説明

ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティ及び該キャビティに設けたフィルタを乾燥するための装置、このような装置を有するシステム及び乾燥するための方法

【課題】 ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティ及びキャビティに設けたフィルタを効果的に短時間で乾燥できる装置及びその方法並びにその装置を有するシステムを提供する。
【解決手段】 キャビティ12及び該キャビティに設けたフィルタ11を有するミクロ滴定フィルタプレート13が真空濾過のため真空チャンパ14に配置された形式のミクロ滴定フィルタプレートの、キャビティ及びフィルタをガス流23によって乾燥する装置において、ミクロ滴定フィルタプレート上に設置でき且つ再び除去でき且つ加熱可能に構成された少なくとも1つの穿孔22を有する熱交換器21を備え、ガス流が穿孔を通って熱交換器へ流動でき、ガス流を加熱してミクロ滴定フィルタプレートのキャビティの上部開口に導くように構成され、真空チャンパと連通する真空ポンプ16がフィルタを介して熱交換器の穿孔を流れるガス流を形成するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティ及び該キャビティに設けたフィルタを乾燥する、請求項1の上位概念に係る装置、このような装置を有する、請求項11に係るシステム、及びミクロ滴定フィルタプレートのキャビティ及び該キャビティに設けたフィルタを乾燥する、請求項14の上位概念に係る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置、システム及び方法は、特に、ミクロ滴定フィルタプレートにおいて概ね緩衝液中に受容された液状試料材料の処理に際して使用される。
【0003】
通常のミクロ滴定フィルタプレートは、上下に開口を備えた、例えば、96のキャビティを有し、この場合、下部開口の範囲には、その横断面を被うフィルタが設けられている。
【0004】
試料は、ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティに滴下され、次いで、真空濾過においてフィルタを介して吸引され、この際分離される。フィルタ内に吸着された成分に関心がある場合は、一般に、試料濾過後、洗浄液を、多数回キャビティに供給し、フィルタを介して引き出す。次いで、液状試料材料の関心ある成分をフィルタから溶出させるため、溶離緩衝液を使用する。すなわち、通常の処理時、ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティに設けたフィルタを介して異なる液体を順次に移動させる。
【0005】
アルコール又は水と混和可能な有機溶剤(イソプロパノール)を含む緩衝液又は洗浄液を使用した場合には特に、問題が生ずる。なぜならば、溶剤が、フィルタの毛管に固定され、以降の反応を妨害することになるからである。更に、使用溶剤の残渣が、キャビティの側壁に、特に、フィルタ下方の出口側に滴として残存する。
【0006】
したがって、アルコール含有の緩衝液又は洗浄液を使用した場合には特に、ミクロ滴定フィルタプレートのフィルタから、濾過工程の間にその都度、残存液体を除去しなければならない。これは、キャビティ壁上の上記滴についてもいえる。この場合、通常、乾燥プロセスを使用する。
【0007】
ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティ及びフィルタについて多数の乾燥法が知られている。最も簡単であるが、時間的理由から使用されない方式の場合は、残存液、特に、気化し易いアルコールを大気中に気化させるため、ミクロ滴定フィルタプレートを長時間にわたって放置しなければならない。
【0008】
ミクロ滴定フィルタプレートを加熱することによって、気化操作を加速することが考えられる。このような構成は、例えば、US2004/0033619A1及びEP1257363B1に開示されている。もちろん、キャビティ及びフィルタの良好な乾燥結果を達成するため、比較的高い温度が必要であるということが判明している。高温は、場合によっては、ミクロ滴定フィルタプレートの損傷を誘起することになり、更に、試料の損傷も誘起することになる。
【0009】
