説明

メダル選別装置

【課題】 メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止する。
【解決手段】 メダル通路306の垂直部分307において、不正器具のプラスチックシートが上側に引き抜かれる方向に移動すると、2方向検知スイッチ343のスイッチ操作部346は、バネ355a,355bの力により適度な圧力でプラスチックシートと接触し、摩擦力により図中R2方向に傾倒操作される。すると、スロットマシンの主制御基板は、メダル通路306を移動する対象物の移動方向が入口側に向かう方向になったことを確認し、サブ制御基板を制御してスピーカに警報を出力させるとともに、ホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信する。つまり、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用のメダルなどの適否を判別し、適正なメダルを選別するメダル選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回胴式遊技機としてスロットマシンが知られている。一般的なスロットマシンは、前扉に形成された透明な表示窓を通して筐体内の3列のリールが目視される。各リールの周面には複数種類の図柄が配列されて描かれており、リールを回転させることで遊技の入賞又はハズレに係る図柄が変動表示される。また、スロットマシンには、遊技媒体(メダル)が投入されるメダル投入口と、メダル投入口から投入されたメダルを貯留するクレジット手段と、貯留されているメダルから所定枚数のメダルを賭けてゲームを準備するためのベットボタンと、リールを一斉に回転させるスタートレバーと、回転する各リールを個別に停止させるためのストップボタンが設けられ、ベットボタンが押圧操作され、スタートレバーが傾倒操作されて回転を開始したリールは、ストップボタンの押圧操作を契機にそれぞれ制動されて停止する。そして、各リールが表示する図柄の組合せが有効ライン上に揃うと入賞が確定し、入賞図柄の組合せに応じた数のメダルを配当するように構成されている。
【0003】
また、一般的なスロットマシンには、メダル投入口からメダル通路に投入されたメダルの適否を判別し振り分けるメダル選別装置が設けられている(例えば特許文献1参照)。また、メダル選別装置は、メダル通路を通過するメダルを検出するメダルセンサとして、フォトセンサを内蔵している。メダル選別装置は、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、前記フォトセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示す信号をスロットマシンの主制御基板へ送出する。スロットマシンの主制御基板は、メダル投入の受け付けを示す信号によって内部に貯留するメダル(クレジット)を増加させる。
【0004】
ところで、近年、可撓性を有するプラスチックシートの先端に発光ダイオード取り付けた不正器具によって、不正遊技者がメダル選別装置のメダル通路に前記発光ダイオードを挿入し、前記発光ダイオードを点滅させることで、メダル選別装置のフォトセンサの受光素子を誤動作させ、スロットマシンのメダルのクレジットを不正に増加させる行為が問題となっている。しかし、このような不正行為は、遊技店の従業員の死角を突いて行われるため、閉店後のメダルの収支誤差で被害に気づくケースがほとんどであり、早期に発見するのは困難であった。このことに対応して、スロットマシンに前記メダルセンサとは別の赤外線センサを取り付け、不正器具の発光ダイオードからの赤外線を前記赤外線センサにより感知して報知を行う不正行為感知システムが実用化されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−281592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の不正行為感知システムでは、不正器具の発光ダイオードから漏れる赤外線を赤外線センサにより感知しているだけなので、例えば不正器具の発光ダイオードの出力波長を変更する等、当該不正行為感知システムによって発見できない不正器具に容易に改造できてしまうといった課題があった。
【0007】
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止する等のメダル選別装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、投入口からメダル通路に投入されたメダルの適否を判別し振り分け、適正と判別されて振り分けられたメダルをフォトセンサによって検出するメダル選別装置であって、前記メダル通路内を移動する対象物に接触し、当該対象物の移動に合わせて傾倒操作されるスイッチ操作部と、当該スイッチ操作部の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の前記投入口方向への移動を検出するスイッチ本体とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメダル選別装置であって、前記スイッチ本体が対象物の前記投入口方向への移動を検出した場合に、異常が発生したと見なして報知を行う報知手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、投入口からメダル通路に投入されたメダルの適否を判別し振り分け、適正と判別されて振り分けられたメダルをフォトセンサによって検出するメダル選別装置であって、前記メダル通路内を移動する対象物に接触し、当該対象物の移動に合わせて傾倒操作されるスイッチ操作部と、当該スイッチ操作部の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の移動を検出するスイッチ本体と、当該スイッチ本体が当該対象物の移動を所定時間以上連続して検出した場合に、異常が発生したと見なして報知を行う報知手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のメダル選別装置であって、前記スイッチ操作部を往復移動可能に収容する収容部と、前記スイッチ操作部を前記メダル通路内に突出する方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載のメダル選別装置によれば、スイッチ操作部は、前記メダル通路内を移動する対象物に接触し、当該対象物の移動に合わせて傾倒操作され、スイッチ本体は、当該スイッチ操作部の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の前記投入口方向への移動を検出する。すなわち、メダル通路に挿入された不正器具が引き抜かれる場合、スイッチ本体は、対象物の前記投入口方向への移動を検出する。これにより、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止する等が行える。
【0013】
請求項2に記載のメダル選別装置によれば、メダル通路に挿入された不正器具が引き抜かれる場合、報知手段は異常が発生したと見なして報知を行う。これにより、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止する等が行える。
【0014】
請求項3に記載のメダル選別装置によれば、スイッチ操作部は、メダル通路内における当該対象物の移動に合わせて傾倒操作され、スイッチ本体は、当該スイッチ操作部の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の移動を検出し、報知手段は、当該スイッチ本体が当該対象物の移動を所定時間以上連続して検出した場合に、異常が発生したと見なして報知を行う。これにより、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止する等が行える。
