マンホール用嵩上げパイプ
【課題】マンホール用嵩上げパイプを保管、運搬する際の嵩を低くする。
【解決手段】地中に埋設される筒状体5と、その筒状体5の上面を塞ぐ蓋8と、筒状体5の上端6に設けられ、蓋8を筒状体5の上端6よりも内径側で支える環状の受枠7とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、筒状体5を、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とし、受枠7が取り付けられていない状態の筒状体5同士が、その管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにする。このように、筒状体5を、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とすれば、受枠7が取り付けられていない状態の筒状体5に、同一大きさの別の筒状体5が管軸方向に嵌まり込むことができる。このため、受枠7を筒状体5に取り付ける前に、別の筒状体5を菅軸方向に嵌まり込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【解決手段】地中に埋設される筒状体5と、その筒状体5の上面を塞ぐ蓋8と、筒状体5の上端6に設けられ、蓋8を筒状体5の上端6よりも内径側で支える環状の受枠7とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、筒状体5を、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とし、受枠7が取り付けられていない状態の筒状体5同士が、その管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにする。このように、筒状体5を、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とすれば、受枠7が取り付けられていない状態の筒状体5に、同一大きさの別の筒状体5が管軸方向に嵌まり込むことができる。このため、受枠7を筒状体5に取り付ける前に、別の筒状体5を菅軸方向に嵌まり込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄化槽に設置されるマンホール用嵩上げパイプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
浄化槽は、図13に示すように、地中に埋設されることが多く、その内部を点検する等の為にマンホールを設け、浄化槽2と地表面4との高さ調整のためにマンホール用嵩上げパイプ30が設置される。マンホール用嵩上げパイプ30は、浄化槽2と地表面4の間に埋設され、その上部にはマンホールの蓋8が設けられている。通常、マンホールの蓋8は地表面4に沿って設けられ、常時は閉じられているが、点検時などにおいてマンホールの蓋8を開ければ、浄化槽2の内部に人が入ることができるようになっている(特許文献1 図1、特許文献2 使用状態を示す参考図参照)。
【0003】
浄化槽2と地表面4との間隔は、浄化槽2の設置場所ごとに違っており、最大300mmと施工規格で規定されている。このため、マンホール用嵩上げパイプ30を設置する際に、浄化槽2と地表面4との間隔に合わせて筒状体31を切断してその高さが調整される(例えば、特許文献1 段落0012参照)。
【0004】
マンホール用嵩上げパイプ30の構成を、図13に基づいて説明すると、地中に埋設される筒状体31と、その筒状体31の上面を塞ぐマンホールの蓋8と、前記筒状体31の上端32に設けられ、前記マンホールの蓋8を前記筒状体31の上端32よりも内径側で支える環状の受枠33とからなるものが知られている。受枠33は、図14に示すように、その下方へ突出し、筒状体31の内径よりも径の小さい環状のガイド部33aがリベットやねじ等の連結部材35を介して筒状体31に固定される。
【特許文献1】特開平7−328599号公報
【特許文献2】意匠登録第1267722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記マンホール用嵩上げパイプ30は、筒状体31の径が上端32から下端34まで同一なので、同一大きさの筒状体31同士がその管軸方向に入り込むことができない。筒状体31の径が上端32から下端34まで同一なのは、筒状体31の製造過程において、軸方向に長い筒状のパイプを軸直角方向に切断することにより、同一形状の筒状体31を複数製造することができ効率がよいためである。
【0006】
このように、マンホール用嵩上げパイプ30は、同一大きさの筒状体31同士がその管軸方向に入り込むことができないので、筒状体31の上端32に受枠33を予め取り付けておき、その受枠33を介して、図14に示すように、同一大きさの別の筒状体31を積み重ねた状態で保管・運搬がなされる。このため、マンホール用嵩上げパイプ30の保管・運搬時の嵩が高いという問題があった。保管・運搬時の嵩が高いと、保管時には広いスペースを要し、運搬時には多数の運搬用車両が必要となるので、コスト高の要因となる。
【0007】
そこで、この発明は、マンホール用嵩上げパイプの保管・運搬時の嵩を低くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明は、地中に埋設される筒状体と、その筒状体の上面を塞ぐ蓋と、前記筒状体の上端に取り付けられ、前記蓋を支える環状の受枠とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、前記筒状体を、その上端から下端に向かって徐々に口が狭まるテーパー管として、その筒状体同士が、その管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにしたのである。
【0009】
このように、筒状体を、その上端から下端に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とすれば、そのテーパー管とした筒状体に、同一大きさの別の筒状体が管軸方向に嵌まり込むことができる。このため、筒状体を、同一大きさの別の筒状体に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【0010】
