説明

ミシン及び油タンク

【課題】油が油タンクの外部に漏れることを防止することが可能なミシン及び油タンクを提供する。
【解決手段】油タンク10は、ミシン2のベッド部21に固定してある。油タンク10は、上下方向に、油受部11と、油収容部12との2層に分かれている。油受部11は、ミシン2の脚柱部22から落下する油を受け止める。油収容部12は、ミシン2の機構の潤滑用の油を収容する。油タンク10は、外周壁101、底壁102、第一対向壁113、及び収容穴部1131を備えている。外周壁101は、開口部であるタンク開口部を形成する。油タンク10の底部には、タンク開口部に対向する底壁102が設けてある。外周壁101の内側において、タンク開口部と底壁102との間、且つ底壁102と離間にした位置には、第一対向壁113が設けてある。第一対向壁113には、収容穴部1131が設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油を収容する油タンク、及び油タンクを備えたミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油タンクを備えたミシンが知られている。油タンクは、ミシンの機構に供給するための潤滑用の油を収容する。例えば、特許文献1に記載のミシンは、起立位置と、起立位置から傾倒した傾倒位置とを切替可能である。ミシンの油タンクは、潤滑用の油を貯留可能な油受け部と、ミシンを起立位置から傾倒位置に切り替えた場合に、油受け部に貯留した全ての油を収納可能な油溜め部とを備えている。従来のミシンは、ミシンを起立位置から傾倒位置に切り替えた場合、油タンクから油が漏れることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4135136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ミシンでは、例えば、ミシンを傾倒位置から起立位置に戻す場合、又はミシンを移動する場合に、油に対して大きな振動が加わる。この振動によって、油タンク内の油は、油タンク外部に漏れるという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、油が油タンクの外部に漏れることを防止することが可能なミシン及び油タンクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るミシンは、油を収納可能な油タンクを備えたミシンにおいて、前記油タンクは、開口部を形成する外周壁と、前記開口部に対向する底壁と、前記外周壁の内側において、前記開口部と前記底壁との間、且つ前記底壁と離間した位置に設け、前記底壁に対向する壁部である対向壁と、前記対向壁を前記開口部から前記底壁に向かう方向に貫通する穴部とを備えている。第1の態様のミシンにおける油タンクは、底壁と対向壁との間の空間に、ミシンの機構の潤滑用の油を収納可能である。潤滑に使用されてミシン内部から落下する油は、開口部を通って対向壁に落下する。対向壁に落下した油は、穴部を通って、底壁と対向壁との間の空間に溜まる。ミシンが振動すると、底壁と対向壁との間の空間に存在する油に対して振動が加わる。対向壁が設けられているので、油が振動しても、油は開口部から外部に漏れない。故に、ミシンは、油が油タンクの外部に漏れることを防止することができる。
【0007】
本発明のミシンにおいて、前記ミシンは、起立位置と、前記起立位置から傾倒した傾倒位置との間で、水平軸を中心に回動可能であり、前記油タンクの前記穴部は、前記対向壁における前記水平軸側の端部である第一端部から離間した位置にあってもよい。ミシンが傾倒位置にある場合、油タンクが収納している油は、底壁と対向壁との間の空間において、水平軸側に溜まる。穴部は、対向壁における水平軸側の端部から離間した位置にある。ミシンが傾倒位置にある場合、油は穴部より下方に溜まる。故に、ミシンは穴部から油が外部に漏れることを防止できる。
【0008】
本発明のミシンにおいて、前記油タンクの前記穴部は、前記対向壁における前記第一端部の反端側の端部である第二端部から離間した位置にあってもよい。ミシンが傾倒位置から起立位置に回動する場合、油タンクの水平軸側に溜まっていた油は、水平軸から離れる方向に移動する。この移動によって、油タンクの第二端部側では、油が飛び散り易い。ミシンは、穴部が第二端部から離間した位置にあるので、飛び散った油が、穴部から外部に漏れることを防止できる。
【0009】
本発明のミシンにおいて、前記油タンクの前記対向壁における前記開口部に対向する面は、前記外周壁から前記穴部に向かって、前記底壁の方向に傾斜した傾斜部を備えていてもよい。潤滑に使用されてミシン内部から落下する油は、対向壁に落下する。対向壁に落下した油は、傾斜部に沿って穴部に向けて流れる。油は、穴部を通って、底壁と対向壁との間の空間に溜まる。傾斜部は、油を、確実に穴部に向けて導くことができる。故に、ミシンは、確実に、油を底壁と対向壁との間の空間に溜めることができる。
【0010】
本発明のミシンにおいて、前記穴部には、油に混入する異物を取り除くフィルタが設けてもよい。この場合、ミシン内部から対向壁に落下した油が穴部を通過する場合、油に混入する異物を取り除くことができる。故に、ミシンは、底壁と対向壁との間の空間に、異物が取り除かれた油を溜めることができる。
