ミスト噴射弁
【課題】ミスト噴射弁への供給水圧が給湯栓からの動水圧程度である場合にも、正常なスプレー・パターンを得ることができ、微細なミストを噴霧することが可能なミスト噴射弁を提供する。
【解決手段】断面円形の旋回流発生室14と、旋回流発生室14にほぼ接線方向に連通している1乃至複数の流入口15と、旋回流発生室14の一端に開口し、旋回流発生室14の中心軸と同軸にオリフィス形状に形成された噴射口16を備えたミスト噴射弁1において、旋回流発生室14から噴射口16の出口にかけての内壁面の曲折部分をすべて滑らかな曲面で形成する。これにより、旋回流発生室の内部で渦巻流を乱す乱流の発生が抑えられ、入水圧が低い場合であっても、噴射される薄水膜はよく広がり、ホロコーンの乱れが少なくなる。そして、膜状分裂が良好となり、噴射圧が低くても、細かい噴霧を得ることが可能となる。
【解決手段】断面円形の旋回流発生室14と、旋回流発生室14にほぼ接線方向に連通している1乃至複数の流入口15と、旋回流発生室14の一端に開口し、旋回流発生室14の中心軸と同軸にオリフィス形状に形成された噴射口16を備えたミスト噴射弁1において、旋回流発生室14から噴射口16の出口にかけての内壁面の曲折部分をすべて滑らかな曲面で形成する。これにより、旋回流発生室の内部で渦巻流を乱す乱流の発生が抑えられ、入水圧が低い場合であっても、噴射される薄水膜はよく広がり、ホロコーンの乱れが少なくなる。そして、膜状分裂が良好となり、噴射圧が低くても、細かい噴霧を得ることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト・サウナ装置等でミストを発生するノズルとして使用されるミスト噴射弁に係るもので、特に、低水圧で供給される水又は温水を旋回流(渦巻流:swirl)として空円錐(hollow-cone)状に噴射するミスト噴射弁に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、浴室内の暖房や、家庭の浴室でサウナを楽しむための装置としてミスト・サウナ装置が普及している。ミスト・サウナ装置は、給湯器や太陽熱温水器などから供給される温水を、温水ミストとして浴室内に噴霧し、浴室内の暖房を行う装置である。このようなミスト・サウナ装置では、温水をミストとして噴霧するミスト噴射弁が使用される。
【0003】
流体を微粒子化(ミスト化)するミスト噴射弁としては、従来から圧力式微粒子化弁として様々なノズルが考案されている。主要な圧力式微粒子化弁は、図9に示したように、単一噴孔ノズル、単純渦巻噴射弁、重複渦巻噴射弁、2重噴孔噴射弁、ファンスプレーノズル、還流噴射弁などに分類される(非特許文献1参照)。ミスト・サウナ装置のように入水圧が比較的低いような装置では、通常は、低い入水圧でも細かい噴霧が得られる渦巻噴射弁(swirl nozzle)が使用される。
【0004】
図10に、典型的な渦巻噴射弁(単純渦巻噴射弁)の動作原理図を示す。渦巻噴射弁は、渦巻流を利用して液体を膜状分裂により微粒子化するノズルである。上水道や給湯器から供給される水は流入口101から旋回流発生室102に流入される。流入口101は、旋回流発生室102の側壁に、接線方向に開けられている。旋回流発生室102に流入された水は、入水圧によって旋回流発生室102内で旋回する。そして、旋回流発生室102の一端側壁に、旋回流発生室102の中心軸と同軸に開口形成された噴射口103から噴射される。このとき、旋回流発生室102内には、噴射口103から旋回流発生室102内にかけて中心軸上に空気芯108が生じる(図10(b)参照)。噴射された水は、旋回速度と軸方向速度とを持っている。従って、図10に示されたように、空円錐状の薄水膜(空円錐水膜104)を形成する。空円錐水膜104は、運動方向に沿った波を持つ振動が発生するため、ついには進行に直角な方向に並んで孔105があき、表面張力のためこれがたちまち拡大して、孔と孔の境は紐状となり、次いで小さな紐状106となり、最終的に微粒子化してミスト107となる。このような微粒子化過程は「膜状分裂」と呼ばれている。
【0005】
従来公知の単純渦巻噴射弁としては、例えば、特許文献1〜3に記載のものがある。ここでは、代表的に特許文献1記載の単純渦巻噴射弁を説明することとし、その構成を図11に示す。
【0006】
単純渦巻噴射弁120のノズル・ボディ121は、収容部122、区画部123、及びノズル口体124の3つの部分からなる。収容部122は、一端に水が流入する導入口122aが形成され、他端が拡径した円筒管状体である。区画部123は、開口端側にフランジ状のスカート部123aが形成された有底円筒状に形成されている。区画部123は、収容部122の拡径部分の管内に挿入され、スカート部123aによって収容部122の端部を閉蓋している。区画部123の内部の空洞が旋回流発生室125となっている。旋回流発生室125の円筒状の側壁の一カ所に、円筒のほぼ接線方向に流入口126が穿孔されている。導入口122aと旋回流発生室125とは、流入口126により連通されている。
【0007】