この構成において、前記筒状体の下部内周に、内側に突出するストッパを設け、その筒状体に、同一大きさの別の筒状体を入り込ませる際、その別の筒状体が前記ストッパに当接することにより、それ以上奥に入り込まないようにすることができる。
このようにすれば、前記筒状体の内面と別の筒状体の外面が密着した状態を防ぐことができる。このため、別の筒状体を前記筒状体から容易に取り出すことができる。なお、前記ストッパに対する別の筒状体の当接位置は、別の筒状体の下端でもよく、外周面であってもよい。
【0011】
また、他の構成として、地中に埋設される筒状体と、その筒状体の上面を塞ぐ蓋と、前記筒状体の上端に取り付けられ、前記蓋を支える環状の受枠とからなるからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、前記筒状体に、その上端から下端に向かって縮径する段部を設けて、その筒状体同士が、その筒軸方向に互いに入り込むようにすることができる。
【0012】
この構成のように、筒状体に、その上端から下端に向かって縮径する段部を設ければ、その筒状体に、同一大きさの別の筒状体が筒軸方向に入り込むことができる。このため、段部を設けた筒状体に、同一大きさの別の筒状体を筒軸方向に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【0013】
また、この構成において、前記段部は、前記筒状体に、同一大きさの別の筒状体を入り込ませたときに、その別の筒状体の下端が前記筒状体の段部に、又は、前記別の筒状体の段部が前記筒状体の上端に当接するようにすることができる。
このようにすれば、筒状体に、同一大きさの別の筒状体を入り込ませたときに、筒状体の内面と別の筒状体の外面が密着した状態とならないので、前記ストッパを設けていなくても、筒状体から別の筒状体を容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明のマンホール用嵩上げパイプによれば、テーパー管とした筒状体が、同一大きさの別の筒状体に、管軸方向に嵌まり込むことができるようにしたので、テーパー管とした筒状体を、同一大きさの別の筒状体に菅軸方向に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。このため、保管場所のスペースを低減でき、また、運搬時の納入数量を増やすことができるので、保管コスト、運搬コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1、図2に、この発明の一実施形態におけるマンホール用嵩上げパイプ1(以下、単に「嵩上げパイプ1」という)を示す。
嵩上げパイプ1は、浄化槽2と地表面4との間に埋設される筒状体5と、筒状体5の上端6に着脱自在に取り付けられる受枠7とを備え、受枠7により筒状体5の上面を閉じるマンホールの蓋8が支持される。また、嵩上げパイプ1は、浄化槽2の上面に形成された穴3に沿って設けた環状の支持部材9によりその下端10が支持される。
【0016】
筒状体5は樹脂製であり、例えば、図3に示すように、その筒状体5を軸直角方向の切断線5aのいずれかに沿って切り落とすことにより、その筒状体5の高さが調節される。
また、筒状体5は、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管となっている。
【0017】
筒状体5の上端6外周には、外径側に突出するフランジ部11が全周に亘って設けられている。フランジ部11の上面は、全周に亘ってフラットになっており、そのフランジ部11の外側縁12から上方に突出して内側に向くフック13が周方向に一定の間隔を置いて複数設けられている。
筒状体5の下部内周には、図1、図3に示すように、内側に突出するストッパ14が周方向に一定の間隔をおいて設けられている。このため、筒状体5に同一大きさの別の筒状体5を入り込ませるときに、別の筒状体5の下端10が途中でストッパ14に当たるので、筒状体5の内面と他の筒状体5の外面が密着した状態を防ぐことができる。このため、筒状体5から別の筒状体5を容易に取り出すことができる。
【0018】
受枠7は、図4、図5(a)に示すように、環状に形成され、マンホールの蓋8を筒状体5の上端6よりも内径側で支える支持部7aを有している。支持部7aは、受枠7の全周に亘って連続的に設けられており、その内径側には、上方に立ち上がる保持部7bが形成されている。
また、受枠7には、筒状体5の上端6の外径よりも大きい外径の外周部7cが、全周に亘って外径側に突出して設けられており、その外周部7cを、前記フック13の下面と前記フランジ部11の上面との間に嵌め込むことにより、筒状体5の上端6に受枠7を取り付けることができる。
【0019】
このようにすれば、ワンタッチで受枠7を筒状体5に取り付けることができる。また、一旦、受枠7を筒状体5に取り付けても、受枠7を筒状体5から取り外すことができる。
なお、受枠7の下面には、その下方に突出し、筒状体5の上端6よりも径の小さい環状のガイド部7dを有している。これにより、受枠7を筒状体5の上端6に取り付けるときに、ガイド部7dが筒状体5に入り込み、受枠7を筒状体5に取り付け易くすることができる。
【0020】
受枠7の嵌め込みは、前記フック13をやや外径側に押し出すように変形させながら、受枠7の外周部7cをフック13の下面とフランジ部11の上面との間に押し込むようにしてもよいし、受枠7がゴム等の可撓性を有する素材である場合は、その受枠7を変形させながらその外周部7cをフック13の下面とフランジ部11の上面との間に押し込むようにしてもよい。
【0021】
浄化槽2の上面に設けた支持部材9は、図6に示すように、筒状体5の下端10を支える支持部9aを有している。支持部9aは、支持部材9の全周に亘って連続的に設けられており、その内径側には、上方に立ち上がる保持部9bが形成されている。
【0022】
