電流滴定による酸化電位を特徴付けるために使用される。定量的なセンシングは、サイクリックボルタンメトリにより決定される固定した特徴的電位におけるクロノアンペロメトリー測定により実施される。液相センサーは、(ミクロモル範囲での)少量の分析物を必要とし、そして気相センサーは、疎水性膜および液体電解質または固体電解質とともに提供される。この固体電解質は、任意のアニオン交換膜(例えば、nafion)、多孔性シリカ(例えば、キセノゲル、ヒドロゲル)であり得る。
【0028】
上記酵素は、サイクリックボルタンメトリ(CV)技術を使用して、このナノチューブ中に固定化され得る(この場合は、電圧は、階段状に変更され、代表的には、1つのループについて、−1V〜+1Vとの間およびその逆で掃引される)。9個の異なる酵素(E)が、CVを使用してそのセンサー素子上に固定化され、センサーアレイが形成され得る。この9個の異なる酵素は、9個の異なる分析物(A)との独特の反応を有するように選択される[例:グルコース(A)に対してはグルコースオキシダーゼ(E)]。この分析物がこのセンサーと接触するとき、このマトリクスは、上記電子回路によりオンにされ(このエレクトロニクスにおけるバックグラウンドの電気化学的プロセスは、CVである)、そしてこのCVは、酵素(E)対分析物(A)の反応から生じる、各分析物に対する独特の酸化還元電位を有する。得られる各分析物に対する酸化還元ピークに基づき、上記ソフトウェアが分析物の濃度レベルを較正する。
【0029】
クロノアンペロメトリーは、一定電圧を固定することにより作動し、そして電流対時間プロットを提示する。特徴的な電圧は、上のCV過程から得られる各分析物に対して固定される。この技術の利点は、測定がリアルタイムで実施できることであり、そしてCVにおける走査方法に比べてより速いことである。
【0030】
過酸化水素に対する上記マトリクスナノバイオセンサーの応答が、以下の式(1)に示される。例として、10種の酵素のスキームが図示される。過酸化水素は、式(2)〜(6)における酵素反応の副生成物があることが図示される。
【0031】
【化1】

【0032】
【化2】

過酸化水素に対するマトリクスナノバイオセンサーの個々の9個の素子の応答を図4に示す。もとのカーボンナノチューブが過酸化水素を酸化し得るものの、酵素および伝導性ポリマーの存在は、本発明に従う酵素的バイオセンシング用途のための要件である。見られ得るように、9個の個々の素子におけるピーク応答および電流測定電圧の小さな変動が存在するが、アノード酸化電位は、文献に報告される電位よりもかなり低い。以前の報告は、グルコースオキシダーゼを伴う、パラジウム、銅、イリジウムまたはルテニウムのカーボンペースト電極への添加によるグルコースセンサーの開発(S.A.Miscoria,G.D.Barrera,G.A.Rivas;Electroanalysis,14,300,2003)、およびフェノールオキシダーゼを伴う、イリジウム微粒子のカーボンペーストマトリクスへの組み込みによるフェノールセンサーの開発(M.D.Rubianes,G.A.Rivas,Electroanalysis,12,1159)を示す。これらのアプローチは、伝導性ポリマーマトリクスを組み込まず、酵素のカーボンペーストマトリクスへの機械的混合を含む。
【0033】
式(7)〜(10)に示される酵素スキームは、生化学反応の結果としての過酸化水素を放出しないが、分析物は、他の生成物、すなわち、デヒドロアスコルビン酸(アスコルビン酸オキシダーゼ−7)、グルタメート(L−グルタミン酸デヒドロゲナーゼ−8)、CO(ホルメートデヒドロゲナーゼ−9)、キノン(ポリフェノールオキシダーゼ−10)をモニタリングすることによって検出され得る。本発明は、反応スキームまたは表1に示される10個の酵素に限定されず、任意の酸化還元活性酵素系で実行され得る。例として、カーボンナノチューブ電極上へのアスコルビン酸(式7)を伴う、インサイチュでのアニリンの重合(0.2M HSO中に0.1M)のサイクリックボルタンモグラムを図5に示す。デヒドロアスコルビン酸へのアスコルビン酸の酸化に起因するピーク応答電流(0.6V)の応答を、図6に示す。センサーの選択性は、図7に示され、ここで、酸化ピークは、過酸化水素について明確に識別可能である。これは、アスコルビン酸による干渉を排除し、より高い選択性を提供する。
【0034】
類似の結果は、他の酵素系について得られた。マトリクスナノバイオセンサーは、連続的なセンサー素子からのいかなる干渉も有さないが、異なる酵素が9個の個々の素子上に固定される。
【0035】
(マトリクスナノバイオセンサーの安定性)
マトリクスナノバイオセンサーアレイは、多くのアッセイ(百を超えるアッセイ)において安定であった。センサーの寿命は、酵素の活性の関数である。ナノバイオセンサー中の伝導性ポリマーマトリクスは、ナノチューブマトリクス中の酵素に対して良好な安定性を提供する。その生化学的活性に基づく特定の酵素の安定性を表2に与える。さらに、酵素安定化は、センサーの寿命を延長し得る。
