説明

マトリックス型仕分けシステム

物品の仕分けに用いるためのマトリックス型搬送システム、及び、物品を搬送し仕分けるための方法が提供される。一実施形態では、このマトリックス型システムは、第1方向に延長した複数の第1無端ベルト又はチェーンコンベヤーと、第1コンベヤーと交差して第2方向に延長した複数の第2無端ベルト又はチェーンコンベヤーから成る。このシステムは、1つ又はそれ以上の貯留所から分配のために送給されてくる物品を仕分けするのに用いることができ、あるいは又、物品を1つ又はそれ以上の貯留所へ送給するために仕分けるのに用いることができる。別の実施形態では、このシステムは、3つの異なるレベルの互いに交差するコンベヤーによって構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、物品搬送技術に関し、特に、物品を搬送又は仕分けする(ソートする又は分類する)ためのコンベヤーマトリックス(コンベヤーの縦横又は格子状配列体)を含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年来、小型から中型の小包、パッケージ、封書等の物品の翌々日又は翌日配達を求める商業界及び個人からの要望が、着実に増大している。この要望は、1つには、インターネットや通信販売(メールオーダー)による購買の普及に起因しており、そのために、商品を共同のキャリヤー(運送業者、運搬車、運搬設備)へ好便に配送するための能率的かつ効率的な分配システムを必要とする要望が存在する。従って、又、この益々増大している物品を迅速に搬送し、仕分けし、分配するための方法及びシステムを求める要望が高まってきている。
【0003】
実際、今日では、共同運送会社が物品を小〜中型パッケージ等の形で中央仕分けターミナル又はハブへ輸送し、そこでパッケージを、例えば共通の地域送付先などを有する所定のパラメータに従って仕分けし、1つのグループとして配達するということが一般的になっている。物品が地域別送付先へ送達されたならば、それらの物品をそれぞれの最終送付先へ分配するために再度仕分けする必要がある。その作業を翌日配達を保証するのに必要な時間内に実施するためには、中央仕分けターミナル又はハブも、地域仕分けターミナル又はハブも、毎日何十万個ものコード化パッケージを受け取り、仕分けし、分配しなければならない。購入者は注文した商品を大きな遅滞なしに受け取ることに慣れてしまっているので、配達側だけでなく、分配側にも同様な必要性が存在する。
【0004】
従って、必然的に、使用される仕分けシステムは、パッケージをこれらの所定の時間パラメータ内で処理することができなければならない。実際、翌日の即ち一夜あけの配達を必要とするパッケージの数が増え続けていることに対応するために、仕分けシステムは、ほんの2、3年前に比べてはるかに迅速にかつ能率的に作動しなければならない。又、それらのシステムは、パッケージ処理需要の変動に対処することができるように適応性が高く、かつ、構造が簡単で、安価であることが望ましい。
【0005】
1960年代という相当以前から、パッケージ仕分けシステムは、パッケージを受け取り、搬送し、所定の分配ステーションにおろす移動ユニットを備えた無端「ループ」コンベヤーを有する原始的「誘導」型システムに依存している。具体的にいえば、米国特許第3,167,192号及び3,327,836号は、無端コンベヤーチェーンによって推進される傾動トレー組立体ユニットを用いるパッケージ仕分けシステムを開示している。これらのシステムでは、タイマーとかなり信頼性の低い磁気読取り装置が、傾動ソレノイドを作動させてトレーを一方の側へ傾動させ、それによって、理論的には、トレーが目的地点に到達したときトレーの上からパッケージを重力によって受動的に引っ張るようになされている。しかしながら、特に、物品(パッケージ)を所望の目的地点に送達するまでにループ全体を集会させなければならないので、そのようなシステムは、物品処理速度という点で大きな問題がある。
【0006】
米国特許第4,832,204号に記載されているより最近の仕分けシステムは、システム全体の処理速度及び効率を改善する試みとして、上述した従来技術の傾動トレー式仕分けシステムをより複雑なスキャン装置及びコンピュータ制御装置と統合したものである。この米国特許第4,832,204のシステムは、これらの構成機器を複雑性を増すことと、コスト高になるという犠牲を払って、より近代的であると考えられる最新技術のシステムとして統合することには成功したが、基本的な仕分け装置及び方法を改善するという点では依然として成功していない。基本的に、パッケージ配達業者は、米国特許第4,832,204のシステムのように主として重力による積み換え(移し換え)方式に依拠する複雑でコスト高の傾動トレー式システムへの依存から離れることを要望しており、同時に、仕分けシステムの全体的処理速度、効率及び適応性の有意の向上を求めている。
【0007】
最近、「傾動トレー」式仕分け装置(ソーター)は、より能率的であるといわれる「クロスベルト」式仕分け装置に取って代わられてきている。このタイプの仕分けシステムは、一例を挙げれば、被駆動カーの無端列(ループ)と、そのループを周回して搬送するために1個の物品を送り込むのに用いられるオペレータ制御の供給コンベヤーを備えている。カーがそれに積載されている物品の所望の目的地点に到着すると、オンボード(カーに搭載されている)コンベヤーが作動して物品を搬出コンベヤー上へ吐出する。このタイプのシステムの初期の例は、米国特許第3,977,513号に開示されており、より近代的な例は、雑誌「近代マテリアル搬送」の2003年9月号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に記載されている。
【0008】
このタイプの仕分けシステムを求めるのは産業界全般の傾向であるが、このシステムにもやはり効率という点で同様な問題がある。傾動トレー式システムの場合と同様に、所与の時点に1つの選択されたカー上に1個の物品しか載せることができない。このことが、システム全体の処理量にとって大きな制約となり、需要に追いついていくためには多数の仕分けシステムを同時に作動させる必要がある。又、構造の複雑なクロスベルト付きの個別カーの使用は、信頼性とメンテナンスの観点からも問題を提起する。
【0009】
更に、従来の仕分けシステムは、いろいろなイベント(故障、事故などの事象)の発生によりダウンタイム(休止時間、不稼動時間)を余儀なくされるので、物品を連続的に仕分けすることができない。例えば、時々システム内へ誤って導入される物品を回収し、取り除かなければならない。又、次の物品グループを導入する前に先の仕分け作業を完了するには、先の仕分け作業で誤って取り残された物品があればそれらの物品を導入しなければならず、コスト高につながるダウンタイムを招くことになる。2台の誘導型仕分けシステムを並行して稼働すれば、問題を部分的に軽減することができるが、必ずしもコストの削減にはならない。既存のシステムは、又、非常に大きなフロアスペースを占有する傾向があり、所与の設備を用いてコストの削減を達成することは困難である。
【特許文献1】米国特許第3,167,192号
【特許文献2】米国特許第3,327,836号
【特許文献3】米国特許第4,832,204号
【特許文献4】米国特許第3,977,513号
【特許文献5】米国特許第4,953,693号
【特許文献6】米国特許第5,031,757号
【特許文献7】米国特許第4,426,074号
【特許文献8】米国特許第6,874,617号
【非特許文献1】雑誌「近代マテリアル搬送」の2003年9月号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、この分野の技術を改善する試みの重要な側面は、益々増大する物品をより能率的に搬送し、仕分けし、分配することができる仕分けシステム及びそれに関連した方法を提供することである。望ましい解決策は、特に被搬送物品を例えば無端誘導ループ上の特定の場所に吐出するための傾動トレーをなくすことによって、複雑さを排除するものでなければならず、傾動トレーに代えて簡単な構造の無端ベルト又はチェーンコンベヤーを用いるものとすべきであろう。効率の向上及び使用上の適応性の増大は、複雑さの増大を伴うことなく達成されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1側面によれば、物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムが提供される。このコンベヤーシステムは、第1方向に延長しており、各々、第1物品搬送表面を有する複数の実質的に連続した第1無端ベルト又はチェーンコンベヤーと、第1コンベヤーと交差して第2方向に延長しており、複数の実質的に連続した第2無端ベルト又はチェーンコンベヤーから成る。各第2コンベヤーは、それと交差する第1コンベヤーの少くとも1つから積み換えられてくる物品のための第2物品搬送表面を有する。