支持部9aの支持面は水平であり、筒状体5の下端10の内径と同一径の位置から、筒状体5の上端6の外径と同一径の位置まで径方向距離wの範囲で連続している。このため、筒状体5を任意の高さで筒軸直角方向に切断することにより、筒状体5の下端の位置が切断前の下端10の位置よりも径方向外側に位置しても、支持部9aは、切断後の筒状体5の下端を常に同一高さで支持できるので、嵩上げパイプ1の長さを地表高さに応じて調整する作業が容易である。なお、図6に示す符号5は、切断していない状態の筒状体5の下部を示し、鎖線は、筒状体5の下部を筒軸直角方向の切断線5aで切り落として、その切り落とした後の筒状体5の下部を示している。
【0023】
図7に、嵩上げパイプ1の保管・運搬時の状態を示す。この実施形態では、嵩上げパイプ1は、受枠7が、筒状体5の上端6よりも内径側でマンホールの蓋8を支えるので、受枠7が取り付けられた状態の筒状体5に、同一大きさの別の筒状体5を菅軸方向に嵌まり込ませようとすると、別の筒状体5の下部が受枠7に当たり、受枠7が取り付けられた筒状体5に別の筒状体5が嵌まり込むことができない。
しかし、嵩上げパイプ1は、筒状体5が、その上端5から下端10に向かって徐々に径が狭まるテーパー管なので、筒状体5に受枠7が取り付けられていなければ、同一大きさの別の筒状体5を、受枠7が取り付けられていない状態の筒状体5に、その管軸方向に嵌まり込むことができる。このため、嵩上げパイプ1は、図7に示すように、受枠7を取り付ける前の筒状体5に、同一大きさの別の筒状体5を菅軸方向に嵌まり込ませて保管・運搬が行なわれる。これにより、保管・運搬時の嵩上げパイプ1の嵩が低くなるので、保管場所のスペースを低減できると共に、運搬時には、一度に沢山の嵩上げパイプ1を運搬することができ、保管コスト、運搬コストを低減することができる。
【0024】
また、上記のように、受枠7を取り付ける前の筒状体5に、別の筒状体5を嵌まり込ませて保管・運搬を行なうと、現地で受枠7を筒状体5に取り付ける必要がある。
このとき、この嵩上げパイプ1によれば、ワンタッチで受枠7を筒状体5に取り付けることができ、リベットやねじ等で受枠7を筒状体5に固定する作業が省略されるので、受枠7を筒状体5に取り付ける時間を短縮することができる。このため、嵩上げパイプ1の浄化槽2への設置作業を迅速に行なうことができる。
【0025】
上記実施形態では、受枠7の外周部7cをフランジ部11の上面とフック13の下面の間に嵌め込むことにより、筒状体5の上端6に受枠7を取り付けたが、図8に示すように、受枠7の下面に有するガイド部7dに外径側に突出する凸部15を設け、その凸部15を挿入可能な穴16を筒状体5に設け、その穴16に凸部15を係合させてもよい。
【0026】
このようにすれば、筒状体5の上端6に、図4、図5(a)に示すフック13を設けていないので、上部に突出する部分が少なく筒状体5が破損しにくい。また、凸部15を穴16に係合させているので、受枠7に周方向の力が作用しても、受枠7が周方向に動きにくい。
【0027】
また、図9に示すように、筒状体5の上端6外周にフランジ部11を設け、そのフランジ部11の外側縁12から上方へ突出するフック17を設け、そのフック17を挿入可能な穴18を受枠7の外周部7cに設け、その穴18にフック17を差し込んで、そのフック17を外周部7cに係合させてもよい。
【0028】
このようにすれば、フック17を穴18に差し込んでいるので、受枠7に周方向の力が作用しても、受枠7が周方向に動きにくい。
【0029】
また、図10に示すように、筒状体5の上端6外周にフランジ部11を設け、そのフランジ部11の外側縁12から上方に突出して外側に向くフック19を設け、受枠7の外周部7cに上下方向に貫通する平面視L字状の切り欠き20を設けて、その切り欠き20にフック19を差し込み、受枠7を周方向に回転させて、フック19を外周部7cに係合させてもよい。
【0030】
このようにすれば、受枠7の外周部7cに設けた切り欠き20にフック19を差し込んで、その受枠7を周方向に回すことにより、フック19を外周部7cに係合させることができる。
即ち、平面視L字状の切り欠き20は、受枠7の外縁に開口し径方向に延びる部分と、受枠7の周方向に延びる部分とから成り、このうち径方向に延びる部分の溝幅(受枠7の周方向に沿う幅)は、フック19の幅(受枠7の周方向に沿う幅)と同一であるか又はやや大きく形成されている。このため、フック19を、切り欠き20の径方向に延びる部分に入り込ませ、その後、受枠7を周方向へ回すことにより、フック19は、切り欠き20の周方向に延びる部分に入り込んでいく。このため、フック19の大きな変形を伴うことなく、そのフック19を受枠7に係合させることができる。
【0031】
また、図11に示すように、受枠7のガイド部7dに外径側に突出する凸部21を設け、筒状体5の内周面に、その上端6から軸方向に伸びる軸方向溝22と、その軸方向溝22の下部から斜め下方に延びる周方向溝23とを形成して、軸方向溝22に凸部21を差し込み、その受枠7を周方向に回転させて、凸部21を、周方向溝23の上面に係合させてもよい。
このようにすれば、ガイド部7dに設けた凸部21を筒状体5の上端6から軸方向溝22に差し込んで、その受枠7を周方向に回すと、周方向溝23の上面により凸部21が下方に押さえ付けられて、凸部21が周方向溝23の上面に係合する。このとき、周方向溝23が斜め下方に延びていることにより、凸部21を下方に押さえつけて、筒状体5と受枠7が密着する。
また、筒状体5の上端6に、図4、図5(a)に示すフック13を設けていないので、上部に突出する部分が少なく筒状体5が破損しにくい。
【0032】