【0015】
請求項4に記載のメダル選別装置によれば、スイッチ操作部は、付勢手段の付勢により適切な力でメダル通路内の対象物に接触し、当該対象物の移動に合わせて傾倒操作され、スイッチ本体は、当該スイッチ操作部の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の移動を検出する。これにより、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止する等が行える。
【発明の効果】
【0016】
本発明のメダル選別装置によれば、メダル通路に挿入された不正器具が引き抜かれる場合、スイッチ本体は、対象物の前記投入口方向への移動を検出する。または、メダル通路に不正器具が所定時間以上挿入された場合、異常が発生したと見なして報知を行う。これにより、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止する等が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るメダル選別装置を用いた遊技機の好適な一実施形態をスロットマシンを例に図面を参照して説明する。なお、図1は、スロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2は、前扉3を開放した状態におけるスロットマシン1の内部構造を表した図である。
【0018】
図1において、スロットマシン1は、略矩形状の箱体である筐体2と、当該筐体2と蝶番機構により開閉可能に取り付けられた前扉3とを備えている。
【0019】
前扉3の前面側は、上部パネル部4と下部パネル部5に略区分けされ、これらは視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。更に、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダル(遊技媒体)を貯留する受皿部6aが一体的に形成された受皿ユニット6が設けられている。
【0020】
また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技者側に突出し、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作卓7が一体的に形成されている。なお、上部パネル部4、操作卓7、下部パネル部5、及び受皿ユニット6は、遊技者側に面し、これらによって「前面パネル部」が構成される。
【0021】
上部パネル部4の中央には、硬質プラスチック板等で形成されたパネル面41が設けられている。パネル面41のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓42が形成され、表示窓42を通して筐体2内に設けられているリールユニット100の3個のリール101a、101b、101cが目視される。
【0022】
ここで、筐体2内に設置されているリールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられ、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄が描かれている。遊技者は、表示窓42を通して3列のリールに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄を目視できるようになっている。
【0023】
また、パネル面41には、裏面側に設けられている図示しないランプを点灯させることで例えば入賞役への内部当選など遊技状態に関する情報を演出表示する遊技状態表示部43と、複数の発光ダイオードを点灯させてドット画像を演出表示するドットマトリクス表示部44、スロットマシン1にクレジット(貯留)されているメダル数や、入賞によって獲得したメダル数、又は入賞役への当選回数等の情報を数値表示する数値情報表示部45が、それぞれ表示窓42の周辺に設けられている。
【0024】
上部パネル部4の上部には、高輝度発光ダイオード等のランプ類を内蔵する演出用照明部46と、ゲームに係る効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部47a、47bがそれぞれ配置されている。
【0025】
また、演出用放音部47a、47bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された表示窓に面して液晶表示ユニット48が配置されている。なお、液晶表示ユニット48は、ゲームの演出に係る映像やゲーム(遊技)に関する情報を主に表示する。
【0026】
上部パネル部4の側部には、蛍光灯や高輝度発光ダイオードで形成された演出用照明部49a、49bが設けられている。ゲームの進行に応じて上述した複数の演出用照明部46、49a、49b等が点灯又は点滅することで、ゲームにおける視覚的な演出効果を高めるように形成されている。
【0027】
操作卓7の上面右側には、メダルを投入するための投入口を有するメダル投入部71が設けられている。また、当該上面の左側には、押しボタンスイッチである3個のベットボタン72、73、74が設けられている。
【0028】
ベットボタン72、73、74はスロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン72が押圧操作されることで、貯留されているメダルから1枚のメダルがゲームに対して賭けられる。同様に、ベットボタン73が押圧操作されることで2枚のメダルが賭けられ、ベットボタン74が押圧操作されることで3枚の当該ゲームにメダルが賭けられる。なお、ベットボタン74は、最大枚数のメダルを賭けることから、特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
【0029】
操作卓7の前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー75が設けられている。スタートレバー75は、先端に球形の操作ノブを有する揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。
【0030】
また、操作卓7の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン76a、76b、76cが各リールの配列に対応して並設されている。
【0031】
操作卓7の前面右側には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴77が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴77に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体2に取り付けられている前扉3を前方へ開くことができ、また前扉3を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
【0032】
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの絵などを表示するパネル51が設けられている。下部パネル部5の下側に配置された受皿ユニット6には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、払い出されたメダルを貯留する受皿部6aと、演出効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部62がそれぞれ配置されている。
【0033】
次に、図2を参照して、筐体2の内部構造と前扉3の裏面構造とを説明する。同図において、筐体2内の上部には、スロットマシン1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備え硬質プラスチックのケースに収納された主制御基板20が取り付けられている。