区画部123のスカート部123a側には、中心軸に沿って噴射口127が穿孔された筒状のノズル口体124が嵌合されている。噴射口127は、その中央部124aが縮径したオリフィス状に形成されている。噴射口127は、旋回流発生室125側の流入部124bの管壁が円錐台筒状に形成され、中央部124aに向かって一定角度で縮径している。中央部124aの内壁面は、直円筒状に形成されている。そして、流出部124cは徐々に開口面積が拡径するように形成されている。中央部124aから流出部124cにかけての噴射口127内壁面は、滑らかに連続的な曲面(以下、「付着面」という。)に形成されている。
【0008】
尚、ノズル口体124は旋回流発生室125の筒内に螺合されており、噴射口127の流入部124bの最大内径は、旋回流発生室125の内径よりも一定長さだけ小さく、流入部124bと旋回流発生室125との境界は、ノズル口体124の外側ねじ加工を確実にするため、段差状に縮径している。
【0009】
この構成により、以下のような噴霧過程によりミストの噴霧が行われる。まず、導入口122aから水又は温水(以下、「湯水」という。)が流入される。流入した湯水は、収容部122内を通って区画部123の周縁に回り込み、流入口126から旋回流発生室125に流入する。旋回流発生室125内に流入した湯水は、渦巻流となり、噴射口127を通って噴射される。噴射された湯水は、空円錐状に広がり、上述のように膜状分裂により微粒子化する。その結果、ミストの噴霧が行われる。
【0010】
ここで、噴射口127の中央部124aから流出部124cにかけては滑らかな曲面状に形成されているため、噴射口127から水が噴射される際、噴出される湯水は付着面に付着しながら噴出される。そのため、湯水の供給水圧が小さい場合でも噴霧角度を大きくすることができる。すなわち、低供給水圧でも膜状分裂を効率的に発生させ、ミストの噴霧を行うことができる。
【特許文献1】特開2000−254556号公報
【特許文献2】特開平7−88531号公報
【特許文献3】特開平11−151457号公報
【非特許文献1】柳田博明監修,「微粒子工学大系 第1巻 基本技術」,初版,フジ・テクノシステム,2001年10月31日,p.269
【非特許文献2】小林清志,荒木信幸,牧野敦,「機械工学基礎講座 燃焼工学−基礎と応用−」,第1版,理工学社,1988年8月31日,pp.77−86
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ミスト・サウナ装置を通常の上水道や給湯栓に直接接続して使用する場合、上水道や給湯栓から送水される水や温水の供給水圧が非常に低くなる。具体的には、通常の上水道の供給水圧は0.3〜0.8MPa程度であるが、減圧弁、給湯器を経た実際の給湯栓の蛇口での動水圧(解放圧)は、0.035〜0.040MPa程度となる。
【0012】
一方、上記従来の渦巻噴射弁を使用した場合、実験結果によれば、ノズル1個当たりの水量を0.3リットル/minとした場合、0.05MPaを下回る供給水圧では空円錐状のスプレー・パターンを維持することができない。また、同時に、斯かる低供給水圧の領域においては、薄水膜が十分に広がらないため、膜状分裂が十分に生じない。そのため、噴霧粒子が大きくなる。噴霧粒子の粒径(粒体積)が大きいと、渦巻噴射弁から温水が噴射された後も、温水の水滴の温度が下がりにくくなる。このとき温水の設定温度が高いと、高温の水滴が噴射されるおそれがあり、安全上の問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、供給水量を0.2〜0.3リットル/minの場合に、供給水圧が0.035〜0.040MPa程度である場合にも、正常なスプレー・パターンを得ることができ、微細なミストを噴霧することが可能なミスト噴射弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題の解決をするために、本発明者は従来の単純渦巻噴射弁に対して、種々の改良を試みると共に、低供給水圧の領域においては、薄水膜が十分に広がらなくなる原因の究明を行った。その結果、低供給水圧では旋回流発生室と噴射口との間の内壁面が曲折した不連続面の部分において大きな乱流が生じ、これが旋回流発生室内を乱すことを突き止めた。この乱れによって、噴射口から噴射される空円錐水膜が乱され、その結果、膜状分裂が不完全となり正常なスプレー・パターンが得られないことが分かった。本発明は、以上のようにして得られた知見に基づいてなされたものである。
【0015】
すなわち、本発明に係るミスト噴射弁は、断面円形の旋回流発生室と、前記旋回流発生室にほぼ接線方向に連通している1乃至複数の流入口と、前記旋回流発生室の一端に開口し、前記旋回流発生室の中心軸と同軸にオリフィス形状に形成された噴射口と、を備えたミスト噴射弁において、前記旋回流発生室から前記噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分がすべて滑らかな曲面に形成されていることを特徴とする。
【0016】
このように、旋回流発生室から噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分をすべて滑らかな曲面に形成することによって、旋回流発生室の内部で渦巻流を乱す乱流の発生が抑えられる。そのため、噴射口から噴射される水に旋回力が良好に伝わる。従って、入水圧が低い場合であっても、噴射される薄水膜はよく広がり、空円錐(ホロコーン)の乱れが少なくなる。そして、噴射圧が低くても、細かい噴霧を得ることが可能となる。
