説明

マルチディスプレイシステム

【課題】 視聴者に違和感を与えることなく、消費電力を低減することができるマルチディスプレイシステムを提供する。
【解決手段】 マルチディスプレイシステム1は、複数の光源31が設けられ、かつ画像を表示可能な表示画面を有する表示部13をそれぞれ備える複数の画像表示装置10と、配列情報61a、位置情報61b、姿勢情報61c、境界位置情報61dおよび傾斜量情報61eが記憶される記憶部15と、前記各情報61a〜61eに基づいて、マルチディスプレイ画面Dにおける周縁領域Sbに対応して配置される光源31の輝度が、マルチディスプレイ画面Dにおける中央領域Saに対応して配置される光源31の輝度よりも低くなるように、光源31ごとに、光の輝度を調整するための制御情報を生成する輝度傾斜演算部52と、生成された制御情報に基づいて、各光源31を駆動するバックライト駆動部42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像表示装置を平面的に並べて構築されるマルチディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像を表示可能な表示パネルを備える画像表示装置を複数台、平面的に並べて配置することによって構築されるマルチディスプレイシステム(たとえば、特許文献1参照)が、インフォメーションディスプレイおよび業務用ディスプレイなどとして用いられるようになっている。最近では、マルチディスプレイシステムにおいて、消費電力を低減することが求められている。
【0003】
たとえば特許文献2には、自発光型の有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイにおいて、画像中央部から画像周縁部に向かって輝度がなだらかに低くなるように設定された輝度傾斜パターンと、画像中央部から画像周縁部に向かって輝度がなだらかに高くなるように設定された輝度傾斜パターンとを予め記憶部に記憶しておき、所定のタイミングでこれらの輝度傾斜パターンを切り替え、切り替えた輝度傾斜パターンに基づいて、入力画像信号に対して輝度傾斜補正を行う技術が開示されている。
【0004】
特許文献2では、かかる技術を用いることにより、有機ELディスプレイの低消費電力化、および発光に伴う材料劣化により生じる有機ELの焼き付きの防止を、ユーザに違和感を与えることなく図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−216808号公報
【特許文献2】特開2010−204496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述する特許文献2では、1台の画像表示装置において低消費電力化を実現するものであり、マルチディスプレイシステムにおいて低消費電力化を実現するものではない。また、マルチディスプレイシステムにおける各画像表示装置に対し、特許文献2に記載されるような輝度傾斜パターンによる輝度傾斜補正を行うと、消費電力を低減することはできるが、マルチディスプレイ画面全体として見たとき、マルチディスプレイ画面の長辺方向および短辺方向に沿って、輝度の高い領域と輝度の低い領域とが交互に形成されてしまい、マルチディスプレイ画面を視聴する視聴者に違和感を与えてしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、マルチディスプレイ画面を視聴する視聴者に違和感を与えることなく、消費電力を低減することができるマルチディスプレイシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、縦方向および横方向に沿ってマトリクス状に配列される複数の画像表示装置であって、複数の光源が設けられ、かつ画像信号に応じた画像が表示される表示画面を有する表示手段をそれぞれ備える複数の画像表示装置と、
前記縦方向および横方向に配列される画像表示装置の数を示す配列情報、各画像表示装置が配置されている位置を示す装置位置情報、および各画像表示装置における各光源の位置を示す光源位置情報が記憶される記憶部と、
前記配列情報、装置位置情報および光源位置情報に基づいて、前記複数の表示画面により構成されるマルチディスプレイ画面における周縁領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度が、該マルチディスプレイ画面における中央領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度よりも低くなるように、前記光源ごとに、光の輝度を調整するための制御情報を生成する演算部と、
前記演算部によって生成される制御情報に基づいて、各光源を駆動する駆動部とを備えることを特徴とするマルチディスプレイシステムである。
【0009】
また本発明は、前記記憶部には、前記中央領域と前記周縁領域との境界の位置を示す境界情報、および前記中央領域に対する前記周縁領域の輝度の低下の程度を示す傾斜量情報がさらに記憶され、
前記演算部は、境界情報および傾斜量情報に基づいて、前記制御情報を生成することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記マルチディスプレイ画面の周縁領域は、前記マルチディスプレイ画面の角部付近の角領域を含み、
