ミストエリミネータ、脱湿システム、及び吸気から水粒子を除去する方法
【課題】基板と、基板上に配置された複数の円錐台形状突起とを備えるミストエリミネータを提供する。
【解決手段】複数の円錐台形状突起24は幾何学的形状26、28、30、32を有し、基板22及び円錐台形状突起24と接触する水分含有空気44の水粒子45の合体及び保持が行なわれる間隔34で位置決めされる。脱湿システム10及びミストエリミネータ20によって吸気44から水粒子45を除去する方法もまた開示される。
【解決手段】複数の円錐台形状突起24は幾何学的形状26、28、30、32を有し、基板22及び円錐台形状突起24と接触する水分含有空気44の水粒子45の合体及び保持が行なわれる間隔34で位置決めされる。脱湿システム10及びミストエリミネータ20によって吸気44から水粒子45を除去する方法もまた開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、水粒子除去システムに関する。より詳細には、本発明は、ミストエリミネータ、脱湿システム、及びガスタービン吸気流から水微粒子を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの吸気流から湿気を除去する幾つかのシステムが知られている。そのような既知のシステムの1つは、吸気がガスタービンへ進むことができるようになる前に、複数の物質及び媒体で吸気を濾過する複数のフィルタ機構を含んでいる。そのようなシステムの1つでは、複数のフィルタが、一次フィルタの上流にある吸込雨よけ又はフードに懸架又は装着された予備フィルタを含むことができる。フィルタシステムは、配管によってガスタービンと接続される。予備フィルタは、疎水性を有する濾材、例えば、ポリプロピレン繊維材料から構成される。フィルタ機構は、固体粒子を濾過するための主要機能は果たすが、通常は湿気を制御することができない。
【0003】
微細液滴水分汚染は、比較的高湿度を有する環境、例えば海洋又は沖合用途において、或いは雨、霧又は濃霧等の状態において特に問題がある。そのような微細液滴が発生する所では、それらは濾材を通って移動する。この種の微細液滴水分移動は、ガスタービン運転に関連する重要な問題を引き起こす可能性がある。小雨、霧、及び濃霧は、動きの速い気流、例えばガスタービンの吸気で容易に運ばれる微小液滴水分即ち水微粒子を生成することがよく知られている。一般的に、大雨は、大きすぎて吸気流で容易に運ぶことができない滴が降る。
【0004】
一般に約0.01ミクロン〜約40ミクロンの範囲の水微粒子を収集しようとする試みは、失敗に終わっている。例えば、濾材を使用した一部の濾過システムでは、湿気によってフィルタ全体の圧力損失が増加し、この「湿った状態での」運転期間中にガスタービン性能が低下することになる。これは特に、濡れた時に膨張するセルロース繊維フィルタに当てはまる。一部の濾材はまた水分を保持しており、フィルタ全体の圧力損失の上昇の長期化につながる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7632339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の欠点に悩まされることのないミストエリミネータ、ミストエリミネータを用いた脱湿システム、及び吸気から水粒子を除去する方法が、従来技術において望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的実施形態では、基板と、基板上に配置された複数の円錐台形状突起とを備えるミストエリミネータを提供する。複数の円錐台形状突起は幾何学的形状を有し、基板及び円錐台形状突起と接触する水分含有空気の水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔で位置決めされる。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態では、ガスタービンの脱湿システムを提供する。脱湿システムは、ハウジングと、フードと、複数のミストエリミネータとを備える。ハウジングは、一次フィルタを支持し、ガスタービンと動作可能に接続される。複数のミストエリミネータは、フード内に配置され、基板と、基板上に配置された複数の円錐台形状突起とを含む。ミストエリミネータの複数の円錐台形状突起は、幾何学的形状を有し、基板及び円錐台形状突起と接触する水分含有空気の水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔で位置決めされる。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態では、ガスタービンへと流れる吸気から水粒子を除去する方法を提供する。本方法は、一次空気フィルタを支持し、ガスタービンと動作可能に接続されるハウジングを設けるステップを含む。本方法は、ハウジングと接続され、水平線に対して鋭角で配置された表面を有するフードを設けるステップを更に含む。本方法は、フード内に配置され、幾何学的形状を有し、水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔で配置される複数の円錐台形状突起で覆われた基板を有するミストエリミネータを設けるステップを更に含む。本方法は、ミストエリミネータ上へ吸気流を案内し、そこで複数の円錐台形状突起の幾何学的形状によって吸気の複数の水粒子を液滴に合体させて保持するステップを更に含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態の1つの利点は、水微粒子を大きな液滴に合体させて、ガスタービンの吸気流から自由水分粒子を除去することである。
【0011】
本発明の一実施形態の別の利点は、ガスタービンに流れ込む空気流に圧力を生じさせることなく吸気流から水微粒子を除去することである。
【0012】
本発明の一実施形態の別の利点は、ガスタービンの性能又は効率を低下させることなく吸気流から水微粒子を除去することである。
【0013】
本発明の一実施形態の更に別の利点は、脱湿システムがほとんど詰まりのないことである。
【0014】
本発明の一実施形態の別の利点は、ほとんどメンテナンスを必要とせず、掃除が簡単であることである。
【0015】
本発明のその他の特徴及び利点は、例として本発明の原理を説明する添付図面に関連してなされる以下の好適な実施形態のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一態様に従って構成された脱湿システムを含むガスタービンの部分断面概略図である。
【図2】吸込雨よけと、本発明の複数のミストエリミネータを含むフレームとの分解斜視図である。
【図3】本発明の複数のミストエリミネータを含む、吸込雨よけとフレームの組立斜視図である。
【図4】本発明のミストエリミネータの上面図である。
【図5】本発明のミストエリミネータの側面図である。
【図6】図5に示すミストエリミネータの円錐台形状突起の拡大図である。
【図7】図6の円錐台形状突起の上面図である。
【図8】本発明の複数のミストエリミネータを含む本発明のシステムの吸込雨よけの図3の線8−8に沿った断面図である。
【図9】本発明の図8のミストエリミネータ構成の代替実施形態である。
【図10】本発明の図8のミストエリミネータ構成の代替実施形態である。
【図11】本発明の図8のミストエリミネータ構成の代替実施形態である。
【図12】図11に示す複数の曲面状ミストエリミネータを含むフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
同じ部品には、可能な限り、図面を通して同じ参照番号を使用する。
【0018】
複数のミストエリミネータ20、複数のミストエリミネータ20を含む脱湿システム10、及び水分含有吸気44から水微粒子45を除去する方法を提供する。本発明の実施形態は、その上に配置された複数の円錐台形状突起24を有する基板22を含むミストエリミネータ20に関する。複数の円錐台形状突起24は幾何学的形状を有し、基板22及び円錐台形状突起24と接触する水分含有空気44の水粒子又は水微粒子45の合体及び保持が行なわれる間隔34で位置決めされる。
【0019】
