マルチメディアポート用ボックス
【課題】汎用の必要最小限の機器のみ収容可能な収容部を有し、ボックス自体は必要最小限の大きさにすることができるとともに、他の機器の設置が必要になった場合でも別途棚等を設けなくても他の機器を見栄えよく収容部に隣接して配置させることができるマルチメディアポート用ボックスを提供することを目的としている。
【解決手段】少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えることを特徴としている。
【解決手段】少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチメディアポート用ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバーを介して各戸に送られてきた情報を各部屋のマルチメディアコンセント(図示せず)へ分配するための装置として、図13に示すようなマルチメディアポート100が上市されている。
しかし、このマルチメディアポート100は、図13に示すように、ルーター200や光回線終端装置(Optical Network Unit、以下「ONU」と記す)300などの装置が別体になっているため、マルチメディアポート100を固定した壁の近隣にルーター200やONU300を載置する棚400を別途設けるか、ルーター200やONU300を載置する棚400の近隣の壁にマルチメディアポート100を固定しなければならず、見栄えが悪いとともに、施工性が悪い、あるいは、設置場所に制約があるという問題がある。
【0003】
そこで、ルーターやONU等をボックス内に収容できるようにしたマルチメディアポートが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、このマルチメディアポートの場合、ルーターやONU等をボックス内に収容できるようにしたので、別途ルーターやONU等を載せる棚が不要となり、施工が容易であるとともに、見栄えがよくなるという利点がある。
【0004】
しかしながら、ユーザーによっては、ONUなどの機器が不要な場合がある。このような場合、上記のように、ONUなどの機器まで収容できるようにしたボックスでは、室内空間の占有面積が無用に大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2006−120741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、汎用の必要最小限の機器のみ収容可能な収容部を有し、ボックス自体は必要最小限の大きさにすることができるとともに、他の機器の設置が必要になった場合でも別途棚等を設けなくても他の機器を見栄えよく収容部に隣接して配置させることができるマルチメディアポート用ボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスは、少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えることを特徴としている。
【0008】
上記本発明のマルチメディアポート用ボックスにおいて、昨今求められている高断熱・高気密の住宅室内へ設置する場合、当該ボックスを設置し、通信等に必要なケーブルを配線した状態で、その設置された居住空間が相当隙間面積2cm2/m2以下となるような機密性を備えていることが好ましい。
相当隙間面積(「C値」)とは、床面積1m2あたりにつき、どれくらいの隙間があるかをあらわすもので、小さくなるほど気密性が高い。
【0009】
本発明において、マルチメディアポート用機器とは、特に限定されないが、たとえば、光コネクタ、電話切換機、ハブ(HUB)、ルーター、ONU、DSU(Digital Service Unit )やTA(ターミナルアダプタ)、U/V・BS・CSブースターなどが挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明のマルチメディアポート用ボックスは、少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えるので、ほとんどの家庭等で使用が考えられるマルチメディアポート用機器のみを上記機器収容部に収容し、各家庭等で必要に応じて選択的に使用されるマルチメディアポート用機器は、棚板部材を棚使用位置まで回動させて、棚板部材の上に設置することができる。
すなわち、ほとんどの家庭等で使用が考えられるマルチメディアポート用機器のみ、すなわち、必要最小限のマルチメディアポート用機器を機器収容部に収容するだけであるので、本体部材の大きさを小さくできる。そして、必要に応じて追加されるマルチメディアポート用機器は、棚板部材の上に設置することができるので、別途棚板等を壁面に設けたりしなくても他の機器を見栄えよく機器収容部に隣接して配置させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図10は、本発明のマルチメディアポート用ボックスの第1の実施の形態をあらわしている。
【0012】