前記演算部は、前記角領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度が、前記周縁領域のうちの前記角領域を除く領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度よりも低くなるように、前記制御情報を生成することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記表示手段は、
画像を表示可能な液晶表示パネルと、
複数に区画された領域ごとに前記光源が配置されたバックライトとを含むことを特徴とする。
また本発明は、前記光源として、発光ダイオードが用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マルチディスプレイ画面を視聴する視聴者に違和感を与えることなく、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチディスプレイシステム1を示す正面図である。
【図2】画像表示装置10の姿勢を説明するための図であり、図2(a)は、横向き(Landscape)姿勢の画像表示装置10であり、図2(b)は、縦向き(Portrait)姿勢の画像表示装置10である。
【図3】バックライト22の構成を概略的に表す図であり、表示パネル20が配される側から見た図である。
【図4】画像表示装置10の構成を示すブロック図である。
【図5】マルチディスプレイテーブル61の記憶内容を示す図である。
【図6】各画像表示装置10の配置位置を説明するための図である。
【図7】境界位置情報61dを説明するための図である。
【図8】傾斜量情報61eを説明するためのグラフであり、図8(a)は、図7における仮想線Jy上における各位置で光源31から出射される光の輝度を示し、図8(b)は、図7における仮想線Jx上における各位置で光源31から出射される光の輝度を示している。
【図9】バックライト22の構成の一例を示す図である。
【図10】図9に示すバックライト22の構成に対応したエリア情報テーブル62の記憶内容を示す図である。
【図11】輝度傾斜演算部52によって実行される輝度傾斜演算処理のフローチャートである。
【図12】各画像表示装置10において作成された輝度傾斜テーブル63に基づいて各光源31を点灯駆動したときのマルチディスプレイ画面Dにおける輝度分布を示す図である。
【図13】バックライト22Aの構成の他の例を示す図である。
【図14】図13に示すバックライト22Aの構成に対応したエリア情報テーブル62の記憶内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るマルチディスプレイシステム1を示す正面図である。
本実施形態に係るマルチディスプレイシステム1は、6台の画像表示装置10を、それぞれ横向き姿勢にして、縦横2×3のマトリクス状に並ぶように配列することによって構築されている。ここで、横方向Xおよび縦方向Yは、互いに直交する関係にある2つの方向であり、例えば、縦方向Yは鉛直方向であり、横方向Xは水平方向である。
【0015】
なお、マルチディスプレイシステム1を構成する各画像表示装置10は、すべて同一に構成されるものとし、また、マルチディスプレイシステム1において、各画像表示装置10は、すべて同一の姿勢で配列されるものとする。
【0016】
他の実施形態に係るマルチディスプレイシステムでは、これ以外の配列であってもよい。つまり、本発明に係るマルチディスプレイシステムは、横方向Xに並ぶ画像表示装置10の台数をDX、縦方向Yに並ぶ画像表示装置10の台数をDY(ただし、DX,DYは自然数)とするとき、DX,DYのうちの少なくとも一方が2以上であればよい。
【0017】
ここで、画像表示装置10の姿勢について説明する。図2は、画像表示装置10の姿勢を説明するための図であり、画像表示装置10を正面から見た図である。図2(a)は、横向き(Landscape)姿勢の画像表示装置10であり、図2(b)は、縦向き(Portrait)姿勢の画像表示装置10である。なお、図2では、横向き姿勢と縦向き姿勢との関係を分かり易くするために、画像表示装置10に文字画像「A」を表示させた状態を示している。
【0018】
本実施形態では、横向き姿勢を基本姿勢とし、図2に示すように、横向き姿勢の画像表示装置10を正面視において時計回りに90度回転させたときの姿勢が、縦向き姿勢と規定されている。
【0019】
図1に示すマルチディスプレイシステム1では、画像表示装置10が横向き姿勢にして並べられているが、縦向き姿勢にして並べられてもよい。
【0020】
以下の説明において、画像表示装置10の正面視における矩形状の外形線のうち、平行な一対の長辺が延びる方向を「長辺方向u」と称し、平行な一対の短辺が延びる方向を「短辺方向v」と称する場合がある。
【0021】
各画像表示装置10は、本実施形態では、非自発光型の液晶表示装置によって実現されているものとする。すなわち、各画像表示装置10は、LCD(Liquid Crystal Display)パネルによって実現される表示パネル20と、ベゼル21と、バックライト22とを含んで構成される。
【0022】
表示パネル20は、複数の画素がマトリクス状に配列され、各画素には、赤(R)、緑(G)、青(B)色光を透過する色フィルタが配されたサブピクセル(副画素)がそれぞれ配されている。なお、サブピクセルに配される色フィルタの色の個数は、上述した3色に限定されるものではなく、例えば、2色や4色であってもよい。
【0023】
表示パネル20は、その厚み方向の一方側に、画像を表示可能な表示面が設けられ、厚み方向の他方側に設けられるバックライト22から出射される光によって、画像信号に応じた画像を前記表示面に表示させることができる。