図1は、ガスタービンエンジン12への吸気流44による霧又は濃霧から水粒子及び水微粒子45を除去する脱湿システム10の一実施形態を含むガスタービンエンジン12を表している。「水微粒子」という言葉はその文法的変異によって、水の粒径が約40ミクロン未満であることを意味する。脱湿システム10は、ハウジング52と、フード40と、少なくとも1つのミストエリミネータ20とを含む。一実施形態において、ハウジング52は、ガスタービン70の吸気の更なる濾過を行なうためにフィルタシステム50の一次フィルタ54を支持する。ハウジング52は、配管62によってガスタービン70と動作可能に接続される。ガスタービン70は、発電機76に電力を供給するといった所望の目的のために使用できる。ガスタービン70は、圧縮機部分72に案内される比較的大量の空気を使用し、燃料が空気中で点火され、膨張するガスが最終的にタービン部分74を駆動する。大量の吸気44は、ガスタービン70の構成部品への損傷及び促進摩耗を防ぐために、濾過して、粒子状物質、塩分、及び水分をなくさなければならない。
【0020】
本発明の様々な態様は、例えば、ガスタービンエンジン12の冷却塔及び空気ダクト出口内の水粒子の除去だがこれに限らない、吸気取入口及び下流用途に適用できるガスタービンエンジン12のシステムに関して説明する。当然のことながら、本発明の態様は、水分及びその他の粒子状物質によって損傷する傾向がある様々なその他の用途にも適用できる。例えば、本発明の様々な態様は、内燃機関の吸気システム、クリーンルームの吸気システム、暖房換気空調(HVAC)システム、病院のHVACシステム、及び空気圧縮機の吸気システム等の用途に適用できる。
【0021】
図1に示すように、一実施形態において、フィルタシステム50は、チャンバ60を画定するハウジング52を含む。チャンバ60は、入口側56及び出口側58を有する。ハウジング52は、例えば金属フレームや薄板金属だがこれに限らない任意の適切な材料から形成される。ハウジング52は、比較的小さな設置面積を有するように構成できる。これは、ハウジング52の外部で大部分の脱湿が完了しているので、チャンバ60が吸気流44から分離された水分のための収集領域を提供する必要がないからである。
【0022】
吸気44は、フード40を通ってチャンバ60に入る。濾過された空気47は、フード40から出てハウジング52に入る。ハウジング52は、一次空気フィルタ54を支持する。一次フィルタ54は、主にガスタービン70に害を及ぼす可能性がある吸気から粒子状物質を除去するように機能する。一次フィルタ54は、例えばパネルフィルタの配列だがこれに限らない任意の適切な構成からなっていてもよい。パネルフィルタは、ガスタービンに接続された吸気口流を濾過するために従来技術において周知の任意の適切な材料から製造される。当然のことながら、任意の適切なフィルタ構成、例えば、限定されるものではないがカートリッジ又はバッグを一次フィルタ54として使用できる。
【0023】
脱湿システム10は、チャンバ60の入口側56に沿って位置決めされた複数の垂直に離間配置された吸気フード40を含む。フード40は、任意の適切な手段によってハウジング52に取り付けられる。フード40の各々は、水平線に対して鋭角82で配置された表面を有する。この配向によって、図1に示すように、水分含有吸気流を最初に上向き方向に移動させる。フード40の配向はまた、大雨又は雪に遭った時に、比較的大きな水分液滴が吸気流44を介して脱湿システム10に入るのを防ぐ役目もする。
【0024】
図2は、本発明のフレーム90内に配置された複数のミストエリミネータ20の一実施形態の分解斜視図である。一実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、例えばねじ、ナットとボルト、接着剤、溶接部及びそれらの組み合わせだがこれに限らない複数の取付手段を含むことができる取付点86においてフレーム90に取り付けられる。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、フレーム90の側面97に取り付けられる。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、フレーム90内に配置され、ミストエリミネータ20を受け入れる複数のスロット(図示せず)によって所定の位置に保持される。
【0025】
図2の分解図でわかるように、フレーム90は、組み立ての際にフード40の下面80の若干上に位置することになる。フード40は、フード40の下面80の近くに位置するフランジ42又はリップを含む。フランジ42は、フード40の側面96及び正面96と隣接している。脱湿システム10を組み立てるために、フレーム90は、フレーム90がフード40の正面94又はその他の所望の位置に達するまで、フードの側面96に平行に延びるフランジ42に沿って(矢印92によって示すように)所定の位置に挿入又は摺動される。組立図の図3を参照のこと。組み立ての際に、フレーム90は、フード40の開口部を全体的に覆う。フレーム90は、一般的に、例えばポリマー、アルミニウム、亜鉛めっき鋼、ステンレス鋼、及びそれらの組み合わせだがこれに限らない任意の適切な耐腐食性材料から構成される。
【0026】
図3は、その中に配置された複数のミストエリミネータ20を有するフード40の斜視図である。複数のミストエリミネータ20は、水平線に対して約45度の角度でフレーム90及びフード40内に配置される。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、水平線に対して約10度の角度〜約90度の角度でフレーム90及びフード40内に配置される。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、水平線に対して多数の様々な角度及び角度の組み合わせで配置される。フレーム90は、図1に示すように一般的にフード40内に水平方向に取り付けられる。一実施形態では、フレーム90の有無にかかわらず、複数のミストエリミネータ90がフード40の下面80の下に取り付けられるか配置される。別の実施形態では、ミストエリミネータ20は、フレーム90の底面98と同一平面上にある。図3に示すように、水分含有吸気流44は、空気流47がチャンバ60に入る前にフード40から出る空気流47から実質的に全ての水微粒子45を除去するために、複数のミストエリミネータ20の各々を超え、更に基板22及び複数の円錐台形状突起24の各々を超えて上向き方向に移動させられる。
【0027】
ミストエリミネータ20の一実施形態を図4に示す。ミストエリミネータ20は、基板22と、基板22の少なくとも片面に配置された複数の円錐台形状突起24(図5参照)とを含む。基板22は、略平面又は略曲面である。図5及び9に示すように、複数の円錐台形状突起24は、基板22の第1面21及び第2面23に配置される。その他の実施形態では、複数の円錐台形状突起24は、基板22の片面のみに配置される。図4に戻ると、複数の円錐台形状突起24は幾何学的形状を有し、基板22及び円錐台形状突起24と接触する水分含有空気44(図8参照)の水粒子45の合体及び保持が行なわれる間隔34で位置決めされる。一実施形態では、複数の円錐台形状突起24は、基板22上に均一に離間配置された間隔34で配置される。別の実施形態では、複数の円錐台形状突起24間の間隔34は、約100ミクロン〜約10ミリメートル(10,000ミクロン)、又は約500ミクロン〜約8ミリメートル(3000ミクロン)、又は約1ミリメートル(1000ミクロン)〜約5ミリメートル(2000ミクロン)である。更に別の実施形態では、複数の円錐台形状突起24間の間隔34は、複数の円錐台形状突起24の第2直径30即ち基部の約2倍である。更に別の実施形態では、複数の円錐台形状突起24は、均一に離間配置されるか、不規則に離間配置されるか、又はそれらの組み合わせである。
【0028】
図6及び7に示すように、複数の円錐台形状突起24の幾何学的形状には、高さ26、第1直径28、第2直径30、及び窪み深さ32が含まれる。円錐台形状突起24は一般的に火山形であり、その中に形成されたボウル84を含んでおり、これは第1直径28及び窪み深さ32によって画定される。一般的に、複数の円錐台形状突起24の各々は、同じ又はほぼ同じ幾何学的形状を有する。代替実施形態では、複数の円錐台形状突起24の各々又は複数の円錐台形状突起24の多数は、様々な幾何学的形状を有する。一実施形態では、円錐台形状突起24の高さ26は、約10ミクロン〜約5ミリメートル、又は約20ミクロン〜約3000ミクロン、又は約50ミクロン〜約1000ミクロンである。一実施形態では、円錐台形状突起24の第1直径28即ち上部は、約5ミクロン〜約1000ミクロン、又は約10ミクロン〜約3800ミクロン、又は約50ミクロン〜約500ミクロンである。一実施形態では、円錐台形状突起24の第2直径30即ち基部は、約100ミクロン〜約2ミリメートル(200ミクロン)、又は約250ミクロン〜約1.2ミリメートル(1200ミクロン)、又は約500ミクロン〜約1ミリメートル(1000ミクロン)である。別の代替実施形態では、第2直径30即ち基部は、円錐台形状突起の第1直径28即ち上部の約2倍である。一実施形態では、円錐台形状突起24の窪み深さ2即ちボウル深さは、約2.5ミクロン〜約500ミクロン、又は約5ミクロン〜約200ミクロン、又は約10ミクロン〜約150ミクロンである。代替実施形態では、窪み深さ32は、円錐台形状突起24の第1直径28のサイズの約半分である。