図1〜図6に示すように、このマルチメディアポート用ボックスAは、合成樹脂を射出成形することによって得られた本体部材1及び棚板部材2と、必要に応じて装着される2つのステー支持部材3a,3b、ステー4及び落下防止バー5とを備えている。
本体部材1は、箱状部材1aと、蓋部材1bとを備えている。
【0013】
箱状部材1aは、その底が室内壁面に固定され、開口が室内側に向くようになっているボックス部11と、ボックス部11の開口周縁から外側に張り出すフランジ部12とを備えている。
ボックス部11は、図3、図5、図6及び図8に示すように、仕切り壁13を介して内部が機器収容部14と、棚使用状態において、後述する棚板部材2の一部が収容される棚板部材収容部15とに区切られている。
フランジ部12は、箱状部材1aを室内壁面に取り付け状態で上側となる部分に3箇所及び棚板部材収容部15の両側壁を臨む部分にそれぞれ1箇所、計5つの切欠12aが設けられるとともに、図9に示すように、この切欠12aを内側から臨むように蓋部材1bの一部が係合して蓋部材1bを箱状部材1aに固定する係合爪12bが突設されている。
【0014】
機器収容部14は、たとえば、U/V・BS・CSブースター6a、分配器6b、HUB6c、電話切換機6d、ブースター用電源6e、ネットワークケーブル用コンセント、同軸ケーブル用コンセント、電源コンセント等を備えるコンセントユニット6f等のほとんどの家庭で概ね使用されるマルチメディア用機器が収容されるようになっている。
また、機器収容部14は、図3に示すように、マルチメディアポート用ボックスAが取り付けられた居住空間への気密性を確保するために、その開口縁(仕切り壁13の端面も含む)に沿って、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、又はそれらの発泡体等で形成された弾性パッキン7が添設されている。図3中、14aは、ノックアウトである。
【0015】
すなわち、マルチメディアポート用ボックスAが取り付けられた居住空間への気密性を確保することにより、昨今求められている高断熱・高気密の住宅室内への取り付けに好適なものとなる。
【0016】
棚板部材収容部15は、棚板使用状態で、棚板部材収容部15内に収容された棚板部材2の後端部分(棚板不使用状態では下端部分)を上方から支持する複数の上側補強リブ15aが奥側に仕切り壁13の長手方向に等ピッチで、棚板部材収容部15内に収容された棚板部材2を下方から支持する複数の下側補強リブ15bが仕切り壁13に対面するボックス部11の壁面の長手方向に等ピッチでそれぞれ設けられている。
上側補強リブ15aは、図8に示すように、棚板部材収容部15内に収容された棚板部材2の後端部分を係止する係止爪15cを備えている。
【0017】
蓋部材1bは、図5〜7に示すように、周囲に箱状部材1a側に張り出す周壁16を有する皿状をしていて、切欠12aに対応する部分に嵌合片17が突設され、嵌合片17を切欠12aに嵌合させ、嵌合片17に設けられて係合凹部(図示せず)に係止爪15cを係合させることによって、箱状部材1aの開口を塞ぐように取り付けられ、嵌合片17を外側に押し広げ、係止爪15cの上記係合凹部への係合を解除することによって、箱状部材1aから取り外せるようになっている。
また、蓋部材1bの弾性パッキン7に対応する部分には、図7に示すように、蓋部材1bが箱状部材1aに取り付けられた状態で、端面が弾性パッキン7を弾性変形させて気密状態に圧接する矩形の気密保持壁18が周壁16より内側に設けられている。
【0018】
さらに、蓋部材1bは、後述する棚板部材2が嵌り込む嵌合凹部10を前面(室内側)に有し、嵌合凹部10の棚板部材収容部15を臨む部分に後述する棚板部材2の断面形状より大きな棚板部材2の挿入孔19が穿設されている。
【0019】
嵌合凹部10の底部分には、蓋部材1bの機器収容部14に収容されたHUB6c、コンセントユニット6f、電話切換機6dを臨む部分に、蓋部材1bを箱状部材1aから取り外すことなく、LANケーブル、電話線、アンテナ線、電源ケーブル等が、HUB6c、コンセントユニット6f、電話切換機6d等の端子に接続できるように、切欠孔10a,10b,10c,10dが穿設されている。
【0020】
切欠孔10a,10b,10c,10dは、HUB6C、コンセントユニット6f及び電話切換機6dの端部が蓋部材1bの表面と略面一となるとともに、HUB6c、コンセントユニット6f及び電話切換機6dとの間に隙間がほとんどないようにそれぞれ入り込む大きさに形成されている。
【0021】
また、図3に示すように、嵌合凹部10の両側壁面には、上下方向の中間位置に後述するステー4を固定するためのねじ孔10eが対向するように設けられているとともに、スライド挿入孔19を臨む位置に棚板部材2の枢支軸10fが設けられ、嵌合凹部10の天井壁面には、後述する棚板部材2の係合突起25が係合する係合孔10gが穿設されている。
枢支軸10fは、図示していないが、蓋部材1bのスライド挿入孔19を臨む位置に設けられた孔に枢支軸となるピンの先端部を蓋部材1bの裏面側から差し込み、ピンの後端がわに設けられた係合部を蓋部材1bの裏面側に設けられた係止部に弾性嵌合させることによってピンを蓋部材1bに固定することよって設けられる。
