説明

マーキング挿入具の挿入方法

【課題】ドキュメント分割の表示を与えながら、マーキング挿入具の組全体を整然として維持すること。
【解決手段】本発明は、識別可能な組から複数の挿入具を複数シートのドキュメントへ挿入する方法に関し、挿入具のスタックと処理されたシートが得られるように、ジョブ画定に従ってドキュメント中に挿入具を挿入するステップを含み、このスタックは剰余の挿入具の数を決定する少なくとも1つの整列された側を有し、剰余の挿入具はこのスタックの整列された側に偏ってドキュメントの終わりに挿入される。本発明はまた、本発明による方法を実施するために作られた制御器構成を含むシート処理装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別可能な組から複数の挿入具を複数シートのドキュメントへ挿入する方法に関し、挿入具のスタックと処理されたシートが得られるように、ジョブ画定に従ってドキュメントへ挿入具を挿入するステップを含み、上記スタックは少なくとも1つの整列された側を有し、剰余挿入具の数を決定する。
【背景技術】
【0002】
この種の方法はUS5044619に記述される。本方法はカバーとタブシートの組をドキュメントの正しい位置に挿入し、組あたりの挿入具の数が必要な挿入具の数よりも多いかどうかを決定する。そうであれば、剰余の挿入具はドキュメントが取り出されるトレイとは違う他のトレイに取り除かれる。
【特許文献1】米国特許第5044619号明細書
【特許文献2】米国特許第6227531号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この知られている方法は、挿入具の組が破壊され、剰余の挿入具を取り出すために追加のトレイと付属搬送手段が必要であり、一般に、スタック上のドキュメントの開始と終了を示す明確なドキュメント分割表示が得られないという欠点がある。
【0004】
本発明の目的は、ドキュメント分割の表示を与えながら、マーキング挿入具の組全体を整然として維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、マーキング挿入具の挿入方法が提供され、剰余挿入具がこのスタックの整列された側に偏ってドキュメントの終りに挿入される。剰余をスタックの整列された側に偏ってドキュメントの終りに挿入することによって、作業者にドキュメント分割表示が提供され、ドキュメントから剰余を抜き取るか、または剰余の挿入具を一緒に含んでドキュメントを保持するか選択することができる。
【0006】
また、ドキュメントの終りに剰余の挿入具を挿入することができ、それによって全ての挿入具は剰余の挿入具を一緒に含んでドキュメントの残りに整列される。その場合、剰余をスタックから抜き取ることは容易にスタックの整列を乱す欠点がある。
【0007】
複数シートのドキュメントは処理されたシートまたは未処理シートを含むことができる。例えば、シートはA4の無地紙シートなどの紙シート、光沢媒体等、または透明オーバーヘッドシート、または他の合成シートとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
識別可能な挿入具の組は、組として識別可能な挿入具の組である。一般に、そのような組は所定数の部材を有する。例えば、これらの部材は組が組として識別可能なように或る順序の色彩を有することができる。挿入具の識別可能な組の他の例は、タブシートの組である。そのような組は、典型的に、組ごとに多くのタブシートを有し、全て組中の前のタブシートに対して偏ったタブ部分を有する。そのような組は挿入具の組として識別可能である。また、他の巡回(cyclic)媒体も挿入具の識別可能な組を形成することができる。マーキング挿入具の挿入は、インラインで実施する、すなわち、シートが印刷される同じ装置中でインラインに、または異なる装置、例えば、オフラインのドキュメント仕上げ機中でオフラインに実施することができる。オフラインドキュメント仕上げ機は、複数シートドキュメントの処理されたシートを投入するための投入トレイと、マーキング挿入具の投入用トレイと、ドキュメントのスタックの出力を含むことができる。
【0009】
挿入具の組がエラーの発生で部分的に使用され、シート処理装置が能動的なジョブを完了することができないエラーの場合、剰余の挿入具は、シート処理装置が中断されたジョブを再開始することができ、または新しい挿入具の組で次のジョブを続けることができるように、本発明による方法で処理することができ、整列されたスタックに偏って配置された剰余の挿入具は中断されたジョブの識別子として働く。
【0010】