更に、吸取紙でキャビティ及びフィルタを拭き取ることも知られている。拭き取り操作は、自動的に行うことができ、キャビティ側壁に残存する滴にも全く有効であるが、フィルタ表面に又は表面近傍に存在する残存液を除去するに過ぎない。深い箇所にある残存液は、除去できない。
【0010】
更に、キャビティ及びフィルタに含まれる残存液を遠心分離によって除去することも考えられる。この場合、ミクロ滴定フィルタプレートを真空チャンバから取り出し、遠心分離機内にセットしなければならないという欠点がある。これは、操作の自動化に関して望ましくない補足の作業工程を意味する。
【0011】
更に、キャビティの上部開口を介してフィルタに空気流を供給することは、DE10144224C1から公知である。もちろん、操作に比較的時間がかかるという欠点がある。
【特許文献1】US2004/0033619A1
【特許文献2】EP1257363B1
【特許文献3】DE10144224C1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、簡単で効果的であり長時間を要することなく使用できる、ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティ及び該キャビティに設けたフィルタを乾燥する装置及びその方法を創成することにある。特に、真空濾過のための通常のチャンバに自動的に簡単に組み込むできる装置を創成することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、請求項1の特徴記載部分に開示の特徴を有する装置によって、また請求項11の特徴を有するシステムによって、並びに請求項14の特徴記載部分に開示の特徴を有する方法によって解決される。
【0014】
本発明の有利な構成は、従属請求項に開示されている。
【0015】
本発明に係る装置は、ミクロ滴定フィルタプレートのキャビティ及び該キャビティに設けたフィルタを加熱ガス流によって乾燥し、ミクロ滴定フィルタプレート上に設置でき且つ再び除去できる熱交換器を特徴とする。この場合、熱交換器は、ミクロ滴定フィルタプレート上に設置でき、且つまた、適切な保持装置によってミクロ滴定フィルタプレートの上方に間隔を置いて保持することもできる。熱交換器は、加熱でき、ガス流のための少なくとも1つの導入口及び排出口を有し、流動ガスを加熱し、キャビティの上部開口へ導く。この場合、ガス流は、真空濾過のために構成されミクロ滴定フィルタプレートを配置したチャンバと連通する真空ポンプによって形成される。かくして、加熱されたガス例えば、空気は、キャビティの壁を掃過し、乾燥すべきフィルタに達するか、真空ポンプによって、乾燥すべきフィルタを介して吸引される。
【0016】
本発明に係る装置によって、キャビティ及びフィルタを特に簡単に且つ効果的に乾燥できる。
【0017】
熱交換器は、基本的に、任意の形状及び寸法に構成できる。もちろん、操作性及び自動化性を改善するため、請求項2の特徴を適用するのが有利である。熱交換器が、ミクロ滴定フィルタプレートについて慣用の長さ及び幅を有していれば、例えば、ミクロ滴定フィルタプレート上に熱交換器を設置できる。熱交換器は、場合によっては、ミクロ滴定フィルタプレートの操作にも使用される保持装置又は移送装置と共に使用することもできる。
【0018】
請求項3の補足特徴によって、有利なことには、一方では、熱交換器の補足の保持手段を不要とすることができる。熱絶縁体に基づき、加熱された熱交換器は、例えば、相互間に空隙を置いて、ミクロ滴定フィルタプレート上に設置でき、この場合、後者が損傷を受けることはない。他方では、密閉によって、有利なことには、乾燥性能を劣化させる非加熱の付随的な空気の吸引を阻止できる。フィルタに達するガス流は、まず、熱交換器を確実に流通し、この際、加熱される。この場合、パッキンは、真空に対して密に構成する必要はない。付随的な空気の顕著な減少は、簡単なパッキンによって既に達成されている。
【0019】
例えば、ミクロ滴定フィルタプレート上に、適切な密閉断熱材を設けることができる。別の方式として、ミクロ滴定フィルタプレート及び熱交換器を、双方を保持、断熱し且つ密閉状態に保持するホルダに設置することもできる。しかしながら、請求項4の特徴を適用するのが有利である。上記特徴に基づき、熱交換器には、ミクロ滴定フィルタプレートに向く側に、耐熱性材料からなり、この側の半径方向外方に、水平に環状パッキンを設ける。かくして、装置は、従来のミクロ滴定フィルタプレートと共に使用でき、構造的に複雑なホルダは不要である。かくして構成された熱交換器は、例えば、先行技術において知られている実験用自動装置のために、例えば、附属部材として使用できるといえる。