【0017】
また、本発明において、前記噴射口の最狭部の断面積S2と、すべての前記流入口の総断面積S1との比率が、S2:S1=1:1.8〜1:2.4とすることができる。
【0018】
この面積比とすることで、もっとも良好なスプレー・パターンを得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係るミスト噴射弁によれば、旋回流発生室から噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分をすべて曲面に形成することによって、旋回流発生室から噴射口の出口まで水の旋回運動が良好に維持される。その結果、入水圧(動圧)が0.035MPaと低いときに、噴射量が0.26リットル/minの場合であっても、正常なスプレー・パターンが得られ、小さく均一な噴霧粒子を噴射させることが可能となる。
【0020】
また、このミスト噴射弁を、ミスト・サウナ装置に使用すれば、出水圧が低圧の給湯器を使用することが可能となる。給湯器の出水圧が低圧であっても、噴霧粒子が小さいので、ミスト噴射弁の噴射口に近寄って火傷をするといった危険性を低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1に係るミスト噴射弁の構成を表す図である。図1(a)が噴射口の側から見たミスト噴射弁の正面図、図1(b)がミスト噴射弁の側面図、図1(c)がその断面図である。図2は、図1のミスト噴射弁のノズル口体の構成を表す図である。図2(a)はノズル口体の断面図、図2(b)は、ノズル口体の背面図である。
【0023】
ミスト噴射弁1は、中空筒状のノズル・ボディ2を備えている。ノズル・ボディ2の後端部2aは、水又は湯(以下「湯水」という。)が流入される導入口3が開口している。また、ノズル・ボディ2の前端部2bには、内フランジ4が形成されている。
【0024】
ノズル・ボディ2の筒内部には、導入口3の側から、押止コア5及びノズル口体6が設けられている。押止コア5は、導入口3の側から、螺合部7、連結部8、及び閉蓋部9の3つの部分から構成されている。螺合部7は、筒状で中心軸に沿って中央孔10が穿孔されている。螺合部7の外側側壁には雄ネジ11aが刻設されている。この雄ネジ11aが、ノズル・ボディ2の筒内に刻設された雌ネジ11bと螺合して、押止コア5をノズル・ボディ2の筒内に固定するとともに、ノズル口体6を内フランジ4に内側から押止している。
【0025】
連結部8は、螺合部7と閉蓋部9とを連結する括れ部分である。連結部8は中心軸部分は中空であり、中心軸に沿って左右2本の部材で構成されている。左右2本の部材の間は横穴12であり、導入口3から流入する温水は、中央孔10を通って、横穴12から閉蓋部9とノズル・ボディ2の筒内壁との間の流入路13に流入することができる。
【0026】
閉蓋部9は円柱ブロック状であり、ノズル口体6に圧接している。
【0027】
ノズル口体6は、外周面が大径部6aと小径部6bとの段差円筒形状に形成されている。小径部6bが内フランジ4に嵌合し、大径部6aと小径部6bとの間の段差部6cが内フランジ4の内側に当接して押止コア5により押圧された状態で固定されている。ノズル口体6は、中心軸に沿って噴射口16が穿孔されている。
【0028】
大径部6aの内側には断面円形の旋回流発生室14が形成されている。旋回流発生室14は、大径部6aの端面側に形成された円形凹部14aを閉蓋部9が閉蓋することによって構成されている。
【0029】
また、大径部6aの端面側には、回転流発生室14にほぼ接線方向に連通している2つの流入口15,15が形成されている。流入口15,15は、ノズル口体6の大径部6aの端面側に形成された流入溝15a,15aを閉蓋部9が閉蓋することによって構成されている。
【0030】
旋回流発生室14から小径部6bを貫通して、オリフィス状に噴射口16が形成されている。噴射口16は、旋回流発生室14の側から噴射口16中央にかけて徐々に縮径し、噴射口16中央の径が最も小さく、噴射口16中央から噴射口16の出口にかけて徐々に拡径する流路形状に形成されている。また、旋回流発生室14から噴射口16の出口にかけての内壁面の曲折部分20,21,22がすべて滑らかな曲面に形成されている。
【0031】
更に、噴射口16中央の最小径部分の流路面積(以下「噴射流路面積」という。)をS2、各流入口15の流路面積の和(以下「流入流路面積」という。)をS1とすると、面積比はS2:S1=1:1.8〜1:2.4となるように形成されている。
【0032】
以上のような構成の本実施例のミスト噴射弁について、以下その動作を説明する。まず、導入口3に水道栓や給湯栓から水又は温水(以下まとめて「水」という。)が流入される。導入口3に流入した水は、押止コア10の中央孔10から横穴12を通り、流入路13へ流入する。そして、2つの流入口15,15から旋回流発生室14に流入する。流入口15は、旋回流発生室14の接線方向に向けて開口しているので、旋回流発生室14に流入した水は、旋回流発生室14の壁面に沿って旋回し渦流を形成する。そして、旋回しながらノズル口体6の軸方向に進み、噴射口16を通ってミスト噴射弁1の先端から噴射される。噴射された水は、旋回速度と軸方向速度を持ったまま噴射され、空円錐(ホロコーン)状の薄水膜を形成する。そして、薄水膜は膜状分裂により微粒子化しミストとなる。これにより、ミストが噴霧される。