本発明による方法のさらに他の実施形態において、挿入具は延伸部分を有するマーキング挿入具であり、方法は、延伸部分の反対側に整列されるとき、延伸部分がスタックから延伸するようにされる。延伸部分は、マーキング挿入具がドキュメント内部の組分割の印になるので、ドキュメントの容易な取り扱いに貢献する。
【0011】
本発明による方法のさらに他の実施形態において、剰余のマーキング挿入具の延伸部分の反対側は、スタックの整列された側に対して、スタックの整列された側からマーキング挿入具の延伸部分に向かって延伸する方向に各々正の偏りを有する。得られるドキュメント分割は組の分割から明らかに識別可能であり、作業者が容易に抜き取ることができる。剰余のマーキング挿入具の正の偏りは、剰余のマーキング挿入具の個別マーキング挿入具とは各々異なることができる。ここで、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1は、ワークステーション(WS)のシステムおよびネットワーク(N)によって接続された少なくとも1つのプリンタ(PR)を示す。例えば、ワークステーションはPCであり、それぞれプロセッサユニット、モニター、キーボード、およびマウスまたは他の指示器具が設けられる。用語「プリンタ」は、この場合デジタル複写機を含む。デジタル複写機は、スキャナ、プリンタ、ユーザーインターフェース、およびワークステーションから送られる印刷ジョブを処理するためのネットワークに接続する接続ユニットを含む。ワークステーションから印刷された特定のデータファイルの所有を望む使用者はシステム中の特定のまたは全てのプリンタを選択することができる。
【0013】
一例として、図2は図1に示したシステムに使用するのに適したデジタル複写機1を示す。様々な部分が分離して概要図で示される。これらの部分は、複写のためのドキュメントを物理的に取り扱うドキュメントフィーダー110、ドキュメントに現れる像に対応するデジタル像データを発生するスキャナユニット112、デジタルデータに従って印刷媒体に像の印刷を行うプリンタユニット130、プリンタユニット130へ媒体を供給するための複数トレイの媒体供給ユニット140、仕上げおよび出力部分150、ユーザーインターフェースユニット160、制御ユニット170、およびネットワーク通信ユニット171を含む。
【0014】
ドキュメントフィーダー110には、ドキュメントシートのスタックを投入するための投入トレイ111、スキャナユニット120に沿って1枚ずつシートを搬送するための搬送機構(図示せず)、および走査後にシートが配置される出力トレイ112が設けられる。
【0015】
スキャナユニット120は、原紙を置くことのできるガラスプレートを備えるフラットベッドスキャナ、光学像CCDセンサーアレイおよびCCDセンサーアレイ上にドキュメントの像を形成するための可動ミラーとレンズ系を含む像形成ユニットを含む。走査作業中、CCDセンサーアレイは一連の電気信号を発生し、それ自体知られている方法でデジタル像データに変換される。
【0016】
プリンタユニット130はそれ自体知られている電子写真処理ステージを含み、帯状の光伝導性媒体131がコロナユニット132によって帯電され、次いでLEDアレイ133に露出することによってデジタル像データに従って選択的に放電される。このようにして媒体131上に形成された帯電像は現像ユニット134中でトナー粉で現像され、その後、トナー像は転写と定着ユニット135の結合ユニット中で加熱されたゴムベルト136上に転写され、その上でベルト136の熱の結果としてトナー粉は軟化し、粘着性になる。次いで、それは、通常コンベヤー137によって媒体供給ユニット140から供給される紙シートの印刷媒体上に転写および定着される。
【0017】
媒体供給ユニット中には、異なるフォーマットおよび配列の印刷媒体(例えば、紙シート)の供給が可能である。
【0018】
トナー像を有する印刷媒体はコンベヤー138によって仕上げおよび出力部分150へ搬送され、必要であれば、それらは集めて組にされ、次いで出力トレイ151に排出される。デジタル複写機1の生産能力および用途に応じて、出力部分150は一時に多量のドキュメントを積み重ねる高容量の積み重ねユニット(図示せず)を含むことができる。
【0019】
ユニット160のユーザーインターフェースパネルには表示スクリーンとキーが設けられる。ユニット160は制御ユニット170およびネットワーク通信ユニット171に接続される。プリンタ1の制御ユニットが参照符号170で図示される。制御ユニットは、ユニット110、120、130、140、150、および160を制御するためのモジュールと、良好な像品質の印刷がプリンタユニット130で作成され得るようにデジタル像データを処理するための像処理モジュールとを含む。制御ユニット170は、本発明による方法をシステム1に動作し実行させるための分割された制御器構成を有する。
【0020】