【0011】
本発明のミシンにおいて、前記油タンクの前記開口部は、前記ミシンの底壁における油が落下する部分を覆う開口であってもよい。この場合、ミシンから落下する油が、油タンクの外部に落下することを防止できる。
【0012】
本発明のミシンにおいて、前記ミシンは、底部に加工布を押さえる布押さえを駆動する膝操作機構を備え、前記油タンクは、前記膝操作機構と干渉するのを防ぐ凹部を備えていてもよい。この場合、油タンクは、近傍に設けた膝上げ機構と干渉するのを防止するように凹んでいる。故に、ミシンは、膝操作機構を油タンクの下方に配置する必要がなく、より上方に設けることができる。従って、ミシンは、膝操作機構の下方にスペースができ、該スペースに制御装置等の機構を配置することができる。
【0013】
本発明の第2の態様に係る油タンクは、開口部を形成する外周壁と、前記開口部に対向する底壁と、前記外周壁の内側において、前記開口部と前記底壁との間、且つ前記底壁と離間した位置に設けた、前記底壁に対向する壁部である対向壁と、前記対向壁を前記開口部から前記底壁に向かう方向に貫通する穴部とを備えている。第2の態様の油タンクには、対向壁が設けられているため、油が振動しても、油は開口部から外部に漏れない。故に、油タンクは油が油タンクの外部に漏れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ミシン2の正面図である。
【図2】ミシン2の縦断面図である。
【図3】ミシン2の外観、及び、ベッド部21の内部構成を示す斜視図である。
【図4】押さえ足48を駆動するための機構を示す正面図である。
【図5】ミシン2内部の駆動機構を示す斜視図である。
【図6】ミシン2が起立位置である場合の、図9のI−I線における矢視方向断面図である。
【図7】図6に示す断面図のミシン2が、傾倒位置に移動した場合の断面図である。
【図8】油タンク10、板部72、及び流出防止部材71を取り外した状態の、ベッド部21の底面図である。
【図9】ベッド部21の底面図である。
【図10】油タンク10の外観を示す斜視図である。
【図11】油タンク10の外観を示す斜視図である。
【図12】油タンク10の平面図である。
【図13】図12のII−II線における矢視方向断面図である。
【図14】図7に示す断面図の要部拡大図である。
【図15】油タンク10、板部72、及び流出防止部材71を取り外した状態の、ベッド部21の底面図である。
【図16】油タンク10、板部72、及び流出防止部材71の外観を示す斜視図である。
【図17】油タンク10を取り外した状態のベッド部21の底面図である。
【図18】板部72の斜視図である。
【図19】フィルタ1134を取り付けた状態の油タンク10の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について説明する。以下の説明では、図1の表面側、背面側、上側、下側、左側、右側を、夫々ミシン2の前側、後側、右側、左側、上側、及び下側とする。図10の表面側、背面側、右下側、左上側、左下側、右上側を、夫々油タンク10の上側、下側、右側、左側、前側、後側とする。
【0016】
図1〜図5を参照して、ミシン2について説明する。ミシン2は、ミシンテーブル15に配置している。図2に示すように、ミシンテーブル15は、略中央に矩形穴151を備えている。ミシン2は、矩形穴151の内側に設けてある。ミシン2は、ベッド部21と、脚柱部22と、アーム部23とを備えている。ベッド部21は、油タンク10、油溜め部70(図7参照)、下回転軸36、軸受部50、及び全回転釜46等を内部に備えている。油タンク10は、潤滑用の油を収容する。油タンク10は、脚柱部22の下方に設けてある。油溜め部70は、ミシン2が傾倒位置にある場合に脚柱部22内部の後部を伝って落下する油を溜める(図14参照)。油タンク10、油溜め部70、下回転軸36、軸受部50、及び全回転釜46等については、後述する。
【0017】
脚柱部22は、ベッド部21の右側から上方に立設してある。アーム部23は、脚柱部22の上部から左方に延びる。アーム部23は、ベッド部21と対向する。
【0018】
アーム部23の左端部は、押さえ足48及び縫針42を下方に備えている。アーム部23の左端部は、押さえ棒44、バネ45、糸調子駆動機構63、及び、押さえ足駆動機構64等を内部に備えている。押さえ棒44は、アーム部23内を上下方向に延びている。押さえ棒44の下端は、アーム部23の下端から下方に突出している。押さえ棒44は、その下端に押さえ足48を有している。押さえ棒44は、その上端にバネ45が接続している。アーム部23の上端に設けた摘み49は、バネ45の上端を固定している。バネ45は、押さえ棒44を下方に付勢する。押さえ足駆動機構64は、押さえ棒44を駆動して押さえ足48を上下動する。糸調子駆動機構63は、糸調子器(図示略)を駆動して、上糸の張力を調節する。
【0019】
図4を参照して、押さえ足駆動機構64について説明する。押さえ足駆動機構64は、クランク部材91、軸92、係止部材93、及び押さえ上げレバー94を備えている。押さえ棒44は、その上下方向略中央部分に係止部材93を設けている。係止部材93は、棒状であり後方に延びている。係止部材93の前側は、押さえ棒44に螺子で固定してある。クランク部材91は、係止部材93の下側及び右側に設けてある。クランク部材91は、曲折した板材である。軸92は、クランク部材91の曲折部分を揺動可能に支持している。クランク部材91は、その後側に押さえ上げレバー94を設けている。押さえ上げレバー94は、作業者が手動で押さえ足48を上下動するものである。