【0029】
図6及び7に示すように、円錐台形状突起24はボウル84即ち窪みを含む。ボウル84は、第1直径28及び窪み深さ32によって画定される。作動中、水分含有吸気流44はミストエリミネータ20(図8〜11参照)の上を通過する。水粒子45を有する水分含有吸気流44は、円錐台形状突起24の略傾斜面88に対して上向きにボウル84内へ案内される。丸い表面及び表面積を含むボウル84は、水分含有吸気流44から水粒子45を収集する。ボウル84の曲面は、水粒子45を合体又は収集するための親水性領域を形成する。ボウル84の親水性領域は、ボウル84内で生じた局所的な表面張力効果とも結びつくマイクロスケールレベルの空気力学的効果によって形成されると推測される。水分含有吸気流44が複数の円錐台形状突起24の上を通過するにつれて、吸気流44からますます多くの水微粒子45がボウル84内に収集される。より多くの水微粒子45がボウル84内で合体するにつれて、ボウル84の親水性領域と、既に収集された水粒子の表面張力及び引力即ち凝集力とがより多くの水微粒子45を収集して合体させ続ける。ボウル84は、水微粒子45を大きな水滴48に合体させることができる。「大きな水滴」という用語はその文法的変異によって、水滴48が一般的にボウル84から水滴48を引き出すのに十分な重力の大きさであると共に、大きな液滴48がフード40から引き出される空気の上向きの揚力を容易に克服するであろうサイズを有することを意味する。一実施形態では、大きな水滴48は、一般的に約500〜約10,000ミクロンの大きさである。大きな水滴48がボウル84のサイズよりも大きくなると、表面張力がボウル84内に大きな液滴48を保持できなくなり、大きな液滴48はボウル84から出て、一般的に疎水性である基板22上へ流れる。下向き方向46で示す重力又は下降流は、ミストエリミネータ20から大きな液滴48を押し出す(図8及び9参照)。大きな液滴48は、大きすぎて吸気流44でフードへ運ぶことができない。大きな液滴48は地面に落下して、コンテナ又はドレンシステムに収集される。吸込雨よけ及びミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。
【0030】
一実施形態では、ミストエリミネータ20は耐腐食性材料から構成される。別の実施形態では、基板22及び円錐台形状突起24は同じ耐腐食性材料から構成される。更に別の実施形態では、基板22は、円錐台形状突起24とは異なる耐腐食性材料から構成される。適切な耐腐食性材料の別の特性は、例えば吸込雨よけ又は冷却塔における荷重及び吸気力に耐えられるほど十分に強いことである。適切な耐腐食性材料は、これらに限定されないが、ポリマー、アルミニウム、ステンレス鋼、及びそれらの組み合わせである。適切なプラスチックは、これらに限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)だがこれに限らないポリエステル、硬質ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド又はナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン(PE)、例えばポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレンだがこれに限らないフルオロポリマー、及びそれらの組み合わせである。
【0031】
耐腐食性材料の選択に基づいて、ミストエリミネータ20は、例えば鋳造、鍛造、熱処理、溶接、成形、又はそれらの任意の適切な組み合わせだがこれに限らない任意の適切な技術によって形成できる。ミストエリミネータ20は、既存の部品に形成するか、又は独自の部品として形成して、例えばフード40内に配置されたフレーム90(図3参照)だがこれに限らない任意の適切な手段によってフード40に追加できる。図4及び5に示すようにミストエリミネータ20の全体寸法は、様々なフード寸法に適合するように変化させることができる。一実施形態では、ミストエリミネータ20の基板22の寸法には、約10ミリメートル〜約10,000ミリメートルの第1直径25、約10ミリメートル〜約30,000ミリメートルの第2直径31、約0.01ミリメートル〜約100ミリメートルの第3直径33又は厚さが含まれる。
【0032】
図8は、図3の吸込雨よけの線8−8に沿った断面図である。複数のミストエリミネータ20の各々は、その少なくとも片面に配置された複数の略円錐台形状突起24を有する少なくとも1つの基板22を含む。この実施形態では、基板22は略平面である。図8に示すように、水分含有吸気流44は、略平面状基板22及び複数の円錐台形状突起24を有する複数のミストエリミネータ20と約45度の角度で接触する。作動中、水粒子45を有する吸気流44は、ミストエリミネータ20に対して移動させられて、複数の円錐台形状突起24のボウル84内で水微粒子45が収集又は合体することになる。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。複数の円錐台形状突起24の各々のボウル84によって収集された水粒子45は大きな水滴48を形成し、これが円錐台形状突起24の側面88を略平面状基板22へと流れ落ちる。大きな水滴48が略平面状基板22に達すると、大きな水滴48は、下向き方向46の重力によってミストエリミネータ20から取り除かれる。一実施形態では、ミストエリミネータ20から落ちる大きな水滴48は、吸込雨よけ40(図示せず)に沿ったコンテナ又は収集システム、或いは隣接する吸込雨よけ40から離れたランド及びロールによって収集される。
【0033】
図9は、ミストエリミネータ20の代替実施形態を示す。図9のミストエリミネータ20は、「V字形」を形成する2つの略平面状基板22を含む。V字形ミストエリミネータ20は、任意の適切な方法を用いて、例えばこれに限らないが、2つの略平面状基板22を溶接することによって、又は単一の略平面状基板22を曲げて「V字形」を形成することによって形成される。図示するように、水分含有吸気流44は、蛇行した「S」字形模様で「V字形」ミストエリミネータ20上を流れるように強いられ、これによって水粒子45を有する吸気流44が各々のミストエリミネータ20の基板22及び複数の表面に複数回接触するようになる。図9に示すように、「V字形」ミストエリミネータ20は、各々の略平面状のV字形基板22上に複数の円錐台形状突起24を含む。「V字形」ミストエリミネータ20が水分含有吸気流44を屈曲させることによって、水粒子45を有する吸気44を基板22表面及びその上に位置する円錐台形状突起24全体に押す遠心力が発生する。水粒子45を有する吸気流44が複数の円錐台形状突起24の各々のボウル84と接触する時に、水粒子45が水分含有吸気流44から収集される。水分含有吸気流44をミストエリミネータ20に対して移動させることによって、水微粒子45が複数の円錐台形状突起24の各々のボウル84内で収集又は合体することになる。水微粒子45は大きな液滴を形成する。大きな水滴48がボウル84のサイズを超えると、大きな水滴48はミストエリミネータ20の略平面状基板22に沿って下向き方向46即ち重力方向に移動する。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。
【0034】
図10は、ミストエリミネータ20の代替実施形態を示す。ミストエリミネータ20は、略平面状基板22と、複数の円錐台形状突起24とを含む。ミストエリミネータ20の各々は、フレーム90の全体にわたって少しずつずらして配列される。図10に示すように、水分含有吸気流44は2つの隣接するミストエリミネータ20の間を案内され、3つ目のミストエリミネータ20によって向きが変えられる。ミストエリミネータ20の配列によって、水粒子45を有する吸気流44が多数の異なるミストエリミネータ20と接触するようになる。水分含有吸気44がミストエリミネータ20の上を通過する時に、水粒子45が吸気44から除去される。水粒子45は、それらが大きな水滴48を形成するのに十分な大きさになるまで、円錐台形状突起24のボウル84内で収集される。大きな水滴48がボウル84のサイズを超えると、大きな水滴48はミストエリミネータ20の略平面状基板22に沿って下向き方向46即ち重力方向に移動する。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。
【0035】