【0020】
本発明に係る装置は、乾燥後に実施すべき他の操作、例えば、キャビティへの新しい試料液の充填を妨害しないように、除去可能に構成されている。この場合、例えば、本発明の簡単な構成に基づき、操作者は、操作者が加熱された熱交換器に触れて火傷することのないように、例えば、断熱された把持領域を有する熱交換器を除去すればよい。しかしながら、例えば、公知の実験用自動装置おいて、熱交換器を自動的に使用できるように、請求項5の特徴を適用するのが有利である。このため、熱交換器は、関連の移送装置によって移送可能に構成されている。実験用自動装置は、一般に、ミクロ滴定フィルタプレートを移送できるように、移送装置を有する。上記移送装置は、熱交換器の移送のためにも使用できる。熱交換器が、長さ及び幅に関して、通常のミクロ滴定フィルタプレートに対応する場合には特に、移送装置の制御のために、場合によっては、ミクロ滴定フィルタプレートの移送に比して高さ座標を変更するだけでよい。しかしながら、装置は、固有の移送装置を使用することもできる。
【0021】
熱交換器は、例えば、能動的に加熱でき、すなわち、固有の加熱装置を装備できる。この加熱装置は、例えば、ケーブルを介して電源に接続できる。熱交換器は、例えば、ミクロ滴定フィルタプレート上に設置した際に関連の相手方接点と導電状態で係合する電気接点を有することもでき、かくして、加熱装置は、給電されて熱交換器を加熱できる。かくして、熱交換器への、場合によっては、邪魔になるケーブル接続路は不要となる。熱交換器の加熱は、もちろん、請求項6に基づき、移送装置によって熱交換器を移送できる加熱位置においても行うことができ、上記加熱位置において、例えば、既述の如く、熱交換器に設けた接点は、対応する相手方接点と接触する。特に、熱交換器は、請求項7に基づき、加熱位置において熱交換器を温調ユニット上に設置することによって、有利なことには受動的に加熱できる。受動的加熱の場合、例えば、慣用の実験用自動装置において、一般に、特に既存の温調ユニットを使用できる。利点は、ガス流の加熱のため熱交換器が必要となる前に熱交換器を加熱できるという点にある。ミクロ滴定フィルタプレート上に設置した後の加熱時間は、不要である。受動的加熱の利点は、簡単な、例えば、プレート状部材としての熱交換器の簡単な構成にある。
【0022】
熱交換器は、例えば、連続気孔性材料、例えば、焼結金属又は発泡金属から構成できる。もちろん、請求項8の特徴を適用するのが有利である。ノズルとして構成され、各キャビティに対して少なくとも1つずつ配し、パタン状キャビティに設置したその排出口は、加熱されたガス流をキャビティ及びフィルタへ良好に向けるのに役立つ。ノズルは、例えば、熱交換器に穿孔として構成でき、上記穿孔には、例えば、他の構成に基づき、連続気孔状態に微細な金属粒子を充填できる。この場合、ノズルという概念は、本出願において使用する限り、方向づけられた空気流を形成できる全ての装置をカバーする。
【0023】
更に、請求項9の特徴を適用するのが有利である。各キャビティに複数のノズルを配した場合、熱交換器のガス流と接触する放熱表面が拡大され、かくして、単位時間当りより多量な熱エネルギを流動ガスに与えることができる。乾燥時間が、短縮される。
【0024】
熱交換器の流動抵抗がフィルタの流動抵抗の数分の1であるという請求項10の特徴によって、更に、ガス流を形成する真空ポンプによって得られる吸引性能は、主として、フィルタの流動抵抗によって決定されるという利点が達成される。必要な吸引性能の増大は、好ましくない状況の下では、例えば、ミクロ滴定フィルタプレートの損傷を招くことになる。更に、好ましくない付随的な空気の割合は、熱交換器の流動抵抗の増大と共に増加するので、場合によっては、付随的な空気に対する密閉の経費を増加しなければならない。
【0025】
請求項11のシステムは、上述の装置に加えて、更に、真空濾過のために構成した真空チャンバ及び真空チャンバと接続する真空ポンプを有する。これらは、例えば、通常の実験用自動装置に設けるチャンバ及びポンプであってよく、本発明に係るシステムの場合、請求項1〜10のいずれか1つに記載の装置で補足されるものである。
【0026】
この場合、請求項12及び13の特徴を適用するのが有利である。これらの利点は、請求項5〜7において示した利点に対応する。