【0020】
クランク部材91のうち上方に延びた部分の上端は、連竿95の左端と接続している。連竿95は、アーム部23の内部を右方に延び、脚柱部22の内部に設けたクランク部材97に接続している。クランク部材97は、曲折した板材である。軸96は、クランク部材97の曲折部分を揺動可能に支持している。クランク部材97の右方に延びた部分の右端に、レバー部材98が接続している。レバー部材98は、油タンク10の円筒穴601(図9参照)を介して、油タンク10の下方に延びる。レバー部材98は、その下端が油タンク10の下方の膝操作機構99に接続している。膝操作機構99は、作業者が操作可能な膝操作部材(図示略)と接続している。作業者は、膝を使って膝操作部材を操作する。
【0021】
作業者が膝操作部材を操作すると、膝操作機構99は回動する。膝操作機構99が回動すると、レバー部材98は上下動する。クランク部材97、連竿95、クランク部材91は、レバー部材98の上下動に伴って動作する。クランク部材91のうち左方に延びる部分が下方に移動すると、係止部材93は、バネ45の付勢力によって下方に移動する。このため、係止部材93と接続する押さえ棒44、及び押さえ足48は、下方に移動する。押さえ足48が下降すると、押さえ足48は布を押さえることができる。クランク部材91のうち左方に延びる部分が上方に移動すると、クランク部材91は、係止部材93を上方に押し上げる。このため、係止部材93と接続する押さえ棒44、及び押さえ足48は、上方に移動する。
【0022】
図5を参照し、ミシン2の駆動機構について説明する。ミシン2は、上回転軸31、連結回転軸33、及び下回転軸36を備えている。上回転軸31は、アーム部23(図2参照)内を左右方向に延びている。連結回転軸33は、脚柱部22(図2参照)内を上下方向に延びている。下回転軸36は、ベッド部21(図2参照)内を左右方向に延びている。
【0023】
上回転軸31は、右端に図示しないミシンモータ備えている。上回転軸31は、ミシンモータの駆動によって回転する。上回転軸31は、その左右方向略中央部分において軸受部47に支持されている。軸受部47は円筒形である。軸受部47は、前側に設けた穴から潤滑用の油を取り込むことができる。後述する第二供給路82は、この穴に接続している。
【0024】
上回転軸31は、軸受部47の右側に、傘状の歯車32を備えている。上回転軸31の左端には、針棒上下動機構41が設けてある。針棒上下動機構41は、アーム部23(図2参照)内を上下方向に延びる針棒43を支持している。針棒43は、下端に縫針42を備えている。針棒上下動機構41は、前記ミシンモータによる上回転軸31の回転によって駆動する。針棒上下動機構41の駆動によって、針棒43は上下動する。
【0025】
連結回転軸33は、上端に傘状の歯車34を備えている。歯車34は、歯車32と噛み合っている。連結回転軸33は、上回転軸31の回転によって回転する。連結回転軸33は、下端に傘状の歯車35を備えている。連結回転軸33は、ミシンモータによって回転する上回転軸31の回転駆動力を後述する下回転軸36に伝達する。
【0026】
下回転軸36は、右端に傘状の歯車37を備えている。歯車37は、歯車35と噛み合っている。下回転軸36は、連結回転軸33の回転に伴い回転する。下回転軸36は、左端に全回転釜46(図3参照)を備えている。全回転釜46は、下回転軸36の回転によって駆動する。全回転釜46は、縫針42の上下動と同期して回転する。下回転軸36のうち全回転釜46の右側に設けた軸受部50は、下回転軸36を受けている。軸受部50は円筒形である。下回転軸36は、軸受部50を前後方向に貫通する穴を通っている。軸受部50は、プランジャーポンプ(図示略)を内部に備えている。前記プランジャーポンプは、後述する油タンク10に収容した油を、第一供給路81を介して吸い込む。前記プランジャーポンプは、吸い込んだ油を第二供給路82に送り出す。
【0027】
第二供給路82は、ベッド部21内を軸受部50から右方に延び、油タンク10の上側で上方に曲折する。第二供給路82は、脚柱部22(図2参照)内を上方に向かって延び、軸受部47の前側の穴に繋がっている。上回転軸31は、軸受部47の前記穴と対向する位置に軸穴(図示略)を有している。該軸穴は、上回転軸31の内部に形成した貫通穴(図示略)と連通している。上回転軸31は、歯車32を固定した付近に前記貫通穴と連通する穴を有している。前記プランジャーポンプが送り出した油は、第二供給路82を介して軸受部47内に流れ込む。第二供給路82を介して軸受部47に流れ込んだ潤滑油は、上回転軸31に形成した前記軸穴、貫通穴、歯車付近の穴を介して歯車32に供給することができる。歯車32に供給した潤滑油は、歯車32が歯車34と共に回転した場合の摩擦による発熱を抑え、焼き付き現象を防止することができる。
【0028】