図11及び12は、ミストエリミネータの別の代替実施形態を示す。ミストエリミネータ20は、その上に配置された複数の円錐台形状突起24を有する略曲面状基板22を含む。円錐台形状突起24は、略曲面状基板22の両面に配置される。別の実施形態では、円錐台形状突起24は、略曲面状表面の片面に配置される。略曲面状のミストエリミネータ20が水分含有吸気流44を屈曲させることによって、吸気44を略曲面状基板22表面及びその上に位置する円錐台形状突起24全体に押す遠心力が発生する。水粒子45を有する吸気流44は、ミストエリミネータ20の略曲面状表面22及び複数の円錐台形状突起24と接触し、その上を通過する。水分含有吸気44がミストエリミネータ20の上を通過する時に、水粒子45が吸気44から除去される。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。水粒子45は、それらが大きな水滴48を形成するのに十分な大きさになるまで、円錐台形状突起24のボウル84内で収集される。大きな水滴48がボウル84のサイズを超えると、大きな水滴48はミストエリミネータ20の略曲面状基板22に沿って下向き方向46即ち重力方向に移動する。
【0036】
図12に示すように、略曲面状のミストエリミネータ20はフレーム90内に配置される。フレーム90は、ミストエリミネータ20を適所に保持する複数の側面97を含む。フレーム90は吸込雨よけ40(図3参照)に挿入され、一実施形態では、フレームの底面98が複数のフランジ42によって支持される。複数のミストエリミネータを保持するその他の構成と、複数のミストエリミネータを吸気流、例えば吸込雨よけ40に含む付加的な構成とが可能である。
【0037】
本発明は、好ましい実施形態に関して述べてきたが、当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であり、そして、本発明の構成要素に対して同等物の置換えが可能であることが理解されるであろう。更に、本発明の本質的な技術的範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に照らして、多くの修正を行なうことが可能である。従って、本発明は、本発明を実施するにあたって想定される最適の態様として開示した特定の実施形態に限定されず、本発明には、特許請求の範囲の技術的範囲内にある全ての実施形態が含まれることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、水粒子除去システムに関する。より詳細には、本発明は、ミストエリミネータ、脱湿システム、及びガスタービン吸気流から水微粒子を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの吸気流から湿気を除去する幾つかのシステムが知られている。そのような既知のシステムの1つは、吸気がガスタービンへ進むことができるようになる前に、複数の物質及び媒体で吸気を濾過する複数のフィルタ機構を含んでいる。そのようなシステムの1つでは、複数のフィルタが、一次フィルタの上流にある吸込雨よけ又はフードに懸架又は装着された予備フィルタを含むことができる。フィルタシステムは、配管によってガスタービンと接続される。予備フィルタは、疎水性を有する濾材、例えば、ポリプロピレン繊維材料から構成される。フィルタ機構は、固体粒子を濾過するための主要機能は果たすが、通常は湿気を制御することができない。
【0003】
微細液滴水分汚染は、比較的高湿度を有する環境、例えば海洋又は沖合用途において、或いは雨、霧又は濃霧等の状態において特に問題がある。そのような微細液滴が発生する所では、それらは濾材を通って移動する。この種の微細液滴水分移動は、ガスタービン運転に関連する重要な問題を引き起こす可能性がある。小雨、霧、及び濃霧は、動きの速い気流、例えばガスタービンの吸気で容易に運ばれる微小液滴水分即ち水微粒子を生成することがよく知られている。一般的に、大雨は、大きすぎて吸気流で容易に運ぶことができない滴が降る。
【0004】
一般に約0.01ミクロン〜約40ミクロンの範囲の水微粒子を収集しようとする試みは、失敗に終わっている。例えば、濾材を使用した一部の濾過システムでは、湿気によってフィルタ全体の圧力損失が増加し、この「湿った状態での」運転期間中にガスタービン性能が低下することになる。これは特に、濡れた時に膨張するセルロース繊維フィルタに当てはまる。一部の濾材はまた水分を保持しており、フィルタ全体の圧力損失の上昇の長期化につながる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7632339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の欠点に悩まされることのないミストエリミネータ、ミストエリミネータを用いた脱湿システム、及び吸気から水粒子を除去する方法が、従来技術において望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的実施形態では、基板と、基板上に配置された複数の円錐台形状突起とを備えるミストエリミネータを提供する。複数の円錐台形状突起は幾何学的形状を有し、基板及び円錐台形状突起と接触する水分含有空気の水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔で位置決めされる。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態では、ガスタービンの脱湿システムを提供する。脱湿システムは、ハウジングと、フードと、複数のミストエリミネータとを備える。ハウジングは、一次フィルタを支持し、ガスタービンと動作可能に接続される。複数のミストエリミネータは、フード内に配置され、基板と、基板上に配置された複数の円錐台形状突起とを含む。ミストエリミネータの複数の円錐台形状突起は、幾何学的形状を有し、基板及び円錐台形状突起と接触する水分含有空気の水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔で位置決めされる。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態では、ガスタービンへと流れる吸気から水粒子を除去する方法を提供する。本方法は、一次空気フィルタを支持し、ガスタービンと動作可能に接続されるハウジングを設けるステップを含む。本方法は、ハウジングと接続され、水平線に対して鋭角で配置された表面を有するフードを設けるステップを更に含む。本方法は、フード内に配置され、幾何学的形状を有し、水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔で配置される複数の円錐台形状突起で覆われた基板を有するミストエリミネータを設けるステップを更に含む。本方法は、ミストエリミネータ上へ吸気流を案内し、そこで複数の円錐台形状突起の幾何学的形状によって吸気の複数の水粒子を液滴に合体させて保持するステップを更に含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態の1つの利点は、水微粒子を大きな液滴に合体させて、ガスタービンの吸気流から自由水分粒子を除去することである。
【0011】
本発明の一実施形態の別の利点は、ガスタービンに流れ込む空気流に圧力を生じさせることなく吸気流から水微粒子を除去することである。
【0012】
本発明の一実施形態の別の利点は、ガスタービンの性能又は効率を低下させることなく吸気流から水微粒子を除去することである。
【0013】
本発明の一実施形態の更に別の利点は、脱湿システムがほとんど詰まりのないことである。
【0014】
本発明の一実施形態の別の利点は、ほとんどメンテナンスを必要とせず、掃除が簡単であることである。
【0015】
本発明のその他の特徴及び利点は、例として本発明の原理を説明する添付図面に関連してなされる以下の好適な実施形態のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一態様に従って構成された脱湿システムを含むガスタービンの部分断面概略図である。
【図2】吸込雨よけと、本発明の複数のミストエリミネータを含むフレームとの分解斜視図である。
【図3】本発明の複数のミストエリミネータを含む、吸込雨よけとフレームの組立斜視図である。
【図4】本発明のミストエリミネータの上面図である。
【図5】本発明のミストエリミネータの側面図である。
【図6】図5に示すミストエリミネータの円錐台形状突起の拡大図である。
【図7】図6の円錐台形状突起の上面図である。
【図8】本発明の複数のミストエリミネータを含む本発明のシステムの吸込雨よけの図3の線8−8に沿った断面図である。
【図9】本発明の図8のミストエリミネータ構成の代替実施形態である。
