説明

メソチューブ電極アタッチメント

成形された要素を表面に溶接することを可能にするために、成形された要素を、機構上にマウントされた別の要素の表面上に位置決めするための装置。絶縁取付け具が装置を機構上にマウントし、成形された要素を、溶接中に表面と接触して正確な位置に保持するためのクランプを位置決めするクランプ配置端部を有する延長部を位置決めする。クランプは、伝導性であり、溶接からの電流を絶縁取付け具に向け、クランプの向こうの成形された要素上での電流の通過を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メソチューブ構築に関する。より詳細には、本発明は、電極が正確に位置合わせされた構成内のメソチューブグリッドを支持するメソチューブの構築に関する。
【背景技術】
【0002】
メソチューブなど多くの電子装置では、グリッドまたは他のプレートを他の同様のグリッドまたはプレートに対して正確な関係で配置することが必要である。メソチューブでは、グリッドは本質的に互いに平行でなければならず、効率よく動作するために正確な距離だけ離して配置されなければならない。グリッドまたはプレートは、装置が機能することができるようにする電極上で支持される。
【0003】
例えば、典型的なメソチューブ内のタングステン下部グリッドは、グリッドの平面に対して垂直である3つのヘッダピンまたは電極上で支持されるべきであり、上部グリッドは、やはりそのグリッドに対して垂直である3つの別のヘッダピンまたは電極上で支持されるべきである。2つのグリッドは、正確な距離だけ離して、一設計では約0.0254mm(1ミル)以下の許容差で0.381mm(15ミル)から0.508mm(20ミル)だけ離して、配置されるべきである。グリッドを電極に取り付ける好ましい方法は、グリッドを使用する多くの現代の電子装置で行われているように、グリッドを電極にスポット溶接することである。
【0004】
ヘッダピンまたは電極の端部上でグリッドの正確な配置および方向付けを達成しようとする従来の試みでは、ヘッダピン上での直接スポット溶接は失敗した。ピンは、ガラスと同じ熱膨張を有し、そのため金属とガラスの封着、または金属とセラミックの封着のために使用されることが多い、鉄、ニッケルおよびコバルトの合金のウェスチングハウス社の商標であるニッケルメッキされたコバールで作られることが多い。スポット溶接の問題は、ピンまたは電極が絶縁体によって適所に保持され、これらの絶縁体がメッキ処理の熱に耐えられないことである。製造障害によって、必要以上にずっと高価な装置の使用が必要になる。
【0005】
絶縁体などの隣接する構成要素に対する損傷なしにプレートおよびグリッドへのピンおよび電極のスポット溶接を可能にする方法が考案されることができれば、それは当技術分野では利益になるであろう。
【0006】
また、隣接する構成要素を保護するだけでなく、適切な位置合わせおよび最適の機能結果を保証するために、グリッドまたはプレートに関してピンおよび電極の正確な位置合わせを支援する装置が提供されれば、それも利益になるであろう。
【0007】
他の諸利益が以下で現れるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
次に、本発明の上記および他の利益が以下の仕方で得られることができることが発見された。詳細には、本発明は、ピンまたは電極をつかみ、溶接熱を他の構成要素から逃がすための装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
装置は、プレートまたはグリッドに取り付けられる電極またはピンまで延びそれに平行なシャフトを有する装置をマウントするための支持体または絶縁取付け具を含む。取付け具は、ピンが正確に配置され接続されるヘッダ床に関係付けられる。絶縁取付け具は、絶縁体を介してクランプ電極からヘッダベースへのいかなる伝導経路をも防止し、ヘッダピンを上部溶接電極に関して正確に配置する。この上部溶接電極は、プレートまたはグリッドをそれに溶接されるピンに押しつける。好ましくは、クランプは、ばね荷重式の、割リング、伝導クランプである。
【0010】
動作中、取付け具は、溶接される特定のピンに隣接して配置され、クランプは、ピンをつかみ、そのばね荷重に接触して維持される。グリッドまたはプレートは、ピンと接触して所望の位置に配置され、溶接電極は、グリッドの反対側に配置され、溶接が行われる。熱は、溶接電極を通り、グリッドを通り、ピンに入り、次いで、ピンからクランプにそらされ、したがって、ピンの残りの部分およびそれに関連する機器を絶縁する。
【0011】
本発明のより完全な理解のために、本明細書によって図面が参照される。諸図では、同様の参照符号は、いくつかの図の全体にわたって同一のまたは対応する構成要素およびユニットを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、グリッド、プレートおよび他の平らな物体を、伝導性であり第1の物体に対して垂直であるピン、ポスト、電極および他の構成要素に取り付けるのにすばらしく適している。図1は、メソチューブグリッドが複数のピンに取り付けられている、本発明の典型的な利用形態を例示する。理解されることができるように、図1に示されているメソチューブは、グリッド、ピンおよび絶縁体の内部構成要素を示すだけであり、装置全体は例示されていない。
【0013】
ヘッダ11は、メソチューブの様々な構成要素をマウントするために提供され、ピン15をマウントし支持する絶縁体13を含む。上面図は、3つのピン15a、15bおよび15cがタングステングリッド17に接触しそれを支持するように配置され、さらに3つのピン15d、15eおよび15fがグリッド19に接触しそれを支持するように配置されるように、絶縁体13およびピン15がその上に配置される円形のプレートとしてヘッダ11を示す。タングステングリッド17の厚さは、この例では約0.1016mm(4ミル)である。これは、従来の構築であるが、グリッドがピンに取り付けられる仕方が違う。
【0014】