【0034】
筐体2内の中央には、リール101a、101b、101cを備えるリールユニット100が設けられている。リールユニット100は、前扉3が筐体2側に閉じられると前扉3の表示窓42にリール101a、101b、101cが対向するように、所定フレームに位置決めされて取り付けられている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動される。
【0035】
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する上記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板が取り付けられており、主制御基板20が回胴装置基板に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、各リールの回転と制動及び停止の制御を行っている。
【0036】
リールユニット100の下方には、ホッパ装置21と、ホッパ装置21から溢れたメダルを収容するための補助貯留部22と、主電源装置23が設けられている。主電源装置23の側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板24が設けられている。更に、筐体2の上部右側の内壁に、遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板25が取り付けられている。
【0037】
次に、前扉3の裏面側上部には、演出用照明部46の光源である高輝度の発光ダイオード31が複数配列されると共に、上述の演出用放音部47a、47bに対向してスピーカ32a、32bが取り付けられている。また、図2には示していないが、スピーカ32a、32bの間には、液晶表示ユニット48が取り付けられている。更に、液晶表示ユニット48の裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板30が取り付けられている。
【0038】
なお、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板20によって統括制御されており、サブ制御基板30は、液晶表示ユニット48による演出映像の表示制御、演出用照明部46、49a、49bを使った照明制御、及び演出用放音部47a、47b、62を使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
【0039】
サブ制御基板30の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明な表示窓42が形成されたパネル板が配置され、表示窓42の下方には、前面側のスタートレバー75及びストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板として機能する中央表示基板33が設けられている。
【0040】
中央表示基板33の下方には、メダル選別装置34が取り付けられている。メダル選別装置34は、メダル投入部71に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置34はメダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、メダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示す信号を主制御基板20へ送出する。また、メダル選別装置34はメダル通路を移動する対象物の投入口方向への移動を検出する逆移動検出センサを内蔵している。
【0041】
メダル選別装置34の装置本体の下方には、メダル選別装置34によって振り分けられた正規のメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置21へ案内するガイド部材35と、メダル選別装置34により排除されたメダル(又は異物)をメダル排出口61へ案内するガイド部材36が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置21から排出されたメダルをメダル排出口61へ案内するガイド部材37が設けられている。更に、メダル排出口61に隣接して、上述した演出用放音部62に対向するスピーカ38が取り付けられている。
【0042】
次に、図3のブロック図を参照して、スロットマシン1に設けられている制御システムについて説明する。
【0043】
主制御基板20は、CPU201と、乱数抽選部202と、記憶部203と、タイマ212と、タイマ割込生成部213と、メダルクレジット手段214を備えている。
【0044】
記憶部203は、ROM、RAM等の半導体メモリによって構成され、スロットマシンゲーム用のシステムプログラム204が予め記憶されている。主制御基板20は、記憶部203に記憶されたシステムプログラム204に従ってCPU201が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を統括制御している。
【0045】
主制御基板20には、ベットボタン72、73、74、スタートレバー75、ストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類、メダル選別装置34のメダルセンサ34a,34b及び逆移動検出センサ34c等の検出スイッチ類が配線ケーブルで接続されている。主制御基板20は、前記スイッチ類からの出力信号によりゲームに係る操作を検出する。
【0046】
主制御基板20のメダルクレジット手段214は、メダル選別装置34に投入されメダルセンサ34a,34bにより検出されたメダルの枚数を、内部貯留しているメダルのクレジット数に加算する。
【0047】
また、主制御基板20は、各リール101a、101b、101cに設けられる基準位置センサ120a、120b、120cの検出信号を入力し、各リールの基準となる回転位置を把握しながら、回胴装置基板130に所定の回胴駆動パルスデータを送出する。回胴装置基板130は、主制御基板20からの回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ110a、110b、110cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作制御を行っている。
【0048】
また、主制御基板20には、ホッパ装置21等のメダル払出装置、及びサブ制御基板30がそれぞれ配線ケーブルによって接続されている。主制御基板20は、入賞が確定した場合等において、ホッパ装置21を制御することで、所定数のメダルを受皿部6aに払い出す。
【0049】
サブ制御基板30は、主制御基板20からの制御信号に基づいて液晶表示ユニット48、演出用照明部46、49a、49b、演出用放音部47a、47b、62を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行っている。
【0050】
また、主制御基板20の記憶部203には、入賞抽選テーブル205及び内部抽選フラグ206が記憶されている。例えばCPU201は、スタートレバー75が操作された時点で乱数抽選部202を起動して乱数値を取得し、入賞抽選テーブル205を参照することで、得られた乱数値に割り当てられた入賞役またはハズレを抽選する。そして、CPU201は、乱数値に対応する入賞役が存在すると、それを当該ゲームの入賞役として抽選結果を当選にし、当該入賞役を記憶部203の内部抽選フラグ206に記憶する。ここでは、かかる入賞役の抽選方法を「内部抽選」と呼んでいる。
【0051】
また、記憶部203には、図柄配列データ207、リール停止位置検索テーブル208、リール停止位置選択テーブル209等の書き換え不可の参照データテーブルが記憶され、更にリール停止コマフラグ210、リール制御フラグ211等の書き換え可能なデータフラグ用のメモリ領域が確保されている。これら参照データテーブル及びデータフラグは、リール101a、101b、101cの回転及び停止制御の際に用いられる。