【図10】本発明の図8のミストエリミネータ構成の代替実施形態である。
【図11】本発明の図8のミストエリミネータ構成の代替実施形態である。
【図12】図11に示す複数の曲面状ミストエリミネータを含むフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
同じ部品には、可能な限り、図面を通して同じ参照番号を使用する。
【0018】
複数のミストエリミネータ20、複数のミストエリミネータ20を含む脱湿システム10、及び水分含有吸気44から水微粒子45を除去する方法を提供する。本発明の実施形態は、その上に配置された複数の円錐台形状突起24を有する基板22を含むミストエリミネータ20に関する。複数の円錐台形状突起24は幾何学的形状を有し、基板22及び円錐台形状突起24と接触する水分含有空気44の水粒子又は水微粒子45の合体及び保持が行なわれる間隔34で位置決めされる。
【0019】
図1は、ガスタービンエンジン12への吸気流44による霧又は濃霧から水粒子及び水微粒子45を除去する脱湿システム10の一実施形態を含むガスタービンエンジン12を表している。「水微粒子」という言葉はその文法的変異によって、水の粒径が約40ミクロン未満であることを意味する。脱湿システム10は、ハウジング52と、フード40と、少なくとも1つのミストエリミネータ20とを含む。一実施形態において、ハウジング52は、ガスタービン70の吸気の更なる濾過を行なうためにフィルタシステム50の一次フィルタ54を支持する。ハウジング52は、配管62によってガスタービン70と動作可能に接続される。ガスタービン70は、発電機76に電力を供給するといった所望の目的のために使用できる。ガスタービン70は、圧縮機部分72に案内される比較的大量の空気を使用し、燃料が空気中で点火され、膨張するガスが最終的にタービン部分74を駆動する。大量の吸気44は、ガスタービン70の構成部品への損傷及び促進摩耗を防ぐために、濾過して、粒子状物質、塩分、及び水分をなくさなければならない。
【0020】
本発明の様々な態様は、例えば、ガスタービンエンジン12の冷却塔及び空気ダクト出口内の水粒子の除去だがこれに限らない、吸気取入口及び下流用途に適用できるガスタービンエンジン12のシステムに関して説明する。当然のことながら、本発明の態様は、水分及びその他の粒子状物質によって損傷する傾向がある様々なその他の用途にも適用できる。例えば、本発明の様々な態様は、内燃機関の吸気システム、クリーンルームの吸気システム、暖房換気空調(HVAC)システム、病院のHVACシステム、及び空気圧縮機の吸気システム等の用途に適用できる。
【0021】
図1に示すように、一実施形態において、フィルタシステム50は、チャンバ60を画定するハウジング52を含む。チャンバ60は、入口側56及び出口側58を有する。ハウジング52は、例えば金属フレームや薄板金属だがこれに限らない任意の適切な材料から形成される。ハウジング52は、比較的小さな設置面積を有するように構成できる。これは、ハウジング52の外部で大部分の脱湿が完了しているので、チャンバ60が吸気流44から分離された水分のための収集領域を提供する必要がないからである。
【0022】
吸気44は、フード40を通ってチャンバ60に入る。濾過された空気47は、フード40から出てハウジング52に入る。ハウジング52は、一次空気フィルタ54を支持する。一次フィルタ54は、主にガスタービン70に害を及ぼす可能性がある吸気から粒子状物質を除去するように機能する。一次フィルタ54は、例えばパネルフィルタの配列だがこれに限らない任意の適切な構成からなっていてもよい。パネルフィルタは、ガスタービンに接続された吸気口流を濾過するために従来技術において周知の任意の適切な材料から製造される。当然のことながら、任意の適切なフィルタ構成、例えば、限定されるものではないがカートリッジ又はバッグを一次フィルタ54として使用できる。
【0023】
脱湿システム10は、チャンバ60の入口側56に沿って位置決めされた複数の垂直に離間配置された吸気フード40を含む。フード40は、任意の適切な手段によってハウジング52に取り付けられる。フード40の各々は、水平線に対して鋭角82で配置された表面を有する。この配向によって、図1に示すように、水分含有吸気流を最初に上向き方向に移動させる。フード40の配向はまた、大雨又は雪に遭った時に、比較的大きな水分液滴が吸気流44を介して脱湿システム10に入るのを防ぐ役目もする。
【0024】
図2は、本発明のフレーム90内に配置された複数のミストエリミネータ20の一実施形態の分解斜視図である。一実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、例えばねじ、ナットとボルト、接着剤、溶接部及びそれらの組み合わせだがこれに限らない複数の取付手段を含むことができる取付点86においてフレーム90に取り付けられる。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、フレーム90の側面97に取り付けられる。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、フレーム90内に配置され、ミストエリミネータ20を受け入れる複数のスロット(図示せず)によって所定の位置に保持される。
【0025】
図2の分解図でわかるように、フレーム90は、組み立ての際にフード40の下面80の若干上に位置することになる。フード40は、フード40の下面80の近くに位置するフランジ42又はリップを含む。フランジ42は、フード40の側面96及び正面96と隣接している。脱湿システム10を組み立てるために、フレーム90は、フレーム90がフード40の正面94又はその他の所望の位置に達するまで、フードの側面96に平行に延びるフランジ42に沿って(矢印92によって示すように)所定の位置に挿入又は摺動される。組立図の図3を参照のこと。組み立ての際に、フレーム90は、フード40の開口部を全体的に覆う。フレーム90は、一般的に、例えばポリマー、アルミニウム、亜鉛めっき鋼、ステンレス鋼、及びそれらの組み合わせだがこれに限らない任意の適切な耐腐食性材料から構成される。
【0026】
図3は、その中に配置された複数のミストエリミネータ20を有するフード40の斜視図である。複数のミストエリミネータ20は、水平線に対して約45度の角度でフレーム90及びフード40内に配置される。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、水平線に対して約10度の角度〜約90度の角度でフレーム90及びフード40内に配置される。別の実施形態では、複数のミストエリミネータ20は、水平線に対して多数の様々な角度及び角度の組み合わせで配置される。フレーム90は、図1に示すように一般的にフード40内に水平方向に取り付けられる。一実施形態では、フレーム90の有無にかかわらず、複数のミストエリミネータ90がフード40の下面80の下に取り付けられるか配置される。別の実施形態では、ミストエリミネータ20は、フレーム90の底面98と同一平面上にある。図3に示すように、水分含有吸気流44は、空気流47がチャンバ60に入る前にフード40から出る空気流47から実質的に全ての水微粒子45を除去するために、複数のミストエリミネータ20の各々を超え、更に基板22及び複数の円錐台形状突起24の各々を超えて上向き方向に移動させられる。
【0027】
ミストエリミネータ20の一実施形態を図4に示す。ミストエリミネータ20は、基板22と、基板22の少なくとも片面に配置された複数の円錐台形状突起24(図5参照)とを含む。基板22は、略平面又は略曲面である。図5及び9に示すように、複数の円錐台形状突起24は、基板22の第1面21及び第2面23に配置される。その他の実施形態では、複数の円錐台形状突起24は、基板22の片面のみに配置される。図4に戻ると、複数の円錐台形状突起24は幾何学的形状を有し、基板22及び円錐台形状突起24と接触する水分含有空気44(図8参照)の水粒子45の合体及び保持が行なわれる間隔34で位置決めされる。一実施形態では、複数の円錐台形状突起24は、基板22上に均一に離間配置された間隔34で配置される。別の実施形態では、複数の円錐台形状突起24間の間隔34は、約100ミクロン〜約10ミリメートル(10,000ミクロン)、又は約500ミクロン〜約8ミリメートル(3000ミクロン)、又は約1ミリメートル(1000ミクロン)〜約5ミリメートル(2000ミクロン)である。更に別の実施形態では、複数の円錐台形状突起24間の間隔34は、複数の円錐台形状突起24の第2直径30即ち基部の約2倍である。更に別の実施形態では、複数の円錐台形状突起24は、均一に離間配置されるか、不規則に離間配置されるか、又はそれらの組み合わせである。