【0033】
ここで、旋回流発生室14から噴射口16の出口にかけての内壁面の曲折部分20,21,22は、すべて滑らかな曲面に形成されているので乱流が生じにくい。従って、旋回流発生室14から噴射口16の出口に旋回しながら移動する水流は、大きな乱流を生じることなく噴射口16から噴射されるため、旋回力のロスが小さい。従って、給湯栓のように流入口15からの供給水圧が低い場合でも噴射口16の出口まで水の旋回運動が保たれ、噴射口16から噴射される水は空円錐状の正常な薄水膜を形成する。従って、正常なスプレー・パターンが得られ、また、膜状分裂により粒径が小さく均一なミストが噴霧される。
【0034】
最後に、噴射流路面積S2と流入流路面積S1との面積比とスプレー・パターンとの関係についての実験結果について説明する。
【0035】
使用したミスト噴射弁の寸法は、噴射口16の最小直径が1.4mmφ、噴射口16の長さが2mm、旋回流発生室14の直径が4.78mmφ、旋回流発生室14の高さが2mmとした。
【0036】
図3〜図10は、噴射流路面積S2と流入流路面積S1との面積比R=S2:S1を変化させたときのスプレー・パターンの変化を表す図である。何れの場合においても、導入口3へ供給する水の供給水圧は0.04MPaとしている。
【0037】
供給水圧0.04MPaにおいて、面積比R=1:2のときには、図3に示したように、正常な空円錐状の薄水膜が形成され、良好なスプレー・パターンが得られる。そこで、面積比R=1:2を基準として、その上下に面積比Rを変化させた実験結果を(表1)に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
以上の実験結果から、供給水圧は0.04MPaにおける面積比Rの許容範囲は、およそR=1:1.17〜1:2.65、面積比Rの最適値は、およそR=1:1.6〜1:2.4であると結論づけられる。
【0040】
実際にミスト噴射弁1を給湯栓に接続して使用した場合、水道の供給水圧は0.3〜0.8MPa程度である。貯湯式給湯器から給湯栓等の減圧弁を通した動水圧は0.04MPa程度である。そこで、ミスト噴射弁1の使用条件としては、導水口3への供給水圧が0.035〜0.05MPaの範囲としておけばよい。そうすると、上記実験結果を参照すれば、面積比Rの最適値はR=1:1.8〜1:2.4であると結論づけられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1に係るミスト噴射弁の構成を表す図である。
【図2】図1のミスト噴射弁のノズル口体の構成を表す図である。
【図3】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図4】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:1.17,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図5】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:1.55,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図6】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2.33,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図7】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2.49,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図8】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2.65,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図9】主要な圧力式微粒子化弁の模式断面図である。
【図10】典型的な渦巻噴射弁(単純渦巻噴射弁)の動作原理図である。
【図11】特許文献1に記載の単純渦巻噴射弁の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ミスト噴射弁
2 ノズル・ボディ
2a 後端部
2b 前端部
3 導入口
4 内フランジ
5 押止コア
6 ノズル口体
6a 大径部
6b 小径部
6c 段差部
7 螺合部
8 連結部
9 閉蓋部
10 中央孔
11a 雄ネジ
11b 雌ネジ
12 横穴
13 流入路
14 旋回流発生室
14a 円形凹部
15 流入口
15a 流入溝
16 噴射口