【0012】
仕分け作業を自動化するために、このシステムは、更に、第1コンベヤーの少くとも1つからそれと交差する第2コンベヤーの1つへ少くとも1個の物品を積み換えるための積み換え手段を含むものとすることが好ましい。この積み換え手段は、各第1コンベヤーからそれに連関する第2コンベヤーへ少くとも1個の物品を積み換えるために各交差部(第1コンベヤーと第2コンベヤーの交差部)に近接したところに配置することができる。一実施形態においては、第1コンベヤーは、第2コンベヤーの上方に配置され、物品積み換え手段は、物品の少くとも1個を第2コンベヤーへ送給するための物品落とし位置をとることができる第1コンベヤーの一部分(物品降下部分)によって構成される。各第1コンベヤーの物品降下部分の一端は、それに連関する第2コンベヤーの幅方向に互い違いに位置づけすることが好ましく、それによって、物品同志の衝突を回避することができる。
【0013】
第1コンベヤーは、互いに平行とし、第2コンベヤーに対してほぼ直角に延長させ、相互に連結されたモジュラーリンク(モジュール式コンベヤリンク)から成るものとすることができる。更に、第1又は第2コンベヤーから物品を受け取るための複数の第3コンベヤーを設けることができる。その場合、第3コンベヤーは、第1コンベヤーと交差させて第2コンベヤーとほぼ平行に延長させる。随意選択として、第3コンベヤーは、第2コンベヤーの搬送方向とはほぼ反対の方向に物品を移動させることができる構成とすることもできる。
【0014】
本発明の第2側面によれば、物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムは、第1水平平面内で第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、第2水平平面内で第1方向に対してほぼ直角に延長し、かつ、該複数の第1コンベヤーと交差する1つの第2コンベヤーと、仕分けを行うために第1コンベヤーと第2コンベヤーの間で少くとも1個の物品を積み換えるために各交差部に設けられた積み換え手段とから成る。
【0015】
一実施形態においては、積み換え手段は、第1コンベヤーと整列する第1部分と、第2コンベヤーと整列する第2部分を含むL字形積み換えコンベヤである。L字形積み換えコンベヤの第2部分は、物品を第2コンベヤー上へ滑りおろすことができるように水平平面に対して傾けることが好ましい。あるいは別法として、積み換え手段は、能動コンベヤー、受動コンベヤー又は昇降機によって構成することもできる。
【0016】
第2コンベヤーは、複数の第1コンベヤーの下方又は上方に配置することができる。いずれの場合にも、このシステムは、第1コンベヤーから少くとも1個の物品を積み換え手段へ移動させるための移動手段を含むものとすることができる。一実施形態では、この移動手段は、第1コンベヤーに連関させた転向器(方向転換器)とする。
【0017】
本発明の他の側面によれば、物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムは、第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、第1コンベヤーの上方に配置され、第1コンベヤーと交差する複数の第2コンベヤーと、第1コンベヤーの下方に配置され、前記第1方向又は第2方向に延長した少くとも1つの第3コンベヤーから成る。
【0018】
好ましくは、第1方向と第2方向とは互いにほぼ直角をなし、1つの第1コンベヤーから1つの第2コンベヤーへ物品を積み換えるための積み換え手段が設けられる。このシステムは、更に、1つの第1コンベヤーから第3コンベヤーへ物品を積み換えるための積み換え手段を含むものとすることができるが、第1コンベヤーと第2コンベヤーと第3コンベヤーとの各交差部に積み換え手段を設けることが好ましい。
【0019】
本発明の更に他の側面によれば、物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムは、第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、第1コンベヤーと交差する複数の第2コンベヤーと、各交差部で第1コンベヤーから第2コンベヤーへ物品を積み換えるための第3コンベヤーから成る。好ましくは、第3コンベヤーは、第1コンベヤーと整列する第1部分と、第2コンベヤーと整列する第2部分を含むL字形積み換えコンベヤである。L字形積み換えコンベヤの第2部分は、物品を第2コンベヤー上へ滑りおろすことができるように水平平面に対して傾けることができる。
【0020】
本発明の更に他の側面によれば、物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムは、第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、第1コンベヤーと交差する複数の第2コンベヤーと、特定の共通の特徴を有する物品を受け取るために各第2コンベヤーに連関して設けられた少くとも1つの受取器から成る。共通の特徴とは、例えば、国、地域、州、ジップコード(郵便番号)、市、町、村、及び通りのアドレスから成る群から選択された配達目的地である。
【0021】
好ましくは、各第2コンベヤーは、選択された1個の物品を前記受取器へ送給するための送出コンベヤーと組み合わせる。このシステムは、更に、各々対応する第2コンベヤーから選択された1個の物品を送出するための送出コンベヤーと組み合わされた複数の受取器を含むものとすることができる。この送出コンベヤーは、各々独立して1個の物品を対応する受取器へ搬送することができる2つ以上のセグメントを含む割り出しコンベヤーとすることができる。
【0022】
本発明の更に他の側面によれば、第1レベル(高さ位置)の複数の第1コンベヤーと、第1コンベヤーと交差する第2レベルの複数の第2コンベヤーと、第3レベルの複数の第3コンベヤーを含む3つの異なる高さ位置のコンベヤーから成るマトリックス型仕分けシステムが提供される。第1コンベヤーは、送入コンベヤーとし、第2コンベヤーと第3コンベヤーは送出コンベヤーとすることができる。あるいは別法として、第1コンベヤーと第3コンベヤーを送入コンベヤーとし、第2コンベヤーを送出コンベヤーとしてもよい。
【0023】
本発明の更に他の側面によれば、物品を搬送する方法が提供される。この方法は、物品を第1方向に延長した複数の第1無端ベルト又はチェーンコンベヤーに沿って搬送する工程と、少くとも1つの第1コンベヤーから1個の物品を複数の第1コンベヤーと交差して第2方向に延長した複数の第2コンベヤーへ積み換える積み換え工程とから成る。この方法は、更に、該積み換え工程の前に、第2コンベヤーの1つへ積み換えるための1個の物品を選択する選択工程を含む。この選択工程は、例えば、物品の1つの共通の特徴を識別(同定又は特定)することから成る。この方法は、更に、(1)物品を第2コンベヤーから受取器へ積み換える工程、又は、(2)1つの第1コンベヤーから2つの異なる第2コンベヤーへ物品を積み換える工程を含むものとすることができる。
【0024】
本発明の更に他の側面によれば、物品を搬送する方法は、物品を第1方向に延長した複数の第1コンベヤーに沿って搬送する工程と、1つの第1コンベヤーから選択された第1物品を該第1コンベヤーの下方に配置され、第2方向に延長した第2コンベヤーへ積み換える積み換え工程と、1つの第1コンベヤーから選択された第2物品を該第1コンベヤーの上方に配置され、第2方向に延長した第3コンベヤーへ積み換える積み換え工程とから成る。これら積み換え工程は、対応する物品を能動的に又は受動的に搬送することによって行うことができる。
【0025】