【0036】
【表2−1】

【0037】
【表2−2】

(毒性気体の検出のためのマトリクスナノバイオセンサー)
(一酸化炭素(CO)センサー)
作用電極は、ナノ構造白金材料(すなわち、白金ナノ粒子または白金ナノ粒子を電気メッキされたカーボンナノチューブ)から構成される。作用電極として白金を使用する主な理由は、その公知の、一酸化炭素の触媒的酸化にある。カーボンナノチューブ上への白金ナノ粒子のコーティングは、COに対する作用電極の表面触媒活性を増加させ、より高い感度を生じる。対電極は、金属(例えば、白金、金など)から構成され、参照電極は、例えば、Ag/AgClから構成される。電解質は、強酸電解質(例えば、5M HSO)から構成され、このセンサーは、親水性半透過性膜に収容される。
【0038】
センサーを使用する一酸化炭素の検出を含む電気化学反応は、以下である:
センシング電極での反応:CO+HO → CO+2H+2e
対電極での反応:1/2O + 2H+2e → H
全体の反応:CO+1/2O → CO
センサーを使用する白金電極でのCOの酸化のサイクリックボルタンモグラムを図8に示し、ここで、下側の曲線は、COの非存在に起因して、特徴的なピークを示さない。COがセンサーに曝露される場合、約0.85Vの特徴的な酸化ピークが存在する。カーボンナノチューブ−白金ナノ粒子複合体の提案されるアプローチは、カーボンナノチューブの含有に起因して、過酸化水素センサーについて観察されるように、より高い感度およびより低い酸化電位を有する。図9は、COの曝露に対するセンサーのクロノアンペロメトリー応答を示す。センサーは、迅速な応答時間を有し、信頼性のある測定を提供する。なぜなら、0.85Vの酸化ピークは、白金によるCO酸化についた特徴的であるからである。
【0039】
上で考察される実施形態は、ナノバイオセンサーの開発について9個の素子のマトリクスの作製を記載する。先の設計エレクトロニクスは、参照電極および対電極とともに各センサー素子の個々の駆動を組み込んだ。この設計が単一素子バイオセンサーよりも良好な発展であるものの、n×nセンサー素子の開発のために、この設計を拡張するのは幾分困難であり得る。先の設計はまた、平坦な構造を組み込み、参照電極、対電極および作用電極は、X−Y平面に配向したシリコンチップである。ナノバイオセンサーは、ナノバイオセンサー基材が線形である場合、数百の分析物を検出するために拡張され得る。ナノバイオセンサーの多様性を拡張するために最適な設計およびエレクトロニック駆動部の要件が存在する。
【0040】
以下の実施形態は、ナノバイオセンサーの代替の設計を提供する。
【0041】
以下が開示される:
1)三電極システム(作用電極、対電極、参照電極)についての直線設計アプローチ;
2)単一素子およびマトリクスアレイ形態での、作用電極の近位における参照電極の特定の配置;
3)対電極の領域上の半透過性疎水性膜の設計、および膜から分離された電解質中の参照電極および作用電極に対して近位の対電極の設計。これは、電気化学ガスセンサーの化発において非常に重要である;
4)線形およびマトリクスアレイ素子の駆動を可能にする小型エレクトロニクスの開発。このセンサーエレクトロニクスは、標準的な実験室のポテンシオスタット無しで、センサーにおいてサイクリックボルタンメトリー測定およびクロノアンペロメトリー測定を可能にする;
5)ナノバイオセンサー用途のためのアクティブマトリクスの設計(液晶ディスプレイのアクティブマトリクスに類似する)(コンパクトな領域でのn×nセンサー素子の開発を可能にし得る)。本発明は、電気化学(三電極)システムのためのアクティブマトリクスシステムの開発についての最初の報告である。アクティブマトリクスのためのエレクトロニクスは、シフトレジスターを使用し、アクティブマトリクスの全てのセンサー素子を駆動し得る。
【0042】
電極システム(作用電極、対電極および参照電極)を備える電気化学センサーは、外部ポテンシオスタットと接続される電解質において作動する(図3を参照のこと)。電気化学ベースのセンサーについて種々の設計が報告されているが、複数分析物の検出のためにアレイベースのセンサーの開発に対する努力は、限られている。複数センサーアレイの問題は、他の化合物からの交差干渉、センサー素子の安定性などである。バイオセンサーは、捕捉試薬を使用して報告されている。捕捉試薬を有するエレクトロセンサーを使用して分析物を検出するためのデバイスおよび方法(国際特許、WO0138873、2001)があるが、単一の分析物の検出に限られている。ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノ粒子のような異なるナノスケールの材料が基材または結合剤として使用されているが、複数の分析物の検出が可能なマトリクスナノバイオセンサーの開発についての一体化したアプローチは存在していない。電気化学バイオセンシング技術は、光学的、誘電的、容量的、抵抗ベースの技術と比較して正確に、液体および気体の分析物の両方の検出において大きな多様性を有する。分析物と生物学的因子の特異的な相互作用は、開示される発明において電気化学的に時間とともにモニターされ得る。