【0028】
図6及び7に示すように、複数の円錐台形状突起24の幾何学的形状には、高さ26、第1直径28、第2直径30、及び窪み深さ32が含まれる。円錐台形状突起24は一般的に火山形であり、その中に形成されたボウル84を含んでおり、これは第1直径28及び窪み深さ32によって画定される。一般的に、複数の円錐台形状突起24の各々は、同じ又はほぼ同じ幾何学的形状を有する。代替実施形態では、複数の円錐台形状突起24の各々又は複数の円錐台形状突起24の多数は、様々な幾何学的形状を有する。一実施形態では、円錐台形状突起24の高さ26は、約10ミクロン〜約5ミリメートル、又は約20ミクロン〜約3000ミクロン、又は約50ミクロン〜約1000ミクロンである。一実施形態では、円錐台形状突起24の第1直径28即ち上部は、約5ミクロン〜約1000ミクロン、又は約10ミクロン〜約3800ミクロン、又は約50ミクロン〜約500ミクロンである。一実施形態では、円錐台形状突起24の第2直径30即ち基部は、約100ミクロン〜約2ミリメートル(200ミクロン)、又は約250ミクロン〜約1.2ミリメートル(1200ミクロン)、又は約500ミクロン〜約1ミリメートル(1000ミクロン)である。別の代替実施形態では、第2直径30即ち基部は、円錐台形状突起の第1直径28即ち上部の約2倍である。一実施形態では、円錐台形状突起24の窪み深さ2即ちボウル深さは、約2.5ミクロン〜約500ミクロン、又は約5ミクロン〜約200ミクロン、又は約10ミクロン〜約150ミクロンである。代替実施形態では、窪み深さ32は、円錐台形状突起24の第1直径28のサイズの約半分である。
【0029】
図6及び7に示すように、円錐台形状突起24はボウル84即ち窪みを含む。ボウル84は、第1直径28及び窪み深さ32によって画定される。作動中、水分含有吸気流44はミストエリミネータ20(図8〜11参照)の上を通過する。水粒子45を有する水分含有吸気流44は、円錐台形状突起24の略傾斜面88に対して上向きにボウル84内へ案内される。丸い表面及び表面積を含むボウル84は、水分含有吸気流44から水粒子45を収集する。ボウル84の曲面は、水粒子45を合体又は収集するための親水性領域を形成する。ボウル84の親水性領域は、ボウル84内で生じた局所的な表面張力効果とも結びつくマイクロスケールレベルの空気力学的効果によって形成されると推測される。水分含有吸気流44が複数の円錐台形状突起24の上を通過するにつれて、吸気流44からますます多くの水微粒子45がボウル84内に収集される。より多くの水微粒子45がボウル84内で合体するにつれて、ボウル84の親水性領域と、既に収集された水粒子の表面張力及び引力即ち凝集力とがより多くの水微粒子45を収集して合体させ続ける。ボウル84は、水微粒子45を大きな水滴48に合体させることができる。「大きな水滴」という用語はその文法的変異によって、水滴48が一般的にボウル84から水滴48を引き出すのに十分な重力の大きさであると共に、大きな液滴48がフード40から引き出される空気の上向きの揚力を容易に克服するであろうサイズを有することを意味する。一実施形態では、大きな水滴48は、一般的に約500〜約10,000ミクロンの大きさである。大きな水滴48がボウル84のサイズよりも大きくなると、表面張力がボウル84内に大きな液滴48を保持できなくなり、大きな液滴48はボウル84から出て、一般的に疎水性である基板22上へ流れる。下向き方向46で示す重力又は下降流は、ミストエリミネータ20から大きな液滴48を押し出す(図8及び9参照)。大きな液滴48は、大きすぎて吸気流44でフードへ運ぶことができない。大きな液滴48は地面に落下して、コンテナ又はドレンシステムに収集される。吸込雨よけ及びミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。
【0030】
一実施形態では、ミストエリミネータ20は耐腐食性材料から構成される。別の実施形態では、基板22及び円錐台形状突起24は同じ耐腐食性材料から構成される。更に別の実施形態では、基板22は、円錐台形状突起24とは異なる耐腐食性材料から構成される。適切な耐腐食性材料の別の特性は、例えば吸込雨よけ又は冷却塔における荷重及び吸気力に耐えられるほど十分に強いことである。適切な耐腐食性材料は、これらに限定されないが、ポリマー、アルミニウム、ステンレス鋼、及びそれらの組み合わせである。適切なプラスチックは、これらに限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)だがこれに限らないポリエステル、硬質ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド又はナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン(PE)、例えばポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレンだがこれに限らないフルオロポリマー、及びそれらの組み合わせである。
【0031】
耐腐食性材料の選択に基づいて、ミストエリミネータ20は、例えば鋳造、鍛造、熱処理、溶接、成形、又はそれらの任意の適切な組み合わせだがこれに限らない任意の適切な技術によって形成できる。ミストエリミネータ20は、既存の部品に形成するか、又は独自の部品として形成して、例えばフード40内に配置されたフレーム90(図3参照)だがこれに限らない任意の適切な手段によってフード40に追加できる。図4及び5に示すようにミストエリミネータ20の全体寸法は、様々なフード寸法に適合するように変化させることができる。一実施形態では、ミストエリミネータ20の基板22の寸法には、約10ミリメートル〜約10,000ミリメートルの第1直径25、約10ミリメートル〜約30,000ミリメートルの第2直径31、約0.01ミリメートル〜約100ミリメートルの第3直径33又は厚さが含まれる。
【0032】
図8は、図3の吸込雨よけの線8−8に沿った断面図である。複数のミストエリミネータ20の各々は、その少なくとも片面に配置された複数の略円錐台形状突起24を有する少なくとも1つの基板22を含む。この実施形態では、基板22は略平面である。図8に示すように、水分含有吸気流44は、略平面状基板22及び複数の円錐台形状突起24を有する複数のミストエリミネータ20と約45度の角度で接触する。作動中、水粒子45を有する吸気流44は、ミストエリミネータ20に対して移動させられて、複数の円錐台形状突起24のボウル84内で水微粒子45が収集又は合体することになる。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。複数の円錐台形状突起24の各々のボウル84によって収集された水粒子45は大きな水滴48を形成し、これが円錐台形状突起24の側面88を略平面状基板22へと流れ落ちる。大きな水滴48が略平面状基板22に達すると、大きな水滴48は、下向き方向46の重力によってミストエリミネータ20から取り除かれる。一実施形態では、ミストエリミネータ20から落ちる大きな水滴48は、吸込雨よけ40(図示せず)に沿ったコンテナ又は収集システム、或いは隣接する吸込雨よけ40から離れたランド及びロールによって収集される。
【0033】
図9は、ミストエリミネータ20の代替実施形態を示す。図9のミストエリミネータ20は、「V字形」を形成する2つの略平面状基板22を含む。V字形ミストエリミネータ20は、任意の適切な方法を用いて、例えばこれに限らないが、2つの略平面状基板22を溶接することによって、又は単一の略平面状基板22を曲げて「V字形」を形成することによって形成される。図示するように、水分含有吸気流44は、蛇行した「S」字形模様で「V字形」ミストエリミネータ20上を流れるように強いられ、これによって水粒子45を有する吸気流44が各々のミストエリミネータ20の基板22及び複数の表面に複数回接触するようになる。図9に示すように、「V字形」ミストエリミネータ20は、各々の略平面状のV字形基板22上に複数の円錐台形状突起24を含む。「V字形」ミストエリミネータ20が水分含有吸気流44を屈曲させることによって、水粒子45を有する吸気44を基板22表面及びその上に位置する円錐台形状突起24全体に押す遠心力が発生する。水粒子45を有する吸気流44が複数の円錐台形状突起24の各々のボウル84と接触する時に、水粒子45が水分含有吸気流44から収集される。水分含有吸気流44をミストエリミネータ20に対して移動させることによって、水微粒子45が複数の円錐台形状突起24の各々のボウル84内で収集又は合体することになる。水微粒子45は大きな液滴を形成する。大きな水滴48がボウル84のサイズを超えると、大きな水滴48はミストエリミネータ20の略平面状基板22に沿って下向き方向46即ち重力方向に移動する。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。