上記実施形態では、筒状体5を樹脂製としたが、筒状体を金属製として、その筒状体を筒軸直角方向に切断することにより、筒状体の高さを調整するようにしてもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、軸直角方向の断面が環状の筒状体5を用いたが、軸直角方向の断面が、四角形、六角形、八角形などの角筒を用いてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、筒状体5の上端6外周に、外径側に突出するフランジ部11を全周に亘って設け、そのフランジ部11の外側縁12から上方に突出して内側に向くフック13を周方向に間隔を置いて複数設けたが、筒状体5の上端6外周に、外径側に突出するフランジ部を周方向に間隔をおいて複数設け、そのフランジ部から上方に突出するフックを設けてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、筒状体5を、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とし、受枠7を取り付けていない状態の筒状体5同士が、その管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにしたが、図12(a)に示すように、筒状体24に、その上端25から下端26に向かって縮径する段部27を設けて、受枠7を取り付けていない状態の筒状体24同士が、その筒軸方向に互いに入り込むことができるようにしてもよい。
この場合、受枠7の筒状体24への取付け方法は、図5および図8〜図11に示した上記各実施形態のいずれの方法を用いてもよい。また、受枠7の下方へ突出した環状のガイド部7dをリベットやねじ等の連結部材で固定することにより、受枠7を筒状体24に取り付けてもよい。
【0036】
このように、筒状体24に、その上端25から下端26に向かって縮径する段部27を設ければ、図12(b)に示すように、受枠7を取り付けていない状態の筒状体24に、同一大きさの別の筒状体24が、その筒軸方向に入り込むことができる。このため、受枠7を筒状体24に取り付ける前に、別の筒状体24を筒軸方向に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【0037】
また、前記段部27は、筒状体24に、同一大きさの別の筒状体24を入り込ませたときに、上方の筒状体24の下端26が下方の筒状体24の段部27の上面に、又は、上方の筒状体24の段部27の下面が下方の筒状体24の上端25に当接するように筒状体24に設けることができる。
このようにすれば、筒状体24に同一大きさの別の筒状体24を入り込ませたときに、筒状体24の内面と別の筒状体24の外面が密着した状態とならないので、前記ストッパ14を設けていなくても、筒状体24から別の筒状体24を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の第一実施形態のマンホール用嵩上げパイプを示す断面図
【図2】図1のマンホール用嵩上げパイプの使用状態を示す部分断面図
【図3】図1のマンホール用嵩上げパイプの筒状体を切断した状態を示す斜視図
【図4】図1のマンホール用嵩上げパイプの受枠の取付方法を示す斜視図
【図5】図1のマンホール用嵩上げパイプのフックを示す部分拡大図であり、(a)は受枠をフックに取り付けた状態を示す断面図、(b)はフックを外側から見た斜視図、(c)はフックを内側から見た斜視図
【図6】図2の浄化槽の上面に形成された穴に沿って固定された支持部材を示す拡大断面図
【図7】図1のマンホール用嵩上げパイプの保管時の状態を示す断面図
【図8】第二実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す斜視図、(b)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図9】第三実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す斜視図、(b)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図10】第四実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す斜視図、(b)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図11】第五実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す外側から見た斜視図、(b)は筒状体を内側から見た斜視図、(c)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図12】第六実施形態のマンホール用嵩上げパイプを示す図であり、(a)は筒状体に段部を設けたマンホール用嵩上げパイプを示す断面図、(b)はマンホール用嵩上げパイプの保管時の状態を示す断面図
【図13】従来のマンホール用嵩上げパイプの使用状態を示す正面図
【図14】従来のマンホール用嵩上げパイプの保管時の状態を示す正面図
【符号の説明】
【0039】
1,30 マンホール用嵩上げパイプ
5,24,31 筒状体
6,25,32 上端
7,33 受枠
7c 外周部
7d ガイド部
8 マンホールの蓋
10,26 下端
11 フランジ部
14 ストッパ
27 段部
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄化槽に設置されるマンホール用嵩上げパイプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
浄化槽は、図13に示すように、地中に埋設されることが多く、その内部を点検する等の為にマンホールを設け、浄化槽2と地表面4との高さ調整のためにマンホール用嵩上げパイプ30が設置される。マンホール用嵩上げパイプ30は、浄化槽2と地表面4の間に埋設され、その上部にはマンホールの蓋8が設けられている。通常、マンホールの蓋8は地表面4に沿って設けられ、常時は閉じられているが、点検時などにおいてマンホールの蓋8を開ければ、浄化槽2の内部に人が入ることができるようになっている(特許文献1 図1、特許文献2 使用状態を示す参考図参照)。
【0003】
浄化槽2と地表面4との間隔は、浄化槽2の設置場所ごとに違っており、最大300mmと施工規格で規定されている。このため、マンホール用嵩上げパイプ30を設置する際に、浄化槽2と地表面4との間隔に合わせて筒状体31を切断してその高さが調整される(例えば、特許文献1 段落0012参照)。