【0022】
棚板部材2は、図2及び図3に示すように、略矩形をして一方の長辺側に図6及び図8に示すように湾曲部21aを備える板状部21と、板状部21の湾曲部21aが設けられていない3辺から湾曲部21aの上端の高さ位置まで立ち上がる、図2〜図4に示すように、上部枠22aと、両側枠22b,22bとからなるコ字形をした枠部22と、図2,図3,図5、図6、図8に示すように、板状部21の枠部立ち上がり側の面に格子状に設けられ、その上面が機器受け部となる多数の棚板補強リブ23,24とを備えている。
【0023】
図6に示すように、上部枠22aの外壁面には、係合孔10gに係合する係合突起25が突設され、両側枠22b,22bの湾曲部21a側の外壁面には、側枠22b,22bの長手方向に平行な長穴26が設けられている。
棚板補強リブ23,24は、側枠22b,22bに平行に設けられた棚板補強リブ23の湾曲部21a側の端部を除き、その高さが全て同じで、枠部22の高さより、低く形成されていている。
【0024】
そして、棚板部材2は、図8に示すように、長穴26に枢支軸10fがはまり込むことによって、枢支軸10fを中心に回動可能、かつ、長穴26の長手方向にスライド自在に蓋部材1bに支持され、棚板不使用状態では、棚板部材2が蓋部材1bの嵌合凹部10の底に沿うように、嵌合凹部10に嵌り込んだ状態に保持される。なお、このとき、棚板部材2の係合突起25が係合孔10gに係合した状態になる。
【0025】
一方、棚板として使用の必要あるいはHUB6c、コンセントユニット6f及び電話切換機6d等に室内側からケーブルの接続の必要が生じた場合には、棚板補強リブ23,24の上面が仕切り壁13と略平行になるまで、棚板部材2を枢支軸10fを中心に回動させ、略平行になった時点で、図5、図6及び図8に示すように、上側補強リブ15aの係止爪15cに棚板部材2の湾曲部21aの端部が係止されるまで、長穴26の長手方向に棚板部材2をスライドさせて、棚板部材2の一部を棚板部材収容部15内に収容した状態にするようになっている。
【0026】
そして、軽量の機器であれば、このように棚板部材2の一部が棚板部材収容部15内に収容された状態のみでも、棚板補強リブ23,24上に機器を載置可能であるが、ONUなどの大きく、重量のある機器を棚板補強リブ23,24上に載置する場合は、2つのステー支持部材3a,3bと、2つのステー4と、落下防止バー5とを取り付けるようにされる。
【0027】
すなわち、ステー支持部材3aは、図10及び図11に示すように、略矩形をしていて、一方の面の上部側の半分が凹設され、この凹設部31の中央に、後述するステー4の一端を固定するねじ9のねじ孔32が穿設されている。
また、ステー支持部材3aの他方の面には、後述する落下防止バー5の嵌合穴33と、棚板部材係合溝34とを備えている。
【0028】
嵌合穴33は、上記のねじ孔32と略同じ高さ位置に設けられていて、後述する落下防止バー5の端部が嵌合されるようになっている。
【0029】
棚板部材係合溝34は、他方の面の下端部に設けられ、棚板部材2の上部枠22a側の一側部が溝34内に嵌り込むとともに、係止爪35が側枠22bの上端に係合されて、ステー支持部材3aを棚板部材2に取り付けることができるようになっている。
【0030】
他方のステー支持部材3bは、上記ステー支持部材3aと対称形状になっていて、棚板部材2の他側部に取り付けることができるようになっている。
【0031】
ステー4は、金属または樹脂製の板材の両端にねじ挿通孔(図示せず)を設けたもので、一端がこのねじ挿通孔に挿通したねじ9をねじ孔32に螺合することによって、棚板部材2に取り付けられたステー支持部材3aの凹設部31に固定され、他端がねじ挿通孔に挿通したねじ9を嵌合凹部10に設けられたねじ孔10eに螺合することによって、蓋部材1bに固定されるようになっている。
【0032】
落下防止バー5は、金属または樹脂製の丸棒であって、一端部が一方のステー支持部材3aの嵌合穴33に嵌合され、他端部が他方のステー支持部材3bの嵌合穴33に嵌合されることによって、ステー支持部材3a,3b間に掛け渡された状態に取り付けられるようになっている。
【0033】
このマルチメディアポート用ボックスAの機器収容部14にU/V・BS・CSブースター6a、分配器6b、HUB6c、電話切換機6d、ブースター用電源6e、ネットワークケーブル用コンセント、同軸ケーブル用コンセント、電源コンセント等を備えるコンセントユニット6f等のほとんどの家庭で概ね使用されるマルチメディア機器及び電源が収容されたマルチメディアポートは、以下のようにして用いられる。
【0034】
すなわち、図示していないが、マルチメディアポート内の機器と建物の壁面内を通したケーブルとを接続した状態で、箱状部材1aを建物の室内壁面に固定した状態で棚板部材2が取り付けられた蓋部材1bを箱状部材1aに取り付ける。そして、HUB6c、電話切換機6d、コンセントユニット6fを使用しない場合は、図1に示すように、棚板部材2を嵌合凹部10の底に沿うように嵌合凹部10内に嵌め込み、HUB6C、電話切換機6d、コンセントユニット6fを棚板部材2によって隠した状態で使用することができる。