【0024】
ベゼル21は、矩形枠状に形成された額縁部材であり、表示パネル20の表示面における縁領域を被覆し、表示パネル20の外周部を外囲するように設けられている。以下、表示パネル20の表示面のうち、ベゼル21に覆われずに外部に露出している領域を、「表示領域」と称する。
【0025】
図3は、バックライト22の構成を概略的に表す図であり、表示パネル20が配される側から見た図である。バックライト22は、表示パネル20の背面(前記表示面とは反対側の面)側に設けられ、表示パネル20の背面側から、表示パネル20に光を照射する。
【0026】
バックライト22は、光を出射可能な複数の光源31と、複数の光源31が配置される配置面部33とを有する。表示パネル20の前記表示面には予め複数の照射領域が設定されており、その複数の照射領域に対応して、各光源31が配置面部33に配置されている。詳細には、図3に示すように、配置面部33は、その複数の照射領域に対応して複数の領域32に区画されており、その領域32ごとに、複数の光源31が設けられている。
【0027】
バックライト22は、領域32単位で、光源31から出射される光の輝度(明るさ)を制御できるように構成されている。すなわち、バックライト22は、表示パネル20の表示面における一の照射領域に光を照射するように設けられた光源31と、前記一の照射領域とは異なる照射領域に光を照射するように設けられた光源31とで、出射される光の輝度が異なるように、独立して制御できるように構成されている。
【0028】
本実施形態では、図3に示すように、長辺方向uに沿って延びる複数の区画線Luと、短辺方向vに沿って延びる複数の区画線Lvとによって、配置面部33が均等に区画されているものとする。つまり、各領域32は、それぞれ矩形状を成し、長辺方向uの寸法がそれぞれ同一であり、また短辺方向vの寸法もそれぞれ同一である。
【0029】
また光源31は、各領域32内における中心位置に配置されているものとする。したがって、本実施形態では、配置面部33において、複数の光源31が、長辺方向uおよび短辺方向vに沿ってマトリクス状に配置されている。
【0030】
光源31は、赤(R)色光、緑(G)色光および青(B)色光をそれぞれ発光する3つの発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)によって実現されてもよく、または、白(W)色光を発光するLEDによって実現されてもよい。
【0031】
また、1つの領域32内には、前記3つのLEDが一組もしくは白色光を発光するLEDが1つ設けられてもよく、または、前記3つのLEDが複数組もしくは白色光を発光するLEDが複数設けられてもよい。
【0032】
なお、図3では、各領域32を明示するために、区画線Lu,Lvによって互いに区切って示しているが、各領域32は、区画線Lu,Lvや仕切部材などによって互いに区切られていなくてもよい。ただし、仕切部材などによって互いに区切った構成とすることもできる。
【0033】
再び図1を参照して、マルチディスプレイシステム1では、マトリクス状に並べられた複数の画像表示装置10における各表示領域によって、1つの大きな表示画面(以下、「マルチディスプレイ画面」と称する)Dが構成される。
【0034】
前記のように、各画像表示装置10には、それぞれベゼル21が設けられているので、画像表示装置10をほぼ隙間なく平面的に並べてマルチディスプレイシステム1を構築したとき、隣接する表示領域の間には、ベゼル21が配置されることに起因して、画像を表示することができない領域が形成されてしまう。以下、この領域を「非表示領域」と称する場合がある。
【0035】
以下、マルチディスプレイシステム1の構成要素である画像表示装置10の構成について説明する。なお、前述するように、各画像表示装置10は同一の構成を有しているものとする。図4は、画像表示装置10の構成を示すブロック図である。
【0036】
画像表示装置10は、映像信号入力部11と、映像信号処理部12と、表示部13と、主制御部14と、記憶部15と、操作信号入力部16と、OSD(On-Screen Display)描画部17と、通信部18と、計時部19aと、温度センサ19bとを備えている。
【0037】
表示部13は、前述する表示パネル20およびバックライト22のほか、表示制御部41とバックライト駆動部42とを備えている。また、主制御部14は、情報取得部51と、輝度傾斜演算部52と、輝度制御部53とを含む。
【0038】
映像信号入力部11には、表示パネル20に表示させる映像の映像信号が外部から入力される。映像信号処理部12は、映像信号入力部11を介して映像信号を取得すると、この映像信号から一定時間間隔で画像信号(フレーム)を抽出し、適宜、各種の処理を施してから、この画像信号を表示制御部41に出力する。
【0039】
抽出した画像信号に対する各種の処理としては、色空間変換処理、スケーリング処理、同期検出処理、ガンマ補正処理およびOSD表示処理などがある。また、1つの映像をマルチディスプレイ画面Dで表示させる場合には、マルチディスプレイシステム1における自己の画像表示装置10の配置位置に応じて、前記抽出した画像信号から、自己の表示パネル20に表示させるべき部分画像に対応した画像信号を切り出して抽出し、この抽出した画像信号に対して、マルチディスプレイ画面Dの大きさに応じて拡大処理を施し、この抽出し拡大した画像信号を、表示制御部41に出力する。