【0043】
米国特許第6,656,712号は、攪拌無しで、インキュベーションによってタンパク質をカーボンナノチューブに結合させることを記載する。溶液中の生物学的高分子は、適切な温度およびpH条件下で、それらの末端において閉じたカーボンナノチューブに結合する。本発明は、伝導性ポリマーマトリクスの電気重合(electropolymerization)を含む、高分子、酵素、タンパク質、抗体、アプタマー、核酸、抗原、DNA、アプタマー、リボソームの結合のためのアプローチを使用する。このようなセンサーのアレイは、数分以内で実施され得、電気化学/生化学反応に適切なフレームワークを与える。本発明はまた、疎水性、半透過性膜の使用によって、気体分析物および液体分析物の両方の検出の効率的な方法を提供する。電解質は、化学戦因子、生物戦因子の検出、ガス検出、代謝モニタリングおよび他の用途のために、湿性(液相)または乾性(ナフィオン、ナノ構造シリカ、ヒドロゲルおよび他のもの)であり得る。
【0044】
(線形アレイナノバイオセンサー)
本発明の実施形態に従う線形ナノバイオセンサーの設計は、図10、11Aおよび11Bに示される。図11Aは、上面図であり、一方、図11Bは、図10に示される電極アセンブリの1つの部分断面図である。上記されるように、センサー素子は、カーボンナノチューブ1100、および伝導性ポリマーおよび生物学的酵素1101から構成される。センシング素子は、シリコン基体1110上に支持された作用電極1104であり;プラスチック(ポリマー)、ガラス、セラミック、ITO、カプトンおよび印刷回路基体のような他の基体がまた使用され得る。裸の(bare)基体上に使用される絶縁層は、金属窒化物、金属酸化物、ポリマーなどであり得る。参照電極1103は、Ag/AgCl(銀、塩化銀)、SCE(標準的カロメル電極)、SHE(標準水素電極)、または他の標準的な参照電極から構成され得る。対電極1102は、金、銀、銅、チタン、白金、クロム、アルミニウムなどのような伝導層であり得る。線形構造において、絶縁支持体(図示せず)は、参照電極1103、作用電極1104、および対電極1102を分離するために提供され得る。なぜなら、3つの電極が、電気化学プロセスの間に互いに分離されることが必要であるからである。本発明は、液体分析物および気体分析物の検出のための効率的な方法を提供する。ガスセンサーは、囲まれた半透過性疎水性膜(図示せず)を使用し得、これはまた、異なる気体(電子供与体および電子受容体)間を区別するために透過選択性(permi−selective)であり得る。膜は、対電極/作用電極に組み込まれ得るか、またはシステムから分離され得る。膜の目的は、電気化学反応のために作用電極内への気体の一方向の進入を可能にすることである。三電極システム中の参照電極1103の目的は、作用電極1104の周りに安定な電位を維持することである。
【0045】
図10、11Aおよび11Bは、対電極1102が線形システムの頂部に配置される設計を提供する。対電極1102が作用電極1104から遠くに配置され、作用電極の面積の少なくとも10倍の面積を有することが一般的に望ましい。
【0046】
(アクティブマトリクスアレイナノバイオセンサー)
アクティブマトリクス回路は、液晶ディスプレイにおいて以前に使用されている(Azuma,Seiichiro,「Fabrication of Thin−Film Transistor for Active−Matrix Liquid−Crystal Display」,Patent:JP 2003100639,2003;Hebiguchi,Hiroyuki,「Active Matrix Type LCD In Which a Pixel Electrodes Width Along a Scanning Line is Three Times Its Data Line Side Width」,米国特許第6,249,326号,2001)。マトリクスナノバイオセンサーの有効性は、行列(row and colmun)アドレス可能アレイを使用することによって向上され得、これは、費用効果的で小型の様式で作製され得るn×nマトリクスの開発を可能にする。図12は、9個の作用電極(W11〜W33)を組み込む例示的な3×3マトリクスアレイの上面図(図11に関して上記したとおり)を示し、各作用電極の構成が行列ドライバーによって駆動される(図14を参照のこと)。例えば、作用電極W11は、行1(R1)および列1(C1)によって駆動される。