一方、ONUなどの他の機器をHUB6C、電話切換機6d、コンセントユニット6fに接続して使用する必要がある場合には、図2、図4〜6に示すように、棚板部材2を棚板使用位置にして他の機器を棚板補強リブ23,24上に載置してこれらの機器とHUB6C、電話切換機6d、コンセントユニット6fとを接続することができる。
【0035】
図12は、本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスの第2の実施の形態をあらわしている。
図12に示すように、このマルチメディアポート用ボックスBは、弾性パッキン7が設けられていない以外は、上記マルチメディアポート用ボックスAと同様になっている。
【0036】
このマルチメディアポート用ボックスBは、マルチメディアポート用ボックスAのように、弾性パッキン7が設けられていないので、マルチメディアポート用ボックスBが取り付けられた居住空間への気密性を確保するには、図12に示すように室内壁面Wに取り付けるようになっている。
すなわち、箱状部材1aと室内壁面Wとの間に弾性パッキン(例えば、日東電工社製商品名エプトシーラー)8aを介在させた状態で、箱状部材1aを室内壁面Wに圧接状態で取り付けるとともに、配線に必要なケーブル9を機器収容部14内に引き込む際に室内壁面W及び箱状本体1aに必要最小限貫通させ、箱状部材1aに設けた孔14bをケーブル挿通孔91を備えたプレート92によって、弾性パッキン(例えば、日東電工社製商品名エプトシーラー)8bを介在させた状態で塞ぐようになっている。
【0037】
以上のように、上記マルチメディアポート用ボックスによれば、ほとんどの家庭等で使用が考えられるマルチメディアポート用機器のみ、すなわち、必要最小限のマルチメディアポート用機器を機器収容部14に収容するだけであるので、本体部材1の大きさを小さくできる。そして、必要に応じて追加されるマルチメディアポート用機器は、棚板部材2の上に設置することができるので、別途棚板等を壁面に設けたりしなくても他の機器を見栄えよく機器収容部14に隣接して配置させることができる。
【0038】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、ねじ孔にねじを螺合させることによってステーの端部を固定するようにしていたが、ねじ孔に代えてボルトの首部が挿通可能な孔を穿設し、ボルトとナットを用いて固定するようにしても構わない。
上記の実施の形態では、棚不使用時には、ステー支持部、ステー、落下防止バー等を取り外した状態にしなければならないが、これらの部材を折り畳み構造にするなどして、これらの部材も嵌合凹部内に収容できるようにしても構わない。
また、第1の実施の形態のマルチメディアポート用ボックスAも第2の実施の形態のマルチメディアポート用ボックスBのように室内壁面に取り付けるようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスの1つの実施の形態であって、その棚不使用位置の状態をあらわす斜視図である。
【図2】図1のマルチメディアポート用ボックスを用いたマルチメディアポートの棚使用位置の状態をあらわす斜視図である。
【図3】図2のマルチメディアポートの分解斜視図である。
【図4】図2のマルチメディアポートの正面図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】図2のマルチメディアポートの断面斜視図である。
【図7】図5のY部拡大図である。
【図8】図5のZ部拡大図である。
【図9】図3のW部拡大図である。
【図10】ステー支持部材の斜視図である。
【図11】図9のステー支持部材を逆方向からみた正面図である。
【図12】本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスの他の実施の形態であって、その壁面への取り付けをあらわす断面図である。
【図13】従来のマルチメディアポートの取り付け状態の1例をあらわす斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
A マルチメディアポート用ボックス
1 本体部材
1a 箱状部材
1b 蓋部材
14 機器収容部
2 棚板部材
6a U/V・BS・CSブースター(マルチメディアポート用機器)
6b 分配器(マルチメディアポート用機器)
6c HUB(マルチメディアポート用機器)
6d 電話切換機(マルチメディアポート用機器)
6e ブースター用電源(マルチメディアポート用機器)
6f コンセントユニット(マルチメディアポート用機器)
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチメディアポート用ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバーを介して各戸に送られてきた情報を各部屋のマルチメディアコンセント(図示せず)へ分配するための装置として、図13に示すようなマルチメディアポート100が上市されている。