【0040】
表示制御部41は、映像信号処理部12から出力される画像信号に基づいて、表示パネル20の各サブピクセルの開口率を取得し、表示パネル20を駆動させるためのソース駆動データおよびゲート駆動データを生成し、生成した駆動データに基づいて表示パネル20を駆動させる。
【0041】
バックライト駆動部42は、主制御部14から輝度制御信号が入力され、入力された輝度制御信号に基づいて、各光源31を駆動させるためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、各光源31を個別に駆動させる。輝度制御信号は、光源31から出射される光の輝度(明るさ)を調整するための信号であり、本実施形態では、光源31ごとに、輝度制御信号が入力される。
【0042】
主制御部14は、マイクロプロセッサ、プログラミングが可能なLSI(FPGA(Field Programmable Gate Array))、特定用途の集積回路(ASIC(Application Specific Integrated Circuit))等であり、画像表示装置10全体を制御する。
【0043】
記憶部15は、RAM等であり、主制御部14のワークエリアとして用いられ、また、マルチディスプレイテーブル61、エリア情報テーブル62、および輝度傾斜テーブル63を記憶している。主制御部14は、これらのテーブル61〜63を参照し、これらのテーブル61〜63の記憶内容に基づいて、映像信号処理部12およびバックライト駆動部42を制御する。
【0044】
操作信号入力部16には、画像表示装置10本体に設けられる入力ボタン(図示せず)が操作されることにより、入力ボタンに応じた操作信号が入力され、また、外部のリモコン(図示せず)から出射された赤外線を受光部(図示せず)が受光することにより、リモコンにおけるボタン操作に応じた操作信号が入力される。入力された操作信号は、主制御部14に入力される。主制御部14は、入力される操作信号に応答して所定の動作を実行する。
【0045】
OSD描画部17は、主制御部14に入力される所定の操作信号に応答して、表示画面上にメニュー画面を表示するイメージを描画する。メニュー画面としては、たとえば、マルチディスプレイシステム1の構成に関する情報(後述する配列情報61a、位置情報61bおよび姿勢情報61c)を入力するためのメニュー画面や、マルチディスプレイ画面Dに与えられるべき輝度傾斜に関する情報(後述する境界位置情報61dおよび傾斜量情報61e)を入力するためのメニュー画面などである。
【0046】
通信部18は、画像表示装置10が外部のコンピュータに接続されている場合に、該外部のコンピュータから外部指令信号が入力され、この外部指令信号を主制御部14に出力する。主制御部14は、この外部指令信号に応答して所定の動作を実行する。
【0047】
計時部19aは、現在時刻を計時し、計時した現在時刻を主制御部14へ出力する。温度センサ19bは、バックライト22に設けられ、検出結果を主制御部14へ出力する。光源31として用いられるLEDには、輝度と温度の相関があるため、温度補償用に温度センサ19bが設けられている。
【0048】
以下、記憶部15に記憶されるマルチディスプレイテーブル61、エリア情報テーブル62、および輝度傾斜テーブル63について説明する。
【0049】
図5は、マルチディスプレイテーブル61の記憶内容を示す図である。マルチディスプレイテーブル61には、配列情報61a、位置情報61b、姿勢情報61c、境界位置情報61dおよび傾斜量情報61eが記憶されている。
【0050】
配列情報61aは、マルチディスプレイシステム1の構成を示す情報であり、横方向Xに配列されている画像表示装置10の台数DXと、縦方向Yに配列されている画像表示装置10の台数DYとを含む。図1に示すマルチディスプレイシステム1の場合、DX=3、DY=2である。
【0051】
位置情報61bは、マルチディスプレイシステム1における自己の画像表示装置10の配置位置を示す情報であり、所定の場所に配置される画像表示装置10を基点としたときの、横方向Xにおける自己の画像表示装置10の配置位置dxと、縦方向Yにおける自己の画像表示装置10の配置位置dyとを含む。
【0052】
図6は、各画像表示装置10の配置位置を説明するための図である。本実施形態では、図6に示すように、マルチディスプレイシステム1において、左上部に配置されている画像表示装置10LUを基点に設定し、基点の画像表示装置10LUの配置位置(dx,dy)を(1,1)としている。右上部に配置される画像表示装置10RUの配置位置は(dx,dy)=(DX,1)であり、左下部に配置される画像表示装置10LDの配置位置は(dx,dy)=(1,DY)であり、右下部に配置される画像表示装置10RDの配置位置を(dx,dy)=(DX,DY)である。
【0053】
したがって、図1に示すマルチディスプレイシステム1の場合、画像表示装置10RUの配置位置は(dx,dy)=(3,1)であり、画像表示装置10LDの配置位置は(dx,dy)=(1,2)であり、画像表示装置10RDの配置位置は(dx,dy)=(3,2)である。
【0054】
姿勢情報61cは、マルチディスプレイシステム1における画像表示装置10の姿勢を示す情報であり、横向き姿勢Lであるか、縦向き姿勢Pであるかを示す情報である。
【0055】