20,21,22 曲折部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト・サウナ装置等でミストを発生するノズルとして使用されるミスト噴射弁に係るもので、特に、低水圧で供給される水又は温水を旋回流(渦巻流:swirl)として空円錐(hollow-cone)状に噴射するミスト噴射弁に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、浴室内の暖房や、家庭の浴室でサウナを楽しむための装置としてミスト・サウナ装置が普及している。ミスト・サウナ装置は、給湯器や太陽熱温水器などから供給される温水を、温水ミストとして浴室内に噴霧し、浴室内の暖房を行う装置である。このようなミスト・サウナ装置では、温水をミストとして噴霧するミスト噴射弁が使用される。
【0003】
流体を微粒子化(ミスト化)するミスト噴射弁としては、従来から圧力式微粒子化弁として様々なノズルが考案されている。主要な圧力式微粒子化弁は、図9に示したように、単一噴孔ノズル、単純渦巻噴射弁、重複渦巻噴射弁、2重噴孔噴射弁、ファンスプレーノズル、還流噴射弁などに分類される(非特許文献1参照)。ミスト・サウナ装置のように入水圧が比較的低いような装置では、通常は、低い入水圧でも細かい噴霧が得られる渦巻噴射弁(swirl nozzle)が使用される。
【0004】
図10に、典型的な渦巻噴射弁(単純渦巻噴射弁)の動作原理図を示す。渦巻噴射弁は、渦巻流を利用して液体を膜状分裂により微粒子化するノズルである。上水道や給湯器から供給される水は流入口101から旋回流発生室102に流入される。流入口101は、旋回流発生室102の側壁に、接線方向に開けられている。旋回流発生室102に流入された水は、入水圧によって旋回流発生室102内で旋回する。そして、旋回流発生室102の一端側壁に、旋回流発生室102の中心軸と同軸に開口形成された噴射口103から噴射される。このとき、旋回流発生室102内には、噴射口103から旋回流発生室102内にかけて中心軸上に空気芯108が生じる(図10(b)参照)。噴射された水は、旋回速度と軸方向速度とを持っている。従って、図10に示されたように、空円錐状の薄水膜(空円錐水膜104)を形成する。空円錐水膜104は、運動方向に沿った波を持つ振動が発生するため、ついには進行に直角な方向に並んで孔105があき、表面張力のためこれがたちまち拡大して、孔と孔の境は紐状となり、次いで小さな紐状106となり、最終的に微粒子化してミスト107となる。このような微粒子化過程は「膜状分裂」と呼ばれている。
【0005】
従来公知の単純渦巻噴射弁としては、例えば、特許文献1〜3に記載のものがある。ここでは、代表的に特許文献1記載の単純渦巻噴射弁を説明することとし、その構成を図11に示す。
【0006】
単純渦巻噴射弁120のノズル・ボディ121は、収容部122、区画部123、及びノズル口体124の3つの部分からなる。収容部122は、一端に水が流入する導入口122aが形成され、他端が拡径した円筒管状体である。区画部123は、開口端側にフランジ状のスカート部123aが形成された有底円筒状に形成されている。区画部123は、収容部122の拡径部分の管内に挿入され、スカート部123aによって収容部122の端部を閉蓋している。区画部123の内部の空洞が旋回流発生室125となっている。旋回流発生室125の円筒状の側壁の一カ所に、円筒のほぼ接線方向に流入口126が穿孔されている。導入口122aと旋回流発生室125とは、流入口126により連通されている。
【0007】
区画部123のスカート部123a側には、中心軸に沿って噴射口127が穿孔された筒状のノズル口体124が嵌合されている。噴射口127は、その中央部124aが縮径したオリフィス状に形成されている。噴射口127は、旋回流発生室125側の流入部124bの管壁が円錐台筒状に形成され、中央部124aに向かって一定角度で縮径している。中央部124aの内壁面は、直円筒状に形成されている。そして、流出部124cは徐々に開口面積が拡径するように形成されている。中央部124aから流出部124cにかけての噴射口127内壁面は、滑らかに連続的な曲面(以下、「付着面」という。)に形成されている。
【0008】
尚、ノズル口体124は旋回流発生室125の筒内に螺合されており、噴射口127の流入部124bの最大内径は、旋回流発生室125の内径よりも一定長さだけ小さく、流入部124bと旋回流発生室125との境界は、ノズル口体124の外側ねじ加工を確実にするため、段差状に縮径している。
【0009】
この構成により、以下のような噴霧過程によりミストの噴霧が行われる。まず、導入口122aから水又は温水(以下、「湯水」という。)が流入される。流入した湯水は、収容部122内を通って区画部123の周縁に回り込み、流入口126から旋回流発生室125に流入する。旋回流発生室125内に流入した湯水は、渦巻流となり、噴射口127を通って噴射される。噴射された湯水は、空円錐状に広がり、上述のように膜状分裂により微粒子化する。その結果、ミストの噴霧が行われる。
【0010】
ここで、噴射口127の中央部124aから流出部124cにかけては滑らかな曲面状に形成されているため、噴射口127から水が噴射される際、噴出される湯水は付着面に付着しながら噴出される。そのため、湯水の供給水圧が小さい場合でも噴霧角度を大きくすることができる。すなわち、低供給水圧でも膜状分裂を効率的に発生させ、ミストの噴霧を行うことができる。
【特許文献1】特開2000−254556号公報
【特許文献2】特開平7−88531号公報
【特許文献3】特開平11−151457号公報