【0004】
マンホール用嵩上げパイプ30の構成を、図13に基づいて説明すると、地中に埋設される筒状体31と、その筒状体31の上面を塞ぐマンホールの蓋8と、前記筒状体31の上端32に設けられ、前記マンホールの蓋8を前記筒状体31の上端32よりも内径側で支える環状の受枠33とからなるものが知られている。受枠33は、図14に示すように、その下方へ突出し、筒状体31の内径よりも径の小さい環状のガイド部33aがリベットやねじ等の連結部材35を介して筒状体31に固定される。
【特許文献1】特開平7−328599号公報
【特許文献2】意匠登録第1267722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記マンホール用嵩上げパイプ30は、筒状体31の径が上端32から下端34まで同一なので、同一大きさの筒状体31同士がその管軸方向に入り込むことができない。筒状体31の径が上端32から下端34まで同一なのは、筒状体31の製造過程において、軸方向に長い筒状のパイプを軸直角方向に切断することにより、同一形状の筒状体31を複数製造することができ効率がよいためである。
【0006】
このように、マンホール用嵩上げパイプ30は、同一大きさの筒状体31同士がその管軸方向に入り込むことができないので、筒状体31の上端32に受枠33を予め取り付けておき、その受枠33を介して、図14に示すように、同一大きさの別の筒状体31を積み重ねた状態で保管・運搬がなされる。このため、マンホール用嵩上げパイプ30の保管・運搬時の嵩が高いという問題があった。保管・運搬時の嵩が高いと、保管時には広いスペースを要し、運搬時には多数の運搬用車両が必要となるので、コスト高の要因となる。
【0007】
そこで、この発明は、マンホール用嵩上げパイプの保管・運搬時の嵩を低くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明は、地中に埋設される筒状体と、その筒状体の上面を塞ぐ蓋と、前記筒状体の上端に取り付けられ、前記蓋を支える環状の受枠とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、前記筒状体を、その上端から下端に向かって徐々に口が狭まるテーパー管として、その筒状体同士が、その管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにしたのである。
【0009】
このように、筒状体を、その上端から下端に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とすれば、そのテーパー管とした筒状体に、同一大きさの別の筒状体が管軸方向に嵌まり込むことができる。このため、筒状体を、同一大きさの別の筒状体に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【0010】
この構成において、前記筒状体の下部内周に、内側に突出するストッパを設け、その筒状体に、同一大きさの別の筒状体を入り込ませる際、その別の筒状体が前記ストッパに当接することにより、それ以上奥に入り込まないようにすることができる。
このようにすれば、前記筒状体の内面と別の筒状体の外面が密着した状態を防ぐことができる。このため、別の筒状体を前記筒状体から容易に取り出すことができる。なお、前記ストッパに対する別の筒状体の当接位置は、別の筒状体の下端でもよく、外周面であってもよい。
【0011】
また、他の構成として、地中に埋設される筒状体と、その筒状体の上面を塞ぐ蓋と、前記筒状体の上端に取り付けられ、前記蓋を支える環状の受枠とからなるからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、前記筒状体に、その上端から下端に向かって縮径する段部を設けて、その筒状体同士が、その筒軸方向に互いに入り込むようにすることができる。
【0012】
この構成のように、筒状体に、その上端から下端に向かって縮径する段部を設ければ、その筒状体に、同一大きさの別の筒状体が筒軸方向に入り込むことができる。このため、段部を設けた筒状体に、同一大きさの別の筒状体を筒軸方向に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【0013】
また、この構成において、前記段部は、前記筒状体に、同一大きさの別の筒状体を入り込ませたときに、その別の筒状体の下端が前記筒状体の段部に、又は、前記別の筒状体の段部が前記筒状体の上端に当接するようにすることができる。
このようにすれば、筒状体に、同一大きさの別の筒状体を入り込ませたときに、筒状体の内面と別の筒状体の外面が密着した状態とならないので、前記ストッパを設けていなくても、筒状体から別の筒状体を容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明のマンホール用嵩上げパイプによれば、テーパー管とした筒状体が、同一大きさの別の筒状体に、管軸方向に嵌まり込むことができるようにしたので、テーパー管とした筒状体を、同一大きさの別の筒状体に菅軸方向に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。このため、保管場所のスペースを低減でき、また、運搬時の納入数量を増やすことができるので、保管コスト、運搬コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1、図2に、この発明の一実施形態におけるマンホール用嵩上げパイプ1(以下、単に「嵩上げパイプ1」という)を示す。
嵩上げパイプ1は、浄化槽2と地表面4との間に埋設される筒状体5と、筒状体5の上端6に着脱自在に取り付けられる受枠7とを備え、受枠7により筒状体5の上面を閉じるマンホールの蓋8が支持される。また、嵩上げパイプ1は、浄化槽2の上面に形成された穴3に沿って設けた環状の支持部材9によりその下端10が支持される。
【0016】
筒状体5は樹脂製であり、例えば、図3に示すように、その筒状体5を軸直角方向の切断線5aのいずれかに沿って切り落とすことにより、その筒状体5の高さが調節される。