本発明の更に他の側面によれば、物品を仕分けする物品仕分け方法が提供される。この方法は、第1方向に延長した第1レベルの複数の第1コンベヤーと、第1コンベヤーの下方に配置され、第2方向に延長した第2レベルの複数の第2コンベヤーと、第1コンベヤーの上方に配置され、第2コンベヤーと平行に延長した第3レベルの複数の第3コンベヤーを含むマトリックスを準備する工程を含む。この方法は、更に、複数の第1コンベヤーへ送給された1バッチの物品を、それぞれ対応する第1コンベヤーから第2又は第3コンベヤーの選択された1つへ選択的に送給することによって仕分ける仕分け工程を含む。このバッチの物品は、第1物品と第2物品を含むものとすることができ、その場合、仕分け工程は、第1物品を対応する第1コンベヤーから第2コンベヤーの選択された1つへ送給し、次いで、第2物品を対応する第1コンベヤーから第3コンベヤーの選択された1つへ送給することによって実施される。
【0026】
本発明の更に他の側面によれば、物品を仕分けする物品仕分け方法は、第1方向に延長した第1レベルの複数の第1コンベヤーと、第1コンベヤーの下方に配置され、第2方向に延長した第2レベルの複数の第2コンベヤーと、第1コンベヤーの上方に配置され、第2コンベヤーと平行に延長した第3レベルの複数の第3コンベヤーから成るマトリックスを準備する工程を含む。この方法は、更に、(1)複数の第1コンベヤーへ送給された第1バッチの第1物品を、対応する第1コンベヤーから第2コンベヤーの選択された1つへ選択的に送給することによって仕分ける仕分け工程と、(2)複数の第1コンベヤーへ送給された第2バッチの第2物品を、対応する第1コンベヤーから第3コンベヤーの選択された1つへ選択的に送給することによって仕分ける仕分け工程を含む。第1バッチの物品の仕分けと第2バッチの物品の仕分けは、同時に実施してもよく、あるいは、第1バッチの物品の仕分けを実施した後、第2バッチの物品の仕分けを実施するようにしてもよい。
【0027】
本発明の更に他の側面によれば、仕分けを必要とする物品を倉庫へ送給する方法が提供される。この方法は、物品を複数の送入コンベヤーへ送給する工程と、物品を該送入コンベヤーと交差して延長しており、特定の貯留所に連関した複数の送出コンベヤーの1つへ積み換える積み換え工程とから成る。この方法は、更に、(1)物品を1つの貯留所から前記複数の送入コンベヤーの1つへ送給する工程と、(2)該送入コンベヤーから1つの共通の特徴を有する物品を前記複数の送出コンベヤーの1つへ積み換える工程を含むものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1を参照すると、本発明の1側面を構成する仕分け(ソーター)システム10の一実施形態が概略的に示されている。図に示されるように、仕分けシステム10は、複数の互いに交差し異なる方向に延長したベルト又はチェーンコンベヤー12,14で構成された「マトリックス」(コンベヤーの縦横又は格子状配列体)から成るものとすることができる。各コンベヤー12,14は、無端ベルト又はチェーン型のコンベヤーであり、従って、物品を支持するための実質的に連続した搬送表面を提供する。(この点、ベルト又はチェーンコンベヤーとは違って実質的に途切れた搬送表面を呈する傾動トレー式ソーター(仕分け装置)とは異なる。)必ずしも必須の要件ではないが、Span Tech, LLC社からTHE DESIGNER SYSTEM(登録商標)という商標で製造販売されている無端ベルト又はチェーンコンベヤーのタイプを用いることが好ましい。このタイプのコンベヤーの詳細は、米国特許第4,953,693号及び5,031,757号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に開示されている。
【0029】
このマトリックス配列の結果として、各交差部は、物品を関連するコンベヤー12と14の間で積み換える(移し換える)ための積み換え可能場所又は地点Tを画定する。従って、1つの方向に延長している異なる送入コンベヤー12に載せて搬送されてきた2個又はそれ以上の物品を同時に仕分け、送入コンベヤーとは異なる方向に延長しており特定の目的地点(例えば、配達用トラック、受取器、又は、サブ仕分けシステム(細仕分けシステム)に連関した少くとも1つの送出コンベヤー14へ送給することができる。両方向に延長する多数の送入コンベヤー12と送出コンベヤー14を備えたシステム10を設け、物品を所望の交差部においてコンベヤー12と14の間で積み換える(移し換える)ことによって、非常に能率的かつ効率的な態様で、又、従来の無端ループ式誘導システムを用いる方式では知られていない態様で物品の仕分けを達成することができる。
【0030】
図1に示された実施形態では、システム10の送入コンベヤー12と送出コンベヤー14は、離隔した態様で互いにほぼ直角に(直交する第1方向Dと第2方向D)延長し、それによって「正規」格子(例えば、4×4)を形成している。(不規則格子(例えば、2×3、4×5、40×50等)を用いることもできる。)この特定の図示の実施形態では、マトリックス型システム10は、(1)第1長手方向に延長した第1組の送入ベルト又はチェーンコンベヤー12a・・・12n(図では4つのコンベヤー12a〜12dが示されている)と、(2)第1方向に対して横断方向の第2長手方向に延長した第2組の送出ベルト又はチェーンコンベヤー14a・・・14n(図では4つのコンベヤー14a〜14dが示されている)から成る。好ましくは、これらの送入及び送出コンベヤー12,14は、各々、分離した始点Sと終点Eを有している(即ち、これらの送入及び送出コンベヤー12,14は、仕分けを行うためにカーの連続した列を備えた無端ループ型コンベヤーを用いる従来の誘導システムとは異なり、直線状、即ち真直ぐで、互いに独立している)。好ましくは、各組のコンベヤー12及び14は、システム10を構成する部分を含め、互いにほぼ平行に延長し、無端経路に沿って同じ方向に(図1において矢印A及びB参照)に移動する構成とする。
【0031】
図2に明示されているように、送入コンベヤー12a〜12dは、第2即ち送出コンベヤー14a〜14dの上方の第1水平平面内に位置し、送出コンベヤー14a〜14dは、第1水平平面とは異なる第2水平平面内に位置する。かくして、多重層、多重レベル(高さ)又は多重段のコンベヤー12,14を備えたシステム10が形成される。一実施形態では、送入コンベヤー12a〜12dは、すべて、送出コンベヤー14a〜14dの上方に位置するが、以下の記述にも示されるように、この配置は、上下逆にしてもよく、あるいは又、幾つかのコンベヤーを上方に、幾つかのコンベヤーを下方に配置した2層より多い層の交差コンベヤーを用いることもできる(図7参照)。図には示されていないが、コンベヤー12,14は、すべて、前記米国特許第4,953,693号及び5,031,757号に記載されているように、地面より上に支持することが好ましい。
【0032】
本発明の別の側面によれば、少くとも1個の選択された物品をコンベヤーの間で積み換えるための積み換え手段を1つの送入コンベヤー12と送出コンベヤー14の間の各交差部に、又は、交差部の近傍に設けることができる。図1の実施形態では、積み換え手段は、積み換えコンベヤー16から成る。好ましくは、積み換えコンベヤー16は、ほぼL字形の被駆動無端ベルト又はチェーンコンベヤーであり、その上に積み換えられた物品を対応する送出即ち第1コンベヤー(例えば、コンベヤー12a)の平面から対応する送出即ち第2コンベヤー(例えば、コンベヤー14a)へ受け渡すように配向されている。図示のようなL字形の積み換えコンベヤー16の使用は、長手の方向を有するものである場合、特に好ましい。なぜなら、物品は、通常、送出コンベヤー14に到達したとき、送入コンベヤー12aの載せられていたときのとっていたのと全く同じ向きをとるからである。(送入コンベヤー12aに載せるときの物品の向きは、バーコードなどの符号が読み取られるのに適正な位置となるように物品を載せる作業者によって選択することができる。)ただし、例えば真直ぐの無端コンベヤー又は受動的スライド又はシュートのような直線状の、又は、受動的積み換えコンベヤー16の使用も可能である。
【0033】
積み換えするべく選択された物品の1つ又はそれ以上を積み換えコンベヤー16上へ移すために、転向器18を用いることができる。転向器18は、選択された物品を積み換えコンベヤー16上へ転向又は移動させる働きをするものであり、その機能を果たすための任意の構造のものであってよい。例えば、転向器18は、関連する送入コンベヤー12上の選択された1つの物品の進路を転換し、該物品を積み換えコンベヤー16上へ差し向けるための進退自在のアーム、ゲート、突片又はガイドによって構成することができる。あるいは、転向器18は、ピッカー(掴み上げ器)、キッカー(蹴り器)、プッシャー(押し器)又はそれに類する可動デバイスによって構成してもよい。