【非特許文献1】柳田博明監修,「微粒子工学大系 第1巻 基本技術」,初版,フジ・テクノシステム,2001年10月31日,p.269
【非特許文献2】小林清志,荒木信幸,牧野敦,「機械工学基礎講座 燃焼工学−基礎と応用−」,第1版,理工学社,1988年8月31日,pp.77−86
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ミスト・サウナ装置を通常の上水道や給湯栓に直接接続して使用する場合、上水道や給湯栓から送水される水や温水の供給水圧が非常に低くなる。具体的には、通常の上水道の供給水圧は0.3〜0.8MPa程度であるが、減圧弁、給湯器を経た実際の給湯栓の蛇口での動水圧(解放圧)は、0.035〜0.040MPa程度となる。
【0012】
一方、上記従来の渦巻噴射弁を使用した場合、実験結果によれば、ノズル1個当たりの水量を0.3リットル/minとした場合、0.05MPaを下回る供給水圧では空円錐状のスプレー・パターンを維持することができない。また、同時に、斯かる低供給水圧の領域においては、薄水膜が十分に広がらないため、膜状分裂が十分に生じない。そのため、噴霧粒子が大きくなる。噴霧粒子の粒径(粒体積)が大きいと、渦巻噴射弁から温水が噴射された後も、温水の水滴の温度が下がりにくくなる。このとき温水の設定温度が高いと、高温の水滴が噴射されるおそれがあり、安全上の問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、供給水量を0.2〜0.3リットル/minの場合に、供給水圧が0.035〜0.040MPa程度である場合にも、正常なスプレー・パターンを得ることができ、微細なミストを噴霧することが可能なミスト噴射弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題の解決をするために、本発明者は従来の単純渦巻噴射弁に対して、種々の改良を試みると共に、低供給水圧の領域においては、薄水膜が十分に広がらなくなる原因の究明を行った。その結果、低供給水圧では旋回流発生室と噴射口との間の内壁面が曲折した不連続面の部分において大きな乱流が生じ、これが旋回流発生室内を乱すことを突き止めた。この乱れによって、噴射口から噴射される空円錐水膜が乱され、その結果、膜状分裂が不完全となり正常なスプレー・パターンが得られないことが分かった。本発明は、以上のようにして得られた知見に基づいてなされたものである。
【0015】
すなわち、本発明に係るミスト噴射弁は、断面円形の旋回流発生室と、前記旋回流発生室にほぼ接線方向に連通している1乃至複数の流入口と、前記旋回流発生室の一端に開口し、前記旋回流発生室の中心軸と同軸にオリフィス形状に形成された噴射口と、を備えたミスト噴射弁において、前記旋回流発生室から前記噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分がすべて滑らかな曲面に形成されていることを特徴とする。
【0016】
このように、旋回流発生室から噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分をすべて滑らかな曲面に形成することによって、旋回流発生室の内部で渦巻流を乱す乱流の発生が抑えられる。そのため、噴射口から噴射される水に旋回力が良好に伝わる。従って、入水圧が低い場合であっても、噴射される薄水膜はよく広がり、空円錐(ホロコーン)の乱れが少なくなる。そして、噴射圧が低くても、細かい噴霧を得ることが可能となる。
【0017】
また、本発明において、前記噴射口の最狭部の断面積S2と、すべての前記流入口の総断面積S1との比率が、S2:S1=1:1.8〜1:2.4とすることができる。
【0018】
この面積比とすることで、もっとも良好なスプレー・パターンを得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係るミスト噴射弁によれば、旋回流発生室から噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分をすべて曲面に形成することによって、旋回流発生室から噴射口の出口まで水の旋回運動が良好に維持される。その結果、入水圧(動圧)が0.035MPaと低いときに、噴射量が0.26リットル/minの場合であっても、正常なスプレー・パターンが得られ、小さく均一な噴霧粒子を噴射させることが可能となる。
【0020】
また、このミスト噴射弁を、ミスト・サウナ装置に使用すれば、出水圧が低圧の給湯器を使用することが可能となる。給湯器の出水圧が低圧であっても、噴霧粒子が小さいので、ミスト噴射弁の噴射口に近寄って火傷をするといった危険性を低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1に係るミスト噴射弁の構成を表す図である。図1(a)が噴射口の側から見たミスト噴射弁の正面図、図1(b)がミスト噴射弁の側面図、図1(c)がその断面図である。図2は、図1のミスト噴射弁のノズル口体の構成を表す図である。図2(a)はノズル口体の断面図、図2(b)は、ノズル口体の背面図である。
【0023】