また、筒状体5は、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管となっている。
【0017】
筒状体5の上端6外周には、外径側に突出するフランジ部11が全周に亘って設けられている。フランジ部11の上面は、全周に亘ってフラットになっており、そのフランジ部11の外側縁12から上方に突出して内側に向くフック13が周方向に一定の間隔を置いて複数設けられている。
筒状体5の下部内周には、図1、図3に示すように、内側に突出するストッパ14が周方向に一定の間隔をおいて設けられている。このため、筒状体5に同一大きさの別の筒状体5を入り込ませるときに、別の筒状体5の下端10が途中でストッパ14に当たるので、筒状体5の内面と他の筒状体5の外面が密着した状態を防ぐことができる。このため、筒状体5から別の筒状体5を容易に取り出すことができる。
【0018】
受枠7は、図4、図5(a)に示すように、環状に形成され、マンホールの蓋8を筒状体5の上端6よりも内径側で支える支持部7aを有している。支持部7aは、受枠7の全周に亘って連続的に設けられており、その内径側には、上方に立ち上がる保持部7bが形成されている。
また、受枠7には、筒状体5の上端6の外径よりも大きい外径の外周部7cが、全周に亘って外径側に突出して設けられており、その外周部7cを、前記フック13の下面と前記フランジ部11の上面との間に嵌め込むことにより、筒状体5の上端6に受枠7を取り付けることができる。
【0019】
このようにすれば、ワンタッチで受枠7を筒状体5に取り付けることができる。また、一旦、受枠7を筒状体5に取り付けても、受枠7を筒状体5から取り外すことができる。
なお、受枠7の下面には、その下方に突出し、筒状体5の上端6よりも径の小さい環状のガイド部7dを有している。これにより、受枠7を筒状体5の上端6に取り付けるときに、ガイド部7dが筒状体5に入り込み、受枠7を筒状体5に取り付け易くすることができる。
【0020】
受枠7の嵌め込みは、前記フック13をやや外径側に押し出すように変形させながら、受枠7の外周部7cをフック13の下面とフランジ部11の上面との間に押し込むようにしてもよいし、受枠7がゴム等の可撓性を有する素材である場合は、その受枠7を変形させながらその外周部7cをフック13の下面とフランジ部11の上面との間に押し込むようにしてもよい。
【0021】
浄化槽2の上面に設けた支持部材9は、図6に示すように、筒状体5の下端10を支える支持部9aを有している。支持部9aは、支持部材9の全周に亘って連続的に設けられており、その内径側には、上方に立ち上がる保持部9bが形成されている。
【0022】
支持部9aの支持面は水平であり、筒状体5の下端10の内径と同一径の位置から、筒状体5の上端6の外径と同一径の位置まで径方向距離wの範囲で連続している。このため、筒状体5を任意の高さで筒軸直角方向に切断することにより、筒状体5の下端の位置が切断前の下端10の位置よりも径方向外側に位置しても、支持部9aは、切断後の筒状体5の下端を常に同一高さで支持できるので、嵩上げパイプ1の長さを地表高さに応じて調整する作業が容易である。なお、図6に示す符号5は、切断していない状態の筒状体5の下部を示し、鎖線は、筒状体5の下部を筒軸直角方向の切断線5aで切り落として、その切り落とした後の筒状体5の下部を示している。
【0023】
図7に、嵩上げパイプ1の保管・運搬時の状態を示す。この実施形態では、嵩上げパイプ1は、受枠7が、筒状体5の上端6よりも内径側でマンホールの蓋8を支えるので、受枠7が取り付けられた状態の筒状体5に、同一大きさの別の筒状体5を菅軸方向に嵌まり込ませようとすると、別の筒状体5の下部が受枠7に当たり、受枠7が取り付けられた筒状体5に別の筒状体5が嵌まり込むことができない。
しかし、嵩上げパイプ1は、筒状体5が、その上端5から下端10に向かって徐々に径が狭まるテーパー管なので、筒状体5に受枠7が取り付けられていなければ、同一大きさの別の筒状体5を、受枠7が取り付けられていない状態の筒状体5に、その管軸方向に嵌まり込むことができる。このため、嵩上げパイプ1は、図7に示すように、受枠7を取り付ける前の筒状体5に、同一大きさの別の筒状体5を菅軸方向に嵌まり込ませて保管・運搬が行なわれる。これにより、保管・運搬時の嵩上げパイプ1の嵩が低くなるので、保管場所のスペースを低減できると共に、運搬時には、一度に沢山の嵩上げパイプ1を運搬することができ、保管コスト、運搬コストを低減することができる。
【0024】
また、上記のように、受枠7を取り付ける前の筒状体5に、別の筒状体5を嵌まり込ませて保管・運搬を行なうと、現地で受枠7を筒状体5に取り付ける必要がある。
このとき、この嵩上げパイプ1によれば、ワンタッチで受枠7を筒状体5に取り付けることができ、リベットやねじ等で受枠7を筒状体5に固定する作業が省略されるので、受枠7を筒状体5に取り付ける時間を短縮することができる。このため、嵩上げパイプ1の浄化槽2への設置作業を迅速に行なうことができる。
【0025】
上記実施形態では、受枠7の外周部7cをフランジ部11の上面とフック13の下面の間に嵌め込むことにより、筒状体5の上端6に受枠7を取り付けたが、図8に示すように、受枠7の下面に有するガイド部7dに外径側に突出する凸部15を設け、その凸部15を挿入可能な穴16を筒状体5に設け、その穴16に凸部15を係合させてもよい。
【0026】
このようにすれば、筒状体5の上端6に、図4、図5(a)に示すフック13を設けていないので、上部に突出する部分が少なく筒状体5が破損しにくい。また、凸部15を穴16に係合させているので、受枠7に周方向の力が作用しても、受枠7が周方向に動きにくい。
【0027】
また、図9に示すように、筒状体5の上端6外周にフランジ部11を設け、そのフランジ部11の外側縁12から上方へ突出するフック17を設け、そのフック17を挿入可能な穴18を受枠7の外周部7cに設け、その穴18にフック17を差し込んで、そのフック17を外周部7cに係合させてもよい。
【0028】