しかし、このマルチメディアポート100は、図13に示すように、ルーター200や光回線終端装置(Optical Network Unit、以下「ONU」と記す)300などの装置が別体になっているため、マルチメディアポート100を固定した壁の近隣にルーター200やONU300を載置する棚400を別途設けるか、ルーター200やONU300を載置する棚400の近隣の壁にマルチメディアポート100を固定しなければならず、見栄えが悪いとともに、施工性が悪い、あるいは、設置場所に制約があるという問題がある。
【0003】
そこで、ルーターやONU等をボックス内に収容できるようにしたマルチメディアポートが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、このマルチメディアポートの場合、ルーターやONU等をボックス内に収容できるようにしたので、別途ルーターやONU等を載せる棚が不要となり、施工が容易であるとともに、見栄えがよくなるという利点がある。
【0004】
しかしながら、ユーザーによっては、ONUなどの機器が不要な場合がある。このような場合、上記のように、ONUなどの機器まで収容できるようにしたボックスでは、室内空間の占有面積が無用に大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2006−120741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、汎用の必要最小限の機器のみ収容可能な収容部を有し、ボックス自体は必要最小限の大きさにすることができるとともに、他の機器の設置が必要になった場合でも別途棚等を設けなくても他の機器を見栄えよく収容部に隣接して配置させることができるマルチメディアポート用ボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスは、少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えることを特徴としている。
【0008】
上記本発明のマルチメディアポート用ボックスにおいて、昨今求められている高断熱・高気密の住宅室内へ設置する場合、当該ボックスを設置し、通信等に必要なケーブルを配線した状態で、その設置された居住空間が相当隙間面積2cm2/m2以下となるような機密性を備えていることが好ましい。
相当隙間面積(「C値」)とは、床面積1m2あたりにつき、どれくらいの隙間があるかをあらわすもので、小さくなるほど気密性が高い。
【0009】
本発明において、マルチメディアポート用機器とは、特に限定されないが、たとえば、光コネクタ、電話切換機、ハブ(HUB)、ルーター、ONU、DSU(Digital Service Unit )やTA(ターミナルアダプタ)、U/V・BS・CSブースターなどが挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明のマルチメディアポート用ボックスは、少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えるので、ほとんどの家庭等で使用が考えられるマルチメディアポート用機器のみを上記機器収容部に収容し、各家庭等で必要に応じて選択的に使用されるマルチメディアポート用機器は、棚板部材を棚使用位置まで回動させて、棚板部材の上に設置することができる。
すなわち、ほとんどの家庭等で使用が考えられるマルチメディアポート用機器のみ、すなわち、必要最小限のマルチメディアポート用機器を機器収容部に収容するだけであるので、本体部材の大きさを小さくできる。そして、必要に応じて追加されるマルチメディアポート用機器は、棚板部材の上に設置することができるので、別途棚板等を壁面に設けたりしなくても他の機器を見栄えよく機器収容部に隣接して配置させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図10は、本発明のマルチメディアポート用ボックスの第1の実施の形態をあらわしている。
【0012】
図1〜図6に示すように、このマルチメディアポート用ボックスAは、合成樹脂を射出成形することによって得られた本体部材1及び棚板部材2と、必要に応じて装着される2つのステー支持部材3a,3b、ステー4及び落下防止バー5とを備えている。
本体部材1は、箱状部材1aと、蓋部材1bとを備えている。
【0013】
箱状部材1aは、その底が室内壁面に固定され、開口が室内側に向くようになっているボックス部11と、ボックス部11の開口周縁から外側に張り出すフランジ部12とを備えている。
ボックス部11は、図3、図5、図6及び図8に示すように、仕切り壁13を介して内部が機器収容部14と、棚使用状態において、後述する棚板部材2の一部が収容される棚板部材収容部15とに区切られている。
フランジ部12は、箱状部材1aを室内壁面に取り付け状態で上側となる部分に3箇所及び棚板部材収容部15の両側壁を臨む部分にそれぞれ1箇所、計5つの切欠12aが設けられるとともに、図9に示すように、この切欠12aを内側から臨むように蓋部材1bの一部が係合して蓋部材1bを箱状部材1aに固定する係合爪12bが突設されている。