歯車35及び歯車37の下方に、油タンク10が設けてある。油タンク10は、ミシン2の各駆動機構に供給する潤滑用の油を収容する。油タンク10の油受部11(後述)は、第二供給路82及び軸受部47を介して歯車32に供給した潤滑用の油が垂れ落ちた場合、垂れ落ちた油を受けることができる。油を供給した歯車32が歯車34と共に回転すると、油が霧状となって周囲に放出する。放出した霧状の油は、脚柱部22内に飛散する。油受部11は、脚柱部22内に飛散した霧状の油が下方に落ちた場合、落ちた油を受けることができる。
【0029】
図6及び図7を参照して、ミシン2の起立位置(図6参照)と、起立位置から傾倒した傾倒位置(図7参照)との間の切り換えについて説明する。
【0030】
ベッド部21の後部と、矩形穴151の後部とは、2箇所のヒンジ機構27を介して連結してある。ヒンジ機構27は、水平軸271と回動部材272とを備えている。ミシンテーブル15には、矩形穴151に面した穴152が設けてある。水平軸271は、穴152において左右方向に設けてある。言い換えると、水平軸271は、ベッド部21の後端部側にアーム部23と平行に設けてある。ミシンテーブル15は、水平軸271の左右方向の端部を支持する。回動部材272の一端は、水平軸271の周囲に沿って曲がっている。回動部材272は、水平軸271の周囲を回動可能である。回動部材272の他端は、ベッド部21の後部と連結してある。故に、ミシン2は、起立位置(図6参照)と傾倒位置(図7参照)との間で、水平軸271を中心に回動可能である。
【0031】
図6に示すように、ミシン2が起立位置の場合、ベッド部21の上面とミシンテーブル15の上面とが同一の高さ位置になる。ミシンテーブル15におけるミシン2の後方には、角柱153が立設してある。図7に示すように、角柱153は、傾倒位置においてミシン2を支持する。作業者は、ミシン2を傾倒位置にして保守作業を行う。
【0032】
図2、図3、図6〜図14を参照して、油タンク10について詳細に説明する。脚柱部22の内部の機構から落下した油は、ベッド部21の油タンク10に落下する。ベッド部21において、油が落下する可能性のある範囲は、図8の油落下部215に示す範囲である。図8では、油落下部215を黒色で塗り潰して示している。図8では、油タンク10、板部72(後述)、及び流出防止部材71(後述)を取り外している。
【0033】
油タンク10は、半透明の樹脂で形成し、脚柱部22の下方のベッド部21に固定してある。油タンク10は、底壁102、底壁102の縁から略鉛直方向に立ち上がる外周壁101、外周壁101と接続した第一対向壁113、第二対向壁114で主に形成している。
【0034】
底壁102は、ベッド部21の前後方向全域に渡って形成した略矩形状の第一底壁1021と、第一底壁1021の左側後端部分から左方に突出した第二底壁1022とで形成している。
【0035】
第一底壁1021の左端は、前後方向略中央部分が他の左端部分よりも右端側に窪む凹部1213を有している。第一底壁1021は、第一底壁1021の凹部1213後側下面に、第一底壁1021の下面から上方に窪む矩形状の底壁凹部1212を有している。底壁凹部1212は、油タンク10の外側から磁石を嵌めることで、油収容部12内の油に含まれる埃、屑等を底壁凹部1212付近に吸着することができる。第一底壁1021の右側前端及び後端は、角部が取り除いた形状となっている。
【0036】
第二底壁1022は、左右方向に長い略矩形状である。尚、第二底壁1022の右端は、第一底壁1021の後左端と接続している。第一底壁1021、第二底壁1022の外周縁には、略鉛直方向に立ち上がる外周壁101が接続している。
【0037】
外周壁101は、第一底壁1021右端に接続した側壁1011、第一底壁1021前端に接続した側壁1012、第一底壁1021左端に接続した側壁1013、第一底壁1021後端及び第二底壁1022後端に接続した側壁1014、第二底壁1022前端に接続した側壁1015、第二底壁1022左端に接続した側壁1016を備えている。側壁1011、1012、1014の高さは、略同一である。側壁1013、1015、1016の高さは略同一且つ側壁1011、1012、1014の高さの略1/2である。側壁1013は、第一底壁1021を鉛直方向に伸ばした形状となっているので凹部1213を有している。側壁1012は、高さ方向の中間部から上端が左方に突出している。側壁1016の側壁1014と接続する部分は、側壁1014と同一高さである。側壁1016は、前後方向中央部より前側において側壁1015と略同一高さとなっている。
【0038】
油タンク10は、側壁1011、1012、1014の高さ方向で略中間位置に第一底壁1021と略平行であり、平面視略矩形状である第一対向壁113を有している。言い換えると、第一対向壁113は、外周壁101の内側において、タンク開口部103(後述)と第一底壁1021との間、且つ第一底壁1021と離間した位置に、第一底壁1021と対向するように設けている。油タンク10は、第一対向壁113の左端から鉛直方向に伸びる側壁1017を有している。側壁1017の前後方向の長さは、第一対向壁113の前後方の長さよりも短い。側壁1017の前後端は、側壁1012、側壁1014と接続していない。第一対向壁113は、側壁1013の上端と接続している。
【0039】