既に述べたように、装置はローカルネットワークN内と通信するためのネットワーク通信ユニット171も含み、ケーブル172として図示されている。ネットワーク通信ユニット171はワークステーションから印刷ジョブを受け取り、それらをプリンタユニット130が処理できるフォーマットに変換し、制御ユニット170と協働して関連像を印刷媒体上に印刷する。
【0021】
プリンタへの印刷ジョブを送るためのプログラムは、ワークステーションWS中で動作可能である。この種のプログラムは「プリンタドライバー」と呼ばれ、ネットワークNを経由して1つ以上のプリンタに論理的に結合される。使用者が印刷ジョブを送りたいとき、使用者はプリンタドライバーを起動する。これに応答して、プリンタドライバーはワークステーションモニター上にジョブウィンドウを表示し、使用者は、印刷媒体、片面または両面印刷、およびいくつかの仕上げ選択肢の選択など、意図している印刷ジョブのための仕様を入力することができる。
【0022】
ドキュメントは非常に多様なサイズ、形状、および仕上げとすることができる。意図した用途に応じて、ドキュメントは、例えば、タブシートなどのマーキング挿入具を含むことができる。タブシートはドキュメントの一部の位置の印をつける。ドキュメントの分割された部分は組と呼ばれる。図3はドキュメントの組3の図である。図示された組2はタブシート3で被覆された5枚の印刷媒体4を含む。このタブシート3は組2の位置のマーキングおよび閲覧を容易にするための延伸部分を有する。
【0023】
図4は1組のタブシート5の図である。この種の組は、ドキュメント中の印刷された媒体の組をマーキングするために通常用いられる。通常、それらのマーキング挿入具の組は固定サイズで供給される。図示したタブシート5の組は、6枚のタブシート6、7、8、9、10、11を含む。タブシート7の延伸部分はタブシート6の延伸部分に対して偏って配置され、タブシート8の延伸部分はタブシート7の延伸部分に対して偏って配置され、このように続く。タブシートの延伸部分の偏りは個別タブシート6、7、8、9、10、11および印刷された媒体の関連する組の索引を容易にするために選択される。
【0024】
タブシート6、7、8、9、10、11は取り扱いを容易にするため穿孔12が予備穿孔される。当業者であれば、タブシートが全ての種類の形状と特徴で供給できることは明らかであろう。通常、タブシートは印刷された媒体の積み重ねた組に整列する少なくとも1つの側と、通常延伸部分を有する整列側の反対側に、タブシートおよび印刷された媒体の関連する組を容易に識別するための他の側を有する。
【0025】
図5Aは本発明による方法の実施形態によって処理された印刷ジョブの側面、図5Bは上面の概要図である。例示的印刷ジョブ20は2つのドキュメント、ドキュメント25とドキュメント26を含む。この印刷ジョブ20は、本発明による方法を印刷システムに実行させるように考案された制御器構成を含む印刷システム上で実行するように準備される。そのような制御器構成は、ASICなどの単体のハードウェアとすることができるが、いくつかの構成要素に分配され、または分離したハードウェアデバイスの構成、場合によっては部分的または実質的に全てソフトウェアから作られた構成として考案することもできる。当業者にとって、制御器構成の実際の構造が本発明の実施を可能にするために重要ではないことは明らかであろう。
【0026】
印刷ジョブを印刷システムに送る前に、使用者はワークステーションのプリンタドライバーウィンドウ中に印刷ジョブのための要件をプログラムすることができる。このプリンタドライバー中で、使用者はマーキング挿入具の挿入選択肢を「ON」に設定することができる。ここで、使用者は入手可能な組中のマーキング挿入具の数を入力することができる。本実施例において、使用者はマーキング挿入具の組が6枚の挿入具を含むことを入力する。マーキング挿入具の位置を画定することによってドキュメント25は組30に分割される。この場合、4つの組30には全て各組のマーキング挿入具に入手可能な6枚のマーキング挿入具の組の1つが提供される。また、これらの選択肢および設定は、画像式ユーザーインターフェースなどのローカルユーザーインターフェース上で入力することができる。
【0027】
ここで、制御器は剰余のマーキング挿入具の数を求め、動作を開始する。印刷媒体4のシートは印刷システムの印刷ユニット中で印刷される。時間設定式に、マーキング挿入具は、マーキング挿入具がドキュメント25中の各組30の終りに正しく配置されるように、出力トレイ中に送られる。マーキング挿入具は媒体供給ユニット140中の別の投入トレイに複数供給することができる。出力トレイで、印刷された媒体4とマーキング挿入具6、7、8、9、10、および11を含むドキュメント25は整列される。印刷された媒体の最後のシートを出力トレイに搬送した後、制御組み立て体は剰余のマーキング挿入具の出力トレイへの搬送を制御する。これらの剰余のマーキング挿入具は、これらの剰余のマーキング挿入具がドキュメントを分割する組を示すマーキング挿入具の上から認識可能なように、スタックの外に剰余のマーキング挿入具が延伸するようにしてスタックの整列側に偏って挿入される。この手順はドキュメント26について繰り返される。