【0014】
機器収容部14は、たとえば、U/V・BS・CSブースター6a、分配器6b、HUB6c、電話切換機6d、ブースター用電源6e、ネットワークケーブル用コンセント、同軸ケーブル用コンセント、電源コンセント等を備えるコンセントユニット6f等のほとんどの家庭で概ね使用されるマルチメディア用機器が収容されるようになっている。
また、機器収容部14は、図3に示すように、マルチメディアポート用ボックスAが取り付けられた居住空間への気密性を確保するために、その開口縁(仕切り壁13の端面も含む)に沿って、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、又はそれらの発泡体等で形成された弾性パッキン7が添設されている。図3中、14aは、ノックアウトである。
【0015】
すなわち、マルチメディアポート用ボックスAが取り付けられた居住空間への気密性を確保することにより、昨今求められている高断熱・高気密の住宅室内への取り付けに好適なものとなる。
【0016】
棚板部材収容部15は、棚板使用状態で、棚板部材収容部15内に収容された棚板部材2の後端部分(棚板不使用状態では下端部分)を上方から支持する複数の上側補強リブ15aが奥側に仕切り壁13の長手方向に等ピッチで、棚板部材収容部15内に収容された棚板部材2を下方から支持する複数の下側補強リブ15bが仕切り壁13に対面するボックス部11の壁面の長手方向に等ピッチでそれぞれ設けられている。
上側補強リブ15aは、図8に示すように、棚板部材収容部15内に収容された棚板部材2の後端部分を係止する係止爪15cを備えている。
【0017】
蓋部材1bは、図5〜7に示すように、周囲に箱状部材1a側に張り出す周壁16を有する皿状をしていて、切欠12aに対応する部分に嵌合片17が突設され、嵌合片17を切欠12aに嵌合させ、嵌合片17に設けられて係合凹部(図示せず)に係止爪15cを係合させることによって、箱状部材1aの開口を塞ぐように取り付けられ、嵌合片17を外側に押し広げ、係止爪15cの上記係合凹部への係合を解除することによって、箱状部材1aから取り外せるようになっている。
また、蓋部材1bの弾性パッキン7に対応する部分には、図7に示すように、蓋部材1bが箱状部材1aに取り付けられた状態で、端面が弾性パッキン7を弾性変形させて気密状態に圧接する矩形の気密保持壁18が周壁16より内側に設けられている。
【0018】
さらに、蓋部材1bは、後述する棚板部材2が嵌り込む嵌合凹部10を前面(室内側)に有し、嵌合凹部10の棚板部材収容部15を臨む部分に後述する棚板部材2の断面形状より大きな棚板部材2の挿入孔19が穿設されている。
【0019】
嵌合凹部10の底部分には、蓋部材1bの機器収容部14に収容されたHUB6c、コンセントユニット6f、電話切換機6dを臨む部分に、蓋部材1bを箱状部材1aから取り外すことなく、LANケーブル、電話線、アンテナ線、電源ケーブル等が、HUB6c、コンセントユニット6f、電話切換機6d等の端子に接続できるように、切欠孔10a,10b,10c,10dが穿設されている。
【0020】
切欠孔10a,10b,10c,10dは、HUB6C、コンセントユニット6f及び電話切換機6dの端部が蓋部材1bの表面と略面一となるとともに、HUB6c、コンセントユニット6f及び電話切換機6dとの間に隙間がほとんどないようにそれぞれ入り込む大きさに形成されている。
【0021】
また、図3に示すように、嵌合凹部10の両側壁面には、上下方向の中間位置に後述するステー4を固定するためのねじ孔10eが対向するように設けられているとともに、スライド挿入孔19を臨む位置に棚板部材2の枢支軸10fが設けられ、嵌合凹部10の天井壁面には、後述する棚板部材2の係合突起25が係合する係合孔10gが穿設されている。
枢支軸10fは、図示していないが、蓋部材1bのスライド挿入孔19を臨む位置に設けられた孔に枢支軸となるピンの先端部を蓋部材1bの裏面側から差し込み、ピンの後端がわに設けられた係合部を蓋部材1bの裏面側に設けられた係止部に弾性嵌合させることによってピンを蓋部材1bに固定することよって設けられる。
【0022】
棚板部材2は、図2及び図3に示すように、略矩形をして一方の長辺側に図6及び図8に示すように湾曲部21aを備える板状部21と、板状部21の湾曲部21aが設けられていない3辺から湾曲部21aの上端の高さ位置まで立ち上がる、図2〜図4に示すように、上部枠22aと、両側枠22b,22bとからなるコ字形をした枠部22と、図2,図3,図5、図6、図8に示すように、板状部21の枠部立ち上がり側の面に格子状に設けられ、その上面が機器受け部となる多数の棚板補強リブ23,24とを備えている。
【0023】
図6に示すように、上部枠22aの外壁面には、係合孔10gに係合する係合突起25が突設され、両側枠22b,22bの湾曲部21a側の外壁面には、側枠22b,22bの長手方向に平行な長穴26が設けられている。