第一対向壁113は、水平軸271側の端部である第一端部1136と、第一端部1136の反対側の端部である第二端部1137とを設けている。第一対向壁113は、前後方向中央より前側且つ左右方向中央より右側に収容穴部1131を設けている。収容穴部1131は、外周壁101、第一端部1136、第二端部1137から離間した位置にある。第一対向壁113は、側壁1012、1014から収容穴部1131側に向かって下方に傾斜する第一傾斜部1132を備えている。第一傾斜部1132は、第一対向壁113の上面に落下した油を収容穴部1131に導く。第一対向壁113は、収容穴部1131の周囲に収容穴部1131に沿った溝部1133を設けている。溝部1133は、第一対向壁113の上面から下方に向けて設けてある溝である。油が収容穴部1131を通って第一底壁1021に移動する際、溝部1133は油に含まれる埃、糸屑等の異物を取り除く。作業者は、溝部1133を利用して、フィルタ1134(図19参照)を取り付けることができる。フィルタ1134を取り付ける場合については、後述する変形例において説明する。
【0040】
第一対向壁113は、後部の左右2箇所に窪み部1135を設けている。窪み部1135は、後述する板部72を固定するネジ722(図17参照)の頭部と、第一対向壁113とが接触するのを防ぐための逃げ部である。
【0041】
第一対向壁113は、左側前方に突出部112を有している。側壁1013の左側、即ち凹部1213形成部上方に位置する突出部112は、上向に立設する円筒部60を設けている。円筒部60は、円筒部60の内側を上下方向に貫通する穴である円筒穴601を有する。円筒穴601は、後述するレバー部材98が挿通してある。円筒部60の高さは、側壁1011、1012、1014、1017の高さと略同一である。
【0042】
油タンク10は、第二底壁1022の上方に第二対向壁114を有している。第二対向壁114は、側壁1015、側壁1016、側壁1014、第一対向壁113と接続している。第二対向壁114の略前側半分は、上方に膨らんだ形状となっている。第二対向壁114の略後側半分は、平坦且つ左端よりも右端が低くなる第二傾斜部1141(図13参照)を形成している。第二対向壁114の右端は、第一対向壁113と接続している。
【0043】
油タンク10は、第一底壁1021、第二底壁1022、第一対向壁113、第二対向壁114、側壁1011、1012、1013、1014、1015、1016で囲まれた油収容部12を有する。油タンク10は、第一対向壁113、第二対向壁114、側壁1011、1012、1014、1017で囲まれた油受部11を有する。油受部11は、側壁1011、1012、1014、1017によって油落下部215(図8参照)を覆う。油受部11は、側壁1011、1012、1014、1017の上端で形成したタンク開口部103を介して脚柱部22内から垂れ落ちた油を受けることができる。
【0044】
ミシン駆動部に供給した油は、油受部の第一対向壁113上面に設けた第一傾斜部1132及び収容穴部1131を通って、油収容部12に溜まる。油タンク10は、第一傾斜部1132が油を収容穴部1131に導くため、油受部11に落下した油を確実に油収容部12に溜めることができる。
【0045】
油収容部12を形成する側壁1012は、側壁1013と接続している部分に側壁1012を貫通する前面穴1211を有している。油タンク10に外部から油を供給する場合、作業者はミシン2を傾倒位置に切り替え、油供給用のホース(図示略)を前面穴1211に挿入して油を供給する。
【0046】
油タンク10は、第二底壁1022の右側前端から側壁1015に渡って傾斜部1221を形成している。傾斜部1221は、第二底壁1022が上方に凹むことによって形成している。ミシン2を傾倒位置に切り替えた場合、傾斜部1221は、油タンク10が膝操作機構99(図2参照)と干渉するのを防止する。
【0047】
油タンク10は、側壁1016に左方に延びる円筒部1223を有している(図9及び図11参照)。円筒部1223は、その内側に油収容部12の内部に貫通する穴を形成している。円筒部1223は、第一供給路81と接続している。前記プランジャーポンプは、第一供給路81を介して油収容部12の内部の油を吸い上げる。
【0048】
油タンク10は、3箇所のネジ止め部61を備えている(図10参照)。側壁1011は、その上端において前後方向中央より後部に、右向にネジ止め部61が突出している。側壁1017は、その上端において前後方向の中央より後部及び前部に、左向にネジ止め部61が突出している。各ネジ止め部61は、ネジ62(図9参照)の軸部を通すためのネジ用穴611を設けている。ベッド部21は、ネジ用穴611に対応する位置にネジ用穴29を設けている(図8参照)。作業者は、ネジ止め部61の下方からネジ62の軸部をネジ用穴611、29に挿入することで、油タンク10をベッド部21に固定する(図9参照)。作業者は、ネジ62を取り外すことによって、油タンク10をベッド部21から取り外すことができる。
【0049】
以上のように、油タンク10は、脚柱部22の下側を油受部11が覆っているので、歯車32に供給した油を油受部11によって受けることができる。故に、油タンク10は、歯車32に供給した油を確実に回収することができる。油タンク10は、第一対向壁113、第二対向壁114上に溜まった油を、収容穴部1131を介して油収容部12に収容することができる。以下では、油収容部12に収容された油を油521という(図6参照)。ミシン2が振動すると、油収容部12内に収容した油521に対して振動が加わる。しかしながら、油タンク10は第一対向壁113、第二対向壁114を設けているので、油521が振動しても油は油収容部12の外部に漏れることがない。