【0034】
以上の説明から分かるように、任意の選択された物品をコンベヤー12と14の間で積み換えるのに用いられる特定の手段は、使用されるシステムの構成や配置及び特別な要件(例えば、繊細な物品や書物を搬送する場合)に応じていろいろに変えることができる。又、積み換え手段は、能動的積み換えコンベヤー16に代えて、1つのコンベヤーからたのコンベヤーへ物品を移し換える、又は受け渡すための、例えば、プッシャー、キッカー、エゼクター(突き出し器)、リフター、エレベーター、アクチュエーター(作動器)、又は、それらの組み合わせ(シュートやコンベヤーとの組合せをも含む)などによって構成することができる。必ずしも好ましい選択ではないが、各交差部において手作業による「ピック・アンド・プレース」(掴み上げて、置く)作業を用いることも可能である(このような手作業は、送出コンベヤーの1つ又はそれ以上が送入コンベヤーの上方に位置している構成の場合に特に有用である。)いずれにしても、選択された物品は、送入コンベヤー12から送出即ち第2コンベヤー14の少くとも1つへ確実に移し換えられ、それによって所望の仕分けが行われる。
【0035】
再び図2を参照して説明すると、L字形積み換えコンベヤー16の、送出コンベヤー14aに隣接し、それとほぼ整列した部分即ちL字の一辺は、水平平面に対して傾けることができる。この傾け動作は、積み換えコンベヤー16に載せて運ばれてきた物品を、それに能動的に係合する必要なしに、関連する送出コンベヤー14上へ自動的に滑りおろすので有利である。積み換えコンベヤー16から滑りおりない物品があれば、それを最終的に転向させるのを助成するために積み換えコンベヤー16のこの一辺の端部又はその近くに固定ゲートのような受動的転向器(図示せず)を設けることもできる。又、受動的転向器を備えた傾動構造に代えて、積み換えコンベヤー16の非傾斜セクションから物品を移動させるための能動的転向器(図示せず)を用いることも可能である。物品積み換えのための適正な選択がなされる(従って、仕分けが行われる)のを確実にするために、送入コンベヤー12上に接近してくる物品は、作業者によって目視により、又は、周知のタイプの「機械視覚」スキャン技術(例えば、近傍に設置された(好ましくは頭上設置の)読取り機20)を用いてバーコード又はその他のコードを読み取ることによって識別することができる。各送入コンベヤー12上に載せられる物品の間隔は、1回に1個だけの選択された物品が積み換えられるように決められる。ただし、本発明によれば、無端ループに沿って走行する傾動トレーを利用し、1時点において1個の物品しか処理することができない従来のシステムとは異なり、共通の目的地へ配達するための複数個の物品は、複数の異なる送入コンベヤー12a〜12dから送出コンベヤー14a〜14dの1つ又はそれ以上へ同時に積み換えることができる。従って、より能率的な仕分け作業が達成され、相応して搬送速度を速める必要なしに何倍もの処理量の向上が可能である。
【0036】
すべての物品が送出コンベヤー14a・・・14nへ転向又は積み換えられる場合は、送入コンベヤー12a・・・12nは、単純にそこで(最終送出コンベヤー14が設置されている位置で)終端させてよいが、別法として、送出コンベヤー14a・・・14nへ積み換えられなかった物品を更に処理するために下流の部署へ最終的に送ることができるように送入コンベヤー12a・・・12nの1つ又はそれ以上を延長させることもできる。例えば、間違って積まれたなどのために注文を履行する必要がなく(従って、送入コンベヤー12a・・・12nのどれにも積み換えられずに)、1つの送入コンベヤー12a上に残されている物品があれば、それを「排除品」貯留庫(図示せず)へ送ることができる。あるいは別法として、そのような物品は、関連する貯留所へ戻すための1つの戻りコンベヤー上に集めるようにすることもできる。
【0037】
更に別の方法として、送入コンベヤー12a・・・12n上に残されている物品を別の仕分けシステムへ送給する方法を採ることもできる。そのような別の仕分けシステムは、別のマトリックス型システム(図示せず)とすることができ、そのマトリックス型システムは、連続した搬送表面を呈する単一の無端ベルト又はチェーン型送入コンベヤーと、該単一の送入コンベヤーと交差する複数の送出コンベヤーから成る「単一列」のマトリックスとすることができる。この構成は、物品が、すべて、同じ市又はジップコードを有する、あるいは他の何らかの共通の特徴を有する、それぞれ異なるアドレスへ配達すべきものである場合に好適である。
【0038】
図3を参照して説明すると、システム10の各送出コンベヤー14a・・・14nも、積み換え地点又はそれより下流部位において、その搬送方向に対して横断方向に水平平面に対してある角度に向ける、即ち、「傾ける」ことができる。そのような傾けによって、送出コンベヤー14へ積み換えられた物品を該コンベヤーの搬送表面に沿って該コンベヤーの所定の一側縁(例えば、送出コンベヤーの14に隣接する側部ガード(図示せず)によって画定される側縁)へ滑りおろすことができる。この傾けは、通常、物品を所望の操作(例えば、近傍の読取り機20を用いるなどしてバーコードを読取る操作)のための特定の向き(例えば、細長い物品の場合は、短辺端を先にした向き)をとるように転回させる働きをする。この操作が完了した後、図3に示されるように、物品を爾後の処理に付する前に水平平面と平行な位置へ復帰させるための「捩り」区間22をコンベヤー14の一部分に設けることが望ましい場合もある。
【0039】
上述したマトリックス型仕分けシステムの使用例は、無数である。1つの用例は、書物のような物品を倉庫内の保管場所から特定の目的地点(例えば、小売店へ出荷するための包装場所又は積荷ドック)配送するための設備への適用である。具体的にいえば、各送入コンベヤー12を倉庫内の書物の1つの区分グループに連関させる。「ピック・ツウ・ライト」(点灯し掴み上げる)システムが、倉庫内の保管場所(例えば、近くの棚やパレット上)の書物を「ピッカー」を介して対応する送入コンベヤー12上に載せるためにそれらの書物を識別(同定又は特定)し、その識別情報を視覚的に(画像によって)ピッカーに知らせる。かくして、ピッカーは、個々の書物を平行に走行する複数の異なる送入コンベヤー12上に、あるいは、システム10に連関した幾つかの送入コンベヤーに最終的に分割される単一のコンベヤー上に載せる。
【0040】
いずれの場合にも、各送入コンベヤー12a・・・12n上に載せられた書物は、システム10に接近すると、作業者によって、又は、機械スキャンによって識別される。後者の場合、機械スキャンによるスキャン位置の上流側に配置された係員が、コンベヤー上の書物が適正な向きにあり、単一化されている(例えば、搬送方向に所定の最小限の間隔だけ離隔されている)ことを確認することができる。各送出コンベヤー14は、幾つかの書物によって共有される共通のパラメータ又は特徴(例えば、特定の目的地、会社、個人、配送センター、書店、仕分け部署等)関連づけすることができる。送入コンベヤー12上の書物は、このようにして識別されたならば、上述した積み換え技法を用いて所望の態様で仕分けを実施するために、それぞれその識別に基づいて正しい送出コンベヤー14へ積み換えられる。この積み換え技法も、やはり、自動化することが好ましいが、手操作で行ってもよく、半自動化してもよい。
【0041】
書物は、送出コンベヤー14上の下流において、必要ならば(例えば、異なる目的地を有する書物があり、更に積み換えなければならない場合)、更なる仕分け(サブ仕分け)を受けることができる。もちろん、このサブ仕分け(細仕分け)のために、書物を識別し、パッケージ、貯留庫又は箱、袋、キャリヤー等へ移動させるためにこのコンベヤー14に沿って人員を配置することができる。あるいは別法として、又、後に説明するように、この「サブ」仕分けを実施するために、自動化システム、例えば、注文書の内容を表示した受取器(例えば、袋、箱又は貯留庫)へ送給するために各書物を検出し、適正な送出コンベヤーへ転送するシステムを用いることができる。
【0042】