このようにすれば、フック17を穴18に差し込んでいるので、受枠7に周方向の力が作用しても、受枠7が周方向に動きにくい。
【0029】
また、図10に示すように、筒状体5の上端6外周にフランジ部11を設け、そのフランジ部11の外側縁12から上方に突出して外側に向くフック19を設け、受枠7の外周部7cに上下方向に貫通する平面視L字状の切り欠き20を設けて、その切り欠き20にフック19を差し込み、受枠7を周方向に回転させて、フック19を外周部7cに係合させてもよい。
【0030】
このようにすれば、受枠7の外周部7cに設けた切り欠き20にフック19を差し込んで、その受枠7を周方向に回すことにより、フック19を外周部7cに係合させることができる。
即ち、平面視L字状の切り欠き20は、受枠7の外縁に開口し径方向に延びる部分と、受枠7の周方向に延びる部分とから成り、このうち径方向に延びる部分の溝幅(受枠7の周方向に沿う幅)は、フック19の幅(受枠7の周方向に沿う幅)と同一であるか又はやや大きく形成されている。このため、フック19を、切り欠き20の径方向に延びる部分に入り込ませ、その後、受枠7を周方向へ回すことにより、フック19は、切り欠き20の周方向に延びる部分に入り込んでいく。このため、フック19の大きな変形を伴うことなく、そのフック19を受枠7に係合させることができる。
【0031】
また、図11に示すように、受枠7のガイド部7dに外径側に突出する凸部21を設け、筒状体5の内周面に、その上端6から軸方向に伸びる軸方向溝22と、その軸方向溝22の下部から斜め下方に延びる周方向溝23とを形成して、軸方向溝22に凸部21を差し込み、その受枠7を周方向に回転させて、凸部21を、周方向溝23の上面に係合させてもよい。
このようにすれば、ガイド部7dに設けた凸部21を筒状体5の上端6から軸方向溝22に差し込んで、その受枠7を周方向に回すと、周方向溝23の上面により凸部21が下方に押さえ付けられて、凸部21が周方向溝23の上面に係合する。このとき、周方向溝23が斜め下方に延びていることにより、凸部21を下方に押さえつけて、筒状体5と受枠7が密着する。
また、筒状体5の上端6に、図4、図5(a)に示すフック13を設けていないので、上部に突出する部分が少なく筒状体5が破損しにくい。
【0032】
上記実施形態では、筒状体5を樹脂製としたが、筒状体を金属製として、その筒状体を筒軸直角方向に切断することにより、筒状体の高さを調整するようにしてもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、軸直角方向の断面が環状の筒状体5を用いたが、軸直角方向の断面が、四角形、六角形、八角形などの角筒を用いてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、筒状体5の上端6外周に、外径側に突出するフランジ部11を全周に亘って設け、そのフランジ部11の外側縁12から上方に突出して内側に向くフック13を周方向に間隔を置いて複数設けたが、筒状体5の上端6外周に、外径側に突出するフランジ部を周方向に間隔をおいて複数設け、そのフランジ部から上方に突出するフックを設けてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、筒状体5を、その上端6から下端10に向かって徐々に口が狭まるテーパー管とし、受枠7を取り付けていない状態の筒状体5同士が、その管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにしたが、図12(a)に示すように、筒状体24に、その上端25から下端26に向かって縮径する段部27を設けて、受枠7を取り付けていない状態の筒状体24同士が、その筒軸方向に互いに入り込むことができるようにしてもよい。
この場合、受枠7の筒状体24への取付け方法は、図5および図8〜図11に示した上記各実施形態のいずれの方法を用いてもよい。また、受枠7の下方へ突出した環状のガイド部7dをリベットやねじ等の連結部材で固定することにより、受枠7を筒状体24に取り付けてもよい。
【0036】
このように、筒状体24に、その上端25から下端26に向かって縮径する段部27を設ければ、図12(b)に示すように、受枠7を取り付けていない状態の筒状体24に、同一大きさの別の筒状体24が、その筒軸方向に入り込むことができる。このため、受枠7を筒状体24に取り付ける前に、別の筒状体24を筒軸方向に入り込ませれば、保管・運搬時の嵩を低くすることができる。
【0037】
また、前記段部27は、筒状体24に、同一大きさの別の筒状体24を入り込ませたときに、上方の筒状体24の下端26が下方の筒状体24の段部27の上面に、又は、上方の筒状体24の段部27の下面が下方の筒状体24の上端25に当接するように筒状体24に設けることができる。
このようにすれば、筒状体24に同一大きさの別の筒状体24を入り込ませたときに、筒状体24の内面と別の筒状体24の外面が密着した状態とならないので、前記ストッパ14を設けていなくても、筒状体24から別の筒状体24を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の第一実施形態のマンホール用嵩上げパイプを示す断面図
【図2】図1のマンホール用嵩上げパイプの使用状態を示す部分断面図
【図3】図1のマンホール用嵩上げパイプの筒状体を切断した状態を示す斜視図
【図4】図1のマンホール用嵩上げパイプの受枠の取付方法を示す斜視図
【図5】図1のマンホール用嵩上げパイプのフックを示す部分拡大図であり、(a)は受枠をフックに取り付けた状態を示す断面図、(b)はフックを外側から見た斜視図、(c)はフックを内側から見た斜視図
【図6】図2の浄化槽の上面に形成された穴に沿って固定された支持部材を示す拡大断面図
【図7】図1のマンホール用嵩上げパイプの保管時の状態を示す断面図