センサー素子(各作用電極の構成)はまた、行列アドレッシングのための能動素子(AC)を組み込み、R1およびC1は、作用電極W11を活性化するために「オン」にされるべきである。アクティブマトリクスアレイは、複数の作用電極の同時の駆動を可能にし、これは、線形アレイ設計において達成され得ない。例えば、サイクリックボルタンメトリープロセスにおける50mV/sの走査速度での−1V〜+1Vの電圧掃引は、1つの電極で80秒かかる。この設計は、図2に示され、作用電極が線形様式で配置され、9個の分析物の応答を読むために12分間かかる。これは、複数の分析物を検知する間、かなりの不利益を提示する。図14は、作用電極の同時の駆動が検出時間をかなり短くする、アクティブマトリクスの構成を記載する(例えば、50mV/sの走査速度での−1V〜+1Vの電圧掃引でのサイクリックボルタンメトリーで作動する80秒)。この設計は、センサー素子の多重化、およびマイクロ製造技術を用いる数百のセンサー素子の小型化のためのかなりの余地を提供する。能動素子(AC)は、図13に示されるように、異なる構成を組み込み得る電気回路で作製される。能動回路は、2つのダイオード(図13a)、コンデンサーに接続された抵抗器を有するダイオード(図13b)、またはトランジスター(図13c)を構成し得る。本発明は、上記アクティブマトリクス構成要素に限定されないが、マトリクスアレイナノバイオセンサーのための行列操作をアドレスし得る任意の「能動」電子回路に拡張され得る。図13に示される任意の作動電極構成(Wxy)について、アクティブマトリクスは、図12に示されるように、行(Rx)および列(Cy)に接続されるべきである。
【0047】
能動作用電極構成要素は、電気化学反応のための参照電極および対電極(図11を参照のこと)を組み込む。電気化学技術としては、サイクリックボルタンメトリー、クロノアンペロメトリー、差分パルスポルタンメトリー、線形掃引ボルタンメトリー、ストリッピングボルタンメトリー、ACボルタンメトリー、ACインピーダンス、などが挙げられるが、これらに限定されない。センサーは、電流測定法、電位差測定法、伝導性測定法、ボルタンメトリー法またはこれらの組合せによって、分析物を検出するために使用され得る。図14は、行1401ドライバーおよび列1402ドライバーを備える、n×nアレイマトリクスの断面図を示す。この構造は、作用電極1104のn×nアレイを組み込み、各素子は、先に記載されるように、特定のカーボンナノチューブ1100、伝導性ポリマー、酵素の組合せ1101を組み込む。本発明は、上記構成要素の上記混合物に制限されないが、炭素(全ての形態)、貴金属(金、白金など)、およびタンパク質、抗体、核酸(DNA、RNA)、ペプチド、アプタマー、アプタザイム(aptazyme)、異なる伝導性ポリマーと組み合わせたタンパク質とともに使用され得る。
【0048】
(駆動エレクトロニクス(drive electronics))
マトリクスアレイナノバイオセンサーにための駆動エレクトロニクスは、図15に示される。アクティブマトリクスアレイナノバイオセンサーは、クロックおよびイネーブル(enable)でデータに接続される作用電極1104のn×nアレイに接続されるシフトレジスター1401を組み込む。作用電極アレイは、電流−電圧(I/E)変換器1402に接続され、参照電極は、電位計回路1403に接続され、この電位計回路1403は、対電極1102に接続される制御増幅器1404に接続される。線形アレイセンサーについての電子回路の異なる構成要素は、図3に記載されるものと類似する。参照電極1103は、作用電極1104と互いに組み合わせて示されるが、異なる構成が可能であり、本発明に対する制限ではない。代表的に使用される電圧掃引は、1mVのステップで50mVの走査速度で約−1V〜+1Vであるが、他のポテンシャル窓、走査速度およびステップサイズは、サイクリックボルタンメトリー測定のために使用され得る。n×nアレイからの複数のチャネルの出力は、分析物の存在を示すために、ディスプレイデバイス(図示せず)またはアラーム(図示せず)に接続される。図15に示される設計は、各センサー素子のために小型回路(電位計、I/E変換器、制御増幅器)を構築することによってn×nセンサー素子を駆動するように改変され得る。図14に示される行ドライバーおよび列ドライバーは、センサーマトリクスの任意のX−Y素子にアドレス可能である。能動素子1405(AC)の各々が、行−列アドレッシングによって、スイッチ1406によって制御され得る。
【0049】
本発明およびその利点が詳細にに記載されているが、種々の変更、置換および改変が、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなる、ここでなされ得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態を図示する。