ミスト噴射弁1は、中空筒状のノズル・ボディ2を備えている。ノズル・ボディ2の後端部2aは、水又は湯(以下「湯水」という。)が流入される導入口3が開口している。また、ノズル・ボディ2の前端部2bには、内フランジ4が形成されている。
【0024】
ノズル・ボディ2の筒内部には、導入口3の側から、押止コア5及びノズル口体6が設けられている。押止コア5は、導入口3の側から、螺合部7、連結部8、及び閉蓋部9の3つの部分から構成されている。螺合部7は、筒状で中心軸に沿って中央孔10が穿孔されている。螺合部7の外側側壁には雄ネジ11aが刻設されている。この雄ネジ11aが、ノズル・ボディ2の筒内に刻設された雌ネジ11bと螺合して、押止コア5をノズル・ボディ2の筒内に固定するとともに、ノズル口体6を内フランジ4に内側から押止している。
【0025】
連結部8は、螺合部7と閉蓋部9とを連結する括れ部分である。連結部8は中心軸部分は中空であり、中心軸に沿って左右2本の部材で構成されている。左右2本の部材の間は横穴12であり、導入口3から流入する温水は、中央孔10を通って、横穴12から閉蓋部9とノズル・ボディ2の筒内壁との間の流入路13に流入することができる。
【0026】
閉蓋部9は円柱ブロック状であり、ノズル口体6に圧接している。
【0027】
ノズル口体6は、外周面が大径部6aと小径部6bとの段差円筒形状に形成されている。小径部6bが内フランジ4に嵌合し、大径部6aと小径部6bとの間の段差部6cが内フランジ4の内側に当接して押止コア5により押圧された状態で固定されている。ノズル口体6は、中心軸に沿って噴射口16が穿孔されている。
【0028】
大径部6aの内側には断面円形の旋回流発生室14が形成されている。旋回流発生室14は、大径部6aの端面側に形成された円形凹部14aを閉蓋部9が閉蓋することによって構成されている。
【0029】
また、大径部6aの端面側には、回転流発生室14にほぼ接線方向に連通している2つの流入口15,15が形成されている。流入口15,15は、ノズル口体6の大径部6aの端面側に形成された流入溝15a,15aを閉蓋部9が閉蓋することによって構成されている。
【0030】
旋回流発生室14から小径部6bを貫通して、オリフィス状に噴射口16が形成されている。噴射口16は、旋回流発生室14の側から噴射口16中央にかけて徐々に縮径し、噴射口16中央の径が最も小さく、噴射口16中央から噴射口16の出口にかけて徐々に拡径する流路形状に形成されている。また、旋回流発生室14から噴射口16の出口にかけての内壁面の曲折部分20,21,22がすべて滑らかな曲面に形成されている。
【0031】
更に、噴射口16中央の最小径部分の流路面積(以下「噴射流路面積」という。)をS2、各流入口15の流路面積の和(以下「流入流路面積」という。)をS1とすると、面積比はS2:S1=1:1.8〜1:2.4となるように形成されている。
【0032】
以上のような構成の本実施例のミスト噴射弁について、以下その動作を説明する。まず、導入口3に水道栓や給湯栓から水又は温水(以下まとめて「水」という。)が流入される。導入口3に流入した水は、押止コア10の中央孔10から横穴12を通り、流入路13へ流入する。そして、2つの流入口15,15から旋回流発生室14に流入する。流入口15は、旋回流発生室14の接線方向に向けて開口しているので、旋回流発生室14に流入した水は、旋回流発生室14の壁面に沿って旋回し渦流を形成する。そして、旋回しながらノズル口体6の軸方向に進み、噴射口16を通ってミスト噴射弁1の先端から噴射される。噴射された水は、旋回速度と軸方向速度を持ったまま噴射され、空円錐(ホロコーン)状の薄水膜を形成する。そして、薄水膜は膜状分裂により微粒子化しミストとなる。これにより、ミストが噴霧される。
【0033】
ここで、旋回流発生室14から噴射口16の出口にかけての内壁面の曲折部分20,21,22は、すべて滑らかな曲面に形成されているので乱流が生じにくい。従って、旋回流発生室14から噴射口16の出口に旋回しながら移動する水流は、大きな乱流を生じることなく噴射口16から噴射されるため、旋回力のロスが小さい。従って、給湯栓のように流入口15からの供給水圧が低い場合でも噴射口16の出口まで水の旋回運動が保たれ、噴射口16から噴射される水は空円錐状の正常な薄水膜を形成する。従って、正常なスプレー・パターンが得られ、また、膜状分裂により粒径が小さく均一なミストが噴霧される。
【0034】
最後に、噴射流路面積S2と流入流路面積S1との面積比とスプレー・パターンとの関係についての実験結果について説明する。
【0035】
使用したミスト噴射弁の寸法は、噴射口16の最小直径が1.4mmφ、噴射口16の長さが2mm、旋回流発生室14の直径が4.78mmφ、旋回流発生室14の高さが2mmとした。
【0036】
図3〜図10は、噴射流路面積S2と流入流路面積S1との面積比R=S2:S1を変化させたときのスプレー・パターンの変化を表す図である。何れの場合においても、導入口3へ供給する水の供給水圧は0.04MPaとしている。
【0037】
供給水圧0.04MPaにおいて、面積比R=1:2のときには、図3に示したように、正常な空円錐状の薄水膜が形成され、良好なスプレー・パターンが得られる。そこで、面積比R=1:2を基準として、その上下に面積比Rを変化させた実験結果を(表1)に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