【0050】
油が、ミシン2の内部を循環する経路について説明する。油収容部12は、予め油を溜めている。前記プランジャーポンプは、第一供給路81を介して油収容部12の油を吸い込む。前記プランジャーポンプは、吸い込んだ油を第二供給路82に送り出す。油は歯車32、34等を潤滑し、脚柱部22の内部を通って下方に落ちる。落下した油は、脚柱部22の下方に設けられた油タンク10のタンク開口部103を通って、油受部11の第一対向壁113等に落下する。第一対向壁113の第一傾斜部1132は、油受部11に落下した油を収容穴部1131に導く。油は、収容穴部1131を通って油収容部12に溜まる。ミシン2は、油収容部12に溜まった油を潤滑用の油として再利用する。このように、油は、ミシン2の内部を循環する。
【0051】
ミシン2が、起立位置から傾倒位置に切り換わる場合における、油収容部12の油521について、図7及び図14を参照して説明する。図14は、図7におけるベッド部21と油タンク10とのうち、説明に必要な部分以外を削除した図である。図7及び図14に示すように、ミシン2が、起立位置から傾倒位置に後方に回動した場合、油521は、油収容部12の後部に溜まる。回動の中心軸である水平軸271が、ミシン2の後側にあるので、油521は、油収容部12において水平軸271側に溜まる。ミシン2が傾倒位置にある場合、収容穴部1131が、第一対向壁113における水平軸271側の端部である第一端部1136から離間した位置にあるので、油521は、第一対向壁113の収容穴部1131より下に溜まる。故に、油タンク10は、収容穴部1131から油521が油収容部12の外部に漏れることを防止することができる。
【0052】
ミシン2が、傾倒位置から起立位置に回動する場合、傾倒位置において油収容部12の後部に溜まっていた油521は、前方向に移動する。前述した油521の移動によって、油収容部12の前部では油521が飛び散り易い。油収容部12の前部には、第一対向壁113が設けてある。故に、飛び散った油521は油収容部12の外部に漏れることがない。収容穴部1131は、第一対向壁113の前側の端部である第二端部1137から離間した位置にある。故に、油タンク10は、飛び散った油521が収容穴部1131から外部に漏れることを防止できる。
【0053】
油タンク10は、第二底壁1022の右側前端から側壁1015に渡って傾斜部1221を形成している。ミシン2を傾倒位置に切り替えた場合、傾斜部1221は、油タンク10が膝操作機構99(図2参照)と干渉するのを防止する。傾斜部1221が設けてあるため、ミシン2は、膝操作機構99をより上方に設けることができる。従って、ミシン2は、膝操作機構99の下方にスペースができ、該スペースに制御装置等の機構を配置することができる。
【0054】
図14〜図18を参照し、ミシン2が傾倒位置にある場合、脚柱部22内部の後部を伝って落下する油を溜める油溜め部70について説明する。油溜め部70は、ベッド凹部壁28、流出防止部材71、及び板部72で形成してある空間である(図14参照)。油溜め部70は、ミシン2が傾倒位置にある場合、脚柱部22の内部の後部を伝って落下する油を溜める。
【0055】
図15に示すように、ベッド凹部壁28は、ベッド部21の内部において後方に凹んだ凹部であるベッド凹部281を形成する壁部である。ベッド凹部壁28は、油落下部215(図8参照)の後部を形成している。ベッド凹部壁28は、凹部後壁282、凹部右壁283、凹部左壁284とで構成してある。凹部後壁282は、脚柱部22下方のベッド部21後端の壁部であり、左右方向に延びる。凹部右壁283は、凹部後壁282の右部から前方に延びる壁部である。凹部左壁284は、凹部後壁282の左部から前方に延びる壁部である。
【0056】
図14、図16、及び図17に示すように、ベッド凹部壁28の下端には、流出防止部材71と板部72とが設けてある。流出防止部材71及び板部72は、油タンク10のタンク開口部103の内側、且つ第一対向壁113の上方に位置している。尚、図16には、ベッド凹部壁28は図示していない。流出防止部材71は、板部72とベッド凹部壁28との間に隙間が発生することを防止する。流出防止部材71は、例えばゴム等の樹脂である。流出防止部材71は、ベッド凹部壁28の形状に沿うように凹状に形成してある(図16参照)。板部72は、ベッド凹部壁28の下端側からベッド凹部281を覆う(図17参照)。
【0057】
板部72の矩形部723(後述)の四隅には、ネジ用穴721が設けてある(図18参照)。ベッド凹部壁28の下端と流出防止部材71とには、板部72のネジ用穴721に対応する位置に、夫々ネジ用穴285(図15参照)、ネジ用穴711(図16参照)が設けてある。作業者は、板部72の下方からネジ722の軸部をネジ用穴721、711、285に挿入し、流出防止部材71と板部72とをベッド凹部壁28に固定する(図17参照)。作業者は、ネジ722を取り外すことでベッド凹部壁28から流出防止部材71と板部72とを取り外すことができる。