【0034】
図10は、ミストエリミネータ20の代替実施形態を示す。ミストエリミネータ20は、略平面状基板22と、複数の円錐台形状突起24とを含む。ミストエリミネータ20の各々は、フレーム90の全体にわたって少しずつずらして配列される。図10に示すように、水分含有吸気流44は2つの隣接するミストエリミネータ20の間を案内され、3つ目のミストエリミネータ20によって向きが変えられる。ミストエリミネータ20の配列によって、水粒子45を有する吸気流44が多数の異なるミストエリミネータ20と接触するようになる。水分含有吸気44がミストエリミネータ20の上を通過する時に、水粒子45が吸気44から除去される。水粒子45は、それらが大きな水滴48を形成するのに十分な大きさになるまで、円錐台形状突起24のボウル84内で収集される。大きな水滴48がボウル84のサイズを超えると、大きな水滴48はミストエリミネータ20の略平面状基板22に沿って下向き方向46即ち重力方向に移動する。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。
【0035】
図11及び12は、ミストエリミネータの別の代替実施形態を示す。ミストエリミネータ20は、その上に配置された複数の円錐台形状突起24を有する略曲面状基板22を含む。円錐台形状突起24は、略曲面状基板22の両面に配置される。別の実施形態では、円錐台形状突起24は、略曲面状表面の片面に配置される。略曲面状のミストエリミネータ20が水分含有吸気流44を屈曲させることによって、吸気44を略曲面状基板22表面及びその上に位置する円錐台形状突起24全体に押す遠心力が発生する。水粒子45を有する吸気流44は、ミストエリミネータ20の略曲面状表面22及び複数の円錐台形状突起24と接触し、その上を通過する。水分含有吸気44がミストエリミネータ20の上を通過する時に、水粒子45が吸気44から除去される。ミストエリミネータ20から出る空気流47は、実質的に水粒子45がない。水粒子45は、それらが大きな水滴48を形成するのに十分な大きさになるまで、円錐台形状突起24のボウル84内で収集される。大きな水滴48がボウル84のサイズを超えると、大きな水滴48はミストエリミネータ20の略曲面状基板22に沿って下向き方向46即ち重力方向に移動する。
【0036】
図12に示すように、略曲面状のミストエリミネータ20はフレーム90内に配置される。フレーム90は、ミストエリミネータ20を適所に保持する複数の側面97を含む。フレーム90は吸込雨よけ40(図3参照)に挿入され、一実施形態では、フレームの底面98が複数のフランジ42によって支持される。複数のミストエリミネータを保持するその他の構成と、複数のミストエリミネータを吸気流、例えば吸込雨よけ40に含む付加的な構成とが可能である。
【0037】
本発明は、好ましい実施形態に関して述べてきたが、当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であり、そして、本発明の構成要素に対して同等物の置換えが可能であることが理解されるであろう。更に、本発明の本質的な技術的範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に照らして、多くの修正を行なうことが可能である。従って、本発明は、本発明を実施するにあたって想定される最適の態様として開示した特定の実施形態に限定されず、本発明には、特許請求の範囲の技術的範囲内にある全ての実施形態が含まれることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(22)と、
前記基板(22)上に配置された複数の円錐台形状突起(24)とを備えており、
前記複数の円錐台形状突起(24)は幾何学的形状(26、28、30、31、32、33)を有し、前記基板(22)及び前記複数の円錐台形状突起(24)と接触する水分含有空気(44)の水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔(34)で位置決めされる、ミストエリミネータ(20)。
【請求項2】
前記基板(22)は略平面又は略曲面である、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項3】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記幾何学的形状(26、28、30、32)には、高さ(26)、第1直径(28)、第2直径(30)、及び窪み深さ(32)が含まれる、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項4】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記高さ(26)は、約10ミクロン〜約5ミリメートルである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項5】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記第1直径(28)は、約5ミクロン〜約1000ミクロンである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項6】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記第2直径(30)は、約100ミクロン〜約2ミリメートルである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項7】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記窪み深さ(32)は、約2.5ミクロン〜約500ミクロンである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項8】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記窪み深さ(32)は、前記複数の円錐台形状突起(24)の前記第1直径(28)の約半分である、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項9】
前記基板(22)上の前記複数の円錐台形状突起(24)の各々の間の前記間隔(34)は、約100ミクロン〜約10ミリメートルである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項10】
前記基板(22)上の前記複数の円錐台形状突起(24)の各々の間の前記間隔(34)は、前記第2直径(30)の約2倍である、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項11】
前記基板(22)及び前記複数の円錐台形状突起(24)は耐腐食性材料から構成される、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項12】
前記耐腐食性材料は、プラスチック、シリコン、アルミニウム、ステンレス鋼、及びそれらの組み合わせである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項13】
前記複数の円錐台形状突起(24)は前記基板(22)と一体的に形成される、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項14】
前記複数の円錐台形状突起(24)は前記基板(20)の両面に形成される、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項15】
ガスタービン(70)の脱湿システム(10)であって、
一次フィルタ(54)を支持し、前記ガスタービン(72)と動作可能に接続されるハウジング(52)と、
前記ハウジング(52)に取り付けられ、水平線に対して鋭角(82)で配置された表面を有するフード(40)と、
前記フード(40)内に配置された複数のミストエリミネータ(20)であって、
基板(22)と、
前記基板(22)上に配置された複数の円錐台形状突起(24)とを含む前記複数のミストエリミネータ(20)とを備えており、
前記複数の円錐台形状突起(24)は、幾何学的形状(26、28、30、32)を有し、前記基板(22)及び円錐台形状突起(24)と接触する水分含有空気(44)の水粒子(45)の合体及び保持が行なわれる間隔(34)で位置決めされる、脱湿システム(10)。
【請求項16】