以上の実験結果から、供給水圧は0.04MPaにおける面積比Rの許容範囲は、およそR=1:1.17〜1:2.65、面積比Rの最適値は、およそR=1:1.6〜1:2.4であると結論づけられる。
【0040】
実際にミスト噴射弁1を給湯栓に接続して使用した場合、水道の供給水圧は0.3〜0.8MPa程度である。貯湯式給湯器から給湯栓等の減圧弁を通した動水圧は0.04MPa程度である。そこで、ミスト噴射弁1の使用条件としては、導水口3への供給水圧が0.035〜0.05MPaの範囲としておけばよい。そうすると、上記実験結果を参照すれば、面積比Rの最適値はR=1:1.8〜1:2.4であると結論づけられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1に係るミスト噴射弁の構成を表す図である。
【図2】図1のミスト噴射弁のノズル口体の構成を表す図である。
【図3】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図4】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:1.17,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図5】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:1.55,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図6】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2.33,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図7】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2.49,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図8】噴射流路面積S2:流入流路面積S1=1:2.65,供給水圧0.04MPaの場合のスプレー・パターンを示す図である。
【図9】主要な圧力式微粒子化弁の模式断面図である。
【図10】典型的な渦巻噴射弁(単純渦巻噴射弁)の動作原理図である。
【図11】特許文献1に記載の単純渦巻噴射弁の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ミスト噴射弁
2 ノズル・ボディ
2a 後端部
2b 前端部
3 導入口
4 内フランジ
5 押止コア
6 ノズル口体
6a 大径部
6b 小径部
6c 段差部
7 螺合部
8 連結部
9 閉蓋部
10 中央孔
11a 雄ネジ
11b 雌ネジ
12 横穴
13 流入路
14 旋回流発生室
14a 円形凹部
15 流入口
15a 流入溝
16 噴射口
20,21,22 曲折部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面円形の旋回流発生室と、
前記旋回流発生室にほぼ接線方向に連通している1乃至複数の流入口と、
前記旋回流発生室の一端に開口し、前記旋回流発生室の中心軸と同軸にオリフィス形状に形成された噴射口と、
を備えたミスト噴射弁において、
前記旋回流発生室から前記噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分がすべて滑らかな曲面に形成されていることを特徴とするミスト噴射弁。
【請求項2】
前記噴射口の最狭部の断面積S2と、すべての前記流入口の総断面積S1との比率が、S2:S1=1:1.8〜1:2.4であることを特徴とする請求項1記載のミスト噴射弁。
【請求項1】
断面円形の旋回流発生室と、
前記旋回流発生室にほぼ接線方向に連通している1乃至複数の流入口と、
前記旋回流発生室の一端に開口し、前記旋回流発生室の中心軸と同軸にオリフィス形状に形成された噴射口と、
を備えたミスト噴射弁において、
前記旋回流発生室から前記噴射口の出口にかけての内壁面の曲折部分がすべて滑らかな曲面に形成されていることを特徴とするミスト噴射弁。
【請求項2】
前記噴射口の最狭部の断面積S2と、すべての前記流入口の総断面積S1との比率が、S2:S1=1:1.8〜1:2.4であることを特徴とする請求項1記載のミスト噴射弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−150149(P2006−150149A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319509(P2004−319509)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(390002886)株式会社長府製作所 (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(390002886)株式会社長府製作所 (197)
【Fターム(参考)】
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