【図8】第二実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す斜視図、(b)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図9】第三実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す斜視図、(b)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図10】第四実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す斜視図、(b)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図11】第五実施形態のマンホール用嵩上げパイプの受枠と筒状体を示す図であり、(a)は受枠の筒状体への取付方法を示す外側から見た斜視図、(b)は筒状体を内側から見た斜視図、(c)は受枠を筒状体に取り付けた状態を示す断面図
【図12】第六実施形態のマンホール用嵩上げパイプを示す図であり、(a)は筒状体に段部を設けたマンホール用嵩上げパイプを示す断面図、(b)はマンホール用嵩上げパイプの保管時の状態を示す断面図
【図13】従来のマンホール用嵩上げパイプの使用状態を示す正面図
【図14】従来のマンホール用嵩上げパイプの保管時の状態を示す正面図
【符号の説明】
【0039】
1,30 マンホール用嵩上げパイプ
5,24,31 筒状体
6,25,32 上端
7,33 受枠
7c 外周部
7d ガイド部
8 マンホールの蓋
10,26 下端
11 フランジ部
14 ストッパ
27 段部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設される筒状体(5)と、その筒状体(5)の上面を塞ぐ蓋(8)と、前記筒状体(5)の上端に取り付けられ、前記蓋(8)を支える環状の受枠(7)とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、
前記筒状体(5)を、その上端(6)から下端(10)に向かって徐々に口が狭まるテーパー管として、その筒状体(5)同士が、管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにしたことを特徴とするマンホール用嵩上げパイプ。
【請求項2】
前記筒状体(5)の下部内周に、内側に突出するストッパ(14)を設け、その筒状体(5)に、同一大きさの別の筒状体(5)を入り込ませる際、その別の筒状体(5)が前記ストッパ(14)に当接することにより、それ以上奥に入り込まないようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマンホール用嵩上げパイプ。
【請求項3】
地中に埋設される筒状体(24)と、その筒状体(24)の上面を塞ぐ蓋(8)と、前記筒状体(24)の上端に取り付けられ、前記蓋(8)を支える環状の受枠(7)とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、
前記筒状体(24)に、その上端(25)から下端(26)に向かって縮径する段部(27)を設けて、その筒状体(24)同士が、筒軸方向に互いに入り込むことができるようにしたことを特徴とするマンホール用嵩上げパイプ。
【請求項4】
前記段部(27)は、前記筒状体(24)に、同一大きさの別の筒状体(24)を入り込ませたときに、その別の筒状体(24)の下端(26)が前記筒状体(24)の段部(27)に、又は、前記別の筒状体(24)の段部(27)が前記筒状体(24)の上端(25)に当接することを特徴とする請求項3に記載のマンホール用嵩上げパイプ。
【請求項1】
地中に埋設される筒状体(5)と、その筒状体(5)の上面を塞ぐ蓋(8)と、前記筒状体(5)の上端に取り付けられ、前記蓋(8)を支える環状の受枠(7)とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、
前記筒状体(5)を、その上端(6)から下端(10)に向かって徐々に口が狭まるテーパー管として、その筒状体(5)同士が、管軸方向に互いに嵌まり込むことができるようにしたことを特徴とするマンホール用嵩上げパイプ。
【請求項2】
前記筒状体(5)の下部内周に、内側に突出するストッパ(14)を設け、その筒状体(5)に、同一大きさの別の筒状体(5)を入り込ませる際、その別の筒状体(5)が前記ストッパ(14)に当接することにより、それ以上奥に入り込まないようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマンホール用嵩上げパイプ。
【請求項3】
地中に埋設される筒状体(24)と、その筒状体(24)の上面を塞ぐ蓋(8)と、前記筒状体(24)の上端に取り付けられ、前記蓋(8)を支える環状の受枠(7)とからなるマンホール用嵩上げパイプにおいて、
前記筒状体(24)に、その上端(25)から下端(26)に向かって縮径する段部(27)を設けて、その筒状体(24)同士が、筒軸方向に互いに入り込むことができるようにしたことを特徴とするマンホール用嵩上げパイプ。
【請求項4】
前記段部(27)は、前記筒状体(24)に、同一大きさの別の筒状体(24)を入り込ませたときに、その別の筒状体(24)の下端(26)が前記筒状体(24)の段部(27)に、又は、前記別の筒状体(24)の段部(27)が前記筒状体(24)の上端(25)に当接することを特徴とする請求項3に記載のマンホール用嵩上げパイプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−221752(P2009−221752A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67617(P2008−67617)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000164896)栗本商事株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000164896)栗本商事株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
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