これら3つの情報、すなわち配列情報61a、位置情報61bおよび姿勢情報61cは、マルチディスプレイシステム1を構築することによって自動的に決定される情報であり、たとえば、マルチディスプレイシステム1の構築時に、前述するリモコンまたは外部のコンピュータをユーザが操作することにより、操作信号入力部16または通信部18を介して主制御部14に入力される。主制御部14は、これらの情報61a〜61cが入力されると、入力された情報61a〜61cを、マルチディスプレイテーブル61に記憶する。
【0056】
図7は、境界位置情報61dを説明するための図であり、マルチディスプレイ画面Dを示している。図7では、図6に対応して、xy直交座標系において、マルチディスプレイ画面Dにおける左上端部Qを原点(0,0)に設定し、左上端部Qから右上端部Qに向かう方向を+x方向、および左上端部Qから左下端部Qに向かう方向を+y方向に設定している。また、右上端部Q、左下端部Qおよび右下端部Qの座標は、それぞれ(1,0)、(0,1)、(1,1)に設定している。
【0057】
マルチディスプレイシステムでは、一般的にマルチディスプレイ画面の全面に亘って、バックライトから出射される光の輝度(明るさ)を均一にすることが求められているが、本発明に係るマルチディスプレイシステム1では、マルチディスプレイ画面Dにおける周縁領域Sbに対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度(明るさ)が、マルチディスプレイ画面Dにおける中央領域Saに対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度(明るさ)よりも低く(暗く)なるように、各光源31から出射される光の輝度が調整される。
【0058】
ここで、周縁領域Sbとは、マルチディスプレイ画面Dにおける周縁辺に沿った領域のことであり、中央領域Saとは、マルチディスプレイ画面Dにおいて周縁領域Sbよりも内方の領域、すなわち周縁領域Sbによって外囲される領域のことである。
【0059】
本発明に係るマルチディスプレイシステム1では、前述するような輝度の調整を実行するために、マルチディスプレイ画面Dにおける周縁領域Sbを規定するための境界位置情報61dと、周縁領域Sbにおける輝度の低下の程度を示す傾斜量情報61eとが設定されて、マルチディスプレイテーブル61に記憶される。
【0060】
この境界位置情報61dおよび傾斜量情報61eは、後述する輝度傾斜演算部52によって、各光源31から出射される光の輝度(明るさ)を調整するための制御情報を生成するために用いられる。
【0061】
なお、本実施形態に係るマルチディスプレイシステム1では、各光源31は、入力される映像信号によらずに、常に所定の輝度(明るさ)の光を出射するように、点灯駆動されるものとする。
【0062】
境界位置情報61dは、具体的には、前記xy直交座標系において、周縁領域Sbと中央領域Saとの境界線の位置を示す情報である。
【0063】
たとえば、図7に示すように、周縁領域Sbが矩形枠状である場合には、x方向に平行に延びる2本の境界線Bx0,Bx1の各x座標と、y方向に平行に延びる2本の境界線By0,By1の各y座標とを設定すれば、周縁領域Sbを規定することができる。
【0064】
ここで、周縁領域Sbのうち、マルチディスプレイ画面Dの各端部Q〜Q付近の領域を「角領域Sb1」と称し、残余の領域を「周辺領域Sb0」と称することとする。図7に示すように、周縁領域Sbが矩形枠状である場合には、x方向に平行に延びる2本の境界線Bx0,Bx1の各x座標と、y方向に平行に延びる2本の境界線By0,By1の各y座標とを設定すれば、周辺領域Sb0および角領域Sb1についても規定することができる。
【0065】
本実施形態では、矩形枠状の周縁領域Sbが、図7に示すように、長辺Qの中点および長辺Qの中点を通過する仮想線Jx(x=0.5)、ならびに、短辺Qの中点および短辺Qの中点を通過する仮想線Jy(y=0.5)に関して、線対称となるように設定される。
【0066】
したがって、境界位置情報61dとしては、x方向に平行に延びる2本の境界線Bx0,Bx1のうち、原点Q(0,0)に近い方の境界線Bx0のx座標Trx(ただし、0<Trx<0.5)と、y方向に平行に延びる2本の境界線By0,By1のうち、原点Q(0,0)に近い方の境界線By0のy座標Try(ただし、0<Try<0.5)とが含まれる。
【0067】
つまり、本実施形態では、x座標Trxとy座標Tryとを設定すれば、周縁領域Sbだけでなく、周縁領域Sbにおける周辺領域Sb0および角領域Sb1についても、自動的に規定される。
【0068】
図8は、傾斜量情報61eを説明するためのグラフである。図8(a)は、図7における仮想線Jy上における各位置で光源31から出射される光の輝度を示し、図8(b)は、図7における仮想線Jx上における各位置で光源31から出射される光の輝度を示している。図8において、縦軸は光の輝度を示し、横軸はx方向あるいはy方向の位置を示している。
【0069】
後述する輝度傾斜演算部52は、後述する輝度傾斜演算処理によって、図8(a)および図8(b)に示すように、中央領域Saから遠ざかるにつれて光源31から出射される光の輝度が徐々に低くなるように、周縁領域Sbに対応する位置に配置される各光源31の制御情報を生成する。
【0070】