棚板補強リブ23,24は、側枠22b,22bに平行に設けられた棚板補強リブ23の湾曲部21a側の端部を除き、その高さが全て同じで、枠部22の高さより、低く形成されていている。
【0024】
そして、棚板部材2は、図8に示すように、長穴26に枢支軸10fがはまり込むことによって、枢支軸10fを中心に回動可能、かつ、長穴26の長手方向にスライド自在に蓋部材1bに支持され、棚板不使用状態では、棚板部材2が蓋部材1bの嵌合凹部10の底に沿うように、嵌合凹部10に嵌り込んだ状態に保持される。なお、このとき、棚板部材2の係合突起25が係合孔10gに係合した状態になる。
【0025】
一方、棚板として使用の必要あるいはHUB6c、コンセントユニット6f及び電話切換機6d等に室内側からケーブルの接続の必要が生じた場合には、棚板補強リブ23,24の上面が仕切り壁13と略平行になるまで、棚板部材2を枢支軸10fを中心に回動させ、略平行になった時点で、図5、図6及び図8に示すように、上側補強リブ15aの係止爪15cに棚板部材2の湾曲部21aの端部が係止されるまで、長穴26の長手方向に棚板部材2をスライドさせて、棚板部材2の一部を棚板部材収容部15内に収容した状態にするようになっている。
【0026】
そして、軽量の機器であれば、このように棚板部材2の一部が棚板部材収容部15内に収容された状態のみでも、棚板補強リブ23,24上に機器を載置可能であるが、ONUなどの大きく、重量のある機器を棚板補強リブ23,24上に載置する場合は、2つのステー支持部材3a,3bと、2つのステー4と、落下防止バー5とを取り付けるようにされる。
【0027】
すなわち、ステー支持部材3aは、図10及び図11に示すように、略矩形をしていて、一方の面の上部側の半分が凹設され、この凹設部31の中央に、後述するステー4の一端を固定するねじ9のねじ孔32が穿設されている。
また、ステー支持部材3aの他方の面には、後述する落下防止バー5の嵌合穴33と、棚板部材係合溝34とを備えている。
【0028】
嵌合穴33は、上記のねじ孔32と略同じ高さ位置に設けられていて、後述する落下防止バー5の端部が嵌合されるようになっている。
【0029】
棚板部材係合溝34は、他方の面の下端部に設けられ、棚板部材2の上部枠22a側の一側部が溝34内に嵌り込むとともに、係止爪35が側枠22bの上端に係合されて、ステー支持部材3aを棚板部材2に取り付けることができるようになっている。
【0030】
他方のステー支持部材3bは、上記ステー支持部材3aと対称形状になっていて、棚板部材2の他側部に取り付けることができるようになっている。
【0031】
ステー4は、金属または樹脂製の板材の両端にねじ挿通孔(図示せず)を設けたもので、一端がこのねじ挿通孔に挿通したねじ9をねじ孔32に螺合することによって、棚板部材2に取り付けられたステー支持部材3aの凹設部31に固定され、他端がねじ挿通孔に挿通したねじ9を嵌合凹部10に設けられたねじ孔10eに螺合することによって、蓋部材1bに固定されるようになっている。
【0032】
落下防止バー5は、金属または樹脂製の丸棒であって、一端部が一方のステー支持部材3aの嵌合穴33に嵌合され、他端部が他方のステー支持部材3bの嵌合穴33に嵌合されることによって、ステー支持部材3a,3b間に掛け渡された状態に取り付けられるようになっている。
【0033】
このマルチメディアポート用ボックスAの機器収容部14にU/V・BS・CSブースター6a、分配器6b、HUB6c、電話切換機6d、ブースター用電源6e、ネットワークケーブル用コンセント、同軸ケーブル用コンセント、電源コンセント等を備えるコンセントユニット6f等のほとんどの家庭で概ね使用されるマルチメディア機器及び電源が収容されたマルチメディアポートは、以下のようにして用いられる。
【0034】
すなわち、図示していないが、マルチメディアポート内の機器と建物の壁面内を通したケーブルとを接続した状態で、箱状部材1aを建物の室内壁面に固定した状態で棚板部材2が取り付けられた蓋部材1bを箱状部材1aに取り付ける。そして、HUB6c、電話切換機6d、コンセントユニット6fを使用しない場合は、図1に示すように、棚板部材2を嵌合凹部10の底に沿うように嵌合凹部10内に嵌め込み、HUB6C、電話切換機6d、コンセントユニット6fを棚板部材2によって隠した状態で使用することができる。
一方、ONUなどの他の機器をHUB6C、電話切換機6d、コンセントユニット6fに接続して使用する必要がある場合には、図2、図4〜6に示すように、棚板部材2を棚板使用位置にして他の機器を棚板補強リブ23,24上に載置してこれらの機器とHUB6C、電話切換機6d、コンセントユニット6fとを接続することができる。
【0035】
図12は、本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスの第2の実施の形態をあらわしている。
図12に示すように、このマルチメディアポート用ボックスBは、弾性パッキン7が設けられていない以外は、上記マルチメディアポート用ボックスAと同様になっている。
【0036】