上述したマトリックス型仕分けシステムと連携して使用することができる特別なサブ仕分け装置の一例が、図4〜6に示されている。図4に示されるように、この例では、全体のシステム10は、第1方向に延長した複数(20本)の送入コンベヤー12と、第2方向に延長した複数(10本)の送出コンベヤー14から成る。これらの送出コンベヤー14は、全体的に、共通の水平平面何に位置しているが、送入コンベヤー12の下方に配置されている。10本の送出コンベヤー14の各々は、1つ又はそれ以上の仕分け「ステーション」24に連関されている。図示の実施形態では、1つの共通の送出コンベヤー14(基本システム10の一部を構成する送出コンベヤー14とは別個のコンベヤーとしてもよい)の同じ一側に搬送方向に互いに間隔を置いて3つの仕分けステーション24a,24b,24cが設置されている。
【0043】
図5及び6を参照して説明すると、各ステーション24は、物品を関連する送出コンベヤー14から共通の特徴を共有する物品(例えば、特定の注文に対応する物品、又は、特定の国、地域、州、ジップコード、市、町、村、アドレス等へ配送されるべき物品)に対応する一時保管場所へ送給するための少くとも1つの好ましくは複数の横断方向コンベヤー26から成る。図示の実施形態では、6つの実質的に連続した横断方向コンベヤー26a〜26fが互いに平行に延設されている。好ましくは、各コンベヤー26a〜26fは、直列に配列された複数の個別コンベヤーセグメント(図では、例示の目的で6つのコンベヤーセグメント28a〜28fが示されている)を含む「割り出し」コンベヤーから成る。(複数の個別コンベヤーが共同して1つの連続したコンベヤーを形成する。)これらのコンベヤーセグメント28a〜28fは、1つの共通のモータ(図示せず)によって同一速度で同一方向に駆動されるようにしてもよいし、あるいは、それぞれ別個に作動されるモータによって互いに独立して駆動されるようにしてもよい。図5に示されるように、選択された物品は、送出コンベヤー14から関連する転向器18を用いて各割り出しコンベヤー26a〜26fの先頭のセグメント28fへ積み換えることができる。
【0044】
各コンベヤーセグメント28a〜28fに連関して設けられたセンサー(図示せず)によって、対応するセグメント上の物品の有無を検出することができる。この目的のためには、慣用の「光眼」(フォトアイ)センサー又は機械的センサー(例えば、重量センサー、物理的接触スイッチ等)を用いることができる。物品が送出コンベヤー14から割り出しコンベヤー26a〜26fの1つへ積み換えられると、その割り出しコンベヤーのセグメント28a〜28fは、貯留所又は貯留庫30に最も近いセグメント28aに関連したセンサーが物品を検出するまで作動する。
【0045】
第2の貯留所又は貯留庫30へ送給すべき第2の物品が上記第1の物品と同じ割り出しコンベヤー26a〜26fに到達した場合、その第2の物品も、上述したのと同様の態様で割り出しコンベヤー上へ積み換えられる。第2の物品は、第1の物品を保持している(静止状態に保持することができる)セグメント28aの上流のセグメント28bに到達するまで搬送される。このシーケンスを各割り出しコンベヤー26a〜26fの各セグメント28a〜28fにそれぞれ1つの物品が載せられるまで繰り返すことができる。
【0046】
割り出しコンベヤー26a〜26fの1つ又はそれ以上に物品が積み込まれたならば、それらの物品は、適正な貯留所へ移送される。図示の実施形態では、貯留所は、割り出しコンベヤー26a〜26fの数に対応する数の縦列(コラム)として配列された複数の貯留庫又は箱32を含む貯留庫構造体によって構成されている。貯留庫(区画箱)の横列(ロウ)の数は、最少で1つにすることもできる。その場合は、上述した割り出しコンベヤーは、複数のセグメントから成るものではなく、選択された物品(1個又は複数個)を送出コンベヤー14から適正な貯留庫へ移送するための単純な連続的に走行するコンベヤーに代えてもよい。ただし、処理量を最大限にするためには、貯留庫の数は、対応する割り出しコンベヤーのコンベヤーセグメントの数と少くとも同じにすることが好ましく、セグメント28の数×コンベヤー26の数と同じにすることが最も好ましい。かくして、6つの割り出しコンベヤーの各々が6つのセグメントから成る例では、貯留庫構造体30は、6×6個の貯留庫(区画箱)から成るものとする。
【0047】
各割り出しコンベヤー26a〜26fの送出端は、名目上、ただ1つの横列の貯留庫32に近接したところに位置する。最も下流の割り出しコンベヤー26a〜26f上の物品が該1つの横列の貯留庫の1つに属しているとすると(そのことは、手動又は自動の現場検出又は制御器を用いて知ることができる)、当該物品が所望の貯留庫へ移されるように、対応する割り出しコンベヤーが作動される。次いで、次のイン・ライン物品は、それが最も下流のコンベヤーセグメント(図示の例ではセグメント28a)に関連するセンサーによって検出されるまで、上述したような態様で前進する。該次の物品がその前の(先行の)物品と同じ貯留庫に属する場合(例えば、両方の物品(次の物品と先行の物品)が共通の目的地へ配達すべきものであるか、他の何らかの共通の特徴を有している場合)は、該次の物品も、同じ貯留庫に移送される。
【0048】
名目上の1つの横列の物品のうち1つの貯留庫への移送を予定されているすべての物品が該貯留庫へ移送されたならば、他の横列の貯留庫を割り出しコンベヤー26a〜26fの送出端に連関させるように貯留庫構造体30を移動させることができ、上述したシーケンスを繰り返す。貯留庫構造体30の貯留庫32が互いに水平方向と垂直方向の両方向に離隔して設けられている場合は、貯留庫構造体30の上記の移動は、各割り出しコンベヤー26a〜26fの最下流のセグメント28aから移送すべき物品が正しい貯留庫32に隣接したところに位置づけされるように昇降機を用いて構造体30を昇降させることによって実施することができる。物品が正しい貯留庫32に隣接したところに位置づけされた時点で、最下流のセグメントが作動されて物品を移送する。あるいは別法として、横断方向のコンベヤー26a〜26fを移動させて正しい貯留庫32に連関させるようにしてもよい。
【0049】
図に示されるように、貯留庫構造体30は、例えば車輪34を取り付けることなどにより移動自在とすることができる。所与の操業行程又は交替勤務時間分の仕分けが終了したならば、貯留庫構造体30を、物品を更に処理する(例えば、包装などのための)部署へ移動することができる。その間、貯留庫構造体30の各貯留庫32をチェックし、物品を取り出すのに要する時間などのために仕分け能率が阻害されることがないように、別の新しい代替貯留庫構造体30を仕分けステーション24に横付けすることができる。
【0050】
先に述べたように、図4〜6に示される全体システムの各貯留庫構造体30は、それぞれ、36(縦列6×横列6)の貯留庫32を有している。この例の構成では、10本の送出コンベヤー14が設けられ、各送出コンベヤー14にそれぞれ3台の貯留庫構造体30が連関され(組み合わされ)ている。従って、仕分け可能目的地又はアドレスの総数は、1,080である。各貯留庫構造体30の貯留庫横列が6列ではなく、12列あるとすると、この数字(仕分け可能アドレスの総数)は、倍になり、2,160ということになる。又、各第2コンベヤー即ち送出コンベヤー14に連関させる仕分けステーション24を二倍の6箇所にすれば、やはり仕分け可能アドレスの総数は、2倍の4,320となる。更に、送出コンベヤー14の数を(例えば、後述するように高さ位置の異なる第3レベルの送出コンベヤーを設けることなどにより)2倍の20本にすれば、仕分け可能アドレスの総数は、8,640にもなる。この数は、合理的なサイズの従来の単一の無端誘導ループ型仕分けシステムを用いてはなし得なかった数である。
【0051】
貯留庫構造体30の竪型設置に代えて、貯留庫入口32aが割り出しコンベヤー26a〜26fの下側に位置づけされるように図6に示される貯留庫構造体30をその背壁30aを地面Gに平行にして設置してもよい。その場合は、各コンベヤーセグメント28a〜28fから移送される物品が確実にそれぞれの適正な貯留庫32内に落下するように必要に応じて貯留庫構造体30を前後に移動させるために直線駆動デバイスを用いることができる。又、貯留庫構造体30の貯留庫32の横列の数を割り出しコンベヤー26a〜26fのの数より少なくした場合は、次のイン・ライン物品を対応する貯留庫32に合致させるために貯留庫構造体30を2つの異なる方向に移動させる必要がある。
【0052】