傾斜量情報61eは、中央領域Saに対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度に対して、周縁領域Sbの外縁部に対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度を、どの程度低くするかを示す情報である。傾斜量情報61eには、本実施形態では、中央領域Saに対応する位置に配置される各光源31から出射される光の輝度を1としたときの、x方向における外縁部に対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度の低減率TXと、y方向における外縁部に対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度の低減率TYとが含まれる。以下、この低減率を、「傾斜量」と称する場合がある。
【0071】
これら2つの情報、すなわち境界位置情報61dおよび傾斜量情報61eは、予めデフォルト値がマルチディスプレイテーブル61に設定されていてもよく、マルチディスプレイシステム1を構築した後、前述するリモコンまたは外部のコンピュータをユーザが操作することにより設定されてもよい。
【0072】
図9は、バックライト22の構成の一例を示す図である。図10は、図9に示すバックライト22の構成に対応したエリア情報テーブル62の記憶内容を示す図である。図9に示すバックライト22は、図3に対応して、領域32が均等に区画され、光源31がマトリクス状に配置されているものとする。
【0073】
エリア情報テーブル62には、自己の画像表示装置10のバックライト22に設けられている各光源31に割り当てられた光源IDを示す光源ID情報62aと、配置面部33に設定された所定の座標系における、各光源31の位置の座標を示す座標情報62b、62cと、各光源31に対応する領域32の面積を示す面積情報62dとが記憶される。
【0074】
図10におけるエリア情報テーブル62では、基本姿勢である横向き姿勢のバックライト22の配置面部33において、左上端部Pを原点(0,0)とし、左上端部Pから右上端部Pに向かう方向を+u方向、および左上端部Pから左下端部Pに向かう方向を+v方向とする直交座標系を設定し、右上端部P、左下端部Pおよび右下端部Pの座標を、それぞれ(1,0)、(0,1)、(1,1)としたときの、各光源31のu座標情報62b、v座標情報62cおよび面積情報62dが記憶されている。
【0075】
なお、図10に示されている各区画は、図3における各領域32に対応するものであり、各区画内に記されている数字は、その区画内に設けられる光源31に割り当てられたID番号を示している。
【0076】
このようなu座標情報62b、v座標情報62cおよび面積情報62dは、バックライト22の構成に応じて決定されるものであり、エリア情報テーブル62は、たとえば画像表示装置10の製造時に作成されて、記憶部15に記憶される。
【0077】
輝度傾斜テーブル63には、各光源31の光源ID情報62aと、後述する輝度傾斜演算部52によって光源31ごとに生成される制御情報とが対応付けられて記憶される。
【0078】
以下、主制御部14に含まれる情報取得部51、輝度傾斜演算部52および輝度制御部53ついて説明する。
【0079】
情報取得部51は、後述する輝度傾斜演算処理を実行する際に、記憶部15から必要な情報を取得する。輝度傾斜演算部52は、後述する輝度傾斜演算処理を実行することによって、光源31ごとに制御情報を生成し、生成した制御情報を記憶部15の輝度傾斜テーブル63に記憶する。
【0080】
図11は、輝度傾斜演算部52によって実行される輝度傾斜演算処理のフローチャートである。輝度傾斜演算処理は、たとえばマルチディスプレイシステム1を最初に稼動させたときや、マルチディスプレイテーブル61における境界位置情報61dおよび傾斜量情報61eが変更されたときなどに実行される。
【0081】
輝度傾斜演算処理が開始されると、ステップs1で、変数Nに1を設定し、ステップs2に進む。ステップs2では、エリア情報テーブル62を参照し、バックライト22の配置面部33に設定されたuv直交座標系(図9参照)における、変数Nに一致する光源IDが割り当てられた光源(以下、「演算対象光源」と称する)31のu座標αおよびv座標β、ならびに面積Sを抽出して、ステップs3に進む。
【0082】
ステップs3では、マルチディスプレイテーブル61を参照し、画像表示装置10の姿勢が横向き姿勢Lであるか否かを判定する。横向き姿勢Lである場合には、ステップs4に進み、縦向き姿勢Pである場合には、ステップs5に進む。
【0083】
ステップs4では、マルチディスプレイ画面Dに設定されたxy直交座標系(図7参照)における、演算対象光源31の位置座標(bx,by)を、ステップs2で取得したu座標αおよびv座標β、マルチディスプレイシステム1における画像表示装置10の横方向Xの台数DXおよび縦方向Yの台数DY、ならびに、自己の画像表示装置10の横方向Xにおける配置位置dxおよび縦方向Yにおける配置位置dyを用いて、横向き姿勢用の演算式(1),(2)により算出して、ステップs6に進む。
bx=((dx−1)+α)/DX …(1)
by=((dy−1)+β)/DY …(2)
【0084】
ステップs5では、マルチディスプレイ画面Dに設定されたxy直交座標系(図7参照)における、演算対象光源31の位置座標(bx,by)を、ステップs2で取得したu座標αおよびv座標β、マルチディスプレイシステム1における画像表示装置10の横方向Xの台数DXおよび縦方向Yの台数DY、ならびに、自己の画像表示装置10の横方向Xにおける配置位置dxおよび縦方向Yにおける配置位置dyを用いて、縦向き姿勢用の演算式(3),(4)により算出して、ステップs6に進む。
bx=((dx−1)+|1−β|)/DX …(3)