【0052】
尚、タイマ212は、例えばリール101a、101b、101cの自動停止制御を起動するまでの時間を計測する。タイマ割込生成部213は、各リール101a、101b、101cのステッピングモータ110a、110b、110cを制御するパルス信号(回胴駆動パルスデータ)の同期を取るためのものである。
【0053】
次に、スロットマシン1におけるゲーム動作の概要を説明する。
【0054】
スロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの配当が完了した時、又は先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この待機状態においては、当該状態を遊技者に示唆するとともにゲーム操作を促す待機モードの演出が行われる。次に、遊技者がメダル投入部71にメダルを投入し何れかのベットボタン72、73、74を押圧操作することで、スロットマシン1は、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームに所定枚数のメダルが賭けられゲームを準備する。
【0055】
ゲーム準備の状態でスタートレバー75が傾倒操作されゲームが開始されると、主制御基板20は、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始めるとともに、上述した内部抽選を実行する。内部抽選の結果は、内部抽選フラグ206に記憶される。
【0056】
次に、遊技者により何れかのストップボタン76a、76b、76cが押圧操作されることで、主制御基板20がリール停止の操作を検出すると、主制御基板20は、押圧操作されたストップボタンに対応するリールを停止させる制御を行う。そして、主制御基板20は、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると、各リールが表示する図柄と上述の内部抽選フラグ206に対応する入賞役に係る図柄の組み合せとが一致しているかどうか判定する。
【0057】
役への入賞が確定すると、スロットマシン1は、主制御基板20の制御に基づいて、内部貯留しているメダルのクレジット数が所定の数になるまで、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダルをクレジット数に加算する。さらに、スロットマシン1は、前記配当数と前記クレジット数の加算結果が前記所定の数を超過すると、この超過した数のメダルを受皿部6aへ払い出す。
【0058】
次にメダル選別装置34について図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
図4はメダル選別装置34のカバープレート304が開かれた状態の正面図、図5はメダル選別装置34のカバープレートが閉じられた状態の正面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は図5のB−B線断面図、図8は逆移動検出センサ34cの分解斜視図、図9は逆移動検出センサ34c及びその周辺部の側方から見た断面図である。尚、図4に関しては、カバープレート304が開かれ、メダル通路306が見える状態に描かれているが、実際の使用に当たっては、カバープレート304は閉じられる。また、図4乃至図9を用いた説明においては、図2におけるメダル選別装置34の図面手前側をメダル選別装置34の正面側とし、図2におけるメダル選別装置34の図面奥側を背面側としている。
【0060】
図4、図5において、メダル選別装置34は、装置本体301と、ガイド部材35とを含んでいる。装置本体301は、投入口302側から投入されたメダルの適否を特にメダルの直径、厚さなどから機械的に判別し振り分ける部分や、適正と判別されて振り分けられたメダルをフォトセンサによって検出する部分等を備えている。ガイド部材35は、装置本体301で選別されたメダルをホッパ装置21(図2参照)に向けて排出する。
【0061】
以下、装置本体301についてより詳しく説明する。
【0062】
装置本体301は、ベース303とカバープレート304を備えている。カバープレート304は、ベース303の正面側に開閉可能な状態で設けられている。図4には、カバープレート304が開かれた状態が示されていが、使用にあたっては、図5に示すように、カバープレート304は、ベース303に重ね合わされ、これらの隙間にメダル305が通過するメダル通路306が形成される。
【0063】
図4、図5において、メダル通路306は、メダル選別装置34に対して少なくとも下方に向けて形成されている。より詳しく説明すると、メダル通路306は、投入口302付近においてメダルが垂直に降下する部分(以下この部分を垂直部分と記す)307を有し、これに続いて斜めに傾斜した部分(以下この部分を傾斜部分と記す)308を有している。
【0064】
メダル通路306は、矢印Cの方向より投入されたメダル305を、斜めに向きを変えさせ、ガイド部材35に送り出す。
【0065】
メダル通路306の垂直部分307の通路幅は、真正なメダルの直径に相当する値となるように設定されている。メダル通路306のほぼ全長にわたって通路の厚みは、真正なメダル305の厚さに相当する値となるように設定されている。これらの幅及び厚さの設定により、メダル選別装置34は、カバープレート304を閉じたときに、真正なメダル305より大きな寸法のものが通過しないように阻止する。
【0066】
メダル通路306の傾斜部分308の下辺には、メダルが転がって移動する斜面309が設けられている。カバープレート304の傾斜部分308に相当する位置には排除窓310が設けられている。排除窓310は、メダル通路306の傾斜部分に沿って延びる長穴である。排除窓310の幅は、真正なメダル305の直径よりやや小さくなっている。より詳しくは、図5に示すように、排除窓310は、カバープレート304を閉じたときに、斜面309と、これに平行に延びる排除窓310の上辺との間隔が真正なメダルの直径よりやや小さくなっている。
【0067】
さらに、傾斜部分308には、正規のものよりも小さいメダル312を排除窓310より排出するために、背面側から正面側に付勢される排除爪311が配置されている。
【0068】
このような構造により、矢印Cの方向よりメダル通路306に投入されたメダル305は、斜面309上を転がって移動する。真正なメダル305は、排除爪311の付勢力を受けても、上端及び下端がカバープレート304の排除窓310の縁部に支持されるので、ガイド部材35に向けて送り出される。一方、真正なメダル305より小さい直径、より詳しくは斜面309と排除窓310の上辺の間隔より小さい直径のメダル312は、その上端がカバープレート304の排除窓310の縁部に支持されず、排除爪311の付勢力を受けて排除窓310により手前側に排出される。排除窓310から排除されたメダル312は、ガイド部材36(図2参照)によりメダル排出口61(図2参照)へ案内される。
【0069】
これにより装置本体301は、投入口302からメダル通路306に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける。
【0070】
図4、図5に示すように、ガイド部材35は、メダル通路306の出口313において、装置本体301に固定結合されている。
【0071】
メダル通路306の、装置本体301からの出口313付近には、装置本体301により適正と判別されて振り分けられたメダルの通過を検出する2個のメダルセンサ34a,34bが配置される。メダルセンサ34aは、メダル通路306の下辺側に配置され、メダルセンサ34bは、メダル通路306の上辺側に配置されている。メダルセンサ34aは、メダルセンサ34bより出口313側に配置されている。
【0072】