マトリックス型仕分けシステム10の下流でのサブ仕分けは、図5及び6に示された構成を使用するのに代わる更に別の選択として、例えば一連の平行に走行するコンベヤーと転向器(図示せず)を用いて物品の進路を決めることにより物品の流れを複数の「ライン」に分離することによって達成することもできる。この場合、これらのラインの個々のコンベヤーが、第2マトリックス型仕分けシステム(図示せず)の送入コンベヤーを構成し、この第2マトリックス型仕分けシステムが、物品を更に小さなサブグループに更に仕分けすることができる。特定の作業について所望度合又は所望「レベル」の仕分けを実施するのに必要なだけ、このプロセスを繰り返すことができる。
【0053】
マトリックス型システム10を、貯留所から物品を送給するのに用いるのではなく、逆の配置で用いることも可能である。例えば、仕分けを必要とする物品(箱、パッケージ等)を受け取ったならば、それらの物品を、倉庫のところに設置されており、最終的にマトリックス型システム10の複数の送入コンベヤー12に分割される1つの送入コンベヤーへ移すことができる。次いで、倉庫内の貯留所(例えば、特定の題名の書物、アルファベットの特定の文字で始まる題名の書物等のための貯留所)へ送給するべく、共通のパラメータ又は特徴を有するすべての物品を1つの特定の送出コンベヤー14上に載せるために物品の仕分けをマトリックス型システム10によって上述した態様で行わうことができる。次いで、物品をマトリックス型システム10へ戻すために送出コンベヤー14を送入コンベヤー12に切り換えることができる。かくして、マトリックス型システム10が、共通の特徴を有する物品を仕分けし、該共通の特徴が、該送出コンベヤー14(先に送入コンベヤーとして機能したコンベヤー)への積み換えをトリガーする(開始させる)。
【0054】
本発明の更に他の側面によれば、マトリックス型システム10は、3つ又はそれ以上の異なるレベル(高さ位置)のコンベヤーを含むものとすることができる。例えば、第3のレベルのコンベヤー(第3コンベヤー)を設け、それらのコンベヤーは、第2コンベヤー即ち上述した送出コンベヤー14からの選択された物品をそれぞれ異なる目的地点へ送給するために受け取ることができる。あるいは別法として、これらの第3コンベヤーは、送出コンベヤー14へ物品を送給するための、第1即ち送入コンベヤー12に対しても共通の第2送入コンベヤーとして機能させてもよく、あるいは、送入コンベヤー12から物品を受け取り、第2組の送出コンベヤーとして機能させてもよい。
【0055】
後者の場合、第2組の送出コンベヤーとして機能する第3コンベヤー(第3レベルのコンベヤー)は、第2即ち送出コンベヤー14に平行に延長させることが好ましく、送入コンベヤー12の上方又は下方に配置することができる。(第3コンベヤーを送入コンベヤー12の上方に配置するか、下方に配置するかに応じて、物品を積み換えるのにシュート又は動力を備えた昇降機のような積み換え手段を用いる。)ただし、第3コンベヤーは、送出コンベヤー14の走行方向とは反対の方向に走行させることが好ましく、下流のサブ仕分けステーション(物品を貯留庫に入れるための個々のステーション、又は物品を貯留庫に入れるための自動仕分け機等)に連関させる。この構成(送出コンベヤー14と第3コンベヤー34とを互いに反対方向に走行させる構成)は、図7に送出コンベヤー14と第3コンベヤー34の走行方向を示す矢印BとCによって示されている。(矢印AとDは、複数の送入コンベヤー12も、互いに異なる方向に走行させることができることを示している。)物品積み換え手段は、先に述べたの同様の積み換えコンベヤー16を含むものとすることができるが、この積み換えコンベヤーは、(高摩擦表面、へら(スクープ)、滑り止め突起又はくさび付きコンベヤー、又は、それらに類似したタイプの、物品を重力に抗して確実に搬送するための斯界において周知の機構を用いることなどにより)物品を安定した態様で昇降することができることが好ましい。図8から分かるように、積み換えコンベヤー16は、又、積み換えるべき物品を積み換えコンベヤー16から第3コンベヤー34の搬送表面上に単に落下させるように、対応する第3コンベヤー34より上の平面に終端していることが好ましい。
【0056】
2組以上の送出コンベヤーを備えたマトリックス型システム10は、実際の使用において幾つかの利点を発揮する。例えば、2つのことなるレベルの送出コンベヤー14と34を備えている場合、1回の操業中物品を送入コンベヤー12から第2送出コンベヤー14と第3送出コンベヤー34のどちらへでも積み換えることができるので、システム10の可能処理量を大きく増大させることができる。しかも、この処理量の増大は、搬送速度を速める必要なしに得られるので、全体の作業を従来の方法よりゆとりのあるものとし、より効率的にすることができる。
【0057】
もう1つの可能な使用方法は、マトリックス型仕分けシステム10の2つのレベルの送出コンベヤー14と34とを交互に使用する方法である。例えば、送入コンベヤー12と連携して用いられる下方の送出コンベヤー14は、システム10へ導入されてくる第1バッチ又はグループの物品を仕分けするようにする。これらの第1バッチの物品が送入コンベヤー12から積み換えられた後、第2バッチ又はグループの物品(同じ又は異なるタイプの物品)をシステム10へ導入し、上方の送出コンベヤー34へ移し換えることができる。それと並行して同時に、第1グループの物品は下方の送出コンベヤー14によって搬送され仕分けされる。このような仕組みを用いれば、システム10の連続的な操業が可能になる。ただし、1バッチの物品を仕分けた後どちらか一方のレベルの送出コンベヤー14又は34を周期的に休止させる(ダウンタイムを)必要がある場合がある(例えば、誤仕分けされた物品をアドレスし直す場合や、1個又は複数個の物品が間違ってシステム内へ導入され、特定の注文を履行するために置き換えなければならないような場合などのために)。
【0058】
マトリックス型システムの更に別の可能な使用方法は、所与の時点で送入コンベヤー12の1部分だけを作動させる方法である。例えば、図4に示された構成では、第1交替稼働時間帯(シフト)においては、各々5本の送入コンベヤー12から成る4つのグループG,G,G,Gのうちの1つだけが稼働され、物品を送出コンベヤー14へ送給し(あるいは1つの特定の貯留所だけからの物品を送給し)、他のグループの送入コンベヤー12は他の異なる交替稼働時間帯で使用される。それによって、各グループのコンベヤーの摩耗を一定に維持し、又、それらの有効寿命を延長することにもなる。仕分けを必要とする物品の数が増えたとき(例えば、クリスマスの時など)は、すべての対応する送入コンベヤー12を同時に稼働させることができる。
【0059】
物品をコンベヤー12と14の間で積み換えるための1つの代替手段が、図9及び10に示されている。この例の積み換え手段は、関連する送入コンベヤー12の別個に作動可能な降下(滑り落とし)部分36(米国特許第4,426,074号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)をも参照)によって構成される。これらの降下部分36は、積み換え可能地点である送出コンベヤー14との交差部又はその近傍に配置することができる。
【0060】
降下部分36の場合、各積み換え地点をシステム10を構成する送出コンベヤー14a〜14dの側方に沿って(横幅方向に)ずらす、又は食い違い関係にすることによって上流側の送入コンベヤー(送入コンベヤーが4本設けられている場合は12a〜12c)から積み換えられた物品の間で衝突が起きるのを防止することができる。図9は、この方式を、各第2即ち送出コンベヤー14の幅を関連する第1即ち送入コンベヤー12の幅より広くする(仮想線部分を参照)ことによって、及び、又は、送入コンベヤー12の降下部分36の先端(送出端)を選択的に位置づけすることによって達成することを例示している。この構成により、物品を送出コンベヤー14の幅方向のいろいろな異なる部位に容易に能率的におろすことを可能にし、かつ、他の送入コンベヤー12の上流側の積み換え地点から送給された物品との衝突を回避することができる。換言すれば、積み換えられたときの各物品の初期位置を関連する送出コンベヤー14の横幅に沿ってずらすことができる。このことは、図10に横に並んだ形で示されたパッケージ又は小包P,Pによって例示されている。図10は、第2のパッケージ又は小包Pが「ずらされた」降下部分36の送出端から送出コンベヤー14へ積み換えられたところを示す。
【0061】