【0027】
請求項14の本発明に係る方法及び請求項15〜17の構成の利点に関して、装置請求項1〜10について挙げた利点も参照できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例】
【0029】
以下に、若干の実施例を示す図1〜3を参照して、本発明を詳細に説明する。まず、図1に基づいて第1実施例について説明する。
【0030】
図1は、キャビティ12と、ミクロ滴定フィルタプレート13のキャビティ12に設けたフィルタ11を乾燥する装置10の概略断面図を示している。ミクロ滴定フィルタプレート13は、真空濾過に使用する慣用のチャンバ14上に載置される。管路15を介してチャンバ14に接続された真空ポンプ16によって、キャビティ12の下部開口17に真空を生成できる。
【0031】
装置10は、フィルタ11及びキャビティ12の乾燥のため、ミクロ滴定フィルタプレート13上に載せている。この場合、装置10は、下面18に絶縁リング19を備えた熱交換器21からなる。絶縁リング19は、熱交換器21の下面18の半径方向外方へ水平に延び、熱交換器21によって達成される温度に耐え得る耐熱性材料から作製されている。熱交換器21及びミクロ滴定フィルタプレート13は、絶縁リング19によって熱的に分離され、これらの間には、空気を含むスペース20が残存する。
【0032】
絶縁リング19は、上記の断熱に加えて、低温の付随的な空気の吸引を避けるため、スペース20を側方へ気密に閉鎖するという役割を有する。
【0033】
乾燥操作のため、熱交換器21は、あらかじめ、関連の加熱装置(図1には示してない)上で加熱され、図示の如く、ミクロ滴定フィルタプレート13上に置かれる。次いで、真空形成のため真空ポンプ16をスイッチ・オンする。真空が、チャンバ14内に生じ、かくして、キャビティ12の下部開口17に生ずる。真空は、通気性フィルタ11を介して、スペース20内に含まれる空気の吸引を誘起する。生ずる空気流は、ミクロ滴定フィルタプレート13のキャビティ12及びフィルタ11を流通する。熱交換器21とミクロ滴定フィルタプレート13との間のスペース20は、絶縁リング19によって側方へ密閉されているので、空気は、熱交換器21の上方からその穿孔22を介して吸引され、熱交換器21の流通時に加熱される。その結果として、熱交換器21,スペース20及びキャビティ12を介する空気流動23が生じ、かくして、フィルタ11及びキャビティ12が、加熱された空気によって貫流され、乾燥される。
【0034】
乾燥操作の終了後、例えば、新しい試料液をキャビティ12に充填するため、ポンプ16をスイッチ・オフし、熱交換器21を除去できる。
【0035】
図示の実施例の場合、熱交換器21は、ミクロ滴定フィルタプレート13と同一の底面積を有するプレートとして構成されている。ミクロ滴定フィルタプレート13に構成されたキャビティ12のパターンに対応して配列され上面から下面18へ延びる穿孔22が、プレート21を貫通する。この場合、各キャビティ12には、4×4の穿孔22のグループが配列されている。
【0036】
次に、第2実施例について説明する。図2に示した第2実施例の場合、熱交換器21は、図1に示した第1実施例の場合とは異なり、ミクロ滴定フィルタプレート13上に載置されてなく、ミクロ滴定フィルタプレート13から突出する真空チャンバ14の側壁25によって、上記プレート13から上方へ僅かな高さ間隔を置いて保持される。この場合、真空チャンバ14及び熱交換器21の引上げられた側壁25の対向する端面26,27は、密閉リング19によって分離されており、この密閉リング19は、熱交換器21に固定されており、熱交換器21,ミクロ滴定フィルタプレート13及び真空チャンバ14の側壁25の間に包含されたスペース20を付随的な空気に対して密閉する。密閉リング19によって、断熱も行われ、したがって、チャンバ14の側壁25が、熱交換器21から熱エネルギを引き出すことはない。
【0037】
この実施例の場合も、熱交換器21は、上面から下面18まで延び、穿孔22を流通するガス23との放熱接触面を増大させるため小さい金属粒子28を充填した連続の穿孔22を有する。この場合も、ガス流23の形成は、図1に示した第1実施例に関して説明した態様で真空ポンプ16によって行われる。
【0038】