図1の右側に示されているように、絶縁取付け具21はヘッダ11にマウントされる。取付け具21はシャフト23を支持し、シャフト23はクランプ25がピンを係合することができるようにするのに適した位置合わせでクランプ25を位置決めし、この場合、ピン15aは、図2に示されているように、ばね27を使用する。次いで、電極29をウェーハ17の反対側に付け、例えば400ボルトの溶接電圧を使用して溶接することにより、ウェーハ17がピン15aにスポット溶接される。電流は電極29を通過してウェーハ17およびピン15aに入る。電流は、電流がクランプ25の本体およびシャフト23の中に向けられるので、絶縁体13aなどメソチューブの他の部分に到達するのを防止されるが、絶縁取付け具21によって止められる。各ピン15a、15bおよび15cは、取付け具21およびしたがってクランプ25を、クランプ25が特定のピンを係合する位置へ移動することにより、個別にウェーハ17に溶接される。同様に、グリッド19は、同じ仕方でピン15d、15e、および15fに順次取り付けられる。
【0015】
ウェーハを同様の装置にスポット溶接しようとする従来技術の努力は、メソチューブの構成要素に損傷が与えられたので、失敗した。図1では、ウェーハ17をピン15cに直接溶接しようとする従来技術の試みが、電極29cがウェーハ17の1つの側に接触する左側に示されており、溶接電流はウェーハ17を通過してピン15cに入り、絶縁体13cに達し、絶縁体13cは損傷を受け、装置を動作不能にする。
【0016】
本発明は、正確な位置合わせでそれらを支持するためにウェーハおよびピンを利用するメソチューブで使用するために示されてきた。本発明はまた、スポット溶接が使用される場合、垂直にまたはある角度で位置合わせされたピンまたはポール、あるいは他の丸いまたはそうでなければ他の形状の要素上で平らな表面の正確な位置決めを必要とする電子式または非電子式のいかなる同様の装置で使用するのにもすばらしく適している。したがって、ウェーハおよびピンという用語は、いかなるそのような平らな表面および成形された要素をも表すと広く解釈されるべきである。
【0017】
本発明の特定の実施形態が例示され説明されてきたが、それは、添付の特許請求の範囲によって規定されていることを除いては、本発明を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】組み立てられるメソチューブの概略図である。
【図2】本発明のクランプの上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形された要素を表面に溶接することを可能にするために、前記成形された要素を、機構上にマウントされた別の要素の表面上に位置決めするための装置であって、
前記装置を前記機構上にマウントするための絶縁取付け具21を含み、前記取付け具は非伝導性であり、さらに、
前記取付け具に取り付けられクランプ配置端部を有する延長部分23と、
溶接中に前記表面と接触して正確な位置に保持するために前記成形された要素を前記延長部分の前記クランプ配置端部に取り付けられたクランプ25と、を含み、前記クランプは伝導性であり、前記溶接からの電流を前記絶縁取付け具に向け、前記クランプの向こうの前記成形された要素上での電流の通過を防止するように適応される、装置。
【請求項2】
前記機構は電子装置である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電子装置は、複数の個々のピンに溶接されるべき少なくとも2枚のウェーハを有するメソチューブである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ウェーハは、下部タングステンウェーハおよび上部メソチューブグリッドを含み、前記複数のピンは、1枚のウェーハごとに3つのピンを含み、前記ピンは、前記ウェーハを所定の距離だけ離して正確に位置合わせするように位置決めされる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記クランプは、あごおよびバイアス要素を係合する成形された要素を含み、前記あごを前記要素上に維持する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記延長部は、前記クランプを前記成形された要素との位置合わせにおよびそれからピボットするためのシャフトである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
成形された要素を表面に溶接することを可能にするために電子装置上にマウントされた別の要素の表面上に、前記成形された要素を位置決めするための方法であって、
絶縁取付け具を前記電子装置上にマウントするステップを含み、前記取付け具は非伝導性であり、さらに、
クランプを前記成形された要素に隣接して位置決めするステップを含み、前記延長部は前記取付け具に取り付けられ、さらに、
前記成形された要素を、前記延長部の前記クランプ配置端部に取り付けられたクランプに係合し、溶接中前記成形された要素を前記表面と接触して正確な位置に保持するステップを含み、前記クランプは伝導性であり、前記溶接からの電流を前記絶縁取付け具に向けるように適応され、前記クランプの向こうの前記成形された要素上での電流の通過を防止する、方法。
【請求項8】
前記電子装置は、複数の個々のピンに溶接されるべき少なくとも2枚のウェーハを有するメソチューブである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェーハは下部タングステンウェーハおよび上部メソチューブグリッドを含み、前記複数のピンは1枚のウェーハごとに3つのピンを含み、前記ピンは前記ウェーハを所定の距離だけ離して正確に位置合わせするように位置決めされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記クランプはあごおよびバイアス要素を係合する成形された要素を含み、前記あごを前記要素上に維持し、前記延長部は前記クランプを前記成形された要素との位置合わせにおよびそれからピボットするためのシャフトである、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−515710(P2009−515710A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541274(P2008−541274)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/044157
【国際公開番号】WO2007/061687
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】