前記メダル通路306の、前記メダルセンサ34a,34bから見て投入口302側には、逆移動検出センサ34cが配置される。本実施形態においては、逆移動検出センサ34cは、メダル通路306の垂直部分307に配置されている。逆移動検出センサ34cは、前記メダル通路306内を移動する対象物から受ける機械的作用に基づいて、対象物が前記投入口302方向に移動したことを検出する。
【0073】
次に、メダルセンサ34a,34bについてより詳細に説明する。
【0074】
図6に示すように、メダルセンサ34a,34bは、略コの字形状の遮光型フォトセンサであり、コの字の開口部分の隙間320a,320bにメダルが存在するときに、信号を出力するものである。
【0075】
より詳しく説明すると、メダルセンサ34aは、その隙間320aの図中上側と下側にそれぞれ発光素子321aと受光素子322aを有しており、発光素子の光が受光素子に入射するように双方の素子が向かい合った構造になっている。これと同様に、メダルセンサ34bは、その隙間320bの図中上側と下側に発光素子321bと受光素子322bを有している。
【0076】
メダルセンサ34a,34bは、受光発光素子間に遮光物のメダルが挿入されると、それぞれ受光素子322a,322bへの入光が無くなり、それぞれのハーネス323a,323bに流れる出力電流が大きくなりハイレベルとなる。スロットマシン1(図1、図2参照)の制御基板20(図3参照)は、中継基板等を介して、ハーネス323a,323bに流れる出力電流の変化を検出することで、隙間320a,320bにメダルが挿入されたか否かを判別している。
【0077】
それぞれのメダルセンサ34a,34bの信号の出力タイミングは、メダルの通過速度、メダルの直径により決まる。逆に、真正なメダルであれば一定のタイミングで信号が出力され、これに基づき制御基板20(図3参照)はメダルの真偽の判定を行うことができる。また、通過したメダルの個数を計数することができる。
【0078】
次に、逆移動検出センサ34cについてより詳細に説明する。
【0079】
図7、図8に示すように、装置本体301のベース303の背面側において、メダル通路306の垂直部分307に対応する位置には、外側ケース部331が形成されている。外側ケース部331には、背面側に開口して収納部332が形成されている。収納部332は、略矩形状に形成され、逆移動検出センサ34cを前後方向に摺動可能な状態で往復移動可能に収納する。
【0080】
逆移動検出センサ34cは、正面側ケース341、背面側ケース342、2方向検知スイッチ343及び基板344を備えている。ここで2方向検知スイッチ343は基板344に搭載されている。
【0081】
正面側ケース341は、略矩形状の箱体の半体である。正面側ケース341の背面側には、2方向検知スイッチ343及び基板344の正面側略半分を収納する収納部345が形成されている。また、正面側ケース341の正面側には、2方向検知スイッチ343のスイッチ操作部346の先端を外部に突出させるためのスリット347が形成されている。図8に示すように、収納部345の図中下側と上側には、それぞれ基板344を下側と上側から保持するための保持部348、349が形成されている。保持部348、349は、二つの段部によって基板344を挟んで保持する構造になっている。
【0082】
図7に示すように、背面側ケース342は、略矩形状の箱体の半体である。背面側ケース342の正面側には、2方向検知スイッチ343及び基板344の背面側略半分を収納する収納部350が形成されている。収納部350の下側には、基板344を下側から保持するための保持部351が形成されている。また、図9に示すように、収納部350の上側には、基板344を上側から保持するための保持部352が形成されている。保持部351、352は、保持部348、349と同様の構造になっている。
【0083】
図7、図8に示すように、背面側ケース342の背面側には、基板344のハーネス353を通過させるための貫通孔354が形成されている。
【0084】
背面側ケース342の背面には、バネ355a,355bを収容するためのバネ収容穴356a、356bが形成されている。
【0085】
図8に示すように、正面側ケース341は、複数のネジ357によって背面側ケース342にネジ止め固定される。このネジ止め固定を行った場合、収納部345の保持部348、349と、収納部350の保持部351、352(図9参照)は、基板344を強く固定した状態で保持する。この状態で、基板344は、その板面が前記垂直部分307の上下方向に対して平行となるように配置される。これにより、2方向検知スイッチ343のスイッチ操作部346は、前記垂直部分307の上下方向に傾倒可能な状態で配置される。
【0086】
図7に示すように、装置本体301のベース303には、スイッチ操作部346の先端をメダル通路306の垂直部分307に突出させるためのスリット358が形成されている。
【0087】
図7、図8に示すように、外側ケース部331の収納部332は、逆移動検出センサ34cを収納した状態で裏蓋359によって閉塞されるようになっている。図8に示すように、裏蓋359は、複数のネジ360によって外側ケース部331の背面にネジ止め固定される。
【0088】
また裏蓋359には、基板344のハーネス353を通過させるための貫通孔361が形成されている。
【0089】
図7、図8に示すように、逆移動検出センサ34cが組み立てられた状態において、正面側ケース341の正面から背面側ケース342の背面までの長さは、収納部332の深さよりも短くなっている。このような構造により、逆移動検出センサ34cは、収納部332内で、前後方向に摺動可能な状態になっている。
【0090】
バネ355a,355bは、裏蓋359と背面側ケース342の背面の間に介挿され、スイッチ操作部346がスリット358(図7参照)からメダル通路306の垂直部分307に突出する方向に逆移動検出センサ34cを付勢するようになっている。
【0091】
次に、基板344及び2方向検知スイッチ343について詳細に説明する。
【0092】
図9に示すように、2方向検知スイッチ343は、箱型のスイッチ本体370にスイッチ操作部346をR1方向とR2方向の2方向に傾倒可能な状態で設けたものである。R1方向とはメダル305が投入口302(図4参照)から出口313(図4参照)に向かう方向であり、R2方向とは、R1方向の逆方向である。
【0093】
スイッチ操作部346は、爪状に形成され、R1方向とR2方向のうち力が加えられた方向に傾倒操作される。また、スイッチ操作部346は、外部から力が加わらなくなるとスプリングの付勢力によって自動的に中間の位置に戻る。スイッチ本体370は例えば接着やねじ止めによって基板344に強く固定されている。これにより、基板344は2方向検知スイッチ343を搭載している。
【0094】
スイッチ本体370の図中上辺には端子371、372が突出して設けられている。スイッチ本体370の図中下辺には端子373、374が突出して設けられている。端子371、372、373、374は、基板344に形成されたそれぞれ対応する半田付けランドに半田付けされ、基板344に形成された各配線パターンを介してハーネス353の各配線353a、353b、353c、353dにそれぞれ電気的に接続されている。
【0095】
このような構成により、スイッチ操作部346は、前記メダル通路306内を移動する対象物に接触し、当該対象物からの機械的作用により当該対象物の移動に合わせて一方または他方に傾倒操作される。
【0096】
スイッチ本体370は、当該スイッチ操作部346の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の前記投入口方向(R2方向)への移動を検出する。
【0097】
次に、メダル選別装置34のメダル通路に正規のメダルが投入された場合における検出動作について詳細に説明する。
【0098】