本発明の仕分けシステム及びそれに関連する方法のいろいろ実施形態の上述した説明は、本発明の技術思想を例示するためのものであり、本発明をここに開示した実施形態に完全に一致したものに制約することを企図したものではなく、上述した教示に照らしていろいろな改変又は変更が可能であることを理解されたい。例えば、コンベヤー12,14,16,34は、モジュラーコンベヤーリンクからなるものとした場合、物品の移送を容易にするための特殊なコンベヤーリンク又はローラを備えたものとすることができる(例えば、米国特許第6,874,617(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)を参照)。又、書物は、本発明を用いて搬送し仕分けることができる物品の単に1つの例として記載されたものである。ここに説明された実施形態は、当業者が本発明をいろいろな実施形態で利用することを可能にするために最良の適用例を示すものであり、書物以外の物品を搬送し仕分けるための特定の用途に適応するようにいろいろな改変が可能である。本発明の範囲内においてそのようなあらゆる改変又は変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明の1側面を構成する仕分けシステムの一部破除された平面図である。
【図2】図2は、図1のシステムの一部破除された側面図である。
【図3】図3は、図1のシステムと組み合わされた送出コンベヤーの一部破除された側面図である。
【図4】図4は、本発明の仕分けシステムの別の実施形態を示す透視図である。
【図5】図5は、サブ仕分けステーションの一実施形態の一部破除された平面図である。
【図6】図6は、サブ仕分けステーションの一部破除された透視図である。
【図7】図7は、本発明の仕分けシステムの、3つの異なる高さ位置のコンベヤーを含む別の実施形態の一部破除された平面図である。
【図8】図8は、図7の仕分けシステムの一部を構成するコンベヤーのうちの2つのコンベヤーの端面図である。
【図9】図9は、2つのコンベヤ間で物品を積み換えるための積み換え手段の一実施形態の一部破除された概略側面図である。
【図10】図10は、図9に示された積み換え手段に類似した積み換え手段の一部破除された、上からみた平面図である。
【符号の説明】
【0063】
10 マトリックス型仕分けシステム、マトリックス型システム
12 第1コンベヤー、送入コンベヤー
14 第2コンベヤー、送出コンベヤー
16 積み換えコンベヤー
18 転向器
20 読取り機
22 捩り区間
24 仕分けステーション
26 横断方向コンベヤー
28a〜28f コンベヤーセグメント
28a 各セグメント
30 貯留庫、貯留庫構造体
30a 背壁
32 箱、貯留庫
32a 貯留庫入口
34 車輪
34 第3コンベヤー、送出コンベヤー
36 降下部分
A 矢印
B 矢印
方向
方向
E 終点
G 地面
,G,G,G グループ
,P 小包
S 始点
T 積み換え可能場所又は地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムであって、
第1方向に延長しており、各々、第1物品搬送表面を有する複数の実質的に連続した第1無端ベルト又はチェーンコンベヤーと、
該第1コンベヤーと交差して第2方向に延長しており、複数の実質的に連続した第2無端ベルト又はチェーンコンベヤーから成り、該各第2コンベヤーは、それと交差する前記第1コンベヤーの少くとも1つから積み換えられてくる物品のための第2物品搬送表面を有することを特徴とするコンベヤーシステム。
【請求項2】
前記第1コンベヤーの少くとも1つからそれと交差する前記第2コンベヤーの1つへ少くとも1個の物品を積み換えるための積み換え手段を含む請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項3】
前記各第1コンベヤーからそれに連関する前記第2コンベヤーへ少くとも1個の物品を積み換えるために該第1コンベヤーと第2コンベヤーとの各交差部に近接したところに配置された積み換え手段を含む請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項4】
前記第1コンベヤーは、前記第2コンベヤーの上方に配置されており、前記積み換え手段は、物品の少くとも1個を該第2コンベヤーへ送給するための物品落とし位置をとることができる第1コンベヤーの一部分によって構成される物品降下部分である請求項3に記載のコンベヤーシステム。
【請求項5】
前記各第1コンベヤーの前記物品降下部分の一端は、それに連関する前記第2コンベヤーの幅方向に互い違いに位置づけされる請求項4に記載のコンベヤーシステム。
【請求項6】
前記第1コンベヤーは、互いに平行に、かつ、前記第2コンベヤーに対してほぼ直角に配置されている請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項7】
少くとも1つの前記第1コンベヤーは、少くとも1つの前記第2コンベヤーに対してほぼ直角に延長している請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項8】
前記第1及び第2コンベヤーは、互いに連結されたモジュラーリンクを含むチェーンコンベヤーである請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項9】
前記第1又は第2コンベヤーから物品を受け取るための複数の第3コンベヤーを含み、該第3コンベヤーは、該第1コンベヤーと交差させて該第2コンベヤーとほぼ平行に延長している請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項10】
前記第3コンベヤーは、前記第2コンベヤーの搬送方向とはほぼ反対の方向に物品を移動させる請求項9に記載のコンベヤーシステム。
【請求項11】
物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムであって、
第1水平平面内で第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、
第2水平平面内で前記第1方向に対してほぼ直角に延長し、かつ、前記複数の第1コンベヤーと交差する1つの第2コンベヤーと、
前記第1コンベヤーと第2コンベヤーの間で少くとも1個の物品を積み換えるために該第1コンベヤーと第2コンベヤーとの各交差部に設けられた積み換え手段と、
から成ることを特徴とするコンベヤーシステム。
【請求項12】
前記積み換え手段は、積み換えコンベヤである請求項11に記載のコンベヤーシステム。
【請求項13】
前記積み換え手段は、前記第1コンベヤーと整列する第1部分と、前記第2コンベヤーと整列する第2部分を含むL字形積み換えコンベヤである請求項11に記載のコンベヤーシステム。
【請求項14】
前記L字形積み換えコンベヤの前記第2部分は、物品を前記第2コンベヤー上へ滑りおろすことができるように水平平面に対して傾けられる請求項13に記載のコンベヤーシステム。
【請求項15】
前記積み換え手段は、能動コンベヤー、受動シュート又は昇降機から成る請求項11に記載のコンベヤーシステム。
【請求項16】
前記第2コンベヤーは、前記複数の第1コンベヤーの下方に配置されている請求項11に記載のコンベヤーシステム。
【請求項17】
前記第2コンベヤーは、複数の第1コンベヤーの上方に配置されている請求項11に記載のコンベヤーシステム。
【請求項18】
前記第1コンベヤーから少くとも1個の物品を前記積み換え手段へ移動させるための移動手段を含む請求項11に記載のコンベヤーシステム。
【請求項19】
前記移動手段は、前記第1コンベヤーに連関させた転向器である請求項18に記載のコンベヤーシステム。
【請求項20】
物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムであって、
第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、
該第1コンベヤーの上方に配置され、第1コンベヤーと交差する複数の第2コンベヤーと、
前記第1コンベヤーの下方に配置され、前記第1方向又は第2方向に延長した少くとも1つの第3コンベヤーと、
から成ることを特徴とするコンベヤーシステム。
【請求項21】
前記第1方向と第2方向とは互いにほぼ直角をなす請求項20に記載のコンベヤーシステム。
【請求項22】
1つの第1コンベヤーから1つの第2コンベヤーへ物品を積み換えるための積み換え手段を含む請求項20に記載のコンベヤーシステム。