【0028】
各識別可能な組のマーキング挿入具の数は、組を挿入する際に自動的に計数することができる。その場合、使用者はマーキング挿入具の数を手動で入力する必要はない。
【0029】
偏りの量は制御器またはプリンタドライバー中に設定することができる。使用者が剰余のマーキング挿入具を手動で抜き取りたいならば、使用者は、剰余のマーキング挿入具の偏りを単にドキュメント分割具として使用し、剰余のマーキング挿入具を一緒に含む組全体を保持する使用者の場合よりも大きな偏りを必要とする可能性がある。
【0030】
マーキング挿入具の組はマーキング挿入具貯蔵からドキュメント中に直接挿入することができ、または、マーキング挿入具は印刷ユニットに投入することができる。後者は、章の名前、およびドキュメント中の組を区別するための数字または着色コードなどの印刷された像をマーキング挿入具に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ワークステーションおよびプリンタを備えるネットワークシステムの例を示す図である。
【図2】本発明によって使用するためのプリンタの例を示す図である。
【図3】1組のドキュメントの図である。
【図4】1組のタブシートを示す図である。
【図5A】本発明による方法の一実施形態により処理された印刷ジョブの概略側面図である。
【図5B】本発明による方法の一実施形態により処理された印刷ジョブの概略上面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 デジタル複写機
3、5、6、7、8 タブシート
4 印刷媒体
16 媒体供給ユニット
20 印刷ジョブ
25、26 ドキュメント
30 組
110 ドキュメントフィーダー
111 投入トレイ
112、151 出力トレイ
112 スキャナ
120 スキャナユニット
130 プリンタユニット
131 光伝導性媒体
132 コロナユニット
133 LEDアレイ
134 現像ユニット
135 定着ユニット
136 ゴムベルト
137、138 コンベヤー
140 媒体供給ユニット
150 出力部分
160 ユーザーインターフェースユニット
170 制御ユニット
171 ネットワーク通信ユニット
172 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入具のスタックおよび処理されたシートが得られるように、ジョブ画定に従ってドキュメント中に挿入具を挿入し、前記スタックが少なくとも1つの整列された側を有するステップと、
剰余の挿入具の数を決定するステップとを含む、識別可能な組から複数の挿入具を複数シートのドキュメントへ挿入する方法であって、
剰余の挿入具が、ドキュメントの最後に前記スタックの整列された側に偏って挿入されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
挿入具が延伸部分を有するマーキング挿入具であり、延伸部分の反対側で整列されるとき延伸部分がスタックの外へ延伸するような方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
剰余マーキング挿入具の延伸部分の反対側が、各々スタックの整列された側に対してスタックの整列された側からマーキング挿入具の延伸部分に向かって延伸する方向に正の偏りを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
挿入具がタブシートである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実施するために作られた制御器構成を含む、シート処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2008−110871(P2008−110871A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−243403(P2007−243403)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(390039435)オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー (103)
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】