図9に示すように、メダル通路306の垂直部分307にコイン305が落下すると、スイッチ操作部346は、バネ355a,355b(図7参照)の力により適度な圧力でコイン305と接触し、静止摩擦力または動摩擦力により図中R1方向に傾倒操作される。すると、スイッチ本体370の端子371、372間がオン状態となり、スイッチ本体370の端子373、374間がオフ状態となり、端子371、372に接続したハーネス353の各配線353a、353bに電流が流れ、端子373、374に接続したハーネス353の各配線353c、353dは電流が遮断された状態となる。
【0099】
スロットマシン1(図1、図2参照)の制御基板20(図3参照)は、中継基板等を介して、このようなハーネス353の各配線353a、353b、353c、353dに流れる電流の変化を検出することで、前記メダル通路306(図9参照)を移動する対象物の移動方向が正常な方向に移動していると判別し、通常の動作を継続する。
【0100】
次に、メダル選別装置34のメダル通路306から対象物が取り出される場合の検出動作について説明する。
【0101】
図10はメダル選別装置34のメダル通路306から対象物が取り出される場合における検出動作について説明する説明図である。
【0102】
図10に示すように、メダル通路306の垂直部分307において、対象物401が上側に引き抜かれる方向に移動すると、スイッチ操作部346は、バネ355a,355b(図7参照)の力により適度な圧力で対象物401と接触し、逆移動検出センサ34cが裏蓋359側に若干押し戻されてから静止摩擦力または動摩擦力により図中R2方向に傾倒操作される。すると、スイッチ本体370の端子371、372間がオフ状態となり、スイッチ本体370の端子373、374間がオン状態となり、端子371、372に接続したハーネス353の各配線353a、353bに流れる電流は遮断され、端子373、374に接続したハーネス353の各配線353c、353dには電流が流れる。これにより、主制御基板20(図3参照)は、メダル通路306を通過する対象物の通過方向が投入口302(図10参照)側に向かう方向になったことを確認し、サブ制御基板30(図3参照)を制御してスピーカ32a、32b(図2参照)に警報を出力させるとともに、外部集中端子基板25(図3参照)を介してホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信する。
【0103】
次に、メダル選別装置34のメダル通路に対象物として不正器具が挿入された場合における検出動作について詳細に説明する。
【0104】
不正器具を用いて不正行為を行う場合、不正遊技者は、まず、不正器具のプラスチックシートをスロットマシン1(図1参照)のメダル投入部71のメダル投入口からメダル選別装置34(図5参照)のメダル通路306に挿入し、プラスチックシートの先端の発光ダイオードをメダルセンサ34a,34b(図6参照)の隙間320a,320b(図6参照)に挿入し、発光ダイオードをメダルセンサ34a,34b(図6参照)の受光素子322a,322b(図6参照)に対向させる。次に、不正遊技者は、不正器具を操作して、前記発光ダイオードを点滅させることで、メダルセンサ34a,34b(図6参照)の受光素子322a,322b(図6参照)を誤動作させ、スロットマシン1(図1参照)の内部に貯留するメダル(クレジット)を不正に増加させる。
【0105】
ここで、不正器具のプラスチックシートがメダル選別装置34(図5参照)のメダル通路306(図5参照)に挿入される場合、スイッチ操作部346は図9に示した矢印R1方向に傾倒操作されるため、主制御基板20は、通常の動作を継続する。
【0106】
次に、不正遊技者は、不正器具がホールの従業員に発見されるのを避けるため、クレジットを不正に増加させた後、メダル選別装置34のメダル通路306から不正器具のプラスチックシートを引き抜くことになる。
【0107】
すると、図10に示すように、スイッチ操作部346は、図中R2方向に傾倒操作され、前述したように、主制御基板20(図3参照)は、スピーカ32a、32b(図2参照)に警報を出力させるとともに、ホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信する。
【0108】
これによりホールの従業員は、不正遊技者の不正行為を迅速かつ確実に発見できる。
【0109】
かかる構成のメダル選別装置34によれば、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止し、防犯に役立つ等の効果が得られる。
【0110】
次に、基板344及び2方向検知スイッチ343について詳細に説明する。
【0111】
図9に示すように、2方向検知スイッチ343は、箱型のスイッチ本体370にスイッチ操作部346をR1方向とR2方向の2方向に傾倒可能な状態で設けたものである。R1方向とはメダル305が投入口302(図4参照)から出口313(図4参照)に向かう方向であり、R2方向とは、R1方向の逆方向である。
【0112】
スイッチ操作部346は、爪状に形成され、R1方向とR2方向のうち力が加えられた方向に傾倒操作される。また、スイッチ操作部346は、外部から力が加わらなくなるとスプリングの付勢力によって自動的に中間の位置に戻る。スイッチ本体370は例えば接着やねじ止めによって基板344に強く固定されている。これにより、基板344は2方向検知スイッチ343を搭載している。
【0113】
スイッチ本体370の図中上辺には端子371、372が突出して設けられている。スイッチ本体370の図中下辺には端子373、374が突出して設けられている。端子371、372、373、374は、基板344に形成されたそれぞれ対応する半田付けランドに半田付けされ、基板344に形成された各配線パターンを介してハーネス353の各配線353a、353b、353c、353dにそれぞれ電気的に接続されている。
【0114】
このような構成により、スイッチ操作部346は、前記メダル通路306内を移動する対象物に接触し、当該対象物からの機械的作用により当該対象物の移動に合わせて一方または他方に傾倒操作される。
【0115】
スイッチ本体370は、当該スイッチ操作部346の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の前記投入口方向(R2方向)への移動を検出する。
【0116】
次に、メダル選別装置34のメダル通路に正規のメダルが投入された場合における検出動作について詳細に説明する。
【0117】
図9に示すように、メダル通路306の垂直部分307にコイン305が落下すると、スイッチ操作部346は、バネ355a,355b(図7参照)の力により適度な圧力でコイン305と接触し、静止摩擦力または動摩擦力により図中R1方向に傾倒操作される。すると、スイッチ本体370の端子371、372間がオン状態となり、スイッチ本体370の端子373、374間がオフ状態となり、端子371、372に接続したハーネス353の各配線353a、353bに電流が流れ、端子373、374に接続したハーネス353の各配線353c、353dは電流が遮断された状態となる。
【0118】
スロットマシン1(図1、図2参照)の制御基板20(図3参照)は、中継基板等を介して、このようなハーネス353の各配線353a、353b、353c、353dに流れる電流の変化を検出することで、前記メダル通路306(図9参照)を移動する対象物の移動方向が正常な方向に移動していると判別し、通常の動作を継続する。
【0119】
次に、メダル選別装置34のメダル通路306から対象物が取り出される場合の検出動作について説明する。
【0120】
図10はメダル選別装置34のメダル通路306から対象物が取り出される場合における検出動作について説明する説明図である。
【0121】