このマルチメディアポート用ボックスBは、マルチメディアポート用ボックスAのように、弾性パッキン7が設けられていないので、マルチメディアポート用ボックスBが取り付けられた居住空間への気密性を確保するには、図12に示すように室内壁面Wに取り付けるようになっている。
すなわち、箱状部材1aと室内壁面Wとの間に弾性パッキン(例えば、日東電工社製商品名エプトシーラー)8aを介在させた状態で、箱状部材1aを室内壁面Wに圧接状態で取り付けるとともに、配線に必要なケーブル9を機器収容部14内に引き込む際に室内壁面W及び箱状本体1aに必要最小限貫通させ、箱状部材1aに設けた孔14bをケーブル挿通孔91を備えたプレート92によって、弾性パッキン(例えば、日東電工社製商品名エプトシーラー)8bを介在させた状態で塞ぐようになっている。
【0037】
以上のように、上記マルチメディアポート用ボックスによれば、ほとんどの家庭等で使用が考えられるマルチメディアポート用機器のみ、すなわち、必要最小限のマルチメディアポート用機器を機器収容部14に収容するだけであるので、本体部材1の大きさを小さくできる。そして、必要に応じて追加されるマルチメディアポート用機器は、棚板部材2の上に設置することができるので、別途棚板等を壁面に設けたりしなくても他の機器を見栄えよく機器収容部14に隣接して配置させることができる。
【0038】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、ねじ孔にねじを螺合させることによってステーの端部を固定するようにしていたが、ねじ孔に代えてボルトの首部が挿通可能な孔を穿設し、ボルトとナットを用いて固定するようにしても構わない。
上記の実施の形態では、棚不使用時には、ステー支持部、ステー、落下防止バー等を取り外した状態にしなければならないが、これらの部材を折り畳み構造にするなどして、これらの部材も嵌合凹部内に収容できるようにしても構わない。
また、第1の実施の形態のマルチメディアポート用ボックスAも第2の実施の形態のマルチメディアポート用ボックスBのように室内壁面に取り付けるようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスの1つの実施の形態であって、その棚不使用位置の状態をあらわす斜視図である。
【図2】図1のマルチメディアポート用ボックスを用いたマルチメディアポートの棚使用位置の状態をあらわす斜視図である。
【図3】図2のマルチメディアポートの分解斜視図である。
【図4】図2のマルチメディアポートの正面図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】図2のマルチメディアポートの断面斜視図である。
【図7】図5のY部拡大図である。
【図8】図5のZ部拡大図である。
【図9】図3のW部拡大図である。
【図10】ステー支持部材の斜視図である。
【図11】図9のステー支持部材を逆方向からみた正面図である。
【図12】本発明にかかるマルチメディアポート用ボックスの他の実施の形態であって、その壁面への取り付けをあらわす断面図である。
【図13】従来のマルチメディアポートの取り付け状態の1例をあらわす斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
A マルチメディアポート用ボックス
1 本体部材
1a 箱状部材
1b 蓋部材
14 機器収容部
2 棚板部材
6a U/V・BS・CSブースター(マルチメディアポート用機器)
6b 分配器(マルチメディアポート用機器)
6c HUB(マルチメディアポート用機器)
6d 電話切換機(マルチメディアポート用機器)
6e ブースター用電源(マルチメディアポート用機器)
6f コンセントユニット(マルチメディアポート用機器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、
前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、
棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えることを特徴とするマルチメディアポート用ボックス。
【請求項1】
少なくともマルチメディアポート用機器が収容されて、壁に取り付けられるマルチメディアポート用ボックスであって、
前面が開口し、少なくとも内部に前記マルチメディアポート用機器を収容する機器収容部が設けられた箱状部材と、少なくとも前記機器収容部を塞ぐように取り付けられる蓋部材とを有する本体部材と、
棚使用位置及び前記蓋部材に沿う棚不使用位置とを選択可能に、前記本体部材の下端部に回動自在に枢支された棚板部材とを備えることを特徴とするマルチメディアポート用ボックス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−181999(P2009−181999A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17349(P2008−17349)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]