図2のキャビティ12は、フィルタ11の下方で濾斗状に狭窄されている。フィルタ11の出口側の濾斗状範囲の側壁24上に特に、溶剤の残渣が、滴として残存し、この残渣は、以降の反応前に除去しなければならない。フィルタ11を通過する加熱された空気は、上記濾斗状範囲において壁24を掃過し、滴の気化を誘起し、かくして、フィルタ11が乾燥されるのみならず、フィルタ11の上部及び特に下部のキャビティ壁も乾燥される。
【0039】
図3に、図1及び図2に示した第1及び第2実施例に係る装置を含む実験用自動装置30の略図を示した。実験用自動装置30は、X,Y,Z方向へ走行自在のグリッパ32を有する移送装置31を備えている。このグリッパ32は、ミクロ滴定フィルタプレート及び熱交換器を把持できる。図示の時点では、あらかじめ加熱プレート33で加熱された熱交換器21は、例えば、図1に示した如く、真空チャンバ14上に設けたミクロ滴定フィルタプレート13へ走行される。熱交換器21を上記プレート13上に載置し、乾燥プロセスを開始する。乾燥終了後、熱交換器21を再び除去し、例えば、新に加熱プレート33上に載置する。
【0040】
乾燥プロセスの準備のため、まず、熱交換器21を、加熱時間にわたって、加熱プレート33上の加熱位置34に載置する。この位置は、例えば、熱交換器21の休止位置であってもよく、自動装置30の制御系は、例えば、乾燥プロセスのために熱交換器21が必要となる直前に、加熱プレート33をスイッチ・オンできる。次いで、移送装置31が、そのグリッパ32によって、熱交換器21を把持し、真空チャンバ14上にあるミクロ滴定フィルタプレート13へ送り、上記プレート13上に上方から上記熱交換器21を載置する。次いで、図1及び2に関して説明した如く、ガス流を形成できる。外部から熱交換器21を介して流動するガスは、加熱され、ミクロ滴定フィルタプレート13のキャビティ12及び上記キャビティ12に設けたフィルタ11を介して流れる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】乾燥配列における本発明に係る装置の第1実施例の断面図である。
【図2】本発明に係る装置の第2実施例の断面図である。
【図3】本発明の実施例を含む実験用自動装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 乾燥装置
11 フィルタ
12 キャビティ
13 ミクロ滴定フィルタプレート
14 チャンバ
15 管路
16 真空ポンプ
17 下部開口
18 装置下面
19 パッキン
20 スペース
21 熱交換器
22 穿孔
23 ガス流
24 キャビティ側壁
25 真空チャンバ側壁
26,27 端面
28 金属粒子
30 実験用自動装置
31 移送装置
32 グリッパ
33 加熱プレート
34 加熱位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロ滴定フィルタプレート(13)のキャビティ(12)及び該キャビティに設けたフィルタ(11)をガス流(23)によって乾燥する装置(10)であって、キャビティ(12)が、それぞれ、上下の開口(17)を有し、ミクロ滴定フィルタプレート(13)が、フィルタ(11)を設けたキャビティ(12)の下部開口(17)に真空を付与できるように、ミクロ滴定フィルタプレート(13)の真空濾過のために構成されたチャンバ(14)に配置されている形式のものにおいて、ミクロ滴定フィルタプレート(13)上に設置でき且つ再び除去でき且つ加熱可能に構成された熱交換器(21)が、少なくとも1つの導入口及び少なくとも1つの排出口(22)を有し、ガス流(23)が、上記導入口と排出口との間を通って熱交換器(21)へ流動でき、熱交換器(21)が、ガス流(23)を加熱してキャビティ(12)の上部開口へ導くように構成されており、真空チャンバ(14)と連通する真空ポンプ(16)が、フィルタ(11)を介して、熱交換器(21)の導入口から排出口(22)へ流れるガス流(23)を形成することを特徴とする装置。
【請求項2】
熱交換器(21)が、プレート状に構成され、特に、通常のミクロ滴定フィルタプレート(13)に対応する長さ及び幅を有することを特徴とする請求項1に係る装置。
【請求項3】
熱交換器(21)が、ミクロ滴定フィルタプレート(13)上に、断熱状態で及び/又は付随的な空気に対して密閉した状態で載置できることを特徴とする請求項1又は2に係る装置。
【請求項4】
熱交換器(21)が、ミクロ滴定フィルタプレート(13)に向く側(18)に半径方向外方に水平に、耐熱性材料からなる環状パッキン(19)を有することを特徴とする請求項3に係る装置。