図10に示すように、メダル通路306の垂直部分307において、対象物401が上側に引き抜かれる方向に移動すると、スイッチ操作部346は、バネ355a,355b(図7参照)の力により適度な圧力で対象物401と接触し、逆移動検出センサ34cが裏蓋359側に若干押し戻されてから静止摩擦力または動摩擦力により図中R2方向に傾倒操作される。すると、スイッチ本体370の端子371、372間がオフ状態となり、スイッチ本体370の端子373、374間がオン状態となり、端子371、372に接続したハーネス353の各配線353a、353bに流れる電流は遮断され、端子373、374に接続したハーネス353の各配線353c、353dには電流が流れる。これにより、主制御基板20(図3参照)は、メダル通路306を通過する対象物の通過方向が投入口302(図10参照)側に向かう方向になったことを確認し、サブ制御基板30(図3参照)を制御してスピーカ32a、32b(図2参照)に警報を出力させるとともに、外部集中端子基板25(図3参照)を介してホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信する。
【0122】
次に、メダル選別装置34のメダル通路に対象物として不正器具が挿入された場合における検出動作について詳細に説明する。
【0123】
不正器具を用いて不正行為を行う場合、不正遊技者は、まず、不正器具のプラスチックシートをスロットマシン1(図1参照)のメダル投入部71のメダル投入口からメダル選別装置34(図5参照)のメダル通路306に挿入し、プラスチックシートの先端の発光ダイオードをメダルセンサ34a,34b(図6参照)の隙間320a,320b(図6参照)に挿入し、発光ダイオードをメダルセンサ34a,34b(図6参照)の受光素子322a,322b(図6参照)に対向させる。次に、不正遊技者は、不正器具を操作して、前記発光ダイオードを点滅させることで、メダルセンサ34a,34b(図6参照)の受光素子322a,322b(図6参照)を誤動作させ、スロットマシン1(図1参照)の内部に貯留するメダル(クレジット)を不正に増加させる。
【0124】
ここで、不正器具のプラスチックシートがメダル選別装置34(図5参照)のメダル通路306(図5参照)に挿入される場合、スイッチ操作部346は図9に示した矢印R1方向に傾倒操作されるため、主制御基板20は、通常の動作を継続する。
【0125】
次に、不正遊技者は、不正器具がホールの従業員に発見されるのを避けるため、クレジットを不正に増加させた後、メダル選別装置34のメダル通路306から不正器具のプラスチックシートを引き抜くことになる。
【0126】
すると、図10に示すように、スイッチ操作部346は、図中R2方向に傾倒操作され、前述したように、主制御基板20(図3参照)は、スピーカ32a、32b(図2参照)に警報を出力させるとともに、ホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信する。
【0127】
これによりホールの従業員は、不正遊技者の不正行為を迅速かつ確実に発見できる。
【0128】
かかる構成のメダル選別装置34によれば、メダル通路に不正器具が挿入されたことを迅速かつ確実に発見することで係る不正行為を未然に防止し、防犯に役立つ等の効果が得られる。
【0129】
以下、本発明に係る好適な他の実施形態としてのメダル選別装置を例に図面を参照して説明する。図11はメダル選別装置501における対象物検出センサ534c及びその周辺部の側方から見た断面図である。ここで、図11を用いた他の実施形態の説明において、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10に示した一実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0130】
図11に示すように、メダル選別装置501の対象物検出センサ534cは、検知スイッチとして1方向検知スイッチ543を用いている。
【0131】
1方向検知スイッチ543は、箱型のスイッチ本体570にスイッチ操作部546をR1方向の1方向に傾倒可能な状態で設けたものである。
【0132】
スイッチ操作部546は、爪状に形成され、R1方向に力が加えられた場合にR1方向に傾倒操作される。また、スイッチ操作部546は、外部から力が加わらなくなるとスプリングの付勢力によって自動的に水平の位置に戻る。スイッチ本体570は例えば接着やねじ止めによって基板544に強く固定されている。
【0133】
スイッチ本体570の図中上辺には端子571、572が突出して設けられている。端子571、572は、基板544に形成されたそれぞれ対応する半田付けランドに半田付けされ、基板544に形成された各配線パターンを介してハーネス553の各配線553a、553bにそれぞれ電気的に接続されている。
【0134】
このような構成により、スイッチ操作部546は、前記メダル通路306内を移動する対象物に接触し、当該対象物の移動に合わせて傾倒操作される。
【0135】
スイッチ本体570は、当該スイッチ操作部546の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の移動を検出する。
【0136】
本実施形態において、スロットマシン1(図1、図2参照)の制御基板20(図3参照)は、報知手段となっており、当該スイッチ本体570が当該対象物の移動を所定時間(例えば2秒)以上連続して検出した場合に、異常が発生したと見なして、スピーカ32a、32b(図2参照)に警報を出力させるとともに、ホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信することで報知を行う。
【0137】
次に、メダル選別装置501のメダル通路に正規のメダルが投入された場合における検出動作について詳細に説明する。
【0138】
図11に示すように、メダル通路306の垂直部分307にコイン305が落下すると、スイッチ操作部546は、バネ555a,555b(図7参照)の力により適度な圧力でコイン305と接触し、静止摩擦力または動摩擦力により図中R1方向に傾倒操作される。すると、スイッチ本体570の端子571、572間がオン状態となり、端子571、572に接続したハーネス553の各配線553a、553bに電流が流れる。
【0139】
スロットマシン1(図1、図2参照)の制御基板20(図3参照)は、中継基板等を介して、このようなハーネス553の各配線553a、553bに流れる電流の変化を検出することで、前記メダル通路306に対象物が存在していると判別する。ここで、スイッチ操作部546が落下するコイン305と接触している時間は前記所定時間(例えば2秒)よりも短く、スイッチ本体570が対象物の移動を連続して検出する時間も前記所定時間(例えば2秒)よりも短くなる。このため、制御基板20(図3参照)は通常の動作を継続する。
【0140】
次に、メダル選別装置501のメダル通路に対象物として不正器具が挿入された場合における検出動作について詳細に説明する。
【0141】
ここで、不正器具のプラスチックシートがメダル選別装置501のメダル通路306に挿入される場合、スイッチ操作部546は矢印R1方向に傾倒操作され、主制御基板20(図3参照)は、前記所定時間(例えば2秒)まで通常の動作を継続する。ここで不正遊技者は、不正器具の操作のために、確実に前記所定時間(例えば2秒)以上の時間を使い、プラスチックシートをメダル通路306内に挿入して目的の位置に停止させることになる。すると、スイッチ本体570は、当該スイッチ本体570が当該対象物の移動を所定時間(例えば2秒)以上連続して検出し、制御基板20(図3参照)は、スピーカ32a、32b(図2参照)に警報を出力させるとともに、ホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信する。
【0142】
これによりホールの従業員は、不正遊技者の不正行為を迅速かつ確実に発見できる。
【0143】
かかる構成のメダル選別装置501によれば、図9に示したメダル選別装置34と同様の効果が得られるとともに、図9に示したメダル選別装置34よりも早期にメダル通路に不正器具が挿入されたことを発見できる。