by=((dy−1)+α)/DY …(4)
【0085】
ステップs6では、算出されたx座標bxが0.5よりも大きいか否かを判定し、0.5よりも大きい場合には、ステップs7に進み、0.5以下である場合にはステップs8に進む。
【0086】
ステップs7では、1−bxを新たなbxに設定し、ステップs8に進む。これにより、演算対象光源31の位置が、前記xy直交座標系において、図7における仮想線Jx(x=0.5)に関して対称な位置に移動する。
【0087】
ステップs8では、算出されたy座標byが0.5よりも大きいか否かを判定し、0.5よりも大きい場合には、ステップs9に進み、0.5以下である場合にはステップs10に進む。
【0088】
ステップs9では、1−byを新たなbyに設定し、ステップs10に進む。これにより、演算対象光源31の位置が、前記xy直交座標系において、図7における仮想線Jy(y=0.5)に関して対称な位置に移動する。
【0089】
このステップs6〜ステップs9の工程が含まれることにより、マルチディスプレイシステム1における各光源31は、マルチディスプレイ画面Dの仮想線Jxおよび仮想線Jyに関して輝度の分布が対称となるように、出射される光の輝度が調整される。
【0090】
ステップs10では、bx<Trxかつby<Tryを満足するか否かが判定される。満足する場合には、ステップs13に進み、満足しない場合には、ステップs11に進む。このステップs10では、演算対象光源31の位置が、中央領域Saに対応する位置であるか(満足する場合)、周縁領域Sbに対応する位置であるか(満足しない場合)を判定している。
【0091】
ステップs11では、bx≧Trxかつby≧Tryを満足するか否かが判定される。満足する場合には、ステップs14に進み、満足しない場合には、ステップs12に進む。このステップs11では、演算対象光源31の位置が、周縁領域Sbのうちの角領域Sb1に対応する位置であるか(満足する場合)、周縁領域Sbのうちの周辺領域Sb0に対応する位置であるか(満足しない場合)を判定している。
【0092】
ステップs12では、bx≧Trxを満足するか否かが判定される。満足する場合には、ステップs15に進み、満足しない場合には、ステップs16に進む。このステップs15では、演算対象光源31の位置が、マルチディスプレイ画面Dの左右に位置する周辺領域Sb0に対応する位置であるか(満足する場合)、マルチディスプレイ画面Dの上下に位置する周辺領域Sb0に対応する位置であるか(満足しない場合)を判定している。
【0093】
以下、演算対象光源31に対して投入される単位面積当たりの電力をp[N]と表し、演算対象光源31に対して投入される電力をP[N]と表す。
【0094】
ステップs13では、演算対象光源31の位置が、中央領域Saに対応する位置であるので、電力p[N]=1として、ステップs17に進む。
ステップs14では、演算対象光源31の位置が、周縁領域Sbのうちの角領域Sb1に対応する位置であるので、演算式(5)により電力p[N]を算出して、ステップs17に進む。
p[N]=1−TX×cos((bx/Trx)×(π/2))
−TY×cos((by/Try)×(π/2)) …(5)
【0095】
ステップs15では、演算対象光源31の位置が、マルチディスプレイ画面Dの左右に位置する周辺領域Sb0に対応する位置であるので、演算式(6)により電力p[N]を算出して、ステップs17に進む。
p[N]=1−TX×cos((bx/Trx)×(π/2)) …(6)
【0096】
ステップs16では、演算対象光源31の位置が、マルチディスプレイ画面Dの上下に位置する周辺領域Sb0に対応する位置であるので、演算式(7)により電力p[N]を算出して、ステップs17に進む。
p[N]=1−TY×cos((by/Try)×(π/2)) …(7)
【0097】
ステップs17では、求められた電力p[N]に、ステップs2で取得した面積Sを乗じることにより、投入電力P[N]を算出して、ステップs18に進む。
【0098】
ステップs18では、全ての光源31について投入電力P[N]が算出されたか否かが判定され、算出されていない光源31が残存する場合にはステップs19に進み、残存しない場合にはステップs20に進む。
【0099】
ステップs19では、変数Nをインクリメントして、ステップs2に戻る。ステップs20では、各光源31の光源IDと、算出された投入電力P[N]とを対応付けて、輝度傾斜テーブル63に記憶する。すなわち、算出された投入電力P[N]が、前記制御情報に相当する。全ての光源31について投入電力P[N]が輝度傾斜テーブル63に記憶されると、輝度傾斜演算処理を終了する。輝度傾斜演算処理によって輝度傾斜テーブル63に記憶された情報は、次の輝度傾斜演算処理が実行されるまで保持される。
【0100】
輝度制御部53は、輝度傾斜演算処理によって作成された輝度傾斜テーブル63を参照して、光源31ごとに投入電力P[N]に応じた輝度制御信号を生成し、バックライト駆動部42へ出力する。
【0101】
図12は、各画像表示装置10において作成された輝度傾斜テーブル63に基づいて各光源31を点灯駆動したときのマルチディスプレイ画面Dにおける輝度分布を示す図である。図12において、領域A1は、光源31から出射される光の輝度がT1である領域を示し、領域A2は、光源31から出射される光の輝度がT2である領域を示し、領域A3は、光源31から出射される光の輝度がT3である領域を示し、領域A4は、光源31から出射される光の輝度がT4である領域を示し、領域A5は、光源31から出射される光の輝度がT5である領域を示している(ただし、T1>T2>T3>T4>T5である)。