前記基板(22)は略平面又は略曲面である、請求項15に記載の脱湿システム(10)。
【請求項17】
前記複数のミストエリミネータ(20)はフレーム(90)内に配置される、請求項15に記載の脱湿システム(10)。
【請求項18】
前記複数のミストエリミネータ(20)は、水平線に対して約10度〜約90度の角度をなして位置決めされる、請求項15に記載の脱湿システム(10)。
【請求項19】
ガスタービン(72)へと流れる吸気(44)から水粒子(45)を除去する方法であって、
一次空気フィルタ(54)を支持し、前記ガスタービン(72)と動作可能に接続されるハウジング(52)を設けるステップと、
前記ハウジング(52)と接続され、水平線に対して鋭角(82)で配置された表面を有するフード(40)を設けるステップと、
前記フード(40)内に配置され、幾何学的形状(26、28、30、32)を有し、水粒子(45)の合体及び保持が行なわれる間隔(34)で配置される複数の円錐台形状突起(24)で覆われた基板(22)を有する少なくとも1つのミストエリミネータ(20)を設けるステップと、
前記少なくとも1つのミストエリミネータ(20)上へ吸気流(44)を案内し、そこで前記複数の円錐台形状突起(24)の前記幾何学的形状(26、28、30、32)によって前記吸気(44)の前記複数の水粒子(45)を液滴(48)に合体させて保持するステップとを含む、方法。
【請求項20】
複数の円錐台形状突起(24)の前記幾何学的形状(26、28、30、32)には、高さ(26)、第1直径(28)、第2直径(30)、及び窪み深さ(32)が含まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
基板(22)と、
前記基板(22)上に配置された複数の円錐台形状突起(24)とを備えており、
前記複数の円錐台形状突起(24)は幾何学的形状(26、28、30、31、32、33)を有し、前記基板(22)及び前記複数の円錐台形状突起(24)と接触する水分含有空気(44)の水粒子の合体及び保持が行なわれる間隔(34)で位置決めされる、ミストエリミネータ(20)。
【請求項2】
前記基板(22)は略平面又は略曲面である、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項3】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記幾何学的形状(26、28、30、32)には、高さ(26)、第1直径(28)、第2直径(30)、及び窪み深さ(32)が含まれる、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項4】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記高さ(26)は、約10ミクロン〜約5ミリメートルである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項5】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記第1直径(28)は、約5ミクロン〜約1000ミクロンである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項6】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記第2直径(30)は、約100ミクロン〜約2ミリメートルである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項7】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記窪み深さ(32)は、約2.5ミクロン〜約500ミクロンである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項8】
前記複数の円錐台形状突起(24)の前記窪み深さ(32)は、前記複数の円錐台形状突起(24)の前記第1直径(28)の約半分である、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項9】
前記基板(22)上の前記複数の円錐台形状突起(24)の各々の間の前記間隔(34)は、約100ミクロン〜約10ミリメートルである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項10】
前記基板(22)上の前記複数の円錐台形状突起(24)の各々の間の前記間隔(34)は、前記第2直径(30)の約2倍である、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項11】
前記基板(22)及び前記複数の円錐台形状突起(24)は耐腐食性材料から構成される、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項12】
前記耐腐食性材料は、プラスチック、シリコン、アルミニウム、ステンレス鋼、及びそれらの組み合わせである、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項13】
前記複数の円錐台形状突起(24)は前記基板(22)と一体的に形成される、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項14】
前記複数の円錐台形状突起(24)は前記基板(20)の両面に形成される、請求項1に記載のミストエリミネータ(20)。
【請求項15】
ガスタービン(70)の脱湿システム(10)であって、
一次フィルタ(54)を支持し、前記ガスタービン(72)と動作可能に接続されるハウジング(52)と、
前記ハウジング(52)に取り付けられ、水平線に対して鋭角(82)で配置された表面を有するフード(40)と、
前記フード(40)内に配置された複数のミストエリミネータ(20)であって、
基板(22)と、
前記基板(22)上に配置された複数の円錐台形状突起(24)とを含む前記複数のミストエリミネータ(20)とを備えており、
前記複数の円錐台形状突起(24)は、幾何学的形状(26、28、30、32)を有し、前記基板(22)及び円錐台形状突起(24)と接触する水分含有空気(44)の水粒子(45)の合体及び保持が行なわれる間隔(34)で位置決めされる、脱湿システム(10)。
【請求項16】
前記基板(22)は略平面又は略曲面である、請求項15に記載の脱湿システム(10)。
【請求項17】
前記複数のミストエリミネータ(20)はフレーム(90)内に配置される、請求項15に記載の脱湿システム(10)。
【請求項18】
前記複数のミストエリミネータ(20)は、水平線に対して約10度〜約90度の角度をなして位置決めされる、請求項15に記載の脱湿システム(10)。
【請求項19】
ガスタービン(72)へと流れる吸気(44)から水粒子(45)を除去する方法であって、
一次空気フィルタ(54)を支持し、前記ガスタービン(72)と動作可能に接続されるハウジング(52)を設けるステップと、
前記ハウジング(52)と接続され、水平線に対して鋭角(82)で配置された表面を有するフード(40)を設けるステップと、
前記フード(40)内に配置され、幾何学的形状(26、28、30、32)を有し、水粒子(45)の合体及び保持が行なわれる間隔(34)で配置される複数の円錐台形状突起(24)で覆われた基板(22)を有する少なくとも1つのミストエリミネータ(20)を設けるステップと、
前記少なくとも1つのミストエリミネータ(20)上へ吸気流(44)を案内し、そこで前記複数の円錐台形状突起(24)の前記幾何学的形状(26、28、30、32)によって前記吸気(44)の前記複数の水粒子(45)を液滴(48)に合体させて保持するステップとを含む、方法。
【請求項20】
複数の円錐台形状突起(24)の前記幾何学的形状(26、28、30、32)には、高さ(26)、第1直径(28)、第2直径(30)、及び窪み深さ(32)が含まれる、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−117521(P2012−117521A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−255664(P2011−255664)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255664(P2011−255664)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
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