【0144】
尚、図1乃至図11に示した一実施形態及び他の実施形態において、不正が行われたことに対する報知方法としては、スピーカに警報を出力させる方法とホールコンピューに不正が行われたことを示すデータを送信する方法を用いたが、スロットマシンの上方に配置された台ランプを点灯させる方法等の他の報知方法を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、スロットマシンのメダル選別装置に限らず、パチンコ機やその他の遊技機におけるメダル選別装置にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は、本発明の一実施形態によるスロットマシンの外観構造を表した斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態によるスロットマシンの内部構造を表した図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態によるスロットマシンの制御システムを表したブロック図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態によるメダル選別装置のカバープレートが開かれた状態の正面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態によるメダル選別装置のカバープレートが閉じられた状態の正面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による図5のA−A線断面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態による図5のB−B線断面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態による逆移動検出センサの分解斜視図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態による逆移動検出センサ及びその周辺部の側方から見た断面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態によるメダル選別装置のメダル通路から対象物が取り出される場合における検出動作について説明する説明図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態による逆移動検出センサ及びその周辺部の側方から見た断面図である。
【符号の説明】
【0147】
1…スロットマシン、 2…筐体、 3…前扉、 4…上部パネル部、
5…下部パネル部、 6…受皿ユニット、 6a…受皿部、 7…操作卓、
20…主制御基板、 21…ホッパ装置、 22…補助貯留部、
23…主電源装置、 24…電源装置基板、 25…外部集中端子基板、
30…サブ制御基板、 31…発光ダイオード、
32a、32b…スピーカ、 33…中央表示基板、
34…メダル選別装置、 34a,34b…メダルセンサ、
34c…逆移動検出センサ、35、36、37…ガイド部材、
38…スピーカ、41…パネル面、 42…表示窓、
43…遊技状態表示部、44…ドットマトリクス表示部、
45…数値情報表示部、46…演出用照明部、
47a、47b…演出用放音部、48…液晶表示ユニット、
49a、49b…演出用照明部、51…パネル、
61…メダル払出口、 62…演出用放音部、
71…メダル投入部、 72、73、74…ベットボタン、
75…スタートレバー、 76a、76b、76c…ストップボタン、
77…鍵穴、100…リールユニット、
101a、101b、101c…リール、
102…ボス部、 103…アーム部、 104…第1リング部、
105…第2リング部、 106…連結部、 107…遮光片、
108…リールテープ、
110a、110b、110c…ステッピングモータ、
120a、120b、120c…基準位置センサ、
130…回胴装置基板、
201…CPU、 202…乱数抽選部、 203…記憶部、
204…システムプログラム、 205…入賞抽選テーブル、
206…内部抽選フラグ、 207…図柄配列データ、
208…リール停止位置検索テーブル、
209…リール停止位置選択テーブル、
210…リール停止コマフラグ、 211…リール制御フラグ、
212…タイマ、 213…タイマ割込生成部、
214…メダルクレジット手段、
300…演出装置、301…装置本体、302…投入口、303…ベース、
304…カバープレート、305…メダル、306…メダル通路、
307…垂直部分、308…傾斜部分、309…斜面、
310…排除窓、311…排除爪、312…メダル、313…出口、
320a,320b…隙間、321a,321b…発光素子、
322a,322b…受光素子、331…外側ケース部、
332…収納部、341…正面側ケース、342…背面側ケース、
343…2方向検知スイッチ、344…基板、345…収納部、
346…スイッチ操作部、347…スリット、
348、349…保持部、350…収納部、
351、352…保持部、353…ハーネス、
353a、353b、353c、353d…配線、
354…貫通孔、355a,355b…バネ、
356a、356b…バネ収容穴、357…ネジ、
358…スリット、359…裏蓋、360…ネジ、
361…貫通孔、370…スイッチ本体、
371、372、373、374…端子、
501…メダル選別装置、534c…対象物検出センサ、
543…1方向検知スイッチ、544…基板、
546…スイッチ操作部、553…ハーネス、
553a、553b…配線、570…スイッチ本体、
571、572…端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口からメダル通路に投入されたメダルの適否を判別し振り分け、適正と判別されて振り分けられたメダルをフォトセンサによって検出するメダル選別装置であって、
前記メダル通路内を移動する対象物に接触し、当該対象物の移動に合わせて傾倒操作されるスイッチ操作部と、
当該スイッチ操作部の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の前記投入口方向への移動を検出するスイッチ本体とを備えることを特徴とするメダル選別装置。
【請求項2】
前記スイッチ本体が対象物の前記投入口方向への移動を検出した場合に、異常が発生したと見なして報知を行う報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のメダル選別装置。
【請求項3】
投入口からメダル通路に投入されたメダルの適否を判別し振り分け、適正と判別されて振り分けられたメダルをフォトセンサによって検出するメダル選別装置であって、
前記メダル通路内を移動する対象物に接触し、当該対象物の移動に合わせて傾倒操作されるスイッチ操作部と、
当該スイッチ操作部の傾倒の動きに連動してオンオフすることで当該対象物の移動を検出するスイッチ本体と、
当該スイッチ本体が当該対象物の移動を所定時間以上連続して検出した場合に、異常が発生したと見なして報知を行う報知手段とを備えることを特徴とするメダル選別装置。
【請求項4】
前記スイッチ操作部を往復移動可能に収容する収容部と、
前記スイッチ操作部を前記メダル通路内に突出する方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の遊技機用スイッチユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−59027(P2006−59027A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238634(P2004−238634)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】