【0102】
領域A1は、マルチディスプレイ画面Dの中央領域Saに対応する領域である。また、周縁領域Sbのうちの周辺領域Sb0は、領域A1における光の輝度T1よりも低い輝度の領域A2,A3で構成され、周縁領域Sbのうちの角領域Sb1は、周辺領域Sb0における光の輝度よりも低い輝度の領域A3〜A5で構成されている。
【0103】
以上のように、本実施形態によれば、マルチディスプレイ画面Dにおける周縁領域Sbに対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度が、マルチディスプレイ画面Dにおける中央領域Saに対応する位置に配置される光源31から出射される光の輝度よりも低くなるように、各光源31が輝度制御される。
【0104】
このように、マルチディスプレイ画面D全体を考慮して、各光源31から出射される光の輝度を調整するので、マルチディスプレイ画面Dを視聴する視聴者に違和感を与えることなく、マルチディスプレイシステム1における消費電力を低減することができる。また、表示領域間に形成される非表示領域が目立たないように消費電力を低減することができる。
【0105】
図13は、バックライト22Aの構成の他の例を示す図である。図14は、図13に示すバックライト22Aの構成に対応したエリア情報テーブル62の記憶内容を示す図である。図13に示すバックライト22Aは、図9に示すバックライト22とは異なり、領域32が均等に区画されていない。
【0106】
このようなバックライト22Aが搭載される画像表示装置10を並べて、マルチディスプレイシステム1を構築した場合であっても、図11に示す輝度傾斜演算処理を実行することによって、前記と同様に、マルチディスプレイ画面Dを視聴する視聴者に違和感を与えることなく、マルチディスプレイシステム1における消費電力を低減することができる。また、表示領域間に形成される非表示領域が目立たないように消費電力を低減することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 マルチディスプレイシステム
10 画像表示装置
20 表示パネル
22 バックライト
31 光源
41 表示制御部
42 バックライト駆動部
51 情報取得部
52 輝度傾斜演算部
53 輝度制御部
61 マルチディスプレイテーブル
62 エリア情報テーブル
63 輝度傾斜テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向および横方向に沿ってマトリクス状に配列される複数の画像表示装置であって、複数の光源が設けられ、かつ画像信号に応じた画像が表示される表示画面を有する表示手段をそれぞれ備える複数の画像表示装置と、
前記縦方向および横方向に配列される画像表示装置の数を示す配列情報、各画像表示装置が配置されている位置を示す装置位置情報、および各画像表示装置における各光源の位置を示す光源位置情報が記憶される記憶部と、
前記配列情報、装置位置情報および光源位置情報に基づいて、前記複数の表示画面により構成されるマルチディスプレイ画面における周縁領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度が、該マルチディスプレイ画面における中央領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度よりも低くなるように、前記光源ごとに、光の輝度を調整するための制御情報を生成する演算部と、
前記演算部によって生成される制御情報に基づいて、各光源を駆動する駆動部とを備えることを特徴とするマルチディスプレイシステム。
【請求項2】
前記記憶部には、前記中央領域と前記周縁領域との境界の位置を示す境界情報、および前記中央領域に対する前記周縁領域の輝度の低下の程度を示す傾斜量情報がさらに記憶され、
前記演算部は、境界情報および傾斜量情報に基づいて、前記制御情報を生成することを特徴とする請求項1記載のマルチディスプレイシステム。
【請求項3】
前記マルチディスプレイ画面の周縁領域は、前記マルチディスプレイ画面の角部付近の角領域を含み、
前記演算部は、前記角領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度が、前記周縁領域のうちの前記角領域を除く領域に対応する位置に配置される光源から出射される光の輝度よりも低くなるように、前記制御情報を生成することを特徴とする請求項1または2記載のマルチディスプレイシステム。
【請求項4】
前記表示手段は、
画像を表示可能な液晶表示パネルと、
複数に区画された領域ごとに前記光源が配置されたバックライトとを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマルチディスプレイシステム。
【請求項5】
前記光源として、発光ダイオードが用いられることを特徴とする請求項4に記載のマルチディスプレイシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−7932(P2013−7932A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141257(P2011−141257)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】