【請求項5】
熱交換器(21)が、関連の移送装置(31,32)によって移送可能に構成されていることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項6】
熱交換器(21)が、関連の移送装置(31,32)によって加熱位置(34)に移送可能に構成されていることを特徴とする請求項5に係る装置。
【請求項7】
熱交換器(21)が、受動的に加熱され、関連の温調ユニット(33)上に熱接触状態で載置できることを特徴とする請求項6に係る装置。
【請求項8】
熱交換器(21)が、排出口として複数のノズル(22)を有し、ミクロ滴定フィルタプレート(13)の各キャビティ(12)には、少なくとも1つのノズル(22)が配され、ノズル(22)が、ラスタ状キャビティ(12)に配設されていることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項9】
各キャビティ(12)には、複数のノズル(22)が配されていることを特徴とする請求項8に係る装置。
【請求項10】
熱交換器(21)の流動抵抗が、乾燥すべきフィルタ(11)の流動抵抗の数分の1であることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置(10)及びミクロ滴定フィルタプレート(13)の真空濾過のために構成されたチャンバ(14)を有し、ミクロ滴定フィルタプレート(13)のキャビティ(12)に設けたフィルタ(11)をガス流(23)によって乾燥するシステムであって、キャビティ(12)が、それぞれ、上下の開口(17)を有し、フィルタ(11)を設けたキャビティ(12)の下部開口(17)に真空を付与できるように、ミクロ滴定フィルタプレート(13)を上記チャンバに配置することができ、真空チャンバ(15)と連通する真空ポンプ(16)が、フィルタ(11)を介して、熱交換器(21)の導入口から排出口へ流れるガス流(23)を形成する形式のシステム。
【請求項12】
熱交換器(21)を移動する、特に、熱交換器(21)を乾燥・加熱位置(34)の間で移送する移送装置(31,32)を有する請求項11に係るシステム。
【請求項13】
受動的に加熱される熱交換器(21)を熱接触状態で載置できる、特に、移送装置(31,32)の温調ユニット(33)を有する請求項11又は12に係るシステム。
【請求項14】
ミクロ滴定フィルタプレート(13)のキャビティ(12)に設けたフィルタ(11)をガス流(23)によって乾燥する方法であって、キャビティ(12)が、それぞれ、上下の開口(17)を有し、ミクロ滴定フィルタプレート(13)が、フィルタ(11)を設けたキャビティ(12)の下部開口(17)に真空を付与できるように、ミクロ滴定フィルタプレート(13)の真空濾過のために構成されたチャンバ(14)に配置される形式のものにおいて、設置前に加熱されたあるいは設置後に加熱される熱交換器(21)をミクロ滴定フィルタプレート(13)上に除去可能に設置し、熱交換器(21)が、少なくとも1つの導入口及び少なくとも1つの排出口(22)を有し、ガス流(23)が、上記導入口と排出口との間を通って熱交換器(21)へ流動でき、熱交換器(21)が、ガス流(23)を加熱してキャビティ(12)の上部開口へ導き、真空チャンバ(14)と連通する真空ポンプ(16)によって、熱交換器(21)の導入口から排出口へ流れるガス流(23)を形成して乾燥すべきフィルタ(11)を通過させることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項2〜10のいずれか1項に記載の特徴を有する熱交換器(21)を使用することを特徴とする請求項14に係る方法。
【請求項16】
熱交換器(21)を、加熱位置(34)とミクロ滴定フィルタプレート(13)上の位置との間を、関連の移送手段(31,32)によって自動的に走行させることを特徴とする請求項14又は15に係る方法。
【請求項17】
熱交換器(21)を受動的に加熱し、加熱位置(34)において温調ユニット(33)と大面積で接触させることを特徴とする請求項16に係る方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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