【請求項23】
1つの第1コンベヤーから前記第3コンベヤーへ物品を積み換えるための積み換え手段を含む請求項20に記載のコンベヤーシステム。
【請求項24】
前記第1コンベヤーと第2コンベヤーと第3コンベヤーとの各交差部に配置された積み換え手段を含む請求項20に記載のコンベヤーシステム。
【請求項25】
物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムであって、
第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、
該第1コンベヤーと交差する複数の第2コンベヤーと、
該第1コンベヤーと第2コンベヤーとの各交差部で第1コンベヤーから第2コンベヤーへ物品を積み換えるための第3コンベヤーと、
から成ることを特徴とするコンベヤーシステム。
【請求項26】
前記第3コンベヤーは、前記第1コンベヤーと整列する第1部分と、前記第2コンベヤーと整列する第2部分を含むL字形積み換えコンベヤである請求項25に記載のコンベヤーシステム。
【請求項27】
前記L字形積み換えコンベヤの前記第2部分は、物品を前記第2コンベヤー上へ滑りおろすことができるように水平平面に対して傾けられる請求項26に記載のコンベヤーシステム。
【請求項28】
物品の仕分けに関連して用いるためのコンベヤーシステムであって、
第1方向に延長した複数の第1コンベヤーと、
該第1コンベヤーと交差する複数の第2コンベヤーと、
特定の共通の特徴を有する物品を受け取るために前記各第2コンベヤーに連関して設けられた少くとも1つの受取器と、
から成ることを特徴とするコンベヤーシステム。
【請求項29】
前記共通の特徴は、国、地域、州、ジップコード、地方、市、町、村、及び通りのアドレスから成る群から選択された配達目的地である請求項28に記載のコンベヤーシステム。
【請求項30】
前記各第2コンベヤーは、選択された1個の物品を前記受取器へ送給するための送出コンベヤーと組み合わされている請求項28に記載のコンベヤーシステム。
【請求項31】
各々、対応する前記第2コンベヤーから選択された1個の物品を送出するための送出コンベヤーと組み合わされた複数の受取器を含む請求項28に記載のコンベヤーシステム。
【請求項32】
前記各送出コンベヤーは、各々独立して1個の物品を対応する前記受取器へ搬送することができる2つ以上のセグメントを含む割り出しコンベヤーである請求項31に記載のコンベヤーシステム。
【請求項33】
第1レベルの複数の第1コンベヤーと、
該第1コンベヤーと交差する第2レベルの複数の第2コンベヤーと、
該第2コンベヤーと整列する、又は、交差する第3レベルの複数の第3コンベヤーを含む3つの異なるレベルのコンベヤーから成ることを特徴とするマトリックス型仕分けシステム。
【請求項34】
前記第1コンベヤーは、送入コンベヤーであり、前記第2コンベヤーと第3コンベヤーは、送出コンベヤーである請求項33に記載のマトリックス型コンベヤーシステム。
【請求項35】
前記第1コンベヤーと第3コンベヤーは、送入コンベヤーであり、前記第2コンベヤーは、送出コンベヤーである請求項33に記載のマトリックス型コンベヤーシステム。
【請求項36】
物品を搬送する物品搬送方法であって、
物品を第1方向に延長した複数の第1無端ベルト又はチェーンコンベヤーに沿って搬送する工程と、
少くとも1つの前記第1コンベヤーから1個の物品を複数の該第1コンベヤーと交差して第2方向に延長した複数の第2コンベヤーへ積み換える積み換え工程とから成ることを特徴とする物品搬送方法。
【請求項37】
前記積み換え工程の前に、前記第2コンベヤーの1つへ積み換えるための1個の物品を選択する選択工程を含む請求項36に記載の物品搬送方法。
【請求項38】
前記選択工程は、物品の1つの共通の特徴を識別することから成る請求項37に記載の物品搬送方法。
【請求項39】
物品を前記第2コンベヤーから受取器へ積み換える工程を含む請求項36に記載の物品搬送方法。
【請求項40】
1つの前記第1コンベヤーから2つの異なる前記第2コンベヤーへ物品を積み換える工程を含む請求項36に記載の物品搬送方法。
【請求項41】
物品を搬送する物品搬送方法であって、
物品を第1方向に延長した複数の第1コンベヤーに沿って搬送する工程と、
1つの該第1コンベヤーから選択された第1物品を該第1コンベヤーの下方に配置され、第2方向に延長した第2コンベヤーへ積み換える積み換え工程と、
1つの前記第1コンベヤーから選択された第2物品を該第1コンベヤーの上方に配置され、第2方向に延長した第3コンベヤーへ積み換える積み換え工程と、
から成ることを特徴とする物品搬送方法。
【請求項42】
前記積み換え工程は、対応する物品を能動的に搬送することから成る請求項41に記載の物品搬送方法。
【請求項43】
前記積み換え工程は、対応する物品を受動的に搬送することから成る請求項41に記載の物品搬送方法。
【請求項44】
物品を仕分けする物品仕分け方法であって、
第1方向に延長した第1レベルの複数の第1コンベヤーと、該第1コンベヤーの下方に配置され、第2方向に延長した第2レベルの複数の第2コンベヤーと、該第1コンベヤーの上方に配置され、該第2コンベヤーと平行に延長した第3レベルの複数の第3コンベヤーを含むマトリックスを準備する工程と、
複数の前記第1コンベヤーへ送給された1バッチの物品を、それぞれ対応する第1コンベヤーから第2又は第3コンベヤーの選択された1つへ選択的に送給することによって仕分ける仕分け工程と、
から成ることを特徴とする物品仕分け方法。
【請求項45】
前記バッチの物品は、第1物品と第2物品を含み、前記仕分け工程は、該第1物品を対応する第1コンベヤーから前記第2コンベヤーの選択された1つへ送給し、次いで、前記第2物品を対応する第1コンベヤーから前記第3コンベヤーの選択された1つへ送給することによって実施される請求項44に記載の物品仕分け方法。
【請求項46】
物品を仕分けする物品仕分け方法であって
第1方向に延長した第1レベルの複数の第1コンベヤーと、該第1コンベヤーの下方に配置され、第2方向に延長した第2レベルの複数の第2コンベヤーと、該第1コンベヤーの上方に配置され、該第2コンベヤーと平行に延長した第3レベルの複数の第3コンベヤーから成るマトリックスを準備する工程と、
複数の第1コンベヤーへ送給された第1バッチの第1物品を、それぞれの対応する第1コンベヤーから第2コンベヤーの選択された1つへ選択的に送給することによって仕分ける仕分け工程と、
複数の第1コンベヤーへ送給された第2バッチの第2物品を、それぞれの対応する第1コンベヤーから第3コンベヤーの選択された1つへ選択的に送給することによって仕分ける仕分け工程ろ、
から成ることを特徴とする物品仕分け方法。
【請求項47】
前記第1バッチの物品の仕分けと第2バッチの物品の仕分けを同時に実施する請求項46に記載の物品仕分け方法。
【請求項48】
前記第1バッチの物品の仕分けを実施した後、前記第2バッチの物品の仕分けを実施する請求項46に記載の物品仕分け方法。
【請求項49】
仕分けを必要とする物品を倉庫へ送給する方法であって、
物品を複数の送入コンベヤーへ送給する工程と、
物品を該送入コンベヤーと交差して延長しており、特定の貯留所に連関した複数の送出コンベヤーの1つへ積み換える積み換え工程と、
物品を貯留所へ送給する工程と、
から成ることを特徴とする方法。
【請求項50】
物品を複数の貯留所から前記複数の送入コンベヤーへ送給する工程と、
該送入コンベヤーから1つの共通の特徴を有する物品を前記複数の送出コンベヤーの1つへ積み換える工程を含む請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−535456(P2007−535456A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511003(P2007−511003)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/014790
【国際公開番号】WO2005/107391
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(500240553)スパン テック エルエルシー (6)
【住所又は居所原語表記】1115 CLEVELAND AVENUE P.O.BOX 369 GLASGOW,KENTUCKY 42142 USA
【Fターム(参考)】