【図2】図2は、本発明の1つの実施形態を図示する。
【図3】図3は、本発明の実施形態からの情報の入力および出力のための電子回路を図示する。
【図4】図4は、9個のセンサー素子からの応答を図示する。
【図5】図5は、本発明の実施形態の応答を図示する。
【図6】図6は、アスコルビン酸に対するマトリクスバイオセンサーの応答を図示する。
【図7】図7は、本発明の例示的な実施形態の応答のグラフを図示する。
【図8】図8は、本発明に従って構成されたセンサーの作動のグラフを図示する。
【図9】図9は、本発明に従って構成されたセンサーの作動のグラフを図示する。
【図10】図10は、本発明の代替の実施形態を図示する。
【図11A】図11Aは、本発明の代替の実施形態のさらなる詳細を図示する。
【図11B】図11Bは、本発明の代替の実施形態のさらなる詳細を図示する。
【図12】図12は、本発明のマトリクスアレイの実施形態を図示する。
【図13】図13は、アレイ中の本発明の実施形態をアドレッシングするための能動回路を図示する。
【図14】図14は、本発明の実施形態に従うマトリクスアレイの構成を図示する。
【図15】図15は、本発明の代替の実施形態を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノバイオセンサーのアレイを使用して複数の分析物を検出する方法であって、該アレイ中の複数のナノバイオセンサーが、カーボンナノチューブ上に固定された独特の生物学的実体を有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のナノバイオセンサーのうち第1のものが、カーボンナノチューブ上に固定された第1の生物学的実体を有し、該複数のナノバイオセンサーのうちの第2のものが、カーボンナノチューブ上に固定された第2の生物学的実体を有し、該第1の生物学的実体が、該第2の生物学的実体と比較して独特である、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、各ナノバイオセンサーが、カーボンナノチューブ上に固定された生物学的実体を有する作用電極、参照電極、および対電極を備える、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記電極が、前記ナノバイオセンサーの各々を走査するための回路に接続されている、方法。
【請求項5】
複数の分析物を検出するための装置であって、該装置が、ナノバイオセンサーのアレイを備え、各々が、カーボンナノチューブ上に固定された生物学的実体を備える、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記アレイ中の複数のナノバイオセンサーが、独特の生物学的実体を有する、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記複数のナノバイオセンサーのうち第1のものが、カーボンナノチューブ上に固定された第1の生物学的実体を有し、該複数のナノバイオセンサーのうちの第2のものが、カーボンナノチューブ上に固定された第2の生物学的実体を有し、該第1の生物学的実体が、該第2の生物学的実体と比較して独特である、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、各ナノバイオセンサーが、カーボンナノチューブ上に固定された生物学的実体を有する作用電極、参照電極、および対電極を備える、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記電極が、前記ナノバイオセンサーの各々を走査するための回路に接続されている、装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置であって、前記参照電極が、前記個々の作用電極に近接しており、アクティブマトリクス構成で配置されている、装置。
【請求項11】
請求項8に記載の装置であって、アクティブマトリクス構成の前記複数の作用電極が、複数の分析物を検出するために同時に駆動され得る、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−513357(P2007−513357A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544124(P2006−544124)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/042021
【国際公開番号】WO2005/074467
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(500058408)ナノプロプリエタリー,インコーポレイテッド (10)