【0058】
図16、図17、及び図18を参照して、板部72について説明する。板部72は、ベッド凹部281を覆う略矩形状の部分である矩形部723と、矩形部723の前部中央のやや左側から前方に向けて突出する第一突出部724と、矩形部723の右前部から前方に向けて突出する第二突出部725とを備えている。第二突出部725は、その前方への突出長さが第一突出部724の突出長さよりも長い。第二突出部725は、その先端部の左右方向の長さが矩形部723側の端部の左右方向の長さより短い。
【0059】
第一突出部724と第二突出部725とには、4箇所のガイド部726、727、728、729が設けてある。ガイド部726、727、728、729は、第二供給路82、ワイヤ65、ソレノイド66のハーネス67を案内する部分である。ワイヤ65は、糸調子駆動機構63(図4参照)とソレノイド66とに接続する。ソレノイド66は、ワイヤ65を引っ張ったり緩めたりして糸調子駆動機構63を駆動する。
【0060】
ガイド部726、727、728、729は、第一突出部724と第二突出部725とに設けてある穴であるガイド穴部と、端部の凹部であるガイド凹部との一対で形成してある。固定部材85は、ガイド部726、727、728、729のガイド凹部とガイド穴とを通し、第二供給路82、ワイヤ65、ハーネス67に巻き付けて固定する。ガイド部726、727、728、729は、第二供給路82、ワイヤ65、ハーネス67を案内できる。固定部材85は、例えば、可撓性のある金属、樹脂、紐等である。
【0061】
ガイド部726、727、728、729について説明する。図18に示すように、ガイド部726は、第一突出部724に設けてある。ガイド部726は、第一突出部724の前端に設けたガイド凹部7261と、ガイド凹部7261の後方に設けたガイド穴部7262とで形成してある。ガイド部726と固定部材85とは、第二供給路82、ワイヤ65、ハーネス67を左右方向に案内する(図16参照)。
【0062】
ガイド部727は、第二突出部725の前部に設けてある。ガイド部727は、第二突出部725の前部の左端に設けたガイド凹部7271と、ガイド凹部7271の右方に設けたガイド穴部7272とで形成してある。ガイド部727と固定部材85とは、第二供給路82を前後方向に案内する(図16参照)。
【0063】
ガイド部728及びガイド部729は、第二突出部725の左後部に設けてある。ガイド部728は、第二突出部725の左後端に設けたガイド凹部7281と、ガイド凹部7281の右前方に設けたガイド穴部7282とで形成してある。ガイド部728と固定部材85とは、ハーネス67を右斜め後方向に案内する(図16参照)。ガイド部729は、ガイド穴部7282と、ガイド穴部7282の前方の端部に設けたガイド凹部7291とで形成してある。ガイド部728とガイド部729は、ガイド穴部7282を共有している。ガイド部729と固定部材85は、ワイヤ65を左右方向に案内する(図16参照)。
【0064】
上述のように、板部72は、ガイド部726、727、728、729を備えている。それ故、ミシン2は、板部72とガイド部726、727、728、729とを別々の部品として設ける場合に比べて、製造時間を短縮できる。
【0065】
図14を参照して、油溜め部70に油が溜まる場合について説明する。図14に示す傾倒位置にミシン2を長時間保持した場合、機構の潤滑に使用された油は、重力方向にミシン2の後部があるので、ミシン2の内部の後部を伝って落下する。落下する油は、経路75を通って、油溜め部70に溜まる。図14において、油溜め部70に溜まった油を油76という。
【0066】
ミシン2が傾倒位置から起立位置(図6参照)に回動した場合、油溜め部70に溜まった油76は、板部72の前方の端部から落下する。落下した油76は、油タンク10のタンク開口部103が板部72の下方(つまり、重力方向)にあるので、油タンク10の油受部11に落下する。油受部11に落下した油76は、収容穴部1131を通って油収容部12に落下する。従って、油タンク10は、板部72から落下した油76を油収容部12に溜めることができる。
【0067】
以上のように、油溜め部70は、傾倒位置において油76を溜めることができる。従って、油溜め部70は、ミシン2が傾倒位置にある場合に、油76が油タンク10の側壁1014からミシン2の外部に漏れることを防止することができる。
【0068】
本実施形態では、流出防止部材71が、板部72とベッド凹部壁28との間に隙間が発生することを防止する。従って、流出防止部材71は、ミシン2が傾倒位置にある場合に、確実に板部72とベッド凹部壁28との間から油76が流出することを防止することができる。
【0069】
上記実施形態において、収容穴部1131は、本発明の「穴部」に相当する。タンク開口部103は、本発明の「開口部」に相当する。第一傾斜部1132は、本発明の「傾斜部」に相当する。傾斜部1221は、本発明の「凹部」に相当する。
【0070】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、流出防止部材71が、ベッド凹部壁28と板部72との間に設けてあるが、これに限定されない。例えば、流出防止部材71を設けなくてもよい。
【0071】
上記実施形態では、ネジ722を取り外すことで、板部72は取り外し可能であるが、これに限定されない。例えば、板部72に相当する板を、ベッド凹部壁28と一体に形成してもよい。
【0072】
上記実施形態では、ガイド部726、727、728、729は、第二供給路82、ワイヤ65、ハーネス67を案内しているが、これに限定されない。例えば、ガイド部726、727、728、729は、電気配線など種々のケーブル(供給路81、82及びハーネス等を含む)を案内してもよい。
【0073】
上記実施形態では、ガイド部726、727、728、729の形状は限定されない。例えば、ガイド部726、727、728、729として、種々のケーブルを固定する固定部材85に相当する部材を、板部72と一体形成してもよい。
【0074】
前述したように、収容穴部1131に、フィルタ1134を設けてもよい。図19を参照して、フィルタ1134について説明する。図19に示すフィルタ1134は、金網である。フィルタ1134は、平面視で円形である。フィルタ1134には、溝部1133(図10参照)に対応した形状の固定部(図示略)が設けてある。フィルタ1134は、固定部を溝部1133に挿入することで固定することができる。フィルタ1134は、油が、収容穴部1131を通って、油受部11から油収容部12に移動する際に、油に含まれる異物を取り除く。このため、油収容部12に、異物が取り除かれた油を溜めることができる。フィルタ1134は、金網に限定されない。例えば、樹脂などを使用することができる。フィルタ1134は、収容穴部1131以外に設けてもよい。例えば、フィルタ1134は、側壁1012の前面穴1211周囲に溝部を形成し、該溝部に固定してもよい。
【符号の説明】
【0075】
2 ミシン本体
10 油タンク
11 油受部
12 油収容部
21 ベッド部
22 脚柱部
23 アーム部
28 ベッド凹部壁
60 円筒部
71 流出防止部材
72 板部
101 外周壁
102 底壁
103 タンク開口部
113 第一対向壁
114 第二対向壁
215 油落下部
271 水平軸
281 ベッド凹部
726、727、728、729 ガイド部
1131 収容穴部
1132 第一傾斜部
1134 フィルタ
1136 第一端部
1137 第二端部
1221 傾斜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油を収納可能な油タンクを備えたミシンにおいて、
前記油タンクは、
開口部を形成する外周壁と、
前記開口部に対向する底壁と、
前記外周壁の内側において、前記開口部と前記底壁との間、且つ前記底壁と離間した位置に設け、前記底壁に対向する壁部である対向壁と、
前記対向壁を前記開口部から前記底壁に向かう方向に貫通する穴部と
を備えたことを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記ミシンは、起立位置と、前記起立位置から傾倒した傾倒位置との間で、水平軸を中心に回動可能であり、
前記油タンクの前記穴部は、前記対向壁における前記水平軸側の端部である第一端部から離間した位置にあることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
前記油タンクの前記穴部は、前記対向壁における前記第一端部の反端側の端部である第二端部から離間した位置にあることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
【請求項4】
前記油タンクの前記対向壁における前記開口部に対向する面は、前記外周壁から前記穴部に向かって、前記底壁の方向に傾斜した傾斜部を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のミシン。
【請求項5】
前記穴部には、油に混入する異物を取り除くフィルタが設けてあることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のミシン。
【請求項6】
前記油タンクの前記開口部は、前記ミシンの底壁における油が落下する部分を覆う開口であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のミシン。
【請求項7】
前記ミシンは、底部に加工布を押さえる布押さえを駆動する膝操作機構を備え、
前記油タンクは、前記膝操作機構と干渉するのを防ぐ凹部を備えたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のミシン。
【請求項8】
開口部を形成する外周壁と、
前記開口部に対向する底壁と、
前記外周壁の内側において、前記開口部と前記底壁との間、且つ前記底壁と離間した位置に設けた、前記底壁に対向する壁部である対向壁と、
前記対向壁を前記開口部から前記底壁に向かう方向に貫通する穴部と
を備えたことを特徴とするミシン用の油タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−135527(P2012−135527A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291182(P2010−291182)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】